JPH06230786A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH06230786A
JPH06230786A JP5014132A JP1413293A JPH06230786A JP H06230786 A JPH06230786 A JP H06230786A JP 5014132 A JP5014132 A JP 5014132A JP 1413293 A JP1413293 A JP 1413293A JP H06230786 A JPH06230786 A JP H06230786A
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noise
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Haruo Hamada
晴夫 浜田
Yoshiharu Nakaji
義晴 中路
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】少ない演算量の増加で、制御音源及び残留騒音
検出手段間の伝達関数を高精度に同定できるようにす
る。 【構成】基準信号xに同期したパルス信号x' を、断続
スイッチ部17を介してラウドスピーカの駆動信号ym
とともに加算部16に供給可能とする。そして、断続ス
イッチ部17を接続状態としてパルス信号x' を駆動信
号ym に加算した場合には、残留騒音信号el と一方の
同定用フィルタC^1lm の出力とが一致するように、そ
の同定用フィルタC^1lm のフィルタ係数を更新し、断
続スイッチ部17を遮断状態としてパルス信号x' を駆
動信号ym に加算しなかった場合には、残留騒音信号e
l と他方の同定用フィルタC^0lm の出力とが一致する
ように、その同定用フィルタC^0lm のフィルタ係数を
更新し、それら同定用フィルタC^1lm ,C^0lm のフ
ィルタ係数の差に基づいて、伝達関数フィルタC^lm
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、騒音源から伝達され
る騒音に制御音源から発生される制御音を干渉させるこ
とにより騒音の低減を図る能動型騒音制御装置に関し、
特に、制御音を発生するラウドスピーカと残留騒音を検
出するマイクロフォンとの間の伝達関数を、少ない演算
量で測定できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型騒音制御装置として、英国
特許第2149614号や特表平1−501344号公
報等に記載のものがある。これら従来の装置は、例えば
航空機の客室等の閉空間に適用される騒音低減装置であ
って、そのような閉空間内の複数の位置に設置され音圧
を検出するマイクロフォンと、その閉空間に制御音を発
生する複数のラウドスピーカとを備え、騒音源の騒音発
生状態に基づいて、閉空間に伝達される騒音と逆位相の
制御音をラウドスピーカから発生させて騒音を打ち消し
ている。
【0003】そして、ラウドスピーカから発せられる制
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692,1975,“ADAPTIVE NOISE CANSELLATION :
PRINCIPLES AND APPLICATIONS ”で述べられている‘WI
DROW LMS’アルゴリズムを多チャンネルに展開したアル
ゴリズムを適用している。その内容は、上記特許の発明
者による論文、“A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHM AND
ITS APPLICATION TOTHE ACTIVE CONTROL OF SOUND AND
VIBRATION ”,IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNAL PRO
CESSING,VOL.ASSP −35,PP.1423−1434,1987 にも述べ
られている。
【0004】即ち、LMSアルゴリズムは、適応型ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なア
ルゴリズムの一つであって、例えば、いわゆるFilt
ered−X LMSアルゴリズムにあっては、ラウド
スピーカからマイクロフォンまでの伝達関数を表すフィ
ルタを、全てのラウドスピーカとマイクロフォンとの組
み合わせについて設定し、騒音源の騒音発生状態を表す
基準信号をそのフィルタで処理した値と、各マイクロフ
ォンが検出した残留騒音とに基づいて、各ラウドスピー
カ毎に設けられた適応型ディジタルフィルタのフィルタ
係数を更新している。
【0005】ここで、このような能動型騒音制御装置で
は、ラウドスピーカからマイクロフォンまでの伝達関数
を表すフィルタが正確にその伝達関数を表しているとい
うのが前提となっており、フィルタが表す伝達関数と、
実際の物理的な空間の伝達関数との間のズレが大きい
と、騒音低減効果が低下するばかりか、周波数領域で9
0度近い位相差が生じると逆に発散してしまうこともあ
る。
【0006】このような不具合の解決を図る従来の技術
として、特開平3−259722号公報に記載されたも
のがあり、これは、冷蔵庫のコンプレッサで発生し機械
室ダクトを通じて外部に放射される騒音を、その機械室
ダクトから放射される前に打ち消す装置であって、機械
室ダクト内に騒音制御を行うラウドスピーカ及びマイク
ロフォンを備えていて、コンプレッサの駆動状態に応じ
てラウドスピーカから制御音を発生して騒音低減を図る
一方、騒音制御特性が劣化しないように、コンプレッサ
が停止する度に、同定音としてホワイトノイズを発生し
てラウドスピーカ及びマイクロフォン間の伝達関数を測
定し、フィルタの同定を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た冷蔵庫に関する技術を例えば車両等にそのまま適用す
ることを考えた場合、車室内の伝達関数は、温度,湿
度,窓の開閉,乗員数等の種々の要因によって短時間に
且つ大きく変化するため、例えばエンジンを停止する度
にフィルタ係数を更新しても、フィルタが表す伝達関数
と、実際の物理的な空間の伝達関数との間のズレが時間
の経過とともに大きくなってしまい、良好な騒音制御が
行えない。つまり、車両等のように伝達関数の変動が激
しい場合には、騒音制御と並行して伝達関数を測定する
ことにより、フィルタを常時同定することが望ましい。
【0008】また、上記従来の技術では、伝達関数の測
定にホワイトノイズを用いているため、ホワイトノイズ
を発生させるための演算処理若しくはホワイトノイズを
記憶しておく記憶領域が必要であり、しかもホワイトノ
イズに基づいて伝達関数を測定する場合には、高速フー
リエ変換(FFT)や逆フーリエ変換(IFFT)を実
行する必要があるばかりか、同定用フィルタとホワイト
ノイズとの畳み込み演算等が必須となるため、伝達関数
の常時測定を可能とするのに高速演算が可能な高価な演
算素子が必要となり、コストを引き上げる要因となって
しまう。
【0009】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、制御音
を発生するラウドスピーカと残留騒音を検出するマイク
