JP3428861B2 - 音場制御フィルタ係数算出装置 - Google Patents

音場制御フィルタ係数算出装置

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JP3428861B2
JP3428861B2 JP16351997A JP16351997A JP3428861B2 JP 3428861 B2 JP3428861 B2 JP 3428861B2 JP 16351997 A JP16351997 A JP 16351997A JP 16351997 A JP16351997 A JP 16351997A JP 3428861 B2 JP3428861 B2 JP 3428861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音場制御フィルタ
係数算出装置および音場制御装置に関し、特に、車室内
やリスニングルームなどの音場を制御する際に利用す
る、ディジタル音場制御フィルタ係数を算出する音場制
御フィルタ係数算出装置、および、ディジタル音場制御
フィルタ係数により音場を制御する音場制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の音場制御フィルタの係数を算出す
る装置の例としては、特開平8-63175号公報に開示され
たものがある。図6は、従来の音場制御フィルタ係数算
出装置の構成例を示している。また図7は、音場制御フ
ィルタ係数算出装置によって算出された係数を用いた音
場制御装置の構成例を示している。
【0003】次に、従来の音場制御フィルタ係数算出装
置について説明する。図6において、601はM系列信号
発生器、602は係数が目標のインパルス応答であるFI
Rフィルタ、603は適応FIRフィルタ、604および605
は係数がスピーカから制御点までのインパルス応答であ
るFIRフィルタ、606は係数更新器、607は減算器、60
8は音場制御フィルタ係数算出装置である。
【0004】図7において、701はCDなどの音源、702
はLPF、703はA/D変換器、704は音場制御用FIR
フィルタ、705はD/A変換器、706はLPF、707はア
ンプ、708はスピーカ、709は音場制御装置である。
【0005】次に、上記従来例の動作について説明す
る。図6において、M系列信号発生器601から出力され
た信号Xは、FIRフィルタ602により目標の振幅およ
び位相特性にされ、減算器607の一方(−側)の入力と
なる。FIRフィルタ602の係数には、目標のインパル
ス応答を設定しておく。一方、M系列信号発生器601か
ら出力された信号は、適応FIRフィルタ603およびF
IRフィルタ604によってそれぞれ振幅と位相特性を変
えられ、減算器607のもう一方(+側)の入力となる。
係数更新器606には、FIRフィルタ605によって振幅と
位相特性が変えられたM系列信号発生器601の出力信号
と、減算器607の出力信号が入力される。FIRフィル
タ604および605の係数には、スピーカから制御点までの
インパルス応答を設定しておく。
【0006】係数更新器606は、例えばLMS(Least M
ean Square)アルゴリズムなどの係数更新アルゴリズム
により、適応FIRフィルタ603の係数を更新する。こ
こで、M系列信号発生器601の出力信号、つまり適応F
IRフィルタ603への入力信号行列をX、目標のインパ
ルス応答行列をD、スピーカから制御点までのインパル
ス応答行列をC、適応FIRフィルタのインパルス応答
行列をW、誤差行列をEとすると、係数更新式は、次の
ように表すことができる。
【0007】Wn+1=Wn−μRE ただし、R=CX、E=CWnX−DX、μは係数更新
の度合いを表す収束係数、nは時刻を表す添字である。
上式は、時刻(n+1)のサンプルにおける係数を、時
刻nのサンプルにおける係数から算出することを表して
いる。誤差Eが0になったと仮定すると、CWn=Dが
成り立つ。したがって、適応FIRフィルタは、制御点
における特性CWが、目標の特性であるDになるように
nを変化させる制御を行なうことがわかる。
【0008】上式を用いて、誤差Eが十分小さくなるま
で係数を更新すれば、制御点において目標特性となるよ
うな音場制御フィルタの係数が算出される。音場制御フ
ィルタ係数算出装置は、例えば畳み込み演算が得意なD
