JPH07199964A - 車室内音の適応型能動消音装置 - Google Patents

車室内音の適応型能動消音装置

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JPH07199964A
JPH07199964A JP5336989A JP33698993A JPH07199964A JP H07199964 A JPH07199964 A JP H07199964A JP 5336989 A JP5336989 A JP 5336989A JP 33698993 A JP33698993 A JP 33698993A JP H07199964 A JPH07199964 A JP H07199964A
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JP
Japan
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noise
signal
reference signal
control
vehicle
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JP5336989A
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English (en)
Inventor
Yuji Kurata
雄司 倉田
Naohisa Koike
直久 小池
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 車室内騒音に寄与する各騒音源から現在の車
両状態に最も適した参照信号を発生させて、車両あるい
はエンジンの運転状態に対応して効果的な消音を行なえ
るようにする。 【構成】 参照信号発生手段1からの参照信号と制御点
信号検出手段2−1からの制御点信号とを受けて、制御
点信号が最小となるように2次音源3から出力される音
波信号を制御すべく、適応フィルタを用いた制御手段4
をそなえ、参照信号発生手段1が、複数の騒音源からの
騒音信号を検出する騒音信号検出手段1−1〜1−N
と、運転状態検出手段71,72,73で検出された車
両あるいはエンジンの運転状態に応じて、騒音信号検出
手段1−1〜1−Nで検出された複数の騒音源からの各
騒音信号が車室内音に寄与する度合を求める寄与度演算
手段1Aと、寄与度演算手段1Aで求められた寄与度を
各騒音信号毎に加味して得られた信号を参照信号として
生成する参照信号生成手段1Bとをそなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室内音の適応型能動
消音装置に関する。一般に、自動車の車室内騒音の中で
乗員のうるささに及ぼす影響が大きい200Hz以下の
室内こもり音は、エンジン回転振動に起因したパネル振
動放射音が支配的であることから、その対策は車体の構
造、強度問題にまで関係する重要な問題である。
【0002】
【従来の技術】従来より、かかる室内こもり音を小さく
するために、適応フィルタを用いたアクティブノイズキ
ャンセラなる装置が提案されている。すなわち、かかる
アクティブノイズキャンセラでは、車室内の制御点での
信号が最小となるよう、適応フィルタを用いて、車室内
騒音に対し振幅が等しく位相が逆相となる音を2次音源
から出すような制御を行なっている。この場合、参照信
号としては、エンジン点火信号そのものが使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の手段では、アクティブノイズキャンセラの参
照信号として、上述のごとくエンジン点火信号そのもの
を使用しているので、エンジン回転次数比成分(例えば
4気筒エンジンの場合、クランク回転2次周波数成分C
2 ,クランク回転4次周波数成分C4 ,クランク回転6
次周波数成分C6,クランク回転8次周波数成分C8
・・・)と相関のある騒音しか消音できないという課題
がある。
【0004】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、適応フィルタを用いた適応型能動消音装置に
おいて、車室内騒音に寄与する各騒音源から現在の車両
状態に最も適した参照信号を発生させることができるよ
うにして、車両あるいはエンジンの運転状態に対応して
効果的で且つ総合的な消音を行なえるようにした、適応
型能動消音装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車室
内音の適応型能動消音装置は、車両の騒音源に起因する
参照信号を発生する参照信号発生手段と、車室内の制御
点での信号を検出する制御点信号検出手段と、該車室内
へ向け音波信号を出力する2次音源とをそなえるととも