ロフォンとの間の伝達関数を少ない演算量で測定可能と
することにより、伝達関数が短時間に且つ大幅に変動す
る場合であっても制御特性の劣化を防止できる能動型騒
音制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、騒音源から騒音が伝達され
る空間に制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の
騒音発生状態を検出し基準信号として出力する騒音発生
状態検出手段と、前記空間内の所定位置における残留騒
音を検出し残留騒音信号として出力する残留騒音検出手
段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、
前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ
処理して前記制御音源の駆動信号を生成する駆動信号生
成手段と、前記制御音源及び前記残留騒音検出手段間の
伝達関数をモデル化した伝達関数フィルタと、前記基準
信号を前記伝達関数フィルタでフィルタ処理した結果と
前記残留騒音信号とに基づいて前記空間内の騒音が低減
するように前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
を更新する適応処理手段と、を備えた能動型騒音制御装
置において、前記基準信号に同期したパルス信号を一時
的に前記駆動信号に加算可能な信号加算手段と、フィル
タ係数可変で且つ前記伝達関数一つに対して二つの同定
用フィルタと、前記信号加算手段が前記加算を行った際
の前記残留騒音信号に基づいて前記一方の同定用フィル
タを設定し且つ前記信号加算手段が前記加算を行わなか
った際の前記残留騒音信号に基づいて前記他方の同定用
フィルタを設定する同定用フィルタ設定手段と、前記一
方の同定用フィルタのフィルタ係数及び前記他方の同定
用フィルタのフィルタ係数の差に基づいて前記伝達関数
フィルタを設定する伝達関数フィルタ設定手段と、を備
えた。
【0011】また、上記目的を達成するために、請求項
2記載の発明は、騒音源から騒音が伝達される空間に制
御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生状
態を検出し基準信号として出力する騒音発生状態検出手
段と、前記空間内の所定位置における残留騒音を検出し
残留騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フィ
ルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信
号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前
記制御音源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記制御音源及び前記残留騒音検出手段間の伝達関数を
モデル化した伝達関数フィルタと、前記基準信号を前記
伝達関数フィルタでフィルタ処理した結果と前記残留騒
音信号とに基づいて前記空間内の騒音が低減するように
前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する
適応処理手段と、を備えた能動型騒音制御装置におい
て、前記基準信号に同期したパルス信号を一時的に前記
駆動信号に加算可能な信号加算手段と、フィルタ係数可
変で且つ前記伝達関数一つに対して二つの同定用フィル
タと、前記信号加算手段が前記加算を行った際の前記残
留騒音信号の同期をとった平均値を前記一方の同定用フ
ィルタのフィルタ係数とし且つ前記信号加算手段が前記
加算を行わなかった際の前記残留騒音信号の同期をとっ
た平均値を前記他方の同定用フィルタのフィルタ係数と
する同定用フィルタ設定手段と、前記一方の同定用フィ
ルタのフィルタ係数及び前記他方の同定用フィルタのフ
ィルタ係数の差に基づいて前記伝達関数フィルタを設定
する伝達関数フィルタ設定手段と、を設けた。
【0012】
【作用】請求項1又は請求項2記載の発明にあっては、
駆動信号生成手段が、騒音源の騒音発生状態を表す基準
信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して制御
音源の駆動信号を生成するから、この駆動信号によって
制御音源が駆動されると、制御音源からは、空間内に伝
達される騒音に相関のある制御音が発生するが、制御開
始直後は、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数が最
適値に収束しているとは限らないので、必ずしも制御音
と騒音とが干渉し合わないから空間内の騒音が低減され
るとはいえない。
【0013】しかし、適応処理手段が、基準信号を伝達
関数フィルタでフィルタ処理した結果と残留騒音信号と
に基づいて空間内の騒音が低減するように適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を更新すると、制御が進行す
るに従って適応ディジタルフィルタのフィルタ係数は最
適値に向かって収束していくから、制御音と騒音とが干
渉し合って空間内の騒音が低減されるようになる。
【0014】また、信号加算手段が、基準信号に同期し
たパルス信号を一時的に駆動信号に加算するため、その
加算が行われた際には、制御音源の駆動信号は、基準信
号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した結果と
基準信号に同期したパルス信号とが重畳された信号とな
り、その加算が行われなかった際には、制御音源の駆動
信号は基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処
理した結果そのものとなる。
【0015】そして、請求項1記載の発明にあっては、
同定用フィルタ設定手段は、上記加算が行われた際に
は、一方の同定用フィルタC^1 を残留騒音信号に基づ
いて設定し、上記加算が行われなかった際には、他方の
同定用フィルタC^0 を残留騒音信号に基づいて設定す
る。すると、一方の同定用フィルタC^1 と他方の同定
用フィルタC^0 とでは、パルス信号の発生の分だけ差
が生じることになる。そして、残留騒音信号に含まれて
いるパルス信号に起因する成分は、そのパルス信号の大
きさを“1”と考えれば、制御音源及び残留騒音検出手
段間の伝達関数のインパルス応答である。
【0016】従って、伝達関数フィルタ設定手段におい
て、同定用フィルタC^1 のフィルタ係数及び同定用フ
ィルタC^0 のフィルタ係数の差に基づけば、伝達関数
フィルタが設定されることになる。一方、請求項2記載
の発明にあっては、同定用フィルタ設定手段は、上記加
算が行われた際には、一方の同定用フィルタC^1 のフ
ィルタ係数を残留騒音信号の同期をとった平均値(時間
的な起点をそろえた平均値)とし、上記加算が行われな
かった際には、他方の同定用フィルタC^0 のフィルタ
係数を残留騒音信号の同期をとった平均値とする。な
お、これら平均値の演算方法は特に限定されるものでは
なく、所定時間内の累計から平均値を計算することとし
てもよいし、移動平均を求めるようにしてもよい。ま
た、LMSアルゴリズムを利用して同期をとった平均値
に収束するようなアルゴリズムとしてもよい。
