JP3395312B2 - 車室内音の適応型能動消音装置 - Google Patents

車室内音の適応型能動消音装置

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JP3395312B2
JP3395312B2 JP33699193A JP33699193A JP3395312B2 JP 3395312 B2 JP3395312 B2 JP 3395312B2 JP 33699193 A JP33699193 A JP 33699193A JP 33699193 A JP33699193 A JP 33699193A JP 3395312 B2 JP3395312 B2 JP 3395312B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、車室内音の適応型能動
消音装置に関する。一般に、自動車の車室内騒音の中で
乗員のうるささに及ぼす影響が大きい200Hz以下の
室内こもり音は、エンジン回転振動に起因したパネル振
動放射音が支配的であることから、その対策は車体の構
造、強度問題にまで関係する重要な問題である。 【0002】 【従来の技術】従来より、かかる室内こもり音を小さく
するために、適応フィルタを用いたアクティブノイズキ
ャンセラなる装置が提案されている。すなわち、かかる
アクティブノイズキャンセラでは、車室内の制御点での
信号が最小となるよう、適応フィルタを用いて、車室内
騒音に対し振幅が等しく位相が逆相となる音を2次音源
から出すような制御を行なっている。この場合、参照信
号としては、エンジン点火信号そのものが使用される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の手段では、アクティブノイズキャンセラの参
照信号として、上述のごとくエンジン点火信号そのもの
を使用しているので、基本次数成分(例えば4気筒エン
ジンの場合、クランク回転2次周波数成分C2 ,クラン
ク回転4次周波数成分C4 ,クランク回転6次周波数成
分C6 ,クランク回転8次周波数成分C8 ,・・・)に
ついての消音は可能であるが、加減速時の音質を悪化さ
せると言われているハーフ次数成分(例えばクランク回
転0.25次周波数成分C0.25及びクランク回転0.5
次周波数成分C0.5 等)についての消音を行なうことが
できない。従って、加減速時においては、十分な消音効
果及び音質の改良が得られないという課題がある。 【0004】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、適応フィルタを用いた適応型能動消音装置に
おいて、エンジン回転数と相関する信号から任意の参照
信号を生成できるようにして、種々のエンジン運転状態
に対応して消音を行なえるようにした、適応型能動消音
装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】このため、本発明の車室
内音の適応型能動消音装置は、車両に搭載されたエンジ
ンの回転数と相関する参照信号を発生する参照信号発生
手段と、車室内の制御点での信号を検出する制御点信号
検出手段と、該車室内へ向け音波信号を出力する2次音
源とをそなえるとともに、該参照信号発生手段からの参
照信号と該制御点信号検出手段からの制御点信号とを受
けて、該制御点信号が最小となるように該2次音源から
出力される音波信号を制御すべく、適応フィルタを用い
た制御手段をそなえてなる、車室内音の適応型能動消音
装置において、該参照信号発生手段が、エンジンの回転
数と相関する信号から信号周波数情報を演算する信号周
波数情報演算手段と、該信号周波数情報演算手段で演算
された信号周波数情報に基づいて、エンジンの定常運転
時には基本次数成分、エンジン加減速運転時には近接次
数成分にそれぞれ基づき参照信号を生成する参照信号生
成手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。 【0006】 【作用】上述の本発明の車室内音の適応型能動消音装置
では、適応フィルタを用いた制御手段により、参照信号
発生手段からの参照信号と制御点信号検出手段からの制
御点信号とを受けて、制御点信号が最小となるように2
次音源から出力される音波信号を制御することが行なわ
