JPH06230787A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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Publication number
JPH06230787A
JPH06230787A JP5014135A JP1413593A JPH06230787A JP H06230787 A JPH06230787 A JP H06230787A JP 5014135 A JP5014135 A JP 5014135A JP 1413593 A JP1413593 A JP 1413593A JP H06230787 A JPH06230787 A JP H06230787A
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JP
Japan
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drive signal
noise
interpolation
signal
filter
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Application number
JP5014135A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Nakaji
義晴 中路
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH06230787A publication Critical patent/JPH06230787A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】演算量やメモリ容量の大幅な増大を招くことな
く、制御音源に対する駆動信号の出力間隔を短くできる
ようにする。 【構成】周期的な騒音と同じ周期の正弦波でなる基準信
号xを正弦波生成部11で生成し、この基準信号xを適
応ディジタルフィルタWm でフィルタ処理して、駆動信
号ym を生成する。そして、時間軸上で隣合う前後の駆
動信号ym (n)及びym (n−1)に基づいて、それ
ら駆動信号ym (n)及びym (n−1)間を埋める補
間駆動信号Im (n)を演算し、これら駆動信号y
m (n−1),補間駆動信号Im (n),駆動信号ym
(n)を、順次駆動信号ym として各ラウドスピーカに
出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音源から伝達され
る騒音に制御音源から発せられる制御音を干渉させるこ
とにより騒音の低減を図る能動型騒音制御装置に関し、
特に、騒音の発生状態を表す基準信号をディジタルフィ
ルタ処理することにより制御音源の駆動信号を生成する
装置において、演算量やメモリ容量の大幅な増大を招く
ことなく、短い間隔で制御音源に駆動信号を供給できる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型騒音制御装置として、英国
特許第2149614号や特表平1−501344号に
記載のものがある。これら従来の装置は、航空機の客室
やこれに類する閉空間に適用される騒音低減装置であっ
て、閉空間の外部に位置するエンジン等の単一の騒音源
は、基本周波数f0 及びその高調波f1 〜fn を含む騒
音を発生するという条件の下において作動するものであ
る。
【0003】具体的には、閉空間内の複数の位置に設置
され音圧を検出するマイクロフォンと、その閉空間に制
御音を発生する複数のラウドスピーカとを備え、騒音源
の周波数f0 〜fn 成分に基づき、それら周波数f0
n 成分と逆位相の信号でラウドスピーカを駆動させ、
もって閉空間に伝達される騒音と逆位相の制御音をラウ
ドスピーカから発生させて騒音を打ち消している。
【0004】そして、ラウドスピーカから発せられる制
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692,1975,“ADAPTIVE NOISE CANSELLATION :
PRINCIPLES AND APPLICATIONS ”で述べられている‘WI
DROW LMS’アルゴリズムを多チャンネルに展開したアル
ゴリズムを適用している。その内容は、上記特許の発明
者による論文、“A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHM AND
ITS APPLICATION TOTHE ACTIVE CONTROL OF SOUND AND
VIBRATION ”,IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNAL PRO
CESSING,VOL.ASSP −35,PP.1423−1434,1987 にも述べ
られている。
【0005】即ち、LMSアルゴリズムは、適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なアル
ゴリズムの一つであって、例えばいわゆるFilter
ed−X LMSアルゴリズムにあっては、ラウドスピ
ーカからマイクロフォンまでの伝達関数をモデル化した
伝達関数フィルタを全てのラウドスピーカとマイクロフ
ォンとの組み合わせについて設定し、騒音源の騒音発生
状態を表す基準信号をそのフィルタで処理した値と各マ
