JP3358463B2 - 拡声装置 - Google Patents

拡声装置

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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力音声信号を
増幅してスピーカから出力する拡声装置に関する。
【0002】
【従来の技術】拡声装置としてマイクロフォン、パワー
アンプ、スピーカが一体型の講演台がある。このような
装置でハウリング防止装置が備わっているものはすくな
い。現状でハウリング防止装置は、グラフィックイコラ
イザやノッチフィルタなどのようにハウリング周波数付
近のレベルを下げてハウリングを防止するものが多く、
適応フィルタを用いてスピーカ、マイクロフォン間の伝
達関数を測定し、その係数を利用してハウリングキャン
セルを行う方式のものは少ない。また、適応フィルタを
動作させるには、スピーカからホワイトノイズなどのト
レーニング信号を出し、マイクロフォンでそれを収音し
て伝達関数を求める必要がある。
【0003】図5は適応フィルタを用いる従来の拡声装
置のシステムの一例を示すブロック図である。図5に示
すシステムでは、ホワイトノイズ発生部10の出力をパワ
ーアンプPAに入力することによって最初にホワイトノイ
ズを発生し、適応フィルタ部20を動作させる。そして、
スピーカSP、マイクロフォンM間のインパルスレスポン
スの逆位相を自動的に計測して適応フィルタ部20内の適
応フィルタAPFの特性を調節する。このようにして特性
を調節した適応フィルタAPFを用いることで、マイクロ
フォンM、マイクアンプMA、適応フィルタ部20、パワー
アンプPA、スピーカSP、話者およびスピーカSPを含む空
間30からなるブロックでハウリング防止を行うことがで
きる。ただし、話者40の声は外乱ノイズに相当するので
計測中は無音でなければならない。そして、計測が終了
すると適応フィルタAPFの特性は固定する。この場合図
5に示す適応フィルタ部20は、マイクアンプMAの出力信
号RIと適応フィルタAPFの出力の反転信号を加算する加
算器60と、加算器60の出力信号EOとホワイトノイズ発生
部50の出力を加算する加算器50の出力信号DIと、入力誤
差信号EI(信号EO)を入力信号とする適応フィルタAPF
から構成されている。また、適応フィルタAPFの適応ア
ルゴリズムとしては、LMS(最小2乗)法が採用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の拡声装置においては、次に述べるような課題があっ
た。 (1)マイクロフォン、パワーアンプ、スピーカが一体
型の講演台のような従来の装置では、マイクロフォンと
スピーカの配置の関係上音量に制限があり、ある音量以
上になるとハウリングが起き、十分な音量で拡声するこ
とができない。 (2)これを防止するためにグラフィックイコライザや
ノッチフィルタなどを系に通してハウリング周波数付近
のレベルを下げてハウリングを防止するが、この方式だ
と音質が変化する、またハウリングが起きる以上のレベ
ルには音量が上げげられないなどの欠点がある。 (3)一方、適応フィルタを用いる方式では、前記した
ようにスピーカからホワイトノイズなどのトレーニング
信号を出し、マイクロフォンでそれを収音して伝達関数
などを求める必要があり、拡声システムとして不要な音
を出すことになり不便である。 (4)また、トレーニング信号を用いずに、話者の声を
適応フィルタを動作させるために用いた場合、話声のた
めレベルの変動が大きく、適応フィルタの計算に誤差を
生じ易くなる。
【0005】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、例えばマイクロフォン、パワーアンプ、スピ
ーカが一体型の拡声装置において、必ずしもトレーニン
グ信号を用いなくてもハウリングを起こさずに大音量で
音声を拡声することができる装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、適応フィルタを用いてマイ
クロフォン、スピーカ間の伝達関数を測定し、これを係
数とするFIRフィルタを用いてハウリングを防止する
拡声装置において、音声側とスピーカ側一対の隣接した
指向性マイクロフォンを使用し、一方で音声側のマイク
ロフォン収音信号を拡声し、他方でスピーカ側のマイク
ロフォン収音信号で適応フィルタを働かせ、マイクロフ
ォン、スピーカ間の伝達関数を測定する手段と、前記F
IRフィルタを用いて上記の測定した伝達関数に音声側
の信号を畳み込み、その結果の逆位相信号で音声側のエ