れるが、このとき参照信号は次のようにして生成され
る。すなわち、信号周波数情報演算手段で、エンジンの
回転数と相関する信号から信号周波数情報を演算し、こ
の信号周波数情報演算手段で演算された信号周波数情報
に基づいて、参照信号生成手段が、エンジンの定常運転
時には基本次数成分、エンジン加減速運転時には近接次
数成分にそれぞれ基づき参照信号を生成する。 【0007】 【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明する。図1〜図9は本発明の一実施例としての車室
内音の適応型能動消音装置を示すもので、図1はその要
部ブロック図、図2はそのシステムブロック図、図3は
システムコントロールユニットの詳細を示すブロック
図、図4は本装置の制御アルゴリズムを説明するブロッ
ク図、図5,図6はいずれもその制御要領を説明するフ
ローチャート、図7は基準周波数の算出要領を説明する
ためのタイムチャートであり、図8は本実施例の変形例
を示す要部ブロック図、図9は本実施例の更に他の変形
例を示す要部ブロック図である。 【0008】さて、この実施例では、図1〜図3に示す
ように、車室200内の制御点(評価点)での信号を検
出する制御点信号検出手段が設けられているが、この制
御点信号検出手段は、車室200内の運転席201のヘ
ッドレストに設けられた制御マイク(例えば簡易コンデ
イサマイク)2−1として構成されている。更に詳細に
は、この制御マイク2−1は、ヘッドレストの車室中央
寄り部分に、ゴムケースを介して設けられている。この
ように制御マイク2−1をヘッドレストの車室中央寄り
部分に設けるのは、ガラスの反射等の影響を少なくし
て、効果面積を拡大させるためである。 【0009】また、この制御マイク2−1で検出された
制御点信号は、シートバック内に設けられたマイクロホ
ンアンプ(増幅器)で増幅されるようになっている。さ
らに、車室200内へ向け音波信号(2次ソース信号)
を出力する2次音源としてのスピーカ(キャンセリング
スピーカ)3が設けられているが、この場合、スピーカ
3は、車室200のリアシート203の後端において、
トランクルームをバックキャビティとして利用しうる位
置に配設されている。即ち、このスピーカ3は、リアシ
ート203のアームレストを倒すと開く開口部分に振動
面が向くように、リアシート203のシートバック裏面
の隔壁(スピーカ取り付け用合板)に取り付けられてい
る。 【0010】また、車両に搭載されたエンジン(例えば
V6エンジン)100の回転数と相関する参照信号を発
生する参照信号発生手段1が設けられているが、この参
照信号発生手段1は、信号周波数情報演算手段1Aと参
照信号生成手段1Bとの機能を有するシンセサイザとし
て構成されている。ここで、信号周波数情報演算手段1
Aは、電子制御装置(ECU)5からのエンジンの回転
数と相関する信号としてのエンジンパルス(点火パル
ス)から信号周波数情報を演算するもので、このため
に、図2に示すごとく、信号周波数情報演算手段1A
は、エンジンパルスの数を計数する計数手段1A−1
と、計数手段1A−1で計数されたエンジンパルス数か
らエンジンパルス周波数を求める周波数演算手段1A−
2との機能をそなえている。 【0011】なお、ECU5は、エンジン回転数センサ
やエンジン負荷センサ等の検出信号を受けて、エンジン
100の点火時期制御のための信号や燃料供給制御(空
燃比制御)のための信号を出力するもので、マイクロプ
ロセッサやメモリ等からなる公知のものであり、通常、
ECU5からはエンジンパルス(点火パルス)を容易に
取り出すことができるようになっている。 【0012】また、上記の計数手段1A−1,周波数演
算手段1A−2は、入力するエンジンパルスとマイクロ
フォン信号との間の因果関係を保持するために、ソフト
ウエアにて実現されるようになっている。すなわち、ソ
フトウエアではなくハードウエアで上記の手段を実現す
ると、タイミング差や時間遅れ等の非線形化により入力
するエンジンパルスとマイクロフォン信号との間の因果
関係が無くなってしまうのである。 【0013】次に、上記の計数手段1A−1,周波数演
算手段1A−2による演算手法について説明する。ま
ず、エンジン点火パルス(エンジンパルス)の周期から
初期角速度と基準周波数は、 sin θ=sin(W・TSAMPLE) =sin(2πFSIGNAL・TSAMPLE) ・・(A1) と表すことができる。 【0014】ここで、FSIGNAL=1/TSIGNALであるか