【0017】ここで、騒音源で発生した騒音をX、基準
信号をx、基準信号に同期したパルス信号をx' 、残留
騒音をE、騒音源と残留騒音検出手段との間の伝達関数
をG、適応ディジタルフィルタをW、制御音源と残留騒
音検出手段との間の伝達関数をCとすれば、上記加算が
行われ制御音源の駆動信号が上記重畳された信号である
場合には、残留騒音Eは下記の(1)式のように表され
る。
【0018】 E=GX+CWx+Cx' ……(1) 一方、上記加算が行われず駆動信号が基準信号を適応デ
ィジタルフィルタでフィルタ処理した結果そのものであ
る場合には、パルス信号x' が発生していないから、残
留騒音Eは下記の(2)式のように表される。 E=GX+CWx ……(2) そして、同定用フィルタC^1 の各フィルタ係数は上記
(1)式で表される残留騒音Eの同期をとった平均値で
あり、同定用フィルタC^0 の各フィルタ係数は上記
(2)式で表される残留騒音Eの同期をとった平均値で
あるが、いずれも瞬時値ではなく時間的な起点をそろえ
た上での平均値であることから、同定用フィルタC^1
を求めるための残留騒音信号と、同定用フィルタC^0
を求めるための残留騒音信号とが異なる時刻の残留騒音
に基づくものであっても、同定用フィルタC^1 のフィ
ルタ係数と同定用フィルタC^0 のフィルタ係数との差
を求めると、上記(1)式の右辺第1項,第2項と上記
(2)式の右辺第1項,第2項とが相殺され、下記の
(3)式のような結果が得られる。
【0019】 C^1 −C^0 =Cx' ……(3) つまり、伝達関数フィルタ設定手段が、同定用フィルタ
設定手段によって設定された同定用フィルタC^1 のフ
ィルタ係数及び同定用フィルタC^0 のフィルタ係数の
差を求めると、上記(3)式からも明らかなように、実
際の物理的空間の制御音源及び残留騒音検出手段間の伝
達関数Cに、基準信号xに同期したパルス信号x' を印
加した応答Cx' が得られることになる。
【0020】従って、例えばパルス信号x' を大きさ1
のパルス信号(インパルス信号)とすれば、上記(3)
式の結果は伝達関数Cのインパルス応答を表すことにな
るから、伝達関数フィルタ設定手段によって簡易且つ正
確に伝達関数フィルタが設定されるようになる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1実施例の全体構成を示す
図であり、この実施例は、騒音源としてのエンジン4か
ら空間としての車室6内に伝達されるこもり音の低減を
図る車両用能動型騒音制御装置1に本発明を適用したも
のである。
【0022】先ず、構成を説明すると、車体3は、前輪
2a,2b,後輪2c,2d及び各車輪2a〜2dと車
体3との間に介在するサスペンションによって支持され
ている。なお、図1に示す車両は、前輪2a及び2bが
車体3前部に配置されたエンジン4によって回転駆動さ
れるいわゆる前置きエンジン前輪駆動車である。エンジ
ン4には、クランク角センサ5が取り付けられていて、
このクランク角センサ5は、エンジン4のクランク角の
回転に同期した(例えばクランクが1°回転する度に一
つのパルス信号でなる)クランク角信号Xをコントロー
ラ10に供給する。
【0023】また、車体3の車室6内には、制御音源と
してのラウドスピーカ7a,7b,7c及び7dが、前
部座席S1 ,S2 及び後部座席S3 ,S4 のそれぞれに
対向するドア部に配置されている。さらに、各座席S1
〜S4 のヘッドレスト位置には、残留騒音検出手段とし
てのマイクロフォン8a〜8hが、それぞれ二つずつ配
設されていて、これらマイクロフォン8a〜8hが音圧
として測定した残留騒音信号e1 〜e8 が、コントロー
ラ10に供給される。
【0024】そして、コントローラ10は、マイクロコ
ンピュータや必要なインタフェース回路等を含んで構成
されていて、クランク角センサ5から供給されるクラン
ク角信号Xと、マイクロフォン8a〜8hから供給され
る残留騒音信号e1 〜e8 とに基づいて、後述する演算
処理を実行し、車室6内に伝達されるこもり音を打ち消
すような制御音がラウドスピーカ7a〜7dから発せら
れるように、それらラウドスピーカ7a〜7dに駆動信
号y1 〜y4 を出力する。
【0025】図2は、コントローラ10の機能構成を示
すブロック図であって、このコントローラ10は、クラ
ンク角信号Xに基づき、こもり音の原因となるエンジン
4で発生する振動と同じ周期の(例えば、レシプロ4気
筒の場合は、クランクの180度を一周期とした)正弦
波でなる基準信号xを生成し出力する基準信号生成部1
1と、基準信号xに基づきその基準信号xと同じ周期の
パルス信号x' を生成し出力するパルス信号生成部12
と、を有している。
【0026】また、コントローラ10は、ラウドスピー
カ7a〜7dに対応した個数(M個:本実施例では、M
=4)の適応ディジタルフィルタWm (m=1〜M)
と、その適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数
mi(i=0〜I−1:Iは適応ディジタルフィルタW
m のタップ数(フィルタ係数の個数))と基準信号xと
を畳み込んで駆動信号y1 〜y4 を生成し出力する駆動
信号生成手段としての駆動信号生成部13と、各ラウド
スピーカ7a〜7d及びマイクロフォン8a〜8h間の
伝達関数を有限インパルス応答関数の形でモデル化した
伝達関数フィルタC^lm(l=1〜L:Lはマイクロフ
ォン8a〜8hの個数であり、本実施例ではL=8)
と、その伝達関数フィルタC^lmの各フィルタ係数C^
lmj (j=0〜J−1:Jは伝達関数フィルタC^lm
タップ数)と基準信号xとを畳み込んで基準処理信号r
lmを生成し出力する基準処理信号生成部14と、基準処
理信号rlm及び残留騒音信号e1 〜e8 に基づいて車室
6内のこもり音が低減するように駆動信号生成部13内
の適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数Wmi
更新する適応処理手段としての適応処理部15と、を有
している。
【0027】さらに、コントローラ10は、パルス信号
生成部12によって生成されたパルス信号x' を駆動信
号ym に加算可能な加算部16と、パルス信号生成部1
2及び加算部16間に介在し且つパルス信号x' を断続
的に加算部16に供給する断続スイッチ部17と、伝達
関数フィルタC^lm一つに対して二つ設けられ且つパル
ス信号x' が入力された時点から後述するクロックパル
スCP に同期してフィルタ係数を順に一つずつ出力する
フィルタ係数可変の同定用フィルタC^1lm ,C^0lm
と、残留騒音信号el と同定用フィルタC^1lm 若しく
は同定用フィルタC^0lm の出力との差を演算する減算
部18と、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm と減算部
18との間に介在し且つ同定用フィルタC^1lm ,C^
0lm の何れか一方の出力を減算部18に供給する切換ス
イッチ部19と、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm
各フィルタ係数C^1lmj,C^0lmjが減算部18の出力
に一致するように各フィルタ係数C^1lmj,C^0lmj
更新するフィルタ係数更新部20と、フィルタ係数更新
