JP2003098003A - 音源分離収音マイクロホン装置および方法 - Google Patents

音源分離収音マイクロホン装置および方法

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JP2003098003A JP2001287382A JP2001287382A JP2003098003A JP 2003098003 A JP2003098003 A JP 2003098003A JP 2001287382 A JP2001287382 A JP 2001287382A JP 2001287382 A JP2001287382 A JP 2001287382A JP 2003098003 A JP2003098003 A JP 2003098003A
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章 盛田
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文男 岡野
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晋一 千葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一方向から到来する目的音と雑音を分離し
て収音することができ、所望の出力に目的音を特定して
出力できる装置および方法を提供すること。 【解決手段】 直線上に配置された複数のマイクロホン
11、12と、その直線上の複数の音源201、202
と1つのマイクロホン11との間の距離を測定する距離
測定手段20と、1つのマイクロホン11と各音源20
1、202間、および他のマイクロホン12間の距離の
情報を用い、各音源201、202が発した音波を混合
した混合波であって、各マイクロホン11、12によっ
て収音されて得られた混合信号から、目的音の信号成分
を分離する音源分離手段30とを備え、音源分離手段3
0は、各マイクロホン11、12から出力される出力信
号を相互に分離係数を用いて線形結合し、線形結合後の
信号間の相互相関係数の値が最小となるように分離係数
での信号を出力信号とする構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観測点に対して同
一方向に位置する複数の音源が発する音波の混合波か
ら、目的の音源が発する音波を分離して収音する音源分
離収音マイクロホン装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人の声で、しかも工場などの騒音
環境下でもコンピュータ等の情報処理装置を制御できる
ようにするためのブラインド信号分離処理技術の研究が
進められている。従来、鋭い指向性を有するマイクロホ
ンを用いて目的の音源からの音波(以下、目的音とい
う。)を、他の方向からの音波から分離する方法が知ら
れている。この方法は、到来方向の異なる音波を相互に
分離するのに有効である。
【0003】しかしながら、鋭い指向性のマイクロホン
のみを利用するのでは、同一方向から到来する、異なる
音源からの音波を相互に分離することは困難である。そ
のため、同一方向から到来する音波から目的音を分離す
るのに、異なる音源が発する音波(以下、音源信号とい
う。)間で相互相関が低いことを利用して目的音を分離
するブラインド信号分離処理技術が提案されている。
【0004】また、特開2001−84713号公報に
開示された「ビデオカメラと一体型の音源分離マイクロ
ホンシステム」では、同一方向から到来する目的音と雑
音とを分離して収音することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
指向性の鋭いマイクロホンを用いるのでは、目的音と雑
音が同じ方向から到来する場合に、それらを別々に収音
することはできず、また、同一方向から到来する複数の
音源信号から目的音のみを、ブラインド信号分離処理技
術を用いて分離した報告例はなく、それらの分離は困難
であるという問題がある。
【0006】また、特開2001−84713号公報に
開示された「ビデオカメラと一体型の音源分離マイクロ
ホンシステム」では、同一方向から到来する目的音と雑
音を分離して収音することができるが、同システムの信
号処理回路において、ブラインド信号分離処理技術を用
いて全ての分離係数を算出するため、目的音が複数ある
出力信号のうちのどれとして出力されるか制御できない
という問題がある。
【0007】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、同一方向から到来する
目的音と雑音を分離して収音することができ、所望の出
力に目的音を特定して出力することが可能な音源分離収
音マイクロホン装置および方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の点を考慮して、請
