JPH1039876A - 能動消音方法及び装置 - Google Patents

能動消音方法及び装置

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JPH1039876A
JPH1039876A JP8191208A JP19120896A JPH1039876A JP H1039876 A JPH1039876 A JP H1039876A JP 8191208 A JP8191208 A JP 8191208A JP 19120896 A JP19120896 A JP 19120896A JP H1039876 A JPH1039876 A JP H1039876A
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JP
Japan
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noise
temperature
low
frequency
filter
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Application number
JP8191208A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawano
聖史 川野
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルタ係数を格納するために大容量のメモリ
を要することなく、フィルタ係数の演算処理に多くの時
間を要することなく、騒音伝搬空間の温度が変化しても
十分な消音効果を得ることを目的とする。 【解決手段】騒音伝搬空間における騒音を検出しローパ
スフィルタを経て得られたデジタル信号に対し、畳み込
み演算処理を行って所定の位相と振幅の駆動デジタル信
号を生成し、駆動デジタル信号に基づく消音用音波を騒
音伝搬空間に発して騒音を低減する能動消音方法であっ
て、騒音伝搬空間の温度に応じて、ローパスフィルタの
カットオフ周波数及び畳み込み演算処理におけるサンプ
リング周波数を、Fc1 =μ・Fc0 、Fs1 =μ・F
0 (但し、Fc0 ,Fc1 は温度φ0 ,φ1 (°C)
におけるカットオフ周波数、Fs0 ,Fs1 は温度
φ0 ,φ 1 におけるサンプリング周波数、μ=〔(27
3.15+φ1 )/(273.15+φ0 )〕1/2 であ
る)を満たすように可変する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、居住空間の快適化
を図るために、騒音伝搬空間における騒音を消音用音波
との干渉によって低減させるための能動消音方法及び装
置に関する。
【0002】このような能動消音方法及び装置は、例え
ば空調の空気流による音、車内におけるエンジン騒音、
室内における冷蔵庫の音など、種々の騒音を低減するた
めに用いられる。
【0003】
【従来の技術】図5は従来の能動消音装置80の構成を
示すブロック図である。図5において、能動消音装置8
0は、マイクロホンMC1、ローパスフィルタ81、A
D変換器82、フィルタ畳み込み演算部83、DA変換
器84、ローパスフィルタ(アンチエリアジングフィル
タ)85、及びスピーカ86などから構成されている。
【0004】ローパスフィルタ81のカットオフ周波数
Fcは、フィルタ畳み込み演算部83におけるサンプリ
ング周波数Fsの2分の1以下の周波数に設定されてい
る。これによって、後の処理に不要な周波数帯域がカッ
トされる。
【0005】騒音源から発せられて騒音伝搬空間SSN
内を伝搬してきた騒音NSは、地点PT1を通過し、伝
搬路RTNを経て地点PT2に至り且つ通過する。地点
PT1において、マイクロホンMC1によって騒音NS
が検出され、アナログの電気信号S81に変換される。
電気信号S81は、ローパスフィルタ81を通過するこ
とによって、不要な高域成分がカットされる。ローパス
フィルタ81から出力される信号S82は、AD変換器
82によって離散化され、デジタルの信号S83に変換
される。
【0006】フィルタ畳み込み演算部83において、信
号S83に対し所定のフィルタ係数hによる畳み込み演
算を行い、所定の位相と振幅の駆動デジタル信号S84
を生成する。フィルタ畳み込み演算部83は畳み込み演
算処理を行うことによって実現されるデジタルフィルタ
である。
【0007】駆動デジタル信号S84は、DA変換器8
4によって連続化され、アナログの信号85に変換され
る。信号85は、ローパスフィルタ85を通過した後、
図示しない増幅器によって電力増幅され、スピーカ86
から騒音伝搬空間SSN内の地点PT2に向かって消音
用音波STとして放射される。
【0008】消音用音波STは、伝搬路RTSを経て地
点PT2に至る。地点PT2において、伝搬路RTNか
らの騒音NSと伝搬路RTSからの消音用音波STとが
干渉し、騒音NSの量が低減する。
【0009】フィルタ畳み込み演算部83においては、
スピーカ86から放射される消音用音波STと騒音NS
との干渉によって地点PT2における騒音NSの音圧が