コーをキャンセルする手段とを具備することを特徴とす
る拡声装置である。
【0007】また、請求項2記載の発明は、適応フィル
タを用いてマイクロフォン、スピーカ間の伝達関数を測
定し、これを係数とするFIRフィルタを用いてハウリ
ングを防止する拡声装置において、音声側とスピーカ側
一対の隣接した指向性マイクロフォンを使用し、一方で
音声側のマイクロフォン収音信号を拡声し、他方でスピ
ーカ側のマイクロフォン収音信号で適応フィルタを働か
せ、マイクロフォン、スピーカ間の伝達関数を測定する
手段と、前記FIRフィルタを用いて上記の測定した伝
達関数に音声側の信号を畳み込み、その結果の逆位相信
号で音声側のエコーをキャンセルする手段と、音声の収
音信号のある時間長のレベルをリアルタイムで計算し、
時々刻々の音声信号レベルを判定して得た音声信号検出
信号により、所定の大レベル及び小レベルの時、適応フ
ィルタ動作のストップ又はスタートを制御する手段を具
備することを特徴とする拡声装置である。
【0008】また、請求項3記載の発明は、前記伝達関
数を測定する手段が、音声側のマイクロフォン収音信号
の拡声ゲインに対応させて、スピーカ側のマイクロフォ
ン収音信号の増幅ゲイン又は前記適応フィルタの入力信
号の増幅ゲインを変化させることを特徴とする請求項1
又は2記載の拡声装置である。
【0009】また、請求項4記載の発明は、音声側のマ
イクロフォン収音信号の拡声ゲインに対応する所定の倍
率を掛けた後、前記測定した伝達関数を前記FIRフィ
ルタに設定することを特徴とする請求項3記載の拡声装
置である。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施形態について説明する。図1及び図2はこの発
明の一実施形態による拡声装置1の構成を示すブロック
図であり、図1は拡声装置1の内部構成を示し、図2は
拡声装置1の概略の外観を示している。ここで、図1及
び図2に示す構成で図5に示すものと同一の構成には同
一の符号を付けている。本実施形態は、図2に示すよう
に、本発明をマイクロフォン100、パワーアンプPA、ス
ピーカSP等からなる一体型の拡声装置1に適用する場合
の例である。本実施形態の拡声装置1は、一体形成ある
いは近接配置された2本の指向性マイクロフォンMA及び
MBからなるマイクロフォン100と、マイクロフォン100の
出力信号(A)、(B)を入力信号として所定の信号処理を行
い、信号(C)を出力する信号処理装置300と、信号処理装
置300の出力信号(C)によって駆動されるスピーカSPから
なる。2本の指向性マイクロフォンMA及びMBは、各指向
方向がそれぞれスピーカSPの音声出力方向の空間30Aと
講演台200の後方すなわち話者40の周囲の空間30Bに向く
よう、設置されている。信号処理装置300は、マイクロ
フォン100の出力信号(A)、(B)を増幅するマイクアンプ
部310と、マイクアンプ部310の出力信号を入力として信
号処理を行うプロセッサ320と、プロセッサ320の出力信
号を増幅して出力するパワーアンプPAから構成されてい
る。
【0012】次に、図1を参照して信号処理装置300の
内部ブロックについて説明する。マイクアンプ部310
は、スピーカSP側の空間30Aに指向方向が向けられた指
向性マイクロフォンMAの出力信号を増幅するマイクアン
プMAAと、話者40側の空間30Bに指向方向が向けられた指
向性マイクロフォンMBの出力信号を増幅するマイクアン
プMABから構成されている。プロセッサ320は、マイクア
ンプMABの出力を非反転入力信号とし、FIRフィルタ
(有限インパルス応答フィルタ)410の出力信号を反転
入力信号とする加算器420、マイクアンプMABの出力パワ
ーのレベルが所定の範囲内にあるかどうかを検出するレ
ベル検出回路430、加算器420から出力された信号のレベ
ルを調節するゲインコントロールG、コンパクトディス
クなどの光ディスクあるいは磁気ディスクやメモリなど
の記憶手段に記録された信号を用い、ホワイトノイズ又
はBGM用音楽ソース信号を発生するホワイトノイズ・
BGMソース発生器S、ゲインコントロールGの出力と適
応フィルタ部440の出力信号EOとホワイトノイズ・BG
Mソース発生器Sの出力を加算する加算器を450、マイク
アンプMAAの出力信号の大きさを調節して適応フィルタ
部440へ入力するゲインコントロールG'、加算器450の出
力信号の大きさを調節して適応フィルタ部440へ入力す
るゲインコントロールG”から構成されている。
【0013】適応フィルタ部440は、FIRフィルタを
用いて構成されている適応フィルタAPF、適応フィルタA
PFの出力を反転入力信号とし、ゲインコントロールG'の
