JPH08154509A - 植物の栽培方法及び栽培装置 - Google Patents

植物の栽培方法及び栽培装置

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JPH08154509A
JPH08154509A JP6331627A JP33162794A JPH08154509A JP H08154509 A JPH08154509 A JP H08154509A JP 6331627 A JP6331627 A JP 6331627A JP 33162794 A JP33162794 A JP 33162794A JP H08154509 A JPH08154509 A JP H08154509A
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JP
Japan
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plant
water
medium
cultivation
cultivation container
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JP6331627A
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English (en)
Inventor
Takashi Miyaji
孝 宮地
Tomohiro Kawahigashi
知宏 川東
Masaaki Konagai
雅昭 小長井
Takahide Yamaguchi
隆英 山口
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SENSHIYUKAI KK
Takagi Industrial Co Ltd
Original Assignee
SENSHIYUKAI KK
Takagi Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物の生育管理が容易で均一な生育状態が得
られる植物の栽培方法及び栽培装置を提供する。 【構成】 底面側に通水部(開口部46)を備えた栽培
容器(16)を基台(通水性スラブ16又は栽培ベット
2)に設置し、前記栽培容器の前記通水部側に吸水性部
材(吸水性マット50)を設置し、この通水性部材上に
防根部材(防根シート52)を敷設し、かつ、保水性及
び保形性を有する培地(42)を前記栽培容器内に設置
し、この培地に植物(18)を植え付けるとともに、前
記基台側に養液(8)を供給することにより、前記栽培
容器内の培地側に前記養液を浸透させて前記植物を栽培
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロックウール等の通水
性又は通気性を持つ固形培地を用いて計画的に植物を生
育する植物の栽培方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生花は切り花や鉢花として商品化
されている。切り花は、生産地で根が切除されて販売さ
れ、鉢花は、根付きの花卉が鉢単位で販売される。切り
花は、根が切除されているため、購入者が生育させるこ
とを目的としたものではなく、長時間に亘って活かすこ
とは不可能である。これに対し、鉢花は、土や苔等を培
地にして鉢植えされているため、購入者の管理によって
は長時間に亘って活かし、連続的な発芽や開花が可能で
ある。購入者が生花を購入する目的にもよるが、鉢花
は、蘭等に代表されるように、発芽や開花等の期待があ
る点で切り花にはない優れた特徴を持っている。セント
ポーリア等のように切り花に適さない植物にあっては尚
更である。
【0003】しかしながら、土を用いた鉢花では、土に
虫が発生したり、臭いを生じる等の不都合があり、室内
鑑賞には不向きである等の欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
根付き植物が切り花にない特徴を有するにしても、一定
の品質で生育し、それを連続的にかつ効率よく提供する
ことは生育管理に相当な工夫を要する。このような栽培
方法としては水耕栽培がある。この水耕栽培は、植物を
植え付けた培地に養液を計画的に供給することにより、
その生育を均一化できる点で有利である。この水耕栽培
には、実公平2−33660号「水耕栽培器材」や特開
平5−123068号「毛管水耕栽培装置」等、各種の
ものが提案されている。
【0005】しかしながら、これらの器材や栽培装置を
用いても、栽培植物を単位にして培地毎に商品化する場
合には、培地からはみ出した根を過剰に損傷する等の不
都合があり、生産地では生育状態が優良であったもの
