JP2010070023A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010070023A
JP2010070023A JP2008238807A JP2008238807A JP2010070023A JP 2010070023 A JP2010070023 A JP 2010070023A JP 2008238807 A JP2008238807 A JP 2008238807A JP 2008238807 A JP2008238807 A JP 2008238807A JP 2010070023 A JP2010070023 A JP 2010070023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
acceleration
weighting
vehicle
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008238807A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5090301B2 (ja
Inventor
Kosuke Sakamoto
浩介 坂本
Toshiro Inoue
敏郎 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008238807A priority Critical patent/JP5090301B2/ja
Publication of JP2010070023A publication Critical patent/JP2010070023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5090301B2 publication Critical patent/JP5090301B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】振動騒音の消音効果を向上することができる能動型騒音制御装置を提供する。
【解決手段】加速度センサユニット16で検出した振動加速度Ax、Ay、Azに対し、重み付け係数Wx、Wy、Wzによる重み付け処理を行う。重み付け係数Wx、Wy、Wzには、仮想的に設定される基準ベクトルαのX軸成分αx、Y軸成分αy、Y軸成分αzを用いる。基準ベクトルαは、車両10の前後加速度Avに応じて決定される角度θ、γにより特定する。前後加速度Avに応じて、基準ベクトルαの向き(角度θ、γ)を変化させることにより、ロードノイズNZrに対する寄与度の高い方向の振動を効率的に抽出し、相殺音CSを生成するための合成制御信号Sccに反映させることが可能となる。その結果、ANC装置12の消音効果を向上させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

この発明は、ロードノイズ等の振動騒音に対する相殺音を発生させて前記振動騒音を低減する能動型騒音制御装置に関する。
車室内の振動騒音に関連して音響を制御する装置として、能動型騒音制御装置(Active Noise Control Apparatus)(以下「ANC装置」と称する。)が知られている。ANC装置では、振動騒音に対する逆位相の相殺音を車室内のスピーカから出力することにより、前記振動騒音を低減する。また、振動騒音と相殺音の誤差は、乗員の耳位置近傍に配置されたマイクロフォンにより残留騒音として検出され、その後の相殺音の決定に用いられる。ANC装置には、例えば、車両に搭載されたエンジンの作動(振動)等に応じて車室内に生ずる振動騒音(エンジンノイズ)を低減するものや、車両の走行中に車輪と路面とが接触することに伴って車室内に生ずる振動騒音(ロードノイズ)を低減するものがある。ロードノイズの発生メカニズムは非常に複雑であるが、例えば、図14のような経路でロードノイズが乗員の耳位置に届く。
ロードノイズを低減するANC装置には、3方向の振動加速度を検出するために3つの加速度センサ又は3次元加速度センサをナックルに設け、その検出値に応じて相殺音を出力するものがある(特許文献1)。特許文献1に記載のANC装置では、検出された3方向の振動加速度を、車両の加減速度に応じて重み付けする(特許文献1の要約参照)。
特開平07−028474号公報
特許文献1に記載のANC装置では、その図2や図3に記載されたような重み付けがなされるものの、消音効果の点では未だ改善の余地がある。例えば、特許文献1では、各振動加速度を別々に重み付けして合成するため、各振動加速度が逆符号であった場合に、各振動加速度が互いに相殺してしまうことも想定される。すなわち、特許文献1の図4において、各加速度センサ31a、31b、31cの出力がそれぞれsinwt、−sinwt、−sinwtであり、各可変ゲインアンプ32a、32b、32cの増幅率がそれぞれ2倍、1倍、1倍である場合、加算器51の出力は、0(=sinwt×2+−sinwt×1+−sinwt×1)となる。
この発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、振動騒音の消音効果を向上することができる能動型騒音制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る能動型騒音制御装置は、振動騒音源が発生する振動の加速度を複数の方向で検出する振動加速度検出部と、前記振動加速度検出部で検出された複数の方向の振動の加速度それぞれに重み付け処理を行う重み付け処理部と、前記重み付け処理部で用いる複数の重み付け係数を、前記複数の方向の振動の加速度それぞれに対応付けて決定する重み付け係数決定部と、前記重み付け処理後の前記振動の加速度を合成し、合成した加速度に対応する基準信号を生成する基準信号生成部と、前記振動騒音源が発生する振動騒音を相殺するための相殺音を示す制御信号を、前記基準信号に基づいて生成する制御信号生成部と、前記制御信号に基づいて前記相殺音を出力する相殺音出力部と、前記振動騒音と前記相殺音との誤差を示す残留騒音を検出し、前記残留騒音に対応する誤差信号を出力する誤差検出部とを備えるものであって、前記制御信号生成部は、前記基準信号に基づいて前記制御信号を出力する適応フィルタと、前記相殺音出力部から前記誤差検出部までの伝達特性に基づいて前記基準信号を補正して参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて、前記誤差信号が最小となるように前記適応フィルタのフィルタ係数を逐次更新するフィルタ係数更新部とを備え、前記複数の重み付け係数は、前記複数の方向の振動の加速度それぞれを互いに異なる座標軸方向に対応付けるための座標変換係数であり、前記重み付け係数決定部は、前記振動騒音の発生に関連する車両の走行状態に基づいて前記重み付け係数を設定することを特徴とする。
