JPH0784585A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents
能動型騒音制御装置Info
- Publication number
- JPH0784585A JPH0784585A JP5228952A JP22895293A JPH0784585A JP H0784585 A JPH0784585 A JP H0784585A JP 5228952 A JP5228952 A JP 5228952A JP 22895293 A JP22895293 A JP 22895293A JP H0784585 A JPH0784585 A JP H0784585A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- reference signal
- cycle
- noise
- deviation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
- Exhaust Silencers (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
- Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】実際の騒音発生状態を表すパルス信号の周期
と、フィードフォワード制御の基礎となる基準信号の周
期との間のずれがなくなるようにする。 【構成】クランク角センサ5から供給されるクランク角
信号CPから求められる周期TK をそのまま用いて基準
信号xを生成するのではなく、ずれ検出部16が検出し
た周期ずれΔTに基づき基準信号補正部17が補正した
周期TS (=TK−ΔK)によって基準信号xを生成す
るように構成する。そして、ずれ検出部16は、例えば
適応ディジタルフィルタ13のフィルタ係数の変化の周
期性に基づいて、実際のクランク角信号CPと基準信号
xとの間の周期ずれΔTを検出するように構成する。
と、フィードフォワード制御の基礎となる基準信号の周
期との間のずれがなくなるようにする。 【構成】クランク角センサ5から供給されるクランク角
信号CPから求められる周期TK をそのまま用いて基準
信号xを生成するのではなく、ずれ検出部16が検出し
た周期ずれΔTに基づき基準信号補正部17が補正した
周期TS (=TK−ΔK)によって基準信号xを生成す
るように構成する。そして、ずれ検出部16は、例えば
適応ディジタルフィルタ13のフィルタ係数の変化の周
期性に基づいて、実際のクランク角信号CPと基準信号
xとの間の周期ずれΔTを検出するように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音源から伝達され
る周期的な騒音に制御音源から発せられる制御音を干渉
させることにより騒音の低減を図る能動型騒音制御装置
に関し、特に、騒音の発生状態を表す基準信号に基づい
てフィードフォワード制御を実行する装置において、そ
の基準信号と実際に発生する騒音との間のずれを小さく
できるようにしたものである。
る周期的な騒音に制御音源から発せられる制御音を干渉
させることにより騒音の低減を図る能動型騒音制御装置
に関し、特に、騒音の発生状態を表す基準信号に基づい
てフィードフォワード制御を実行する装置において、そ
の基準信号と実際に発生する騒音との間のずれを小さく
できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型騒音制御装置として、英国
特許第2149614号や特表平1−501344号に
記載のものがある。この従来の技術は、例えば航空機の
客室等の閉空間に適用される騒音低減装置であって、そ
のような閉空間内の複数の位置に設置され音圧を検出す
るマイクロフォンと、その閉空間に制御音を発生する複
数のラウドスピーカとを備え、騒音源の騒音発生状態に
基づいて、閉空間に伝達される騒音と逆位相の制御音を
ラウドスピーカから発生させて騒音を打ち消している。
特許第2149614号や特表平1−501344号に
記載のものがある。この従来の技術は、例えば航空機の
客室等の閉空間に適用される騒音低減装置であって、そ
のような閉空間内の複数の位置に設置され音圧を検出す
るマイクロフォンと、その閉空間に制御音を発生する複
数のラウドスピーカとを備え、騒音源の騒音発生状態に
基づいて、閉空間に伝達される騒音と逆位相の制御音を
ラウドスピーカから発生させて騒音を打ち消している。
【0003】そして、ラウドスピーカから発せられる制
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692−1975, “ADAPTIVE NOISE CANSELLATION
:PRINCIPLES AND APPLICATIONS ”で述べられている
‘WIDROW LMS’アルゴリズムを多チャンネルに展開した
アルゴリズムを適用している。その内容は上記特許の発
明者による論文、“A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHM A
ND ITS APPLICATION TOTHE ACTIVE CONTROL OF SOUND A
ND VIBRATION ”,IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNAL P
ROCESSING,VOL.ASSP −35,PP.1423−1434,1987 にも述
べられている。
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692−1975, “ADAPTIVE NOISE CANSELLATION
:PRINCIPLES AND APPLICATIONS ”で述べられている
‘WIDROW LMS’アルゴリズムを多チャンネルに展開した
アルゴリズムを適用している。その内容は上記特許の発
明者による論文、“A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHM A
ND ITS APPLICATION TOTHE ACTIVE CONTROL OF SOUND A
ND VIBRATION ”,IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNAL P
ROCESSING,VOL.ASSP −35,PP.1423−1434,1987 にも述
べられている。
【0004】即ち、LMSアルゴリズムは、適応型ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なア
ルゴリズムの一つであって、例えば、いわゆるFilt
ered−X LMSアルゴリズムにあっては、ラウド
スピーカからマイクロフォンまでの音響伝達特性を表す
フィルタを、全てのラウドスピーカとマイクロフォンと
の組み合わせについて設定し、騒音源の騒音発生状態を
表す基準信号をそのフィルタで処理した値と、各マイク
ロフォンが検出した残留騒音とに基づいて、各ラウドス
ピーカ毎に設けられた適応型ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を更新している。
ジタルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なア
ルゴリズムの一つであって、例えば、いわゆるFilt
ered−X LMSアルゴリズムにあっては、ラウド
スピーカからマイクロフォンまでの音響伝達特性を表す
フィルタを、全てのラウドスピーカとマイクロフォンと
の組み合わせについて設定し、騒音源の騒音発生状態を
表す基準信号をそのフィルタで処理した値と、各マイク
ロフォンが検出した残留騒音とに基づいて、各ラウドス
ピーカ毎に設けられた適応型ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を更新している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述のような
能動型騒音制御装置を、例えば車両のエンジンから車室
に伝達される周期的な騒音であるこもり音の低減を図る
装置に適用した場合には、騒音源であるエンジンの駆動
状況に応じた基準信号を生成する必要があり、一般に
は、エンジンのクランクの回転運動に同期したパルス信
号であるクランク角信号を読み込み、そのクランク角信
号と同じ周期の正弦波を生成しこれを基準信号としてい
る。
能動型騒音制御装置を、例えば車両のエンジンから車室
に伝達される周期的な騒音であるこもり音の低減を図る
装置に適用した場合には、騒音源であるエンジンの駆動
状況に応じた基準信号を生成する必要があり、一般に