が、顧客が入手したときには生育状態が悪化する等の不
都合がある。また、培地に根がはみ出すと、鉢植えのも
のに比較し、品位が低下してしまうことにも改善の余地
がある。
【0006】そこで、本発明は、植物の生育管理が容易
で均一な生育状態が得られる植物の栽培方法及び栽培装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の植物の栽培方法
は、図1に例示するように、底面側に通水部(開口部4
6)を備えた栽培容器(16)を基台(通水性スラブ1
4又は栽培ベット2)に設置し、前記栽培容器の前記通
水部側に吸水性部材(吸水性マット50)を設置し、こ
の給水性部材上に防根部材(防根シート52)を敷設
し、かつ、保水性及び保形性を有する培地(42)を前
記栽培容器内に設置し、この培地に植物(18)を植え
付けるとともに、前記通水性基台側に養液(8)を供給
することにより、前記栽培容器内の培地側に前記養液を
浸透させて前記植物を栽培する。
【0008】また、本発明の植物の栽培方法は、培地の
側壁部を防根部材で被覆したことを特徴とする。
【0009】本発明の植物の栽培方法は、図1に例示す
るように、培地を通水性基台の上に設置し、この通水性
基台の露出面を遮光部材(遮光シート26)で遮光した
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の植物の栽培方法は、図1に
例示するように、植物の発根期ないし育苗期に、植物を
植え付けた培地(42)及び植物(18)に対して水分
又は養分(養液8)を噴霧して植物及び培地を湿潤状態
に維持させることを含んでいる。
【0011】そして、本発明の植物の栽培装置は、図3
に例示するように、底面部に通水部(開口部46)が形
成されているとともに、底面部側の側壁部に複数のスリ
ット(48)が形成された栽培容器(16)と、この栽
培容器に挿入されて前記通水部及び前記スリットを塞
ぎ、供給された養液を保持する吸水性部材(吸水性マッ
ト50)と、この吸水性部材の上面に設置した防根部材
(防根シート52)と、この防根部材上に設置されて前
記栽培容器によって周壁部が包囲されるとともに保形性
を有し、栽培すべき植物(18)を植え付ける培地(4
2)とを備えたことを特徴とする。
【0012】また、培地は、側壁部を防根部材で被覆し
た培地であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の植物の栽培装置は、図5に
示すように、栽培容器に栽培すべき植物に対応して着脱
可能に取り付けられるフレーム部材(56)を備えたこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の植物の栽培方法にあっては、栽培すべ
き植物は、ロックウール等の保形性を有する培地に植え
付けられる。培地は、頒布すべき植物が栽培可能な大き
さを単位とし、その根張り量を想定した形状又は大きさ
であって保形性を有する。この保形性は、培地材料自体
が形状を保持する性質を持つ場合の他は、保形部材や保
形材料で形状を保持させた場合等を含むものである。そ
して、この培地は、栽培容器に装填されて基台上に配置
される。栽培容器には、底面側に通水部が設けられてお
り、この通水部を通して養液が培地側に供給される。ま
た、栽培容器の通水部側には、養液の保持を目的として
吸水性部材が設置され、その上には防根部材が設置さ
れ、植物の根が吸水性部材側に進入するのを防止する。
【0015】基台は、1又は2以上の培地が設置可能な
板状部材や、栽培ベット等で構成される。基台は、ロッ
クウール等の通水性部材で形成してもよく、その基台の
上には、1又は2以上の培地が設置され、各培地には、
栽培すべき植物が種、移植苗、挿し穂、球根等、適正な
生育条件に応じて植え付けられる。
【0016】栽培に当たっては、基台側に養液が供給さ
れる。この養液は、水分又は養分又は双方である。供給
された養液が毛細管現象によって培地に浸透し、植え付
けられた植物の根に供給される。また、通水性基台を用
いた場合には、その基台側に染み込んだ養液が重力によ
って落下し、外部に放出される。
【0017】そして、生育した植物は、その根を培地内
に這わせ、培地を基礎として自立する。そして、培地と
栽培容器との間に空間がある場合には、根は培地内に規
制され、また、培地の底面側に延びた根は、防根部材に
よって培地内ないしその下面側に規制される。即ち、植
物には重力による生理があり、培地の表面側に突出する
ことは少なく、仮に突出しても空気に触れて退化するこ
とが経験的に知られている。そして、培地内の根は、底
面側から供給される養液に触れて養液を吸収する。
【0018】そして、栽培された植物は、栽培途上のス