部20及び同定用フィルタC^1lm ,C^0lm 間に介在
し且つ同定用フィルタC^1lm ,C^0lm の何れか一方
のフィルタ係数が更新されるように切り換わる切換スイ
ッチ部21と、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm の各
フィルタ係数C^1lmj,C^0lmjの差に基づいて伝達関
数フィルタC^lmを設定する減算部22と、を有してい
る。
【0028】ただし、断続スイッチ部17,切換スイッ
チ部19及び切換スイッチ部21は互いに連動してい
て、断続スイッチ部17が接続状態の際には、切換スイ
ッチ19及び21は同定用フィルタC^1lm 側に切り換
わり、断続スイッチ17が遮断状態の際には、切換スイ
ッチ19及び21は同定用フィルタC^0lm 側に切り換
わるようになっている。
【0029】またさらに、コントローラ10は、クラン
ク角信号Xに基づき、基準信号xのN(Nは整数)倍の
周波数の(例えば、レシプロ4気筒の場合、N=10で
あれば、クランクが18度回転する度に一つのパルスで
なる)クロックパルスCP を生成し出力するクロックパ
ルス生成部23を有しており、コントローラ10内の各
処理は、基本的にはそのクロックパルスCP に同期して
実行される。従って、適応ディジタルフィルタWm ,同
定用フィルタC^1lm ,C^0lm は、こもり音の周期と
同じ周期である基準信号xの一周期当たり、N回の出力
を行うことになる。
【0030】ここで、本実施例にあっては、フィルタ係
数更新部15は、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数を更新するのに好適なアルゴリズムの一つであるLM
Sアルゴリズムに基づいて、適応ディジタルフィルタW
m の各フィルタ係数Wmiを更新するが、特に基準信号x
を伝達関数フィルタC^lmでフィルタ処理した値rlm
用いていることから、Filtered−X LMSア
ルゴリズムが実行されることになり、適応ディジタルフ
ィルタWm のフィルタ係数Wmiの更新式は下記の(4)
式又は(5)式のようになる。
【0031】 λW は発散抑制係数であって、1以下の値を採る。ま
た、αW は収束係数と呼ばれる係数であって、フィルタ
が最適に収束する速度やその安定性に関与する。なお、
(n)が付されている項は、サンプリング時刻nにおけ
る値であることを示し、添字kは、一周期(N回)内の
何番目の処理に対応するかを表す変数であって、0から
N−1までの値を採る。
【0032】一方、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm
のフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新部20も、
本実施例では、フィルタ係数更新部15と同様にLMS
アルゴリズムに基づいて減算部18の出力が零となるよ
うに同定用フィルタC^1lm,C^0lm の各フィルタ係
数C^1lmj,C^0lmjを更新するのであるが、パルス信
号x' がフィルタ係数更新部20に入力されていること
から、いわゆる同期式LMSアルゴリズムが実行される
ことになる。なお、同期式LMSアルゴリズムとは、騒
音の基本周波数に同期したパルス信号を基準信号として
用いたLMSアルゴリズムのことである(“日本音響学
会講演論文集 平成4年3月”515〜516頁に詳し
い。)。
【0033】従って、同定用フィルタC^1lm ,C^
0lm の各フィルタ係数C^1lmj,C^ 0lmjの更新式は、
下記の(6)式のようになる。 C^*lmk(n+1)=λC C^*lmk(n)−αC l ……(6) ただし、λC は発散抑制係数、αC は収束係数であり、
*は1又は0である。なお、この(6)式は、同定用フ
ィルタC^1lm ,C^0lm のタップ数Jが、N以下であ
ることを前提としていて、タップ数JがNよりも大きい
場合には、この(6)式に代えて下記の(7)式を用い
ることになる。
【0034】 C^*lm(k+Np) (n+1)=λC C^*lm(k+Np) (n)−αC l ……(7) この(7)式を用いる場合、p,kは、加算部16にお
いて駆動信号ym にパルス信号x' が加算された時点か
ら計数したクロックパルスCP の個数をNで割ったとき
の商と余りである。即ち、上記(6)式は、上記(7)
式においてp=0の場合と考えることもできる。
【0035】図3はコントローラ10内で実行される処
理の概要を示したフローチャートであり、以下、本実施
例の動作を説明する。即ち、コントローラ10内におけ
る処理は上述したようにクロックパルスCPに同期して
1サンプリングの処理が実行されるようになっていて、
先ず、そのステップ101において、残留騒音信号el
を読み込み、次いでステップ102では、基準信号xを
伝達関数フィルタC^lmでフィルタ処理して基準処理信
号rlmを演算する。
【0036】そして、ステップ103に移行し、上記
(4)又は(5)式に従って、適応ディジタルフィルタ
m の各フィルタ係数Wmiを更新する。ステップ103
において全てのフィルタ係数Wmiを更新したら、ステッ
プ104に移行し、フラグF1 が1であるか否かを判定
する。このフラグF1 は、ラウドスピーカ7a〜7dの
駆動信号y1 〜y4 の何れかに、同定信号たるパルス信
号x' を加算する場合(F1 =1)か加算しない場合
(F1 =0)かを表すフラグであり、後述する他の処理
で適宜設定される。
【0037】ステップ104の判定が「NO」の場合
は、何れの駆動信号ym にも同定信号は加算されていな
いと判断できるから、ステップ105に移行し、同定用
フィルタC^0lm のフィルタ係数C^0lm(k+Np) を上記
(7)式に従って更新する。なお、この場合、フィルタ
係数更新部20に基準信号として入力されるのがパルス
信号x' であるため、全てのフィルタ係数C^0lmjを更
新する必要はなく、k+Np番目の係数のみである。
【0038】一方、ステップ104の判定が「YES」
の場合は、何れかの駆動信号ym にパルス信号x' が加
算されていると判断し、ステップ106に移行する。こ
のステップ106では、フラグF2 の値が1であるか否
かを判定するが、このフラグF2 は、何れの駆動信号y
1 〜y4 にパルス信号x' が加算されているかを表すフ
ラグであって、本実施例では、四つのラウドスピーカ7
a〜7dを有することから、フラグF2 は1〜4の値を
採る。
【0039】そこで、ステップ106,107,108
においてフラグF2 が1,2,3であるか否かを判定
し、ステップ106の判定が「YES」の場合(F2
1)にはステップ109に移行し、ステップ107の判
定が「YES」の場合(F2 =2)にはステップ110
に移行し、ステップ108の判定が「YES」の場合
(F2 =3)にはステップ111に移行し、ステップ1
08の判定が「NO」の場合(F2 =4)にはステップ
112に移行する。
【0040】そして、ステップ109〜112の各処理
では、上記(7)式に従って、同定用フィルタC
1lm ,C^0lm の各フィルタ係数C^1lm(k+Np) を更
新するが、ステップ109ではm=1、ステップ110
ではm=2、ステップ111ではm=3,ステップ11
2ではm=4として上記(7)式の更新を行う。これ