は、エンジンのクランクの回転運動に同期したパルス信
号であるクランク角信号を読み込み、そのクランク角信
号と同じ周期の正弦波を生成しこれを基準信号としてい
る。
【0006】しかしながら、実際のクランク角信号がこ
もり音に正確に同期した信号であっても、例えば図10
に示すように、マイクロコンピュータ等で構成されるコ
ントローラのサンプリング・クロックのタイミングでク
ランク角信号が発生するとは限らないので、実際のクラ
ンク角信号とコントローラに読み込まれたクランク角信
号との間に、周期ずれが生じてしまうという問題点があ
る。
もり音に正確に同期した信号であっても、例えば図10
に示すように、マイクロコンピュータ等で構成されるコ
ントローラのサンプリング・クロックのタイミングでク
ランク角信号が発生するとは限らないので、実際のクラ
ンク角信号とコントローラに読み込まれたクランク角信
号との間に、周期ずれが生じてしまうという問題点があ
る。
【0007】しかも、クランク角信号の周期は、一のパ
ルスが発生した後に次のパルスが発生した時点で初めて
知ることができることから、読み込まれたクランク角信
号と基準信号との間には常に一周期以上の遅れが生じる
ことになるので、各周期毎の基準信号の始点を、クラン
ク角信号の入力時点に強制的に一致させてしまうと、ク
ランク角信号の周期が増減した時等に不連続点が生じ、
このままでは制御音が不連続となる。従って、一つ前の
周期における基準信号xの最後の値と、最新の周期にお
ける基準信号xの最初の値とを連続させる位相あわせを
行って基準信号の不連続点をなくす必要があるが、これ
では、不連続点がなくなる代わりにクランク角信号と基
準信号との間に位相差θが生じてしまう。そして、位相
合わせが行われる度に位相差θが次々に累積されて大き
くなってしまうから、実際のクランク角信号の周期と基
準信号の周期との間に大きなずれが生じ、騒音制御の制
御特性を劣化させる原因となるばかりか、周期のずれた
制御音が発生してしまい乗員に不快感を与えるおそれも
ある。
ルスが発生した後に次のパルスが発生した時点で初めて
知ることができることから、読み込まれたクランク角信
号と基準信号との間には常に一周期以上の遅れが生じる
ことになるので、各周期毎の基準信号の始点を、クラン
ク角信号の入力時点に強制的に一致させてしまうと、ク
ランク角信号の周期が増減した時等に不連続点が生じ、
このままでは制御音が不連続となる。従って、一つ前の
周期における基準信号xの最後の値と、最新の周期にお
ける基準信号xの最初の値とを連続させる位相あわせを
行って基準信号の不連続点をなくす必要があるが、これ
では、不連続点がなくなる代わりにクランク角信号と基
準信号との間に位相差θが生じてしまう。そして、位相
合わせが行われる度に位相差θが次々に累積されて大き
くなってしまうから、実際のクランク角信号の周期と基
準信号の周期との間に大きなずれが生じ、騒音制御の制
御特性を劣化させる原因となるばかりか、周期のずれた
制御音が発生してしまい乗員に不快感を与えるおそれも
ある。
【0008】なお、図10では、従来の問題点を判り易
くするために、サンプリング・クロックの間隔を実際よ
りも大きくしている。そして、クランク角信号の周期と
基準信号の周期との間にずれが生じた状況のままでLM
Sアルゴリズム等に従って騒音低減制御を実行すると、
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を適宜変更する
ことにより騒音の周期と制御音の周期とを一致させるよ
うな処理が実行されるため、適応ディジタルフィルタの
最適値が常に移動し、そのフィルタ係数は一定の値に落
ち着くことがなく常に変化するようになる。従って、騒
音低減効果を得るためには適応ディジタルフィルタの収
束速度を充分に高める必要が生じるのであるが、収束速
度を高めるために例えば適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数の更新式に用いられる収束係数を大きくする
と、上記論文にも述べられているように、制御が発散す
る可能性が高くなってしまうのである。
くするために、サンプリング・クロックの間隔を実際よ
りも大きくしている。そして、クランク角信号の周期と
基準信号の周期との間にずれが生じた状況のままでLM
Sアルゴリズム等に従って騒音低減制御を実行すると、
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を適宜変更する
ことにより騒音の周期と制御音の周期とを一致させるよ
うな処理が実行されるため、適応ディジタルフィルタの
最適値が常に移動し、そのフィルタ係数は一定の値に落
ち着くことがなく常に変化するようになる。従って、騒
音低減効果を得るためには適応ディジタルフィルタの収
束速度を充分に高める必要が生じるのであるが、収束速
度を高めるために例えば適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数の更新式に用いられる収束係数を大きくする
と、上記論文にも述べられているように、制御が発散す
る可能性が高くなってしまうのである。
【0009】しかも、フィルタ係数が頻繁に更新される
結果、一時的にフィルタ係数が過大な値をとる可能性が
高くなるため、例えば適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数の大きさに基づいて制御の発散を検出するような
構成とすると、制御が発散していないにも関わらずそれ
を誤検出してしまう可能性が高くなる。つまり、実際の
クランク角信号の周期と基準信号の周期との間にずれが
生じてしまうと、適応ディジタルフィルタの収束が不十
分になり良好な騒音低減効果が得られなくなるか、或い
は、収束が速くなる代わりに制御発散の可能性が高くな
り制御が不安定になるのである。
結果、一時的にフィルタ係数が過大な値をとる可能性が
高くなるため、例えば適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数の大きさに基づいて制御の発散を検出するような
構成とすると、制御が発散していないにも関わらずそれ
を誤検出してしまう可能性が高くなる。つまり、実際の
クランク角信号の周期と基準信号の周期との間にずれが
生じてしまうと、適応ディジタルフィルタの収束が不十
分になり良好な騒音低減効果が得られなくなるか、或い
は、収束が速くなる代わりに制御発散の可能性が高くな
り制御が不安定になるのである。
【0010】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、基準信
号の周期と実際に発生する騒音の周期との間のずれを小
さくすることができる能動型騒音制御装置を提供するこ
とを目的としている。
未解決の課題に着目してなされたものであって、基準信
号の周期と実際に発生する騒音の周期との間のずれを小
さくすることができる能動型騒音制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明である能動型騒音制御装置は、
騒音源から発せられた周期的な騒音が伝達される空間に
制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生
状態に基づいて前記周期的な騒音に同期したパルス信号
を生成するパルス信号生成手段と、前記空間内の所定位
置における残留騒音を検出し残留騒音信号として出力す
る残留騒音検出手段と、前記パルス信号と同じ周期の信
号でなる基準信号を生成する基準信号生成手段と、フィ
ルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信
号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前
記制御音源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成
手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づいて
前記空間内の騒音が低減するように前記適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段と、前
記パルス信号の周期と前記基準信号の周期との間のずれ
を検出する周期ずれ検出手段と、この周期ずれ検出手段
の検出結果に基づいて前記基準信号を補正する基準信号
補正手段と、を備えたものである。
に、請求項1に係る発明である能動型騒音制御装置は、
騒音源から発せられた周期的な騒音が伝達される空間に
制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生
状態に基づいて前記周期的な騒音に同期したパルス信号
を生成するパルス信号生成手段と、前記空間内の所定位
