JP2012141214A - 音量誤差測定装置及び音量誤差測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】模擬音量測定装置50は、マイクロフォンS1で測定された音量とマイクロフォンS2で測定された音量とのコヒーレンス(音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12)を算出し、マイクロフォンS1で測定された音量とマイクロフォンR1で測定された音量とのコヒーレンス(音源−評価位置間コヒーレンスCoh13)を算出し、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12とマイクロフォンR1で測定された音量に基づいて、評価位置における模擬音源52の音量を算出する。さらに、模擬音量測定装置50は、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13、及び評価位置における模擬音源52の音量に対して予測される誤差との関係を示す予測誤差データを導出する。
【選択図】図4
Description
また、上記マイクロフォンアレイを用いる測定では、非常に多数のマイクロフォンが必要となり、その構成が複雑になった。
さらに、上記コヒーレンスを用いる測定では、測定環境下においてノイズ源がある場合は、評価位置において測定された、測定対象機器の音量の精度を正確に評価できなかった。
さらに、導出手段によって、第1算出手段で算出された第1コヒーレンス、第2算出手段で算出された第2コヒーレンス、及び第3算出手段で算出された測定対象機器の音量に対して予測される誤差との関係を示す予測誤差データが導出される。
そして、測定対象機器の音量が予め導出された予測誤差データを用いて評価されるので、本発明は、ノイズ源を含む環境における評価位置において測定された、測定対象機器の音量の精度を正確に評価できる。
そこで、本発明によれば、測定対象機器に対して指向性を有するマイクロフォン、又は測定対象機器以外からの音を吸音する吸音ボックスに入れられたマイクロフォンが、第4マイクロフォンとされ、ノイズ源に対して指向性を有するマイクロフォン、又はノイズ源以外からの音を吸音する吸音ボックスに入れられたマイクロフォンが、第5マイクロフォンとされる。
そこで、本発明によれば、第4マイクロフォンに替えて、測定対象機器の振動を検知する振動検知手段を用いる。測定対象機器の振動は、測定対象機器の音量と周期及び大きさが関連しており、かつノイズ源からの音が測定対象機器の振動に与える影響は小さい。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係る音量測定装置10の構成を示す模式図である。
音量測定装置10は、音源となる測定対象機器12に近接して設置されたマイクロフォンS1と、ノイズ源となる機器(以下、「ノイズ源機器14」という。)に近接して設置されたマイクロフォンS2と、マイクロフォンS1及びマイクロフォンS2の設置位置よりも離れた位置である評価位置に設置されたマイクロフォンR1と、を備える。
また、マイクロフォンS1の位置は、例えば、測定対象機器12から数cm〜数十cm離れた位置であり、同様に、マイクロフォンS2の位置は、例えば、ノイズ源機器14から数cm〜数十cm離れた位置である。なお、図1に示されるマイクロフォンR1の位置は、測定対象機器12の位置とマイクロフォンS1の位置を結ぶ略直線上であるが、これは一例であり、マイクロフォンS1及びマイクロフォンS2の設置位置よりも離れた位置であれば、マイクロフォンR1の位置(評価位置)は限定されない。
本第1実施形態に係る情報処理装置16は、情報処理装置16全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)20、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)22、CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。
このため、マイクロフォンS1,R1で、測定される音には、測定対象機器12からの音とノイズ源機器14からの音とが混在するため、マイクロフォンS1,R1だけでは、測定対象機器12の音量を正確に測定することができない。
なお、マイクロフォンS2は、ノイズ源機器14に近接して設置されるので、主にノイズ源機器14からの音N2を測定するが、ノイズ源機器14からの音N2と共に測定対象機器12からの音N1も測定することとなる。
音源−ノイズ源間コヒーレンスは、下記(1)式のコヒーレンス関数γS1S2 2によって算出される。
音源−評価位置間コヒーレンスは、下記(2)式のコヒーレンス関数γS1R1 2によって算出される。
なお、出力処理としては、例えば、画像表示部30に算出結果を表示させたり、HDD26に算出結果を記憶させる。
本第1実施形態に係る模擬音量測定装置50は、測定対象機器12を模擬した模擬音源52に近接してマイクロフォンS1が設置され、ノイズ源機器14を模擬した模擬ノイズ源54に近接してマイクロフォンS2が設置され、マイクロフォンS1及びマイクロフォンS2の設置位置よりも離れた位置である評価位置にマイクロフォンR1が設置されている。