イクロフォンが検出した残留騒音とに基づいた所定の評
価関数の値が低減するように、各ラウドスピーカ毎に設
けられたフィルタ係数可変のディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を更新している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述したよう
な能動型騒音制御装置にあっては、離散時間でのディジ
タル信号処理によって駆動信号を生成しているが、その
生成された駆動信号をそのままラウドスピーカに供給す
ると、ディジタル信号処理の結果駆動信号は階段状の波
形になっていることから、不要な高周波成分によるノイ
ズが制御音とともに発生してしまう。従って、コントロ
ーラの出力段にはローパス・フィルタを設ける必要があ
る。
【0007】しかし、ローパス・フィルタは遮断特性が
緩やかになるほど安価になるため、システムのコストを
抑えるためには遮断特性が緩やかなローパス・フィルタ
を用いることが望ましいのであるが、そのようなローパ
ス・フィルタを不具合なく適用するには、駆動信号生成
の周波数(サンプリング周波数)を高くする必要があ
る。なぜならば、駆動信号生成の周波数が低いと、階段
状の波形の幅が広くなり、騒音低減制御にとって必要な
周波数成分の直ぐ外側に不要な周波数成分が存在するこ
ととなるから、遮断特性の鋭いローパス・フィルタが必
須となるからである。
【0008】従って、安価なローパス・フィルタを用い
るためには、駆動信号を短い周期で生成し出力しなけれ
ばならないのであるが、これでは、高速で演算を行わな
ければならないため、高速演算可能な高価な演算素子が
必要となり、やはりシステムのコストアップを招いてし
まうのである。また、サンプリング周波数を高くするに
は、例えばラウドスピーカ及びマイクロフォン間の伝達
関数は時間軸上で一定の長さを有することから、伝達関
数フィルタのタップ数(フィルタ係数の個数)はサンプ
リング周波数が高くなるに従って多くなるし、その他演
算された駆動信号や途中の演算結果等を記憶するために
必要な容量も大きくなるため、メモリ容量の増大をも招
いてしまう。
【0009】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、演算量
やメモリ容量の大幅な増大を招くことなく、駆動信号の
実質的な生成周期を短くすることができる能動型騒音制
御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、周期的な騒音を発する騒音
源から騒音が伝達される空間に制御音を発生可能な制御
音源と、前記騒音源の騒音発生状態を検出し基準信号と
して出力する騒音発生状態検出手段と、前記空間内の所
定位置における残留騒音を検出し残留騒音信号として出
力する残留騒音検出手段と、フィルタ係数可変の適応デ
ィジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタ
ルフィルタでフィルタ処理して前記制御音源の駆動信号
を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記
残留騒音信号に基づいて前記空間内の騒音が低減するよ
うに前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新
する適応処理手段と、を備えた能動型騒音制御装置にお
いて、前記駆動信号を補間することにより補間駆動信号
を生成する補間駆動信号生成手段と、前記駆動信号及び
前記補間駆動信号を順次前記制御音源に供給する駆動信
号出力制御手段と、を設けた。
【0011】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の能動型騒音制御装置において、補間駆動信号生
成手段は、時間軸上で隣合う前後の駆動信号の和に補間
係数を乗じて補間駆動信号を生成するようにした。さら
に、請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の能動型
騒音制御装置において、補間係数は、駆動信号生成手段
による駆動信号生成の周期と騒音の周期との比に基づい
て設定されることとした。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、駆動信号生成
手段が、騒音源の騒音発生状態を表す基準信号を適応デ
ィジタルフィルタでフィルタ処理して制御音源の駆動信
号を生成するから、この駆動信号によって制御音源が駆
動されれば、制御音源からは、空間内に伝達される騒音
に相関のある制御音が発生するが、制御開始直後は、適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数が最適値に収束し
ているとは限らないので、必ずしも制御音と騒音とが干
渉し合わないから空間内の騒音が低減されるとはいえな
い。
【0013】しかし、適応処理手段が、基準信号と残留
騒音信号とに基づいて空間内の騒音が低減するように適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新すると、制
御が進行するに従って適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数は最適値に向かって収束していくから、制御音と
騒音とが干渉し合って空間内の騒音が低減されるように
なる。
【0014】そして、補間駆動信号生成手段が、駆動信