SP(Digital Signal Processor)を用いて構成され
る。
【0009】次に、音場制御フィルタ係数算出装置で算
出されたフィルタ係数を用いた、音場制御装置の動作に
ついて説明する。図7において、CDなどの音源701か
ら出力された信号は、LPF702によってカットオフ周
波数以上の信号が減衰され、A/D変換器703によって
アナログ信号からディジタル信号に変換される。A/D
変換器703の出力信号は、音場制御用FIRフィルタ704
によって振幅と位相を変えられる。FIRフィルタ704
の出力信号は、D/A変換器705によってディジタル信
号からアナログ信号に変換され、LPF706によりカッ
トオフ周波数以上の信号が減衰される。LPF706の出
力信号は、アンプ707によって増幅され、スピーカ708に
よって再生音場に放射される。LPF702およびLPF7
06のカットオフ周波数は、サンプリング周波数の半分の
周波数、例えばCDの場合には約20kHz程度に設定さ
れる。音場制御用FIRフィルタ704の係数は、スピー
カから出力された信号が制御点において目標特性になる
ような係数に設定されているので、受聴位置付近に制御
点を設定すれば、CDなどの音源701の信号を目標の特
性で聴くことができる。
【0010】このように、上記従来の音場制御フィルタ
係数算出装置でも、制御点における特性を目標特性とす
るような音場制御フィルタの係数が算出され、その係数
を用いた音場制御装置によって、音場を制御することは
できた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、音場制御フィルタの係数算出にD
SPを用いたとしても時間がかかるという問題を有して
いた。また、音場制御フィルタの係数を別途計算して設
定していたため、音場環境の変化や目標特性の変更に即
座に対応することはできなかった。
【0012】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、音場制御フィルタの係数算出時間の短い音場制御フ
ィルタ係数算出装置と、音場環境の変化や目標特性の変
更に即座に対応することができる音場制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、あらかじめ係数算出用入力信号の1周期分
の畳み込み演算を行なって、演算結果を格納しておくデ
ータ格納器を設け、高速に係数算出を行なうようにした
ものである。また、制御点のマイクから入力した信号に
より音場のインパルス応答を推定することで、係数の算
出を高速に行なうようにしたものである。さらに、適応
FIRフィルタを音場制御フィルタとして用いることに
より、音場制御装置が、音場環境の変化や目標特性の変
更に即座に対応するようにしたものである。
【0014】本発明によれば、上記の構成を採用するこ
とにより、係数算出時間の短い音場制御フィルタ係数算
出装置と音場環境の変化や目標特性の変更に即座に対応
する音場制御装置が実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、第1のデータ格納器と、第2のデータ格納器と、適
応FIRフィルタと、減算器と、係数更新器とを備えた
音場制御フィルタ係数制御装置であって、第1のデータ
格納器は、スピーカから制御点までのインパルス応答デ
ータと1周期分の入力信号を畳み込み計算した結果を格
納し、第2のデータ格納器は、目標のインパルス応答デ
ータと1周期分の入力信号を畳み込み計算した結果であ
る目標データを格納し、適応FIRフィルタは、第1の
データ格納器の計算結果に、係数更新器が更新する係数
Wにて演算を行い、減算器は、適応FIRフィルタの出
力と目標データの差を演算し、係数更新器は、適応FI
Rフィルタにおける1周期分の演算毎に係数Wを更新す
ると共に、更新する係数Wを減算器の演算結果と第1の
データ格納器の計算結果に基づいて決定する音場制御フ
ィルタ係数制御装置であり、計算済みデータを利用して
高速に音場制御フィルタ係数の算出ができるという作用
を有する。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の音場制御フィルタ係数制御装置において、入力信
号を、M系列信号としたものであり、M系列信号を利用
して音場制御フィルタ係数算出用データを作成できると