出力RIを非反転入力とする加算器460から構成されてい
る。適応フィルタ部440は、ゲインコントロールG'の出
力信号RIを目標信号とし、ゲインコントロールG"の出力
を入力信号DIとして、適応フィルタAPFからの出力信号
が目標信号RIに近くなるように、すなわち誤差信号EIの
パワーが最小となるように、適応フィルタAPFのフィル
タ係数を適応変化させる。その適応アルゴリズムとして
は、たとえばLMS法を用いることができる。適応フィ
ルタ部440は、適応アルゴリズムによって最適化された
各係数を、必要に応じて所定の倍率を乗じた後、FIR
フィルタ410に転送し、これによってFIRフィルタの
各タップの係数Wを更新する。一方、ゲインコントロー
ルG、G'、G"は互いに連動して動作するように構成され
ている。また、ホワイトノイズ・BGMソース発生器S
は、通常は動作しておらず、操作者から所定の指示が入
力された場合のみ動作するように構成されている。
【0014】次に、以上のようにして構成されている本
実施形態の動作について説明する。図1に示す本発明に
よる拡声装置の特徴は、話者40が話している時でも適応
フィルタAPFを動作可能であり、常に係数を更新するこ
とが可能である点である。ただし、本実施形態において
も、図5に示す従来の拡声装置と同様にホワイトノイズ
・BGMソース発生器Sを動作させることで最初にホワ
イトノイズを発生し、適応フィルタAPFを動作させて、
スピーカ、マイクロフォン間のインパルスレスポンスを
FIRフィルタ410に設定するようにすることが可能で
ある。では話者40が話し中のときにFIRフィルタ410
の特性を設定する場合の動作について説明する。まず話
者40の声は指向性マイクロフォンMBで収音し、マイク
アンプMAB、ゲインコントロールG、パワーアンプPA等を
介して、スピーカSPから拡声される。拡声された音は指
向性マイクロフォンMAで収音される。指向性マイクロ
フォンMAの出力信号はマイクアンプMAA及びゲインコン
トロールG'を介して適応フィルタ部440へ入力される。
他方、レベル検出回路430は、マイクアンプMABの出力信
号LDを入力し、そのパワーのレベルを検出して、それが
所定の範囲内にある場合にのみ、適応フィルタ部440が
動作可能となるようなコントロール信号Dを出力する。
適応フィルタ部440内では、適応フィルタAPFがスピーカ
SP、指向性マイクロフォンMA間のインパス応答を計測
し、自分自身の係数を適応変化させる。計測された係数
は特定の倍率を掛けてFIRフィルタ410にコピーされ
る。この状態でスピーカSPから、指向性マイクロフォン
A、MBにフィードバックするエコー成分はキャンセル
され、ハウリングを防止することができる。
【0015】適応フィルタAPFは、レベル検出回路430か
ら入力される制御信号Dに従って、マイクアンプMABの出
力レベルが所定の範囲内にある場合にのみ係数の適応動
作を行う。したがって、話声のレベル変動による影響を
抑え、適応フィルタの計算における誤差を小さくするこ
とができる。なお、FIRフィルタ410の係数Wの更新
は、あらかじめ定めた時間間隔、あるいは適応フィルタ
APF等のサンプリング周期に同期した時間間隔で行うこ
とができる。
【0016】上記の動作において、ゲインコントロール
Gの設定ゲイン(拡声ゲイン)が、主にスピーカSP、指
向性マイクロフォンMBからなる系のループゲインを1
以上とするように設定された時には、スピーカSP、指向
性マイクロフォンMAからなる系のループゲインがゲイ
ンコントロールGの設定ゲインを変更する前の値で維持
されるように(あるいは少なくとも後者のループゲイン
を1未満とするように)、ゲインコントロールG'、G"の
各設定ゲインを下げて、この系ではハウリングを起こさ
ないようにする。この場合の係数のコピーは、ゲインコ
ントロールGの設定ゲインを上げた分だけの倍率を係数
に掛けてFIRフィルタ410にコピーするようにする。
指向性マイクロフォンMB側のループゲインに対応させ
て、ゲインコントロールG'、G"の各設定ゲインを調節す
ることで、ループゲインが1以上となった場合にも適応
フィルタAPFを安定して動作させることが可能となり、
このような場合にもリアルタイムの実測値に基づいてF
IRフィルタ410のタップ係数Wを更新することが可能
となる。
【0017】本実施形態のシステムでは、スピーカSPか
ら指向性マイクロフォンMA、MBへの伝達関数が必ずし
も2本のマイクロフォン間で精密に一致するものではな
い。しかし、指向性マイクロフォンMA、MBが、例えば
一体に形成される等して極めて近接しているため、スピ
ーカSPからの直接音や初期の反射音などレベルの大きな