零になるように、所定のフィルタ係数hによる畳み込み
演算が行われる。演算に用いられるフィルタ係数hは、
マイクロホンMC1及びスピーカ86の特性、伝搬路R
TNの伝達特性w、及び伝搬路RTSの伝達特性fなど
に基づいて決定される。
【0010】図6は従来の他の例の能動消音装置80a
の構成を示すブロック図である。図6において、図5と
同じ機能を有する要素には同一の符号を付す。図6に示
す能動消音装置80aは適応型のものであり、図5に示
す能動消音装置80に対して、音を地点PT2において
検出するためのマイクロホンMC2、ローパスフィルタ
87、AD変換器88、補正フィルタ畳み込み演算部8
9、及びフィルタ係数更新部90が追加されている。
【0011】能動消音装置80aでは、マイクロホンM
C2により検出される音が最小となるように、フィルタ
係数更新部90によってフィルタ畳み込み演算部83で
用いられるフィルタ係数hを逐一更新する。補正フィル
タ畳み込み演算部89において利用されるフィルタは補
正フィルタである。補正フィルタ畳み込み演算部89で
は、スピーカ86から伝搬路RTSを経て地点PT2に
至るまでの経路をも含め、つまり、DA変換器84、ロ
ーパスフィルタ85、スピーカ86、伝搬路RTS、マ
イクロホンMC2、ローパスフィルタ87、及びAD変
換器88の総ての経路を含めた伝達関数を用いて畳み込
み演算が行われる。
【0012】このような能動消音装置80は、例えば特
開昭61−296392号公報又は特開昭63−311
396号公報によって公知である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の能動消音装置80によると、フィルタ係数hの値が固
定されているため、騒音伝搬空間SSNの温度が特定の
温度から変化した場合には、能動消音装置80による消
音効果は低下する。
【0014】すなわち、空気中の音の伝搬速度は温度に
応じて変化するので、騒音NSの伝搬路RTNにおける
伝搬時間及び消音用音波STの伝搬路RTSにおける伝
搬時間が温度に応じて変化する。つまり、伝搬路RT
N,RTSの伝達特性w,fが温度に応じて変化する。
ところが、温度による伝達特性w,fの変化がフィルタ
係数hに反映されないので、実際の温度が設計時に設定
された基準温度から変化した場合に、最適の消音用音波
STが発せられないこととなり、消音効果が低下する。
【0015】上述した後者の能動消音装置80aによる
と、伝搬路RTSの伝達特性に若干の変化があっても良
好な消音効果が得られる。しかし、補正フィルタ係数
は、設計時に定められた値が固定的に用いられるので、
騒音伝搬空間SSNにおける温度が変化した場合には、
音速の変化によって伝達特性が大きく変化するため、補
正フィルタ係数も温度変化後の空間の伝達関数を模擬し
た本来あるべき補正フィルタ係数とは大きく異なること
になる。そのため、能動消音装置80aにおいても、温
度変化には十分に対応することができず、温度が変化し
た場合に消音効果が低下する。
【0016】このような問題を解消するための方法とし
て、騒音伝搬空間SSNの温度を検出する温度センサ
と、種々の温度レベルに対する最適のフィルタ係数を格
納する温度−係数テーブルとを設けておき、検出した温
度に応じて温度−係数テーブルからデータを読み出し、
読み出したデータをフィルタ畳み込み演算部83又は補
正フィルタ畳み込み演算部89におけるフィルタ係数と
して用いる方法が考えられる。
【0017】しかし、この方法によると、フィルタ係数
を格納するための温度−係数テーブルのメモリ容量は、
温度別の係数の種類とタップ長との積で表されるので、
大きなメモリ容量のものが必要となる。また、種々の温
度に対してフィルタ係数を予め測定し計算する必要があ
るので、それに大変な手間がかかるという問題もある。
【0018】また、図6に示す適応型の能動消音装置8
0aに、騒音伝搬空間SSNの温度を検出する温度セン
サと、検出された温度に基づいて補正フィルタ係数を座
標変換により求めるための座標変換器とを追加した能動
消音装置が提案されている(日本音響学会平成7年度秋
季研究発表会講演論文集第555頁)。
【0019】しかし、この装置によると、座標変換器で
行う演算の量が膨大であるため、その演算処理に時間を
要し、実時間で能動消音装置を動作させることは困難で
ある。しかも、上述したように、補正フィルタ係数は、
消音用音波STの伝搬路RTSのみを含めた伝達関数で
あるため、騒音NSの伝搬路RTNについては温度変化
による伝達関数の変化が反映されず、誤差が大きくなっ
て十分な消音効果を得られない可能性がある。
【0020】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、フィルタ係数を格納するために大容量のメモリを
要することなく、フィルタ係数の演算処理に多くの時間
を要することなく、騒音伝搬空間の温度が変化しても十
分な消音効果を得ることのできる能動消音方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、騒音伝搬空間における騒音を検出しローパスフィ
