JPH0117925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はマスタード、スープセロリ、シソ、ガ
ーデンクレス又は貝割大根等の芽物野菜の水耕栽
培用マツトに関する。

＜従来の技術＞ 最近、野菜等の水耕栽培が普及し、栽培用マツ
トとしてスポンジ等が広く用いられている。しか
し従来のマツトでは、マツト上に種子を播くため
に播種機が必要であつて種子播きに手間が掛かる
ばかりでなく、種子を均一に播くことが困難であ
り育成に斑があつた。また、従来は栽培時におい
てマツトを入れる育成容器が必要であり栽培コス
トを高価にした。

＜考案が解決しようとする課題＞ 本考案は上記種々の欠点を解消すべく考案した
ものであつて、その第一はマツトの生産と同時、
即ち上部マツトに種子を均一に播き直ちに水溶性
糊で上部マツトに種子を固定し、これを栽培の際
にそのまま、或いは適当な広さに切断して水耕栽
培を行なわしめる芽物野菜の水耕栽培用マツトを
提供せんとする。本考案の第二は、マツト上に種
子が均一に固定されているので育成に斑が生じな
く、しかも非常に簡便に水耕栽培ができる芽物野
菜の水耕栽培用マツトを提供せんとする。第三の
目的は、十分な保水性を有し、かつ出芽育成する
に十分な芽物野菜の水耕栽培用マツトを提供せん
とする。また第四の目的は、同種又は異種の芽物
野菜を適当な大きさに切り離すことができる芽物
野菜の水耕栽培用マツトを提供せんとする。更に
第五の目的は、マツトの色彩を栽培用種子の種類
に応じて識別できる芽物野菜の水耕栽培用マツト
を提供せんとする。更にまた第六の目的は、激し
い散水等の給水によつても種子は散乱せず、常に
安定した芽物野菜の生産を行える芽物野菜の水耕
栽培用マツトを提供せんとする。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記目的に基づいてなされたもの
で、その要旨は栽培用種子の種類に応じて各種色
彩を施こし、かつ所定の広さに切り離しができる
縦横にミシン目を設けた、下部マツトと上部マツ
トを積層したものであつて、該積層した上部マツ
トには水溶性糊で被覆した栽培用種子が散水で該
糊を溶出しても散乱しないよう多数の粗目孔を設
けると共に、前記下部マツトに保水性を有して芽
物野菜の主根および毛根を育成する細目孔を設け
てなる芽物野菜の水耕栽培用マツトにある。

＜実施例＞ 本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する
と、第１図と第２図は本考案の芽物野菜の水耕栽
培用マツトであり、第３図と第４図は本考案マツ
トを用いた栽培方法を示すものであり、第５図は
本考案マツトで二種以上の促成栽培を収穫して出
荷パツクに収納したものである。芽物野菜の水耕
栽培用マツトは、上部マツト２に栽培用種子３を
載置し、水に溶け易い炭水化物等の水溶性糊４で
被膜固定し、保水性の高いマツトを下部に有した
積層マツトからなる。下部マツト１と上部マツト
２は、ガーゼ等の織物地、ナイロン等の網状のも
のであつてもよいが、下部マツト１は保水性のよ
い軟質ポリウレタン等のスポンジ状のものが好ま
しい。下部マツト１は、芽物野菜の主根および毛
根を育成させるために散水した水が下方に全て抜
けることがない保水性を有する程度の細目孔を多
数設けており、上部マツト２も種子が上方からの
散水等力学的な圧力が加わつても散乱しない程度
の粗目孔を多数設けている。下部マツト１の細目
孔は、平均径が0.1mm〜１mmであつて厚さが2.5mm
〜６mmのものが保水性及び経済性より好ましく、
また上部マツトの細目孔は平均径が0.2mm〜３mm、
厚さが1.5mm〜３mmであることが種子を移動する
ことなく播種でき、均一に出芽育成する上で好ま
しい。

また、上部マツト２と下部マツト１には成長し
た野菜８等を出荷パツク７に収納できるように所
定の広さに切り離すことができるよう縦横にミシ
ン目９を設けている。さらに、下部マツト１と上
部マツト２のいずれか一方、又は双方に色彩を施
こして、芽物野菜の水耕栽培用マツトの種類をマ
ツトの色彩で見分けるようにすることもできる。

なお、芽物野菜の栽培用種子３は、原則として
一つの下部と上部の積層マツトに１種類宛播種す
るが、数種類の種子を同時に播種してもよい。

本考案の芽物野菜の水耕栽培用マツトを生産す
るには、既存の軟質ポリウレタン等のマツトを用
い積層マツトの上部に種子を適当間隔を置いて載
置しながら水溶性糊を噴霧し、直ちに強制送風機
等で乾燥固定する方法でもよく、また上下のマツ
トの製造と同時に一種又は二種以上の種子を播種
固定してもよい。

＜考案の効果＞ 本考案は上部マツト上に載置した栽培用種子を
水溶性糊で所定間隔に固定して配置できるため
に、種子を偏らずに運搬することができるだけで
なく、上部マツトが多数の粗目孔を有しているの
で、栽培の際の散水等で前記水溶性糊を溶出した
後も種子を散乱することなく、したがつて等間隔
に強い芽物野菜を栽培することができる。

また、本考案では上部マツトの粗芽孔に栽培種
子を載置しているだけでなく、下部マツトに保水
性を有する多数の細目孔を有しているので、散水
によつて水が下方に全て抜け出ずに芽物野菜の主
根および毛根を育成することができる。さらに、
本考案では下部マツトと上部マツトとは栽培用種
子の種類に応じて色彩を変えることができ、また
各マツトに縦横のミシン目を設けて所定の広さに
切り離すことができるようにしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案である芽物野菜の水耕栽培用マ
ツトの断面図、第２図は第１図の平面図、第３図
及び第４図は本考案の使用状態を示す一部破断斜
視図、第５図は本考案で育成された芽物野菜を収
納した出荷パツクの斜視図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 栽培用種子の種類に応じて各種色彩を施こし、
   かつ所定の広さに切り離しができる縦横にミシン
   目を設けた、下部マツトと上部マツトを積層した
   ものであつて、 該積層した上部マツトには水溶性糊で被覆した
   栽培用種子が散水で該糊を溶出しても散乱しない
   よう多数の粗目孔を設けると共に、 前記下部マツトに保水性を有して芽物野菜の主
   根および毛根を育成する細目孔を設けてなる芽物
   野菜の水耕栽培用マツト。