に、該参照信号発生手段からの参照信号と該制御点信号
検出手段からの制御点信号とを受けて、該制御点信号が
最小となるように該2次音源から出力される音波信号を
制御すべく、適応フィルタを用いた制御手段をそなえて
なる、車室内音の適応型能動消音装置において、該参照
信号発生手段が、複数の騒音源からの騒音信号を検出す
る騒音信号検出手段と、車両あるいはエンジンの運転状
態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段
で検出された車両あるいはエンジンの運転状態に応じ
て、該騒音信号検出手段で検出された複数の騒音源から
の各騒音信号が車室内音に寄与する度合を求める寄与度
演算手段と、該寄与度演算手段で求められた寄与度を各
騒音信号毎に加味して得られた信号を参照信号として生
成する参照信号生成手段とをそなえて構成されたことを
特徴としている。
【0006】
【作用】上述の本発明の車室内音の適応型能動消音装置
では、適応フィルタを用いた制御手段により、参照信号
発生手段からの参照信号と制御点信号検出手段からの制
御点信号とを受けて、制御点信号が最小となるように2
次音源から出力される音波信号を制御することが行なわ
れるが、このとき参照信号は次のようにして生成され
る。すなわち、騒音信号検出手段で、複数の騒音源から
の騒音信号を検出するとともに、運転状態検出手段で、
車両あるいはエンジンの運転状態を検出し、更に運転状
態検出手段で検出された車両あるいはエンジンの運転状
態に応じて、寄与度演算手段で、騒音信号検出手段で検
出された複数の騒音源からの各騒音信号が車室内音に寄
与する度合(寄与度)を求める。そして、参照信号生成
手段が、寄与度演算手段で求められた寄与度を各騒音信
号毎に加味して得られた信号を参照信号として生成す
る。
【0007】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明する。図1〜図7は本発明の一実施例としての車室
内音の適応型能動消音装置を示すもので、図1はその要
部ブロック図、図2はそのシステムブロック図、図3は
システムコントロールユニットの詳細を示すブロック
図、図4は本装置の制御アルゴリズムを説明するブロッ
ク図、図5は寄与度演算手段のマップ構造を説明する
図、図6,図7はいずれもその制御要領を説明するフロ
ーチャートである。
【0008】さて、この実施例では、図1〜図3に示す
ように、車室200内の制御点(評価点)での信号を検
出する制御点信号検出手段が設けられているが、この制
御点信号検出手段は、車室200内の運転席201のヘ
ッドレストに設けられた制御マイク(例えば簡易コンデ
イサマイク)2−1として構成されている。更に詳細に
は、この制御マイク2−1は、ヘッドレストの車室中央
寄り部分に、ゴムケースを介して設けられている。この
ように制御マイク2−1をヘッドレストの車室中央寄り
部分に設けるのは、ガラスの反射等の影響を少なくし
て、効果面積を拡大させるためである。
【0009】また、この制御マイク2−1で検出された
制御点信号は、シートバック内に設けられたマイクロホ
ンアンプ(増幅器)で増幅されるようになっている。さ
らに、車室200内へ向け音波信号(2次ソース信号)
を出力する2次音源としてのスピーカ(キャンセリング
スピーカ)3が設けられているが、この場合、スピーカ
3は、車室200のリアシート203の後端において、
トランクルームをバックキャビティとして利用しうる位
置に配設されている。即ち、このスピーカ3は、リアシ
ート203のアームレストを倒すと開く開口部分に振動
面が向くように、リアシート203のシートバック裏面
の隔壁(スピーカ取り付け用合板)に取り付けられてい
る。
【0010】また、車両の騒音源に起因する参照信号を
発生する参照信号発生手段1が設けられているが、この
参照信号発生手段1は、図1に示すように、騒音信号検
出手段と運転状態検出手段と寄与度演算手段1Aと参照
信号生成手段1Bとをそなえて構成されている。ここ
で、騒音信号検出手段は、複数の騒音源(例えばエンジ
ン100,ロードノイズ源,排気音源,風切音源等)か
らの騒音信号Si(エンジン振動,エンジンこもり音,
ロードノイズ,車室内気柱共鳴こもり音,排気音,風切
音等)を検出するもので、複数の騒音源検出手段1−1
〜1−N(Nは自然数)で構成されている。なお、この
実施例では、騒音源検出手段として、例えばエンジン振
動を検出する加速度センサ1−1,ロードノイズを検出
するロードノイズ検出マイクあるいは加速度計1−2〜
1−5,排気音を検出する排気音検出マイク1−6,風
切音を検出する風切音検出マイク1−7等が考えられ
る。
【0011】また、運転状態検出手段は、車両あるいは
エンジンの運転状態を検出するもので、この実施例で
は、車速を検出する車速センサ71,エンジン回転数を
検出するエンジン回転数センサ72,スロットル開度を