は、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm は、伝達関数フ
ィルタC^lmを同定するために更新しているのである
が、ラウドスピーカ7a〜7d及びマイクロフォン8a
〜8h間の伝達関数を測定するには、複数のラウドスピ
ーカ7a〜7dから同定音を発生させてしまうと一つの
マイクロフォン8a〜8hに複数のラウドスピーカ7a
〜7dから発せられた同定音が同時に到達してしまい正
確な伝達関数が測定できなくなるため、後述のように一
度には一つのラウドスピーカ7a〜7dからのみ同定音
を発生させるようにしていることと対応させるためであ
る。
【0041】ステップ105の更新処理又はステップ1
09〜112の何れかの更新処理を終えたら、ステップ
113に移行し、同定用フィルタC^1lm の各フィルタ
係数C^1lmjから同定用フィルタC^0lm の各フィルタ
係数C^0lmjを差し引いた結果に基づいて、伝達関数フ
ィルタC^lmを設定する。なお、このような演算に基づ
いて伝達関数フィルタC^lmを設定することができる理
由については、後述する。
【0042】ステップ113で伝達関数フィルタC^lm
の設定を行ったら、ステップ114に移行し、全ての駆
動信号y1 〜y4 を零クリアする。そして、ステップ1
15に移行し、変数kがNに達しているか否かを判定
し、未だ達していないと判定された場合は、ステップ1
16に移行して変数kをインクリメントする。一方、ス
テップ115の判定が「YES」の場合は、クロックパ
ルスCP が発生する度にステップ116で一つずつイン
クリメントされる変数がNに達したということであり、
換言すれば、現時点は、基準信号xの一周期が経過し新
たな周期に入る時点であるということである。
【0043】そこで、ステップ117に移行し、一周期
内の処理の回数を計数する変数kを零クリアし、ステッ
プ118に移行して、変数pが定数P(Pは整数)に達
しているか否かを判定する。ここで、変数pは、上述し
たように駆動信号ym にパルス信号x' が加算された時
点から起算したクロックパルスCP の個数をNで割った
ときの商であり、より具体的には、パルス信号x' が駆
動信号ym に加算された時点から、基準信号xの周期が
いくつ過ぎたかを表している。そして、定数Pは、伝達
関数フィルタC^lmのタップ数Jを、周期Nの何倍にす
るかを表す整数であって、車室内の残響時間等を考慮し
予め設定される。例えば、タップ数Jを周期Nの2.5倍
にするには、定数Pを3に設定する。
【0044】ステップ118の判定が「NO」の場合
は、パルス信号x' を何れかの駆動信号ym に加算し同
定音を発生させた時点から未だタップ数Jに対応する時
間が経過していないと判断できる、より具体的には、ス
テップ105,109〜112における同定用フィルタ
の更新処理が完了していないと判断できるから、新たな
同定音を発生させてしまうと正確な伝達関数の同定が妨
げられると考え、ステップ119に移行して変数pをイ
ンクリメントする。
【0045】しかし、ステップ118の判定が「YE
S」の場合は、ステップ105,109〜112におけ
る同定用フィルタの更新処理が完了したと判断できるか
ら、ステップ120に移行して変数pを零クリアした後
に、ステップ121以降の処理を実行する。ステップ1
21では、フラグF1 が1であるか否かを判定する。こ
こで、フラグF1 が1でないと判定された場合は、前回
はステップ105の処理が実行されて同定用フィルタC
0lm のフィルタ係数C^0lmjが更新されたと判断でき
るから、次回の処理では、同定用フィルタC^1lm のう
ち、m=1の同定用フィルタC^1l1 のフィルタ係数C
1l1jを更新するようにフラグ設定等を行う。具体的に
は、ステップ122に移行してフラグF1 を1に設定す
るとともに、ステップ123に移行してフラグF2 を1
に設定し、そして、ステップ124に移行してm=1の
駆動信号y1 を所定値bに設定する。この所定値bは、
駆動信号ym に大きさ1のインパルスが重畳されたとみ
なされる定数であって、図2では、パルス信号x' に対
応するものである。
【0046】ステップ121でフラグF1 が1であると
判定された場合は、前回はステップ109〜112の何
れかの更新処理が実行されたと判断できるから、ステッ
プ125に移行し、フラグF2 が1であるか否かを判定
する。そして、ステップ125の判定が「NO」の場合
にはステップ126に移行してフラグF2 が2であるか
否かを判定し、ステップ126の判定が「NO」の場合
にはステップ127に移行してフラグF2 が3であるか
否かを判定する。
【0047】即ち、ステップ125の判定が「YES」
の場合には、前回はステップ109の処理が実行されて
同定用フィルタC^1l1 のフィルタ係数C^1l1jが更新
されたと判断できるから、次回の処理では、m=2に対
応する更新処理が実行されるように、ステップ128に
移行してフラグF2 を2に設定し、駆動信号y2 を所定
値bに設定する。
【0048】そして、ステップ126の判定が「YE
S」の場合には、前回はステップ110においてm=2
に対応する更新処理が行われ、ステップ127の判定が
「YES」の場合には、前回はステップ111において
m=3に対応する更新処理が行われたと判断できるか
ら、それぞれ、次回はm=3,m=4に対応する更新処
理が実行されるように、ステップ130,131若しく
はステップ132,133の処理を実行する。
【0049】なお、ステップ127の判定が「NO」の
場合は、前回はステップ112においてm=4に対応す
る更新処理が行われたと判断できるから、m=1〜4に
対応する一巡の更新処理が完了したと判断し、次回はス
テップ105における更新処理が行われるように、ステ
ップ134に移行してフラグF1 を0に設定する。そし
て、ステップ116,119,124,129,13
1,133又は134の処理を実行したら、ステップ1
35に移行し、下記の(8)式に従って駆動信号ym
演算する。
【0050】 ym =ym +x*Wm ……(8) なお、上記(8)式の右辺の「*」は、畳み込み積分を
表す。ここで、上記(8)式の右辺第1項のym は、ス
テップ114が実行される結果、ステップ115,11
8又は127の判定が「NO」の場合には、全ての駆動
信号ym において0である。従って、各駆動信号y1
4 は、何れも基準信号xと適応ディジタルフィルタW
m の各フィルタ係数Wmiとを畳み込んだ値であり、図2
で説明すれば、駆動信号生成部13の出力が、そのまま
ラウドスピーカ7a〜7dの駆動信号ym となる。
【0051】しかし、ステップ124,129,131
又は133の何れかが実行された場合には、何れかの駆
動信号y1 〜y4 の値が所定値bに設定されているた
め、所定値bに設定されていない駆動信号ym について
は、基準信号xと適応ディジタルフィルタWm の各フィ
ルタ係数Wmiとを畳み込んだ値がラウドスピーカ7a〜
7dの駆動信号となるが、所定値bに設定されている駆
動信号ym については、基準信号xと適応ディジタルフ
ィルタWm の各フィルタ係数Wmiとを畳み込んだ値に、
さらに所定値bが加算された値(図2で説明すれば、駆
動信号生成部13の出力ym に加算部16においてパル
ス信号x' を加算した値)が、ラウドスピーカ7a〜7
