JP3275449B2 - 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置

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JP3275449B2
JP3275449B2 JP12112493A JP12112493A JP3275449B2 JP 3275449 B2 JP3275449 B2 JP 3275449B2 JP 12112493 A JP12112493 A JP 12112493A JP 12112493 A JP12112493 A JP 12112493A JP 3275449 B2 JP3275449 B2 JP 3275449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両エンジン等の騒
音源から車室等の空間に伝達される騒音に制御音を干渉
させることにより騒音の低減を図る能動型騒音制御装置
及び車両エンジン等の振動源から発せられ車体等を伝搬
する振動に制御振動を干渉させることにより振動の低減
を図る能動型振動制御装置に関し、特に、制御音源や制
御振動源の制御可能な周波数帯域が狭くても広い周波数
帯域において騒音低減効果や振動低減効果が期待できる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術として、英国特許第
2149614号や特表平1−501344号に記載の
ものがある。これら従来の装置は、航空機の客室やこれ
に類する閉空間に適用される能動型騒音低減装置であっ
て、閉空間の外部に位置するエンジン等の単一の騒音源
は、基本周波数f0 及びその高調波f1 〜fn を含む騒
音を発生するという条件の下において作動するものであ
る。
【0003】具体的には、閉空間内の複数の位置に設置
され音圧を検出するマイクロフォンと、その閉空間に制
御音を発生する複数のラウドスピーカとを備え、騒音源
の周波数f0 〜fn 成分に基づき、それら周波数f0
n 成分と逆位相の信号でラウドスピーカを駆動させ、
もって閉空間に伝達される騒音と逆位相の制御音をラウ
ドスピーカから発生させて騒音を打ち消している。
【0004】そして、ラウドスピーカから発せられる制
御音の生成方法として、PROCEEDINGS OF THE IEEE,VOL.
63 PAGE 1692,1975,“ADAPTIVE NOISE CANSELLATION :
PRINCIPLES AND APPLICATIONS ”で述べられている‘WI
DROW LMS’アルゴリズムを多チャンネルに展開したアル
ゴリズムを適用している。その内容は、上記特許の発明
者による論文、“A MULTIPLE ERROR LMS ALGORITHM AND
ITS APPLICATION TOTHE ACTIVE CONTROL OF SOUND AND
VIBRATION ”,IEEE TRANS.ACOUST.,SPEECH,SIGNAL PRO
CESSING,VOL.ASSP −35,PP.1423−1434,1987 にも述べ
られている。
【0005】即ち、LMSアルゴリズムは、適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数を更新するのに好適なアル
ゴリズムの一つであって、例えばいわゆるFilter
ed−X LMSアルゴリズムにあっては、ラウドスピ
ーカからマイクロフォンまでの伝達関数をモデル化した
伝達関数フィルタを全てのラウドスピーカとマイクロフ
ォンとの組み合わせについて設定し、騒音源の騒音発生
状態を表す基準信号をそのフィルタで処理した値と各マ
イクロフォンが検出した残留騒音とに基づいた所定の評
価関数の値が低減するように、各ラウドスピーカ毎に設
けられたフィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタの
フィルタ係数を更新している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記従来の技
術によれば、騒音を低減し得る駆動信号を生成すること
は可能であるが、通常のラウドスピーカの周波数応答性
は数十Hz以上であることから、それよりも低い周波数
の駆動信号をラウドスピーカに供給しても歪んだ音が発
生してしまい、逆に騒音レベルを悪化させることになる
という不具合がある。従って、そのような低周波の制御
音でも十分に発し得る大口径で且つ大容積のエンクロー
ジャを備えたラウドスピーカを用いるか、或いは、制御
不可能な周波数帯域の騒音が発生している状況では騒音
低減制御を停止する必要があるが、前者では、大幅なコ
ストアップを招くばかりか装置が大型化してしまい例え
ば車両の車室内のようにスペース的な余裕が小さい場合
には搭載が不可能であることが多く、後者では、低周波
騒音発生時には騒音低減効果が一切期待できなくなって
しまう。
【0007】一方、例えばエンジンで発生し車体側に伝
達される振動を、電磁アクチュエータを内蔵したエンジ
ンマウントを上述したLMSアルゴリズム等に従って適
宜駆動させて低減させる所謂アクティブエンジンマウン
トにあっても、通常の電磁アクチュエータの周波数応答
性が200Hz前後以下と低いため、例えば4気筒レシ
プロエンジン搭載車両において問題となるこもり音がエ
ンジン回転の2次成分に起因することから、そのエンジ
ン回転の2次成分を基準信号として常に制御を行うと、
エンジン高回転時に電磁アクチュエータが正確に駆動し
なくなっていまい、結局のところ高周波振動発生時には
振動低減制御が行えなくなってしまうという問題点があ
る。
【0008】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、装置の
大型化等の不具合を招くことなく、制御音源や制御振動
源の制御可能な周波数帯域が狭くても騒音低減効果や振
動低減効果が期待できる能動型騒音制御装置及び能動型
振動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、騒音源から周期的な騒音が
伝達される空間に制御音を発生可能な制御音源と、前記
騒音源の騒音発生状態に基づき前記周期的な騒音の所定
次数成分に対応する周期的な信号でなる基準信号を生成
する基準信号生成手段と、前記空間内の所定位置におけ