ペーシング時には、栽培容器を単位として植物を移動さ
せ、培地間の間隔を開け、また、生育状態の悪いものや
病害虫に侵されたものは除くことができる。また、出荷
ないし頒布は、栽培容器を単位として、または栽培容器
より培地ごと植物を取り出して行うことができる。
【0019】また、培地の側壁部を防根部材で被覆すれ
ば、培地の側壁部からの根の張り出しを効果的に防止で
き、そのため、栽培容器から培地の取り出し等が容易に
なる。
【0020】また、培地を通水性基台(通水性スラブ1
4)に設置した場合、その通水性基台の露出面は遮光部
材によって遮光することにより、通水性基台に対する苔
類や藻類の発生が防止できる。
【0021】また、植物の発根期ないし育苗期には、植
物を植え付けた培地及び植物に対して水分又は養液を噴
霧することにより、培地及び植物を湿潤状態に維持す
る。この結果、発芽期ないし発根期から育苗期には、植
物にとって適当な湿り気がその生育に影響を与えるた
め、水分又は養液又はこれら双方を供給することで、培
地及び植物を湿潤状態に維持することとし、植物の枯死
等を防止し、生育を促進させる。
【0022】また、本発明の植物の栽培装置にあって
は、植物を植え付ける培地を収容する手段であって、栽
培容器の下面側の通水部から養液が栽培容器の吸水性部
材に吸収され、保持される。培地に植え付けられた植物
には、この吸水性部材内の養液が防根部材を通して吸収
される。そして、植物の成長した根は、底面側では防根
部材によって規制され、吸水性部材側への進入が阻止さ
れる。また、培地の側面側への根の張り出しは、栽培容
器の側壁部によって阻止されるが、培地と栽培容器の側
壁部との間に空間がある場合には、張り出した根が空気
及び光に触れて退化することとなり、結果として培地内
に規制される。また、栽培容器のスリットは、通水部と
同様に養液を培地内に浸透させる手段であるとともに外
気に通じさせる通気性手段であり、このスリットを通し
て吸水性部材が外気に触れることとなり、栽培容器内の
通気が行われる。この結果、培地に植え付けられた植物
は、養液とともに必要な酸素が供給されて生育が図ら
れ、養液供給の調整により、植物の生育状態を制御で
き、開花時を揃えることができる等、均一な植物栽培が
実現される。
【0023】そして、生育中の植物は栽培容器とともに
移動でき、容器によってスペーシング等の作業の容易化
が図られる。また、生育した植物は、この容器とともに
出荷、又は頒布することができる。
【0024】また、培地の側壁部を防根部材で被覆すれ
ば、栽培容器と培地との分離が容易になるとともに、培
地単位での植物の移動が容易になる。
【0025】また、栽培容器には栽培すべき植物に対応
してフレーム部材を取り付けることができ、このフレー
ム部材によって植物の補強を行うことができる。また、
頒布時、フレーム部材によって植物を防護でき、包装の
容易化等を図ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。
【0027】図1、図2、図3、図4及び図5は、本発
明の植物の栽培方法及び栽培装置の実施例を示してい
る。この栽培装置には、基台としての栽培ベット2が設
置され、この栽培ベット2は、底板4に立壁6を立設し
て囲い込み、養液8を溜める容器構造を成し、高さが異
なる支持脚10、12を以て勾配を設けて支持されてい
る。このように勾配を設けた栽培ベット2は、養液8を
滞留させることなく、傾斜方向に流すことができる。
【0028】そして、栽培ベット2には、通水性基台と
して複数の通水性スラブ14が設置されている。各通水
性スラブ14は、通水性及び通気性を有する板状部材で
あって、例えば、ロックウール等で形成される。各通水
性スラブ14の上には、栽培単位を成す複数の栽培容器
16が設置され、各栽培容器16には、栽培すべき1又
は2以上の植物18が植え付けられている。各通水性ス
ラブ14上の栽培容器16は、植物18の生育段階に応
じて一定の間隔Dが設定される。
【0029】また、通水性スラブ14の上面部には、第
1の養液供給手段として給水管20が栽培容器16を挟
むように配置されており、この給水管20には給水を制
御する手段として電磁弁等の制御弁22を介して養液タ
ンク24が連結され、養液8が一定の時間間隔で所定量
だけ供給される。また、通水性スラブ14には、その露
出面を覆う遮光部材として遮光シート26が設置されて
いる。この給水管20は、養液8を供給する手段であっ
て、可撓性を持つチューブ等で構成し、間隔Dの設定に
応じて位置を変更するようにしてもよい。
【0030】また、栽培ベット2の上方には、養液とし
て、水分、養分又はこれら双方を滴下する第2の養液供
給手段としてミストノズル28が設置されている。この