号生成手段が生成した駆動信号を補間することにより補
間駆動信号を生成する。ここで、騒音源で発生する騒音
は周期的な騒音であることから、最終的に制御音源に供
給される駆動信号の基本周波数は、その騒音の基本周波
数と同じはずである。従って、駆動信号生成手段が基準
信号に基づいて生成した駆動信号を補間して、その駆動
信号の間を埋めるような補間駆動信号を演算によって求
めることは可能である。
【0015】よって、駆動信号出力制御手段が、駆動信
号生成手段が生成した駆動信号と補間駆動信号生成手段
が生成した補間駆動信号とを順次制御音源に供給する
と、見た目にはサンプリング周波数が高くなったことに
なる。そして、補間駆動信号は、駆動信号生成手段によ
って生成された駆動信号の間を埋めるような信号であ
り、特に時間軸上で隣合う前後の駆動信号の値から推定
できる。
【0016】そこで、請求項2記載の発明のように、そ
れら前後の駆動信号の和に、所定の補間係数を乗じて補
間駆動信号を生成することとすれば、非常に簡易な演算
であることから、演算負荷の増大を招くことなく、高精
度の補間駆動信号が生成されるようになる。さらに、騒
音源から発せられる騒音が周期的な騒音であることか
ら、駆動信号生成の周期と騒音の周期との比に基づけ
ば、時間軸上で隣合う前後の駆動信号の間を埋めるよう
な補間駆動信号の値を推定できる。
【0017】そこで、請求項3記載の発明のように、上
記請求項2記載の発明における補間係数を、駆動信号生
成の周期と騒音の周期との比に基づいて設定すれば、高
精度の補間駆動信号が生成されるようになる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1実施例の全体構成を示す
図であり、この実施例は、騒音源としてのエンジン4か
ら空間としての車室6内に伝達されるこもり音の低減を
図る車両用能動型騒音制御装置1に本発明を適用したも
のである。
【0019】先ず、構成を説明すると、車体3は、前輪
2a,2b,後輪2c,2d及び各車輪2a〜2dと車
体3との間に介在するサスペンションによって支持され
ている。なお、図1に示す車両は、前輪2a及び2bが
車体3前部に配置されたエンジン4によって回転駆動さ
れるいわゆる前置きエンジン前輪駆動車である。エンジ
ン4からは、点火タイミングに同期した点火パルスPI
がコントローラ10に供給されている。
【0020】また、車体3の車室6内には、制御音源と
してのラウドスピーカ7a,7b,7c及び7dが、前
部座席S1 ,S2 及び後部座席S3 ,S4 のそれぞれに
対向するドア部に配置されている。さらに、各座席S1
〜S4 のヘッドレスト位置には、残留騒音検出手段とし
てのマイクロフォン8a〜8hが、それぞれ二つずつ配
設されていて、これらマイクロフォン8a〜8hが音圧
として測定した残留騒音信号e1 〜e8 が、コントロー
ラ10に供給される。
【0021】そして、コントローラ10は、マイクロコ
ンピュータや必要なインタフェース回路等を含んで構成
されていて、エンジン4から供給される点火パルスPI
と、マイクロフォン8a〜8hから供給される残留騒音
信号e1 〜e8 とに基づいて、後述する演算処理を実行
し、車室6内に伝達されるこもり音を打ち消すような制
御音がラウドスピーカ7a〜7dから発せられるよう
に、それらラウドスピーカ7a〜7dに駆動信号y1
4 を出力する。
【0022】図2は、コントローラ10の機能構成を示
すブロック図であって、このコントローラ10は、点火
パルスPI と同じ周期の正弦波でなる基準信号xを生成
し出力する騒音発生状態検出手段としての正弦波生成部
11を有している。即ち、エンジン4から車室6内に伝
達されるこもり音は、エンジン4における点火タイミン
グに同期して発生する周期的な騒音であることから、点
火パルスPI と同じ周期の正弦波である基準信号xは、
こもり音と同じ周期であり従ってこもり音の発生状態を
表すことになる。
【0023】また、コントローラ10は、ラウドスピー
カ7a〜7dに対応した個数(M個:本実施例では、M
=4)の適応ディジタルフィルタWm (m=1〜M)
と、その適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数
mi(i=0〜I−1:Iは適応ディジタルフィルタW
m のタップ数(フィルタ係数の個数))と基準信号xと
を畳み込んで駆動信号ym を生成する駆動信号生成手段
としての駆動信号生成部13と、各ラウドスピーカ7a
〜7d及びマイクロフォン8a〜8h間の伝達関数を有
限インパルス応答関数の形でモデル化した伝達関数フィ
ルタC^lm(l=1〜L:Lはマイクロフォン8a〜8
hの個数であり、本実施例ではL=8)と、その伝達関
数フィルタC^lmの各フィルタ係数C^lmj (j=0〜
J−1:Jは伝達関数フィルタC^lmのタップ数)と基
準信号xとを畳み込んで基準処理信号rlmを生成し出力
する基準処理信号生成部14と、基準処理信号rlm及び
残留騒音信号e1 〜e8 に基づいて車室6内のこもり音
が低減するように駆動信号生成部13内の適応ディジタ
ルフィルタWm の各フィルタ係数Wmiを更新する適応処
理部15と、を有している。
【0024】ここで、本実施例にあっては、フィルタ係
数更新部15は、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数を更新するのに好適なアルゴリズムの一つであるLM
Sアルゴリズムに基づいて、適応ディジタルフィルタW
