JPH0728474A - 騒音キャンセル方式 - Google Patents

騒音キャンセル方式

Info

Publication number
JPH0728474A
JPH0728474A JP5153354A JP15335493A JPH0728474A JP H0728474 A JPH0728474 A JP H0728474A JP 5153354 A JP5153354 A JP 5153354A JP 15335493 A JP15335493 A JP 15335493A JP H0728474 A JPH0728474 A JP H0728474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
signal
acceleration
adaptive
cancel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5153354A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Owaki
達生 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Alpine Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alpine Electronics Inc filed Critical Alpine Electronics Inc
Priority to JP5153354A priority Critical patent/JPH0728474A/ja
Publication of JPH0728474A publication Critical patent/JPH0728474A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的少ないセンサ数で効果的にロードノイ
ズを消音する。 【構成】 車両のサスペンション各部に車体振動を検出
するための複数の加速度センサ31a〜31cを設け、
各センサよりロードノイズに応じた信号を発生する。加
速度検出部33は車両の加減速度を求め、重み付加部3
5は該加減速度に基づいて各センサから出力される信号
を重み付けし、適応信号処理部36a〜36cは重み付
けにより得られた各参照信号x1n′,x2n′,x3n′と
騒音キャンセル点における合成音信号enとを用いて適
応信号処理を行い、該適応信号処理によりロードノイズ
をキャンセルするための騒音キャンセル信号ynを出力
する。尚、以上に加えて乗員数に基づいてセンサ出力信
号を重み付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は騒音キャンセル方式に係
わり、特に、自動車内におけるロードノイズをキャンセ
ルする騒音キャンセル方式に関する。
【0002】
【従来の技術】騒音対策としては、従来より吸音材を用
いる方法(パッシブ制御)が知られている。しかし、吸
音材を用いる方法では、騒音が小さい静音エリアを形成
するのが面倒であると共に、低音を効果的に消せない問
題がある。特に、自動車の車室内の騒音を防止するに
は、自動車の重量が増大すると共に、騒音を効果的に消
せない問題がある。このため、騒音と逆位相の騒音キャ
ンセル音をスピ−カから放射して騒音を低減する方法
(アクティブ制御)が脚光を浴び、工場やオフィスなど
の室内空間の一部に実用化されつつある。又、自動車の
車室内においてもアクティブ制御により騒音を低減する
方式が提案されている。
【0003】図8はエンジン音をキャンセルする従来の
騒音キャンセル装置の構成図である。11は騒音源であ
るエンジン、12はエンジン回転数Rを検出する回転数
センサ、13はエンジン回転数Rに応じた周波数を有す
る一定振幅の正弦波信号を参照信号xnとして発生する
参照信号発生部である。騒音源がエンジンの場合、エン
ジン回転により発生するノイズは周期性を有し、その周
波数はエンジン回転数に依存する。例えば、4気筒エン
ジンの場合、車室内に発生する周期性ノイズはエンジン
回転数の2次高調波が支配的であり、回転数が600r
pm(10rps)の時、車室内に発生するノイズの周
波数は20Hz、回転数が6000rpm(100rp
s)の時、車室内に発生するノイズの周波数は200H
zである。参照信号発生部13は、2次高調波の正弦波
データをROMに記憶しておき、そのデータを必要に応
じて読み出して出力することにより参照信号xnを生成
する。尚、このデータの読み出し/出力タイミングはエ
ンジン回転数Rに応じてコントロールされ、これにより
エンジン回転数Rに応じて発生する周期性ノイズの周波
数を有する参照信号が出力されるようになっている。
【0004】14は騒音キャンセルコントローラであ
り、参照信号発生部13から発生する参照信号xnを入
力されると共に、車室内の騒音キャンセル位置(観測点
であり例えば運転者の耳元近傍)における騒音Snとキ
ャンセル音Scの合成音信号をエラ−信号enとして入力
