JPH01296909A - 播種育苗用粘着シートおよび播種育苗方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は穀物、野菜、花き等の播種育苗に係り、特に、
種子を所望の部位に位置精度高く効率よく播種し、かつ
、播種の作業性を格段に向上させることに好適な播種育
苗用シートおよび播種育苗方法に関する。

〔従来の技術〕

穀物、野菜、花き等の播種作業は大別して次の２種類の
方式によって行われている。すなわち、その一つは畑に
直接播種して発芽、成育させる直播き方式であり、他の
一つは一旦小面積の育苗マットあるいは育苗床上に播種
して発芽、育苗した後苗を畑に定植させる方式である。

従来は上記いずれの方式の播種作業も手作業によってい
たが、近年、農業従事者数が減少し、かつ、その高齢化
が昂進するに伴って５作業性の改善が重要性を増してき
ている。また、従来は１種子の品質が不均一であったた
め、必要個数以上の種子を播種し、発芽、育苗した後に
、高品質の苗を残して他の苗を除くといういわゆる間引
き作業を避は得なかった。しかし、近年種苗産業にバイ
オテクノロジーが導入され、種子のＦ０化によって種子
の品質および発芽率が飛躍的に向上したことによって、
播種量を大幅に低減させることが強く求められている。

上記の作業性改善および播種量低減を目的として、次の
ような方法が提案されている。すなわち。

（１）長尺の水溶性テープに適宜の間隔で種子を包み込
み、畑に埋設する方法、（２）種子位置を固定するため
に、水溶性の支持体面上に水溶性の粘着剤層を設けた長
尺テープに適宜の間隔で種子を包み込んだ形で畑に埋設
する方法（本発明者等の提案：特願昭第６２−２０６４
９２号）、（３）小径の種子を保護剤で包み込むことに
よって大粒径化および形状均一化をはかり、これを簡単
な手押し式播種機を用いて適宜の間隔で畑に播種する方
法などを挙げることができる。

一方、近年急速に利用分野が拡大している水耕栽培やロ
ックウール栽培においては、−旦小面積（０，２ｍ”）
の育苗マット（通常ウレタンフオーム製）上に定められ
た間隔で定められた個数の種子を載置して発芽・育苗し
、その接菌を定植するという手順がとられているが、こ
の場合、種子の大きさ、形状が多岐にわたるため、種子
の載置作業は手作業によっているのが一般的である。特
に。

高価な種子登用いる場合には、育苗マット上の所望の位
置に所望個数（通常１〜３個）の種子を載置するいわゆ
る点状載置が必要なため、載置作業は手作業によらざる
を得ない状態にある。また。

育苗マット上に所望の間隔で幾条にもわたって一列に種
子を載置するいわゆる筋状載置の場合も載置は手作業で
行われているのが実態である。ただ。

比較的安価な種子の場合には、簡単な種子載置機を用い
て育苗マット上に種子をバラ播きする方法がとられるこ
ともある。

〔発明が解決しようとする課題〕

以上に述べたように、播種・育苗を育苗マットあるいは
育苗床等を用いて行ういわゆる植物工場的形態において
も、播種作業は依然として手作業によって行われている
のが実状である０例えば、育苗マットへの播種に前記（
１）あるいは（２）の手段を採用することが考えられる
が、これまでにその採用は知られていない。これは、一
つには、種子搭載位置精度の問題もあり、また、テープ
への種子包み込みに用いる種子搭載機が高価であること
によるものである。また、育苗マット上に前記に３）の
手段によって種子を載置することも試みられているよう
であるが、これもあまり普及していない。これは、種子
を保護剤によって被覆することによる種子の高価格化が
主な理由である。