dの駆動信号ym となる。
【0052】ステップ135の処理を終えたら、ステッ
プ136に移行し、各駆動信号ymを各ラウドスピーカ
7a〜7dに出力する。すると、ラウドスピーカ7a〜
7dから車室6内に制御音が発生するが、制御開始直後
は適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数Wmi
最適な値に収束しているとは限らないので、必ずしも車
室6内に伝達されたこもり音が低減されるとはいえな
い。
【0053】しかし、図3に示す処理が繰り返し実行さ
れると、ステップ103でフィルタ係数WmiがLMSア
ルゴリズムに応じた上記(4)式又は(5)式に従って
逐次更新され、最適値に向かって収束していくから、車
室6内に伝達されるこもり音がラウドスピーカ7a〜7
dから発せられる制御音によって打ち消されるようにな
り、車室6内の騒音の低減が図られる。
【0054】そして、本実施例にあっては、駆動信号y
m をそのまま出力する場合と、駆動信号xに同期したタ
イミングで何れか一つの駆動信号ym に所定値bを加算
して出力する場合とがあり、加算せずに出力する場合に
は、ステップ105において同定用フィルタC^0lm
上記(7)式に従って更新する一方、加算して出力する
場合には、ステップ109〜112の何れかにおいて、
その加算された駆動信号ym に対応する同定用フィルタ
C^1lm を上記(7)式に従って更新することとしてい
る。
【0055】ここで、上記(7)式は、LMSアルゴリ
ズムに基づいた更新式であるが、同定用フィルタC^
1lm ,C^0lm への入力はパルス信号x' であり、その
大きさを1と考えれば、これら同定用フィルタC
1lm ,C^0lm の出力は、そのフィルタ係数C
1lmk,C^0lmkそのものであるため、上記(7)式に
従ってそれらフィルタ係数C^1lmk,C^0lmkを逐次更
新すると、フィルタ係数C^1lmk,C^0lmkは、変数k
毎の残留騒音信号el の平均値(同期をとった平均値)
に収束することになる。
【0056】つまり、パルス信号x' を加算しない場合
に上記(7)式に従って更新される同定用フィルタC^
0lm は、例えば図4(a)に示すように、その時の残留
騒音信号el の波形を表すようになる。同様に、パルス
信号x' を加算した場合に更新される同定用フィルタC
1lmもその時の残留騒音信号el の波形を表すように
なるが、この場合には、パルス信号x' に応じた同定音
が制御音とともにラウドスピーカから発せられているた
め、残留騒音信号el には、こもり音等に起因する残留
騒音の他、ラウドスピーカから発せられてマイクロフォ
ン8a〜8hに到達した同定音も含まれることになる。
【0057】従って、同定用フィルタC^1lm は、例え
ば図4(b)に示すように、同定用フィルタC^0lm
形状を表す図4(a)に比べてやや歪んだ波形となる
が、その歪んだ分は、同定音に起因するものである。こ
のため、同定用フィルタC^1lm の各フィルタ係数C^
1lmjから同定用フィルタC^0lm の各フィルタ係数C^
0lmjを差し引くと、図4(c)に示すように、同定音に
起因する波形のみが残ることになり、この波形は、パル
ス信号x' に応じた同定音をラウドスピーカから発生さ
せ、それをマイクロフォン8a〜8hで測定した音に相
当するから、それらラウドスピーカ及びマイクロフォン
8a〜8h間の伝達関数のインパルス応答に一致するは
ずである。
【0058】なお、同定用フィルタC^1lm に含まれる
同定音以外の残留騒音成分と、同定用フィルタC^0lm
に含まれる同定音以外の残留騒音成分とは、それらの同
定には時間的なズレがあることから瞬間的には一致しな
いが、本実施例では、残留騒音信号el の瞬時値ではな
く同期をとった平均値が同定用フィルタC^1lm ,C^
0lm のフィルタ係数C^1lmj,C^0lmjとなるようなア
ルゴリズムを採用しており、しかも、同定用フィルタC
1lm を更新する処理と同定用フィルタC^0l m を更新
する処理とを頻繁に切り換えるようにしているため、図
3に示す処理を適宜繰り返した後には、同定音以外の残
留騒音成分は一致したものとみなすことができる。
【0059】よって、ステップ113において、同定用
フィルタC^1lm の各フィルタ係数C^1lmjから同定用
フィルタC^0lm の各フィルタ係数C^0lmjを差し引い
た結果に基づいて伝達関数フィルタC^lmを設定する
と、例えば車室6内の温度,湿度,窓の開閉状況,乗員
数の変化等に応じてラウドスピーカ7a〜7d及びマイ
クロフォン8a〜8h間の伝達関数が当初の状態から変
化しても、それを追従するように伝達関数フィルタC^
lmが変更されるため、実際の物理的空間における伝達関
数と、伝達関数フィルタC^lmが表す伝達関数との間の
ズレを極力小さくすることができ、良好な騒音低減効果
を得ることができる。
【0060】しかも、同定用フィルタC^1lm ,C^
0lm も、結局は残留騒音信号el の同期をとった平均値
に収束することからその同定精度も高く、且つ、それら
同定用フィルタC^1lm ,C^0lm のフィルタ係数C^
1lmj,C^0lmjの減算という簡易な演算で伝達関数フィ
ルタC^lmが同定されるから、高い精度で伝達関数フィ
ルタC^lmを設定することができる。このことは、同定
音のパワーをそれほど大きくしなくても済むということ
であるから、同定音を発生することにより乗員に不快感
を与えてしまうようなこともない。
【0061】そして、本実施例にあっては、ホワイトノ
イズではなく、パルス信号x' に基づいて伝達関数フィ
ルタC^lmを同定する構成であるため、下記のような利
点がある。第1に、ホワイトノイズを発生させるために
は、全周波数帯域に渡って一定のパワーを有するランダ
ム信号を生成しなければならず、演算によって生成する
には計算量の増大を招き、ランダム信号を記憶しておく
構成とするとメモリ容量の増大を招いてしまうのに対
し、パルス信号x' の生成は非常に容易であるから、演
算負荷の軽減又はメモリ容量の削減が図られる。
【0062】第2に、同定用フィルタC^1lm ,C^
0lm への入力がパルス信号x' であるため、本来ならば
畳み込み積分を行う必要があるのに対し、クロックパル
スCPに同期してフィルタ係数C^1lmj,C^0lmjを出
力するだけで済むから、これによっても大幅な演算負荷
の軽減が図られる。第3に、本実施例では、同定用フィ
ルタC^1lm ,C^0lm のフィルタ係数C^1lmj,C^
0lmjの更新にLMSアルゴリズムを適用しているが、基
準信号としてパルス信号x' を適用しているため、上記
(7)式からも明らかなように、k+Np番目のフィル
タ係数C^*lm(k+Np) のみを更新すればよいので、これ
によっても演算負荷の軽減が図られる。
【0063】以上から、本実施例の構成であれば、従来
に比べて非常に少ない演算量で高精度に伝達関数フィル
タC^lmを同定することができるので、高速演算可能な
高価な演算素子を導入することなく、且つ、乗員に不快
感を与えることなく、車両のように頻繁に伝達関数が変
化する空間であっても、良好な騒音低減効果が得られる
ものである。
【0064】ここで、本実施例にあっては、クランク角
センサ5及び基準信号生成部11によって騒音発生状態
検出手段が構成され、加算部16,断続スイッチ部17