ミストノズル28には、給水管30が電磁弁等の制御弁
32及びポンプ34を介して連結され、養液タンク24
の養液8が導かれている。
【0031】底板4の最低部には、高さhが調整可能な
排水部36が設けられ、この排水部36の高さhを越え
た養液8が排出管38を通して排出される。排出部36
の排出高さhは任意に調整でき、栽培ベット2の勾配に
応じて養液8を排出させることができる。そして、排出
された養液8は、排出管38及びポンプ40を通して養
液タンク24に戻される。排出管38には、必要に応じ
て夾雑物を除くフィルタを設置してもよい。自然還流の
場合には、ポンプ40は必ずしも必要としない。
【0032】そして、栽培容器16には図3の(A)及
び(B)に示すように、保形性を有する培地42が収容
される。この栽培容器16に収容されている培地42
は、例えば、矩形形状に形成されており、この実施例の
場合、その側壁部は根の張り出しを阻止する防根部材で
ある防根シート43で被覆されている。栽培容器16
は、この培地42を支持する支持手段であるとともに、
培地42の防護手段であり、また、搬送手段を構成す
る。この栽培容器16は、栽培する植物18の生育や頒
布等を考慮に入れた大きさ及び形状に形成される。この
実施例の場合、栽培容器16は、立方形状であり、その
底面側にはテーパを成して開口面積を狭めた支持部44
が形成されているとともに、底面部には通水部として開
口部46が形成されている。この開口部46側の壁面
部、即ち、支持部44側には、通水又は通気手段として
複数のスリット48が形成されている。このような形状
を成す栽培容器16は、合成樹脂等で形成される。合成
樹脂を用いた場合には、成形加工によって実施例のよう
な形態を容易に形成することができる。
【0033】この栽培容器16の底面側には、吸水性部
材からなる吸水性マット50が設置され、開口部46は
この吸水性マット50によって閉塞されている。また、
この吸水性マット50上には、防根部材として防根シー
ト52が設置されており、スリット48は、根の張り出
しを防止するため、防根シート52によって塞がれてい
る。防根シート52は、通気性を備えているとともに良
好な通水性を持つ部材である。これら吸水性マット50
及び防根シート52は、吸水性マット50の表面に防根
シート52を貼り付ける等、一つのマット状に一体化し
たものを使用してもよく、一体化した場合には取扱いが
容易であるとともに、吸水性マット50と防根シート5
2との間に塵等が入らない等の利点がある。また、吸水
性マット50及び防根シート52は、栽培容器16を単
位としているため、その使用面積が限られており、経済
的である。
【0034】このような底面部側及びスリット48が閉
塞された栽培容器16には、固形状を成す培地42が設
置される。培地42は、保形性部材で形成され、一定の
保形性を有する。この培地42は、例えば、ロックウー
ル等で形成され、その大きさは、栽培容器16の内部形
状に合わせた容積及び形状に設定するが、取出し等の便
宜のため、栽培容器16の内部形状より小さく設定して
もよい。
【0035】そして、栽培容器16の上面縁には、図4
に示すように、凹部54を形成し、栽培容器16の辺部
間の凹部54に図5に示すように、植物18の補強手段
としてまた開花時の支持手段としてのフレーム部材56
を着脱するようにしてもよい。この実施例の場合、フレ
ーム部材56はU字形としたが、栽培される植物18に
応じて矩形等の任意の草姿に設定する。フレーム部材5
6を針金等の屈曲可能な材料で形成すれば、矢印a、b
で示すように、任意に屈曲、変形させることができ、植
物18に対応し、又は植物18の矯正に用いることがで
きる。また、このフレーム部材56は植物18の梱包時
の補強手段としても機能する。
【0036】このような栽培装置を用いた栽培方法につ
いて説明する。
【0037】a.栽培される植物 培地42には、種、移植苗、挿し穂、球根等の形態で栽
培すべき植物18が植え付けられる。
【0038】b.育苗期の養液供給 育苗期には、栽培容器16内の培地42に植え付けられ
た植物18に対してミストによる生育を基本とし、ミス
トノズル28を通して灌水を行う。即ち、養液として水
分を培地42及び植物18に対して噴霧する。この場
合、給水管30を通して水を供給し、培地42の乾燥を
防止する。この結果、植物18は湿潤状態に保持され、
豊かな生育が促進される。この育苗には、植物18によ
って種、移植苗、挿し穂、球根等の各種の形態がある
が、何れの場合にも、育苗には遮光を行って、極度な乾
燥による萎凋、枯死を防止する。
【0039】c.発根期、発芽期又は根張り期の養液供
給 育苗期と同様の処理で植物18に対してミストノズル2
8と給水管30による養液供給を行うとともに、適当な