求項1に係る発明は、第1のマイクロホンを含み、直線
上に配置された複数のマイクロホンと、前記複数のマイ
クロホンが配置された直線上の複数の音源と前記第1の
マイクロホンとの間の距離を測定する距離測定手段と、
前記第1のマイクロホンと前記各音源間の距離に関する
情報および前記第1のマイクロホンと前記複数のマイク
ロホンのうちの前記第1のマイクロホン以外のマイクロ
ホンとの間の距離に関する情報とを用い、前記各音源が
発した音波を混合した混合波であって、前記各マイクロ
ホンによって収音されて得られた混合信号から、目的と
する音源が発した音波の信号成分を分離する音源分離手
段とを備え、前記音源分離手段は、前記各マイクロホン
から出力される出力信号を相互に分離係数を用いて線形
結合し、前記線形結合後の信号間の相互相関の値が最小
となるように前記分離係数を制御し、前記相互相関の値
が最小となる信号を出力信号とする構成を有している。
【0009】この構成により、マイクロホンから音源ま
での距離に関する情報を測定する距離測定部と、その距
離情報を用いて音源分離処理を行う音源分離部とを設け
たため、目的とする音源が発する音波の信号と不要な雑
音とを分離して出力することができる。
【0010】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
おいて、さらに、前記音源分離手段は、前記距離測定手
段によって測定された距離の情報を用いて前記分離係数
の初期値を算出し、前記分離係数の初期値を用いて前記
目的とする音源が発した音波の信号成分を分離して出力
する構成を有している。
【0011】この構成により、音源分離手段は、距離測
定手段によって測定された距離の情報を用いて分離係数
の初期値を算出し、それを用いて目的とする音源が発し
た音波の信号成分を分離するため、計算時間を短縮した
リアルタイムな処理にすることができる。
【0012】また、請求項3に係る発明は、第1のマイ
クロホンを含む複数のマイクロホンが配置された直線上
の複数の音源と前記第1のマイクロホンとの間の距離を
測定する距離測定ステップと、前記第1のマイクロホン
と前記各音源間の距離に関する情報および前記第1のマ
イクロホンと前記複数のマイクロホンのうちの前記第1
のマイクロホン以外のマイクロホンとの間の距離に関す
る情報とを用い、前記各音源が発した音波を混合した混
合波であって、前記各マイクロホンによって収音されて
得られた混合信号から、目的とする音源が発した音波の
信号成分を分離する音源分離ステップとを備え、前記音
源分離ステップで、前記各マイクロホンから出力される
出力信号を相互に分離係数を用いて線形結合し、前記線
形結合後の信号間の相互相関の値が最小となるように前
記分離係数を制御し、前記相互相関の値が最小となる信
号を出力信号とする構成を有している。
【0013】この構成により、マイクロホンから音源ま
での距離に関する情報を測定するためのステップと、そ
の距離情報を用いて用いて音源分離処理を行うためのス
テップとを設けたことによって、目的とする音源が発す
る音波の信号と不要な雑音とを分離して出力することが
できる。
【0014】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
おいて、前記音源分離ステップは、前記距離測定ステッ
プで測定された距離の情報を用いて前記分離係数の初期
値を算出し、前記分離係数の初期値を用いて前記目的と
する音源が発した音波の信号成分を分離して出力する構
成を有している。
【0015】この構成により、音源分離ステップでは、
距離測定ステップで測定された距離の情報を用いて分離
係数の初期値を算出し、それを用いて目的とする音源が
発した音波の信号成分を分離するため、計算時間を短縮
したリアルタイムな処理にすることができる。
【0016】また、請求項5に係る発明は、請求項3に
おいて、前記音源分離ステップは、前記距離測定ステッ
プで測定された距離の情報を用いて、前記各マイクロホ
ンと前記各音源とのすべての組み合わせについて前記分
離係数をあらかじめ計算しておき、前記予め計算された
分離係数の値を用いて前記各音源が発した音波の信号成
分を分離する構成を有している。
【0017】この構成により、音源分離ステップは、距
離測定ステップで測定された距離の情報を用いて、各マ
イクロホンと前記各音源とのすべての組み合わせについ
て予め計算された分離係数の値を用いて、各音源が発し
た音波の信号成分を分離するため、計算時間を短縮した
リアルタイムな処理にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の第1の実施の形態に係る音源分離収音マイクロホン装
置について説明する。図1に、本発明の第1の実施の形
態に係る音源分離収音マイクロホン装置のブロック構成
図を示す。図1において、音源分離収音マイクロホン装