ルタを経て得られたデジタル信号に対し、所定のフィル
タ係数による畳み込み演算処理を行って所定の位相と振
幅の駆動デジタル信号を生成し、前記駆動デジタル信号
に基づく消音用音波を前記騒音伝搬空間に発して騒音を
低減する能動消音方法であって、前記騒音伝搬空間の温
度に応じて、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数
及び前記畳み込み演算処理におけるサンプリング周波数
を可変させる方法である。
【0022】請求項2の発明に係る方法は、前記騒音伝
搬空間の温度に応じて、前記ローパスフィルタのカット
オフ周波数及び前記畳み込み演算処理におけるサンプリ
ング周波数を、次の式、 Fc1 =μ・Fc0 Fs1 =μ・Fs0 但し、Fc0 は温度φ0 (°C)におけるカットオフ周
波数 Fc1 は温度φ1 (°C)におけるカットオフ周波数 Fs0 は温度φ0 (°C)におけるサンプリング周波数 Fs1 は温度φ1 (°C)におけるサンプリング周波数 μ=〔(273.15+φ1 )/(273.15+
φ0 )〕1/2 を満たすように可変する方法である。
【0023】請求項3の発明に係る装置は、騒音伝搬空
間における騒音を検出して電気信号に変換するための騒
音検出手段と、前記騒音検出手段から出力される信号の
高域成分をカットする第1のローパスフィルタと、前記
ローパスフィルタから出力される信号をデジタル信号に
変換するAD変換手段と、前記デジタル信号に対して所
定のフィルタ係数による畳み込み演算を行って所定の位
相と振幅の駆動デジタル信号を得るフィルタ畳み込み演
算手段と、前記駆動デジタル信号をアナログ信号に変換
するDA変換手段と、前記アナログ信号の高域成分をカ
ットする第2のローパスフィルタと、前記第2のローパ
スフィルタから出力される信号に基づいて消音用音波を
前記騒音伝搬空間に発する消音音波発生手段とを有し、
前記騒音を前記消音用音波によって低減させるように構
成された能動消音装置であって、前記騒音伝搬空間にお
ける温度を検出する温度検出手段と、検出された温度の
変化に応じて、前記第1のローパスフィルタのカットオ
フ周波数を可変させる手段と、検出された温度の変化に
応じて、前記フィルタ畳み込み演算手段におけるサンプ
リング周波数を可変させる手段と、を有してなる。
【0024】請求項4の発明に係る装置では、前記カッ
トオフ周波数及び前記サンプリング周波数は、次の式、 Fc1 =μ・Fc0 Fs1 =μ・Fs0 を満たすように制御されてなる。
【0025】温度変化による空間の伝達特性の変化に影
響されずに消音効果を維持するためには、畳み込み演算
におけるフィルタ係数を、本来であれば温度に応じて変
更することが必要である。しかし、本発明においては、
フィルタ係数を変更することなく消音効果を維持する。
これについて、図4を参照して説明する。
【0026】まず、純粋な空間部分の伝達特性について
説明する。以下の説明においては、フィルタ畳み込み演
算手段又は補正フィルタ畳み込み演算手段を「デジタル
フィルタ」と記載する。
【0027】温度が変化する前のデジタルフィルタのイ
ンパルス応答(伝達特性)は、図4(a)のようである
とする。図4(a)において、Tはサンプリング間隔で
あり、サンプリング間隔Tでサンプリングされるデータ
を丸印で示す。
【0028】温度が上昇し、a(=1/μ)が「1」よ
りも小さくなったとすると、空間の伝達特性は図4
(b)に示すようにa倍に縮むことになる。したがっ
て、サンプリング間隔Tがそのままである場合には、サ
ンプリング位置が相対的に変化し、サンプリング値が異
なってしまう。
【0029】そこで、図4(c)のように、サンプリン
グ間隔Tもa倍に縮めてaTとすると、サンプリング位
置が空間の伝達特性の縮みに追随し、同一のサンプリン
グ値を得ることができる。つまり、温度変化前の状態で
のサンプリング値と同一のサンプリング値を得ることが
できる。
【0030】このことから、空間部分については、サン
プリング間隔Tをa倍にすることによって、温度変化前
のデジタルフィルタつまりそのフィルタ係数をそのまま
利用することができる。
【0031】また、ローパスフィルタについては、カッ
トオフ周波数を(1/a)倍に上昇させると、図4
(b)に示すと同様にその伝達特性はa倍に縮むので、
空間の伝達特性の場合と同様にサンプリング間隔Tをa
倍に縮めることによって、サンプリング値はカットオフ
周波数の上昇前と同一となる。
【0032】デジタルフィルタは、空間の伝達特性とロ
ーパスフィルタの特性との合成で成り立っているため、
温度変化に合わせてサンプリング周波数及びカットオフ
周波数を変化させることにより、温度変化に対応できる
のである。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る能動消音装置
1の構成を示すブロック図である。図1において、能動
消音装置1は、マイクロホンMC1、ローパスフィルタ
11、AD変換器12、フィルタ畳み込み演算部13、
DA変換器14、ローパスフィルタ(アンチエリアジン
グフィルタ)15、スピーカ16、サンプリング周波数
変更部20、カットオフ周波数変更部21、及び、騒音