検出するスロットル開度センサ73が運転状態検出手段
として設けられている。さらに、寄与度演算手段1A
は、運転状態検出手段71〜73で検出された車両ある
いはエンジンの運転状態(車速,エンジン回転数,スロ
ットル開度)に応じて、騒音信号検出手段1−1〜1−
Nで検出された複数の騒音源からの各騒音信号が車室内
音に寄与する度合(寄与度)Aij(i,jは自然数)
%を求めるもので、このために、この寄与度演算手段1
Aは、図5に示すように、第iの騒音源毎に、それぞれ
複数枚のマップ(メモリ)91−i−j(i,jは自然
数)を有している。すなわち、この実施例では、騒音源
毎に、異なったj種のスロットル開度について、エンジ
ン回転数をパラメータとした車速対応の寄与度マップと
して構成されているのである。
【0012】参照信号生成手段1Bは、寄与度演算手段
1Aで求められた寄与度Aijを各騒音信号Si毎に加
味して得られた信号ΣAij・Siを参照信号Xとして
生成するものである。ところで、システムコントロール
ユニット13が、トランクルーム内に配設されている。
そして、このシステムコントロールユニット13へは、
図2,3に示すように、騒音源検出手段1−1〜1−
N,車速センサ71,エンジン回転数センサ72,スロ
ットル開度センサ73および制御マイク2−1からの検
出信号が入力されるとともに、スピーカ3へスピーカア
ンプ7を介して2次ソース信号が出力されるようになっ
ている。
【0013】このシステムコントロールユニット13
は、数値演算プロセッサ40,ROM41,RAM4
2,ディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPとい
う)43,ステータスコントロールレジスタ(以下、S
CRという)44,クロック発生器45,ローパスフィ
ルタ51−1〜51−N,52,53,83,A/D変
換器61−1〜61−N,62,84,D/A変換器6
3,インタフェース回路81,82,タイミング発生器
8,シリアルポート10をそなえており、更に数値演算
プロセッサ40,ROM41,RAM42,DSP4
3,SCR44,A/D変換器61−1〜61−N,6
2,84,D/A変換器63,インタフェース回路8
1,82は、光電変換器(O/E)および電光変換器
(E/O)付きの光ファイバ15を介して接続されてい
る。
【0014】そして、これらの数値演算プロセッサ4
0,ROM41,RAM42,DSP43,SCR4
4,クロック発生器45で、主制御部4を構成する。こ
こで、数値演算プロセッサ40は、消音制御(アクティ
ブノイズキャンセル)のための演算に使用されるDSP
で、この数値演算プロセッサ40のバス上に、ROM4
1,RAM42,DSP43,SCR44が配置された
形態をとっている。
【0015】ROM41は、消音伝達系の特性情報〔ス
ピーカ(2次音源)3から車室200内の制御点(制御
マイク2−1配設位置)までの伝達系やスピーカ3,ア
ンプ7,マイク2−1の周波数特性(伝達関数)を含
む〕等を記憶するものである。RAM42は、制御プロ
グラムを記憶するもので、DSP43はディジタルフィ
ルタプロセッサとして機能するもので、SCR44はD
SP43と数値演算プロセッサ40との間のアドレス割
り振りを制御するものである。
【0016】クロック発生器45は数値演算プロセッサ
40のための動作クロックを発生するものである。ロー
パスフィルタ51−1〜51−N,52,53,83,
A/D変換器61−1〜61−N,62,84,D/A
変換器63,インタフェース回路81,82は、騒音源
検出手段1−1〜1−N,車速センサ71,エンジン回
転数センサ72,スロットル開度センサ73,制御マイ
ク2−1,スピーカ3と主制御部4との間のインタフェ
ースで、騒音源検出手段1−1〜1−Nあるいはスロッ
トル開度センサ73で検出されたアナログ信号は、ロー
パスフィルタ51−1〜51−N,83でろ波されたあ
と、A/D変換器61−1〜61−N,84でディジタ
ル信号に変換されて、主制御部4へ入力され、車速セン
サ71,エンジン回転数センサ72で検出されたディジ
タル信号はインタフェース回路81,82を経由して、
主制御部4へ入力され、更に制御マイク2−1で検出さ
れたアナログ信号は、ローパスフィルタ52でろ波され
たあと、A/D変換器62でディジタル信号に変換され
て、主制御部4へ入力される一方、主制御部4からの2
次ソ−ス信号は、D/A変換器63でアナログ信号に変
換されたあと、ローパスフィルタ53でろ波されて、ス
ピーカ3へ出力されるようになっている。
【0017】なお、ローパスフィルタはスピーカ3から
エイリアスを防止するために最大制御周波数以上の帯域
出力をカットするようなものが使用される。タイミング
発生器8は、A/D変換器61−1〜61−N,62,