ものについては、インパルス応答波形は倍率が異なるも
のの同一(相似)形状として近似することができる。本
発明はこの特性を利用したものである。図3はこの特性
を説明するための図である。図3は、図2に示すような
構成の拡声装置において、インパルス状の信号をスピー
カSPから出力した時に、マイクアンプMAA及びMABから出
力される波形(ア)及び(イ)と、マイクアンプMAAか
ら出力される信号の振幅を変えて逆位相にしたものと、
マイクアンプMABから出力される信号を合成した波形
(ウ)を示す図である。波形(ウ)から分かるように、
たとえ比較的レベルの小さい後期の反射音をキャンセル
することができなかったとしても、直接音や初期の反射
音をキャンセルすることができれば、十分、ハウリング
防止効果を得ることができる。
【0018】次に、図4を参照してレベル検出回路430
の内部構成について説明する。レベル検出回路430は、
パワー計算回路510、1サンプリング周期毎にシフトす
るNタップのメモリ520、レベル判定回路530から成る。
ここでXは現在の入力である(図1の信号Dに対応す
る)。パワー計算回路510の計算結果は、過去Nサンプ
ルの入力Xを2乗して加算したもので、1サンプリング
ごとにメモリ520をシフトしながら、P0=P1+X2−P
N+1のように、今回の入力Xを2乗したものと前回計算
したパワー値P1を加えたものから最も古いパワー値P
N+1を差し引いて、これを最も新しいメモリ0にストア
することを繰り返すことによって求められる。最も新し
いパワー値P0は過去Nサンプルの入力の2乗の和とな
っている。レベル検出回路530は、現在計算したパワー
0と、あらかじめ設定した小レベル及び大レベルとを
比較し、この範囲以下、以上の場合はレベル大小検出フ
ラグとしてON(“1”)信号を出力し、他の場合はO
FF信号(“0”)を出力する。このレベル大小検出フ
ラグは、適応フィルタAPFのストップ(“1”)、スタ
ートあるいは継続(“0”)を制御するコントロール信
号Dとなる。図4に示すレベル検出回路430によれば、音
声の収音信号の所定の時間長のレベルをリアルタイムで
計算し、時々刻々の音声信号パワーを判定して得た信号
により、適応フィルタの動作のストップ又は継続を制御
することが可能となる。すなわち、リアルタイムに計算
可能であるため、通常、常時動作させておく適応フィル
タの動作を制御するのに適したレベル検出をすることが
でき、また過去Nサンプルの入力の2乗の和によってレ
ベルを検出するので適応フィルタのLMS法による適応
アルゴリズムに適した値を得ることが可能である。
【0019】本実施形態によれば、話者の声を用いて適
応フィルタの動作を行わせることができるので、スピー
カからホワイトノイズなどのトレーニング信号を出す必
要がなくなる。また、話者の声のレベルが極端に大きい
場合や小さい場合には適応フィルタの動作を止め、平均
的なレベルの時にのみ適応フィルタを動作させるために
適応フィルタにおける係数適応誤差を小さくすることが
できる。また、トレーニング信号を用いなくてもFIR
フィルタを用いるハウリング防止を行うことができ、グ
ラフィックイコライザやノッチフィルタを用いる従来の
手法では不可能であるループゲイン1以上の大音量を出
すことができる。
【0020】なお、上記の説明では講演台と一体の拡声
装置を本発明の実施形態としたが、本発明は、マイクロ
フォン、スピーカが分離されている拡声装置においても
同様に適用可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、音声側とスピーカ側の一対の隣接した指向性マイク
ロフォンを使用し、一方で音声側のマイクロフォン信号
を拡声し、他方でスピーカ側のマイクロフォン収音信号
で適応フィルタを働かせ、マイクロフォン、スピーカ間
の伝達関数を測定する手段と、FIRフィルタを用いて
上記の測定した伝達関数に音声側の信号を畳み込み、そ
の結果の逆位相信号で音声側のエコーをキャンセルする
手段と、音声の収音信号のある時間長のレベルをリアル
タイムで計算し、時々刻々の音声信号レベルを判定して
得た音声信号検出信号により、所定の大レベル及び小レ
ベルの時、適応フィルタ動作のストップ又はスタートを
制御する手段を設けたので、トレーニング信号を内部で
発生させることなく、講演者が話す音声で適応フィルタ
を動作させ、講演しながらマイクロフォン、スピーカ間
の伝達関数を測定することができる。また、レベルの検
出を行い、ある適当な音量時のみ適応フィルタを動作さ
せることができ、誤差を少なくすることができる。さら
に、適応フィルタとFIRフィルタを用いてハウリング