され、該エラ−信号が最小となるように適応信号処理を
行って騒音キャンセル信号ynを出力する。騒音キャン
セルコントローラ14は、適応信号処理部14aと、デ
ジタルフィルタ構成の適応フィルタ14bと、参照信号
xnにスピーカから騒音キャンセル点までのキャンセル
音伝搬系の伝搬特性(伝達関数)を畳み込んでフィルタ
ードX信号(信号処理用参照信号)rnを作成するフィ
ルタードX信号作成用フィルタ14cを有している。1
5は適応フィルタ出力(騒音キャンセル信号yn)をア
ナログの騒音キャンセル信号に変換するDAコンバー
タ、16は騒音キャンセル信号を増幅するパワ−アン
プ、17は騒音キャンセル音Scを放射するキャンセル
スピ−カ、18は騒音キャンセル点に配置され、騒音S
nとキャンセル音Scの合成音を検出し、合成音信号をエ
ラ−信号enとして出力するエラ−マイク、19はエラ
ー信号enを増幅するアンプ、20は折り返し歪みを除
去するローパスフィルタ、21はローパスフィルタ出力
をデジタルに変換するADコンバータである。
【0005】適応信号処理部14aは騒音キャンセル点
におけるエラー信号enとフィルタ14cを介して入力
される信号処理用参照信号(フィルタードX信号)rnを
入力され、これら信号を用いて騒音キャンセル点におけ
る騒音をキャンセルするように適応信号処理を行って適
応フィルタ14bの係数を決定する。例えば適応信号処
理部14aは周知のフィルタードX LMS(Least Mean
Square)適応アルゴリズムに従って、エラ−マイク18
から入力されたエラ−信号enが最小となるように適応
フィルタ14bの係数を決定する。適応フィルタ14b
は適応信号処理部14aにより決定された係数に従って
参照信号xnにデジタルフィルタ処理を施して騒音キャ
ンセル信号ynを出力し、騒音をキャンセルする。尚、
参照信号xnは、消去したい騒音Snと相関の高い信号で
なくてはならず、参照信号と相関のない音は消去されな
い。
【0006】適応フィルタ14bは図9に示すように、
FIR型デジタルフィルタで構成され、例えば、入力信
号を順次1サンプリング時間遅延する遅延要素DL,D
L・・・と、各遅延要素出力に係数w1(n),w2(n),w
3(n)・・・wN(n)を乗算する乗算部ML,ML,・・・
と、各乗算部出力を順次加算する加算部AD,AD・・
・で実現される。すなわち、現時刻n・Tsにおける参
照信号をxn、その時の各乗算機の係数をw1(n),w
2(n),w3(n)・・・wN(n)、出力(騒音キャンセル信号)
をynとすれば、適応フィルタ14bは次式
【0007】
【数1】 の演算を実行し、騒音キャンセル信号ynを出力する。
【0008】フィルタードX信号作成用フィルタ14c
は図10に示すように、FIR型デジタルフィルタで構
成され、例えば、入力信号を順次1サンプリング時間遅
延する遅延要素DL,DL・・・と、各遅延要素出力に
係数c1,c2,c3・・・cMを乗算する乗算部ML,ML,
・・・と、各乗算部出力を順次加算する加算部AD,A
D・・・で実現される。係数c1,c2,c3・・・cMは二次
音伝搬系(スピーカから観測点までの系)の伝搬特性を
模擬するように決定されている。時刻n・Tsにおける
参照信号をxn、出力(フィルタードX信号)をr(n)とす
れば、フィルタ14cは次式
【0009】
【数2】 の演算を実行してフィルタードX信号r(n)を出力する。
【0010】適応信号処理部14aは、1サンプリング
時刻Ts後の次の時刻(n+1)・Tsにおける適応フィルタ
14bの係数w1(n+1),w2(n+1),w3(n+1)・・・w
N(n+1)を、現時刻n・Tにおける係数とエラー信号en
とフィルタードX信号rnを用いて次式(係数更新式)に
より決定する。
【0011】
【数3】
【0012】ただし、j番目のフィルタ係数更新式は wj(n+1)=wj(n)+μ・r(n-j+1)・en (4) で与えられる。(3)式において、(n)は現サンプリング時
刻の値、(n+1)は1サンプリング時刻後の値、(n-1)は1
サンプリング時刻前の値、(n-2)は2サンプリング時刻
前の値、・・・を意味している。又、μは適応フィルタの
係数を更新するステップを決める1以下の定数(ステッ
プサイズパラメータ)であり、騒音キャンセルシステム
に応じて適当な値に設定される。
【0013】以上はエンジン回転数の高調波成分、例え
ば2次高調波成分をキャンセルする場合であるが、自動
車内ではエンジン音に加えてロードノイズも発生する。
ロードノイズは路面の凹凸によりタイヤ→サスペンショ
ン→サスペンション支持部の経路を介して車体全体が振
動し、車室内に伝搬することにより発生する。かかるロ
ードノイズはエンジン回転数の高調波ノイズのように周
期性を有さず、騒音源を唯一つに特定することは困難で
ある。このため、サスペンション支持部に複数の加速度
センサを取り付け、各加速度センサ出力をロードノイズ
キャンセル用の参照信号とする。そして、参照信号毎に
騒音キャンセル処理部(騒音キャンセルコントローラ)
を設け、各騒音キャンセル処理部は所定の参照信号と合
成音信号を用いて適応信号処理を行って騒音キャンセル