m の各フィルタ係数Wmiを更新するが、特に基準信号x
を伝達関数フィルタC^lmでフィルタ処理した値rlm
用いていることから、Filtered−X LMSア
ルゴリズムが実行されることになり、適応ディジタルフ
ィルタWm のフィルタ係数Wmiの更新式は下記の(1)
式のようになる。
【0025】 λW は発散抑制係数であって、1以下の値を採る。ま
た、αW は収束係数と呼ばれる係数であって、フィルタ
が最適に収束する速度やその安定性に関与する。なお、
(n)が付されている項は、サンプリング時刻nにおけ
る値であることを示している。
【0026】一方、駆動信号生成部13は、最新の駆動
信号ym (n)の他に、一つ前の駆動信号ym (n−
1)も出力するように例えばバッファを備えていて、そ
れら時間軸上で隣合う前後二つの駆動信号ym (n)及
びym (n−1)は、補間駆動信号生成部16に入力さ
れる。この補間駆動信号生成部16は、下記の(2)式
に示すように、それら時間軸上で隣合う前後二つの駆動
信号ym (n)及びym (n−1)の和に補間係数a I
を乗ずることにより、補間駆動信号Im (n)を演算す
る。
【0027】 Im (n)=aI {ym (n)+ym (n−1)} ……(2) ここで、補間駆動信号Im (n)は、駆動信号ym (n
−1)と駆動信号ym(n)との間を補間する信号であ
って、コントローラ10からラウドスピーカ7a〜7d
に駆動信号ym として出力した場合に、こもり音を低減
する制御音を発生させる信号である。
【0028】従って、補間係数aI をどのような値に設
定するかによって補間駆動信号Im(n)の精度が決ま
ってくることになるが、こもり音は周期的な騒音であ
り、その周期Nn は点火パルスPI の間隔を計測するこ
とにより容易に判る。また、駆動信号生成部13による
駆動信号ym の生成の周期Ny は予め設定されるもので
あるから既知である。そこで、 Im (n)=ym (n+0.5) =aI {ym (n)+ym (n+1)} と考える。そして、駆動信号生成部13が生成する駆動
信号ym (n)も正弦波で表現できることから、RN
n /Ny とすれば、 ym (n)=sinθ ym (n+1)=sin(θ+2π/RN ) となり、以上から、 sin(θ+π/RN )=aI {sinθ+sin(θ+2π/RN )} となる。これを解けば、 aI =1/cos(π/RN ) ……(3) が得られる。
【0029】さらに、コントローラ10は、駆動信号生
成部13が生成した最新の駆動信号ym (n)の一つ前
の駆動信号ym (n−1)と補間駆動信号生成部16が
生成した補間駆動信号Im (n)とが入力され、それら
駆動信号ym (n−1)及び補間駆動信号Im (n)
を、ラウドスピーカ7a〜7dに対する駆動信号ym
して、駆動信号生成部13による駆動信号ym の生成の
周期Ny (サンプリング周期)の半分の周期Ny /2で
順次出力する出力制御部17を有している。
【0030】図3はコントローラ10内で実行される処
理の概要を示すフローチャートであって、一サンプリン
グ周期毎に実行される。以下、図3に従って本実施例の
動作を説明する。先ず、ステップ101において現在記
憶している駆動信号ym (n)を一つ前の駆動信号ym
(n−1)として記憶した後に、ステップ102に移行
し、下記の(4)式に示すように適応ディジタルフィル
タWm の各フィルタ係数Wmiと基準信号xとを畳み込ん
で、駆動信号ym (n)を演算する。
【0031】 そして、ステップ103に移行して各マイクロフォン8
a〜8hから供給される残留騒音信号e1 〜e8 を読み
込んだ後に、ステップ104に移行し、下記の(5)式
に従って、基準処理信号rlmを演算する。
【0032】 ただし、このステップ104では、全ての基準処理信号
lm(n)を演算するのではなく、全体の半分であるl
=1〜4,m=1〜4の範囲についてのみ演算する。
【0033】そして、前回の処理において後述するステ
ップ110の処理を実行してからサンプリング周期の半
分の周期が経過したら、ステップ105に移行し、一つ
前の駆動信号ym (n−1)を、ラウドスピーカ7a〜
7dに対する駆動信号ym として出力する。次いで、ス
テップ106に移行し、上記(5)式に従って、残りの
l=5〜8,m=1〜4の範囲についての基準処理信号
lm(n)を演算し、そして、ステップ107に移行
し、上記(1)式に従って適応ディジタルフィルタWm
の各フィルタ係数Wmiを更新する。
【0034】このステップ107で適応ディジタルフィ
ルタWm の各フィルタ係数Wmiの更新が完了したら、ス
テップ108に移行し、上記(3)式に従って補間係数
Iを演算したら、ステップ109に移行し、上記
(2)式に従って、補間駆動信号Im (n)を演算す
る。そして、上述したステップ105の処理を実行して
からサンプリング周期の半分の周期が経過したら、ステ
ップ110に移行し、補間駆動信号Im (n)を、ラウ
ドスピーカ7a〜7dに対する駆動信号ym として出力
する。このステップ110の処理が完了したら、ステッ
プ101に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0035】この図3に示すような処理が実行される結
果、ラウドスピーカ7a〜7dからは、コントローラ1
0内における駆動信号ym (n)生成の周期の半分の周
期で、車室6内に制御音が発生するが、制御開始直後は
適応ディジタルフィルタWmの各フィルタ係数Wmiが最