いう作用を有する。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図5を用いて説明する。
【0025】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態は、データ格納器と適応FIRフィルタと係数更
新器と減算器を備え、あらかじめ入力信号の1周期分の
畳み込み演算を行なってデータ格納器に格納しておき、
データ格納器のデータを繰り返し用いて係数算出を行な
う音場制御フィルタ係数算出装置である。
【0026】図1は、本発明の第1の実施の形態の音場
制御フィルタ係数算出装置の構成を示したものである。
図1において、101および102はデータ格納器、103は適
応FIRフィルタ、104は係数更新器、105は減算器、10
6は音場制御フィルタ係数算出装置である。また、図2
は、データ格納器に格納するデータを作成する際の音場
制御フィルタ係数算出装置の構成例を示したものであ
る。図2において、201はM系列信号発生器、202および
203はFIRフィルタ、204および205はデータ格納器で
ある。
【0027】次に、以上のように構成された本発明の第
1の実施の形態の音場制御フィルタ係数算出装置の動作
を説明する。図1において、データ格納器101の出力デ
ータは適応FIRフィルタ103によって振幅と位相を変
えられ、減算器105の一方(+側)の入力となる。データ
格納器102の出力信号は、減算器105のもう一方(−側)
の入力となる。データ格納器101の出力信号と減算器105
の出力信号は、係数更新器104の入力となる。係数更新
器104は、適応FIRフィルタ103の係数を更新する。デ
ータ格納器に格納された入力信号1周期分のデータは、
繰り返し使用する。
【0028】データ格納器に格納するデータは、次のよ
うに作成する。図2において、M系列信号発生器201の
出力信号は、FIRフィルタ202および203の入力とな
る。FIRフィルタ202および203は、入力信号の振幅と
位相を変えて、データ格納器204および205にそれぞれ格
納する。FIRフィルタ202の係数には目標のインパル
ス応答を、FIRフィルタ203の係数にはスピーカから
制御点までのインパルス応答を設定しておく。
【0029】従来例で説明した係数更新式を書き換える
と、以下のようになる。 Wn+1=Wn−μCX(WnCX−DX) 上式で、適応FIRフィルタの係数Wは、更新を行なう
ごとに係数が変化するが、スピーカから制御点までのイ
ンパルス応答を表すC、および目標のインパルス応答を
表すDは、適応FIRフィルタWの係数更新を行なって
も係数は変化しない。一方、入力信号Xとして、M系列
信号のような、周期性を持つがその周期内ではホワイト
ノイズとしてみなせる信号を用いれば、CXおよびDX
を入力信号の1周期分あらかじめ計算しておき、その信
号を繰り返し用いれば、上式の係数更新が可能である。
CXおよびDXはあらかじめ計算されてあるので、係数
更新時には、係数が変化する適応FIRフィルタWに関
する畳み込み演算であるWCXだけを行なえば良い。
【0030】以上の実施の形態では、入力信号としてM
系列信号を用いることとしたが、ある周期を持ちその周
期内ではホワイトノイズとしてみなせる信号であれば他
の信号でも良い。その周期としては、スピーカから制御
点までのインパルス応答長、目標のインパルス応答長、
および適応FIRフィルタのタップ長よりも長く設定す
る必要がある。また、データ格納器に格納するデータ
は、畳み込みデータの遅延を考慮して、入力信号の2周
期以上の計算を行ない、2周期目以降の1周期分のデー
タを用いる必要がある。
【0031】以上のように、本発明の第1の実施の形態
の音場制御フィルタ係数算出装置によれば、あらかじめ
入力信号の1周期分の畳み込み演算を行なってデータ格
納器に格納しておき、データ格納器のデータを繰り返し
用いて係数算出を行なうようにしたため、係数更新時の
畳み込み演算を削減することができ、高速に係数算出が
できる。
【0032】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、M系列信号および制御点のマイクへの入力信
号を、M系列信号の1周期分にわたってデータ格納器に
格納し、そのデータを用いてスピーカから制御点までの
インパルス応答を推定する音場制御フィルタ係数算出装
置である。
【0033】図3は、本発明の第2の実施の形態の音場