本発明の目的は、上記従来技術の有する課題を解決して
、育苗マットあるいは育苗床上に所望の間隔で所望個数
の種子を位置精度高く５しかも効率よく載置することの
できる播種育苗用具および播種育苗方法を提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、水溶性あるいは水分散性の紙（以下、水溶
紙と称する）あるいは水溶性の高分子フィルムを支持体
とし、該支持体上に水溶性あるいは水分散性の粘着剤（
以下、水溶性粘着剤という）を点状塗工、筋状塗工ある
いはパターン塗工して所望の位置に所望個数の種子を搭
載できるようにした構造の粘着シートを用いて育苗マッ
トあるいは育苗床上で育苗することによって達成するこ
とができる。

〔作用〕

上記の粘着シートを用いることによって、種子の大きさ
、形状に関係なく、該粘着シート上の所定の部位に所定
個数の種子を容易に搭載させることができる６例えば、
筋状に幾条にもわたって一列に種子を搭載したい場合に
は、支持体上に種子の大きさに応じた幅で、かつ、所望
の間隔をおいて筋状に幾条にもわたって粘着剤を塗工し
た粘着シートを用いる。また、シート上に種子を点状に
搭載したい場合には、支持体上の複数個の所望の部位に
所望の大きさ、形状で粘着剤を塗工した粘着シートを用
いる。粘着剤の点状塗工については。

搭載する種子の大きさ、形状に応じて、各塗工部位当り
所望個数の種子を搭載可能とするための粘着剤塗工部の
大きさ、形状を予め決めておけばよい。

上記粘着シートへの種子の搭載は次のようにして行うこ
とができる。すなわち、上記粘着シートの粘着剤塗工側
の面上に種子を一様に散布した後該粘着シートを傾斜さ
せるなどの操作を行うことによって、粘着剤塗工部以外
の部位にある種子を取り除いて、粘着剤塗工部位のみに
種子を貼着した形態の粘着シートを得ることができる。

また、使用する粘着シートと同じ大きさの容器に多量の
種子を入れておき、上記粘着シートを粘着剤塗工面を下
向きにして種子上に被せ、該粘着シートを上から、手ま
たはローラなどによって、軽く圧着することによって、
粘着剤塗工部のみに種子をより強固に貼着した状態の粘
着シートを得ることができる。このようにして、極めて
簡単な操作によって、粘着シート上の所定の部位に所望
個数の種子を搭載することができる。

また、育苗については、上記のようにして種子を搭載し
た粘着シートを育苗マットの上に置くかあるいは育苗床
上に置いて少量の覆土を施した後。

上方から徹水して水を浸み込ませることによって。

該粘着シートの支持体および粘着剤が水に溶解するかあ
るいは分散してしまうので、育苗マットあるいは育苗床
上の所望の位置に所望個数の種子を播種したことになり
、その後の発芽育苗を進めることができる。

ここで、水溶性あるいは水分散性の粘着剤について簡単
に説明する。この種の粘着剤についてはすでに多くの特
許出願があり、また、市販品も多い。これらの多くはア
クリル酸エステルとカルボキシル基あるいは水酸基を有
するモノマーとの共重合物で、該カルボキシル基と塩基
性物質との塩として水溶性あるいは水分散性を向上させ
たものである。市販品の具体例としては、商品名「アロ
ンタック　Ｓ　−４５０１Ｊ　（東亜合成化学工業＠製
）、ｒＳＫダイン−１１２７Ｊ、ｒＳＫダイン−１１７
０」（綜研化学■製）、［モビニール　Ｓ−７０Ｊ（ヘ
キスト合成■製）などを挙げることができる。

また、支持体として使用する水溶性あるいは水分散性材
料としては水溶性フィルムおよび水溶紙がある。具体的
には、水溶性フィルムとしては。

水溶性であるポリビニルアルコール（以下、ＰｖＡと称
する）をシーテイングして作成することも可能であるが
、ＰＶＡを素材とする市販商品として「ハイセロン」シ
リーズ（日台フィルム■製）、「ツルブロン」シリーズ
（アイセロ化学■製）などがあり、また、水溶紙として
は、繊維状水溶性樹脂（例えば、繊維状カルボキシメチ
ルセルローズ）と木材パルプとの混合物を素材とする商
品名「デイゾルボーＷＡＪシリーズ（三島製紙■製）な
どを挙げることができる。