適な値に収束しているとは限らないので、必ずしも車室
6内に伝達されたこもり音が低減されるとはいえない。
【0036】しかし、図3に示す処理が繰り返し実行さ
れると、ステップ107においてフィルタ係数Wmiが上
記(1)式に従って逐次更新されて最適値に向かって収
束していくから、車室6内に伝達されるこもり音がラウ
ドスピーカ7a〜7dから発せられる制御音によって打
ち消されるようになり、車室6内の騒音の低減が図られ
る。
【0037】そして、本実施例の構成であれば、一サン
プリング周期毎に実行される図3に示す処理において、
サンプリング周期の半分の周期毎にステップ105及び
ステップ110の処理が交互に実行されることになるた
め、コントローラ10からラウドスピーカ7a〜7dに
出力される駆動信号ym の出力間隔は、一サンプリング
周期の半分になる。
【0038】しかし、コントローラ10内における演算
処理は、一サンプリング周期毎に一つの駆動信号ym
生成してラウドスピーカ7a〜7dに出力する場合に比
べて、補間駆動信号Im (n)の演算に必要なステップ
108〜109の処理が増加しただけであり、ラウドス
ピーカ7a〜7dに対する駆動信号ym の出力間隔が半
分になったにも関わらず、演算量の増加は僅かである。
【0039】例えば、I=2,J=40とし簡単のため
に乗除加減のいずれの演算も1回を1演算単位とする
と、ステップ102で(2(加算)+2(乗算))×2
(m)=16演算単位((4)式参照)、ステップ10
4,106で(40(加算)+40(乗算))×8
(l)×4(m)=2560演算単位((5)式参
照)、ステップ107で(9(加算)+10(乗算))
×4(m)×2(i)=152演算単位((1)式参
照)、計2728演算単位に、ステップ108の3演算
単位(乗算,(3)式参照)及びステップ109の(1
(加算)+1(乗算))×2(m)=4演算単位を加え
た2735演算単位となる。即ち、約0.26%の演算量
の増加でサンプリング周波数を2倍に引き上げたのと同
等の効果が得られるのである。
【0040】また、伝達関数フィルタC^lmの各フィル
タ係数C^lmj と基準信号xとの畳み込み演算も、本実
施例ではステップ104及び106に分散しているが、
これはコントローラ10の演算能力を有効に活用するた
めの工夫あって、伝達関数フィルタC^lmのタップ数や
一サンプリング周期内に演算される基準処理信号rlm
数等が特に増大する訳ではない。従って、本実施例の構
成としても、必要なメモリ容量が大幅に増加してしまう
ようなこともない。
【0041】そして、車室6内に伝達されるこもり音が
周期的な騒音であることから、上述したステップ108
及び109の処理によって補間駆動信号Im (n)を算
出すれば、適応ディジタルフィルタWm で基準信号x
(n−0.5)をフィルタ処理することにより得られる真
の値と、補間駆動信号Im (n)との差は実用レベルで
は無視できる範囲に収まる。つまり、補間駆動信号の演
算が正弦波の補間を前提にしているものであるのに対
し、現実の車室内騒音は支配的な次数成分,4サイクル
4気筒エンジンであればエンジン回転2次成分,だけで
なく、その他の次数成分も含んだものであるため、真の
値もそれら支配的でない次数成分をも含んだ形となるは
ずだが、補間駆動信号でも支配的な成分は制御できるか
ら、実用上は十分である。従って、その補間駆動信号I
m (n)を、駆動信号ym (n−1)とym (n)との
間に出力しても、騒音低減効果を劣化させてしまうよう
なことはない。
【0042】このように、本実施例の構成であれば、騒
音低減効果の劣化や、演算量,メモリ容量の大幅な増大
等を招くことなく、ラウドスピーカ7a〜7dに対する
駆動信号ym の出力間隔を、半分にすることができる。
つまり、見掛け上のサンプリング周期は、真のサンプリ
ング周期の半分になる。そして、駆動信号ym の出力間
隔が狭くなれば、コントローラ10の出力段に特別遮断
特性が鋭いローパス・フィルタを設ける必要がない。
【0043】つまり、本実施例の構成であれば、コント
ローラ10自体に高価な演算素子や大メモリ容量が不要
であるとともに、コントローラ10の出力段に設けられ
るローパス・フィルタも安価なもので済むから、システ
ム全体のコストダウンを図ることができるのである。な
お、本実施例によれば、最新の駆動信号ym (n)と一
つ前の駆動信号ym(n−1)とに基づいて、それらの
間に出力する補間駆動信号Im (n)を演算する構成で
あるため、駆動信号生成部13の出力が、一サンプリン
グ周期ずつ遅れてラウドスピーカ7a〜7dに供給され
るようになるが、エンジン4で発生するこもり音は、車
室6内の乗員の耳位置に到達するまで所定時間を要する
ものであり、且つ、車両用のコントローラ10に通常用
いられるマイクロコンピュータの処理能力であれば、駆
動信号ym (n−1)を出力するタイミングよりも前に
駆動信号ym (n)を算出することは困難でないから、
特に不具合はない。ただし、駆動信号生成部13の出力
が一サンプリング周期ずつ遅れることは、基準処理信号
生成部14及びフィルタ係数更新部15における処理に
反映されなければならない。
【0044】ここで、本実施例にあっては、基準処理信
号生成部14,フィルタ係数更新部15及びステップ1
04,106,107の処理によって適応処理手段が構
成され、補間駆動信号生成部16及びステップ108,
109の処理によって補間駆動信号生成手段が構成さ
れ、出力制御部17及びステップ101,105,11