伝搬空間SSN内の温度φ(°C)を検出する温度セン
サSE1からなっている。
【0034】つまり、能動消音装置1は、上述した能動
消音装置80に対して、サンプリング周波数変更部2
0、カットオフ周波数変更部21、及び温度センサSE
1などを追加したものである。
【0035】ローパスフィルタ11のカットオフ周波数
Fcは、フィルタ畳み込み演算部13におけるサンプリ
ング周波数Fsの2分の1の周波数(Fs/2)に設定
されている。これによって、後の処理に不要な高域の周
波数がカットされる。
【0036】騒音伝搬空間SSN内を伝搬してきた騒音
NSは、地点PT1を通過し、伝搬路RTNを経て地点
PT2に至り且つ地点PT2を通過する。地点PT1に
おいて、マイクロホンMC1によって騒音NSが検出さ
れ、アナログの電気信号S1に変換される。電気信号S
1は、ローパスフィルタ11を通過することによって、
不要な高域成分がカットされる。ローパスフィルタ11
から出力される信号S2は、AD変換器12によって離
散化され、デジタルの信号S3に変換される。
【0037】フィルタ畳み込み演算部13は、AD変換
器12から出力される信号S3に対し所定のフィルタ係
数hによる畳み込み演算を行い、所定の位相と振幅の駆
動デジタル信号S4を生成する。そのとき、スピーカ1
6から放射される消音用音波STと騒音NSとの干渉に
よって地点PT2における騒音NSの音圧が零になるよ
うに、所定のフィルタ係数hによる畳み込み演算が行わ
れる。畳み込み演算に用いられるフィルタ係数hは、マ
イクロホンMC1及びスピーカ16の特性、伝搬路RT
Nの伝達特性w、及び伝搬路RTNの伝達特性fなどに
基づいて決定される。
【0038】サンプリング周波数変更部20は、温度セ
ンサSE1により検出された温度φに応じて、フィルタ
畳み込み演算部13における畳み込み演算のサンプリン
グ周波数Fsを変更する。カットオフ周波数変更部21
は、温度センサSE1により検出された温度φに応じ
て、ローパスフィルタ11及ローパスフィルタ15のカ
ットオフ周波数Fcを変更する。
【0039】騒音伝搬空間SSNの温度がφ0 であると
きに、能動消音装置1によって最適の消音効果が得られ
るように、フィルタ畳み込み演算部13におけるフィル
タ係数h0 が設定されている。つまり、フィルタ係数h
0 は、温度がφ0 であるときの騒音伝搬空間SSNの伝
達特性w,fに合わせて最適化されている。
【0040】そして、騒音伝搬空間SSNの温度がφ0
のときのサンプリング周波数をFs 0 、カットオフ周波
数をFc0 とし、温度がφ1 のときのサンプリング周波
数をFs1 、カットオフ周波数をFc1 とすると、これ
らの間に、次の(1)(2)式、 Fc1 =μ・Fc0 ……(1) Fs1 =μ・Fs0 ……(2) 但し、μ=〔(273.15+φ1 )/(273.15+φ0 )〕1/2 ……(3) が常に成り立つように、サンプリング周波数変更部20
及びカットオフ周波数変更部21による制御が行われ
る。
【0041】能動消音装置1によると、フィルタ畳み込
み演算部13のフィルタ係数hとして、温度φ0 におけ
る初期設定時のフィルタ係数h0 のみしか必要でないの
で、フィルタ係数h0 を格納するために少ない容量のメ
モリで十分である。
【0042】以下、詳細に説明する。初期状態つまり温
度φ0 において、地点PT1での騒音NSの量をx、騒
音NSの伝搬路RTNの伝達関数をw0(t)、消音用音波
STの伝搬路RTSの伝達関数をf0(t)、ローパスフィ
ルタ11及びローパスフィルタ15を統合した伝達関数
をg0(t)、フィルタ畳み込み演算部13において畳み込
まれるフィルタ係数をh0(kT) { k=0,1,2…,N
−1}とする。但し、Tはサンプリング間隔、Nはフィ
ルタ長である。
【0043】まず、騒音NSが伝搬路RTNを伝搬して
消音点である地点PT2に到達したときの音yは、次の
(4)式のように記述できる。 y(t) =w0(t)*x(t) ……(4) 但し、*は畳み込み演算を示す 一方、騒音NSが、マイクロホンMC1、ローパスフィ
ルタ11、AD変換器12、フィルタ畳み込み演算部1
3、DA変換器14、ローパスフィルタ15、及びスピ
ーカ16の信号処理経路を通過し、伝搬路RTSを通過
し、消音点である地点PT2に到達したときの音zを考
える。ここで、マイクロホンMC1、AD変換器12、
DA変換器14、及びスピーカ16の遅延は大変短いの
で近似的に無視することができる。したがって、フィル
タ係数h0(kT) を連続化した式は次の(5)式のように
示され、音zは次の(6)式で示される。
【0044】
【数1】
【0045】 z(t) =h0(t)*〔f0(t)*(g0(t)*x(t) )〕 ……(6) すなわち、y=−zのときに、能動消音装置1は最適の
消音効果を得ることができる。このときはすなわち、次
の(7)式、 w0(t)=−h0(t)*〔f0(t)*g0(t)〕 ……(7) が成り立つときである。
【0046】ここで、騒音伝搬空間SSNの温度がφ0
からφ1 に変化したときのことを考える。騒音伝搬空間
SSNの温度φが変化した場合に、伝搬路RTNの伝達