信号を出力し、各騒音キャンセル信号を合成してスピー
カに入力して騒音キャンセル音を発生するようにしてい
る。
【0014】さて、適応信号処理では低減対象騒音と相
関のある信号いわゆるコヒーレントな参照信号xnを発
生しないと、該騒音を効果的にキャンセルできない。換
言すれば、ロードノイズの消音性能は、各加速度センサ
出力(参照信号)と騒音(ロードノイズ)とのマルチプ
ルコヒーレンスの大きさに依存する。そこで、従来はマ
ルチプルコヒーレンスの大きさを確保するために、加速
度センサ数を多くしている。尚、マルチプルコヒーレン
スとは、各センサ出力と騒音とのコヒーレンス(相関
度)の合計値である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、センサ数が増
加するとその分騒音キャンセル処理部が必要になり、装
置の大型化及び装置のコストアップを招来する問題があ
った。以上から本発明の目的は、比較的少ないセンサ数
で効果的にロードノイズを消音できる騒音キャンセル方
式を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、車両のサスペンション各部に設けられて車体振動
を検出する複数のセンサと、車両の加減速度を算出する
手段と、該加減速度に基づいて各センサから出力される
信号を重み付けする手段と、重み付けにより得られた各
信号を参照信号とし、該参照信号と騒音キャンセル点に
おける合成音信号とを用いて適応信号処理により騒音キ
ャンセル信号を出力する騒音キャンセル処理部とにより
達成される。
【0017】
【作用】車両のサスペンション各部に車体振動を検出す
るための複数のセンサを設ける。又、車両の加減速度を
求め、該加減速度に基づいて各センサから出力される信
号を重み付けし、重み付けにより得られた各参照信号と
騒音キャンセル点における合成音信号とを用いて適応信
号処理を行い、該適応信号処理によりロードノイズをキ
ャンセルするための騒音キャンセル信号を出力する。
又、以上に加えて乗員数に基づいてセンサ出力信号を重
み付けする。車両のサスペンション各部に設けられた加
速度センサは、自動車の走行状態(加速状態、減速状
態)や乗員数に応じてコヒーレンスの大きさが異なった
態様で変化する。例えば、ある加速度センサは加速状態
においてコヒーレンスが大きくなり、減速状態において
低くくなる。又、別の加速度センサは、減速状態におい
てコヒーレンスが大きくなり、加速状態において低くく
なる。更に別の加速度センサは、加減速によりコヒーレ
ンスが変化せず、乗員数が多くなるにつれてコヒーレン
スが大きくなる。そこで、車両の加減速状態や乗員数に
応じて各センサ出力の重み付けを変えれば、少ないセン
サ数であってもマルチプルコヒーレンスを大きくでき、
消音効果を向上できる。
【0018】
【実施例】
(a) 本発明の第1実施例全体の構成 図1は本発明に係わる騒音キャンセル装置の構成図であ
る。31a,31b,31cは車体振動を検出してロー
ドノイズに応じた信号x1n,x2n,x3nを発生する加速
度センサである。ロードノイズは路面の凹凸によりタイ
ヤ→サスペンション→サスペンション支持部の経路を介
して車体全体が振動し、車室内に伝搬することにより発
生する。かかるロードノイズの騒音源は唯一つに特定す
ることができない。このため、複数の加速度センサ31
a〜31cをサスペンション支持部の各部に取付け、全
体で車体振動を検出するようにしている。ところで、振
動は加速状態、減速状態、定速状態、乗員数等により変
化し、各加速度センサのサスペンション支持部への取り
付け位置や、取り付け方向によりコヒーレンスの大きさ
(センサ出力とロードノイズ間の相関値)がそれぞれ異
なった態様で変化する。例えば、第1の加速度センサ3
1aは加速度に応じてコヒーレンスが単調増加し、減速
度に応じて単調減少する。又、第2の加速度センサ31
bは逆に加速度に応じてコヒーレンスが単調減少し、減
速度に応じて単調増加する。更に、第3の加速度センサ
31cは加減速によりコヒーレンスが変化しないが、乗
員数が多くなるにつれてコヒーレンスが大きくなる。
【0019】32a,32b,32cは加速度センサ出
力を増幅するゲイン可変のアンプ、33は車両の加減速
度を検出する加減速度検出部、34は乗員数検出部であ
る。加減速検出は、車速センサ(図示せず)から車輪の
所定回転毎に発生するパルスを所定時間計数し、前回の
計数値との差分を演算することにより求まる。又、乗員
数は座席シートに圧力センサ等を設けることにより自動
的に検出できる。35は重み付加部であり、加減速度あ
るいは乗員数(あるいは加重)に応じた重みを各センサ
出力に付加する。図2は第1、第2加速度センサの加減
速度と重み係数の関係曲線であり、重み付加部35は内
蔵のメモリに第1、第2加減速センサ毎に加減速度と重
み係数α1,α2の対応関係を記憶している。図3は乗員
数と第3加速度センサの重み係数の関係曲線であり、内
蔵のメモリに乗員数と重み係数α3の対応関係を記憶し
ている。従って、重み付加部35は車両の実際の加減速
