JP2010078852A - 騒音制御装置及び騒音制御方法 - Google Patents

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吉郎 高松
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Abstract

【課題】振動信号の大きさが検出可能範囲外である場合においても騒音を効果的に低減する。
【解決手段】制御装置本体3が、加速度センサ1により検出された車両のフロアパネル54の振動量に応じて、フロアパネル54の振動に起因する制御空間騒音を低減させるための騒音低減振動とセンサ振動を制振するための制振振動とをフロアパネル54に与えるようにピエゾアクチュエータ2を制御する。これにより、振動量の大きさが検出可能範囲外になるような大きな外乱振動が加速度センサ1に入力された場合であっても、加速度センサ1により検出される騒音となる振動量の大きさを検出可能範囲内に制御することができるので、騒音を精度よく検出し、騒音を効果的に低減させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、音波や振動等の波動を騒音に重ね合わせることにより騒音を低減する騒音制御装置及び騒音制御方法に関する。
従来より、走行時に車室内に発生する騒音と相関が高い車両のドアヒンジ部に配設された振動検出器を有し、振動検出器により検出された振動信号から車室内に発生する騒音を推定し、推定結果に基づいて騒音を打ち消すように制振音を放射する騒音制御装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平8−292771号公報
従来の騒音制御装置によれば、振動信号の大きさが振動検出器の検出可能範囲外になることにより振動検出器の出力が飽和状態になった場合、車室内に発生する騒音の大きさや位相を精度よく推定することができなくなり、結果として、騒音を効果的に低減させることができなくなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は振動信号の大きさが検出可能範囲外である場合においても騒音を効果的に低減可能な騒音制御装置及び騒音制御方法を提供することにある。
本発明は、構造物の振動に起因する騒音を低減させる騒音低減波動と構造物の振動の検出位置における外乱振動を制振する制振波動とを構造物に与える。
本発明によれば、構造物の振動の検出位置における外乱振動を低減させる波動を出力することにより振動信号の大きさを検出可能範囲内に制御するので、振動信号の大きさが検出可能範囲外である場合においても騒音を効果的に低減させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態となる騒音制御装置について説明する。なお本実施形態の騒音制御装置は、車両が走行している路面の凹凸に起因する騒音(以下、ロードノイズと表記)を低減することを目的とするものであるが、本発明は本実施形態に限定されることはなく、エンジンの振動に起因するエンジン騒音,車両走行時に空気の気流によって発生する風切音等、ロードノイズ以外の騒音の低減にも適用することができる。
〔ロードノイズの伝播経路〕
始めに、図1(a),(b)を参照して、ロードノイズの伝播経路について説明する。一般に、タイヤ50を介して車体に伝達したロードノイズの主成分となる振動は、図1(b)に示すように、車軸51及びサスペンション52の取付部を介してメンバ53(剛性が高い梁状の部材)に伝達した後、図1(a)に示すように、メンバ53によって囲まれたフロアパネル54(比較的剛性が低い板状部材)に伝達することによりフロアパネル54を振動させる。そしてフロアパネル54が振動することによって車室内の空気が振動し、車室内に共振現象が生じることにより、車室空間(以下、制御空間と表記)55内においてロードノイズが聞こえるようになる。
なお騒音はフロアパネル54の他にルーフパネルや窓ガラスが振動することによっても発生するが、サスペンション52の取付部から伝達するロードノイズの大部分はフロアパネル54の振動と関連性が高いことが知られている。従ってフロアパネル54の振動に応じた騒音制御を行うことにより、ロードノイズを低減させることができる。但し本発明は、フロアパネル54の振動による騒音の低減に限定されることはなく、ダッシュパネル,フロントガラス,ルーフパネル等の同じメカニズムで発生する車室内の騒音源にも適用することができる。
〔騒音制御装置の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の実施形態となる騒音制御装置の構成について説明する。本発明の実施形態となる騒音制御装置は、車両に搭載され、図2に示すように、車両のフロアパネル54の振動を測定する加速度センサ1と、フロアパネル54に振動を与えるピエゾアクチュエータ2と、加速度センサ1の出力信号に基づいてピエゾアクチュエータ2の駆動を制御することにより制御空間55内の騒音を低減する制御装置本体3とを主な構成要素として備える。