ら、TSIGNAL中にカウントされるパルス数をn個とすれ
ば、 sin θ=sin(2π・(TSAMPLE/(n/FCLOCK ))) =sin(2π・(TSAMPLE・FCLOCK /n)) =sin(2π・(FCLOCK /FSAMPLE・n)) ・・(A2) となる。 【0015】これにより、TSIGNAL中にカウントされる
パルス数n(nは自然数)を計測すれば、既知の情報F
CLOCK ,FSAMPLEから周波数情報sin θを求めることが
でき、この演算を信号周波数情報演算手段1Aで行なう
のである。なお、パルスカウンタクロックFCLOCK (周
期TCLOCK ),A/DサンプリングクロックF
SAMPLE(周期TSAMPLE),エンジン点火パルスFSIGNAL
(周期TSI GNAL)及びタイミングジェネレータタイミイ
ング,ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)タイミ
ングを示すと、図7のようになる。 【0016】参照信号生成手段1Bは、信号周波数情報
演算手段1Aで演算された信号周波数情報に基づいて、
エンジンパルス(エンジンの回転数と相関する信号)の
有する周波数に対し、非整数倍の周波数を含む複数の周
波数を有する参照信号を生成するものであるが、本実施
例では、参照信号生成手段1Bは、モード0マップ1B
−1とモード1マップ1B−2とをそなえている。 【0017】モード0マップ1B−1は、エンジン定常
運転時の参照信号を生成するもので、基本次数成分を含
む参照信号(ΣAi sin θi ) を出力するもので、モー
ド1マップ1B−1は、エンジン加減速運転時の参照信
号を生成するもので、近接次数成分(例えばクランク回
転0.5次周波数成分やクランク回転0.25次周波数
成分等の基本次数成分に対し非整数倍の周波数成分)を
含む参照信号(ΣBisin θi ) を出力するもので、い
ずれのマップ1B−1,1B−2も、等価的には、複数
のオシレータと各オシレータ出力を加算する加算器とで
構成されることになる。 【0018】なお、参照信号生成手段1Bは、モード0
マップ1B−1の出力またはモード1マップ1B−2の
出力を選択するスイッチ手段1B−3の機能も有してい
る。そして、スイッチ手段1B−3は、切替制御手段
(CONT)6からの信号を受けて、定常運転時には、
モード0マップ1B−1の出力を参照信号として選択
し、加減速運転時には、モード1マップ1B−2の出力
を参照信号として選択するようになっている。 【0019】ここで、切替制御手段6は、信号周波数情
報演算手段1Aで演算された信号周波数情報から単位時
間当たりの角度変化勾配(Δsin θ)を求め、この角度
変化勾配(Δsin θ)が所望のしきい値TH1を越える
と、加減速運転であると判定して、モード1マップ選択
信号を出力するとともに、角度変化勾配(Δsin θ)が
所望のしきい値TH2(TH2<TH1)以下になる
と、定常運転であると判定して、モード0マップ選択信
号を出力するようになっている。なお、角度変化勾配
(Δsin θ)は、次式から求められる。 【0020】 Δsin θ=sin ( θOLD +( 2π・(FCLOCK /FSAMPLE・n))) ・・(A3) ここで、θOLD は1回前に求められた信号周波数情報で
ある。ところで、システムコントロールユニット13
が、トランクルーム内に配設されている。そして、この
システムコントロールユニット13へは、図2,3に示
すように、ECU5からのエンジンパルスおよび制御マ
イク2−1からの検出信号が入力されるとともに、スピ
ーカ3へスピーカアンプ7を介して2次ソース信号が出
力されるようになっている。 【0021】このシステムコントロールユニット13
は、数値演算プロセッサ40,ROM41,RAM4
2,ディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPとい
う)43,ステータスコントロールレジスタ(以下、S
CRという)44,クロック発生器45,パルスカウン
タ51,ローパスフィルタ52,53,A/D変換器6
2,D/A変換器63,タイミング発生器8,シリアル
ポート10をそなえており、更に数値演算プロセッサ4