度、乗員数に基づいてメモリより各センサの重み係数α
1〜α3を求め、各ゲイン可変のアンプ32a〜32cの
ゲインを制御する。尚、図2、図3の曲線は一例であ
り、車種やセンサ取り付け位置等により異なるから、予
め測定によりコヒーレンスの大きさを計算し、それに応
じた係数を決定して設定する。
【0020】36a,36b,36cは、ゲイン可変ア
ンプ32a,32b,32cの出力信号をそれぞれ参照
信号x1n′,x2n′,x3n′として入力され、LMS適
応アルゴリズムに従った騒音キャンセル処理(適応信号
処理)を行う適応信号処理部である。各適応信号処理部
36a〜36cは同一の構成を有しており、従来の騒音
キャンセルコントローラ(図8参照)と同様に適応信号
処理部LMS、適応フィルタADF、フィルタードX信
号作成用のフィルタFXFを備えている。各適応信号処
理部LMSは騒音キャンセル点におけるエラー信号en
(騒音キャンセル音と騒音の合成音)とフィルタFXF
より出力される信号処理用参照信号(フィルタードX信
号)r1n,r2n,r3nを入力され、これら信号を用いて
騒音キャンセル点における騒音をキャンセルするように
適応信号処理を行って適応フィルタADFの係数を決定
する。各適応フィルタADFは適応信号処理部LMSに
より決定された係数に従って参照信号x1n′,x2n′,
3n′にデジタルフィルタ処理を施して騒音キャンセル
信号y1n,y2n,y3nを出力する。
【0021】37は各騒音キャンセル処理部36a〜3
6cから出力される騒音キャンセル信号y1n,y2n,y
3nを合成し、ロードノイズをキャンセルするための騒音
キャンセル信号ynを出力する加算器である。38は騒
音キャンセル信号ynをアナログの騒音キャンセル信号
に変換するDAコンバータ(DAC)、39は騒音キャ
ンセル信号を増幅するパワ−アンプ、40は騒音キャン
セル音Scを放射するキャンセルスピ−カで、スピーカ
から出力されたキャンセル音は2次音伝搬系(キャンセ
ル音伝搬系)41を介して騒音キャンセル点に到る。4
2は騒音キャンセル点に配置され、騒音Snとキャンセ
ル音Scの合成音を検出し、合成音信号をエラ−信号en
として出力するエラ−マイク、43はエラー信号enを
増幅するマイクアンプ、44はマイクアンプ出力をデジ
タルに変換するADコンバータ(ADC)である。
【0022】全体の動作 ロードノイズは一次音伝搬系(騒音伝搬系)を介して車
室内の騒音キャンセル点に到り、キャンセルしたい騒音
Snとなる。又、スピーカ40より出力されるキャンセ
ル音は二次音伝搬系41を介して騒音キャンセル点に到
り、キャンセル音Scとなる。各加速度センサ31a〜
31cは車体の振動に応じた信号をアンプ32a〜32
cに入力し、加速度センサ33、乗員数検出部34はそ
れぞれ加減速度と乗員数を重み付加部35に入力する。
重み付加部35は車両の実際の加減速度、乗員数に基づ
いてメモリより各センサ31a〜31cの重み係数α1
〜α3を求め、該重み係数に基づいて各アンプ32a〜
32cのゲインを制御する。各アンプ32a〜32cは
指示されたゲインで入力信号を増幅して参照信号x
1n′,x2n′,x3n′を発生し、対応する騒音キャンセ
ル処理部36a〜36cに入力する。
【0023】各適応信号処理部LMSは、騒音キャンセ
ル点におけるエラー信号(騒音とキャンセル音の合成
音)enとフィルタFXFより出力される信号処理用参
照信号(フィルタードX信号)r1n,r2n,r3nを入力さ
れ、これら信号を用いて騒音キャンセル点における騒音
をキャンセルするように適応信号処理を行って適応フィ
ルタADFの係数を決定する。各適応フィルタADFは
適応信号処理部LMSにより決定された係数に従って参
照信号x1n′,x2n′,x3n′にデジタルフィルタ処理
を施して騒音キャンセル信号y1n,y2n,y3nを出力す
る。加算器37は各騒音キャンセル処理部36a〜36
cから出力される各騒音キャンセル信号y1n〜y3nを合
成してロードノイズをキャンセルするための騒音キャン
セル信号ynを出力し、スピーカ40より騒音キャンセ
ル音を出力する。エラーマイク42は騒音キャンセル位
置における騒音(ロードノイズ)Snとキャンセル音Sc
の合成音信号をエラ−信号enとして検出し、各騒音キ
ャンセル処理部36a〜36cに入力し、以後、上記騒
音キャンセルの適応信号処理を繰り返す。
【0024】以上により、車両の加減速度、乗員数に応
じて各センサ出力の重み付けを変えることにより、少な
いセンサ数であってもマルチプルコヒーレンスを大きく
でき、消音効果を向上できる。尚、以上では、加減速度
と乗員数の両方を考慮して重み係数を決定したが、加減
速度のみを用いて重み係数を決定することもできる。
【0025】(b) 本発明の第2実施例 図4は本発明に係わる騒音キャンセル装置の第2実施例
構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付
している。第2実施例が第1実施例と異なる点は、 各ゲイン可変アンプ32a,32b,32cから出力
される参照信号x1n′,x2n′,x3n′を合成して合成