〔加速度センサ及びピエゾアクチュエータの構成〕
車両が走行している路面からタイヤに入力される加振力はフロアパネルを振動させ、図3に破線Aで示すようにフロアパネルに設置された加速度センサ1において加振力に起因した振動が検出される。またフロアパネルの振動は車室内騒音を発生させることから、図3に実線Bで示すように制御空間55内において加振力に起因した騒音が発生する。一方、ピエゾアクチュエータ2が制振振動によりフロアパネルを振動させることから、図3に破線Cで示すように加速度センサ1において制振振動に起因した振動が検出される。またタイヤ50に入力された加振力の場合と同様、図3に一点破線Dで示すように制御空間55内において制振振動に起因した騒音が発生する。実際には図4に示すように、複数のタイヤ50から複数のタイヤ加振力が入力され、複数のタイヤ加振力による騒音が重なり合ってロードノイズとなる。従って騒音制御を行うためには、騒音源に含まれる独立した騒音成分を全て抽出する必要があることから、加速度センサ1の数は騒音成分の数より多くする必要がある。またピエゾアクチュエータ2については、制御空間55での騒音を低減するために十分な数が車体のフロアパネルの適切な位置に貼り付けられる。具体的には本実施形態では、図4に示すようにに、制御空間55を2つ(55a,55b)として、加速度センサ1は4つ(1a〜1d)、ピエゾアクチュエータ2は3つ(2a〜2c)設けられている。
このようにタイヤ加振力,加速度センサ,ピエゾアクチュエータ,及び制御空間が複数存在する場合、各加速度センサでは、全てのタイヤ加振力とピエゾアクチュエータによる振動とが重なり合って検出され、各制御空間では、全てのタイヤ加振力とピエゾアクチュエータによる振動とが重なり合って発生する。従って、フロアパネル上に配置する加速度センサの数及びその配置位置は、各加速度センサと制御空間における騒音の音圧との間のコヒーレンシーが十分高くなるように(例えば0.9以上)決定することが望ましい。なおコヒーレンシーCxy(ω)は、以下の数式1により定義され、信号xと信号yとの間の因果関係の度合いを表す。数式1中、Pxyは信号xと信号yとの間のクロスパワースペクトル、Pxxは信号xのオートパワースペクトル、Pyyは信号yのオートパワースペクトルを示す。またPはPのエルミート転置行列を示す。
Figure 2010078852
〔制御装置本体の構成〕
制御装置本体3は、図2に示すように、加速度センサ1(1a〜1d)により検出されたアナログ形態の加速度信号α(α1,α2,α3,α4)を増幅する増幅部4,増幅部4により増幅された加速度信号αをデジタル形態に変換するA/D変換部5と、ピエゾアクチュエータ2の駆動を制御する制御指令値を算出する制御指令値算出部6,制御指令値算出部6により算出された制御指令値をアナログ形態に変換するD/A変換部7,及びアナログ形態の制御指令値を増幅してピエゾアクチュエータ2に出力する増幅部8を備え、ピエゾアクチュエータ2は増幅部8から出力された制御指令値に従ってフロアパネルを振動させる。なお加速度センサ1がいわゆるチャージタイプである場合、増幅部4は加速度センサ1により検出された電荷を電圧信号に変換した後にA/D変換部5に出力する。
〔制御指令値算出部の構成〕
制御指令値算出部6は、マイクロコンピュータにより構成され、制御周期(例えば1msec)毎に制御指令値を演算する。本実施形態では、制御指令値算出部6は図5に示すように振動源推定部5aと波動指令算出部5bを有する。振動源推定部5aは、加速度信号αと前回の制御周期において演算された制御指令値uを用いて、加速度信号αから制御空間内の騒音(以下、制御空間騒音と略記)を低減するための制振振動が除去された振動成分、すなわち騒音源振動dを算出する。具体的には、加速度信号α,制御指令値u,及び騒音源振動dの間には以下の数式2に示す関係があるので、振動源推定部5aは以下の数式2を用いて騒音源振動dを算出する。なお数式2中、α1,α2,α3,α4は加速度信号、d1,d2,d3,d4は各加速度センサの取付位置における振動源振動、u1,u2,u3は各ピエゾアクチュエータへの制御指令値、Gα は予めマイクロコンピュータ内に格納されている制御指令値uから加速度信号αへの伝達特性を示す。そして振動源推定部5aは算出された騒音源振動dに対し高速フーリエ変換を施すことにより騒音源の周波数特性D(jω)を算出する。
Figure 2010078852
