JP3406651B2 - フィルタードリファレンス信号生成方式 - Google Patents

フィルタードリファレンス信号生成方式

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JP3406651B2
JP3406651B2 JP21262493A JP21262493A JP3406651B2 JP 3406651 B2 JP3406651 B2 JP 3406651B2 JP 21262493 A JP21262493 A JP 21262493A JP 21262493 A JP21262493 A JP 21262493A JP 3406651 B2 JP3406651 B2 JP 3406651B2
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noise
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望 斉藤
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は騒音キャンセルシステム
におけるフィルタードリファレンス信号生成方式に係わ
り、特に、フィルタードX LMSアルゴリズムに基づ
いた適応信号処理を行って騒音キャンセル点における騒
音をキャンセルするように適応フィルタの係数を決定す
る騒音キャンセルシステムにおけるフィルタードリファ
レンス信号生成方式に関する。
【0002】
【従来の技術】騒音対策に用いられる手法の1つに、騒
音と逆位相の騒音キャンセル音をスピ−カから放射して
騒音を低減する能動騒音制御がある。これはANC(Ac
tive Noise Control)とも呼ばれ、工場やオフィス、自
動車などの室内空間の一部に実用化されつつある。現在
主流となっている騒音制御システムは、図13に示すよ
うに適応フィルタを用いたフィードフォワード制御シス
テムで、適応アルゴリズムとしてフィルタードX LM
S(Filtered-X Least Mean Square)が用いられてい
る。
【0003】図13は騒音源(一次音源)が1個、キャン
セル音を発生する二次音源(スピーカ)が1個、騒音キ
ャンセル点(観測点)が1箇所の場合の例である。10
は騒音源である一次音源であり、騒音源がエンジンの場
合には、エンジン回転により発生する騒音は周期性を有
し、その周波数はエンジン回転数に依存する。例えば、
4気筒エンジンの場合、車室内に発生する周期性ノイズ
はエンジン回転数の2次高調波が支配的であり、回転数
が600rpm(=10rps)の時、車室内に発生す
るノイズの周波数は20Hz、回転数が6000rpm
(=100rps)の時、車室内に発生するノイズの周
波数は200Hzである。11は観測点における騒音
(一次音)xnをキャンセルするように動作する騒音キ
ャンセルコントローラ、12は騒音源から観測点まで騒
音が伝搬する系を示す一次音仮想伝搬系、13はキャン
セル音(二次音)を放射するスピーカ、14はスピーカ
の特性を含め、スピーカから観測点までのキャンセル音
が伝搬する系を示す二次音伝搬系(キャンセル音伝搬
系)、15は観測点に配置され、騒音Snとキャンセル
音Scの合成音を検出し、合成音信号をエラ−信号enと
して出力するエラ−マイクである。
【0004】騒音キャンセルコントローラ11は騒音源
から発生する騒音xnを参照信号として入力されると共
に観測点におけるエラ−信号enを入力され、該エラ−
信号のパワーが最小となるようにフィルタードX LM
Sアルゴリズムに基づいた適応信号処理を行って騒音キ
ャンセル信号ynを出力する。この騒音キャンセルコン
トローラ11は、フィルタードX LMSアルゴリズム
に基づいた適応信号処理を行なう適応信号処理部11a
と、デジタルフィルタ構成の適応フィルタ11bと、騒
音源から発生する騒音(参照信号)xnにスピーカから
騒音キャンセル点までのキャンセル音伝搬系の伝搬特性
(伝達関数C)を畳み込んでフィルタードリファレンス
信号rnを作成するフィルタードリファレンス信号作成
用フィルタ11cを有している。
【0005】適応信号処理部11aは騒音キャンセル点
におけるエラー信号enとフィルタ11cを介して入力
されるフィルタードリファレンス信号rnを入力され、
これら信号を用いて騒音キャンセル点における騒音をキ
ャンセルするようにフィルタードX LMSアルゴリズ
ムに基づいた適応信号処理を行って適応フィルタ11b
の係数を決定する。適応フィルタ11bは適応信号処理
部11aにより決定された係数に従って参照信号xnに
デジタルフィルタ処理を施して騒音キャンセル信号yn
を出力し、騒音をキャンセルする。尚、参照信号xnと
相関のない騒音は消去されない。
【0006】適応フィルタ11bは図14に示すよう
に、FIR型デジタルフィルタで構成され、例えば、入
力信号xnを順次1サンプリング時間遅延する遅延要素
DL,DL・・・と、各遅延要素出力に係数w1(n),w
2(n),w3(n)・・・wN(n)を乗算する乗算部ML,M
L,・・・と、各乗算部出力を順次加算する加算部A
D,AD・・・で実現される。すなわち、現時刻n・T