置100は、マイクロホンアレイ部10、距離測定部2
0、および音源分離部30によって構成される。
【0019】マイクロホンアレイ部10は、複数のマイ
クロホンが一定間隔を置いて一直線上に配列された構成
を有し、各音源が発する音波の混合波を検知する。図1
に、マイクロホンアレイ部10が2個のマイクロホン1
1、12によって構成され、音源201、202が2個
存在する場合の例を示す。ここで、各マイクロホン1
1、12として、それぞれ、単一指向性または無指向性
のものを用いるのでも良い。
【0020】音源201、202が発する音波の混合波
は、それぞれ、マイクロホンアレイ部10のマイクロホ
ン11、12によって検知され、検知された混合波の電
気信号x1、x2は、それぞれ、音源分離部30に出力さ
れる。距離測定部20は、マイクロホンアレイ部10と
各音源201、202間の距離を測定し、その測定され
た距離に関する情報を音源分離部30に出力する。距離
測定部20は、例えば、赤外線や超音波を利用して距離
測定するのでも、カメラレンズのピント情報を利用して
距離測定するのでも、その他の方法によるのでも良い。
【0021】説明の便宜上、上記で測定される距離は、
図3に模式的に示す、マイクロホン11から音源201
までの距離l1およびマイクロホン11から音源202
までの距離l2とするが、マイクロホン12等その他の
所定位置からの距離でも良いことは明らかである。ま
た、マイクロホン11からマイクロホン12までの距離
1は、予め知られているものとする。
【0022】音源分離部30は、マイクロホンアレイ部
10から出力された混合波の電気信号x1、x2(x1
マイクロホン11からの出力信号とし、x2をマイクロ
ホン12からの出力信号とする。)および距離測定部2
0から出力された距離情報を入力として、音源201、
202別の音波の信号に分離して出力する(以下、音源
信号分離処理という。)ための構成部である。以下に、
図面を参照して、音源分離部30において行われる音源
信号分離処理の原理について説明する。
【0023】音源201が発する音波と、音源202が
発する音波とは、各マイクロホン11、12までの伝搬
距離が異なるため、各マイクロホン11、12において
異なる混合比率で混合されて受音される。説明の便宜
上、以下では、各マイクロホン11、12の特性は同じ
とし、マイクロホン11(またはマイクロホン12)が
音源201および音源202の発する音波を、音源位置
で受音したときの信号を、それぞれ音源信号s1、s2
し、マイクロホン11が音源201および音源202の
発する音波を、マイクロホン11の位置で受音したとき
の信号を混合信号x1とし、マイクロホン12の位置で
受音したときの信号を混合信号x2とする。
【0024】各マイクロホン11、12からの混合信号
1、x2は、距離(l1、l2、k1)を用いて、以下の
式(1)のように、音源信号s1、s2の線形結合によっ
て概念的に記述できる。
【数1】
【0025】そのため、原理的に、上記の混合信号
1、x2を用いて、線形変換によって元の音源201、
202からの音源信号s1、s2に分離できる。その線形
変換を式(2)に示す。
【数2】 ここで、cij(i,j=1,2)は混合信号x1、x2
用いて音源信号s1、s2を分離するための分離係数であ
る。
【0026】距離k1が既知であるため、距離l1が既知
の場合、音源201で発せられ、音波マイクロホン1と
マイクロホン2とで受音される音波の混合比は、(l1
+k1):l1として算出される。そこで、c21=1,c
22=−(l1+k1)/l1とを与えれば、式(1)を式
(2)に代入して、式(2)の左辺(以下、出力信号と
いう。)のy2には、以下の式(3)に示すように、音
源信号s2のみが含まれるようにすることができる。
【数3】
【0027】次に、上記の式(2)の出力信号y1と絶
対値は異なるが、音源信号s1、s2の混合比を維持し、
線形結合で表される信号を以下の式(4)に示すように
得ることができる。
【数4】 式(4)のy1は、新たに線形結合で表した出力信号で
あり、式(4)のc12は、その結合係数(以下、分離係
数という。)である。
【0028】上記の式(3)の出力信号y2には音源信
号s2しか含まれてないため、分離係数c12を調整する
ことによって混合信号x1から音源信号s2を除いて、音
源信号s1成分のみの式(4)の出力信号y1を得ること
ができる。式(1)と式(4)を用いて、音源信号s2
が除かれて、音源信号s1成分のみとなった出力信号y1
を以下の式(5)に示す。
【数5】
【0029】ここで、上記の音源信号s2を除いて音源
信号s1成分のみとする方法として、分離係数c12を変
化させ、分離係数c12毎に出力信号y1と音源信号s2
の相互相関を取り、相互相関の計算値が最も低くなる分
離係数c12における出力信号を取り出すという方法があ
る。これは、音源信号s1と音源信号s2との統計的独立