0の処理によって駆動信号出力制御手段が構成される。
【0045】図4乃至図6は本発明の第2実施例を示す
図であって、図4は上記第1実施例における図1と同様
にシステム全体の構成を示し、図5は上記第1実施例に
おける図2と同様にコントローラ10の機能構成を示し
ている。即ち、本実施例にあっては、図4に示すよう
に、エンジン4にはクランク角センサ5が取り付けられ
ていて、このクランク角センサ5は、エンジン4のクラ
ンク角に同期した(例えばクランクが1°回転する度に
一つのパルス信号でなる)クランク角信号Xをコントロ
ーラ10に供給する。
【0046】そして、コントローラ10における駆動信
号ym の演算処理に、本実施例は、同期式LMSアルゴ
リズムを適用したものである。同期式LMSアルゴリズ
ムとは、騒音の基本周波数に同期したインパルス列を基
準信号として用いたLMSアルゴリズムのことである
(“日本音響学会講演論文集 平成4年3月”515〜
516頁に詳しい。)。
【0047】そこで、図5に示すように、コントローラ
10は、クランク角信号Xに基づき、こもり音に同期し
たインパルス列でなる基準信号xを生成し出力するイン
パルス信号生成部20を有している。さらに、コントロ
ーラ10は、クランク角信号Xに基づき、基準信号xの
2N倍(Nは整数)の周波数の(例えば、レシプロ4気
筒の場合、N=10であれば、クランクが9°回転する
度に一つのパルスでなる)クロックパルスCP を生成し
出力するクロックパルス生成部21を有しており、コン
トローラ10内の各処理は、基本的にはそのクロックパ
ルスCP に同期して実行される。
【0048】ここで、基準信号xがインパルス列である
同期式LMSアルゴリズム(正確には、同期式Filt
ered−X LMSアルゴリズム)が実行されるた
め、駆動信号生成部13は、基準信号xの最新のインパ
ルスが生成された時点を起点とし、その起点と、そこか
らクロックパルスCP が二回入力される度にフィルタ係
数Wmiを順次出力することになる。また、適応ディジタ
ルフィルタWm の各フィルタ係数Wmiの更新式は、下記
の(6)式又は(7)式のようになる。
【0049】 なお、添字kは、一サンプリング周期(N回)内の何番
目の処理に対応するかを表す変数であって、0からN−
1までの値を採る。
【0050】また、本実施例では、一サンプリング周期
を2N分割してクロックパルスCPを生成しており、且
つ、駆動信号生成部13は、二回クロックパルスCP
入力される度に、駆動信号としてフィルタ係数Wmiを順
次出力することから、駆動信号生成部13におけるフィ
ルタ係数Wmiの生成の周期と、こもり音の周期との比R
N は定数であるNとなり、従って、補間係数aI は下記
の(8)式のように定数となる。
【0051】 aI =1/cos(π/N) ……(8) そして、駆動信号生成部13が出力する駆動信号は、適
応ディジタルフィルタWm のフィルタ係数Wmiに等しい
ことから、次の時刻(k+1)の出力は次のフィルタ係
数Wm(k+1)として既知である。よって、駆動信号生成部
13の出力を出力制御部17で遅らせる必要はなく、補
間駆動信号Imkは、下記の(9)式によって演算され
る。
【0052】 Imk=aI {Wmk+Wm(k+1)} ……(9) 図6は、本実施例のコントローラ10における処理の概
要を示すフローチャートである。ただし、後述するステ
ップ201〜204の一連の処理及びステップ205〜
207の一連の処理のそれぞれが、クロックパルスCP
に同期して実行される。従って、この図6に示す処理の
周期は、クロックパルスCP の二倍の周期となる。
【0053】先ず、ステップ201において残留騒音信
号el を読み込んだら、ステップ202に移行し、上記
(6)又は(7)式に従って、適応ディジタルフィルタ
mの各フィルタ係数Wmiを更新する。ただし、このス
テップ202では、m=1及びm=2についてのみフィ
ルタ係数Wmiを更新する。そして、ステップ203に移
行し、フィルタ係数Wmkを駆動信号ym として設定し、
この駆動信号ym をステップ204で各ラウドスピーカ
7a〜7dに出力する。
【0054】次いで、ステップ205に移行し、上記
(6)又は(7)式に従って、適応ディジタルフィルタ
m の各フィルタ係数Wmiを更新するが、ここでは、m
=3及びm=4についてフィルタ係数Wmiを更新する。
そして、ステップ206に移行し、上記(9)式に従っ
て補間駆動信号Imkを演算し、この補間駆動信号Imk
ステップ207で駆動信号ym として各ラウドスピーカ
7a〜7dに出力する。ステップ207の処理を終えた
ら、ステップ201に戻って上述した処理を繰り返し実
行する。
【0055】このような処理を実行する結果、コントロ
ーラ10からラウドスピーカ7a〜7dに対して、駆動
信号生成部13の出力間隔の半分の間隔で駆動信号ym
が出力されるため、上記第1実施例と同様の作用効果が
得られる。しかも、本実施例にあっては、基準信号xが
大きさ“1”のインパルス列であるため、駆動信号生成
部13及び基準処理信号生成部14におけるフィルタ処
理が、フィルタ係数を出力するという非常に簡易な処理
で済むとともに、補間係数aI が定数であることから補
間駆動信号Imkの演算の簡略化されているので、上記第
1実施例よりもさらに演算量の低減が図られる。なお、
本実施例では、適応ディジタルフィルタWm のフィルタ
係数Wmiの更新演算を、ステップ202及びステップ2
05に分散して、ステップ201〜204の一連の処理