sにおける参照信号をxn、その時の各乗算器の係数をw
1(n),w2(n),w3(n)・・・wN(n)、出力(騒音キャン
セル信号)をynとすれば、適応フィルタ11bは次式
【0007】
【数1】 の演算を実行し、騒音キャンセル信号ynを出力する。
【0008】フィルタードリファレンス信号作成用フィ
ルタ11cは図15に示すように、FIR型デジタルフ
ィルタで構成され、例えば、入力信号を順次1サンプリ
ング時間遅延する遅延要素DL,DL・・・と、各遅延
要素出力に係数c1,c2,c3・・・cMを乗算する乗算部M
L,ML,・・・と、各乗算部出力を順次加算する加算
部AD,AD・・・で実現される。係数c1,c2,c3・・
・cMは二次音伝搬系(スピーカから観測点までの系)1
4の伝搬特性を模擬するように決定されている。時刻n
・Tsにおける参照信号をxn、出力(フィルタードリフ
ァレンス信号)をr(n)とすれば、フィルタ11cは次式
【0009】
【数2】
【0010】の演算を実行してフィルタードリファレン
ス信号r(n)を出力する。適応信号処理部11aは、1
サンプリング時間Ts後の次の時刻(n+1)・Tsにおける
適応フィルタ11bの係数w1(n+1),w2(n+1),w3(n+
1)・・・wN(n+1)を、現時刻n・Tsにおける係数w
1(n),w2(n),w3(n)・・・wN(n)と、エラー信号en
と、フィルタードリファレンス信号rnを用いて次式
(係数更新式)により決定する。
【0011】
【数3】
【0012】ただし、j番目のフィルタ係数更新式は wj(n+1)=wj(n)+μ・r(n-j+1)・en (4) で与えられる。(3)、(4)式において、(n)は現サンプリ
ング時刻の値、(n+1)は1サンプリング時間後の値、(n-
1)は1サンプリング時間前の値、(n-2)は2サンプリン
グ時間前の値、・・・を意味している。又、μは適応フィ
ルタの係数を更新するステップを決める定数(ステップ
サイズパラメータ)であり、騒音キャンセルシステムに
応じて適当な値に設定される。
【0013】騒音源10から発生した騒音xnは所定の
伝達関数Hを有する一次音伝搬系12を伝搬して騒音キ
ャンセル点に至り、騒音Snとなる。又、騒音xnは参
照信号として騒音キャンセルコントローラ11に入力さ
れる。エラーマイク15は騒音キャンセル点における騒
音Snとスピーカ13から出力される騒音キャンセル音
Scの合成音をエラー信号enとして出力する。フィル
タードリファレンス信号生成用フィルタ11cは(2)式
の演算を実行してフィルタードリファレンス信号rnを
出力する。適応信号処理部11aはフィルタードリファ
レンス信号rnとエラーマイク15により検出されたエ
ラー信号enを入力され、(3)式に基づいて適応信号処理
を行って適応フィルタ11bの係数を決定する。適応フ
ィルタ11bは(1)式により参照信号xnにフィルタリン
グを施して騒音キャンセル信号ynを発生してスピーカ
13に入力する。スピーカ13は騒音キャンセル信号y
nに基づいて騒音キャンセル音を出力する。騒音キャン
セル音は二次音伝搬系14を介して騒音キャンセル点に
至り、騒音Scをキャンセルする。以後、1サンプリン
グ時間Ts毎に上記制御が行われ、エラー信号enが次第
に小さくなってゆき騒音がキャンセルされる。
【0014】以上は、一次音源(騒音源)、二次音源
(スピーカ)、観測点がそれぞれ1個の場合であるが、
騒音源がK個、スピーカがM個、観測点がL個存在する
騒音キャンセルシステムは図16に示すようになる。
尚、図13と同一部分には同一符号を付し、一次音源は
省略し、また、スピーカは二次音伝搬系14に含ませて
いる。xain〜xaKnはK個の騒音源から発生する騒音、
yhin〜yhLnは各観測点におけるキャンセルしたい騒
音、r111n〜rLMKnはフィルタードリファレンス信号、
ya1n〜yaMnは適応フィルタ11bから出力されるM個
の騒音キャンセル信号、e1n〜eLnは各観測点における
エラー信号である。又、16は各観測点におけるマイク
の機能を表現する信号合成部であり、加算部161〜1
1′は第1観測点におけるマイクに相当し、加算部1
2〜162′は第2観測点におけるマイクに相当し、・
・・、加算部16L〜16L′は第L観測点におけるマイ
クに相当する。ddin〜ddLnは各観測点におけるキャン
セル対象でない外部雑音である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の騒音キャンセル
システムでは、一次音源(騒音源)、二次音源(スピー
カ)、観測点がそれぞれ1個の場合であっても、(1),
(2),(3)式の演算を1サンプリング時間内に行なわなけ
ればならない。エンジン音のような周期性ノイズ(こも
り音)の場合、適応フィルタ11bのタップ数(図14
における乗算器MLの数=N)は10〜20タップと比
較的少ない。しかし、フィルタードリファレンス信号生
成用フィルタ11cのタップ数(図15における乗算器
MLの数=M)は、二次音伝搬系の伝搬特性が複雑なた
め多くのタップを必要とし、通常100タップ程度必要
になる。このため、サンプリング周波数が3KHZの場