波動指令算出部5bは、加速度信号αと騒音源の周波数特性D(jω)を用いて制御空間騒音を低減しつつ加速度センサ1の取付位置における振動(以下、センサ振動と略記)を抑制する制御指令値を算出する。ここで図6に示すような騒音制御系を考える。図6中、SPLは制御空間音圧,G SPL(s)は振動源振動dから制御空間音圧SPLへの伝達関数,G SPL(s)は制御指令値uから制御空間音圧SPLへの電圧関数,C(s)はコントローラ特性を示す。図6に示す騒音制御系では、制御空間音圧SPLは、振動源振動dによる音圧と制御指令値uによる音圧の和となる。またコントローラ特性C(s)以外の伝達特性は固定値とみなせるので、制御空間音圧SPL及び加速度信号αはコントローラ特性C(s)と振動源振動dによって決まる。従って振動源特性dに応じて制御空間騒音を低減しつつセンサ振動を抑制するようにコントローラ特性C(s)を設計することにより、制御空間騒音を低減しつつセンサ振動を抑制する制御指令値を算出することができる。
なおコントローラ特性C(s)はH2制御を用いて設計するとよい(H2制御に関しては、Active Structural Acoustic Control in a car cabin using a virtual sound sensing method, メンスレミシェル(日産自動車),高松吉郎,出口欣高,屋代春樹,Dynamics and Design Conference 2006 (D&D2006)参照)。具体的には、始めに図7に示すように、制御空間騒音を低減しつつセンサ振動を抑制するという設計指針を盛り込んだ一般化プラントを作成する。図7に示す一般化プラントは、図6に示す騒音制御系からコントローラ特性C(s)を抜き取り、重み関数Wd(s),We(s),Wv(s),Wc(s)を加えたものである。
図7中、wは外乱入力、z1,z2,z3は評価出力、uはコントローラ出力である制御指令値、yはコントローラ入力である加速度信号を示す。またWd(s)は外乱振動の重み関数、We(s)は制御空間音圧の重み関数、Wv(s)は加速度信号の重み関数、Wc(s)は制御指令値の重み関数であり、本実施形態の一般化プラントにおける加速度センサ,ピエゾアクチュエータ,及び制御空間の数に合わせてそれぞれ以下の数式3のように表される。なお数式3中、Wd1(s),Wd2(s),Wd3(s),Wd4(s)は各加速度センサの取付位置における振動源振動の周波数特性、Wv1(s),Wv2(s),Wv3(s),Wv4(s)は各加速度信号の重み関数、Wc1(s),Wc2(s),Wc3(s)は各制御指令値の重み関数、We1(s),We2(s)は各制御空間音圧の重み関数を示す。
Figure 2010078852
H2制御設計法とは、この一般化プラントを用いて外乱入力から評価出力までの2ノルム(ゲインの二乗和)を最小化するコントローラ特性C(s)を求めるものである。従って評価出力に何を選ぶかによって何を制御したいかが決まる。本実施形態では、評価出力z1は重み付けされた制御空間の音圧、評価出力z2は重み付けされた加速度信号,評価出力z3は重み付けされた制御指令値である。よって重み関数を適切に設定することにより、制御空間騒音を低減しつつセンサ振動を抑制するコントローラ特性C(s)を設計することができる。なお本実施形態は、重み付けされた加速度信号の評価出力z2を用いてセンサ振動を抑制することを特徴としている。従来までは、評価出力z2を用いないために、センサ振動を抑制することができず、加速度信号の飽和が発生する可能性があった。これに対して、本設計方法は、ホワイトノイズwが入力された時、評価出力の周波数特性が平坦、且つ、大きさが同じになるようにコントローラ特性C(s)が設計されると考えてよい。従って、制御したいものを所望の特性に整形するために重み関数が用いられる。外乱入力の重み関数出力から評価出力の重み関数入力までが実際の制御系モデルである。このことから、外乱入力の重み関数出力を外乱の周波数特性とし、評価出力の重み関数入力を制御したいものの所望の周波数特性の逆特性とすれば、実際の制御したいものを所望の周波数特性に整形することができる。
以下、図8に示すフローチャートを参照して、コントローラ特性C(s)の設計手順について説明する。
コントローラ特性C(s)を設計する際は、始めに、重み関数Wd(s),We(s),Wv(s),Wc(s)を設定する(ステップS1)。具体的には、始めに、重み関数Wd(s)を制御したい状態での振動源周波数特性に設定する。そして騒音低減に対して重み関数We(s)を、加速度信号の飽和に対して重み関数Wv(s)をそれぞれ適切に設定する。例えば騒音低減後の制御空間音圧が平坦な周波数特性で且つ同じ大きさになるように、重み関数We(s)は同じ値の定数に設定しておけばよい。また後述する重み関数Wv(s)の違いに対してもWe(s)を同じに保つと重み関数Wv(s)の違いにより制振効果が変わったとしても、制御空間の空間的な音圧バランスと周波数的な音圧バランスを同じに保つことができる。また重み関数Wv(s),Wc(s)は、加速度信号と制御指令値が飽和することがなければ重み関数We(s)に対して十分小さい定数に設定しておけばよい。