84,インタフェース回路81,82,D/A変換器6
3の入出力タイミングを決めるタイミングパルスを発生
するもので、数値演算プロセッサ40がコントロールレ
ジスタにコマンドを書き込むことによりスタート/スト
ップするようになっている。
【0018】シリアルポート10は外部のコンピュータ
との接続用外部端子である。なお、このシステムは電源
オンにてオンボードROMにより制御プログラムがブー
トされ、スタンドアロン作動するようになっている。と
ころで、本実施例では、システムコントロールユニット
13の主制御部4は、参照信号発生手段1からの参照信
号(この参照信号は前述のごとく寄与度Aijを各騒音
信号Si毎に加味して得られた信号ΣAij・Siであ
る)と制御マイク2−1で検出された制御点信号とを受
けて、この制御点信号が最小(望ましくは0)となるよ
うに、スピーカ3から出される音波信号を制御すべく、
適応フィルタを用いた制御手段として構成されている。
さらにこの例では、主制御部4が、最小自乗誤差推定法
(LMS法)によるアルゴリズムを用いた適応フィルタ
を用いて消音制御を行なうようになっている。
【0019】さらに、この実施例では、消音制御を行な
う前に、予めスピーカ3から車室200内の制御点(制
御マイク2−1配設位置)までの伝達系を含む消音伝達
系の特性(伝達関数)Dを計測しておく。この計測は次
のようにして行なう。即ち、スピーカ3からM系列ラン
ダム音(ホワイトノイズ)を出力して、これを制御マイ
ク2−1で検出することにより、消音伝達系の特性Dを
計測するのである。
【0020】その後は、この計測された消音伝達系の特
性情報を参照信号の補正情報として使用して、上記主制
御部4による消音制御を行なう。即ち、参照信号を計測
された消音伝達系の特性情報D′をもつフィルタでフィ
ルタリングして、これと制御マイク2−1で検出された
制御点信号とから、LMS法によるアルゴリズムを用い
て、フィルタ係数を更新していくのである。
【0021】つぎに、本システムの基本アルゴリズムを
詳述する。まず、このシステムの消音制御(アクティブ
ノイズコントロール)はFiltered−X LMS
アルゴリズムを用いた適応FIRフィルタにより行な
う。基本ブロック図を図4に示す。このブロック図にお
いて、Tは車体伝達系の特性〔騒音源から制御点(制御
マイク2−1設置位置)までの音響伝達特性を含む〕、
Wは適応FIRフィルタ、Dは消音伝達系の特性〔2次
音源(スピーカ3)から制御点(制御マイク2−1設置
位置)までの音響伝達特性を含む〕、D′はDのモデ
ル、LMSはLMSアルゴリズムである。
【0022】本システムは、騒音源より参照信号X
(t)(この参照信号Xは寄与度Aijを各騒音信号S
i毎に加味して得られた信号ΣAij・Siである)を
入力しFIRにより畳み込んで出力Y(t)を求める。 Y(t)=ΣW(i)X(t−i) ・・(1) なお、(1)式については、i=0〜N−1についての
総和をとるようになっている。
【0023】また、本システムが−Y(t)を出力する
と、音場の伝達特性により制御点における誤差信号Eが
得られる。 E(t)=T(z)X(z)−D(z)Y(z) ・・(2) さらに、参照信号X(t)と誤差信号E(t)との因果
関係を保つためにX(t)をフィルタリングしてd
(t)を求める。
【0024】 d(t)=ΣD′(i)X(t−i) ・・(3) なお、(3)式についても、i=0〜N−1についての
総和をとるようになっている。そして、上記の誤差信号
E(t)とd(t)よりLMSアルゴリズムを用いてフ
ィルタ係数W(i)を更新する。つまり、 Wn(i)=Wo(i)+kE(t)d(t−i)
(i=0〜N−1)・・(4) ここで、Wn(i)は更新後のフィルタ係数、Wo
(i)は更新前のフィルタ係数、kは更新係数である。
【0025】これにより、フィルタは誤差信号を最小と
する最適フィルタに収束する。また、エラーEは参照信
号X,フィルタ係数W,消音伝達系特性Dによって決ま
る。つまり、入力データとエラーとの因果関係を保つた
め使用するLMSアルゴリズムの前段に上記Dを考慮す
る必要がある。このために、このシステムでは、その適
応アルゴリズムをFiltered−X−LMSアルゴ
リズムとしたのてあり、適応制御の開始前に、このDの
同定を行なうようにしたのである。
【0026】このようにすれば、制御開始後、十分な時
間がたてばWはウィナーフィルタに収束し、それが理想
的であるとすれば、W=−(T/D)となる。つまり、
WはTのフォーワードモデリングおよびDのインバース
モデリングを同時に行なうことになる。このとき、入力
ノイズ信号をXとすると、Tの出力はTXとなり、Wの
出力は(−TX/D)で示され、Dの出力は(−TX/
D)・D=−TXとなる。
【0027】つまり、評価点(制御点)となる加算点
(P参照)では、誤差信号Eは0になる。ここで、Tお