なお、上記説明においては本発明の粘着シートに係る支
持体および粘着剤の材料について具体的商品名を挙げて
説明したが、これらは例示であって、本発明はこれらの
商品に限定されるものではない。

次に、水溶性の支持体上に水溶性の粘着剤を筋状あるい
は点状に塗工する方法について説明する。

水溶性粘着剤のほとんどは、塗工性を高めるために２有
機溶媒で希釈されており、水分を含んでいないので、こ
れを水溶性支持体上に直接塗工し。

乾燥することによって目的とする粘着シートを得ること
ができる。また、一部の水溶性粘着剤には水に希釈ある
いは分散させたものもあるが、この場合は、水溶性の支
持体上に直接塗工することができないので、−旦はく離
ライナー上に塗工して乾燥した後、水溶性支持体に貼り
合わせて転写するいわゆる転写法によって目的とする粘
着シートを得ることができる。有機溶媒に希釈された粘
着剤の場合にも、この転写法は適用可能である。なお、
上記粘着剤の塗工は印刷機を用いれば筋状あるいは点状
等のパターン塗工が可能であり、印刷方法としては一般
に用いられているグラビア法、フレキソ法、凸版法、ス
クリーン法などいずれの方法も適用可能である。また、
後出実施例で示すように、水溶性の支持体全面に水溶性
粘着剤を塗工した後、該粘着剤塗工面を、さらに、水溶
性の支持体で部分的に被覆して必要部分の粘着剤のみを
露出させる方法でも、本発明の機能を満足する粘着シー
トを得ることができる。

以上、本発明の粘着シートに用いる材料および加工方法
などについて説明してきたが１種子に対する栄養成分、
発育促進剤、消毒剤などをこれらの材料中に添加して使
用することも可能である。

また、以上の説明は粘着シートについて行ってきたが、
長手方向に巻きとったものを巻き戻して使用するいわゆ
るテープ状での使用も可能であることは言うまでもない
。

〔実施例〕

以下、本発明の播種育苗用粘着シートおよび播種育苗方
法について、実施例によって具体的に説明する。

実施例　１ 第１図は本発明の粘着シートの一実施例を示す部分拡大
斜視図で、水溶性の支持体１の上に水溶性粘着剤２を点
状に塗工した構成からなることを示すものである。また
、第２図は第１図の粘着シートの粘着剤塗工部位に各１
個の種子を搭載したときの第１図Ａ−Ａ’における縦断
面を示した図である。例えば、上記構成の粘着シートの
粘着剤塗工部位に各１個のコマツ菜の種子を搭載するた
めには、支持体シート上の所定部位に粘着剤を直系１．
０〜１　、５ｍｍｍの円形状に塗工することで足り、ま
た、各粘着剤塗工部位に２〜３個の種子を搭載しようと
するためには、粘着剤を約１．０ｍｍ　Ｘ　３．Ｏｍｍ
の長方形に塗工すればよい。

ここで、水耕栽培などで用いられる育苗箱にいれた育苗
マット（ウレタンフオーム製の約３００ｍｍＸ　６００
＋ａｍ）上に縦横２４ｍｍ＋ピッチで１個所に１個の種
子を全面均一に合計３００個手作業で配列するのに要す
る時間と１本実施例構成の粘着シート上に種子を散布し
て上記と同一条件の搭載をするのに要する時間とを比較
した結果、手作業配列では１５分を要したのに対して、
本実施例構成の粘着シートを用いた場合、僅か１０秒を
要するにすぎなかった。また、手作業配列の場合には種
子のころがりなどで載置位置が変ってしまう場合もあっ
たが。

本実施例構成の粘着シート使用の場合、粘着剤塗工部ど
うりの規則正しい種子の配列が得られた。

次に、コマツ菜の種子を搭載した本実施例構成の粘着シ
ートを育苗マット上に載置した場合と同種子を手作業で
育苗マット上に載置した場合とについて上方から水を霧
状に撒布してその発芽率を調べた結果、手作業によるも
のの場合の発芽率９２％に対して粘着シート使用の場合
の発芽率は９３％で５両者間に大きな差異は認められな
かった。