参照信号xnを出力する加算器51を設けた点、 各加速度センサに共通に適応信号処理部36を1つ設
けた点である。各加速度センサ31a〜31cは車体の
振動に応じた信号をアンプ32a〜32cに入力し、加
速度センサ33、乗員数検出部34はそれぞれ加減速度
と乗員数を重み付加部35に入力する。重み付加部35
は車両の実際の加減速度、乗員数に基づいてメモリより
各センサ31a〜31cの重み係数α1〜α3を求め、該
重み係数に基づいて各アンプ32a〜32cのゲインを
制御する。各アンプ32a〜32cは指示されたゲイン
で入力信号を増幅して参照信号x1n′,x2n′,x3n′
を発生し、加算器51は参照信号x1n′,x2n′,x
3n′を合成して合成参照信号xnを出力する。
【0026】騒音キャンセル処理部36の適応信号処理
部LMSは、騒音キャンセル点におけるエラー信号(騒
音とキャンセル音の合成音)enとフィルタFXFより
出力される信号処理用参照信号(フィルタードX信号)r
nを入力され、これら信号を用いて騒音キャンセル点に
おける騒音をキャンセルするように適応信号処理を行っ
て適応フィルタADFの係数を決定する。適応フィルタ
ADFは適応信号処理部LMSにより決定された係数に
従って参照信号xnにデジタルフィルタ処理を施して騒
音キャンセル信号ynを出力し、DAコンバータ38、
パワーアンプ39を介してスピーカ40に入力し、該ス
ピーカ40より騒音キャンセル音を出力する。
【0027】エラーマイク42は騒音キャンセル位置に
おける騒音(ロードノイズ)Snとキャンセル音Scの合
成音信号をエラ−信号enとして検出し、騒音キャンセ
ル処理部36に入力し、以後、上記騒音キャンセルの適
応信号処理を繰り返す。尚、以上では、加減速度と乗員
数の両方を考慮して重み係数を決定したが、加減速度の
みを用いて重み係数を決定することもできる。以上によ
り、車両の加減速度、乗員数に応じて各センサ出力の重
み付けを変えることにより、少ないセンサ数であっても
マルチプルコヒーレンスを大きくでき、消音効果を向上
できる。又、第2実施例では、共通に1つの騒音キャン
セル処理部を設けるだけで良く、コスト的に有利であ
る。
【0028】図5は本発明の消音効果説明図である。図
中、実線は実際のロードノイズ曲線、点線は重み付けし
ないで騒音キャンセルした場合における観測点のノイズ
曲線、一点鎖線は重み付けして騒音キャンセルした場合
における観測点のノイズ曲線である。横軸は騒音周波数
(Hz)、縦軸は音圧レベル(dBSPL)であり、本発明の騒
音キャンセル方式によれば、重み付けしない従来方式に
比べ優れていることが理解される。以上では、3つの加
速度センサを設けたが1つの三次元加速度センサ(X,
Y,Z軸方向の出力端子を有している)を設け、各軸出
力信号を加速状態、減速状態、乗員数に応じて重み付け
し、重み付けした信号を合成して合成参照信号xnとす
ることもできる。例えば、図6に示すようにナックルア
ーム55aの下部A点に三次元加速度センサを取付け
る。このようにナックルアーム55aの下部A点に三次
元加速度センサを取付けた場合、車両加速時はX方向の
寄与率が高く、減速時はY方向の寄与率が高く、乗員数
の増加によりZ方向の寄与率が高くなるものとすると、
各軸出力信号を図2、図3で示す重み付けをして合成
し、合成参照信号を用いて適応信号処理を行う。尚、図
6において、55bはアッパーアーム、55c,55d
はロア・アーム、55eはトレーリングアーム、56は
サスペンションである。
【0029】(c) 本発明の第3実施例 図7は本発明に係わる騒音キャンセル装置の第3実施例
構成図であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付
している。第3実施例が第1実施例と異なる点は、 4番目の加速度センサ31d、ゲイン可変アンプ32
dがそれぞれ設けられている点、 ゲイン可変アンプ32a〜32dを2個づつの組に分
け、同一組のゲイン可変アンプの出力を合成する加算器
61,62を設けた点、 各加算器61,62の出力信号を増幅するゲイン可変
のアンプ63,64を設け、該アンプのゲインを重み付
加部35により制御する点、 ゲイン可変アンプ63,64の出力信号をそれぞれ参
照信号xn,xn′として入力され、該参照信号xn,x
n′とエラー信号enを用いて適応信号処理を行う2つの
適応信号処理36A,36Bを設けた点、 各適応信号処理部から出力される信号を加算して騒音
キャンセル信号ynを出力する加算器65を設けた点で
ある。
【0030】尚、第3実施例の動作は第1、第2実施例
の動作より容易に理解できるのでその説明は省略する。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求
の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能
であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0031】
【発明の効果】以上本発明によれば、車両のサスペンシ