よびDを極座標表現すると、 W=(T/D)exp〔−j(θt−θd)〕 ・・(5) で示される。なお、実機モデルを考えると、車室内で計
測されるエンジン吸気音はエンジン回転(振動)に起因
しているため、常にTの遅延より大きく、(θt−θ
d)は正の値を示す。つまり、Wは遅れ要素となるため
制御可能と考えられる。
【0028】つぎに、このシステムにおける制御フロー
を示すと、図6,7のようになるが、まず、適応制御の
開始前に行なうDの同定要領を図6に基づき説明する。
ステップA1で、A/D,D/A変換,制御レジスタ,
カウンタ等について初期設定を施し、更にA/D変換を
スタートさせて、ステップA2で、M系列信号を生成す
る。その後は、ステップA3で、適応フィルタ計算を行
ない、更にD/A変換をスタートさせて、ステップA4
で、適応フィルタ係数を更新するという動作を繰り返す
ことにより、消音伝達系の特性の同定を行なうのであ
る。
【0029】そして、その後は、図7に示すような動作
が行なわれる。すなわち、まず、ステップB1に示すよ
うに、A/D,D/A変換,制御レジスタ,カウンタ等
について初期設定を施し、更に予め計測しておいた消音
伝達系の特性情報(初期インパルス応答)を読み込んで
から、参照信号を生成する。すなわち、ステップB2
で、寄与度演算手段1Aのマップ(メモリ)91−i−
jを用いて、運転状態検出手段71〜73で検出された
車両あるいはエンジンの運転状態(車速,エンジン回転
数,スロットル開度)に応じて、寄与度Aijを求め、
ステップB3で、この寄与度Aijを各騒音信号Si毎
に加味して得られた信号ΣAij・Siを参照信号Xと
して生成するのである。
【0030】その後は、A/D,D/A変換をスタート
させて、適応フィルタ計算を行ない、適応フィルタ係数
を更新する(ステップB4〜B6)。更に同様の処理動
作を繰り返すことにより、適応FIRフィルタによる畳
み込み演算を行ない、誤差信号が所定のレベル以下にな
るまで、LMS法による係数の更新を行なって、スピー
カ3へ出力信号を出す。
【0031】なお、適応フィルタのタップ数とノイズ低
減量との関係はほぼ直線的な比例関係にあることから、
タップ数を増やせば効果量が大きくなるが、使用するD
SPの性能や個数およびコストとの関係をにらんで決定
する必要があるため、たとえばタップ数としては256
あるいは128とすることが行なわれる。また、適応フ
ィルタを用いた消音制御では、使用するタップ数間に最
低1/4波長以上の波形が存在するサンプリング周波数
で制御する必要があるため、これに従ってサンプリング
周波数を決定する。
【0032】このように適応フィルタを用いた適応型能
動消音装置において、車室内騒音に寄与する各騒音源か
ら現在の車両状態に最も適した参照信号を発生させるこ
とができるので、車両あるいはエンジンの運転状態に対
応して効果的でしかも総合的な消音を行なうことができ
る。さらに、予め消音伝達系の特性を計測しておき、計
測された消音伝達系の特性情報を参照信号の補正情報と
して使用して、システムコントロールユニット13によ
る消音制御を行なうので、制御開始後においてシステム
を安定に動作させることができる。
【0033】なお、予め消音伝達系の特性を計測するこ
となく、システムコントロールユニット13による消音
制御を行なうものに対しても、本発明を同様にして適用
できることはいうまでもない。また、本発明は、制御点
が複数個になったものにも、適用することができ、この
場合、本発明の手法によって生成された参照信号を共通
の参照信号として使用することができる。
【0034】さらに、2次音源としては、上記のように
スピーカ3を車室200のリアシート203の後端にお
いてトランクルームをバックキャビティとして利用しう
る位置に配設するほか、ルーフパネルに加振機を設けた
り、フロアパネルに加振機を設けたりして、これらを2
次音源としてもよい。また、A/D変換器,D/A変換
器,ROM,RAM,DSP等の接続ラインは銅線でも
もちろんかまわない。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車室内音
の適応型能動消音装置によれば、車両の騒音源に起因す
る参照信号を発生する参照信号発生手段と、車室内の制
御点での信号を検出する制御点信号検出手段と、該車室
内へ向け音波信号を出力する2次音源とをそなえるとと
もに、該参照信号発生手段からの参照信号と該制御点信
号検出手段からの制御点信号とを受けて、該制御点信号
が最小となるように該2次音源から出力される音波信号
を制御すべく、適応フィルタを用いた制御手段をそなえ
てなる、車室内音の適応型能動消音装置において、該参
照信号発生手段が、複数の騒音源からの騒音信号を検出
する騒音信号検出手段と、車両あるいはエンジンの運転