合、1サンプリング時間毎の演算量が非常に多くなる。
すなわち、(2)式によりフィルタードリファレンス信号
を生成した場合、フィルタ11Cのタップ数をMとする
と、M回の乗算とM−1回の加算が必要になる。一方、
(1)式の畳み込みでは、適応フィルタ11bのタップ数
をNとすると、N回の乗算とN−1回の加算が必要であ
り(3)式による係数更新では、N+1回の乗算とN回の
加算が必要である。従って、1サンプリング時間毎に
2N+M+1回の乗算と2N+M−2回の加算を行わな
ければならない。それ故Nに比べてMが大きければ、全
体の演算量はフィルタ11cのタップ数Mに大きく依存
する。又、以上は、騒音源、スピーカ、観測点がそれぞ
れ1の場合であるが、これらが2以上になればますます
演算量が増大する。
【0016】騒音キャンセルコントローラ11はDSP
(デジタル・シグナル・プロセッサ)により構成される
が、DSPの演算能力の大半がフィルタードリファレン
ス信号の生成に使用されている。DSPの演算能力が十
分である場合にはまだ良いが、不十分の場合には高速、
高価なDSPが必要になったり、あるいは、フィルタの
タップ数を削減したり、あるいは、サンプリング時間を
長くしなければならない。タップ数を削減すれば演算精
度が悪化し、サンプリング時間を長くすれば、適応フィ
ルタの収束速度が低下する。
【0017】そこで、同期式適応フィルタを用いて演算
量削減を図った騒音キャンセル方式が提案されている。
この同期式適応フィルタを用いる方式によれば、演算回
数を減少できるが、参照信号周波数(キャンセルすべき
騒音信号の周波数)が変動する場合には採用できないと
いう制限がある。特に、自動車内に発生する騒音はエン
ジン回転数の2次高調波が支配的であるため、エンジン
回転数に応じて参照信号周波数も変化し、このため、エ
ンジン音をキャンセルする場合に採用できない問題があ
る。又、同期式適応フィルタを用いる方式は狭帯域のラ
ンダムノイズもキャンセルできない問題がある。
【0018】以上から本発明の目的は、消音性能の劣化
をほとんど伴わずに、適応信号処理において1サンプリ
ング時間に実行する演算量を削減できるフィルタードリ
ファレンス信号生成方式を提供することである。本発明
の別の目的は、消音性能の劣化をほとんど伴わずにフィ
ルタードリファレンス信号を生成するための1サンプリ
ング時間に実行する演算量を削減できるフィルタードリ
ファレンス信号生成方式を提供することである。本発明
の更に別の目的は、狭帯域の周期性ノイズやランダムノ
イズをキャンセルでき、しかも消音性能の劣化をほとん
ど伴わずに演算量を削減できるフィルタードリファレン
ス信号生成方式を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
れば、参照信号の周波数に応じて遅延時間が変化する遅
延特性を参照信号に付与する遅延特性付与部と、参照信
号の周波数に応じてゲインを可変するゲイン可変部によ
りフィルタードリファレンス信号生成用フィルタを構成
することにより達成される。
【0020】
【作用】遅延特性付与部は参照信号に該参照信号の周波
数に応じた遅延特性を付与し、ゲイン可変部は参照信号
周波数に応じてゲインを決定し、遅延特性付与部の出力
に該ゲインを作用させてフィルタードリファレンス信号
を出力する。又、信号合成部を設け、遅延特性付与部は
参照信号周波数に応じて参照信号に異なる遅延特性を付
与して複数の遅延信号を出力し、ゲイン可変部は各遅延
信号に参照信号の周波数に応じた所定のゲインを作用さ
せ、信号合成回路は各ゲイン可変部の出力を合成してフ
ィルタードリファレンス信号を出力する。
【0021】
【実施例】
(a) 本発明のフィルタードリファレンス信号生成用フィ
ルタ 本発明は、「騒音信号(参照信号)が狭帯域の場合、二
次音伝搬系の応答は主に定常応答成分で近似できる」点
に着目してフィルタードリファレンス信号生成用フィル
タを構成する。このように、定常応答成分で近似すると
フィルタードリファレンス信号生成用フィルタのタップ
数を減らすことができ、フィルタードリファレンス信号
生成のための演算量を大幅に削減できる。
【0022】参照信号の周波数が一定の場合の実施例 図1は参照信号の周波数が一定の場合におけるフィルタ
ードリファレンス信号生成用フィルタの説明図である。
図1(a)において、11cは従来のFIR型デジタルフ
ィルタ構成のフィルタードリファレンス信号生成用フィ
ルタであり図15に示す構造を有している。すなわち、
DLは参照信号xnを1サンプリング時間順次遅延する
遅延要素、MLは各遅延要素出力に係数CR0,CR1,C
R2,・・・CRTr-1を乗算する乗算器、ADは各乗算器出
力を順次加算する加算部である。係数CR0,CR1,CR2,
・・・C RTr-1は二次音伝搬系(スピーカから観測点ま
での系)の伝搬特性を模擬するように決定されている。
【0023】かかるフィルタードリファレンス信号生成
用フィルタ11cに xn=sin(2πfnT) 0≦n xn=0 n<0 で表現される単一周波数の信号(正弦波)xnを入力し
た場合の応答は、過渡応答成分と定常応答成分との和と