を防止するので、ループゲインを1以上にすることが可
能であり、十分な音量で拡声することができる。したが
って、特にマイクロフォンとスピーカの配置関係に制限
がある講演台一体型の拡声装置に用いるのに適してい
る。
【0022】
【0023】また、音声側のマイクロフォン収音信号の
拡声ゲインに対応させて、スピーカ側のマイクロフォン
収音信号の増幅ゲイン又は適応フィルタの入力信号の増
幅ゲインを変化させることによって、ループゲイン1以
上の拡声を行う場合にも、安定してFIRフィルタの特
性を設定することができ、より精度良くハウリングをキ
ャンセルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による拡声装置の内部
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す拡声装置の外観を示す模式図であ
る。
【図3】 本発明の拡声装置の動作を説明するために用
いる波形図である。
【図4】 図1に示すレベル検出回路430の一構成例を
示すブロック図である。
【図5】 従来の拡声装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
APF…適応フィルタ、MA,MB…指向性マイクロフォン、S
P…スピーカ、S…ホワイトノイズ・BGMソース発生回
路、G,G',G"…ゲインコントロール、1…拡声装置、10
0…マイクロフォン、200…講演台、300…信号処理装
置、410…FIRフィルタ、430…レベル検出回路、440
…適応フィルタ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04R 27/00 H04R 27/00 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 17/02 601 H03H 21/00 H04B 3/23 H04R 1/40 320 H04R 3/02 H04R 27/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応フィルタを用いてマイクロフォン、
    スピーカ間の伝達関数を測定し、これを係数とするFI
    Rフィルタを用いてハウリングを防止する拡声装置にお
    いて、 音声側とスピーカ側一対の隣接した指向性マイクロフォ
    ンを使用し、一方で音声側のマイクロフォン収音信号を
    拡声し、他方でスピーカ側のマイクロフォン収音信号で
    適応フィルタを働かせ、マイクロフォン、スピーカ間の
    伝達関数を測定する手段と、 前記FIRフィルタを用いて上記の測定した伝達関数に
    音声側の信号を畳み込み、その結果の逆位相信号で音声
    側のエコーをキャンセルする手段と具備することを特
    徴とする拡声装置。
  2. 【請求項2】 適応フィルタを用いてマイクロフォン、
    スピーカ間の伝達関数を測定し、これを係数とするFI
    Rフィルタを用いてハウリングを防止する拡声装置にお
    いて、 音声側とスピーカ側一対の隣接した指向性マイクロフォ
    ンを使用し、一方で音声側のマイクロフォン収音信号を
    拡声し、他方でスピーカ側のマイクロフォン収音信号で
    適応フィルタを働かせ、マイクロフォン、スピーカ間の
    伝達関数を測定する手段と、 前記FIRフィルタを用いて上記の測定した伝達関数に
    音声側の信号を畳み込み、その結果の逆位相信号で音声
    側のエコーをキャンセルする手段と音声の収音信号のあ
    る時間長のレベルをリアルタイムで計算し、時々刻々の
    音声信号レベルを判定して得た音声信号検出信号によ
    り、所定の大レベル及び小レベルの時、適応フィルタ動
    作のストップ又はスタートを制御する手段を具備するこ
    とを特徴とする拡声装置。
  3. 【請求項3】 前記伝達関数を測定する手段が、音声側
    のマイクロフォン収音信号の拡声ゲインに対応させて、
    スピーカ側のマイクロフォン収音信号の増幅ゲイン又は
    前記適応フィルタの入力信号の増幅ゲインを変化させる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の拡声装置。
  4. 【請求項4】 音声側のマイクロフォン収音信号の拡声
    ゲインに対応する所定の倍率を掛けた後、前記測定した
    伝達関数を前記FIRフィルタに設定することを特徴と
    する請求項3記載の拡声装置。
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