ョン各部に車体振動を検出するための複数のセンサを設
け、車両の加減速度を求め、該加減速度に基づいて各セ
ンサから出力される信号を重み付けし、重み付けにより
得られた信号を参照信号とし、各参照信号と騒音キャン
セル点における合成音信号とを用いて適応信号処理によ
りロードノイズをキャンセルするための騒音キャンセル
信号を出力するようにしたから、あるいは、更に、乗員
数に基づいてセンサ出力信号を重み付けをするようにし
たから、比較的少ないセンサ数であってもマルチプルコ
ヒーレンスの値を大きくすることができ、効果的にロー
ドノイズを消音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例構成図である。
【図2】加減速度と重み係数の関係図である。
【図3】乗員数と重み係数の関係図である。
【図4】本発明の第2実施例構成図である。
【図5】本発明の消音効果説明図である。
【図6】三次元加速度センサを用いる場合の説明図であ
る。
【図7】本発明の第3実施例構成図である。
【図8】従来の騒音キャンセル装置の構成図である。
【図9】適応フィルタの構成図である。
【図10】フィルタードX信号作成用フィルタの構成図
である。
【符号の説明】
31a〜31c・・加速度センサ 32a〜32c・・ゲイン可変アンプ 33・・加減速度検出部 34・・乗員数検出部 36,36a〜36c・・騒音キャンセル処理部 40・・スピーカ 42・・エラーマイク
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/04 A 8842−5J 17/06 A 8842−5J 21/00 8842−5J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音キャンセル点におけるロードノイズ
    をキャンセルするためにキャンセル音を出力するスピー
    カと、騒音キャンセル点におけるロードノイズとキャン
    セル音との合成音を検出するセンサと、合成音信号とキ
    ャンセルすべきロードノイズに応じた参照信号とを用い
    て適応信号処理を行なって適応フィルタの係数を決定
    し、参照信号を該適応フィルタに入力して騒音キャンセ
    ル信号を発生し、該騒音キャンセル信号をスピーカに入
    力する騒音キャンセル処理部を備えた騒音キャンセル装
    置の騒音キャンセル方式において、 車両のサスペンション各部に車体振動を検出するための
    複数のセンサを設け、 車両の加減速度を求め、該加減速度に基づいて各センサ
    から出力される信号を重み付けし、 重み付けにより得られた各信号を参照信号とし、該参照
    信号と騒音キャンセル点における合成音信号を用いて適
    応信号処理によりロードノイズをキャンセルする騒音キ
    ャンセル信号を出力することを特徴とする騒音キャンセ
    ル方式。
  2. 【請求項2】 各参照信号に対応させて騒音キャンセル
    処理部を設けた請求項1記載の騒音キャンセル方式。
  3. 【請求項3】 各参照信号を合成した合成参照信号に対
    応させて1つの騒音キャンセル処理部を設け、該騒音キ
    ャンセル処理部は合成参照信号と合成音信号を用いて騒
    音キャンセル処理を行う請求項1記載の騒音キャンセル
    方式。
  4. 【請求項4】 乗員数に基づいてセンサ出力信号を重み
    付けすることを特徴とする請求項1記載の騒音キャンセ
    ル方式。
JP5153354A 1993-06-24 1993-06-24 騒音キャンセル方式 Withdrawn JPH0728474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5153354A JPH0728474A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 騒音キャンセル方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5153354A JPH0728474A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 騒音キャンセル方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0728474A true JPH0728474A (ja) 1995-01-31

Family

ID=15560633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5153354A Withdrawn JPH0728474A (ja) 1993-06-24 1993-06-24 騒音キャンセル方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0728474A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302134A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御方法および騒音制御装置