0,ROM41,RAM42,DSP43,SCR4
4,パルスカウンタ51,A/D変換器62,D/A変
換器63は、光電変換器(O/E)および電光変換器
(E/O)付きの光ファイバ15を介して接続されてい
る。 【0022】そして、これらの数値演算プロセッサ4
0,ROM41,RAM42,DSP43,SCR4
4,クロック発生器45で、主制御部4を構成する。こ
こで、数値演算プロセッサ40は、消音制御(アクティ
ブノイズキャンセル)のための演算に使用されるDSP
で、この数値演算プロセッサ40のバス上に、ROM4
1,RAM42,DSP43,SCR44が配置された
形態をとっている。 【0023】ROM41は、消音伝達系の特性情報〔ス
ピーカ(2次音源)3から車室200内の制御点(制御
マイク2−1配設位置)までの伝達系やスピーカ3,ア
ンプ7,マイク2−1の周波数特性(時間遅れ)を含
む〕等を記憶するものである。RAM42は、制御プロ
グラムを記憶するもので、DSP43はディジタルフィ
ルタプロセッサとして機能するもので、SCR44はD
SP43と数値演算プロセッサ40との間のアドレス割
り振りを制御するものである。 【0024】クロック発生器45は数値演算プロセッサ
40のための動作クロックを発生するものである。パル
スカウンタ51は、エンジンパルスを計数するもので、
信号周波数情報演算手段1Aの一部を構成するものであ
る。ローパスフィルタ52,53,A/D変換器62,
D/A変換器63は、制御マイク2−1,スピーカ3と
主制御部4との間のインタフェースで、制御マイク2−
1で検出されたアナログ信号は、ローパスフィルタ52
でろ波されたあと、A/D変換器62でディジタル信号
に変換されて、主制御部4へ入力される一方、主制御部
4からの2次ソ−ス信号は、D/A変換器63でアナロ
グ信号に変換されたあと、ローパスフィルタ53でろ波
されて、スピーカ3へ出力されるようになっている。 【0025】なお、ローパスフィルタはスピーカ3から
エイリアスを防止するために最大制御周波数以上の帯域
出力をカットするようなものが使用される。タイミング
発生器8は、パルスカウンタ51,A/D変換器62,
D/A変換器63の入出力タイミングを決めるタイミン
グパルスを発生するもので、数値演算プロセッサ40が
コントロールレジスタにコマンドを書き込むことにより
スタート/ストップするようになっている。 【0026】シリアルポート10は外部のコンピュータ
との接続用外部端子である。なお、このシステムは電源
オンにてオンボードROMにより制御プログラムがブー
トされ、スタンドアロン作動するようになっている。と
ころで、本実施例では、システムコントロールユニット
13の主制御部4は、ECU5からのエンジンパルス信
号(このエンジンパルス信号に基づいて参照信号が生成
される)と制御マイク2−1で検出された制御点信号と
を受けて、この制御点信号が最小(望ましくは0)とな
るように、スピーカ3から出される音波信号を制御すべ
く、適応フィルタを用いた制御手段として構成されてい
る。さらにこの例では、主制御部4が、最小自乗誤差推
定法(LMS法)によるアルゴリズムを用いた適応フィ
ルタを用いて消音制御を行なうようになっている。 【0027】さらに、この実施例では、消音制御を行な
う前に、予めスピーカ3から車室200内の制御点(制
御マイク2−1配設位置)までの伝達系を含む消音伝達
系の特性(伝達関数)Dを計測しておく。この計測は次
のようにして行なう。即ち、スピーカ3からM系列ラン
ダム音(ホワイトノイズ)を出力して、これを制御マイ
ク2−1で検出することにより、消音伝達系の特性Dを
計測するのである。 【0028】その後は、この計測された消音伝達系の特
性情報を参照信号の補正情報として使用して、上記主制
御部4による消音制御を行なう。即ち、参照信号を計測
された消音伝達系の特性情報D′をもつフィルタでフィ
ルタリングして、これと制御マイク2−1で検出された
制御点信号とから、LMS法によるアルゴリズムを用い
て、フィルタ係数を更新していくのである。 【0029】つぎに、本システムの基本アルゴリズムを
詳述する。まず、このシステムの消音制御(アクティブ
ノイズコントロール)はFiltered−X LMS
アルゴリズムを用いた適応FIRフィルタにより行な
う。基本ブロック図を図4に示す。このブロック図にお
いて、Tは車体伝達系の特性〔騒音源から制御点(制御