置における残留騒音を検出し残留騒音信号として出力す
る残留騒音検出手段と、前記パルス信号と同じ周期の信
号でなる基準信号を生成する基準信号生成手段と、フィ
ルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信
号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前
記制御音源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成
手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づいて
前記空間内の騒音が低減するように前記適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段と、前
記パルス信号の周期と前記基準信号の周期との間のずれ
を検出する周期ずれ検出手段と、この周期ずれ検出手段
の検出結果に基づいて前記基準信号を補正する基準信号
補正手段と、を備えたものである。
【0012】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明において、周期ずれ検出手段は、適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数の変化状況に基づいて、
パルス信号の周期と基準信号の周期との間のずれを検出
するものである。そして、請求項3に係る発明は、上記
請求項1に係る発明において、周期ずれ検出手段は、基
準信号の周期に基づいて、パルス信号の周期と基準信号
の周期との間のずれを検出するものである。
1に係る発明において、周期ずれ検出手段は、適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数の変化状況に基づいて、
パルス信号の周期と基準信号の周期との間のずれを検出
するものである。そして、請求項3に係る発明は、上記
請求項1に係る発明において、周期ずれ検出手段は、基
準信号の周期に基づいて、パルス信号の周期と基準信号
の周期との間のずれを検出するものである。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明にあっては、基準信号はパ
ルス信号生成手段が生成したパルス信号と同じ周期の信
号であり、そのパルス信号生成手段は騒音源の騒音発生
状態に基づいて周期的な騒音と同じ周期のパルス信号を
生成するものであるため、基準信号を適応ディジタルフ
ィルタでフィルタ処理して駆動信号を生成すれば、その
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の値が良好であ
れば、騒音源から伝達される周期的な騒音を打ち消すよ
うな制御音(より具体的には、周期的な騒音と打ち消さ
れるべき位置で逆相の制御音)が制御音源から発せら
れ、空間内の騒音レベルが低減する。
ルス信号生成手段が生成したパルス信号と同じ周期の信
号であり、そのパルス信号生成手段は騒音源の騒音発生
状態に基づいて周期的な騒音と同じ周期のパルス信号を
生成するものであるため、基準信号を適応ディジタルフ
ィルタでフィルタ処理して駆動信号を生成すれば、その
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の値が良好であ
れば、騒音源から伝達される周期的な騒音を打ち消すよ
うな制御音(より具体的には、周期的な騒音と打ち消さ
れるべき位置で逆相の制御音)が制御音源から発せら
れ、空間内の騒音レベルが低減する。
【0014】なお、適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数は、適応処理手段によって、騒音の発生状態を表す
基準信号と、騒音の低減状態を表す残留騒音信号とに基
づき適宜更新されるため、適宜制御が進行すれば、最適
値に収束する。そして、周期ずれ検出手段が、パルス信
号の周期と基準信号の周期との間のずれを検出し、その
検出されたずれに基づいて基準信号補正手段が基準信号
を補正するから、基準信号の周期は、実際の騒音源にお
ける騒音の発生状態を表すパルス信号の周期に一致又は
略一致するようになる。
係数は、適応処理手段によって、騒音の発生状態を表す
基準信号と、騒音の低減状態を表す残留騒音信号とに基
づき適宜更新されるため、適宜制御が進行すれば、最適
値に収束する。そして、周期ずれ検出手段が、パルス信
号の周期と基準信号の周期との間のずれを検出し、その
検出されたずれに基づいて基準信号補正手段が基準信号
を補正するから、基準信号の周期は、実際の騒音源にお
ける騒音の発生状態を表すパルス信号の周期に一致又は
略一致するようになる。
【0015】ここで、周期ずれ検出手段の具体的な構成
としては、請求項2又は請求項3に記載されるようなも
のが考えられる。即ち、例えばパルス信号の周期と基準
信号の周期との間にずれが生じると、上述したように適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数が常に変化するこ
とから、請求項2に係る能動型騒音制御装置のように、
その適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の変化状況
に基づいて、パルス信号の周期と基準信号の周期との間
のずれが検出される。
としては、請求項2又は請求項3に記載されるようなも
のが考えられる。即ち、例えばパルス信号の周期と基準
信号の周期との間にずれが生じると、上述したように適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数が常に変化するこ
とから、請求項2に係る能動型騒音制御装置のように、
その適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の変化状況
に基づいて、パルス信号の周期と基準信号の周期との間
のずれが検出される。
【0016】また、パルス信号の周期と基準信号の周期
との間のずれは、図10で説明したように、実際のクラ
ンク角信号とサンプリング・クロックとの関係によって
生じるのであるが、サンプリング・クロックは使用する
コントローラ内のマイクロコンピュータ等によって決ま
るため、結局のところ、実際のクランク角信号の周期が
判れば、ずれは略推定することが可能になる。しかし、
実際のクランク角信号は図10で説明したように制御実
行中には未知である。
との間のずれは、図10で説明したように、実際のクラ
ンク角信号とサンプリング・クロックとの関係によって
生じるのであるが、サンプリング・クロックは使用する
コントローラ内のマイクロコンピュータ等によって決ま
るため、結局のところ、実際のクランク角信号の周期が
判れば、ずれは略推定することが可能になる。しかし、
実際のクランク角信号は図10で説明したように制御実
行中には未知である。
【0017】そこで、本発明者は、知り得る範囲で実際
のクランク角信号に最も近い信号、即ち、基準信号の周
期に基づいて、パルス信号の周期と基準信号の周期との
間のずれが推定できると考え、実験を試みたところ、パ
ルス信号の周期及び基準信号の周期間のずれと、基準信
号の周期との間に、略比例関係が存在することを見出し
たものである。
のクランク角信号に最も近い信号、即ち、基準信号の周
期に基づいて、パルス信号の周期と基準信号の周期との
間のずれが推定できると考え、実験を試みたところ、パ
ルス信号の周期及び基準信号の周期間のずれと、基準信
号の周期との間に、略比例関係が存在することを見出し
たものである。
【0018】よって、請求項3に係る能動型騒音制御装
置のように、基準信号の周期に基づけば、パルス信号の
周期と基準信号の周期との間のずれが検出される。
置のように、基準信号の周期に基づけば、パルス信号の
周期と基準信号の周期との間のずれが検出される。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1及び図2は本発明の第1実施例の構成を示
す図であり、これは、本発明に係る能動型騒音制御装置
を、車両2の車室3内の騒音の低減を図る車両用能動型
騒音制御装置1に適用したものである。
明する。図1及び図2は本発明の第1実施例の構成を示
す図であり、これは、本発明に係る能動型騒音制御装置
を、車両2の車室3内の騒音の低減を図る車両用能動型
騒音制御装置1に適用したものである。
【0020】先ず、構成を説明すると、図1に示すよう
に、この車両用能動型騒音制御装置1は、騒音源として
のエンジン4から、空間としての車室3内に伝達される
周期的な騒音としてのこもり音の低減を図る装置であっ
て、エンジン4には、エンジン4のクランク軸の回転に
同期したパルス信号であるクランク角信号CPを出力す
