JPH02283202A - 播種育苗用粘着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、穀物、野菜、花弁などの播種育苗に係り、特
に１種子を所望の部位に所望の密度で効率よく播種し、
かつ、播種の作業性を格段に向上させることに好適な播
種育苗用粘着シートに関する。

〔従来の技術〕

穀物、野菜、花弁などの播種作業は、大別して、次の２
種類の方法によって行われる。すなわち、その一つの方
法は種子を畑に直接播種するいわゆる直播き方法であり
、他の一つの方法は種子を一旦小面積の育苗マットなど
に播種して発芽、育苗した後、改めて苗を定植する方法
である。これまで、上記いずれの方法においても、播種
は手作業によって行っていたが、近年農業従事者数の減
少およびその高齢化が進むに伴って作業性の改善の重要
性が増してきている。また、従来は、種子の品質が不均
一であったため、必要個数以上の種子を播種し１発芽後
に健全な苗を残して間引きをするという作業を避は得な
かった。しかし、近年、種子の雑種１代化（Ｆ□化）に
よって種子の品質および発芽率が向上したことによって
、播種量を大幅に低減することが強く求められている。

上記のような問題点の改善を目的として、以下のような
方法が提案されている。すなわち、（１）水溶性のテー
プに適宜の間隔で種子を包み込み、畑に埋設する方法、
（２）種子位置を固定するために、水溶性支持体面上に
水溶性の粘着剤層を設けたテープに適宜の間隔で種子を
包み込んだ形で畑に埋設する方法（特層間第６２−２０
６４９２号）５（３）小径の種子を保護剤で被覆するこ
とによって大粒径化および形状均一化をはかり（以下、
この種の種子をコート種子と呼ぶ）、これを簡単な手押
し式播種機を用いて畑に播種する方法などである。しか
し、この場合にも手作業部分が十分に古書された状態に
はなかった。

一方、近年急速に利用分野が拡大している水耕栽培にお
いては、−旦小面積のウレタンフオーム裏などの育苗マ
ット上に定められた間隔で定められた個数の種子を載置
して発芽、育苗させ、その後苗を定植する手順がとられ
ているが、この場合にも、種子の大きさ、形状が多岐に
わたるため、播種はやはり手作業によっているのが一般
的である。特に、高価な種子を用いる場合には、育苗マ
ット上の所望の位置に所望個数の種子を載置するいわゆ
る点状載置が必要なため、その作業は手作業によらざる
を得ない状態にあった。

〔発明が解決しようとする課題〕

以上述べたように、従来技術においては、播種・育苗を
育苗マットあるいは育苗床等を用いて行ういわゆる植物
工場的形態においてさえも、播種作業は手作業によって
行われるのが実状であった。

本発明の目的は、上記従来技術の有していた課題を解決
して、種子を育苗マットあるいは育苗床上に所望の間隔
、所望の密度で精度よく、しかも、効率よく載置するこ
とのできる播種育苗用手段を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、吸水性の支持体（水溶性あるいは水分散性
の紙あるいは水溶性高分子フィルムなど）の上に非水溶
性粘着剤を点状に塗工して該粘着剤上に種子を固定でき
るようにし、かつ、上記支持体が吸水した時に上記固定
種子に十分給水されるように点状塗工粘着剤の塗工面積
を調整した構成からなる播種育苗用粘着シートを用いる
ことによって達成することができる。

〔作用〕

シート状′支持体上に粘着剤を点状に塗工した構成の粘
着シートとすることによって、該粘着シート上の所定の
部位に種子を搭載することができる。

種子搭載の方法は、上記粘着シートの粘着剤塗工面上に
種子を一様に散布した後、該粘着シートを傾斜させるな
どの操作により粘着剤塗工部以外の部位の種子を取り除
くか、あるいは、底の平坦な容器に種子を一様に入れて
おき、上記粘着シートを粘着剤塗工面を下向きにして被
せ、ローラなどによって上から圧着するなどの手法によ
る。