とステップ205〜207の一連の処理との間で演算量
が均一になるように調整している。
【0056】そして、演算量が低減されれば、コントロ
ーラ10を構成する演算素子が安価で済み、上記第1実
施例よりもさらにコストの低減が図られる。ここで、本
実施例では、クランク角センサ5及びインパルス信号生
成部20によって騒音発生状態検出手段が構成され、補
間駆動信号生成部16及びステップ206の処理によっ
て補間駆動信号生成手段が構成され、出力制御部17及
びステップ203,204,207の処理によって駆動
信号出力制御手段が構成される。
【0057】図7は、本発明の第3実施例を示す図であ
って、コントローラ10内で実行される処理の概要を示
すフローチャートである。なお、基本的な構成は上記第
2実施例と同様であるため、その図示及び説明は省略す
る。即ち、上記第2実施例のように、駆動信号生成部1
3の出力間隔が騒音の周期によって可変であるというこ
とは、エンジン回転数が低回転の場合と高回転の場合と
でサンプリング周期が異なるということであり、より具
体的には、低回転の場合には余裕があっても、高回転に
なるに従って余裕が少なくなることになる。従って、低
回転の場合には充分に演算が間に合っても、高回転の場
合には間に合わない恐れがあるから、コントローラ10
の設計は、高回転の場合の演算負荷を考慮して行う必要
がある。
【0058】しかし、高回転の場合には、高調波成分ま
で考慮して厳密に演算しても、コントローラ10の出力
段に設けられるローパス・フィルタによって遮断されて
しまうため、厳密な演算をする必要性は小さいといえ
る。そこで、本実施例では、低回転の場合には、高調波
まで精度良く演算されるように全てのフィルタ係数Wmi
に対する更新演算及び駆動信号ym の生成演算を行う一
方、高回転の場合には、上記第2実施例のような補間演
算を行うことにより、全回転数域でラウドスピーカ7a
〜7dに対する駆動信号ym の出力周期を短くし、且
つ、コントローラ10の演算能力を有効に活用するよう
にしている。
【0059】具体的には、適応ディジタルフィルタWm
を予め2Nタップ用意しておくとともに、そのステップ
301で、クランク角信号Xの間隔に基づいて、エンジ
ン回転数rpmを演算する。そして、ステップ302に
おいて、そのエンジン回転数rpmと、低回転数か否か
を判定し得るしきい値RPM0 とを比較して、低回転数
域にあるか否かを判断する。
【0060】このステップ302の判定が「YES」の
場合には、ステップ303に移行して、上記第2実施例
のような補間は行わず、全てのフィルタ係数Wmiに対す
る更新演算及び駆動信号ym の生成演算を行うことによ
り、適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数Wmi
と基準信号xとの畳み込み演算によって求められた駆動
信号ym を各ラウドスピーカ7a〜7dに出力する。
【0061】一方、ステップ302の判定が「NO」の
場合には、ステップ304に移行し、エンジン回転数r
pmと、高回転数か否かを判定し得るしきい値RPM1
とを比較し、このステップ304の判定が「NO」の場
合には、ステップ305に移行し、高回転数域の処理を
実行する。具体的には、偶数番号のフィルタ係数Wmi
使用して上記第2実施例と同様の処理を実行する。従っ
て、N個のフィルタ係数Wmiと、N個の補間駆動信号I
mkとが交互に出力されるから、上記第2実施例と同様の
作用効果が得られる。なお、この場合には、補間駆動信
号Imkは、下記の(10)式のようになる。
【0062】 Imk=aI {Wmk+Wm(k+2)} ……(10) なお、ステップ304の判定が「YES」の場合には、
「NO」と判定された場合に比べて演算時間に余裕のあ
る中回転数域であるから、ステップ306に移行し、中
回転数域の処理を実行する。具体的には、上記ステップ
305と同様の処理を実行する一方、下記の(11)式の
演算を実行する。
【0063】 Wm(k+1)=Imk ……(11) ここで、ステップ305における高回転数域の処理で
は、適応ディジタルフィルタWm のフィルタ係数Wmi
内、偶数番号のフィルタ係数Wmiのみを更新するため、
高回転数域から低回転数域に直接移行すると奇数番号の
フィルタ係数Wmiの更新がスムーズに行えない恐れがあ
る。
【0064】そこで、低回転数域程ではないが比較的演
算時間に余裕のある中回転数域において上記(11)式の
ような演算を実行すれば、演算量の僅かな増加で、低回
転数域に移行した場合のスムーズな適応が可能となる。
なぜならば、上記(11)式で奇数番号のフィルタ係数W
m(k+1)に代入される補間駆動信号Imkは、上記(10)式
からも明らかなように、偶数番号のフィルタ係数Wmk
びWm(k+2)間を補間するべく演算した結果だからであ
る。
【0065】なお、上記各実施例では、補間駆動信号を
適宜生成し出力することによりサンプリング周期を2倍
にする場合について説明したが、これは2倍以上であっ
てもよい。特に、2の累乗(2,4,8,…,)であれ
ば、出力制御部17の出力を新たな駆動信号として再帰
的に補間駆動信号を生成すれば、同じアルゴリズムを用
いて容易にサンプリング周期を短くすることができる。
ただし、補間係数aIは新たに計算する必要がある。
【0066】また、上記各実施例では、補間係数aI
演算によって求めているが、騒音の周期と補間係数aI
との関係に基づく記憶テーブルを予め作成しておいて、
そこから読み出すようにしてもよい。さらに、上記各実