性に基づくものである。以上のようにして、混合信号x
1、x2を用いて音源信号s1、音源信号s2とを分離する
ことができる。
【0030】図2に、本発明の第1の実施の形態に係る
音源分離収音マイクロホン装置における音源分離部30
のブロック構成を示す。図2において、音源分離部30
は、遅延部31、フレーム分割部32、33、分離係数
部34〜36、43、加算器37、44、記憶部41、
42、および適応処理部45によって構成される。
【0031】遅延部31は、マイクロホン11で受音さ
れた混合波と、マイクロホン12で受音された混合波と
が同時刻に受音されたようにするために、混合信号x1
を遅延させる構成部であり、マイクロホン11が、マイ
クロホン12より音源201、202に接近して配置さ
れるために必要となる。この遅延の時間は、マイクロホ
ン11とマイクロホン12間の距離に応じて決定され
る。
【0032】フレーム分割部32、33は、受音して得
られた混合信号x1、x2を所定のサンプル長のフレーム
に分割するための構成部であり、フレーム化された混合
信号x1、x2は、フレーム毎に分離係数部34〜37に
出力される。分離係数部34は、入力された混合信号x
1を分離係数c11倍して記憶部41に出力する。ここ
で、分離係数c11の値は1であるため、分離係数部34
を省き、フレーム分割部32と記憶部41を直結するの
でも良い。
【0033】分離係数部36は、入力された混合信号x
1を分離係数c21倍して加算器37に出力する。ここ
で、分離係数c21の値は1であるため、分離係数部36
を省き、フレーム分割部32と加算器37を直結するの
でも良い。分離係数部35は、混合信号x2と距離
(l1、k1)に関する情報を入力とし、入力された混合
信号x2を分離係数c22倍して記憶部42に出力する。
ここで、分離係数c22は、距離(l1、k1)を用いて、
22=−(l1+k1)/l1とする。
【0034】加算器37は、分離係数部35からの出力
と分離係数部36からの出力とを加算し、上記の式
(3)で示される音源信号s2成分のみの出力信号y2
生成し、記憶部42に出力する。記憶部41、42は、
それぞれ、分離係数部34、加算器37からの出力を記
憶し、適応処理部45の制御に従って、記憶された信号
をフレーム毎に出力する。
【0035】分離係数部43は、記憶部42から出力さ
れた音源信号s2成分のみの出力信号y2を分離係数c12
倍して加算器44に出力する。ここで、分離係数c
12は、適応処理部45の制御に従って、その値が変更さ
れる。加算器44は、記憶部41から出力された混合信
号x1と分離係数部43からの出力とを加算し、上記の
式(5)のy1=x1+c12・y2を生成する。
【0036】適応処理部45は、分離係数c12を変更
し、各分離係数値での出力信号y1と出力信号y2との相
関を取り、得られた相関係数の値が最小となる出力信号
1を探す。換言すれば、混合信号x1から音源信号s2
成分が除去されたか否かを評価するための評価関数とし
て相関関数を用い、相関係数の値が最小となる分離係数
12の値のときに混合信号x1から音源信号s2成分が除
去されたとするものである。
【0037】このような相関係数の値を最小とする出力
信号の探索方法の例としては、特開2001−1814
99号公報に開示された、適応処理回路における処理に
適用された多変数Simplex法がある。また、最速
降下法、遺伝アルゴリズムを用いた探索法等の公知の方
法もあるが、それらは、本願発明の趣旨と異なるため、
その説明を省略する。
【0038】以上のように、音源分離部30からは、出
力信号y1として音源信号s1成分のみの信号が出力さ
れ、出力信号y2として音源信号s2成分のみの信号が出
力され、分離したい目的音と出力信号との対応関係が明
確につけられる。また、上記の式(3)および式(5)
を用いて音源信号s1、s2を生成することも可能であ
る。
【0039】なお、本発明の第1の実施の形態において
は、マイクロホンを2個使用した場合について説明した
が、マイクロホンを3個以上用いた場合でも、同様に、
出力信号y1に音源信号s1を出力することが可能であ
る。また、マイクロホンの個数と音源の個数、およびそ
れらの考えられる全ての場合毎の距離関係から分離係数
をあらかじめ計算して記憶装置に記録し、値を参照して
分離係数を求める手法をとるのでも良い。
【0040】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態に係る音源分離収音マイクロホン装置は、マイク
ロホンから音源までの距離に関する情報を測定する距離
測定部と、その距離情報を用いて用いて音源分離処理を
行う音源分離部とを設けたことによって、目的とする音
源が発する音波の信号と不要な雑音とを分離して出力す
ることが可能となる。
【0041】また、マイクロホンの個数と音源の個数、
およびそれらの考えられる全ての場合の距離関係から分