特性w及び伝搬路RTSの伝達特性fは変化するが、回
路の伝達関数g(t) 及びフィルタ係数h(t) はそれによ
っては変化しない。
【0047】空気中における音速は、空気の絶対温度の
平方根に比例するので、騒音伝搬空間SSNにおける温
度変化後の伝達関数w1(t),f1(t)は、次の(8)
(9)式のようになる。
【0048】 w1(t)=w0(t/a) ……(8) f1(t)=f0(t/a) ……(9) 但し、a=〔(273.15+φ0 )/(273.15+φ1 )〕1/2 ……(10) つまり、伝達特性w, fは、温度φが変化した場合に、
その変化の前後の絶対温度比の平方根に応じて、時間軸
上において伸縮する。
【0049】一般的に、アナログのカットオフフィルタ
の伝達特性は、カットオフ周波数に反比例して伸縮す
る。ローパスフィルタ11,15は、そのカットオフ周
波数Fcを(1/a)倍に変化させると、変化後の伝達
関数g1(t)は次の(11)式で示される。
【0050】g1(t)=g0(t/a) ……(11) 次に、温度φが変化した後におけるフィルタ係数hの最
適値を求めることを考える。温度がφ1 に変化したとき
にフィルタ係数をh1(t)に変更したとすると、(7)式
から次の(12)式が成り立つ。
【0051】 w1(t)=−h1(t)*〔f1(t)*g1(t)〕 ……(12) この(12)式に上述の(9)〜(11)式を代入する
と、次の(13)式が得られる。
【0052】 w0(t/a)=−h1(t)*〔f0(t/a)*g0(t/a)〕 ……(13) ここで、w0(t)、h0(t)、h1(t)、f0(t)、g0(t)は総
て連続関数であるので、(7)式と(13)式とから、
次の(14)式に示す解は明らかにフィルタ係数h1(t)
の最適解の一つである。
【0053】h1(t)=h0(t/a) ……(14) そこで、h1(t)を次の(15)式に示すように展開す
る。
【0054】
【数2】
【0055】ここで、サンプリング間隔Tを、次の(1
6)式のように変更する。 T1 =a・T ……(16) すなわち、温度φ1 におけるサンプリング間隔T1 を、
温度をφ0 とした設計時のサンプリング間隔Tにaを乗
じた値とする。これはサンプリング周波数Fsを(1/
a)倍に変更したことになる。上述の(16)式を用い
ると、(15)式は次の(17)式のようになる。
【0056】
【数3】
【0057】これをサンプリング間隔T1 で再び離散化
すると、 h1(kT1)=h0(kT) ……(18) となる。つまり、温度がφ1 に変化した後におけるフィ
ルタ係数hの最適値は、サンプリング間隔をT1 に変更
することによって、初期状態(温度がφ0 のとき)にお
けるフィルタ係数h0 と全く同じものとなる。
【0058】よって、初期状態での温度φ0 における最
適なフィルタ係数h0 が与えられているとき、動作時に
おける騒音伝搬空間SSNの温度をφ1 とすると、サン
プリング周波数Fs及びカットオフ周波数Fcを、上述
の(1)(2)式のように変更することによって、フィ
ルタ係数hを変更することなく最適の消音効果を得るこ
とができるのである。
【0059】すなわち、Fc1 =μ・Fc0 ……
(1) Fs1 =μ・Fs0 ……(2) 但し、Fc0 は温度φ0 (°C)におけるカットオフ周
波数 Fc1 は温度φ1 (°C)におけるカットオフ周波数 Fs0 は温度φ0 (°C)におけるサンプリング周波数 Fs1 は温度φ1 (°C)におけるサンプリング周波数 μ=1/a =〔(273.15+φ1 )/(273.15+
φ0 )〕1/2 図2は本発明に係る他の実施形態の能動消音装置1aの
構成を示すブロック図である。
【0060】図2において、能動消音装置1aは、マイ
クロホンMC1、ローパスフィルタ11、AD変換器1
2、フィルタ畳み込み演算部13、DA変換器14、ロ
ーパスフィルタ(アンチエリアジングフィルタ)15、
スピーカ16、サンプリング周波数変更部20、カット
オフ周波数変更部21、温度センサSE1、マイクロホ
ンMC2、ローパスフィルタ31、AD変換器32、補
正フィルタ畳み込み演算部33、及びフィルタ係数更新
部34からなっている。
【0061】すなわち、能動消音装置1aは、上述した
能動消音装置80aに対して、サンプリング周波数変更
部20、カットオフ周波数変更部21、及び温度センサ
SE1などを追加したものである。
【0062】つまり、能動消音装置1の場合と同様に、
サンプリング周波数変更部20は、温度センサSE1に
より検出された温度φに応じて、フィルタ畳み込み演算
部13における畳み込み演算のサンプリング周波数Fs
を変更する。カットオフ周波数変更部21は、温度セン
サSE1により検出された温度φに応じて、ローパスフ
ィルタ11,15,31のカットオフ周波数Fcを変更
する。
【0063】この能動消音装置1aにおいても、サンプ
リング周波数Fs及びカットオフ周波数Fcを、上述の
(1)(2)式にしたがって変更する。適応型の能動消
音装置1aにおいて、温度変化により伝達特性が変化す
ることによって、消音効果に大きな影響を与えるのは、
補正フィルタ畳み込み演算部33で畳み込まれる補正フ