マイク2−1設置位置)までの音響伝達特性を含む〕、
Wは適応FIRフィルタ、Dは消音伝達系の特性〔2次
音源(スピーカ3)から制御点(制御マイク2−1設置
位置)までの音響伝達特性を含む〕、D′はDのモデ
ル、LMSはLMSアルゴリズムである。 【0030】本システムは、騒音源より参照信号X
(t)(この参照信号は定常運転時と加減速時とで異な
るものが使用される)を入力しFIRにより畳み込んで
出力Y(t)を求める。 Y(t)=ΣW(i)X(t−i) ・・(1) なお、(1)式については、i=0〜N−1についての
総和をとるようになっている。 【0031】また、本システムが−Y(t)を出力する
と、音場の伝達特性により制御点における誤差信号Eが
得られる。 E(t)=T(z)X(z)−D(z)Y(z) ・・(2) さらに、参照信号X(t)と誤差信号E(t)との因果
関係を保つためにX(t)をフィルタリングしてd
(t)を求める。 【0032】 d(t)=ΣD′(i)X(t−i) ・・(3) なお、(3)式についても、i=0〜N−1についての
総和をとるようになっている。そして、上記の誤差信号
E(t)とd(t)よりLMSアルゴリズムを用いてフ
ィルタ係数W(i)を更新する。つまり、 Wn(i)=Wo(i)+kE(t)d(t−i)
(i=0〜N−1)・・(4) ここで、Wn(i)は更新後のフィルタ係数、Wo
(i)は更新前のフィルタ係数、kは更新係数である。 【0033】これにより、フィルタは誤差信号を最小と
する最適フィルタに収束する。また、エラーEは参照信
号X,フィルタ係数W,消音伝達系特性Dによって決ま
る。つまり、入力データとエラーとの因果関係を保つた
め使用するLMSアルゴリズムの前段に上記Dを考慮す
る必要がある。このために、このシステムでは、その適
応アルゴリズムをFiltered−X−LMSアルゴ
リズムとしたのてあり、適応制御の開始前に、このDの
同定を行なうようにしたのである。 【0034】このようにすれば、制御開始後、十分な時
間がたてばWはウィナーフィルタに収束し、それが理想
的であるとすれば、W=−(T/D)となる。つまり、
WはTのフォーワードモデリングおよびDのインバース
モデリングを同時に行なうことになる。このとき、入力
ノイズ信号をXとすると、Tの出力はTXとなり、Wの
出力は(−TX/D)で示され、Dの出力は(−TX/
D)・D=−TXとなる。 【0035】つまり、評価点(制御点)となる加算点
(P参照)では、誤差信号Eは0になる。ここで、Tお
よびDを極座標表現すると、 W=(T/D)exp〔−j(θt−θd)〕 ・・(5) で示される。なお、実機モデルを考えると、車室内で計
測されるエンジン吸気音はエンジン回転(振動)に起因
しているため、常にTの遅延より大きく、(θt−θ
d)は正の値を示す。つまり、Wは遅れ要素となるため
制御可能と考えられる。 【0036】つぎに、このシステムにおける制御フロー
を示すと、図5,6のようになるが、まず、適応制御の
開始前に行なうDの同定要領を図5に基づき説明する。
ステップA1で、A/D,D/A変換,制御レジスタ,
カウンタ等について初期設定を施し、更にA/D変換を
スタートさせて、ステップA2で、M系列信号を生成す
る。その後は、ステップA3で、適応フィルタ計算を行
ない、更にD/A変換をスタートさせて、ステップA4
で、適応フィルタ係数を更新するという動作を繰り返す
ことにより、消音伝達系の特性の同定を行なうのであ
る。 【0037】そして、その後は、図6に示すような動作
が行なわれる。すなわち、まず、ステップB1に示すよ
うに、A/D,D/A変換,制御レジスタ,カウンタ等
について初期設定を施し、更に予め計測しておいた消音
伝達系の特性情報(初期インパルス応答)を読み込んで
から、参照信号を生成する。すなわち、ステップB2
で、エンジンパルスをカウントし、ステップB3で、初
期角度θを計算し、ステップB4で、基準周波数(sin
θ)の計算をし、ステップB5で、変化勾配(Δsin
θ)の計算をし、ステップB6で、ゲインモードを選択
し、もし、定常運転時なら、モード0マップを選択し
て、これに応じた参照信号を生成する一方(ステップB
7,B9)、加減速運転時なら、ステップB6で、モー
ド1マップを選択して、これに応じた参照信号を生成す
る(ステップB8,B9)。 【0038】その後は、A/D,D/A変換をスタート