及びステップ124,129,131,133,135
の処理によって信号加算手段が構成され、減算部18,
切換スイッチ部19,21,フィルタ係数更新部20及
びステップ105〜112の処理によって同定用フィル
タ設定手段が構成され、減算部22及びステップ113
の処理によって伝達関数フィルタ設定手段が構成され
る。
【0065】図5は、本発明の第2実施例の構成を示す
ブロック図であって、上記第1実施例の図2と同様に、
コントローラ10の機能構成を示している。なお、本実
施例も、上記第1実施例と同様に、エンジンから車室内
に伝達されるこもり音の低減を図る車両用能動型騒音制
御装置に本発明を適用したものであり、本実施例のその
他の構成は、上記第1実施例と同様である。
【0066】即ち、本実施例は、駆動信号ym を生成す
る適応ディジタルフィルタWm に関しても同期式LMS
アルゴリズム(より具体的には、同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズム)を適用したものであり、
従って、基準信号生成部11は、上記第1実施例とは異
なり、クランク角信号Xに基づき、こもり音に同期した
インパルス列でなる基準信号xを生成し出力する。
【0067】そして、この基準信号xを駆動信号生成部
13に供給する一方、基準信号xに同期したパルス信号
として加算部16,同定用フィルタC^1lm ,C^0lm
及びフィルタ係数更新部20に供給している。さらに、
上記第1実施例では存在した基準処理信号生成部14を
省略し、適応ディジタルフィルタWm のフィルタ係数W
miを更新するフィルタ係数更新部15には、同定用フィ
ルタC^1lm の出力と同定用フィルタC^0lm の出力と
の差を演算する減算部30の出力をそのまま供給してい
る。つまり、本実施例では、同定用フィルタC^1lm
びC^0lm が、上記第1実施例における伝達関数フィル
タC^lmの機能を兼ね備えているのである。
【0068】図6は、本実施例のコントローラ10内に
おける処理の概要を示すフローチャートであり、上記第
1実施例で説明した図3と同等の処理には同じ符号を付
し、その重複する説明は省略する。即ち、本実施例にあ
っては、ステップ105で同定用フィルタC^0lm のフ
ィルタ係数C^0lm(k+Np) の更新を行った後に、ステッ
プ201に移行し、下記の(9)式に従って、フィルタ
係数C^0lm(k+Np) の負の変化量Δrlmk を演算する。
【0069】 Δrlmk =−{C^0lm(k+Np) (n+1)−C^0lm(k+Np) (n)} ……(9) 次いで、ステップ202に移行し、下記の(10)式に従
って、ステップ103の適応ディジタルフィルタWm
フィルタ係数Wmiの更新に使用する基準処理信号rlmk
を累算する。
【0070】 rlmk =rlmk +Δrlmk ……(10) 一方、ステップ109,110,111又は112で同
定用フィルタC^1lmのフィルタ係数C^1lm(k+Np)
更新を行った後に、ステップ203,205,207又
は209に移行し、下記の(11)式に従って、フィルタ
係数C^1lm(k+ Np) の変化量Δrlmk を演算する。
【0071】 Δrlmk =C^0lm(k+Np) (n+1)−C^0lm(k+Np) (n) ……(11) 次いで、ステップ204,206,208又は210に
移行し、下記の(12)式に従って、基準処理信号rlmk
を累算する。 rlmk =rlmk +Δrlmk ……(12) このような演算によって基準処理信号rlmk を求められ
るのは、基準信号xをインパルス列とした結果、伝達関
数フィルタC^lmへの入力と、同定用フィルタC
1lm ,C^0lm への入力とが等しく、何れの出力もフ
ィルタ係数C^lmk ,C^1lmk,C^0lmkであり、しか
も、上記第1実施例で説明したように、伝達関数フィル
タC^lmのフィルタ係数C^lmj が同定用フィルタC^
1lm ,C^0lmのフィルタ係数C^1lmj,C^0lmjの差
から求められるのであるから、それらフィルタ係数C^
1lmk,C^0lmkの変化量を極性を異ならせて累積すれ
ば、伝達関数フィルタC^lmの各フィルタ係数C^lmj
と基準信号xとを畳み込んで基準処理信号rlmk を演算
したのと同じ結果が得られるからである。
【0072】さらに、基準信号xをインパルス列とした
結果、ステップ135における駆動信号ym の演算は、
下記の(13)式に従って行われる。 ym =ym +Wmk ……(13) このように、本実施例の構成であれば、上記第1実施例
よりもさらに演算負荷の軽減が図られるという利点があ
る。その他の作用効果は、上記第1実施例と同様であ
る。
【0073】ここで、本実施例では、演算負荷の軽減を
図った結果、形の上では伝達関数フィルタC^lmは存在
せず、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm が伝達関数フ
ィルタC^lmの機能を兼ね備えていることから、同定用
フィルタC^1lm ,C^0lm,減算部30及びステップ
201〜210における処理が伝達関数フィルタ設定手
段に対応するものである。
【0074】なお、上記各実施例では、本発明に係る能
動型騒音制御装置を、周期的な騒音である車両のこもり
音の低減を図る装置に適用した場合について説明した
が、本発明は、例えばロード・ノイズのようなランダム
・ノイズの低減を図る装置であって適用可能である。即
ち、例えばロード・ノイズの低減を図る装置であれば、
基準信号xはサスペンションに生じる上下加速度となる
が、その基準信号xを30〜40Hz程度の低周波を抽
出するローパス・フィルタで処理し、その低周波成分に
同期してパルス信号x' を生成すれば、上記第1実施例
と同等の作用効果が得られる。
【0075】また、上記各実施例では、本発明に係る能
動型騒音制御装置を車両に適用した場合について説明し
たが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではな
く、車室以外の空間であっても当然に適用可能である。
さらに、上記各実施例では、同期式LMSアルゴリズム
を利用して、同定用フィルタC^1lm ,C^0lm の各フ
ィルタ係数が、残留騒音信号el の同期をとった平均値
となるようにしているが、残留騒音信号el の同期をと
った平均値の求め方はこれに限定されるものではなく、
例えば、所定時間内の残留騒音信号elを同期をとって
累算しておき、その累算結果を累算回数で割って求める
ようにしてもよいし、或いは、重みを付けて移動平均を
求める手法を利用してもよい。
【0076】またさらに、上記各実施例では、同定用フ
ィルタC^1lm ,C^0lm の各フィルタ係数を残留騒音
信号el の同期をとった平均値に設定する場合について
説明しているが、空間内に残留する騒音が変化の少ない
安定した状態にあることが明らかであれば、残留騒音信
号el の瞬時値を同定用フィルタC^1lm ,C^0lm
各フィルタ係数としても、伝達関数の同定は可能であ
る。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伝達関数一つに対して二つの同定用フィルタを設け、そ
れら同定用フィルタを適宜更新し、そして、それら二つ
の同定用フィルタのフィルタ係数の差に基づいて伝達関