ィルタ係数cである。
【0064】そこで、この補正フィルタ係数cが、本発
明の方法で動作することよって温度変化による影響を受
けないことについて説明する。まず、補正フィルタ係数
cは、DA変換器14、ローパスフィルタ15、スピー
カ16、伝搬路RTS、マイクロホンMC2、ローパス
フィルタ31、AD変換器32の総ての経路を含めた伝
達関数であり、初期状態における補正フィルタ係数をc
0(jT) { j=0,1,2…,M−1}とする。但し、T
はサンプリング間隔、Mはフィルタ長である。
【0065】次にスピーカ16から伝搬路RTSを経て
マイクロホンMC2に到達するまでの伝達関数をf
0(t)、ローパスフィルタ11及びローパスフィルタ15
を統合した伝達関数をg0(t)とすると、補正フィルタ係
数c0(jT) を連続化した式は次の(19)(20)式の
ように示される。
【0066】
【数4】
【0067】 c0(t)=f0(t)*g0(t) ……(20) なお、AD変換器32、DA変換器14、スピーカ1
6、及びマイクロホンMC2の遅延は大変短いので近似
的に無視した。
【0068】次に、初期状態の温度をφ0 、動作時の温
度をφ1 とし、上述の(1)〜(3)式のようにサンプ
リング周波数Fs及びカットオフ周波数Fcを変更する
と、温度φ1 、サンプリング間隔T1 での本来あるべき
補正フィルタ係数c1(jT1)は、次の(21)(22)式
のようにして求められる。
【0069】
【数5】
【0070】このように、補正フィルタ係数cも、本発
明の方法又は装置を動作させることによって温度変化の
影響を全く受けないことがわかる。また、図1に示す能
動消音装置1の説明において明らかなように、フィルタ
係数更新部34によって更新されるフィルタ畳み込み演
算部13のフィルタ係数hの最適解も温度による変動は
ないので、能動消音装置1aにおいてはより安定した消
音効果が期待できる。
【0071】図3は本発明に係る他の実施形態の能動消
音装置1bの構成を示すブロック図である。図3に示す
能動消音装置1bは、図1に示す能動消音装置1をさら
に具体化したものである。
【0072】すなわち、能動消音装置1bは、マイクロ
ホンMC1、ローパスフィルタ11、AD変換器12、
フィルタ畳み込み演算部13、DA変換器14、ローパ
スフィルタ(アンチエリアジングフィルタ)15、スピ
ーカ16、温度センサSE1、クロック発振器41、分
周器42,43、及び分周比可変部44,45からなっ
ている。
【0073】クロック発振器41は、能動消音装置1b
の動作の基準となるクロック信号CLKを生成する。ク
ロック信号CLKの周波数は例えば33〜40MHzで
ある。分周器42は、分周比可変部44からの信号S1
1に応じてクロック信号CLKを分周し、クロック信号
CLK1をローパスフィルタ11,15に与える。分周
器43は、分周比可変部45からの信号S12に応じて
クロック信号CLKを分周し、クロック信号CLK2を
フィルタ畳み込み演算部13に与える。
【0074】ローパスフィルタ11,15は、分周器4
2から入力されるクロック信号CLK1の周波数に比例
して、そのカットオフ周波数Fcが可変される。フィル
タ畳み込み演算部13は、分周器43から入力されるク
ロック信号CLK2に応じたサンプリング周波数Fs
(サンプリング間隔T)で畳み込み演算処理を行う。
【0075】分周比可変部44は、温度センサSE1に
より検出された温度φに応じて、分周器42の分周比を
可変する信号S11を出力する。分周比可変部45は、
温度センサSE1により検出された温度φに応じて、分
周器43の分周比を可変する信号S12を出力する。分
周比可変部44,45においては、上述の(1)(2)
式を満たすように、温度φに応じた演算が行われる。な
お、分周比可変部44,45は、例えばMPU又はDS
Pなどによって実現される。
【0076】ここで、温度φの変化とサンプリング間隔
Tとの関係について、図4を参照して詳しく説明する。
上述したように、温度変化による空間の伝達特性の変化
に影響されずに消音効果を維持するためには、フィルタ
畳み込み演算部13のフィルタ係数h及び/又は補正フ
ィルタ畳み込み演算部33の補正フィルタ係数cを、本
来であれば温度に応じて変更することが必要である。し
かし、本発明においては、フィルタ係数h及び/又は補
正フィルタ係数cを変更することなく、消音効果を維持
している。
【0077】まず、純粋な空間部分の伝達特性について
説明する。以下の説明においては、フィルタ畳み込み演
算部13又は補正フィルタ畳み込み演算部33を「デジ
タルフィルタ」と記載する。
【0078】温度φが変化する前のデジタルフィルタの
インパルス応答(伝達特性)は、図4(a)のようであ
るとする。図4(a)において、Tはサンプリング間隔
であり、サンプリング間隔Tでサンプリングされるデー
タを丸印で示す。
【0079】温度φが上昇し、上述の(10)式で表さ
れるaが「1」よりも小さくなったとすると、空間の伝
達特性は図4(b)に示すようにa倍に縮むことにな
る。したがって、サンプリング間隔Tがそのままである
場合には、サンプリング位置が相対的に変化し、サンプ