次に設定した重み関数を用いた一般化プラントに基づきH2コントローラを設計する(ステップS2)。次に、図6に示す関係に基づいて、設計されたコントローラ特性C(s)と制御したい状態での振動源の周波数特性D(jω)を用いて、加速度センサの出力特性と制御空間の音圧特性を推定する(ステップS3)。そして推定値に基づいて加速度センサの出力が飽和することなく制御空間の音圧を低減できているか否かを確認する(ステップS4)。確認の結果、加速度センサの出力が飽和している場合、ステップS1の処理に戻って加速度信号の重み関数Wv(s)を増加補正して、飽和が収まるまでステップS1〜ステップS4の手順を繰り返す。制御空間騒音を低減しつつ加速度信号を加速度センサの検出可能範囲内に抑えられるコントローラが設計できたら、コントローラの設計を終了する。
加速度センサの分解能は固定値であり、加速度信号が大きい程、振動の検出精度は良くなるので、加速度センサの出力は飽和しない範囲でできるだけ大きい方が望ましく、制振の必要がない時には制振しない方がよい。従って、上述の手順によりコントローラを設計すると、加速度センサの出力が飽和しない時には、加速度センサ評価出力の重み関数が小さく制振が行われないため、検出精度を維持することができる。そして車速が高い時等、加速度センサの出力の飽和が大きい程制振量を大きくし、検出可能範囲内でできるだけ大きな加速度を検出するように重み関数を設定することにより、より高い検出精度を得ながら加速度センサ出力の飽和を抑えることができる。また加速度信号の重み関数を増加補正する時には、全て一律に増加させるのではなく、各加速度センサ出力の飽和の程度に応じて、飽和が大きい加速度センサからの加速度信号に対応する重み関数程大きく設定することにより、振動がそれほど大きくないセンサ振動まで制振して加速度信号が小さくなりすぎることがなくなるので、各加速度センサの推定精度を高く保つことができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、制御装置本体3が、加速度センサ1により検出された車両のフロアパネル54の振動量に応じて、フロアパネル54の振動に起因する制御空間騒音を低減させるための騒音低減振動とセンサ振動(外乱振動)を制振するための制振振動とをフロアパネル54に与えるようにピエゾアクチュエータ2を制御する。そしてこのような構成によれば、振動量の大きさが検出可能範囲外になるような大きな外乱振動が加速度センサ1に入力された場合であっても、加速度センサ1により検出される振動量の大きさを検出可能範囲内に制御することができるので、騒音を精度よく検出し、騒音を効果的に低減させることができる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置では、制御装置本体3が、フロアパネル54の振動量が加速度センサ1の検出可能範囲を超えた大きさに応じて制振振動を大きくする。そしてこのような構成によれば、センサ出力が飽和しない時には制振を行わずにセンサ出力の粗さを小さくすることができるので、加速度センサ1の分解能を高く維持し、騒音低減効果が悪化することを抑制できる。また本発明の実施形態となる騒音制御装置では、制御装置本体3が、車両の速度が速くなるのに応じて制振振動を大きくする。そしてこのような構成によれば、車速が低くセンサ出力が飽和しない時には制振を行わずにセンサ出力の粗さを小さくすることができるので、加速度センサ1の分解能を高く維持し、騒音低減効果が悪化することを抑制できる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置では、制御装置本体3が、フロアパネル54の振動源の振動量を検出又は推定し、検出又は推定された振動源の振動量が大きいほど制振波動を大きくする。そしてこのような構成によれば、振動源の振動量が小さくセンサ出力が飽和しない時には制振を行わずにセンサ出力の粗さを小さくすることができるので、加速度センサ1の分解能を高く維持し、騒音低減効果が悪化することを抑制できる。また本発明の実施形態となる騒音制御装置では、制御装置本体3が、フロアパネル54の振動量が変化しても騒音の大きさのバランスが空間的に変化しないようにピエゾアクチュエータ2を制御する。そしてこのような構成によれば、フロアパネル54の振動源の振動量が変化した場合に騒音の空間的なバランスが変化することによって車両の乗員が不快感や違和感を感じることを抑制できる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置では、制御装置本体3が、フロアパネル54の振動量が変化しても騒音の大きさのバランスが周波数的に変化しないようにピエゾアクチュエータ2を制御する。そしてこのような構成によれば、フロアパネル54の振動源の振動量が変化した場合に騒音の周波数的なバランスが変化することによって車両の乗員が不快感や違和感を感じることを抑制できる。また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、制御装置本体3が、複数の加速度センサ1のうち、検出限界に近い振動を検出している加速度センサ1の配設位置における振動を制振するようにピエゾアクチュエータ2を制御する。そしてこのような構成によれば、センサ振動が大きくない加速度センサ1に対し制振を行うことによりセンサ出力が小さくなり、センサ出力値が粗くなることを抑制できるので、各加速度センサ1の検出精度を高く保ち、騒音低減効果が悪化することを抑制できる。