させて、適応フィルタ計算を行ない、適応フィルタ係数
を更新する(ステップB10〜B12)。更に同様の処
理動作を繰り返すことにより、適応FIRフィルタによ
る畳み込み演算を行ない、誤差信号が所定のレベル以下
になるまで、LMS法による係数の更新を行なって、ス
ピーカ3へ出力信号を出す。 【0039】なお、適応フィルタのタップ数とノイズ低
減量との関係はほぼ直線的な比例関係にあることから、
タップ数を増やせば効果量が大きくなるが、使用するD
SPの性能や個数およびコストとの関係をにらんで決定
する必要があるため、たとえばタップ数としては256
あるいは128とすることが行なわれる。また、適応フ
ィルタを用いた消音制御では、使用するタップ数間に最
低1/4波長以上の波形が存在するサンプリング周波数
で制御する必要があるため、これに従ってサンプリング
周波数を決定する。 【0040】このようにエンジンパルスと同期した任意
の次数成分を任意の振幅レベルで、エンジン運転状態に
応じて、適応フィルタに参照信号として入力することが
できるため、従来、消音が不可能であった0.5次ある
いは0.25次成分等の消音も可能になり、これによ
り、定常運転時は勿論、加減速運転時においても、確実
に車内こもり音を打ち消すことができる。 【0041】また、参照信号入力パワーレベルを操作す
ることもでき、これにより、任意の次数成分音の目標消
音量を自由に設定することができる。さらに、予め消音
伝達系の特性を計測しておき、計測された消音伝達系の
特性情報を参照信号の補正情報として使用して、システ
ムコントロールユニット13による消音制御を行なうの
で、制御開始後においてシステムを安定に動作させるこ
とができる。 【0042】なお、図8に示すように、加減速時には、
スイッチ手段71をオンして、2種の特定次数成分(例
えばAsin θ1,Bsin θ2 )をスピーカ3へ直接加える
ようにしてもよい。このようにすれば、上記の実施例で
得られる効果に加え、加減速時に素早い対応が可能とな
る。なお、72A,72Bは特定次数成分生成手段、7
3A,73Bは特定次数周波数だけをろ波するバンドパ
スフィルタ、74A,74Bは増幅器である。 【0043】 【0044】なお、予め消音伝達系の特性を計測するこ
となく、システムコントロールユニット13による消音
制御を行なうものに対しても、本発明を同様にして適用
できることはいうまでもない。また、本発明は、制御点
が複数個になったものにも、適用することができ、この
場合、本発明の手法によって生成された参照信号を共通
の参照信号として使用すくことができる。 【0045】さらに、2次音源としては、上記のように
スピーカ3を車室200のリアシート203の後端にお
いてトランクルームをバックキャビティとして利用しう
る位置に配設するほか、ルーフパネルに加振機を設けた
り、フロアパネルに加振機を設けたりして、これらを2
次音源としてもよい。また、A/D変換器,D/A変換
器,ROM,RAM,DSP等の接続ラインは銅線でも
もちろんかまわない。 【0046】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車室内音
の適応型能動消音装置によれば、車両に搭載されたエン
ジンの回転数と相関する参照信号を発生する参照信号発
生手段と、車室内の制御点での信号を検出する制御点信
号検出手段と、該車室内へ向け音波信号を出力する2次
音源とをそなえるとともに、該参照信号発生手段からの
参照信号と該制御点信号検出手段からの制御点信号とを
受けて、該制御点信号が最小となるように該2次音源か
ら出力される音波信号を制御すべく、適応フィルタを用
いた制御手段をそなえてなる、車室内音の適応型能動消
音装置において、該参照信号発生手段が、エンジンの回
転数と相関する信号から信号周波数情報を演算する信号
周波数情報演算手段と、該信号周波数情報演算手段で演
算された信号周波数情報に基づいて、エンジンの定常運
転時には基本次数成分、エンジン加減速運転時には近接
次数成分にそれぞれ基づき参照信号を生成する参照信号
生成手段とをそなえて構成されているので、エンジンの
回転数と相関する信号と同期した任意の次数成分を任意
の振幅レベルで、エンジン運転状態に応じて、適応フィ
ルタに参照信号として入力することができ、これによ
り、従来、消音が不可能であった0.5次あるいは0.