数フィルタを設定する構成としたため、従来に比べて非
常に少ない演算量で高精度に伝達関数フィルタを同定す
ることができ、高速演算可能な高価な演算素子を導入す
ることなく、車両のように頻繁に伝達関数が変化する空
間であっても、良好な騒音低減効果を得ることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す図であ
る。
【図2】第1実施例のコントローラの機能構成を示すブ
ロック図である。
【図3】第1実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【図4】伝達関数を設定できる理由を説明する波形図で
ある。
【図5】第2実施例のコントローラの機能構成を示すブ
ロック図である。
【図6】第2実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用能動型騒音制御装置 4 エンジン(騒音源) 5 クランク角センサ 6 車室(空間) 7a〜7d ラウドスピーカ(制御音源) 8a〜8h マイクロフォン(残留騒音検出手
段) 10 コントローラ 11 基準信号生成部 12 パルス信号生成部 13 駆動信号生成部(駆動信号生成手
段) 14 基準処理信号生成部 15 フィルタ係数更新部(適応処理手
段) 16 加算部 17 断続スイッチ部 18,22 減算部 19,21 切換スイッチ部 20 フィルタ係数更新部 Wm 適応ディジタルフィルタ C^lm 伝達関数フィルタ C^1lm ,C^0lm 同定用フィルタ
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/04 A 7037−5J 21/00 7037−5J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源から騒音が伝達される空間に制御
    音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生状態
    を検出し基準信号として出力する騒音発生状態検出手段
    と、前記空間内の所定位置における残留騒音を検出し残
    留騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フィル
    タ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号
    を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記
    制御音源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前
    記制御音源及び前記残留騒音検出手段間の伝達関数をモ
    デル化した伝達関数フィルタと、前記基準信号を前記伝
    達関数フィルタでフィルタ処理した結果と前記残留騒音
    信号とに基づいて前記空間内の騒音が低減するように前
    記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適
    応処理手段と、を備えた能動型騒音制御装置において、 前記基準信号に同期したパルス信号を一時的に前記駆動
    信号に加算可能な信号加算手段と、フィルタ係数可変で
    且つ前記伝達関数一つに対して二つの同定用フィルタ
    と、前記信号加算手段が前記加算を行った際の前記残留
    騒音信号に基づいて前記一方の同定用フィルタを設定し
    且つ前記信号加算手段が前記加算を行わなかった際の前
    記残留騒音信号に基づいて前記他方の同定用フィルタを
    設定する同定用フィルタ設定手段と、前記一方の同定用
    フィルタのフィルタ係数及び前記他方の同定用フィルタ
    のフィルタ係数の差に基づいて前記伝達関数フィルタを
    設定する伝達関数フィルタ設定手段と、を備えたことを
    特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 騒音源から騒音が伝達される空間に制御
    音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生状態
    を検出し基準信号として出力する騒音発生状態検出手段
    と、前記空間内の所定位置における残留騒音を検出し残
    留騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フィル
    タ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号
    を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記
    制御音源の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前
    記制御音源及び前記残留騒音検出手段間の伝達関数をモ
    デル化した伝達関数フィルタと、前記基準信号を前記伝
    達関数フィルタでフィルタ処理した結果と前記残留騒音
    信号とに基づいて前記空間内の騒音が低減するように前
    記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適
    応処理手段と、を備えた能動型騒音制御装置において、 前記基準信号に同期したパルス信号を一時的に前記駆動
    信号に加算可能な信号加算手段と、フィルタ係数可変で
    且つ前記伝達関数一つに対して二つの同定用フィルタ
    と、前記信号加算手段が前記加算を行った際の前記残留
    騒音信号の同期をとった平均値を前記一方の同定用フィ
    ルタのフィルタ係数とし且つ前記信号加算手段が前記加
    算を行わなかった際の前記残留騒音信号の同期をとった
    平均値を前記他方の同定用フィルタのフィルタ係数とす
    る同定用フィルタ設定手段と、前記一方の同定用フィル
    タのフィルタ係数及び前記他方の同定用フィルタのフィ
    ルタ係数の差に基づいて前記伝達関数フィルタを設定す
    る伝達関数フィルタ設定手段と、を備えたことを特徴と
    する能動型騒音制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO1999053476A1 (fr) * 1998-04-15 1999-10-21 Fujitsu Limited Dispositif antibruit actif
JP2000009174A (ja) * 1998-06-22 2000-01-11 Nissan Motor Co Ltd 能動型騒音振動制御装置
CN113421541A (zh) * 2021-08-23 2021-09-21 南京南大电子智慧型服务机器人研究院有限公司 一种基于系数平滑的频域有源噪声控制系统

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CN113421541B (zh) * 2021-08-23 2021-10-29 南京南大电子智慧型服务机器人研究院有限公司 一种基于系数平滑的频域有源噪声控制系统

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