して次式 応答(出力)=(過渡応答成分)+(定常応答成分) により表現することができる。ここで、過渡状態はFI
Rフィルタの最大遅延時間((タップ数−1)×1サン
プリング時間 )だけ続き、その後の出力は定常応答成
分のみとなる。この定常応答成分rnは、次式 rn=G・sin(2πfnT+θ) により表され、周波数が入力と同一で、振幅と位相が入
力と異なる信号となる。
【0024】そこで、過渡応答成分を無視し、定常応答
成分のみで系の応答を近似することにすれば、フィルタ
ードリファレンス信号生成用フィルタ11cの入出力関
係は図1(b)に示すような簡単なシステムでモデル化で
きる。すなわち、入力信号に遅延時間dの遅延特性を付
与する遅延特性付与部21と遅延信号にゲインGを作用
させるゲイン付与部(アンプ)22でモデル化できる。
図1(b)のフィルタードリファレンス信号生成用フィル
タによれば、遅延特性付与部をタップディレイライン
(メモリ)で実現することにより、遅延信号にゲインG
を乗算する1回の積演算のみでフィルタードリファレン
ス信号rnを生成できる。すなわち、図1(b)の構成を
用いてフィルタードリファレンス信号の生成を行うこと
により、従来の方法に比べ演算量を格段に減らすことが
可能となる。尚、従来のANCシステムでは、図16に
示したように観測点(制御ポイント)が複数となる場合
が多く、フィルタードリファレンス信号の生成に必要な
演算量は膨大なものとなるため、この効果は大きい。
【0025】参照信号の周波数が変化する場合の実施
例 参照信号xnの周波数fが変化する場合には、定常応答
信号rnの振幅Gと位相θが周波数fに応じて変化す
る。このため、参照信号xnの周波数fが変化する場合
には、図2に示すように周波数fの変化に応じて遅延時
間dとゲインGを変化させ、各周波数における二次音伝
搬系の伝達関数C(f)を近似的に模擬すればよい。図2
において、(a)は周波数fが一定の場合のフィルタード
リファレンス信号生成用フィルタの構成図(図1(b)に
対応)、(b)は遅延時間d及びゲインGを可変にした構成
図、(c)は参照信号xnの周波数fに基づいて遅延時間
d及びゲインGを可変にする原理的構成図、(d)は参照
信号xnの周波数fに基づいて遅延時間d及びゲインG
を可変にする具体的な構成図である。
【0026】図2(b),(c)において、23は遅延時間可
変の遅延時間特性付与部、24はゲイン可変アンプ、2
5は周波数fに応じて遅延時間dを決定する遅延時間算
出部、26は周波数fに応じてゲインGを決定するゲイ
ン算出部である。遅延時間算出部25は参照信号xnの
周波数fに基づいて遅延時間dを算出して遅延特性付与
部23に入力し、遅延時間付与部23は参照信号xnを
入力された時間dだけ遅延して出力する。一方、ゲイン
算出部26は参照信号xnの周波数fに基づいてゲイン
Gを算出してゲイン可変アンプ24に入力する。ゲイン
可変アンプ24は遅延信号xn-dにゲインGの増幅を行
なってフィルタードリファレンス信号rnを出力する。
【0027】図3は車室内における二次音伝搬系の伝達
関数説明図であり、(a)はゲイン特性、(b)は位相特性で
あり、それぞれ横軸は周波数である。本発明では、周波
数領域を例えば以下に示す f≦f1 1<f≦f2 2<f≦f3 3<f≦f4 4<f ・・・(5) 5つの領域に分割し、それぞれの領域でゲイン特性、位
相特性を直線近似する。
【0028】ゲイン算出部26は次式 G(f)=a1f+b1 (f≦f1) G(f)=a2f+b2 (f1<f≦f2) G(f)=a3f+b3 (f2<f≦f3) G(f)=a4f+b4 (f3<f≦f4) G(f)=a5f+b5 (f4<f) ・・・(6) により周波数に応じたゲインGを算出し、遅延時間算出
部25は次式 d(f)=d1 (f≦f1) d(f)=d2 (f1<f≦f2) d(f)=d3 (f2<f≦f3) d(f)=d4 (f3<f≦f4) d(f)=d5 (f4<f) により周波数に応じた遅延時間dを算出する。
【0029】図2(d)は参照信号xnの周波数fに基づ
いて遅延時間d及びゲインGを可変にする具体的な構成
図である。27は信号遅延部であり、タップディレイラ
インメモリにより実現されている。すなわち、信号遅延
部27はタップ数分(=M個分)のタップディレイライ
ン(メモリ)を備え、各記憶部に現時刻の参照信号x
n、1サンプリング時間前の参照信号xn-1、2サンプリ
ング時間前の参照信号xn-2、・・・(M-1)サンプリング
時間前の参照信号xn-M+1を記憶するようになってい
る。28はデータセレクト部であり、(6)式より参照信
号xnの周波数fに応じた遅延時間dを演算する演算部
と、遅延時間dと該時間遅延した参照信号xn-dを記憶
するメモリアドレスとの対応表を備えている。データセ
レクト部28は参照信号の周波数fに応じた遅延時間d
を演算し、該遅延時間に応じた参照信号xn- dを信号遅
延部27から読み出して出力する。29は参照信号xn
の周波数fに応じたゲインGを(5)式により算出して出
力するゲイン算出部、30は遅延信号xn-dにゲインG
を乗算してフィルタードリファレンス信号rnを出力す
る乗算部である。