制御フィルタ係数算出装置の構成を示したものである。
図3において、301はM系列信号発生器、302および303
はデータ格納器、304はD/A変換器、305はA/D変換
器、306および307はLPF、308はアンプ、309はマイク
アンプ、310はスピーカ、312はマイク、313は音場制御
フィルタ係数算出装置である。また、311は、スピーカ3
10からマイク312までのインパルス応答を表すブロック
である。
【0034】また、図4は、データ格納器に格納された
データを用いた、スピーカから制御点までのインパルス
応答推定処理の際の音場制御フィルタ係数算出装置の構
成例を示したものである。図4において、401および402
はデータ格納器、403は適応FIRフィルタ、404は係数
更新器、405は減算器、406は音場制御フィルタ係数算出
装置である。
【0035】次に、以上のように構成された本発明の第
2の実施の形態の音場制御フィルタ係数算出装置の動作
を説明する。図3において、M系列信号発生器301は、
データ格納器302に接続されており、データ格納器302に
は、M系列信号の1周期分のデータを格納する。M系列
信号発生器301の出力信号は、D/A変換器304によって
ディジタル信号からアナログ信号に変換され、LPFフ
ィルタ306によってカットオフ周波数以上の信号が減衰
され、アンプ308によって増幅された後、スピーカ310に
よって再生音場に放射される。スピーカ310の出力信号
は、スピーカ310からマイク312までのインパルス応答に
よって振幅と位相を変えられ、マイク312に入力する。
マイク312には、スピーカ310の出力信号以外のノイズ信
号も入力する。マイク312の出力信号は、マイクアンプ3
09によって増幅され、LPF307によってカットオフ周
波数以上の信号が減衰され、A/D変換器305によって
アナログ信号からディジタル信号に変換され、データ格
納器303に入力する。データ格納器303は、M系列信号1
周期分の長さのデータを格納する。
【0036】次に、以上のようにデータ格納器に格納さ
れたデータを用いた、スピーカからマイクまでのインパ
ルス応答の推定方法について説明する。図4において、
データ格納器401には、入力信号であるM系列信号の1
周期分のデータが格納されている。また、データ格納器
402には、マイク312に入力されたM系列信号1周期分の
データが格納されている。データ格納器401の出力信号
は、適応FIRフィルタ403と係数更新器404に入力され
る。適応FIRフィルタ403への入力信号は、適応FI
Rフィルタ403によって、振幅と位相を変えられ、減算
器405の一方の入力となる。データ格納器402の出力信号
は、減算器405のもう一方の入力となる。係数更新器404
は、データ格納器401の出力信号と減算器405の出力信号
を用いて、適応FIRフィルタ403の係数を更新する。
【0037】係数更新器404は、上記従来例と同様にL
MSアルゴリズムなどの係数更新アルゴリズムにより、
適応FIRフィルタ403の係数を更新する。ここで、ス
ピーカから制御点までのインパルス応答行列をC、デー
タ格納器401に格納されているM系列信号1周期分の入
力信号行列をX、データ格納器402に格納されているM
系列信号1周期分のマイクで測定された信号行列をCX
+N(ただし、Nは外部雑音成分)、適応FIRフィル
タのインパルス応答行列をG、誤差行列をEとすると、
係数更新式は、次のように表すことができる。
【0038】Gn+1=Gn−μXE ただし、E=GnX−(CX+N)、μは係数更新の度
合いを表す収束係数、nは時刻を表す添字である。誤差
Eが0になったと仮定すると、NとXの間には相関がな
いため、G=Cが成り立ち、適応FIRフィルタGは、
スピーカからマイクつまり制御点までのインパルス応答
を推定することになる。
【0039】上記第1の実施の形態と同様に、データ格
納器401および402には、M系列信号1周期分のデータを
格納して、それを繰り返し用いれば適応FIRフィルタ
の係数を算出することができる。したがって、データ格
納器402に格納するマイク312への入力信号を収録するた
めに、スピーカ310からはM系列信号1周期以上数周期
分の短い信号を出力すれば良い。そのために、スピーカ
から制御点までのインパルス応答を推定するための、音
楽受聴に不必要なデータ出力は、短くてすむ。これを利