リング値が異なってしまう。
【0080】そこで、図4(c)のように、サンプリン
グ間隔Tもa倍に縮めてaTとすると、サンプリング位
置が空間の伝達特性の縮みに追随し、同一のサンプリン
グ値を得ることができる。つまり、温度変化前の状態で
のサンプリング値と同一のサンプリング値を得ることが
できる。
【0081】このことから、空間部分については、サン
プリング間隔Tをa倍にすることによって、温度変化前
のデジタルフィルタつまりそのフィルタ係数を何も手を
加えずに利用することができる。
【0082】また、ローパスフィルタ11については、
カットオフ周波数Fcを(1/a)倍に上昇させると、
図4(b)に示すと同様にその伝達特性はa倍に縮むの
で、空間の伝達特性の場合と同様にサンプリング間隔T
をa倍に縮めることによって、サンプリング値はカット
オフ周波数Fcの上昇前と同一となる。
【0083】デジタルフィルタは、空間の伝達特性とロ
ーパスフィルタ11の特性との合成で成り立っているた
め、結果的に、温度変化に合わせてサンプリング周波数
Fs及びカットオフ周波数Fcを変化させるだけでその
温度変化に対応できるのである。
【0084】上述の実施形態の能動消音装置1,1bに
よると、温度φに応じてデジタル信号処理のサンプリン
グ周波数Fs及びアナログのローパスフィルタ11,1
5のカットオフ周波数Fcを変化させることによって、
フィルタ係数hを常にその温度φにおける最適のフィル
タ係数hとすることができ、温度変化に係わらず常に最
適の消音効果を得ることができる。
【0085】また、能動消音装置1aによると、温度φ
に応じてデジタル信号処理のサンプリング周波数Fs及
びアナログのローパスフィルタ11,15,31のカッ
トオフ周波数Fcを変化させることによって、フィルタ
係数hの最適化のみならず、補正フィルタ係数cのずれ
をも同時に補正することができ、温度変化に係わらず常
に安定な動作を行うことができる。
【0086】しかも、能動消音装置1,1a,1bにお
いて、温度変化にともなう処理が、サンプリング周波数
Fs及びカットオフ周波数Fcの変更のみであるため、
従来のように係数テーブルのための大容量のメモリを必
要としない。また、座標変換型のような複雑な処理を必
要としないので、処理に要する時間が少なくて済み、実
時間での処理が可能である。
【0087】上述の実施例において、ローパスフィルタ
11とローパスフィルタ15とは同一の仕様のものを用
いてもよいが、異なる仕様のものを用いてもよい。能動
消音装置1,1a,1bの各部又は全体の構成は、本発
明の主旨に沿って適宜変更することができる。
【0088】なお、本発明は、上述以外の種々の形態の
能動消音装置に対して適用することができる。
【0089】
【発明の効果】請求項1乃至請求項4の発明によると、
フィルタ係数を格納するために大容量のメモリを要する
ことなく、フィルタ係数の演算処理に多くの時間を要す
ることなく、騒音伝搬空間の温度が変化しても十分な消
音効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動消音装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明に係る他の実施形態の能動消音装置の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る他の実施形態の能動消音装置の構
成を示すブロック図である。
【図4】伝達特性に関する温度の変化とサンプリング間
隔との関係を示す図である。
【図5】従来の能動消音装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】従来の他の例の能動消音装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 能動消音装置 11 ローパスフィルタ(第1のローパスフィルタ) 12 AD変換器(AD変換手段) 13 フィルタ畳み込み演算部(フィルタ畳み込み演算
手段) 14 DA変換器(DA変換手段) 15 ローパスフィルタ(第2のローパスフィルタ) 16 スピーカ(消音用音波発生手段) 20 サンプリング周波数変更部(サンプリング周波数
を可変させる手段) 21 カットオフ周波数変更部(カットオフ周波数を可
変させる手段) 42 分周器(カットオフ周波数を可変させる手段) 43 分周器(サンプリング周波数を可変させる手段) 44 分周比可変部(カットオフ周波数を可変させる手
段) 45 分周比可変部(サンプリング周波数を可変させる
手段) SSN 騒音伝搬空間 MC1 マイクロホン(騒音検出手段) SE1 温度センサ(温度検出手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】騒音伝搬空間における騒音を検出しローパ
    スフィルタを経て得られたデジタル信号に対し、所定の
    フィルタ係数による畳み込み演算処理を行って所定の位
    相と振幅の駆動デジタル信号を生成し、前記駆動デジタ
    ル信号に基づく消音用音波を前記騒音伝搬空間に発して
    騒音を低減する能動消音方法であって、 前記騒音伝搬空間の温度に応じて、前記ローパスフィル