るパルス信号生成手段としてのクランク角センサ5が取
り付けられている。
に、この車両用能動型騒音制御装置1は、騒音源として
のエンジン4から、空間としての車室3内に伝達される
周期的な騒音としてのこもり音の低減を図る装置であっ
て、エンジン4には、エンジン4のクランク軸の回転に
同期したパルス信号であるクランク角信号CPを出力す
るパルス信号生成手段としてのクランク角センサ5が取
り付けられている。
【0021】一方、車室3内には、車室3内に残留する
騒音の音圧を測定する残留騒音検出手段としての複数
(図1には二つのみ示す)のマイクロフォン8a,8b
と、車室3内に制御音を発生する制御音源としての複数
(図1には一つのみ示す)のラウドスピーカ9が配設さ
れている。そして、クランク角センサ5から出力された
クランク角信号CP及びマイクロフォン8a,8bから
出力された残留騒音信号eが、マイクロコンピュータ等
から構成されるコントローラ10に供給されている。
騒音の音圧を測定する残留騒音検出手段としての複数
(図1には二つのみ示す)のマイクロフォン8a,8b
と、車室3内に制御音を発生する制御音源としての複数
(図1には一つのみ示す)のラウドスピーカ9が配設さ
れている。そして、クランク角センサ5から出力された
クランク角信号CP及びマイクロフォン8a,8bから
出力された残留騒音信号eが、マイクロコンピュータ等
から構成されるコントローラ10に供給されている。
【0022】コントローラ10は、供給される各信号C
P,eに基づいて所定の演算処理を実行し、エンジン4
から車室3内に伝達されるこもり音が打ち消されるよう
な制御音がラウドスピーカ9から発せられるように、ラ
ウドスピーカ9に駆動信号yを供給する。コントローラ
10は、その機能構成をブロック図で表した図2に示す
ように、クランク角センサ5から供給されるクランク角
信号CPと同じ周期の正弦波状の信号でなる基準信号x
を生成する基準信号生成部11と、基準信号xに基づい
て駆動信号yを生成するフィルタ係数可変の適応ディジ
タルフィルタ13と、基準信号xが入力されるディジタ
ルフィルタ14と、基準信号xをディジタルフィルタ1
4で処理した値r及び残留騒音信号eに基づいて適応デ
ィジタルフィルタ13のフィルタ係数を更新するフィル
タ係数更新部15と、を備えている。
P,eに基づいて所定の演算処理を実行し、エンジン4
から車室3内に伝達されるこもり音が打ち消されるよう
な制御音がラウドスピーカ9から発せられるように、ラ
ウドスピーカ9に駆動信号yを供給する。コントローラ
10は、その機能構成をブロック図で表した図2に示す
ように、クランク角センサ5から供給されるクランク角
信号CPと同じ周期の正弦波状の信号でなる基準信号x
を生成する基準信号生成部11と、基準信号xに基づい
て駆動信号yを生成するフィルタ係数可変の適応ディジ
タルフィルタ13と、基準信号xが入力されるディジタ
ルフィルタ14と、基準信号xをディジタルフィルタ1
4で処理した値r及び残留騒音信号eに基づいて適応デ
ィジタルフィルタ13のフィルタ係数を更新するフィル
タ係数更新部15と、を備えている。
【0023】これらの内、ディジタルフィルタ14は、
ラウドスピーカ9とマイクロフォン8a,8bとの間の
伝達関数を有限インパルス応答関数の形でモデル化した
ディジタルフィルタClm(l=1,2,…,L、m=
1,2,…,M)を、M個のラウドスピーカ及びL個の
マイクロフォンの全ての組み合わせ(L×M)について
有していて、基準信号xをそれらディジタルフィルタC
lmでフィルタ処理した値rlmを生成し出力する。
ラウドスピーカ9とマイクロフォン8a,8bとの間の
伝達関数を有限インパルス応答関数の形でモデル化した
ディジタルフィルタClm(l=1,2,…,L、m=
1,2,…,M)を、M個のラウドスピーカ及びL個の
マイクロフォンの全ての組み合わせ(L×M)について
有していて、基準信号xをそれらディジタルフィルタC
lmでフィルタ処理した値rlmを生成し出力する。
【0024】一方、適応ディジタルフィルタ13は、ラ
ウドスピーカ9の個数に対応してM個のフィルタ係数可
変の適応ディジタルフィルタWm を有していて、基準信
号xをそれら適応ディジタルフィルタWm でフィルタ処
理することにより、駆動信号ym を生成し出力する。そ
して、フィルタ係数更新部15は、ディジタルフィルタ
14から供給される処理信号rlmとマイクロフォン8
a,8bから供給される残留騒音信号el とに応じて、
適応ディジタルフィルタ13の各適応ディジタルフィル
タWm のフィルタ係数を、LMSアルゴリズムに基づい
て更新する。
ウドスピーカ9の個数に対応してM個のフィルタ係数可
変の適応ディジタルフィルタWm を有していて、基準信
号xをそれら適応ディジタルフィルタWm でフィルタ処
理することにより、駆動信号ym を生成し出力する。そ
して、フィルタ係数更新部15は、ディジタルフィルタ
14から供給される処理信号rlmとマイクロフォン8
a,8bから供給される残留騒音信号el とに応じて、
適応ディジタルフィルタ13の各適応ディジタルフィル
タWm のフィルタ係数を、LMSアルゴリズムに基づい
て更新する。
【0025】ここで、LMSアルゴリズムは、適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なア
ルゴリズムの一つであって、l番目(l=1,2,…,
L)のマイクロフォンが検出した残留騒音信号をe
l (n)、ラウドスピーカから制御音が発生していない
時のl番目のマイクロフォンが検出した残留騒音信号を
epl (n)、ディジタルフィルタClmのj番目(j=
0,1,2,…,IC −1:IC は定数)のフィルタ係
数をClmj 、基準信号をx(n)、基準信号x(n)が
入力されたm番目のラウドスピーカを駆動する適応ディ
ジタルフィルタWmのi番目(i=0,1,2,…,I
K −1:IK は定数)のフィルタ係数をWmiとすると、 が成立する。
ジタルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なア
ルゴリズムの一つであって、l番目(l=1,2,…,
L)のマイクロフォンが検出した残留騒音信号をe
l (n)、ラウドスピーカから制御音が発生していない
時のl番目のマイクロフォンが検出した残留騒音信号を
epl (n)、ディジタルフィルタClmのj番目(j=
0,1,2,…,IC −1:IC は定数)のフィルタ係
数をClmj 、基準信号をx(n)、基準信号x(n)が
入力されたm番目のラウドスピーカを駆動する適応ディ
ジタルフィルタWmのi番目(i=0,1,2,…,I
K −1:IK は定数)のフィルタ係数をWmiとすると、 が成立する。
【0026】なお、(n)がつく項は、いずれもサンプ
リング時刻nにおけるサンプル値を表し、また、IC は
フィルタClmのタップ数(フィルタ次数)、IK は適応
ディジタルフィルタWm のタップ数(フィルタ次数)で
ある。上記(1)式中、右辺の「ΣWmix(n−j−
i)」の項は適応ディジタルフィルタに基準信号x
(n)を入力した時の出力ym (n)を表し、「ΣC
lmj {ΣWmix(n−j−i)}」の項はm番目のラウ
ドスピーカに入力された信号y m (n)がそこから制御
音として空間に出力され伝達関数Clmを経てl番目のマ
イクロフォンに到達した時の信号を表し、さらに、「Σ
ΣClmj {ΣWmix(n−j−i)}」の項はl番目の
マイクロフォンへ到達した信号を足し合わせているか
ら、l番目のマイクロフォンに到達する制御音の総和を
表している。
リング時刻nにおけるサンプル値を表し、また、IC は
フィルタClmのタップ数(フィルタ次数)、IK は適応
ディジタルフィルタWm のタップ数(フィルタ次数)で
ある。上記(1)式中、右辺の「ΣWmix(n−j−
i)」の項は適応ディジタルフィルタに基準信号x
(n)を入力した時の出力ym (n)を表し、「ΣC
lmj {ΣWmix(n−j−i)}」の項はm番目のラウ
ドスピーカに入力された信号y m (n)がそこから制御
音として空間に出力され伝達関数Clmを経てl番目のマ
イクロフォンに到達した時の信号を表し、さらに、「Σ
ΣClmj {ΣWmix(n−j−i)}」の項はl番目の
マイクロフォンへ到達した信号を足し合わせているか
ら、l番目のマイクロフォンに到達する制御音の総和を
表している。
【0027】次いで、評価関数Jeを、 とする。
【0028】そして、評価関数Jeを最小にするフィル
タ係数Wmiを求めるのが、LMSアルゴリズムであり、
具体的には、評価関数Jeを各フィルタ係数Wmiについ
て偏微分した値で、フィルタ係数Wmiを更新する。そこ
で、上記(2)式より、 となるが、上記(1)式より、 となるから、この(4)式の右辺をrlm(n−i)とお