この発明によれば、複数の方向の振動の加速度に用いる複数の重み付け係数は、複数の方向の振動の加速度それぞれを互いに異なる座標軸方向に対応付けるための座標変換係数である。また、振動騒音の発生に関連する車両の走行状態に基づいて前記重み付け係数を決定する。これにより、各加速度は、互いに異なる座標軸方向に対して重み付けされることとなると共に、複数の重み付け係数は、前記車両の走行状態に応じて設定される。従って、前記車両の走行状態に対応して、振動騒音に対する寄与度の高い方向の振動を予め設定しておき、当該振動に対応する座標軸方向の重み付けを前記車両の走行状態に応じて変化させることにより、振動騒音に対する寄与度の高い方向の振動を効率的に抽出し、基準信号及び制御信号に反映させることが可能となる。その結果、能動型騒音制御装置の消音効果を向上させることが可能となる。
前記車両の走行状態は、前記車両の前後方向の加速度、ステアリング舵角、サスペンションのゴムブッシュの振動周波数若しくは振幅、エンジントルク、前記車両の周囲温度及び前記サスペンションのダンパの減衰特性の少なくとも1つとすることができる。
前記振動騒音がロードノイズであり、前記車両の走行状態が前記車両の前後方向の加速度である場合、前記振動加速度検出部は、前記サスペンションの前後方向、左右方向及び上下方向の振動の加速度を検出し、前記重み付け係数決定部は、前記車両の前後方向の加速度の絶対値が増加するに連れて、前記サスペンションの左右方向及び上下方向よりも前後方向の寄与度を上げるように前記複数の重み付け係数を設定することもできる。
車両の前後方向の加速度の絶対値が大きくなると(すなわち、車両が前後方向に急加速又は急減速すると)、サスペンションの振動は、前後方向に大きくなることが予測される。そこで、この発明では、車両の前後方向の加速度の絶対値が増加するに連れて、サスペンションの左右方向及び上下方向よりも前後方向の寄与度を上げるように重み付け係数を設定する。これにより、サスペンションの前後方向の振動を迅速に低減することが可能となる。特に、サスペンションのゴムブッシュに車両の前後方向に伸びる隙間が形成されている場合、車両の前後方向の加速度が増加し、ゴムブッシュが変形することにより、当該隙間がなくなると、車室内の振動騒音が急激に上昇する。当該隙間がなくなるかどうかは、車両の前後方向の加速度により予測可能である。このため、当該隙間がなくなる前後方向の加速度を実測値、シミュレーション値又は理論値により設定し、当該前後方向の加速度を超えるときに、サスペンションの前後方向の寄与度を上げることで、車室内の振動騒音を抑制し易くなる。
前記重み付け係数決定部は、前記複数の方向の振動の加速度それぞれを重み付けするために仮想的に設定された基準ベクトルを規定する角度を、前記車両の走行状態に基づいて決定し、前記角度により特定される前記基準ベクトルの各軸方向成分を、前記複数の重み付け係数としてもよい。これにより、1つの基準ベクトルを設定することで、複数の重み付け係数を決定することが可能となり、演算量を少なくすることが可能となる。
この発明によれば、複数の方向の振動の加速度に用いる複数の重み付け係数は、複数の方向の振動の加速度それぞれを互いに異なる座標軸方向に対応付けるための座標変換係数である。また、振動騒音の発生に関連する車両の走行状態に基づいて前記重み付け係数を決定する。これにより、各加速度は、互いに異なる座標軸方向に対して重み付けされることとなると共に、複数の重み付け係数は、前記車両の走行状態に応じて設定される。従って、前記車両の走行状態に対応して、振動騒音に対する寄与度の高い方向の振動を予め設定しておき、当該振動に対応する座標軸方向の重み付けを前記車両の走行状態に応じて変化させることにより、振動騒音に対する寄与度の高い方向の振動を効率的に抽出し、基準信号及び制御信号に反映させることが可能となる。その結果、能動型騒音制御装置の消音効果を向上させることが可能となる。
[A.一実施形態]
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
1.全体及び各部の構成
(1)全体構成
図1は、この発明の一実施形態に係る能動型騒音制御装置12(以下「ANC装置12」と称する。)を搭載した車両10の概略的な構成を示す図である。車両10は、ガソリン車や電気自動車等、燃料電池車等の車両とすることができる。
ANC装置12は、サスペンション14に設けられた加速度センサユニット16と、加速度センサ18と、スピーカ20と、マイクロフォン22とに接続されている。また、ANC装置12とスピーカ20との間には増幅器24が設けられている。ANC装置12は、加速度センサユニット16が検出した直交3軸の振動加速度Ax、Ay、Az[mm/s/s]と、加速度センサ18が検出した車両10の前後加速度Av[m/s/s]と、マイクロフォン22が出力した誤差信号eとに基づいて合成制御信号Sccを生成する。合成制御信号Sccは、増幅器24で増幅された後、スピーカ20に出力される。スピーカ20は、合成制御信号Sccに対応する相殺音CSを出力する。これにより、車両10の走行中に車輪26と路面Rとが接触することに伴って車両10の車室内に発生したロードノイズNZrを相殺音CSが打ち消し、消音効果を得ることができる。
なお、図1では図示していないが、加速度センサユニット16は4つ設けられており(図3参照)、各加速度センサユニット16は、4つの車輪26(左前輪、右前輪、左後輪、右後輪)に対応して設けられている。また、図1及び図3では、スピーカ20及びマイクロフォン22をそれぞれ1つずつしか示していないが、発明の理解の容易化のためであり、ANC装置12の用途に応じて複数のスピーカ20及びマイクロフォン22を用いることもできる。その場合、その他の構成要素の数も適宜変更される。
(2)サスペンション14及び加速度センサユニット16