なお、本第1実施形態に係る模擬音源52及び模擬ノイズ源54としては、一例として、測定対象機器12及びノイズ源機器14が発する音と同様の音を発するスピーカーを用いる。
なお、本第1実施形態では、予測誤差データ導出処理に用いられる音データとして、マイクロフォンS1,S2,R1で測定された音データのうち、1/3(3分の1)オクターブバンドデータを用いる。
図6の例では、図6の円で囲まれた領域で示されるように、SN比が小さい場合に、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13が大きい。
図7の例では、図7の円で囲まれた領域で示されるように、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13が大きくても、予測誤差が大きい。
なお、本第1実施形態では、模擬音源52と模擬ノイズ源54から同時に音を出力させて音の測定を行う。また、本第1実施形態では、ノイズの影響の無い、より正確な音源−評価位置間コヒーレンスCoh13を算出するために、模擬音源52からの音を出力させる一方、模擬ノイズ源54からの音の出力を停止させた場合の音の測定も行う。
なお、COPの算出方法は、上述した音量測定処理におけるステップ106による評価位置における測定対象機器12の音量の算出方法と同様に算出される。
図9に示されるように、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12が小さく、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13が大きいほど、予測誤差は小さくなることが分かる。
さらに、模擬音量測定装置50は、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13、及び評価位置における模擬音源の音量に対して予測される誤差との関係を示す予測誤差データを導出する。
さらに、本第1実施形態では、模擬音量測定装置50によって予め予測誤差データが導出されているので、測定対象機器12の音量の誤差が所望の大きさとなるように、音量測定装置10のマイクロフォンS1、マイクロフォンS2、及びマイクロフォンR1の設置位置を定めることができる。
この形態の場合、予測誤差データを作成するために、測定対象機器12を動作させる一方、ノイズ源機器14を停止させて、音源−評価位置間コヒーレンスCoh13、及び予測誤差を算出する。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本第2実施形態に係る音量測定装置10の構成は、図1に示される第1実施形態に係る音量測定装置10の構成と同様であるので説明を省略する。
これにより、マイクロフォンS1は、測定対象機器12の音量のみを測定し易くなり、マイクロフォンS2は、ノイズ源機器14の音量のみを測定し易くなるので、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12が小さくなる。
図10(B−1)は、マイクロフォンS1,S2を吸音ボックスに入れない場合における、マイクロフォンR1のCOP(R1COP)、マイクロフォンS1のCOP(S1COP)、及びマイクロフォンS1で測定された音量(S1)と周波数との関係を示すグラフである。
図10(A−2)は、マイクロフォンS1,S2を吸音ボックスに入れた場合における、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12及び音源−評価位置間コヒーレンスCoh13と周波数との関係を示すグラフである。
図10(B−2)は、マイクロフォンS1,S2を吸音ボックスに入れた場合のおける、マイクロフォンR1のCOP(R1COP)、マイクロフォンS1のCOP(S1COP)、及びマイクロフォンS1で測定された音量(S1)と周波数との関係を示すグラフである。
なお、COP(R1COP)とCOP(S1COP)とは、模擬音源52及び模擬ノイズ源54から音を出力して測定した場合である。一方、音量(S1)は、模擬音源52のみから音を出力して測定した場合、すなわち、ノイズが無い環境で測定された結果である。
また、図10(B−1),(B−2)の円内を比較して分かるように、マイクロフォンS1,S2を吸音ボックスに入れた場合のCOP(S1COP)は、ノイズが無い環境における音量S1と同等となっており、ノイズの影響を受ける度合いが、マイクロフォンS1,S2を吸音ボックスに入れない場合に比較して小さく、ノイズの影響による誤差が小さくなることが分かる。
従って、本第2実施形態に係る音量測定装置10は、評価位置で算出される測定対象機器12の音量の誤差をより小さくできる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
図11に本第3実施形態に係る音量測定装置70の構成を示す。なお、図12における図1と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第3実施形態に係る音量測定装置70は、マイクロフォンS1の替わりに、測定対象機器12の表面に設置され、測定対象機器12の振動を検知する振動計72を用いる。なお、振動計72としては、例えば、加速度計が用いられる。