けば、フィルタ係数の更新は、重み係数γl も含めた形
で下記の(5)式のようになる。
タ係数Wmiを求めるのが、LMSアルゴリズムであり、
具体的には、評価関数Jeを各フィルタ係数Wmiについ
て偏微分した値で、フィルタ係数Wmiを更新する。そこ
で、上記(2)式より、 となるが、上記(1)式より、 となるから、この(4)式の右辺をrlm(n−i)とお
けば、フィルタ係数の更新は、重み係数γl も含めた形
で下記の(5)式のようになる。
【0029】 なお、αは収束係数と呼ばれる係数であり、フィルタが
最適に収束する速度やその安定性に関与する。
最適に収束する速度やその安定性に関与する。
【0030】つまり、フィルタ係数更新部15は、上記
(5)式に基づいて、適応ディジタルフィルタWm のフ
ィルタ係数Wmiを更新するようになっている。またさら
に、コントローラ10は、適応ディジタルフィルタWm
のフィルタ係数Wmiに基づいてクランク角信号CPの周
期と基準信号xの周期との間のずれを検出するずれ検出
部16と、このずれ検出部16が検出した周期ずれΔT
に応じて基準信号xの周期TK を補正して周期TS とす
る基準信号補正部17と、を備えている。
(5)式に基づいて、適応ディジタルフィルタWm のフ
ィルタ係数Wmiを更新するようになっている。またさら
に、コントローラ10は、適応ディジタルフィルタWm
のフィルタ係数Wmiに基づいてクランク角信号CPの周
期と基準信号xの周期との間のずれを検出するずれ検出
部16と、このずれ検出部16が検出した周期ずれΔT
に応じて基準信号xの周期TK を補正して周期TS とす
る基準信号補正部17と、を備えている。
【0031】ここで、適応ディジタルフィルタWm のフ
ィルタ係数Wmiに基づいて、クランク角信号CPの周期
と、基準信号xの周期との間のずれを検出することがで
きる理由を説明する。なお、説明を簡単にするために、
一つの適応ディジタル有限フィルタWを考え、そのタッ
プ数を2(フィルタ係数W0 ,W1 )とする。即ち、こ
の適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数によって形
成される系をW(z)とすると、タップ数が2であるこ
とから、 W(z)=W0 +W1 Z-1 となる。さらに、 Z=exp(−jωt) とすれば、 W(exp(−jωt)) =W0 +W1 exp(−jωt) =(W0 +W1cosωt)−jW1sinωt となり、この系の位相( tanθ)及びゲイン(|W
|2 )は、 tanθ =−W1sinωt/(W0 +W1cosωt) |W|2 =(W0 +W1cosωt)2 +(W1sinωt)2 となる。
ィルタ係数Wmiに基づいて、クランク角信号CPの周期
と、基準信号xの周期との間のずれを検出することがで
きる理由を説明する。なお、説明を簡単にするために、
一つの適応ディジタル有限フィルタWを考え、そのタッ
プ数を2(フィルタ係数W0 ,W1 )とする。即ち、こ
の適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数によって形
成される系をW(z)とすると、タップ数が2であるこ
とから、 W(z)=W0 +W1 Z-1 となる。さらに、 Z=exp(−jωt) とすれば、 W(exp(−jωt)) =W0 +W1 exp(−jωt) =(W0 +W1cosωt)−jW1sinωt となり、この系の位相( tanθ)及びゲイン(|W
|2 )は、 tanθ =−W1sinωt/(W0 +W1cosωt) |W|2 =(W0 +W1cosωt)2 +(W1sinωt)2 となる。
【0032】そして、クランク角信号CPの周期と基準
信号xの周期とがずれている状況では、相対的に基準信
号xの位相が変化していると考えられ、そのような基準
信号xによってこもり音を打ち消すためには、W(z)
の位相が変化しなければならない。つまり、 |W|2 :一定 tanθ :変化(0〜2πrad ) となるように、フィルタ係数W0 ,W1 が変化するので
ある。
信号xの周期とがずれている状況では、相対的に基準信
号xの位相が変化していると考えられ、そのような基準
信号xによってこもり音を打ち消すためには、W(z)
の位相が変化しなければならない。つまり、 |W|2 :一定 tanθ :変化(0〜2πrad ) となるように、フィルタ係数W0 ,W1 が変化するので
ある。
【0033】このため、フィルタ係数W0 ,W1 は、ク
ランク角信号CPの周期と基準信号xの周期とがずれて
いる状況では、それらフィルタ係数W0 ,W1 の最適点
は、図3に示すように、ずれが生じていない時の最適点
WOPT に落ち着くことなく、常に移動するのであり、そ
の移動軌跡の周期が、クランク角信号CPの周期と基準
信号xの周期との間のずれに応じて決まってくるのであ
る。
ランク角信号CPの周期と基準信号xの周期とがずれて
いる状況では、それらフィルタ係数W0 ,W1 の最適点
は、図3に示すように、ずれが生じていない時の最適点
WOPT に落ち着くことなく、常に移動するのであり、そ
の移動軌跡の周期が、クランク角信号CPの周期と基準
信号xの周期との間のずれに応じて決まってくるのであ
る。
【0034】従って、フィルタ係数W0 ,W1 の変化状
況を監視することにより、逆に、クランク角信号CPの
周期と基準信号xの周期との間のずれを検出することが
できるのである。なお、適応ディジタルフィルタWm の
フィルタ係数Wmiの変化の周期を求める具体的な方法と
しては、そのフィルタ係数Wmiをフーリエ変換する(具
体的には、FFT演算を行う)ことにより例えば図4
(a)に示すように特にパワーの強い周波数を検出する
方法や、フィルタ係数Wmiの自己相関関数を演算してそ
の周期性を求めて例えば図4(b)に示すように周期ず
れΔTを検出する方法等が考えられる。
況を監視することにより、逆に、クランク角信号CPの
周期と基準信号xの周期との間のずれを検出することが
できるのである。なお、適応ディジタルフィルタWm の
フィルタ係数Wmiの変化の周期を求める具体的な方法と
しては、そのフィルタ係数Wmiをフーリエ変換する(具
体的には、FFT演算を行う)ことにより例えば図4
(a)に示すように特にパワーの強い周波数を検出する
方法や、フィルタ係数Wmiの自己相関関数を演算してそ
の周期性を求めて例えば図4(b)に示すように周期ず
れΔTを検出する方法等が考えられる。
【0035】そして、基準信号補正部17は、基準信号
生成部11がクランク角信号CPにのみ基づいて求めた
基準信号xの周期TK を、ずれ検出部16が検出した周
期ずれΔTで補正して周期TS (=TK −ΔT)を演算
するようになっていて、基準信号生成部11は、その補
正された周期TS に基づいて、クランク角信号CPと同
じ周期の正弦波状の信号でなる基準信号xを生成するよ
うになっている。
生成部11がクランク角信号CPにのみ基づいて求めた
基準信号xの周期TK を、ずれ検出部16が検出した周
期ずれΔTで補正して周期TS (=TK −ΔT)を演算
するようになっていて、基準信号生成部11は、その補
正された周期TS に基づいて、クランク角信号CPと同
じ周期の正弦波状の信号でなる基準信号xを生成するよ
うになっている。
【0036】図5及び図6は、コントローラ10内にお
ける処理の流れの概要を示すフローチャートであり、以
下、図5及び図6に従って本実施例の動作を説明する。
即ち、図5に示す処理は、所定のサンプリング・クロッ
クごとの割り込み処理として実行され、主に駆動信号y
m の生成処理及び適応ディジタルフィルタWmのフィル
タ係数miの更新処理を担っている。一方、図6に示す処
理も、所定サンプリング・クロックごとの割り込み処理
として実行され、基準信号xの生成処理を担っている。
ける処理の流れの概要を示すフローチャートであり、以
下、図5及び図6に従って本実施例の動作を説明する。
即ち、図5に示す処理は、所定のサンプリング・クロッ
クごとの割り込み処理として実行され、主に駆動信号y
m の生成処理及び適応ディジタルフィルタWmのフィル
タ係数miの更新処理を担っている。一方、図6に示す処
理も、所定サンプリング・クロックごとの割り込み処理
として実行され、基準信号xの生成処理を担っている。
【0037】先ず、図5に示す処理について説明する
と、そのステップ101において、現サンプリング時刻
における基準信号xを読み込み、次いでステップ102
に移行して、基準信号xをディジタルフィルタClmでフ
ィルタ処理して(具体的には、畳み込み積分を行って)
処理信号rlmを演算する。そして、ステップ103に移
行し、残留騒音信号el を読み込んだら、ステップ10
4に移行して、上記(5)式に従って適応ディジタルフ
ィルタWm の各フィルタ係数Wmiを更新する。