図2に示すように、各加速度センサユニット16は、サスペンション14の中でも、車輪26のホイール32に連結されたナックル30に設けられている。サスペンション14は、ナックル30に加え、連結部材38a、38bを介してナックル30及びボディ36に連結されたアッパーアーム34と、連結部材44a、44bを介してナックル30及びサブフレーム42に連結されたロアアーム40と、ダンパスプリング48を介してボディ36に連結され、連結部材50を介してロアアーム40に連結されたダンパ46とを有する。ボディ36とサブフレーム42は連結部材52を介して連結されている。
図3に示すように、各加速度センサユニット16は、ナックル30の振動加速度Ax、Ay、Azそれぞれを検出するための3つの加速度センサ60a、60b、60cを備える。加速度センサ60aに検出される振動加速度Axは、車両10の前後方向(図1中、X方向)におけるナックル30の振動加速度[mm/s/s]を示す。加速度センサ60bに検出される振動加速度Ayは、車両10の左右方向(図2のY方向)におけるナックル30の振動加速度[mm/s/s]を示す。加速度センサ60cに検出される振動加速度Azは、車両10の上下方向(図1中、Z方向)におけるナックル30の振動加速度[mm/s/s]を示す。
各加速度センサユニット16は、各ナックル30で検出した振動加速度Ax、Ay、Az(これらの示す信号)をANC装置12に送信する。
(3)加速度センサ18
加速度センサ18は、車両10の前後方向(図1中、X方向)の加速度(前後加速度Av)[m/s/s]を検出し、ANC装置12に通知する。加速度センサ18は、例えば、車両10のインストルメントパネル内、又はいずれかの座席の下側に設けられる。
(4)ANC装置12
(a)全体構成
ANC装置12は、スピーカ20からの相殺音CSの出力を制御するものであり、マイクロコンピュータ62、メモリ64並びに図示しない入力回路及び出力回路等を備える。マイクロコンピュータ62は、相殺音CSを決定する機能(相殺音決定機能)等の機能をソフトウェア処理により実行可能である。
図3は、マイクロコンピュータ62においてソフトウェア処理で実現される概略的な機能を回路構成として示すブロック図である。
上述の通り、車両10は、4つの車輪26それぞれに対応して加速度センサユニット16を有し、各加速度センサユニット16は、振動加速度Axを検出する加速度センサ60aと、振動加速度Ayを検出する加速度センサ60bと、振動加速度Azを検出する加速度センサ60cとを有する。各加速度センサユニット16で検出された振動加速度Ax、Ay、Azは、ANC装置12に出力される。また、加速度センサ18で検出された前後加速度AvもANC装置12に出力される。
ANC装置12は、加速度センサユニット16毎に、重み付け係数決定部70と、重み付け処理部72と、基準信号生成部74と、制御信号生成部76と、加算器78とを有する。なお、図3では、ANC装置12の各構成要素のうち、一番上のもののみ内部構成を詳細に記載しており、その他の構成要素については、内部構成の記載を省略して表示している。
(b)重み付け係数決定部70
(i)概要
重み付け係数決定部70は、角度決定部80と、重み付け係数算出部82とを有する。角度決定部80は、重み付け係数Wx、Wy、Wzを算出するための角度θ、γ[度]を決定する。重み付け係数Wx、Wy、Wzは、重み付け処理部72における重み付け処理に用いられるものである。重み付け処理とは、加速度センサユニット16が検出した振動加速度Ax、Ay、Azを重み付けする処理である。重み付け係数算出部82は、角度決定部80で決定した角度θ、γに応じて重み付け係数Wx、Wy、Wzを算出する。
重み付け係数Wx、Wy、Wzの算出方法について説明する。重み付け係数Wx、Wy、Wzの算出に当たっては、図4に示す基準ベクトルα(単位ベクトル)を仮想的に設定する。図4中のX軸、Y軸、Z軸は、加速度センサユニット16のX軸、Y軸、Z軸と対応する(図4の原点Oαは、加速度センサ60a、60b、60cの中心位置を示す。)。基準ベクトルαは、その始点を(0、0、0)とし、加速度センサ18が検出した前後加速度Avに応じてその向き(終点の位置)が変化する(基準ベクトルαの大きさは一定である。)。基準ベクトルαの向きを規定するのが、上述した角度θ、γである。また、基準ベクトルαのX軸成分αx、Y軸成分αy、Z軸成分αzをそれぞれ重み付け係数Wx、Wy、Wzととして用いられる。
(ii)角度θ
角度θは、基準ベクトルαのX軸成分αx及びY軸成分αyの合成ベクトル(αx+αy)のXZ平面(又はX軸)に対する傾きを示す。また、角度γは、基準ベクトルαのXY平面に対する傾きを示す。
本実施形態において、角度θ、γは、以下に説明するように、加速度センサ18が検出する前後加速度Avに基づいて決定される。図5Aには、前後加速度Avと角度θとの関係が示されている。図5Bには、前後加速度Avと角度γとの関係が示されている。図5A及び図5Bに示すように、角度θ、γは、車両10の前後加速度Avの関数として設定される値であり、ANC装置12のメモリ64に予め記憶されている。
図4からも理解されるように、角度θは、主として基準ベクトルαのX軸成分αxとY軸成分αyとの関係(相対的な寄与度)を規定している。本実施形態において、角度θは、0度より大きく、90度以下の範囲(0°<θ≦90°)に設定されると共に、前後加速度Avがゼロのとき(車両10が定速走行のとき)、最も大きな値である90度となる。また、前後加速度Avが点−P1から点P1の間では、前後加速度Avがゼロから離れるに連れて角度θが急激に小さくなる。さらに、前後加速度Avが点−P1より小さい又は点P1より大きいとき、角度θはほとんど変化しない。
前後加速度Avが点−P1より大きく点P1より小さい範囲内にあるときと、当該範囲外にあるときとで、角度θの変化率(図5A中の特性Cθの傾き)が異なるのは、例えば、次の理由による。
すなわち、本実施形態のアッパーアーム34(図2)とボディ36との間の連結部材38bやロアアーム40とサブフレーム42との間の連結部材44bは、図6に示すようなゴムブッシュ100が用いられる。ゴムブッシュ100には、ゴムブッシュ100の変形を許容するための隙間102と、隙間102の幅D1[mm]を超えるゴムブッシュ100の変形を規制するためのストッパ104とが形成されている。なお、ゴムブッシュ100の構造については、例えば、特開2001−271882号公報を参照されたい。