    タのカットオフ周波数及び前記畳み込み演算処理におけ
    るサンプリング周波数を可変させる、 ことを特徴とする能動消音方法。
  2. 【請求項2】騒音伝搬空間における騒音を検出しローパ
    スフィルタを経て得られたデジタル信号に対し、所定の
    フィルタ係数による畳み込み演算処理を行って所定の位
    相と振幅の駆動デジタル信号を生成し、前記駆動デジタ
    ル信号に基づく消音用音波を前記騒音伝搬空間に発して
    騒音を低減する能動消音方法であって、 前記騒音伝搬空間の温度に応じて、前記ローパスフィル
    タのカットオフ周波数及び前記畳み込み演算処理におけ
    るサンプリング周波数を、次の式、 Fc1 =μ・Fc0 Fs1 =μ・Fs0 但し、Fc0 は温度φ0 (°C)におけるカットオフ周
    波数 Fc1 は温度φ1 (°C)におけるカットオフ周波数 Fs0 は温度φ0 (°C)におけるサンプリング周波数 Fs1 は温度φ1 (°C)におけるサンプリング周波数 μ=〔(273.15+φ1 )/(273.15+
    φ0 )〕1/2 を満たすように可変する、 ことを特徴とする能動消音方法。
  3. 【請求項3】騒音伝搬空間における騒音を検出して電気
    信号に変換するための騒音検出手段と、前記騒音検出手
    段から出力される信号の高域成分をカットする第1のロ
    ーパスフィルタと、前記ローパスフィルタから出力され
    る信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、前記
    デジタル信号に対して所定のフィルタ係数による畳み込
    み演算を行って所定の位相と振幅の駆動デジタル信号を
    得るフィルタ畳み込み演算手段と、前記駆動デジタル信
    号をアナログ信号に変換するDA変換手段と、前記アナ
    ログ信号の高域成分をカットする第2のローパスフィル
    タと、前記第2のローパスフィルタから出力される信号
    に基づいて消音用音波を前記騒音伝搬空間に発する消音
    音波発生手段とを有し、前記騒音を前記消音用音波によ
    って低減させるように構成された能動消音装置であっ
    て、 前記騒音伝搬空間における温度を検出する温度検出手段
    と、 検出された温度の変化に応じて、前記第1のローパスフ
    ィルタのカットオフ周波数を可変させる手段と、 検出された温度の変化に応じて、前記フィルタ畳み込み
    演算手段におけるサンプリング周波数を可変させる手段
    と、 を有してなることを特徴とする能動消音装置。
  4. 【請求項4】騒音伝搬空間における騒音を検出して電気
    信号に変換するための騒音検出手段と、前記騒音検出手
    段から出力される信号の高域成分をカットする第1のロ
    ーパスフィルタと、前記ローパスフィルタから出力され
    る信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、前記
    デジタル信号に対して所定のフィルタ係数による畳み込
    み演算を行って所定の位相と振幅の駆動デジタル信号を
    得るフィルタ畳み込み演算手段と、前記駆動デジタル信
    号をアナログ信号に変換するDA変換手段と、前記アナ
    ログ信号の高域成分をカットする第2のローパスフィル
    タと、前記第2のローパスフィルタから出力される信号
    に基づいて消音用音波を前記騒音伝搬空間に発する消音
    音波発生手段とを有し、前記騒音を前記消音用音波によ
    って低減させるように構成された能動消音装置であっ
    て、 前記騒音伝搬空間における温度を検出する温度検出手段
    と、 検出された温度の変化に応じて、前記第1のローパスフ
    ィルタのカットオフ周波数を可変させる手段と、 検出された温度の変化に応じて、前記フィルタ畳み込み
    演算手段におけるサンプリング周波数を可変させる手段
    と、 を有し、 前記カットオフ周波数及び前記サンプリング周波数は、
    次の式、 Fc1 =μ・Fc0 Fs1 =μ・Fs0 但し、Fc0 は温度φ0 (°C)におけるカットオフ周
    波数 Fc1 は温度φ1 (°C)におけるカットオフ周波数 Fs0 は温度φ0 (°C)におけるサンプリング周波数 Fs1 は温度φ1 (°C)におけるサンプリング周波数 μ=〔(273.15+φ1 )/(273.15+
    φ0 )〕1/2 を満たすように制御されてなる、 ことを特徴とする能動消音装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007251533A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Ricoh Co Ltd デジタルフィルタおよびモータ制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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