遮光を行う。十分な根張りが生じた場合には、培地42
の内部に養液8を求めて根が伸びる。培地42の下面側
は防根シート52との間に僅かな隙間があれば、この隙
間に根が成長する。この根の成長は、植物18の生育上
重要な要素となる。なお、挿し木の場合、遮光によって
発根を促すことができる。
【0040】d.成長期及び開花期の養液供給 植物18の成長期から開花期に向かっては、図6に示す
ように、栽培ベット2の底板4上に栽培容器16を直に
設置し、底板4上に給水管20を通して養液8の供給を
行い、栽培容器16の底面側に十分な養液供給を行う。
この場合、養液8は、栽培容器16の開口部46の吸水
性マット50に染み込み、防根シート52を通して培地
42に吸い込まれる。植物18の根は、培地内の養液8
を吸収し、植物18が生育される。そして、乾燥期に
は、湿度環境に対応してミストノズル28による水の噴
霧を併用することにより、枯死を防止できる。この場
合、栽培容器16には、フレーム部材56を取り付ける
ことにより、植物18を補強できるとともに、その枝振
り等の植物18の草姿を矯正することができる。フレー
ム部材56が針金等の屈曲可能な材質であれば、その形
状を変更することにより、栽培者が植物の形状を任意に
矯正することができる。
【0041】e.スペーシング処理及び間引き処理 植物18が育苗期から成長期に至る過程では、植物18
の間隔Dを開けるスペーシングが必要となる。この場
合、栽培容器16は可搬性があるので、栽培容器16を
単位として移動させ、適当な間隔Dを開ける。栽培容器
16とともに植物18を移動するため、根を傷めること
がなく、生育状態を乱すことがない。
【0042】また、複数の栽培容器16に栽培された植
物18に生育の不揃いが生じるが、その場合には、等級
等を付して栽培容器16を単位として植物18の配列を
組み替え、生育状態の揃った植物18群を形成する。こ
の結果、栽培される植物18の均一性を栽培ベット2単
位で又は通水性スラブ14単位等で調整することができ
る。
【0043】f.出荷 栽培した植物18は、栽培容器16を単位として移動さ
せ、頒布するためのダンボール容器に移し換えて出荷す
る。この場合、ダンボール容器には、栽培容器16とと
もに植物18が搬入されるが、吸水性マット50には適
当な養液が含浸されていることから、搬送途上や倉庫等
で保管される場合にも萎凋、枯死等の不都合は生じな
い。また、栽培容器16にフレーム部材56を取り付け
ておけば、これが植物18の防護手段となり、また、包
装等を施した場合にも葉や花を損傷から防護できる。
【0044】次に、図7及び図8は、挿し木によるバラ
の栽培方法を示している。
【0045】図7の(A)に示すように、栽培容器16
内の培地42にはバラの生育を予定した体積のロックウ
ール等の保形性のある通水性材料で形成されたブロック
体を用いる。栽培する植物18であるバラは、その成木
から挿し木に適する長さの枝を切り取って培地42に挿
し、栽培容器16を図1及び図2の通水性スラブ14の
上に設置する。間隔Dは、当初は狭くてもよく、生育状
態に応じて適当なスペーシングを施す。
【0046】育苗期には、遮光カーテン等で栽培環境を
暗く保ち、ミストを主体として高湿度化を図る。この結
果、図7の(B)に示すように、発根を生じ、根58が
培地42内に延びる。
【0047】そして、外気温度を上昇させると、発芽が
促進され、図7の(C)に示すように、芽60が出る。
このとき、ミストと給水管20による底面側からの養液
供給を行う。
【0048】図7の(D)に示すように、新しい茎62
が成長した段階では、遮光、温度及び湿度を調整し、順
化を図る。この段階の茎62は、強度的に弱く、自立が
難しい。茎62及び葉64を充実させるために、茎62
の切除、即ち、ピンチを行う。
【0049】図7の(E)に示すように、茎62にピン
チを施し、この場合には先端側を切除すると、茎62が
太く成長するとともに、葉64が充実し、切除部分66
の近傍から新芽68が生じる。この発芽の促進には、ミ
ストによる高湿度化を図る。このようにして育苗処理を
経た後、スペーシング処理を行う。このスペーシング処
理は、栽培容器16を単位として移動し、予定する成木
長や横方向への拡がりを考慮して所定の間隔Dを設定す
る。また、このとき、生育状態に応じて選別し、生育状
態の等しいものをグループ化し、発育不良や病害虫に侵
されたものは廃棄する。同時にピンチも行い、枝振りを
整える。この場合、図6に示すように、栽培容器16に
フレーム部材56を取り付け、このフレーム部材56に
よって枝振り等の草姿を整え、産品としての画一化を図
る。
【0050】このスペーシングの後、栽培容器16に
は、給水管20による底面側からの養液供給を行って、