JP2007308107A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御装置および騒音制御方法
JP2007331490A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御装置および騒音制御方法
WO2010032517A1 (ja) 2008-09-18 2010-03-25 本田技研工業株式会社 能動型騒音制御装置
JP2010070023A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置
JP2011123389A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Panasonic Corp 騒音低減装置
JP2012141214A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 音量誤差測定装置及び音量誤差測定方法
WO2014042243A1 (ja) * 2012-09-14 2014-03-20 東海ゴム工業株式会社 能動型消音装置
WO2014115533A1 (ja) 2013-01-28 2014-07-31 パナソニック株式会社 能動騒音低減装置と、これを用いた機器、ならびに能動型騒音低減方法
JP2016521035A (ja) * 2013-03-25 2016-07-14 ボーズ・コーポレーションBose Corporation 複数の回転装置からの高調波ノイズの能動低減
US9679552B2 (en) 2013-03-25 2017-06-13 Bose Corporation Active reduction of harmonic noise from multiple noise sources
WO2018047790A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 能動騒音低減装置、移動体装置、及び、能動騒音低減方法
JP2018527641A (ja) * 2016-07-15 2018-09-20 ケンブリッジ モバイル テレマティクス,インク.Cambridge Mobile Telematics, Inc. 走行距離及び速度の推定
DE102018201595A1 (de) 2017-03-30 2018-10-04 Subaru Corporation Fahrzeuggeräuschkompensationsvorrichtung
US11276255B2 (en) 2016-07-15 2022-03-15 Cambridge Mobile Telematics, Inc. Mileage and speed estimation

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302134A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御方法および騒音制御装置
JP2007308107A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御装置および騒音制御方法
JP2007331490A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Nissan Motor Co Ltd 騒音制御装置および騒音制御方法
US9042569B2 (en) 2008-09-18 2015-05-26 Honda Motor Co., Ltd. Active noise control device
WO2010032517A1 (ja) 2008-09-18 2010-03-25 本田技研工業株式会社 能動型騒音制御装置
JP2010070026A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置
JP2010070023A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置
JP2011123389A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Panasonic Corp 騒音低減装置
JP2012141214A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 音量誤差測定装置及び音量誤差測定方法
WO2014042243A1 (ja) * 2012-09-14 2014-03-20 東海ゴム工業株式会社 能動型消音装置
JP2014059375A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型消音装置
WO2014115533A1 (ja) 2013-01-28 2014-07-31 パナソニック株式会社 能動騒音低減装置と、これを用いた機器、ならびに能動型騒音低減方法