車両10が加速又は減速して車両10の前後加速度Avの絶対値が大きくなると、ゴムブッシュ100が変形し、対向する壁面106に向かって一方のストッパ104が変位することにより、当該隙間102の幅D1は小さくなる。隙間102の幅D1が0より大きい間は、ゴムブッシュ100は、アッパーアーム34からボディ36への、又はロアアーム40からサブフレーム42への車両10の前後方向(X方向)の振動を効果的に吸収するが、対向する壁面106にストッパ104が当接し、幅D1が0になると、ゴムブッシュ100が当該振動をほとんど吸収せず、そのまま伝えてしまう。換言すると、図7に示すように、ゴムブッシュ100に掛かる荷重L[kg]の変化に伴って、ゴムブッシュ100(ストッパ104)の変位量D[mm]は変化するが、変位量Dが幅D1以上となると、変位量Dの変化率は小さくなる。また、図8には、ゴムブッシュ100(ストッパ104)の変位量Dとゴムブッシュ100のばね定数k[N/mm]との関係が示されており、図8に示すように、変位量Dが幅D1を超えると、ばね定数kは急激に増加する。
図5Aの特性Cθは、これらのことを反映したものであり、図5A中の点P1及び点−P1は、それぞれ幅D1がゼロになる位置を示す(点P1が加速の場合で、点−P1が減速の場合である)。
(iii)角度γ
次に、角度γについて説明すると、図4からも理解されるように、角度γは、主として基準ベクトルαのZ軸成分αzとX軸成分αx及びY軸成分αyとの関係(相対的な寄与度)を規定している。本実施形態において、角度γは、0度より大きく、50度より小さい範囲(0°<θ<50°)に設定されると共に、以下に説明するように、前後加速度Avがゼロのとき、最も大きな値であり、前後加速度Avがゼロから離れるに連れて小さくなる。さらに、前後加速度Avに伴う値の変化率は、比較的緩やかである。このように、前後加速度Avの絶対値が大きくなるに連れて角度γを緩やかに減少させているのは、例えば、前後加速度Avの絶対値が大きくなったときに、角度γを小さくすることにより、振動加速度Axに対する重み付けを大きくするためである。
(iv)重み付け係数Wx、Wy、Wz
重み付け係数算出部82では、角度決定部80で決定した角度θ、γに応じて重み付け係数Wx、Wy、Wzを算出する。上述のように、重み付け係数Wx、Wy、Wzは、基準ベクトルαのX軸成分αx、Y軸成分αy、Z軸成分αzとして定義されるため、重み付け係数Wx、Wy、Wzは、下記の式(1)、式(2)、式(3)により演算することができる(基準ベクトルαの長さを1としている。)。
Wx=cosθcosγ ・・・(1)
Wy=sinθcosγ ・・・(2)
Wz=sinγ ・・・(3)
(c)重み付け処理部72
重み付け処理部72は、加速度センサユニット16で検出された振動加速度Ax、Ay、Azを、重み付け係数決定部70で決定された重み付け係数Wx、Wy、Wzを用いて重み付けする。その結果、重み付け後の振動加速度Ax、Ay、Azは、振動加速度Ax・Wx、Ay・Wy、Az・Wzとなる。
(d)基準信号生成部74
基準信号生成部74は、加算器84を有する。加算器84は、重み付け処理部72から出力された重み付け処理後の振動加速度Ax・Wx、Ay・Wy、Az・Wzを加算し、合成加速度Aαを算出する。合成加速度Aαは、下記の式(4)により演算される。
Aα=(Wx、Wy、Wz)・(Ax、Ay、Az)T
=(cosθcosγ、sinθcosγ、sinγ)・(Ax、Ay、Az)T
=Ax・cosθcosγ+Ay・sinθcosγ+Az・sinγ
・・・(4)
さらに、基準信号生成部74は、合成加速度Aαに対応する基準信号Sbを出力する。
(e)制御信号生成部76
制御信号生成部76は、適応フィルタ86と、参照信号生成部88と、フィルタ係数更新部90とを有する。
適応フィルタ86は、FIR(Finite impulse response:有限インパルス応答)型のフィルタであり、基準信号Sbに対して適応フィルタ処理を施し、相殺音CSを示す制御信号Scを出力する。適応フィルタ86のフィルタ係数(フィルタ係数W)は、フィルタ係数更新部90により逐次更新される。
参照信号生成部88は、基準信号生成部74から出力された基準信号Sbに対して伝達関数処理を行うことで参照信号Srを生成する。参照信号Srは、フィルタ係数更新部90においてフィルタ係数Wを演算する際に用いられる。また、伝達関数処理は、スピーカ20からマイクロフォン22への相殺音CSの伝達関数C^(フィルタ係数)に基づき基準信号Sbを濾波する処理である。この伝達関数処理で用いられる伝達関数C^は、スピーカ20からマイクロフォン22への相殺音CSの実際の伝達関数Cの測定値又は予測値である。
フィルタ係数更新部90は、フィルタ係数Wを逐次演算・更新する。フィルタ係数更新部90は、適応アルゴリズム演算{例えば、最小二乗法(LMS)アルゴリズム演算}を用いてフィルタ係数Wを演算する。すなわち、参照信号生成部88からの参照信号Srとマイクロフォン22からの誤差信号eに基づいて、誤差信号eの二乗e2をゼロとするようにフィルタ係数Wを演算する。
(f)加算器78
加算器78は、各制御信号生成部76から出力された制御信号Scを合成し、合成制御信号Sccを生成する。合成制御信号Sccは、増幅器24を介してスピーカ20に出力される。
(5)スピーカ20
スピーカ20は、ANC装置12(マイクロコンピュータ62)からの合成制御信号Sccに対応する相殺音CSを出力する。
(6)マイクロフォン22
マイクロフォン22は、ロードノイズNZrと相殺音CSとの誤差を残留騒音として検出し、この残留騒音を示す誤差信号eをANC装置12(マイクロコンピュータ62)に出力する。
2.相殺音CSの生成
(1)全体の流れ
次に、本実施形態における相殺音CSの生成の流れについて説明する。図9には、相殺音CSを生成するフローチャートが示されている。
ステップS1において、各加速度センサユニット16の加速度センサ60a、60b、60cは、X軸方向の振動加速度Ax、Y軸方向の振動加速度Ay及びZ軸方向の振動加速度Azを検出する。
ステップS2において、ANC装置12の重み付け処理部72及び基準信号生成部74は、加速度センサ60a、60b、60cが検出した振動加速度Ax、Ay、Azと、重み付け係数決定部70が決定した重み付け係数Wx、Wy、Wzに基づき、合成加速度Aα[mm/s/s]を算出し、この合成加速度Aαに対応する基準信号Sbを生成する。
ステップS3において、制御信号生成部76は、基準信号生成部74から出力された基準信号Sbと、マイクロフォン22から出力された誤差信号eとに基づき、基準信号Sbに適応フィルタ処理を実施することにより制御信号Scを生成する。