用し、例えば装置の電源投入時に、数十msから数百m
s程度のノイズを出力して、スピーカから制御点までの
インパルス応答を測定し、音場制御フィルタ係数を算出
すれば、常に精度良い音場制御が可能になる。音場制御
装置としては、上記従来例と同様の音場制御装置を用い
れば良い。
【0040】以上のように、本発明の第2の実施の形態
の音場制御フィルタ係数算出装置によれば、M系列信号
および制御点のマイクへの入力信号を、M系列信号の1
周期分にわたってデータ格納器に格納し、そのデータを
用いてスピーカから制御点までのインパルス応答を推定
するため、高速に音場制御フィルタの係数の演算ができ
る。また、M系列信号をスピーカから出力する時間を短
くできるため、音楽受聴のじゃまにならずに、スピーカ
から制御点までのインパルス応答を推定できる。
【0041】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態は、スピーカから制御点までのインパルス応答が
変化したときに、そのインパルス応答の推定を行ない、
音場制御フィルタの係数を自動的に更新する音場制御装
置である。
【0042】図5は、本発明の第3の実施の形態の音場
制御装置の構成を示したものである。図5において、50
1はCDなどの音源、502はLPF、503はA/D変換
器、504は適応FIRフィルタ、505、506はFIRフィ
ルタ、507は係数更新器、508は減算器、509はD/A変
換器、510はA/D変換器、511、512はLPF、513はア
ンプ、514はマイクアンプ、515はスピーカ、517はマイ
ク、518は音場制御装置である。また、516は、スピーカ
からマイクまでのインパルス応答を表すブロックであ
る。
【0043】次に、以上のように構成された本発明の第
3の実施の形態の音場制御装置の動作を説明する。図5
において、音源501の出力信号は、LPF502によってカ
ットオフ周波数以上の信号を減衰され、A/D変換器50
3によりアナログ信号からディジタル信号に変換され
る。A/D変換器503の出力信号は、適応FIRフィル
タにより振幅と位相を変えられ、D/A変換器509によ
りディジタル信号からアナログ信号に変換され、LPF
511によりカットオフ周波数以上の信号を減衰され、ア
ンプ513により増幅され、スピーカ515により再生音場に
放射される。スピーカ515の出力信号は、スピーカから
マイクまでのインパルス応答により振幅と位相が変えら
れ、マイク517に入力する。マイク517の出力信号は、マ
イクアンプ514により増幅され、LPF512によりカット
オフ周波数以上の信号が減衰され、A/D変換器510に
よりアナログ信号からディジタル信号に変換され、減算
器508の一方(+側)の入力となる。
【0044】A/D変換器503の出力信号は、FIRフ
ィルタ506により振幅と位相が変えられ、減算器508のも
う一方(−側)の入力となる。FIRフィルタ506の係
数には、目標のインパルス応答を設定しておく。減算器
508の出力信号は、係数更新器507に入力される。また、
A/D変換器503の出力信号は、FIRフィルタ505によ
り振幅と位相が変えられ、係数更新器507に入力され
る。FIRフィルタ505には、スピーカ515からマイク51
8までのインパルス応答を設定しておく。係数更新器507
は、これらの信号を用いて、適応FIRフィルタ504の
係数を更新する。
【0045】適応FIRフィルタの係数更新の様子は、
上記従来例と同様である。また、FIRフィルタ505の
係数は、上記第2の実施の形態で示した音場制御フィル
タ係数算出装置を用いて、例えば音場制御装置の電源投
入時に、M系列ノイズを出力して算出する。
【0046】以上のように本発明の第3の実施の形態の
音場制御装置によれば、スピーカから制御点までのイン
パルス応答が変化したときに、高速にそのインパルス応
答の推定を行ない、音場制御フィルタの係数は自動的に
更新される。また、目標特性を変更したときにも、自動
的に音場制御フィルタの係数が更新され、常に目標に一
致した音場制御ができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、適応FI
Rフィルタを用いて音場制御フィルタの係数を算出する
場合に、計算中に係数が変化しない固定FIRフィルタ
の演算部分については、あらかじめ計算したデータを利
用するので、音場制御フィルタの係数算出を高速に行な