施例では、本発明に係る能動型騒音制御装置を、車室内
に伝達される周期的な騒音である車両のこもり音の低減
を図る装置に適用した場合について説明したが、本発明
の適用対象はこれに限定されるものではなく、他の周期
騒音であってもよいし、車室以外の空間であっても当然
に適用可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
騒音の発生状態を表す基準信号を適応ディジタルフィル
タでフィルタ処理することにより生成した駆動信号を補
間して補間駆動信号を生成し、それら駆動信号及び補間
駆動信号を順次制御音源に供給する構成としたため、演
算量やメモリ容量の大幅な増大を招くことなく、制御音
源に対する駆動信号の出力間隔を短くすることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す図であ
る。
【図2】第1実施例のコントローラの機能構成を示すブ
ロック図である。
【図3】第1実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例の全体構成を示す図であ
る。
【図5】第2実施例のコントローラの機能構成を示すブ
ロック図である。
【図6】第2実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【図7】第3実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用能動型騒音制御装置 4 エンジン(騒音源) 5 クランク角センサ 6 車室(空間) 7a〜7d ラウドスピーカ(制御音源) 8a〜8h マイクロフォン(残留騒音検出手段) 10 コントローラ 11 正弦波生成部 13 駆動信号生成部(駆動信号生成手段) 14 基準処理信号生成部 15 フィルタ係数更新部 16 補間駆動信号生成部 17 出力制御部 20 インパルス信号生成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 21/00 7037−5J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的な騒音を発する騒音源から騒音が
    伝達される空間に制御音を発生可能な制御音源と、前記
    騒音源の騒音発生状態を検出し基準信号として出力する
    騒音発生状態検出手段と、前記空間内の所定位置におけ
    る残留騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留騒
    音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィ
    ルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタで
    フィルタ処理して前記制御音源の駆動信号を生成する駆
    動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号
    に基づいて前記空間内の騒音が低減するように前記適応
    ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理
    手段と、を備えた能動型騒音制御装置において、前記駆
    動信号を補間することにより補間駆動信号を生成する補
    間駆動信号生成手段と、前記駆動信号及び前記補間駆動
    信号を順次前記制御音源に供給する駆動信号出力制御手
    段と、を設けたことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 補間駆動信号生成手段は、時間軸上で隣
    合う前後の駆動信号の和に補間係数を乗じて補間駆動信
    号を生成する請求項1記載の能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 補間係数は、駆動信号生成手段による駆
    動信号生成の周期と騒音の周期との比に基づいて設定さ
    れる請求項2記載の能動型騒音制御装置。
JP5014135A 1993-01-29 1993-01-29 能動型騒音制御装置 Pending JPH06230787A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5978489A (en) * 1997-05-05 1999-11-02 Oregon Graduate Institute Of Science And Technology Multi-actuator system for active sound and vibration cancellation
JP2000112483A (ja) * 1998-10-07 2000-04-21 Fujitsu Ltd 能動雑音制御方法及び受話装置
JP2011126299A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Honda Motor Co Ltd 能動型騒音制御装置

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JP2000112483A (ja) * 1998-10-07 2000-04-21 Fujitsu Ltd 能動雑音制御方法及び受話装置
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