と、そのステップ101において、現サンプリング時刻
における基準信号xを読み込み、次いでステップ102
に移行して、基準信号xをディジタルフィルタClmでフ
ィルタ処理して(具体的には、畳み込み積分を行って)
処理信号rlmを演算する。そして、ステップ103に移
行し、残留騒音信号el を読み込んだら、ステップ10
4に移行して、上記(5)式に従って適応ディジタルフ
ィルタWm の各フィルタ係数Wmiを更新する。
【0038】フィルタ係数Wmiの更新処理を終えたら、
ステップ105に移行し、基準信号xを適応ディジタル
フィルタWm でフィルタ処理して(具体的には、畳み込
み積分を行って)駆動信号ym を生成する。そして、ス
テップ106に移行して、その駆動信号ym を各ラウド
スピーカ9に出力し、今回の処理を終了する。
ステップ105に移行し、基準信号xを適応ディジタル
フィルタWm でフィルタ処理して(具体的には、畳み込
み積分を行って)駆動信号ym を生成する。そして、ス
テップ106に移行して、その駆動信号ym を各ラウド
スピーカ9に出力し、今回の処理を終了する。
【0039】制御開始直後は、適応ディジタルフィルタ
13のフィルタ係数が最適な値に収束しているとは限ら
ないので、ラウドスピーカ9から発せられる制御音によ
ってこもり音が必ずしも低減するとはいえない。しか
し、図5に示す処理が繰り返し実行されると、フィルタ
係数更新部15がLMSアルゴリズムに基づき、車室3
内のこもり音が低減するように適応ディジタルフィルタ
13のフィルタ係数を更新していくので、ラウドスピー
カ9から発せられる制御音によってこもり音が打ち消さ
れ、車室3内の騒音が低減されるようになる。
13のフィルタ係数が最適な値に収束しているとは限ら
ないので、ラウドスピーカ9から発せられる制御音によ
ってこもり音が必ずしも低減するとはいえない。しか
し、図5に示す処理が繰り返し実行されると、フィルタ
係数更新部15がLMSアルゴリズムに基づき、車室3
内のこもり音が低減するように適応ディジタルフィルタ
13のフィルタ係数を更新していくので、ラウドスピー
カ9から発せられる制御音によってこもり音が打ち消さ
れ、車室3内の騒音が低減されるようになる。
【0040】一方、図6に示す処理では、そのステップ
201において、クランク角信号CPが入力されている
か否かを判定し、ここでクランク角信号CPが入力され
ていると判定された場合には、ステップ202に移行す
る。ステップ202では、前回のクランク角信号CPが
入力された時刻と、現在の時刻との差から、クランク角
信号CPの周期TK を演算する。
201において、クランク角信号CPが入力されている
か否かを判定し、ここでクランク角信号CPが入力され
ていると判定された場合には、ステップ202に移行す
る。ステップ202では、前回のクランク角信号CPが
入力された時刻と、現在の時刻との差から、クランク角
信号CPの周期TK を演算する。
【0041】次いで、ステップ203に移行し、適応デ
ィジタルフィルタWm のフィルタ係数Wmiの変化状況と
しての周期性に基づいて、周期ずれΔTを演算する。な
お、フィルタ係数Wmiの周期性は、上述したように、F
FT演算を行うか或いは自己相関関数を演算することに
より演算される。そして、ステップ204に移行し、下
記の(6)式に従って、補正された正確なクランク角信
号CPの周期TS を演算する。
ィジタルフィルタWm のフィルタ係数Wmiの変化状況と
しての周期性に基づいて、周期ずれΔTを演算する。な
お、フィルタ係数Wmiの周期性は、上述したように、F
FT演算を行うか或いは自己相関関数を演算することに
より演算される。そして、ステップ204に移行し、下
記の(6)式に従って、補正された正確なクランク角信
号CPの周期TS を演算する。
【0042】 TS =TK −ΔT ……(6) 次いで、ステップ205に移行し、ステップ204で求
められた周期TS で変化する正弦波状の信号でなる基準
信号xを生成する。なお、ここでは、その周期TS に応
じて一周期分の基準信号xを予め生成するのであり、且
つ、前回の処理で生成した基準信号xの最後の値に連続
するように(つまり、位相合わせを行って)新たな基準
信号xを生成する。
められた周期TS で変化する正弦波状の信号でなる基準
信号xを生成する。なお、ここでは、その周期TS に応
じて一周期分の基準信号xを予め生成するのであり、且
つ、前回の処理で生成した基準信号xの最後の値に連続
するように(つまり、位相合わせを行って)新たな基準
信号xを生成する。
【0043】そして、ステップ205からステップ20
6に移行し、若しくはステップ201の判定が「NO」
の場合にはステップ201から直接ステップ206に移
行して、現在のサンプリング時刻に対応する基準信号x
を出力し、これで今回の処理を終了する。このような図
6に示す処理が実行されると、クランク角信号CPの発
生タイミングと図6に示す処理の割り込みタイミングと
の間の差や、上述した位相合わせによる位相差θによっ
て、実際のクランク角信号CPの周期と基準信号xの周
期との間にずれが生じようとしても、そのずれが消滅す
るように周期TK を補正した周期TS に基づいて、これ
から生成される基準信号xの周期TS が決定され、フィ
ードフォワード制御の基礎となる基準信号xが生成され
ることになる。
6に移行し、若しくはステップ201の判定が「NO」
の場合にはステップ201から直接ステップ206に移
行して、現在のサンプリング時刻に対応する基準信号x
を出力し、これで今回の処理を終了する。このような図
6に示す処理が実行されると、クランク角信号CPの発
生タイミングと図6に示す処理の割り込みタイミングと
の間の差や、上述した位相合わせによる位相差θによっ
て、実際のクランク角信号CPの周期と基準信号xの周
期との間にずれが生じようとしても、そのずれが消滅す
るように周期TK を補正した周期TS に基づいて、これ
から生成される基準信号xの周期TS が決定され、フィ
ードフォワード制御の基礎となる基準信号xが生成され
ることになる。
【0044】従って、実際のクランク角信号CPの周期
に一致した又は略一致した周期の基準信号xが生成され
るため、乗員に不快感を与えることもないし、車室3内
のこもり音を確実に低減することができ、快適な車室3
内の運転環境が得られる。そして、実際のクランク角信
号CPの周期に一致した又は略一致した周期の基準信号
xが生成されれば、適応ディジタルフィルタWm のフィ
ルタ係数Wmiを頻繁に変化させなくても、車室3内に伝
達されるこもり音と、ラウドスピーカ9から発せられる
制御音とを同期させることができるから、適応ディジタ
ルフィルタWm の更新処理の追従速度を極端に大きくす
る必要がない。つまり、収束係数αを特に大きくしなく
ても充分な収束が確保されるから、安定した制御が実行
されるようになり、制御の発散や、発散が誤検出される
等の可能性が高くなってしまうことがないのである。
に一致した又は略一致した周期の基準信号xが生成され
るため、乗員に不快感を与えることもないし、車室3内
のこもり音を確実に低減することができ、快適な車室3
内の運転環境が得られる。そして、実際のクランク角信
号CPの周期に一致した又は略一致した周期の基準信号
xが生成されれば、適応ディジタルフィルタWm のフィ
ルタ係数Wmiを頻繁に変化させなくても、車室3内に伝
達されるこもり音と、ラウドスピーカ9から発せられる
制御音とを同期させることができるから、適応ディジタ
ルフィルタWm の更新処理の追従速度を極端に大きくす
る必要がない。つまり、収束係数αを特に大きくしなく
ても充分な収束が確保されるから、安定した制御が実行
されるようになり、制御の発散や、発散が誤検出される
等の可能性が高くなってしまうことがないのである。
【0045】ここで、本実施例にあっては、基準信号生
成部11及びステップ201,202,205の処理に
よって基準信号生成手段が構成され、ステップ105の
処理によって駆動信号生成手段が構成され、ディジタル
フィルタ14,フィルタ係数更新部15及びステップ1
02〜104の処理によって適応処理手段が構成され、
ずれ検出部16及びステップ203における処理によっ
て周期ずれ検出手段が構成され、基準信号補正部17及
びステップ204における処理によって基準信号補正手
段が構成される。
成部11及びステップ201,202,205の処理に
よって基準信号生成手段が構成され、ステップ105の
処理によって駆動信号生成手段が構成され、ディジタル
フィルタ14,フィルタ係数更新部15及びステップ1
02〜104の処理によって適応処理手段が構成され、
ずれ検出部16及びステップ203における処理によっ
て周期ずれ検出手段が構成され、基準信号補正部17及
びステップ204における処理によって基準信号補正手