離係数をあらかじめ計算して記憶装置に記録し、値を参
照して分離係数を求める手法をとることによって、計算
時間を短縮し、リアルタイムな処理が可能となる。
【0042】図4は、本発明の第2の実施の形態に係る
音源分離収音方法における処理の流れを示すフローチャ
ートである。なお、本発明の第2の実施の形態に係る音
源分離収音方法が実行される装置の構成は、図1に示す
本発明の第1の実施の形態に係る音源分離収音マイクロ
ホン装置の構成と同じであり、その説明は省略する。
【0043】ステップS401で、マイクロホンアレイ
部10は、各音源201、202が発する音波が混合さ
れた混合波を収音する。ステップS402で、距離測定
部20は、マイクロホンアレイ部10と各音源201、
202間の距離を測定し、その測定された距離に関する
情報を音源分離部30に出力する。
【0044】ステップS403で、音源分離部30の遅
延部31は、マイクロホン11で受音された混合波と、
マイクロホン12で受音された混合波とが同時刻に受音
されたようにするために、混合信号x1を遅延させる。
ステップS404で、フレーム分割部32、33は、収
音して得られた混合信号x1、x2を所定のサンプル長の
フレームに分割する。
【0045】ステップS405で、分離係数部36は、
入力された混合信号x1を分離係数c21倍し、分離係数
部35は、混合信号x2と距離(l1、k1)に関する情
報を入力とし、入力された混合信号x2を分離係数c22
倍し、加算器37は、分離係数部35からの出力と分離
係数部36からの出力とを加算し、上記の式(3)で示
される音源信号s2成分のみの出力信号y2を生成する。
なお、ここで、分離係数c21は、1とする。
【0046】ステップS406で、適応処理部45は、
分離係数c12を設定する。本ステップで、最初に分離係
数c12を設定する場合は、予め決められた値を設定して
も良い。また、2回目以降に設定する場合は、適応処理
部45を、後述する出力信号間の相関係数の値が最小化
するように設定する。
【0047】ステップS407で、分離係数部43は、
記憶部42から出力された音源信号s2成分のみの出力
信号y2を分離係数c12倍し、加算器44は、混合信号
1と分離係数部43からの出力とを加算し、上記の式
(5)のy1=x1+c12・y2を生成する。ステップS
408で、適応処理部45は、出力信号y1と出力信号
2との相関を取る。
【0048】ステップS409で、適応処理部45は、
ステップS408で算出した相関係数の値が最小か否か
を判断し、最小値でないと判断された場合、処理はステ
ップS406に戻り、最小値と判断された場合は、処理
はステップS410に進み、ステップS410で出力信
号y1、y2を出力して処理は終了する。ステップS40
9で最小値でないと判断された場合、ステップS406
で、適応処理部45は、上記の相関係数の値を最小化す
る値に分離係数c12を設定する。
【0049】このような相関値を最小とする出力信号の
探索方法の例としては、特開2001−181499号
公報に開示された、適応処理回路における処理に適用さ
れた多変数Simplex法、最速降下法、遺伝アルゴ
リズムを用いた探索法等の公知の方法があり、それら
は、本願発明の趣旨と異なるため、その説明を省略す
る。
【0050】以上のように、音源分離収音マイクロホン
装置100からは、出力信号y1として音源信号s1成分
のみの信号が出力され、出力信号y2として音源信号s2
成分のみの信号が出力され、分離したい目的音と出力信
号との対応関係が明確につけられる。また、上記の式
(3)および式(5)を用いて音源信号s1、s2を生成
することも可能である。
【0051】以上説明したように、本発明の第2の実施
の形態に係る音源分離収音方法は、マイクロホンから音
源までの距離に関する情報を測定するためのステップ
と、その距離情報を用いて用いて音源分離処理を行うた
めのステップとを設けたことによって、目的とする音源
が発する音波の信号と不要な雑音とを分離して出力する
ことが可能となる。
【0052】また、マイクロホンの個数と音源の個数、
およびそれらの考えられる全ての場合の距離関係から分
離係数をあらかじめ計算して記憶装置に記録し、値を参
照して分離係数を求める手法をとることによって、計算
時間を短縮し、リアルタイムな処理が可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、同一方
向から到来する目的音と雑音を分離して収音することが
でき、所望の出力に目的音を特定して出力することが可
能な音源分離収音マイクロホン装置および方法を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る音源分離収音
マイクロホン装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る音源分離収音