なお振動源振動の周波数特性は、車速や路面状態によって変化することから、その変化に合わせてコントローラを適切な状態に切り換えて用いなければならない。この場合、例えば上述のコントローラの設計をオンラインで行い、振動源推定部5aにより求められた振動源の周波数特性D(jω)から適切なコントローラを設計して用いればよい。また、考え得る振動源の周波数特性D(jω)毎にコントローラを予め設計してマイクロコンピュータ内に格納しておき、振動源推定部5aにより求められた振動源の周波数特性D(jω)に応じてコントローラを選択して用いてもよい。
また本実施形態では、アクチュエータの数を最小限にしてコストを削減するために、騒音制御ための振動と加速度センサの振動抑制のための振動とを合わせて同じアクチュエータで制御することとしたが、本発明は特開平5−73074号に記載されているようなスピーカを用いて騒音制御を行うものにも適用することができる。すなわち、騒音制御はスピーカで行い、制振はピエゾアクチュエータで行うようにして、騒音制御のための振動と加速度センサの振動抑制のための振動とを異なるアクチュエータで行っても良い。またピエゾアクチュエータが複数配置されている場合、騒音制御のための振動と加速度センサの振動抑制のための振動とをピエゾアクチュエータ間で分担して出力してもよい。この場合、出力する振動の大きさが変化するのに応じて、ピエゾアクチュエータ間の分担も変更することにより、アクチュエータ出力を効率的に用いながら騒音を低減しつつセンサ出力の飽和を抑えることができる。
また、赤外線センサ等を用いて人員位置を検出し、検出された人員位置のみに制御空間を絞って騒音を低減することにより、ピエゾアクチュエータの電力を人員位置の騒音制御に集中して使用し、より大きな騒音制御効果を得るようにしてもよい。なおこの場合には、人員位置以外の重み関数We(s)を十分小さな値に設定してコントローラを設計すればよい。またある所定時間の振動源の周波数特性D(jω)とその時間の振動源振動dの二乗平均値との関係を予め算出しておき、振動源推定部5aが、振動源の周波数特性D(jω)を算出しなくても、ある所定時間の振動源振動dの二乗平均値等から振動源の周波数特性D(jω)を推定し、波動指令算出部5bが、推定された振動源の周波数特性D(jω)に対応したコントローラを用いて騒音制御及び制振制御を行うようにしてもよい。
また加速度センサの出力が飽和する際、始めに特定の周波数を制振するようにしてもよい。具体的には、この場合、重み関数Wv(s)を以下の3段階で設定する。すなわち第1段階では、上述の実施形態と同様に、ステップS1の処理において重み関数We(s)に対して十分小さい定数に重み関数Wv(s)を設定し、ステップS2以下の処理を実行する。そしてステップS4の処理において加速度センサの出力の飽和が確認されたら、第2段階として、図9に示すようなバンドストップフィルタ形式の重み関数を用いて制御帯域外の重みを増加補正しながらステップS2以後の処理を実行して制御帯域外の制振を大きくする。この理由は、制御帯域内のみの信号を制御に用いることから、制御帯域外の加速度信号を抑制することで出力の飽和を回避することができれば、制御帯域内の加速度信号を検出可能範囲内で大きく検出し、出力が飽和することなく検出精度よく制御帯域内の加速度信号を検出できるためである。従って、制御帯域内まで制振した時よりも高い騒音低減効果を得ることができる。そして制御帯域外の重み関数を十分に増加させても出力の飽和が収まらない時には、第3段階として、図10に示すような、制御空間の音圧が閾値以上の周波数でゲインの小さなバンドパスフィルタ形式の重み関数を用いて閾値を増加させならがらステップS2以後の処理を実行し、制振を行う周波数帯域を広げていく。この理由は、騒音レベルが高い周波数ほど騒音低減効果を大きくしたいので、騒音レベルが高い周波数の検出精度を保つために、騒音レベルが低いところから制振を行うためである。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