25次成分等の消音も可能になり、その結果、種々のエ
ンジン運転状態に対応して消音を行なえる利点がある
か、エンジンの定常運転時には基本次数成分についての
消音を可能とし、一方、エンジンの加減速運転時におい
ては、近接次数成分についての消音を行なうことが可能
となり、定常運転時のみならず、加減速運転時において
も十分な消音効果及び音質の改良を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の要部ブロック図である。 【図2】本発明の一実施例を示すシステムブロック図で
ある。 【図3】本発明の一実施例にかかるシステムコントロー
ルユニットの詳細を示すブロック図である。 【図4】本装置の制御アルゴリズムを説明するブロック
図である。 【図5】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。 【図6】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。 【図7】基準周波数の算出要領を説明するためのタイム
チャートである。 【図8】本発明の一実施例の変形例を示す要部ブロック
図である 【符号の説明】 1 参照信号検出手段 1A 信号周波数情報演算手段 1A−1 計数手段 1A−2 周波数演算手段 1B 参照信号生成手段 1B−1 モード0マップ 1B−2 モード1マップ 1B−3 スイッチ手段 2−1 制御マイク(制御点信号検出手段) 3 スピーカ(2次音源) 4 主制御部 5 ECU 6 切替制御手段 7 アンプ 8 タイミング発生器 10 シリアルポート 13 システムコントロールユニット 15 光ファイバ 40 数値演算プロセッサ 41 ROM 42 RAM 43 DSP 44 SCR 45 クロック発生器 51 パルスカウンタ 52,53 ローパスフィルタ 62 A/D変換器 63 D/A変換器 71 スイッチ手段 72A,72B 特定次数成分生成手段 73A,73B バンドパスフィルタ 74A,74B 増幅 00 エンジン 200 車室 201 運転席 203 リアシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 B60R 11/02 F01N 1/00 H03H 17/02 601 H03H 21/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両に搭載されたエンジンの回転数と相
    関する参照信号を発生する参照信号発生手段と、車室内
    の制御点での信号を検出する制御点信号検出手段と、該
    車室内へ向け音波信号を出力する2次音源とをそなえる
    とともに、 該参照信号発生手段からの参照信号と該制御点信号検出
    手段からの制御点信号とを受けて、該制御点信号が最小
    となるように該2次音源から出力される音波信号を制御
    すべく、適応フィルタを用いた制御手段をそなえてな
    る、車室内音の適応型能動消音装置において、 該参照信号発生手段が、 エンジンの回転数と相関する信号から信号周波数情報を
    演算する信号周波数情報演算手段と、 該信号周波数情報演算手段で演算された信号周波数情報
    に基づいて、エンジンの定常運転時には基本次数成分、
    エンジン加減速運転時には近接次数成分にそれぞれ基づ
    き参照信号を生成する参照信号生成手段とをそなえて構
    成されたことを特徴とする、車室内音の適応型能動消音
    装置。
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