マイクロホン装置における音源分離部のブロック構成図
である。
【図3】マイクロホン、音源相互の位置関係を示す説明
図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る音源分離収音
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 マイクロホンアレイ部 11、12 マイクロホン 20 距離測定部 30 音源分離部 31 遅延部 32、33 フレーム分割部 34〜36、43 分離係数部 37、44 加算器 41、42 記憶部 45 適応処理部 100 音源分離収音マイクロホン装置 201、202 音源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盛田 章 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 岡野 文男 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 千葉 晋一 大分県大分市東春日町1−2 日本放送協 会 大分放送局内 Fターム(参考) 2G064 AB03 AB13 AB21 BD02 CC13 CC47 5D018 BB11 BB24 5D020 BB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のマイクロホンを含み、直線上に配置
    された複数のマイクロホンと、前記複数のマイクロホン
    が配置された直線上の複数の音源と前記第1のマイクロ
    ホンとの間の距離を測定する距離測定手段と、前記第1
    のマイクロホンと前記各音源間の距離に関する情報およ
    び前記第1のマイクロホンと前記複数のマイクロホンの
    うちの前記第1のマイクロホン以外のマイクロホンとの
    間の距離に関する情報とを用い、前記各音源が発した音
    波を混合した混合波であって、前記各マイクロホンによ
    って収音されて得られた混合信号から、目的とする音源
    が発した音波の信号成分を分離する音源分離手段とを備
    え、前記音源分離手段は、前記各マイクロホンから出力
    される出力信号を相互に分離係数を用いて線形結合し、
    前記線形結合後の信号間の相互相関の値が最小となるよ
    うに前記分離係数を制御し、前記相互相関の値が最小と
    なる信号を出力信号とすることを特徴とする音源分離収
    音マイクロホン装置。
  2. 【請求項2】前記音源分離手段は、前記距離測定手段に
    よって測定された距離の情報を用いて前記分離係数の初
    期値を算出し、前記分離係数の初期値を用いて前記目的
    とする音源が発した音波の信号成分を分離して出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の音源分離収音マイクロ
    ホン装置。
  3. 【請求項3】第1のマイクロホンを含む複数のマイクロ
    ホンが配置された直線上の複数の音源と前記第1のマイ
    クロホンとの間の距離を測定する距離測定ステップと、
    前記第1のマイクロホンと前記各音源間の距離に関する
    情報および前記第1のマイクロホンと前記複数のマイク
    ロホンのうちの前記第1のマイクロホン以外のマイクロ
    ホンとの間の距離に関する情報とを用い、前記各音源が
    発した音波を混合した混合波であって、前記各マイクロ
    ホンによって収音されて得られた混合信号から、目的と
    する音源が発した音波の信号成分を分離する音源分離ス
    テップとを備え、前記音源分離ステップで、前記各マイ
    クロホンから出力される出力信号を相互に分離係数を用
    いて線形結合し、前記線形結合後の信号間の相互相関の
    値が最小となるように前記分離係数を制御し、前記相互
    相関の値が最小となる信号を出力信号とすることを特徴
    とする音源分離収音方法。
  4. 【請求項4】前記音源分離ステップは、前記距離測定ス
    テップで測定された距離の情報を用いて前記分離係数の
    初期値を算出し、前記分離係数の初期値を用いて前記目
    的とする音源が発した音波の信号成分を分離して出力す
    ることを特徴とする請求項3記載の音源分離収音方法。
  5. 【請求項5】前記音源分離ステップは、前記距離測定ス
    テップで測定された距離の情報を用いて、前記各マイク
    ロホンと前記各音源とのすべての組み合わせについて前
    記分離係数をあらかじめ計算しておき、前記予め計算さ
    れた分離係数の値を用いて前記各音源が発した音波の信
    号成分を分離することを特徴とする請求項3記載の音源
    分離収音方法。
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