【0030】周波数に応じて複数のデータを出力する
実施例 の実施例では、参照信号xnの周波数fに基づいて1
つのデータ(遅延信号xn-d)を読み出してフィルター
ドリファレンス信号rnを作成した場合であるが、以下
の問題点がある。すなわち、参照信号xnの周波数が前
記周波数領域の境界fi(i=1,2,・・・5)を横
切って頻繁に変動するとゲインと遅延時間が頻繁に、か
つ不連続に変化する。これにより二次音伝搬系を模擬す
る伝達関数が不連続になり、フィルタードリファレンス
信号波形がスムーズにならず、不連続部分が生じ、騒音
キャンセル性能を低下する問題がある。特に、遅延時間
における不連続性の問題が大きい。
【0031】以上から、参照信号xnの周波数が周波数
領域の境界fi(i=1,2,・・・5)を横切って頻
繁に変動しても、遅延時間やゲインが不連続に変化しな
いようにする必要がある。換言すれば、いかなる周波数
fにおいても、周波数変化に伴う伝達関数の変化をスム
ーズになるようにしてフィルタードリファレンス信号を
発生する必要がある。かかる要求を満足するために、参
照信号xnの周波数fに基づいて複数の遅延信号を出力
すると共に、複数のゲインを算出して対応する遅延信号
に乗算し、乗算結果を合成してフィルタードリファレン
ス信号rnを出力する。
【0032】図4はかかる場合の実施例構成図であり、
参照信号xnの周波数fに基づいて2つの遅延信号x
n-d、xn-d-1(xn-d-1は参照信号xn-dより1サンプリ
ング時間前の参照信号)を発生するとともに、2つのゲ
インG0,G1を発生し、 G0・xn-d+G1・xn-d-1 をフィルタードリファレンス信号rnとして出力する。
尚、(a)は原理的構成図、(b)は参照信号xnの周波数f
に基づいて遅延時間d及びゲインGを可変にする具体的
な構成図である。
【0033】図4(a)において、31は遅延時間可変の
遅延特性付与部、321,322はゲイン可変アンプ、3
3は周波数fに応じて遅延時間dを決定する遅延時間算
出部、34は周波数fに応じてゲインG0,G1を決定す
るゲイン算出部、35は1サンプリング時間信号を遅延
する遅延部,36は加算部である。遅延時間算出部33
はの実施例と同様に参照信号周波数fに基づいて遅延
時間dを算出して遅延特性付与部31に入力し、遅延特
性付与部31は参照信号xnを時間dだけ遅延して遅延
信号xn-dを出力し、遅延部35は遅延信号xn-dを更に
1サンプリング時間遅延して遅延信号xn-d-1を出力す
る。一方、ゲイン算出部34は参照信号周波数fに基づ
いてゲインG0,G1を算出してゲイン可変アンプ3
0,321に入力する。ゲイン可変アンプ320,321
は遅延信号xn-d,xn-d-1にゲインG0,G1の増幅を行
ない、加算部36は各ゲイン可変アンプの出力を加算し
てフィルタードリファレンス信号rn(=G0・xn-d
1・xn-d-1)を出力する。
【0034】図4(b)において、37は信号遅延部であ
り、タップディレイラインメモリにより実現されてい
る。すなわち、信号遅延部37はタップ数分(=M個
分)のタップディレイライン(メモリ)を備え、各記憶
部に現時刻の参照信号xn、1サンプリング時間前の参
照信号xn-1、2サンプリング時間前の参照信号xn-2、
・・・(M-1)サンプリング時間前の参照信号xd-M+1を記
憶するようになっている。38はデータセレクト部であ
り、参照信号周波数fに応じた遅延時間dを演算する演
算部と、遅延時間dと遅延信号xn-d,xn-d-1を記憶す
るメモリアドレスとの対応表を備えている。データセレ
クト部38は参照信号周波数fに応じた遅延時間dを演
算し、該遅延時間に応じた遅延信号xn-d,xn-d-1を信
号遅延部(メモリ)37から読み出して出力する。
【0035】39は参照信号xnの周波数fに応じたゲ
インG0,G1を算出して出力するゲイン算出部、40,
41は遅延信号xn-d,xn-d-1にゲインG0,G1を乗算
する乗算部、42は乗算結果を加算してフィルタードリ
ファレンス信号rn(=G0・xn-d+G1・xn-d-1)を
出力する加算部である。乗算部40、41及び加算部4
2は2タップのフィルタを構成し、出力であるフィルタ
ードリファレンス信号rnのゲイン及び位相が滑らかに
変化するように作用する。尚、ゲインG0,G1はフィル
タードリファレンス信号rnのゲイン及び位相が周波数
fに応じて滑らかに変化し、かつ、図3に示す実際のゲ
イン特性、位相特性(実線参照)とできるだけ一致する
ように決定する。
【0036】図5は車室内の二次音伝搬系のゲイン、位
相特性(実線)及びその近似特性(点線)の説明図であ
る。参照信号xnの周波数fに基づいて3つの遅延信号
n- d、xn-d-1,xn-d-2を発生するとともに、3つの
ゲインG0,G1,G2を発生し、 G0・xn-d+G1・xn-d-1+G1・xn-d-2 をフィルタードリファレンス信号rnとして出力する場
合、ゲインG0,G1,G 2を適当に決定することにより
フィルタードリファレンス信号rnのゲイン、位相特性
を実際のゲイン、位相特性に近似することができる(点