US9646596B2 (en) 2013-01-28 2017-05-09 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Active noise reduction device, instrument using same, and active noise reduction method
JP2016521035A (ja) * 2013-03-25 2016-07-14 ボーズ・コーポレーションBose Corporation 複数の回転装置からの高調波ノイズの能動低減
US9679552B2 (en) 2013-03-25 2017-06-13 Bose Corporation Active reduction of harmonic noise from multiple noise sources
JP2018527641A (ja) * 2016-07-15 2018-09-20 ケンブリッジ モバイル テレマティクス,インク.Cambridge Mobile Telematics, Inc. 走行距離及び速度の推定
US11276255B2 (en) 2016-07-15 2022-03-15 Cambridge Mobile Telematics, Inc. Mileage and speed estimation
WO2018047790A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 能動騒音低減装置、移動体装置、及び、能動騒音低減方法
CN109690671A (zh) * 2016-09-12 2019-04-26 松下知识产权经营株式会社 主动噪声降低装置、移动体装置以及主动噪声降低方法
US10515622B2 (en) 2016-09-12 2019-12-24 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Active noise reducing device, mobile device, and active noise reducing method
DE102018201595A1 (de) 2017-03-30 2018-10-04 Subaru Corporation Fahrzeuggeräuschkompensationsvorrichtung
US10360896B2 (en) 2017-03-30 2019-07-23 Subaru Corporation Vehicle noise canceller

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5410605A (en) Active vibration control system
JPH0728474A (ja) 騒音キャンセル方式
JPH03203496A (ja) 能動型騒音制御装置
JPH06266374A (ja) 騒音キャンセル方式
JP2529745B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP3028977B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP3372572B2 (ja) 車輌用能動振動騒音制御装置
JP3380571B2 (ja) 騒音キャンセル装置
GB2257601A (en) Active vibration control system
JP3406628B2 (ja) 騒音キャンセル方式
JP3411611B2 (ja) 騒音キャンセル方式
JP3674963B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置
JPH04342296A (ja) 能動型不快波制御装置
JP3617079B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置
JP3303925B2 (ja) 能動型振動制御装置
JPH089758Y2 (ja) 車室内騒音の低減装置
JP3439245B2 (ja) 騒音キャンセルシステム
JPH06332469A (ja) 車両の能動消音方法およびその装置
JP3417022B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置
JP3502112B2 (ja) 騒音キャンセル装置
JP3122192B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び適応騒音制御方法
JP3405752B2 (ja) 騒音キャンセル方式
JP3431932B2 (ja) 騒音キャンセル方式
JPH06314097A (ja) 能動型騒音制御装置
JPH07199965A (ja) 車室内音の適応型能動消音装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000905