段が構成される。
【0046】図7乃至図9は本発明の第2実施例を示す
図であり、これも、上記第1実施例と同様に、車両用能
動型騒音制御装置に本発明を適用したものである。な
お、上記第1実施例と同様の構成には同じ符号を付しそ
の重複する説明は省略する。即ち、本実施例の構成は、
基本的には上記第1実施例と同じであり、異なるのは、
コントローラ10の機能構成を表すブロック図である図
7に示されるように、ずれ検出部16が、適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数の周期性に基づいて周期ずれ
ΔTを演算するのではなく、基準信号生成部11がクラ
ンク角信号CPに基づいて演算した基準信号xの周期T
K に基づいて周期ずれΔTを演算するように構成されて
いる点である。
図であり、これも、上記第1実施例と同様に、車両用能
動型騒音制御装置に本発明を適用したものである。な
お、上記第1実施例と同様の構成には同じ符号を付しそ
の重複する説明は省略する。即ち、本実施例の構成は、
基本的には上記第1実施例と同じであり、異なるのは、
コントローラ10の機能構成を表すブロック図である図
7に示されるように、ずれ検出部16が、適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数の周期性に基づいて周期ずれ
ΔTを演算するのではなく、基準信号生成部11がクラ
ンク角信号CPに基づいて演算した基準信号xの周期T
K に基づいて周期ずれΔTを演算するように構成されて
いる点である。
【0047】ここで、本発明者等が行った実験によれ
ば、補正される前の基準信号xの周期TK と周期ずれΔ
Tとの間には、略図8に示すような比例関係が存在する
ことが判明した。そこで、実際の車両について実験を行
って、実際のクランク角信号(ディジタル変換される前
のクランク角信号)CP及びこれに基づいて演算された
基準信号x間の周期ずれΔTと、そのときの基準信号x
の周期TK との関係を予め調べて例えば図8に示すよう
な記憶テーブルを作成しておき、ずれ検出部16は、周
期TK に基づいて予め作成された記憶テーブルを参照し
て周期ずれΔTを求めるように構成する。
ば、補正される前の基準信号xの周期TK と周期ずれΔ
Tとの間には、略図8に示すような比例関係が存在する
ことが判明した。そこで、実際の車両について実験を行
って、実際のクランク角信号(ディジタル変換される前
のクランク角信号)CP及びこれに基づいて演算された
基準信号x間の周期ずれΔTと、そのときの基準信号x
の周期TK との関係を予め調べて例えば図8に示すよう
な記憶テーブルを作成しておき、ずれ検出部16は、周
期TK に基づいて予め作成された記憶テーブルを参照し
て周期ずれΔTを求めるように構成する。
【0048】図9は、コントローラ10内で実行される
処理の概要を示すフローチャートであり、上記第1実施
例で説明した図6に対応する。なお、図9に示す処理の
うち図6と同様の処理にはこれと同じ符号を付しその重
複する説明は省略するとともに、図5に対応する処理は
同じであるため、その図示及び説明は省略する。即ち、
図9に示す処理にあっては、ステップ202でクランク
角信号CPに基づいて周期TK を演算した後に、ステッ
プ301に移行し、その周期TK に基づいて図8に示す
ような記憶テーブルを参照して、周期ずれΔTを求め
る。
処理の概要を示すフローチャートであり、上記第1実施
例で説明した図6に対応する。なお、図9に示す処理の
うち図6と同様の処理にはこれと同じ符号を付しその重
複する説明は省略するとともに、図5に対応する処理は
同じであるため、その図示及び説明は省略する。即ち、
図9に示す処理にあっては、ステップ202でクランク
角信号CPに基づいて周期TK を演算した後に、ステッ
プ301に移行し、その周期TK に基づいて図8に示す
ような記憶テーブルを参照して、周期ずれΔTを求め
る。
【0049】そして、ステップ204に移行して上記
(6)式に従って補正された周期TSを演算し、次いで
ステップ205以降の処理を実行する。このような処理
を実行する結果、本実施例にあっても、実際のクランク
角信号CPの周期に一致した又は略一致した周期の基準
信号xが生成されるため、上記第1実施例と同等の作用
効果が得られる。
(6)式に従って補正された周期TSを演算し、次いで
ステップ205以降の処理を実行する。このような処理
を実行する結果、本実施例にあっても、実際のクランク
角信号CPの周期に一致した又は略一致した周期の基準
信号xが生成されるため、上記第1実施例と同等の作用
効果が得られる。
【0050】しかも、本実施例にあっては、周期ずれΔ
Tを求めるために、特にFFT演算や自己相関関数の演
算等が不要であるため、上記第1実施例に比べて演算負
荷が軽減されるという有利な点がある。ここで、本実施
例では、ずれ検出部16,図8に示したような関係の記
憶テーブル及びステップ301の処理によって周期ずれ
検出手段が構成される。
Tを求めるために、特にFFT演算や自己相関関数の演
算等が不要であるため、上記第1実施例に比べて演算負
荷が軽減されるという有利な点がある。ここで、本実施
例では、ずれ検出部16,図8に示したような関係の記
憶テーブル及びステップ301の処理によって周期ずれ
検出手段が構成される。
【0051】なお、上記各実施例では、本発明をエンジ
ン4から車室3内に伝達されるこもり音を低減する車両
用能動型騒音制御装置1に適用した場合について説明し
ているが、本発明の適用対象はこれに限定されるもので
はなく、車室3以外の空間の騒音を低減する装置に適用
してもよい。
ン4から車室3内に伝達されるこもり音を低減する車両
用能動型騒音制御装置1に適用した場合について説明し
ているが、本発明の適用対象はこれに限定されるもので
はなく、車室3以外の空間の騒音を低減する装置に適用
してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
騒音に同期したパルス信号の周期と基準信号の周期との
間のずれを検出し、その検出されたずれに基づいて基準
信号の周期を補正する構成としたため、実際のパルス信
号の周期に一致した又は略一致した周期の基準信号を生
成することができ、良好な騒音低減制御が実行されると
ともに、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を頻繁
に変化させる必要がなくなるから、安定した制御が実行
されるようになり、制御の発散や、発散が誤検出される
等の可能性が高くなってしまうことが避けられるという
効果がある。
騒音に同期したパルス信号の周期と基準信号の周期との
間のずれを検出し、その検出されたずれに基づいて基準
信号の周期を補正する構成としたため、実際のパルス信
号の周期に一致した又は略一致した周期の基準信号を生
成することができ、良好な騒音低減制御が実行されると
ともに、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を頻繁
に変化させる必要がなくなるから、安定した制御が実行
されるようになり、制御の発散や、発散が誤検出される
等の可能性が高くなってしまうことが避けられるという
効果がある。
【図1】第1実施例の全体構成を示す図である。
【図2】第1実施例の機能構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図3】適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の変化
状況を説明する図である。
状況を説明する図である。
【図4】適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の周期
性の検出方法の例を説明する図である。
性の検出方法の例を説明する図である。
【図5】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図6】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図7】第2実施例の機能構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図8】基準信号の周期と周期ずれとの関係の一例を示
すグラフである。
すグラフである。
【図9】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
【図10】従来の問題点を説明する波形図である。
1 車両用能動型騒音制御装置 2 車両 3 車室(空間) 4 エンジン(騒音源) 5 クランク角センサ(パルス信号生成手段) 8a,8b マイクロフォン(残留騒音検出手段) 9 ラウドスピーカ(制御音源) 10 コントローラ 11 基準信号生成部(基準信号生成手段) 16 ずれ検出部 17 基準信号補正部