線参照)。例えば、周波数領域f1<f≦f2では G0(f)=a0f+b0 1(f)=a1f+b1 2(f)=a2f+b2 にもとづいて3つのゲインG0,G1,G2を決定し、フ
ィルタードリファレンス信号rnのゲイン、位相特性が
点線で示されるようにする。尚、他の周波数領域におい
ても同様に2以上のゲインを決定する。
【0037】本発明のフィルタード信号生成用フィル
タの一般的構成 過渡現象を無視できない場合(過渡現象期間が長く、参
照信号の周波数変動及び適応フィルタの収束速度が速い
場合)、過渡応答成分もある程度考慮した模擬系(フィ
ルタードリファレンス信号生成用フィルタ)を構成する
必要がある。そこで、一般には、図6に示すような複数
(少数)のゲイン(係数)G0〜Gmを用いてフィルター
ドリファレンス信号rnを生成するように構成する。こ
のようにすれば、フィルタードリファレンス信号生成に
おける演算量の削減を図り、かつ優れた消音性能を有す
る騒音キャンセルシステムを構成することができる。
【0038】図6(a)は原理的構成図、(b)は具体的な構
成図である。図6(a)において、511〜51mは遅延時
間可変の遅延特性付与部、521〜52mはゲイン可変ア
ンプ、53は周波数fに応じて遅延時間d1〜dmを決定
する遅延時間算出部、54は周波数fに応じてゲインG
1〜Gmを決定するゲイン算出部、551〜55mは加算部
である。図6(b)において、56は信号遅延部であり、
タップディレイラインメモリにより実現されている。5
7はデータセレクト部であり、参照信号周波数fに応じ
た時間d1〜dmだけ遅延された遅延信号xn-d1〜xn-dm
を信号遅延部56から読み出して出力する。58は参照
信号xnの周波数fに応じたゲインG1〜Gmを算出して
出力するゲイン算出部、591〜59mは遅延信号xn-d1
〜xn-dmにゲインG1〜Gmを乗算する乗算器、601
60mは加算部である。
【0039】(b) 騒音キャンセルシステム 図7は図2(d)に示すフィルタードリファレンス信号生
成用フィルタを採用した騒音キャンセルシステムの構成
図であり、エンジン音をキャンセルする場合の例であ
る。71はエンジンの回転に応じて発生するイグニッシ
ョンパルスIGPの波形を整形する波形整形部、72は
イグニッションパルスIGPに基づいてPLL方式によ
りエンジン回転数の2次高調波を参照信号xnとして発
生する参照信号発生部(RG)である。
【0040】図8は参照信号発生部の構成図、図9は参
照信号発生制御説明用波形図である。参照信号発生部7
2において、72aは位相比較器、72bは位相電圧変
換部、72cは入力電圧に比例した周波数の正弦波信号
yを出力する電圧制御発振器(VCO)であり、電圧制
御発振器72cの出力信号yが参照信号xnとなる。位
相比較器72aはイグニッションパルスの波形整形出力
uと電圧制御発振器出力yの位相差を示す信号(uの立
ち上がりからyの零クロス点までの間ハイレベルとなる
信号)vを出力する。位相電圧変換部72bは位相差に
比例した電圧を発生して電圧制御発振器72cに入力
し、電圧制御発振器は入力電圧に比例した周波数の正弦
波信号yを出力する。かかるPLL制御により電圧制御
発振器出力yはエンジン回転の二次高調波と一致し、参
照信号xnとなって出力される。
【0041】73は参照信号の周波数を測定する周波数
カウンタであり、イグニッションパルスの波形整形出力
の立上りから次の立上りまでの間、高速クロックパルス
を計数して参照信号の周波数fを測定・出力する。74
は観測点における騒音(一次音)Snをキャンセルする
ように動作する騒音キャンセルコントローラ、75はス
ピーカの特性を含め、スピーカから観測点までのキャン
セル音が伝搬する系を示す二次音伝搬系(キャンセル音
伝搬系)、76は観測点に配置され、騒音Snとキャン
セル音Scの合成音を検出し、合成音信号をエラ−信号
enとして出力するエラ−マイクである。
【0042】騒音キャンセルコントローラ74はエンジ
ン音の二次高調波が参照信号xnとして入力されると共
に観測点におけるエラ−信号enが入力され、該エラ−
信号のパワーが最小となるようにフィルタードX LM
Sアルゴリズムに基づいた適応信号処理を行って騒音キ
ャンセル信号ynを出力する。騒音キャンセルコントロ
ーラ74は、フィルタードX LMSアルゴリズムに基
づいた適応信号処理を行なう適応信号処理部74aと、
デジタルフィルタ構成の適応フィルタ74bと、参照信
号xnにスピーカから騒音キャンセル点までのキャンセ
ル音伝搬系の伝搬特性(伝達関数C)を畳み込んでフィ
ルタードリファレンス信号rnを作成するフィルタード
リファレンス信号作成用フィルタ74cを有している。
フィルタードリファレンス信号作成用フィルタ74cは
図2(d)に示すフィルタードリファレンス信号生成用フ
ィルタと同一の構成を有し、同一部分には同一符号を付
している。
【0043】エンジンから発生した騒音は所定の一次音
伝搬系を伝搬して騒音キャンセル点に至り、騒音Snと
なる。又、エンジン回転数の二次高調波が参照信号発生
部72から出力され、参照信号xnの周波数fが周波数
カウンタで測定されて出力される。エラーマイク15は
騒音キャンセル点における騒音Snとスピーカから出力