次に、支持体上への粘着剤塗工面積について説明する。

まず本発明者等が先に提案した水溶性あるいは水分散性
の粘着剤を水溶性あるいは水分散性のシート状支持体上
に点状に塗工した粘着シート（特願昭６３−１２７０４
３）の場合には、粘着剤上に種子を貼着させた後、該種
子搭載粘着シートを予め十分給水した育苗マットあるい
は育苗床上に載置すると、まず支持体を通して粘着剤に
給水が行われ、粘着剤が吸水して徐々に水に溶解して種
子に給水が行われるので、種子への給水という点からは
、点状塗工粘着剤の塗工面積については何等制限はない
、ただ、この場合、シート状支持体への給水後比較的早
い時期に種子の粘着剤への貼着が解除され、種子が自由
に移動し得る状態となる。

これに対して、粘着剤として非水溶性の粘着剤を用いる
場合には、搭載する種子の大きさ、形状および貼着粒数
と粘着剤塗工面積との間には密接な関係が生ずる。すな
わち１種子の大きさに比べて粘着剤塗工面積が必要以上
に大きい場合、粘着剤が非水溶性であることによって種
子への給水が阻害されやすく１期待通りの発芽率が得ら
れないことになる。搭載される種子の大きさ、形状は作
物の種類によりまちまちであり、コマツ菜のように直径
１ｍｉ＊に満たない球形の種子から直径３〜４■の球形
のコート種子、さらにサラダ菜やみつばなどのように偏
平で長さが３〜５ｍｍの細長い種子など種々のものがあ
るので、これに対処する手段として、搭載する種子の大
きさ、形状に応じて点状粘着剤１部位あたり所望の個数
の種子を搭載し、しかも、搭載したすべての種子に対し
て、その搭載状態にかかわらず給水できる粘着剤塗工部
面積を予め決めておく必要がある０例えば、点状塗工粘
着剤面積が約０．８ｍｍ”の円形の場合、コマツ菜の裸
種子やサラダ菜のコート種子などは１個の粘着剤塗工部
当り１粒ずつ搭載されるが、みつば、ねぎなどの裸種子
は平均２粒、サラダ菜、レタスの裸種子は平均４〜５粒
搭載される。また点状塗工粘着剤面積が約３　ａｒｍ”
の円形の場合には、サラダ菜のコート種子は１粒ずつ、
コマツ菜では平均２〜３粒、みつば、ねぎでは平均３〜
４粒搭載される。上記いずれの場合でも１種子を搭載し
た粘着シートを予め水を十分滲透させた育苗マットある
いは育苗床上に載置することによって、搭載したすべて
の種子に十分給水させることができ、本粘着シートを用
いることなく手播きした場合と比べて、有意差のない発
芽率を得ることができる。

ここで１点状塗工粘着剤の面積を種々変えた場合の種子
搭載性と搭載種子への給水性について実験的に検討した
結果、粘着剤塗工面積が９　ａｍ”以下の場合には殆ど
の野菜、花弁の種子について搭載、給水が容易に行われ
、発芽率も手播きの場合と有意差がないこと、粘着剤塗
工面積が９　ａｍ”よりも大きくなるに従って搭載種子
の発芽率が手播きの場合に比べて低下する品種（例えば
、サラダ菜、レタス、しその裸種子）が多くなること、
さらに、粘着剤塗工面積が種子の大きさに対して十分に
大きい場合には発芽率が殆ど０となることが知られた。

この結果から、非水溶性の粘着剤を用いる場合、塗工部
面積は少なくとも９１１１１２以下であることが望まし
いことがわかる。

なお、非水溶性粘着剤を用いた場合には、種子の表皮が
粘着剤に貼着している状態が長時間保持され、従って、
種子が当初の貼着位置に固定されているため、発根した
根の培地中への伸長および双葉の種皮からの脱離が容易
になる利点がある。

次に、本発明に係る非水溶性粘着剤および該粘着剤のシ
ート状支持体への点状塗工について簡単に説明すると、
非水溶性粘着剤としては天然ゴムを主体とするゴム系粘
着剤、アクリル系粘着剤。

シリコーン系粘着剤などがあり、市販品の具体例として
、バインゾールＲ−１５００（一方社油脂工業■製）、
ＳＫダイン１６０４　（綜研化学■製）、アロンタック
５１５１１　（東亜合成化学工業ｎｍ＞などを挙げるこ
とができるが、これらのいずれかを−旦剥離紙上にスク
リーン印刷し、乾燥した後、支持体に貼り合わせ、転写
することによって目的とする粘着シートを得ることがで
きる。

〔実施例〕

以下、本発明の播種育苗用粘着シートについて、実施例
によって具体的に説明する。

実施例　１ 第１図は本発明播種育苗用粘着シートの一実施例の構成
を示す部分拡大図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は（ａ）
のＡ−Ａ’断面を示す図であり。