ANC装置12は、上記ステップS1〜S3を、4つの加速度センサユニット16それぞれに対応して行う。
ステップS4において、加算器78は、各制御信号生成部76から出力された制御信号Scを合成して、合成制御信号Sccを生成する。ステップS5において、増幅器24は、合成制御信号Sccを所定の増幅率で増幅する。ステップS6において、スピーカ20は、増幅後の合成制御信号Sccに基づく相殺音CSを出力する。
ステップS7において、マイクロフォン22は、ロードノイズNZrと相殺音CSとの差を残留騒音として検出し、この残留騒音に対応する誤差信号eを出力する。この誤差信号eは、制御信号生成部76のその後の処理で用いられる。
ANC装置12では、以上のステップS1〜S7を繰り返す。
(2)合成加速度Aαの算出
図10には、合成加速度Aαの算出(図9のS2)を行うフローチャートが示されている。
ステップS11において、加速度センサ18は、車両10の前後加速度Avを検出する。ステップS12において、重み付け係数決定部70の角度決定部80は、前後加速度Avに基づいて、角度θ、γを決定する(図5A、図5B参照)。
ステップS13において、重み付け係数決定部70の重み付け係数算出部82は、角度θ、γに基づいて重み付け係数Wx、Wy、Wzを算出する。ステップS14において、重み付け処理部72及び基準信号生成部74は、振動加速度Ax、Ay、Azと、重み付け係数Wx、Wy、Wzとに基づいて合成加速度Aαを算出する。
なお、上述のように、重み付け係数Wxはcosθcosγであり、重み付け係数Wyはsinθcosγであり、重み付け係数Wzはsinγである。重み付け係数Wx、Wyは角度θ、γの関数である。また、重み付け係数Wzは角度γの関数である。さらに、角度θ、γは、前後加速度Avの関数である。このため、重み付け係数Wx、Wy、Wzは、前後加速度Avの関数でもある。従って、重み付け係数Wx、Wy、Wzと前後加速度Avとの関係を予めメモリ64に記憶しておき、重み付け係数Wx、Wy、Wzを前後加速度Avに基づいて直接決定することもできる。
3.本実施形態における効果
以上のように、本実施形態によれば、振動加速度Ax、Ay、Azに用いる重み付け係数Wx、Wy、Wzは、振動加速度Ax、Ay、Azそれぞれを互いに異なる(直交する3軸の)座標軸方向(図4のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に対応付けるための座標変換係数である。また、前後加速度Avに基づいて重み付け係数Wx、Wy、Wzを決定する。これにより、各振動加速度Ax、Ay、Azは、互いに異なる座標軸方向に対して重み付けされると共に、重み付け係数Wx、Wy、Wzは、前後加速度Avに応じて設定される。従って、前後加速度Avに対応して、ロードノイズNZrに対する寄与度の高い方向の振動を予め設定しておき(図5A、図5B)、当該振動に対応する座標軸方向の重み付けを前後加速度Avに応じて変化させることにより、ロードノイズNZrに対する寄与度の高い方向の振動を効率的に抽出し、基準信号Sb、制御信号Sc及び合成制御信号Sccに反映させることが可能となる。その結果、ANC装置12の消音効果を向上させることが可能となる。
本実施形態では、加速度センサユニット16は、ナックル30の前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)及び上下方向(Z方向)の振動加速度Ax、Ay、Azを検出し、重み付け係数決定部70は、前後加速度Avの絶対値が増加するに連れて、ナックル30の左右方向及び上下方向よりも前後方向の寄与度を上げるように重み付け係数Wx、Wy、Wzを設定する。
前後加速度Avの絶対値が大きくなると(すなわち、車両10が前後方向に急加速又は急減速すると)、ナックル30の振動は、前後方向に大きくなることが予測される。そこで、本実施形態では、前後加速度Avの絶対値が増加するに連れて、ナックル30の左右方向及び上下方向よりも前後方向の寄与度を上げるように重み付け係数Wx、Wy、Wzを設定する。これにより、ナックル30の前後方向の振動を迅速に低減することが可能となる。特に、サスペンション14のゴムブッシュ100に車両の前後方向に伸びる隙間102が形成されているため、前後加速度Avが増加し、ゴムブッシュ100が変形することにより、隙間102がなくなると、車室内のロードノイズNZrが急激に上昇する。隙間102がなくなるかどうかは、前後加速度Avにより予測可能である。このため、隙間102がなくなる前後加速度Avを実測値、シミュレーション値又は理論値により設定し、当該前後加速度Avを超えるとき(荷重Lが点−P1を下回るとき又は点P1を上回るとき)に、ナックル30の前後方向の寄与度を上げることで、車室内のロードノイズNZrを抑制し易くなる。
本実施形態では、重み付け係数決定部70は、振動加速度Ax、Ay、Azそれぞれを重み付けするために仮想的に設定された基準ベクトルαを特定する角度θ、γを、前後加速度Avに基づいて決定し、角度θ、γにより特定される基準ベクトルαのX軸成分αx、Y軸成分αy及びZ軸成分αzそれぞれを、重み付け係数Wx、Wy、Wzとする。これにより、1つの基準ベクトルαを設定することで、複数の重み付け係数Wx、Wy、Wzを決定することが可能となり、演算量を少なくすることができる。
[B.この発明の応用]
なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下に示す構成を採ることができる。
上記実施形態では、4つの車輪26それぞれについて加速度センサユニット16を設けたが、そのうちのいずれかの車輪26にのみ加速度センサユニット16を設ける構成も可能である。
上記実施形態では、各加速度センサユニット16において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の直交3軸の方向の振動の振動加速度Ax、Ay、Azを検出したが、これに限られず、2軸の方向(例えば、X軸方向とY軸方向、X軸方向とZ軸方向、Y軸方向とZ軸方向)又は4軸以上の方向(例えば、上記3方向に加え、ロール軸方向)の振動の加速度を検出してもよい。
上記実施形態では、振動加速度Ax、Ay、Azを加速度センサ60a、60b、60cにより直接検出したが、変位センサによりナックル30の変位[mm]を検出し、この変位に基づいて振動加速度Ax、Ay、Azを演算することもできる。同様に、荷重センサの検出値を用いて振動加速度Ax、Ay、Azを求めてもよい。