さらに、育苗床に種子を直播きした後に覆土した場合と
、本実施例構成の粘着シートに種子を搭載したものを育
苗床に置いた後に覆土したものとについて撒水後の発芽
率を調べた結果、前者の発芽率は９０％、後者の発芽率
は８９％で、この場合にも大きな差異は認められなかっ
た。

実施例　２ 第３図は本発明粘着シートの第２の実施例を示す部分拡
大斜視図で、水溶性の支持体１の上に水溶性の粘着剤２
を所定の間隔で筋状に塗工した構成からなることを示す
ものである。

６筋の塗工幅は搭載する種子の種類によって異なるが、
例えばレタスなどのような小粒径の種子の場合には１　
、０＋＋＋＋ｍ〜２．０ｍｍが適している。

実施例　３ 第４図は本発明粘着シートの第３の実施例の構成を示す
部分拡大斜視図で、実施例１の場合と同様の所定間隔を
おいた種子搭載を目的とするものであるが１本実施例の
場合は、水溶性の支持体１の上に水溶性の粘着剤２を全
面に塗工し、該塗工面に予め孔５を設けた水溶性支持体
４を貼着した構成からなることを示す。第５図は第４図
の粘着シートの粘着剤露出部に各１個の種子を搭載した
ときの第４図Ｂ−Ｂ　’における縦断面を示した図であ
る。

この場合の粘着シートへの種子の搭載は、該粘着シート
の全面に多量の種子を散布した後、該粘着シートを傾斜
させることにより粘着剤露出部以外の種子を除去し、孔
５に入った種子３のみを粘着剤２に固着させることによ
って行う。

（発明の効果） 以上述べてきたように、播種育苗に本発明の播種育苗用
粘着シートおよび播種育苗方法を用いることによって、
従来技術の有していた課題を解決して１作業性に優れ、
また所望の位置に位置精度高く整然と播種することがで
き、かつ、播種量を大幅に低減することの可能な播種育
苗を得ることができるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による播種育苗用粘着シートの第１の実
施例の構成を示す部分拡大斜視図、第２図は第１図の粘
着シート上に種子を搭載したときの第１図Ａ−Ａ’部の
縦断面図、第３図は本発明による播種育苗用粘着シート
の第２の実施例の構成を示す部分拡大斜視図、第４図は
本発明による播種育苗用粘着シートの第３の実施例の構
成を示す部分拡大斜視図、第５図は第４図の粘着シート
に種子を搭載したときの第４図Ｂ−Ｂ’部の縦断面図で
ある。 １・・・水溶性あるいは水分散性の支持体２・・・水溶
性あるいは水分散性の粘着剤３・・・種子 ４・・・孔を設けた水溶性あるいは水分散性の支持体５
・・・孔 代理人弁理士　　中　村　純之助 第１図 第３図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、シート状の支持体および該支持体上に設けた粘着剤
   がともに水溶性あるいは水分散性の材料からなることを
   特徴とする播種育苗用粘着シート。 ２、上記シート状の支持体が水溶性あるいは水分散性の
   紙または水溶性高分子フィルムからなるシート状の支持
   体であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   播種育苗用粘着シート。 ３、上記粘着剤が支持体上に点状あるいは筋状に設けた
   粘着剤であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の播種育苗用粘着シート。 ４、水溶性あるいは水分散性の支持体シート上に水溶性
   あるいは水分散性の粘着剤を点状あるいは筋状に設けた
   播種育苗用粘着シートの粘着剤塗工部に種子を搭載して
   なる種子搭載播種育苗用シートを育苗マット、育苗床な
   どの上に載置して、種子の播種間隔および播種個数を制
   御した状態で発芽育苗を行うことを特徴とする播種育苗
   方法。