される騒音キャンセル音Scの合成音をエラー信号en
として出力する。フィルタードリファレンス信号生成用
フィルタ74cの信号遅延部27はタップ数分のタップ
ディレイラインメモリを備え、各記憶部に現時刻の参照
信号xn、1サンプリング時間前の参照信号xn-1、2サ
ンプリング時間前の参照信号xn-2、・・・(M-1)サンプ
リング時間前の参照信号xd-M+1を記憶する。データセ
レクト部28は参照信号xnの周波数fに応じた遅延時
間dを演算し、該遅延時間に応じた参照信号xn-dを信
号遅延部27から読み出して出力する。ゲイン算出部2
9は参照信号xnの周波数fに応じたゲインGを算出し
て出力し、乗算部30は遅延信号xn-dにゲインGを乗
算してフィルタードリファレンス信号rnを出力する。
【0044】適応信号処理部74aはフィルタードリフ
ァレンス信号rnとエラーマイク76により検出された
エラー信号enを入力され、(3)式に基づいて適応信号処
理を行って適応フィルタ74bの係数を決定する。適応
フィルタ74bは(1)式により参照信号xnにフィルタリ
ング処理を施して騒音キャンセル信号ynを発生してス
ピーカ(図示せず)に入力する。スピーカは騒音キャンセ
ル信号ynに基づいて騒音キャンセル音を出力する。騒
音キャンセル音は二次音伝搬系75を介して騒音キャン
セル点に至り、騒音Scをキャンセルする。以後、1サ
ンプリング時間Ts毎に上記制御が行われ、エラー信号
enが次第に小さくなってゆき騒音がキャンセルされ
る。図10は図6(b)に示すフィルタードリファレンス
信号生成用フィルタを採用した騒音キャンセルシステム
の構成図であり、図6及び図7と同一部分に同一符号を
付している。図10の動作はこれまでの説明から容易に
理解できるから、その説明は省略する。
【0045】(c) 変形例 以上では騒音としてエンジン音などの狭帯域の周期性ノ
イズを想定して説明したが、本発明は狭帯域のランダム
ノイズをキャンセルする場合にも適用できる。図11は
狭帯域ランダムノイズのフィルタードリファレンス信号
生成用フィルタの構成説明図であり、(a)は従来のFI
R型デジタルフィルタ構成のフィルタードリファレンス
信号生成用フィルタの構成図、(b)は本発明に係わるフ
ィルタードリファレンス信号生成用フィルタの構成図で
ある。
【0046】(a)において、DLは参照信号(ランダムノ
イズ)xnを1サンプリング時間順次遅延する遅延要
素、MLは各遅延要素出力に係数CR0,CR1,CR2,・・
・CRT r-1を乗算する乗算器、ADは各乗算器出力を順
次加算する加算部である。係数CR0,CR1,CR2,・・・
RTr-1は二次音伝搬系(スピーカから観測点までの
系)の伝搬特性を模擬するように決定されている。かか
るFIR型デジタルフィルタに狭帯域の定常ランダムノ
イズxnを入力した場合の定常応答は、近似的にxn-d
表すことができる。このため、フィルタードリファレン
ス信号生成用フィルタの入出力関係は、周期性ノイズの
場合と同様に図11(b)に示すような簡単なシステムで
モデル化できる。すなわち、入力信号に遅延時間dの遅
延特性を付与する遅延特性付与部81と遅延信号にゲイ
ンGを作用させるゲイン付与部82でモデル化できる。
【0047】図12は狭帯域ランダムノイズをキャンセ
ルする騒音キャンセルシステムの構成図であり、図10
と同一部分には同一符号を付している。図10と異なる
点は、狭帯域のランダムノイズが参照信号xnとして入
力されている点、該参照信号の周波数を測定する構成が
異なる点である。91は狭帯域ランダムノイズxnを複
数の周波数成分に分割するバンドパスフィルタユニッ
ト、92は各周波数成分のレベルを比較して最大レベル
を有する周波数成分の中心周波数をランダムノイズの周
波数fとして出力する周波数決定部である。データセレ
クト部57は周波数fに応じて遅延時間dを算出し、信
号遅延部56から遅延信号xn-d,xn-d-1,・・・,x
n-d-mを読出して出力し、ゲイン算出部58は周波数f
に応じてゲインG1〜Gmを決定し、乗算部591〜59m
と加算部601〜60mにおいて遅延信号xn-d
n-d-1,・・・,xn-d-mにゲインG1〜Gmを畳み込ん
でフィルタードリファレンス信号rnを出力する。以
上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の
範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能で
あり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】以上本発明によれば、フィルタードリフ
ァレンス信号作成用フィルタを遅延特性付与部とゲイン
可変部で構成し、遅延特性付与部は参照信号に該参照信
号の周波数に応じた遅延特性を付与し、ゲイン可変部は
参照信号周波数に応じてゲインを決定し、遅延特性付与
部の出力に該ゲインを作用させてフィルタードリファレ
ンス信号を出力するようにしたから、フィルタードリフ
ァレンス信号を生成するための1サンプリング時間に実
行する演算量を削減でき、従って、適応信号処理におい
て1サンプリング時間に実行する演算量を削減すること