Claims (3)
- 【請求項1】 騒音源から発せられた周期的な騒音が伝
達される空間に制御音を発生可能な制御音源と、前記騒
音源の騒音発生状態に基づいて前記周期的な騒音に同期
したパルス信号を生成するパルス信号生成手段と、前記
空間内の所定位置における残留騒音を検出し残留騒音信
号として出力する残留騒音検出手段と、前記パルス信号
と同じ周期の信号でなる基準信号を生成する基準信号生
成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタ
と、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィ
ルタ処理して前記制御音源を駆動する駆動信号を生成す
る駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残留騒音
信号に基づいて前記空間内の騒音が低減するように前記
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適応
処理手段と、前記パルス信号の周期と前記基準信号の周
期との間のずれを検出する周期ずれ検出手段と、この周
期ずれ検出手段の検出結果に基づいて前記基準信号を補
正する基準信号補正手段と、を備えたことを特徴とする
能動型騒音制御装置。 - 【請求項2】 周期ずれ検出手段は、適応ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数の変化状況に基づいて、パルス信
号の周期と基準信号の周期との間のずれを検出する請求
項1記載の能動型騒音制御装置。 - 【請求項3】 周期ずれ検出手段は、基準信号の周期に
基づいて、パルス信号の周期と基準信号の周期との間の
ずれを検出する請求項1記載の能動型騒音制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5228952A JPH0784585A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 能動型騒音制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5228952A JPH0784585A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 能動型騒音制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0784585A true JPH0784585A (ja) | 1995-03-31 |
Family
ID=16884433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5228952A Pending JPH0784585A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 能動型騒音制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0784585A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10124108A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 周期性信号の適応制御方法 |
WO2017135013A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
WO2017135012A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
US9773489B2 (en) | 2012-11-05 | 2017-09-26 | Mitsubishi Electric Corporation | Active vibration noise control apparatus |
-
1993
- 1993-09-14 JP JP5228952A patent/JPH0784585A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10124108A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 周期性信号の適応制御方法 |
US9773489B2 (en) | 2012-11-05 | 2017-09-26 | Mitsubishi Electric Corporation | Active vibration noise control apparatus |
WO2017135013A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
WO2017135012A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
JPWO2017135012A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2018-07-05 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
JPWO2017135013A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2018-07-19 | 本田技研工業株式会社 | 能動型振動騒音制御装置及び能動型振動騒音制御回路 |
US10322680B2 (en) * | 2016-02-05 | 2019-06-18 | Honda Motor Co., Ltd. | Active vibration and noise control device and active vibration and noise control circuit |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3094517B2 (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP4328766B2 (ja) | 能動型振動騒音制御装置 | |
JPH0561483A (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP2005084500A (ja) | 能動型振動騒音制御装置 | |
JPWO2017006547A1 (ja) | 能動型騒音低減装置 | |
CN111627414B (zh) | 一种主动去噪方法、装置及电子设备 | |
CN113470607B (zh) | 有源振动噪音降低系统 | |
JPH0784585A (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP3517883B2 (ja) | 適応制御装置及び能動型騒音制御装置 | |
JP7262499B2 (ja) | 能動型振動騒音低減装置 | |
JPH0651787A (ja) | 能動型消音装置 | |
JPH06332470A (ja) | 車室内騒音低減装置 | |
JPH07219560A (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP2876896B2 (ja) | 車両用能動型騒音制御装置 | |
JP3293922B2 (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP2000330572A (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP3382630B2 (ja) | 能動型騒音振動制御装置 | |
JPH0736468A (ja) | 適応制御装置 | |
JP3674963B2 (ja) | 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 | |
JPH06130970A (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JPH05265466A (ja) | 能動型振動制御装置及び能動型騒音制御装置 | |
JP3503155B2 (ja) | 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 | |
JP3517886B2 (ja) | 能動型騒音制御装置 | |
JP3517887B2 (ja) | 車両用能動型騒音制御装置 | |
JPH0732947A (ja) | 能動型騒音制御装置 |