生育を図る。図8の(A)は成木状態、即ち、開花前の
状態であり、蕾70が形成されている。そして、図8の
(B)は栽培容器16で生育された植物18の培地42
内の根張りを示している。この場合、図7に示すよう
に、培地42の側壁部が防根シート43で被覆されてい
るため、この防根シート43で根58の張り出しは阻止
される。このように、本発明の栽培方法及び栽培装置に
よれば、バラ等の植物を挿し木から豊かな成木に至るま
で計画的に生育し、出荷することができる。
【0051】次に、図9に示すように、栽培すべき植物
18にはプラグ苗76を用いてもよく、この場合、培地
42には、嵌め込み可能な凹部78を形成し、この凹部
78に矢印cで示すように、プラグ苗76を装着して植
え付けるようにしてもよい。
【0052】次に、図10に示すように、栽培すべき植
物18が球根80の場合には、培地42の底面側にすり
鉢状の凹部82を形成し、この凹部82に根を下側にし
て球根80を挿入し、その底面側に培地42を成す蓋4
5を固定ピン84によって固定する。この場合、球根8
0の発芽の方向性を規制するため、培地42の上面部に
は凹部82に通じる例えば、十字を成す切込み86を形
成する。このように、蓋45を取り付けた培地42の側
壁部は、前記実施例と同様に防根シート43で被覆す
る。
【0053】次に、図11は、本発明の栽培方法及び栽
培装置の他の実施例を示している。前記実施例では、培
地42の周壁部を防根シート43で被覆したが、防根シ
ート43を被覆しない培地42を用いてもよく、培地4
2と栽培容器16との間に空間部74を設けてもよく、
また、培地42と栽培容器16を密着させてもよい。こ
のように構成した場合には、栽培容器16の内壁部と培
地42の側壁部との間には空間部74が設定されたた
め、この空間部74を通して植物18の根58が空気に
触れ、光を受けることとなり、この空間部74に張り出
した根58は成長することなく退化する。また、このよ
うな空間部74が無い場合には、栽培容器16が防根手
段となり、必要以上の根58の伸長を阻止することがで
きる。このような栽培方法及び栽培装置によっても、バ
ラ等の植物を挿し木から豊かな成木に至るまで計画的に
生育し、出荷することができる。
【0054】なお、実施例では、挿し木、プラグ苗、球
根を例に取って説明したが、本発明は、種、移植苗、挿
し穂、球根等の形態の植物を栽培することができ、本発
明は実施例に限定されるものではない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果が得られる。 a.この栽培方法によれば、栽培容器を単位として養液
によってバラ等の植物を栽培でき、栽培容器とともに植
物を移動させて生育時の調整を行い、その栽培容器とと
もに、又は培地ごと植物を顧客に頒布することができ、
顧客は頒布を受けた植物を栽培時と同様の状態に維持、
管理でき、長期に亘って花卉の生育を行うことができる
等、植物の生育管理が容易で均一な生育状態を実現でき
る。 b.栽培容器を設置する通水性部材を遮光部材で遮光し
たので、通水性部材からの養液の蒸発を防止できるとと
もに、苔類や藻類の発生を防止でき、植物の生育状態を
安定化させることができる。 c.植物の栽培時、植物を植え付けた培地及び植物に対
して水分又は養液を噴霧又はかん液することにより、培
地及び植物を湿潤状態に維持することができ、植物にと
って適当な湿り気が与えられて生育を図ることができ
る。 d.作業の単純化及び分業化が容易になり、切り花栽培
の採花労働作業の短縮を図ることができ、期待されてい
る花卉生産の経営規模拡大のためのシステム化に寄与す
ることができる。 e.清潔で無臭の鑑賞用花卉商品の生産が可能なり、従
来、土を使用した鑑賞用花卉の欠点である不衛生感、特
に、虫や臭いの発生等、室内鑑賞上の障害を除くことが
でき、鑑賞価値の向上を図ることができる。 f.保形性を有する培地を単位として鑑賞花卉や鑑賞用
鉢との組合せや交換、寄せ植え等の自由度が高められ、
需要者の工夫と相俟って利用場面の拡大、鑑賞価値の向
上を図ることができる。 g.観賞に適したバラ等の花卉を一定の品質で計画的に
生産することができる等、植物の生育管理が容易で均一
な生育状態を得ることができる。 h.栽培容器には植物の生育状態に応じて、出荷や頒布
に応じてフレーム部材を取り付けることができ、取り付
けたフレーム部材によって植物を防護できるとともに、
植物の草姿を矯正することができ、また、包装等による
損傷から植物を防護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植物の栽培方法及び栽培装置を説明す
るための図である。
【図2】図1における通水性スラブ上の栽培容器の配置