吸水性のシート状支持体１と、該支持体１上に点状に塗
工した非水溶性粘着剤２からなることを示す、なお（ｂ
）には点状塗工粘着剤２上に種子３を搭載した状態を示
した。

ここで、粘着剤２の塗工面積を約０．２ａｍ”とした場
合には、サラダ菜、レタスなどのような偏平な小形の種
子を粘着剤塗工部当り１個ずつ搭載することができ、ま
た塗工面積を約６　＋ａ＋ｍ”とした場合には、コート
種子のような大粒径の種子を粘着剤塗工部当り１個ずつ
搭載することができた。いずれの場合も、予め水を十分
滲透させた育苗マットに載置したときに、吸水膨潤した
支持体１から種子３に十分な給水が行われた。

実施例　２ 第２図は本発明播種育苗用粘着シートの他の実施例の構
成を示す部分拡大図で、（、）は斜視図、（ｂ）は（ａ
）のＢ−Ｂ’断面を示す図であり、吸水性の支持体１上
に、該支持体の所望の播種部位当り複数個の点状塗工粘
着剤２を設けてなることを示す、なお、（ｂ）には点状
塗工粘着剤２上に種子３を搭載した状態を示した。

本構成の粘着シートにおいて、粘着剤塗工面積を０．２
ｍ♂、粘着剤塗工間隔を約４＋ｎ＋ａとし、各播種部位
当り４個の粘着剤を設けた場合、比較的小形の種子（例
えば、サラダ菜、レタス等）を散布播種した時に、所望
の播種部位当り４個ずつの種子を搭載することができた
。また、種子を搭載した粘着シートを予め水を十分滲透
させた育苗マット上に載置した時に、支持体１から種子
３に十分な給水を行わせることができた。

実施例　３ 本実施列は支持体上に設けた粘着剤上に複数個の種子を
搭載する場合の本発明播種育苗用粘着シートの例を示し
たものである。すなわち、第３図（ａ）は支持体上上に
粘着剤２を設けた粘着シートの斜視図、同図（ｂ）は粘
着剤２上に種子を搭載した状態の（ａ）のｃ−ｃ’断面
を示す図で、本構成の粘着シートにおいて粘着剤面積を
０．８＋＋＋ｍ”とし、これにサラダ菜、レタス等の小
形種子を散布播種した場合、１個の粘着剤塗工部当り４
個の種子を搭載することができた。また、種子を搭載し
た該粘着シートを予め水を十分滲透させた育苗マット上
に載置した時、支持体１から種子３に十分な給水を行わ
せることができた。

以上、３つの実施例について説明したが、支持体上への
粘着剤塗工面積および塗工部配置を選択することによっ
て、本発明播種育苗用粘着シートを他の多くの種類の種
子の播種、育苗に適用することができる。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように、播種育苗用シートを本発明構成
の播種育苗用粘着シートとすることによって、従来技術
の有していた課題を解決して、作業性に優れ、また、所
望の位置に位置精度高（所望個数の種子を播種・育苗さ
せることができ、かつ、播種量を大幅に低減することの
できる播種育苗用粘着シートを提供することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明播種育苗用粘着シートの一実施例の構成
を示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ
’断面図、第２図は本発明播種育苗用粘着シートの他の
実施例の構成を示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は（
ａ）のＢ−Ｂ’断面図、第３図は本発明播種育苗用粘着
シートのさらに他の実施例の構成を示す図で、（、）は
斜視図、（ｂ）は（ａ）のｃ−ｃ’断面図である。 １・・・吸水性シート状支持体 ２・・・非水溶性粘着剤 ３・・・種子 代理人弁理士　　中　村　純之助

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、吸水性のシート状支持体上に粘着剤を点状に設けた
   播種育苗用粘着シートにおいて、支持体上に設けた粘着
   剤が非水溶性粘着剤であり、かつ、それぞれの点状粘着
   剤の面積が９ｍｍ＾２以下であることを特徴とする播種
   育苗用粘着シート。 ２、上記点状粘着剤の形状が円形であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の播種育苗用シート。 ３、上記シート状支持体が水溶性あるいは水分散性の紙
   あるいは水溶性高分子フィルムからなるシート状支持体
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の播
   種育苗用粘着シート。