ができる。又、本発明のフィルタードリファレンス信号
生成用フィルタを騒音キャンセルシステムに適用するこ
とにより、演算量を削減でき、しかも狭帯域の周期性ノ
イズやランダムノイズをキャンセルできる。
【0049】又、本発明によれば、フィルタードリファ
レンス信号作成用フィルタを遅延特性付与部とゲイン可
変部と信号合成部で構成し、遅延特性付与部は参照信号
周波数に応じて参照信号に異なる遅延特性を付与して複
数の遅延信号を出力し、ゲイン可変部は各遅延信号に参
照信号の周波数に応じた所定のゲインを作用させ、信号
合成回路は各ゲイン可変部の出力を合成してフィルター
ドリファレンス信号を出力するように構成したから、周
波数変化に応じて遅延時間、ゲインをスムーズに変化さ
せることができ、結果的にフィルタードリファレンス信
号を連続的に変化させることができ、騒音キャンセル性
能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参照信号周波数が一定の場合における本発明の
フィルタードリファレンス信号生成用フィルタの説明図
である。
【図2】参照信号周波数が変化する場合における本発明
のフィルタードリファレンス信号生成用フィルタの構成
図である。
【図3】車室内の二次音伝搬系のゲイン、位相特性及び
近似特性説明図である。
【図4】複数の遅延信号を用いた場合における本発明の
フィルタードリファレンス信号生成用フィルタの構成図
である。
【図5】車室内の二次音伝搬系のゲイン、位相特性及び
別の近似特性説明図である。
【図6】本発明のフィルタードリファレンス信号生成用
フィルタの一般的構成図である。
【図7】本発明の騒音キャンセルシステムの構成図であ
る。
【図8】参照信号発生部の構成図である。
【図9】参照信号発生制御説明用の波形図である。
【図10】本発明の騒音キャンセルシステムの別の構成
図である。
【図11】狭帯域ランダムノイズの場合の説明図であ
る。
【図12】狭帯域ランダムノイズをキャンセルする騒音
キャンセルシステムの構成図である。
【図13】従来の騒音キャンセル装置の構成図である。
【図14】適応フィルタの構成図である。
【図15】フィルタードリファレンス信号生成用フィル
タの構成図である。
【図16】騒音源、スピーカ、観測点が複数存在する場
合の従来の騒音キャンセル装置の構成図である。
【符号の説明】
72・・参照信号発生部 73・・周波数カウンタ 74・・騒音キャンセルコントローラ 74a・・適応信号処理部 74b・・適応フィルタ 74c・・フィルタードリファレンス信号生成用フィル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 H03H 17/02 601 H03H 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音キャンセル点における騒音をキャン
    セルするキャンセル音を出力するスピーカ、 騒音キャンセル点における騒音とキャンセル音の合成音
    であるエラー信号を検出するマイク、 騒音源から発生する騒音に応じた参照信号を発生する参
    照信号発生部、 該参照信号に各スピーカからマイクまでのキャンセル音
    伝搬系の伝搬特性を畳み込んでフィルタードリファレン
    ス信号を生成するフィルタと、参照信号にフィルタリン
    グ処理を施して騒音キャンセル信号を発生してスピーカ
    に入力する適応フィルタと、騒音キャンセル点における
    エラー信号とフィルタードリファレンス信号を用いてフ
    ィルタードX LMSアルゴリズムに基づいた適応信号
    処理を行い、前記騒音キャンセル点における騒音をキャ
    ンセルするように適応フィルタの係数を決定する適応信
    号処理部とを有する騒音キャンセルコントローラ、を備
    えた騒音キャンセルシステムにおけるフィルタードリフ
    ァレンス信号生成方式において、 前記フィルタードリファレンス信号生成用のフィルタ
    は、参照信号周波数に応じて遅延時間が変化する遅延特
    性を参照信号に付与する遅延特性付与部と、参照信号周
    波数に応じてゲインを可変するゲイン可変部を備え、 遅延特性付与部は参照信号に該参照信号周波数に応じた
    遅延特性を付与し、ゲイン可変部は遅延特性付与部の出
    力に参照信号周波数に応じたゲインを作用させてフィル
    タードリファレンス信号を出力することを特徴とするフ
    ィルタードリファレンス信号生成方式。
  2. 【請求項2】 フィルタードリファレンス信号生成用の
    フィルタは更に信号合成部を備え、 前記遅延特性付与部は参照信号周波数に応じて参照信号
    に異なる遅延特性を付与して複数の遅延信号を出力し、
    ゲイン可変部は各遅延信号に参照信号の周波数に応じた
    所定のゲインを作用させ、前記信号合成回路は各ゲイン
    可変部の出力を合成してフィルタードリファレンス信号
    を出力する請求項1記載のフィルタードリファレンス信
    号生成方式。
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