例を示す図である。
【図3】植物を植え付けた栽培容器を示し、(A)はそ
の側面図、(B)はその断面図である。
【図4】栽培容器を示す斜視図である。
【図5】フレーム部材を取り付けた栽培容器を示す斜視
図である。
【図6】フレーム部材を取り付けた栽培容器を用いた栽
培状態を示す図である。
【図7】バラの栽培方法を示す図である。
【図8】植物の生育状態を示し、(A)はそのバラの成
木を示す図、(B)はその根張り状態を示す図である。
【図9】プラグ苗の培地への植え付けを示す図である。
【図10】球根の培地への植え付けを示し、(A)はそ
の縦断面図、(B)はその平面図である。
【図11】植物の栽培方法及び栽培装置の他の実施例を
示す断面図である。
【符号の説明】
2 栽培ベット(基台) 8 養液 14 通水性スラブ(基台) 16 栽培容器 18 植物 26 遮光シート(遮光部材) 28 ミストノズル 42 培地 46 開口部(通水部) 48 スリット 50 吸水性マット(吸水性部材) 52 防根シート(防根部材) 56 フレーム部材
フロントページの続き (72)発明者 小長井 雅昭 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 (72)発明者 山口 隆英 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面側に通水部を備えた栽培容器を基台
    に設置し、前記栽培容器の前記通水部側に吸水性部材を
    設置し、この給水性部材上に防根部材を敷設し、かつ、
    保水性及び保形性を有する培地を前記栽培容器内に設置
    し、この培地に植物を植え付けるとともに、前記基台側
    に養液を供給することにより、前記栽培容器内の培地側
    に前記養液を浸透させて前記植物を栽培することを特徴
    とする植物の栽培方法。
  2. 【請求項2】前記培地の側壁部は防根部材で被覆したこ
    とを特徴とする請求項1記載の植物の栽培方法。
  3. 【請求項3】前記培地は通水性基台に設置し、この通水
    性基台の露出面は遮光部材で遮光したことを特徴とする
    請求項1記載の植物の栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記植物の発根期ないし育苗期に、前記
    植物を植え付けた前記培地及び前記植物に対して水分又
    は養液を噴霧して前記植物及び前記培地を湿潤状態に維
    持させることを特徴とする植物の栽培方法。
  5. 【請求項5】 底面部に通水部が形成されているととも
    に、底面部側の側壁部に複数のスリットが形成された栽
    培容器と、 この栽培容器に挿入されて前記通水部及び前記スリット
    を塞ぎ、供給された養液を保持する吸水性部材と、 この吸水性部材の上面に設置した防根部材と、 この防根部材上に設置されて前記栽培容器によって周壁
    部が包囲されるとともに保形性を有し、栽培すべき植物
    を植え付ける培地と、 を備えたことを特徴とする植物の栽培装置。
  6. 【請求項6】 前記培地は、側壁部を防根部材で被覆し
    た培地であることを特徴とする請求項5記載の植物の栽
    培装置。
  7. 【請求項7】 前記栽培容器に栽培すべき植物に対応し
    て着脱可能に取り付けられるフレーム部材を備えたこと
    を特徴とする請求項4記載の植物の栽培装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007319047A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Oji Paper Co Ltd 苗木または採穂母樹の作成方法
JP2010045989A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Shinryo Corp 水耕栽培用局所加湿器
JP2010226963A (ja) * 2009-03-25 2010-10-14 Chugoku Electric Power Co Inc:The 水耕栽培方法及び水耕栽培装置
KR101247468B1 (ko) * 2012-04-23 2013-04-02 정헌구 수경재배 베드
JP2017085993A (ja) * 2015-11-11 2017-05-25 住友電気工業株式会社 栽培装置及び栽培方法
JP2022520861A (ja) * 2019-02-19 2022-04-01 ハイドログリーン,インコーポレーテッド 水耕栽培機用のコントローラ

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