うことができるという効果が得られる。
【0048】また、係数算出の入力信号としてM系列信
号を用いて、スピーカから制御点のマイクまでのインパ
ルス応答を推定するので、音場制御フィルタの係数算出
を簡単に高速に行なうことができるという効果が得られ
る。
【0049】さらに、適応FIRフィルタを音場制御フ
ィルタとした音場制御装置により、音場環境が変化した
場合や、目標特性を変更した場合に、自動的に音場制御
フィルタの係数が更新されて即座に目標の音場になるの
で、快適に音楽などの受聴ができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の音場制御フィルタ
係数算出装置における、係数算出時の構成の概略ブロッ
ク図、
【図2】本発明の第1の実施の形態の音場制御フィルタ
係数算出装置における、データ格納器に格納するデータ
算出時の構成の概略ブロック図、
【図3】本発明の第2の実施の形態の音場制御フィルタ
係数算出装置における、データ格納器に格納するデータ
収録時の構成の概略ブロック図、
【図4】本発明の第2の実施の形態の音場制御フィルタ
係数算出装置における、係数算出時の構成の概略ブロッ
ク図、
【図5】本発明の第3の実施の形態の音場制御装置の概
略ブロック図、
【図6】従来の音場制御フィルタ係数算出装置の概略ブ
ロック図、
【図7】従来の音場制御装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
101、102、204、205、302、303、401、402 データ格納
器 103、403、504、603 適応FIRフィルタ 104 係数更新器 105、405、508、607 減算器 106、206、406、518、608 音場制御フィルタ係数算出
装置 201、301、601 M系列信号発生器 202、203、505、506、602、604、605、704 FIRフィ
ルタ 304、509、705 D/A変換器 305、503、510、703 A/D変換器 306、307、502、511、512、702、706 LPF 308、513、707 アンプ 309、514 マイクアンプ 310、515、708 スピーカ 311、516 スピーカからマイクまでのインパルス応答を
表すブロック 312、517 マイク 404、507、606 係数更新器 501、701 音源
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−306684(JP,A) 特開 平7−95684(JP,A) 特開 平4−73000(JP,A) 特開 平7−74565(JP,A) 特開 平7−162985(JP,A) 特開 平8−33092(JP,A) 特開 平9−185383(JP,A) 特公 平8−63175(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 15/00 G10K 15/12 H03H 17/02 601 H03H 21/00 H04S 7/00 H04R 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のデータ格納器と、第2のデータ格
    納器と、適応FIRフィルタと、減算器と、係数更新器
    とを備えた音場制御フィルタ係数制御装置であって、第
    1のデータ格納器は、スピーカから制御点までのインパ
    ルス応答データと1周期分の入力信号を畳み込み計算し
    た結果を格納し、第2のデータ格納器は、目標のインパ
    ルス応答データと1周期分の入力信号を畳み込み計算し
    た結果である目標データを格納し、適応FIRフィルタ
    は、第1のデータ格納器の計算結果に、係数更新器が更
    新する係数Wにて演算を行い、減算器は、適応FIRフ
    ィルタの出力と目標データの差を演算し、係数更新器
    は、適応FIRフィルタにおける1周期分の演算毎に係
    数Wを更新すると共に、更新する係数Wを減算器の演算
    結果と第1のデータ格納器の計算結果に基づいて決定す
    る音場制御フィルタ係数制御装置。
  2. 【請求項2】 入力信号は、M系列信号である請求項1
    に記載の制御フィルタ係数制御装置。
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