そのため、マイクロフォンS1で測定される音量とマイクロフォンS2で測定される音量とのコヒーレンスに比較して、振動計72によって測定される振動とマイクロフォンS2で測定される音量とのコヒーレンスは小さくなる。
図12(B−1)は、振動計72を用いない場合のマイクロフォンR1における、COP(R1COP)、マイクロフォンS1におけるCOP(S1COP)、及びマイクロフォンS1で測定された音量(S1)と周波数との関係を示すグラフである。
図12(A−2)は、マイクロフォンS1の替わりに振動計72を用いた場合における、音源−ノイズ源間コヒーレンスCoh12及び音源−評価位置間コヒーレンスCoh13と周波数との関係を示すグラフである。
図12(B−2)は、マイクロフォンS1の替わりに振動計72を用いた場合における、マイクロフォンR1のCOP(R1COP)、振動計72のCOP(S1’COP)、参考用のマイクロフォンS1で測定された音量(S1)と周波数との関係を示すグラフである。
なお、COP(R1COP)とCOP(S1’COP)とは、模擬音源52及び模擬ノイズ源54から音を出力して測定した場合である。一方、音量(S1)は、模擬音源52のみから音を出力して測定した場合、すなわち、ノイズが無い環境で測定された結果である。
また、図12(B−1),(B−2)の円内を比較して分かるように、マイクロフォンS1の替わりに振動計72を用いた場合のCOP(S1’COP)は、ノイズが無い環境における音量S1と同等となっており、ノイズの影響を受ける度合いが、振動計72を用いない場合に比較して小さい。
12 測定対象機器
14 ノイズ源機器
16 情報処理装置
20 CPU
50 模擬音量測定装置
52 模擬音源
54 模擬ノイズ源
72 振動計
S1 マイクロフォン
S2 マイクロフォン
R1 マイクロフォン
Claims (5)
- 測定対象機器に近接して設置された第1マイクロフォンと、
ノイズ源に近接して設置された第2マイクロフォンと、
前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンの設置位置よりも離れた位置である評価位置に設置された第3マイクロフォンと、
前記第1マイクロフォンで測定された音量と前記第2マイクロフォンで測定された音量とのコヒーレンスである第1コヒーレンスを算出する第1算出手段と、
前記第1マイクロフォンで測定された音量と前記第3マイクロフォンで測定された音量とのコヒーレンスである第2コヒーレンスを算出する第2算出手段と、
前記第2算出手段で算出された前記第2コヒーレンスと前記第3マイクロフォンで測定された音量に基づいて、前記評価位置における前記測定対象機器の音量を算出する第3算出手段と、
前記第1算出手段で算出された前記第1コヒーレンス、前記第2算出手段で算出された前記第2コヒーレンス、及び前記第3算出手段で算出された前記測定対象機器の音量に対して予測される誤差との関係を示す予測誤差データを導出する導出手段と、
を備える音量誤差測定装置。 - 測定対象機器を模擬した模擬音源に近接して設置された第1マイクロフォン、ノイズ源を模擬した模擬ノイズ源に近接して設置された第2マイクロフォン、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンの設置位置よりも離れた位置である評価位置に設置された第3マイクロフォンを用いて、音量を測定する第1工程と、
前記第1マイクロフォンで測定された音量と前記第2マイクロフォンで測定された音量とのコヒーレンスである第1コヒーレンス、及び前記第1マイクロフォンで測定された音量と前記第3マイクロフォンで測定された音量とのコヒーレンスである第2コヒーレンスとを算出する第2工程と、
前記第2工程で算出された前記第2コヒーレンスと前記第3マイクロフォンで測定された音量に基づいて、前記評価位置における前記測定対象機器の音量を算出する第3工程と、
前記第2工程で算出された前記第1コヒーレンス、前記第2工程で算出された前記第2コヒーレンス、及び前記第3工程で算出された前記測定対象機器の音量に対して予測される誤差との関係を示す予測誤差データを導出する第4工程と、
を含む音量誤差測定方法。 - 測定対象機器である音源に近接して設置された第4マイクロフォン、ノイズ源に近接して設置された第5マイクロフォン、前記第4マイクロフォン及び前記第5マイクロフォンの設置位置よりも離れた位置である評価位置に設置された第6マイクロフォンを用いて測定された前記測定対象機器の音量の誤差が、前記第4工程で導出された前記予測誤差データを用いて評価される請求項2記載の音量誤差測定方法。
- 前記第4マイクロフォンを、前記測定対象機器に対して指向性を有するマイクロフォン、又は前記測定対象機器以外からの音を吸音する吸音ボックスに入れられたマイクロフォンとし、
前記第5マイクロフォンを、前記ノイズ源に対して指向性を有するマイクロフォン、又は前記ノイズ源以外からの音を吸音する吸音ボックスに入れられたマイクロフォンとする請求項3記載の音量誤差測定方法。 - 前記第4マイクロフォンに替えて、前記測定対象機器の振動を検知する振動検知手段を備えた請求項3記載の音量誤差測定方法。
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