上記実施形態では、各加速度センサユニット16をナックル30に設けたが、ハブ等のその他の部位に設けることも可能である。
上記実施形態では、車両10の前後加速度Avに基づいて、重み付け係数Wx、Wy、Wzを決定するための角度θ、γを決定したが、振動騒音の発生に関連する車両の走行状態であれば、これに限られない。例えば、ステアリング舵角、ゴムブッシュ100(ストッパ104)の振動周波数fr[Hz]、ストッパ104の振幅[mm]、エンジントルク[N・m]、車両10の周囲温度T[℃]、サスペンション14のダンパの減衰特性等の走行状態を単独又は組み合わせて用いてもよい。いずれの車両の走行状態も、振動騒音の実測値、理論値又はシミュレーション値に基づいて角度θ、γを設定することが可能である。また、例えば、以下のような設定が可能である。
ステアリング舵角を用いる場合、ステアリング舵角が大きい程、Y軸方向の影響が大きくなると考えられる。そこで、ステアリング舵角の絶対値の増加に応じて角度θを大きくし、角度γを小さくしてもよい。この場合、車両10の前後加速度Avとの関連性が高いと考えられることから、前後加速度Avと組み合わせて角度θ、γを設定することもできる。
また、ストッパ104の振動周波数frを用いる場合、図11に示すように、ゴムブッシュ100のばね定数kは、X軸方向の振動周波数frが増加する程、大きくなるのが通常である。ばね定数kが大きくなると、ゴムブッシュ100は、振動を伝達し易くなる。そこで、X軸方向の振動周波数frが増加すると、それに応じてX軸方向の影響度を大きくし、角度θ及び角度γを小さくしてもよい。
さらに、ゴムブッシュ100のX軸方向の振幅を用いる場合、図12に示すように、ゴムブッシュ100のばね定数kは、X軸方向の振幅が減少する程、大きくなるのが通常である。ばね定数kが大きくなると、ゴムブッシュ100は、振動を伝達し易くなる。そこで、X軸方向の振幅が減少すると、それに応じてX軸方向の影響度を大きくし、角度θ及び角度γを小さくしてもよい。
さらにまた、エンジントルクを用いる場合、例えば、エンジントルクが大きくなる程、車両10の前後方向の振動の影響が大きくなるのであれば、エンジントルクの増大に応じて角度θを小さくすることができる。また、エンジントルクは、ステアリング舵角との関連性が高いと考えられることから、ステアリング舵角と組み合わせて角度θ、γを設定することもできる。
加えて、車両10の周囲温度Tを用いる場合、図13に示すようゴムブッシュ100のばね定数kは、周囲温度Tの増加に伴って減少する。ばね定数kが小さくなると、ゴムブッシュ100は振動を伝達し難くなる。そこで、周囲温度Tが増加すると、それに応じてX軸方向の影響度を小さくし、角度θ及び角度γを大きくしてもよい。
また、ダンパの減衰特性を用いる場合、減衰特性の切替えに応じて角度θ、γを変更することができる。すなわち、車両の中には、運転者のボタン操作等により、ダンパの減衰特性を、通常モード(減衰力が中)、スポーツ走行モード(減衰力が大)、ラグジュアリモード(減衰力が小)等の間で切り替えることができるものがある。減衰特性が高い場合、車両10の上下方向の振動を急速に吸収するため、より大きなロードノイズNZrが発生すると考えられる。そこで、スポーツ走行モードが選択されている場合、通常モードと比較して、角度γを大きくしてもよい。反対に、減衰特性が低い場合、車両10の上下方向の振動を緩やかに吸収するため、より小さなロードノイズNZrが発生すると考えられる。そこで、ラグジュアリモードが選択されている場合、通常モードと比較して、角度γを小さくしてもよい。
上記実施形態では、重み付け処理部72において重み付け処理を行った後、その下流側に配置された基準信号生成部74において基準信号Sbを生成したが、基準信号Sbの生成は、重み付け処理部72よりも上流側で行ってもよい。
この発明の一実施形態に係る能動型騒音制御装置を搭載した車両の概略的な構成図である。 前記車両に設けられた加速度センサユニットの取付位置を示す説明図である。 前記能動型騒音制御装置においてソフトウェア処理で実現される概略的な機能を回路構成として示すブロック図である。 前記実施形態で仮想的に用いられる基準ベクトルの説明図である。 図5Aは、前記基準ベクトルを特定する角度θを決定する特性図である。図5Bは、前記基準ベクトルを特定する角度γを決定する特性図である。 前記実施形態で用いられるゴムブッシュの説明図である。 前記ゴムブッシュに掛かる荷重と、前記ゴムブッシュのストッパの変位量との関係を示す図である。 前記ストッパの変位量と、前記ゴムブッシュのばね係数との関係を示す図である。 前記実施形態において、相殺音を生成するフローチャートである。 前記実施形態において、合成加速度を算出するフローチャートである。 前記ゴムブッシュの前後方向の変位周波数と、前記ゴムブッシュのばね係数との関係を示す図である。 前記ゴムブッシュの前後方向の振幅が、図11の特性に与える影響を説明する図である。 車両の周囲温度と、前記ゴムブッシュのばね係数との関係を示す図である。 ロードノイズの発生メカニズムを示す図である。
符号の説明
10…車両 12…能動型騒音制御装置
14…サスペンション
16…加速度センサユニット(振動加速度検出部)
20…スピーカ(相殺音出力部) 22…マイクロフォン(誤差検出部)
26…車輪(振動騒音源) 30…ナックル
70…重み付け係数決定部 72…重み付け処理部
74…基準信号生成部 76…制御信号生成部
86…適応フィルタ 88…参照信号生成部
90…フィルタ係数更新部 100…ゴムブッシュ
Av…前後加速度 Ax、Ay、Az…振動加速度
Aα…合成加速度 C^…伝達関数
CS…相殺音 e…誤差信号
fr…ゴムブッシュの振動周波数 NZr…ロードノイズ
Sb…基準信号 Sc…制御信号
Sr…参照信号 T…車両の周囲温度
W…フィルタ係数 Wx、Wy、Wz…重み付け係数
α…基準ベクトル θ、γ…基準ベクトルを規定する角度

Claims (4)

  1. 振動騒音源が発生する振動の加速度を複数の方向で検出する振動加速度検出部と、
    前記振動加速度検出部で検出された複数の方向の振動の加速度それぞれに重み付け処理を行う重み付け処理部と、
    前記重み付け処理部で用いる複数の重み付け係数を、前記複数の方向の振動の加速度それぞれに対応付けて決定する重み付け係数決定部と、
    前記重み付け処理後の前記振動の加速度を合成し、合成した加速度に対応する基準信号を生成する基準信号生成部と、