路面の凹凸の影響による車体の振動及びロードノイズが伝播する様子を示す概念図である。 本発明に実施形態となる騒音制御装置の構成を示すブロック図である。 騒音制御時における音及び振動の伝播経路を示す模式図である。 本実施形態における加速度センサ,ピエゾアクチュエータ,及び制御空間のレイアウト図である。 図2に示す制御指令値算出部の内部構成を示すブロック図である。 本実施形態における騒音制御系を示すブロック図である。 H2制御系設計用の一般化プラントを示すブロック図である。 本実施形態におけるコントローラの設計処理の流れを示すフローチャート図である。 バンドストップフィルタ形式の重み関数の一例を示す図である。 バンドパスフィルタ形式の重み関数の一例を示す図である。
符号の説明
1(1a〜1d):加速度センサ
2:ピエゾアクチュエータ
3:制御装置本体
4,8:増幅部
5:A/D変換部
5a:振動源推定部
5b:波動例算出部
6:制御指令値算出部
7:D/A変換部

Claims (13)

  1. 構造物上に配設され、当該構造物の振動量を検出する振動検出手段と、
    前記構造物に波動を与える波動印加手段と、
    前記振動検出手段により検出された前記構造物の振動量に応じて、前記構造物の振動に起因する騒音を低減させる騒音低減波動と前記振動検出手段の配設位置における外乱振動を制振する制振波動とを前記構造物に与えるように前記波動印加手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする騒音制御装置。
  2. 請求項1に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記構造物の振動量が前記振動検出手段の検出可能範囲を超えた大きさに応じて、前記制振波動を大きくすることを特徴とする騒音制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の騒音制御装置において、
    前記構造物は車体であり、前記制御手段は車両の速度が速くなるのに応じて前記制振波動を大きくすることを特徴とする騒音制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記構造物の振動源の振動量を検出又は推定する振動源特性検出手段を備え、振動源特性検出手段により検出又は推定された振動量が大きいほど前記制振波動を大きくすることを特徴とする騒音制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記振動検出手段により検出された前記構造物の振動量が変化しても前記騒音の大きさのバランスが空間的に変化しないように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記振動検出手段により検出された前記構造物の振動量が変化しても前記騒音の大きさのバランスが周波数的に変化しないように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記振動検出手段を複数有し、前記制御手段は、複数の振動検出手段のうち、検出限界に近い振動を検出している振動検出手段の配設位置における外乱振動を制振するように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記構造物内における人員の位置を検出する人員検出手段を備え、前記制御手段は、前記人員位置検出手段により検出された人員の位置における騒音を低減させる騒音低減波動と前記振動検出手段の配設位置における外乱振動を制振する制振波動とを前記構造物に与えるように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記振動検出手段の配設位置における外乱振動のうち、前記騒音の周波数帯域外の周波数を有する外乱振動を制振するように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記制御手段は、前記振動検出手段の配設位置における外乱振動のうち、騒音レベルが小さい周波数を有する外乱振動を制振するように前記波動印加手段を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    複数の波動印加手段を備え、前記制御手段は、複数の波動印加手段間で分担させて前記騒音低減波動を前記構造物に与え、前記制振振動の大きさの変化に合わせて当該分担を変更することを特徴とする騒音制御装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
    前記波動印加手段は、一体により形成された、前記騒音低減波動を前記構造物に与える手段と前記制振波動を前記構造物に与える手段を有することを特徴とする騒音制御装置。
  13. 構造物の振動量を検出する処理と、
    検出された前記構造物の振動量に応じて、構造物の振動に起因する騒音を低減させる騒音低減波動と前記振動量の検出位置における外乱振動を制振する制振波動とを前記構造物に与える処理と
    を有することを特徴とする騒音制御方法。
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