状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手
段で検出された車両あるいはエンジンの運転状態に応じ
て、該騒音信号検出手段で検出された複数の騒音源から
の各騒音信号が車室内音に寄与する度合を求める寄与度
演算手段と、該寄与度演算手段で求められた寄与度を各
騒音信号毎に加味して得られた信号を参照信号として生
成する参照信号生成手段とをそなえて構成されているの
で、車室内騒音に寄与する各騒音源から現在の車両状態
に最も適した参照信号を発生させることができ、これに
より、車両あるいはエンジンの運転状態に対応して効果
的でしかも総合的な消音を行なえる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すシステムブロック図で
ある。
【図3】本発明の一実施例にかかるシステムコントロー
ルユニットの詳細を示すブロック図である。
【図4】本装置の制御アルゴリズムを説明するブロック
図である。
【図5】寄与度演算手段のマップ構造を説明する図であ
る。
【図6】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図7】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 参照信号検出手段 1−1〜1−N 騒音源検出手段 1A 寄与度演算手段 1B 参照信号生成手段 2−1 制御マイク(制御点信号検出手段) 3 スピーカ(2次音源) 4 主制御部 7 アンプ 8 タイミング発生器 10 シリアルポート 13 システムコントロールユニット 15 光ファイバ 40 数値演算プロセッサ 41 ROM 42 RAM 43 DSP 44 SCR 45 クロック発生器 51−1〜51−N,52,53,83 ローパスフィ
ルタ 61−1〜61−N,62,84 A/D変換器 63 D/A変換器 71 車速センサ 72 エンジン回転数センサ 73 スロットル開度センサ 81,82 インタフェース回路 100 エンジン 200 車室 201 運転席 203 リアシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 21/00 8842−5J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の騒音源に起因する参照信号を発生
    する参照信号発生手段と、車室内の制御点での信号を検
    出する制御点信号検出手段と、該車室内へ向け音波信号
    を出力する2次音源とをそなえるとともに、 該参照信号発生手段からの参照信号と該制御点信号検出
    手段からの制御点信号とを受けて、該制御点信号が最小
    となるように該2次音源から出力される音波信号を制御
    すべく、適応フィルタを用いた制御手段をそなえてな
    る、車室内音の適応型能動消音装置において、 該参照信号発生手段が、 複数の騒音源からの騒音信号を検出する騒音信号検出手
    段と、 車両あるいはエンジンの運転状態を検出する運転状態検
    出手段と、 該運転状態検出手段で検出された車両あるいはエンジン
    の運転状態に応じて、該騒音信号検出手段で検出された
    複数の騒音源からの各騒音信号が車室内音に寄与する度
    合を求める寄与度演算手段と、 該寄与度演算手段で求められた寄与度を各騒音信号毎に
    加味して得られた信号を参照信号として生成する参照信
    号生成手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、
    車室内音の適応型能動消音装置。
JP5336989A 1993-12-28 1993-12-28 車室内音の適応型能動消音装置 Pending JPH07199964A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020061088A (ko) * 2001-01-13 2002-07-22 주식회사 마이카엠닷컴 차량의 실내 소음 측정시스템 및 그 운영방법
JP2010070023A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置
KR101325497B1 (ko) * 2012-03-15 2013-11-07 주식회사 현대케피코 차량 부품들 간의 진동 기여도를 분석하는 방법 및 그 시스템

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JP2010070023A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置
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