    前記振動騒音源が発生する振動騒音を相殺するための相殺音を示す制御信号を、前記基準信号に基づいて生成する制御信号生成部と、
    前記制御信号に基づいて前記相殺音を出力する相殺音出力部と、
    前記振動騒音と前記相殺音との誤差を示す残留騒音を検出し、前記残留騒音に対応する誤差信号を出力する誤差検出部と
    を備える車両用の能動型騒音制御装置であって、
    前記制御信号生成部は、
    前記基準信号に基づいて前記制御信号を出力する適応フィルタと、
    前記相殺音出力部から前記誤差検出部までの伝達特性に基づいて前記基準信号を補正して参照信号を生成する参照信号生成部と、
    前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて、前記誤差信号が最小となるように前記適応フィルタのフィルタ係数を逐次更新するフィルタ係数更新部と
    を備え、
    前記複数の重み付け係数は、前記複数の方向の振動の加速度それぞれを互いに異なる座標軸方向に対応付けるための座標変換係数であり、
    前記重み付け係数決定部は、前記振動騒音の発生に関連する車両の走行状態に基づいて前記重み付け係数を設定する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記車両の走行状態は、前記車両の前後方向の加速度、ステアリング舵角、サスペンションのゴムブッシュの振動周波数若しくは振幅、エンジントルク、前記車両の周囲温度及び前記サスペンションのダンパの減衰特性の少なくとも1つである
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  3. 請求項1記載の能動型騒音制御装置において、
    前記振動騒音は、ロードノイズであり、
    前記車両の走行状態は、前記車両の前後方向の加速度であり、
    前記振動加速度検出部は、サスペンションの前後方向、左右方向及び上下方向の振動の加速度を検出し、
    前記重み付け係数決定部は、前記前後方向の加速度の絶対値が増加するに連れて、前記サスペンションの左右方向及び上下方向よりも前後方向の寄与度を上げるように前記複数の重み付け係数を設定する
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の能動型騒音制御装置において、
    前記重み付け係数決定部は、
    前記複数の方向の振動の加速度それぞれを重み付けするために仮想的に設定された基準ベクトルを規定する角度を、前記車両の走行状態に基づいて決定し、
    前記角度により特定される前記基準ベクトルの各軸方向成分を、前記複数の重み付け係数とする
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
JP2008238807A 2008-09-18 2008-09-18 能動型騒音制御装置 Active JP5090301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008238807A JP5090301B2 (ja) 2008-09-18 2008-09-18 能動型騒音制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008238807A JP5090301B2 (ja) 2008-09-18 2008-09-18 能動型騒音制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010070023A true JP2010070023A (ja) 2010-04-02
JP5090301B2 JP5090301B2 (ja) 2012-12-05

Family

ID=42202211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008238807A Active JP5090301B2 (ja) 2008-09-18 2008-09-18 能動型騒音制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5090301B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101325497B1 (ko) 2012-03-15 2013-11-07 주식회사 현대케피코 차량 부품들 간의 진동 기여도를 분석하는 방법 및 그 시스템
JP5604529B2 (ja) * 2010-12-21 2014-10-08 本田技研工業株式会社 能動型振動騒音制御装置
KR101534989B1 (ko) * 2013-12-30 2015-07-07 현대자동차주식회사 엔진 연소음 마스킹 제어 방법
US10102842B2 (en) 2016-08-30 2018-10-16 Hyundai Motor Company Vehicle and method for manufacturing the vehicle
US10515622B2 (en) 2016-09-12 2019-12-24 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Active noise reducing device, mobile device, and active noise reducing method
CN114441030A (zh) * 2022-01-28 2022-05-06 重庆长安汽车股份有限公司 一种传动系统瞬态冲击clunk噪声的评价方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06110473A (ja) * 1992-09-29 1994-04-22 Mazda Motor Corp 車両用振動低減装置
JPH0728474A (ja) * 1993-06-24 1995-01-31 Alpine Electron Inc 騒音キャンセル方式
JPH07199965A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Mitsubishi Motors Corp 車室内音の適応型能動消音装置
JPH07199964A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Mitsubishi Motors Corp 車室内音の適応型能動消音装置
JPH09146558A (ja) * 1995-11-17 1997-06-06 Fuji Heavy Ind Ltd 車室内騒音低減装置
JPH09146561A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Fuji Heavy Ind Ltd 車室内騒音低減装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06110473A (ja) * 1992-09-29 1994-04-22 Mazda Motor Corp 車両用振動低減装置
JPH0728474A (ja) * 1993-06-24 1995-01-31 Alpine Electron Inc 騒音キャンセル方式
JPH07199965A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Mitsubishi Motors Corp 車室内音の適応型能動消音装置
JPH07199964A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Mitsubishi Motors Corp 車室内音の適応型能動消音装置
JPH09146558A (ja) * 1995-11-17 1997-06-06 Fuji Heavy Ind Ltd 車室内騒音低減装置
JPH09146561A (ja) * 1995-11-24 1997-06-06 Fuji Heavy Ind Ltd 車室内騒音低減装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5604529B2 (ja) * 2010-12-21 2014-10-08 本田技研工業株式会社 能動型振動騒音制御装置
US9042570B2 (en) 2010-12-21 2015-05-26 Honda Motor Co., Ltd. Active vibration noise control apparatus
KR101325497B1 (ko) 2012-03-15 2013-11-07 주식회사 현대케피코 차량 부품들 간의 진동 기여도를 분석하는 방법 및 그 시스템
KR101534989B1 (ko) * 2013-12-30 2015-07-07 현대자동차주식회사 엔진 연소음 마스킹 제어 방법
US10102842B2 (en) 2016-08-30 2018-10-16 Hyundai Motor Company Vehicle and method for manufacturing the vehicle
US10515622B2 (en) 2016-09-12 2019-12-24 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Active noise reducing device, mobile device, and active noise reducing method
CN114441030A (zh) * 2022-01-28 2022-05-06 重庆长安汽车股份有限公司 一种传动系统瞬态冲击clunk噪声的评价方法
CN114441030B (zh) * 2022-01-28 2023-07-11 重庆长安汽车股份有限公司 一种传动系统瞬态冲击clunk噪声的评价方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5090301B2 (ja) 2012-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5070167B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP5634893B2 (ja) 能動型振動騒音制御装置
US20110142248A1 (en) Active noise control apparatus
JP5090301B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP5604529B2 (ja) 能動型振動騒音制御装置
WO2014002933A1 (ja) 能動型振動騒音抑制装置
EP4165626A1 (en) In-seat active noise cancellation system for moving vehicles
JP5254941B2 (ja) 能動型騒音制御装置及び車両
US9648418B2 (en) Active noise cancellation apparatus
JP4765410B2 (ja) 能動振動騒音制御装置
JP2006213297A (ja) 能動騒音振動制御装置及び能動騒音振動制御方法
EP4148725A1 (en) Adaptive active noise cancellation based on head movement
JP5474752B2 (ja) 能動型振動騒音制御装置
JP3435729B2 (ja) 車両の能動消音装置
US20230317050A1 (en) Active noise reduction system
JPH04342296A (ja) 能動型不快波制御装置
JPH06314097A (ja) 能動型騒音制御装置
JPH06278647A (ja) シャーシフレームを備えた自動車
JPH05232971A (ja) 能動型騒音制御装置
JP2011121533A (ja) 能動型騒音制御装置
JP2010078852A (ja) 騒音制御装置及び騒音制御方法
JP2005234040A (ja) 車室内騒音低減装置
JPH07191681A (ja) 能動型騒音制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120814

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120912

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5090301

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250