る残留騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留騒
音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィ
ルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタで
フィルタ処理して前記制御音源を駆動する信号を生成す
る駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残留騒音
信号に基づいて前記空間内の騒音が低減するように前記
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適応
処理手段と、を備えた能動型騒音制御装置において、前
記騒音の周波数を検出する周波数検出手段と、前記基準
信号が対応する前記周期的な騒音の所定次数成分の次数
を前記周波数検出手段が検出した前記騒音の周波数に応
じて切り換える次数切換手段と、を設け、前記次数切換
手段は、前記騒音の全周波数帯域に渡って、前記騒音の
周波数が低い側で前記次数が大きく前記騒音の周波数が
高い側で前記次数が小さくなるように、前記次数を切り
換えるようになっており、且つ、一の次数に対応した基
準信号を生成する周波数帯域と他の次数に対応した基準
信号を生成する周波数帯域とをオーバーラップさせ、そ
のオーバーラップする帯域では前記一の次数に対応した
基準信号の割合と前記他の次数に対応した基準信号の割
合とを徐々に変化させるようになっていることを特徴と
している。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2記載
の発明は、騒音源から周期的な騒音が伝達される空間に
制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音発生
状態に基づき前記周期的な騒音の所定次数成分に対応す
る周期的な信号でなる基準信号を生成する基準信号生成
手段と、前記空間内の所定位置における残留騒音を検出
し残留騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フ
ィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準
信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して
前記制御音源を駆動する信号を生成する駆動信号生成手
段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づいて前
記空間内の騒音が低減するように前記適応ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段と、を備
えた能動型騒音制御装置において、前記騒音の周波数を
検出する周波数検出手段と、前記基準信号が対応する前
記周期的な騒音の所定次数成分の次数を前記周波数検出
手段が検出した前記騒音の周波数に応じて切り換える次
数切換手段と、を設け、前記次数切換手段によって切り
換えられる各次数成分に対応する前記基準信号毎に個別
に前記適応ディジタルフィルタを有し、前記次数切換手
段は、前記騒音の全周波数帯域に渡って、前記騒音の周
波数が低い側で前記次数が大きく前記騒音の周波数が高
い側で前記次数が小さくなるように、前記次数を切り換
えるようになっており、且つ、前記次数の切換にヒステ
リシスを持たせていることを特徴としている。
【0011】一方、上記目的を達成するために、請求項
記載の発明は、振動源から発せられた周期的な振動と
干渉する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動
源の振動発生状態に基づき前記周期的な振動の所定次数
成分に対応する周期的な信号でなる基準信号を生成する
基準信号生成手段と、前記干渉後の振動を検出し残留振
動信号として出力する残留振動検出手段と、フィルタ係
数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を前
記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制御
振動源を駆動する信号を生成する駆動信号生成手段と、
前記基準信号及び前記残留振動信号に基づいて前記干渉
後の振動が低減するように前記適応ディジタルフィルタ
のフィルタ係数を更新する適応処理手段と、を備えた能
動型振動制御装置において、前記振動の周波数を検出す
る周波数検出手段と、前記基準信号が対応する前記周期
的な振動の所定次数成分の次数を前記周波数検出手段が
検出した前記振動の周波数に応じて切り換える次数切換
手段と、を設け、前記次数切換手段は、前記振動の全周
波数帯域に渡って、前記振動の周波数が低い側では前記
次数が大きく前記振動の周波数が高い側では前記次数が
小さくなるように、前記次数を切り換えるようになって
いることを特徴としている。
【0012】また、請求項記載の発明は、上記請求項
記載の発明において、次数切換手段は、一の次数に対
応した基準信号を生成する周波数帯域と他の次数に対応
した基準信号を生成する周波数帯域とをオーバーラップ
させることとした。そして、請求項記載の発明は、上
記請求項3記載の発明において、次数切換手段によって
切り換えられる各次数成分に対応する基準信号毎に個別
に適応ディジタルフィルタを有することとした。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、基準信号生成
手段が、騒音源の騒音発生状態に基づいて周期的な信号
でなる基準信号を生成し、駆動信号生成手段が、その基
準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して制
御音源を駆動する駆動信号を生成するから、かかる駆動
信号は、騒音源から発せられる騒音の基本周波数又はそ
の高調波成分に対応した周期的な信号となる。従って、
次数切換手段が、基準信号が対応する周期的な騒音の次
数成分の次数を変化させると、駆動信号の周波数が変化
する。
【0014】そして、制御音源はそのように生成された
駆動信号に応じて駆動するものであり、駆動信号の周波
数が制御音源が正常に作動可能な周波数帯域内にあれ
ば、制御音源からはその駆動信号に応じた正確な制御音
が発せられる。しかし、駆動信号の周波数が制御音源が
正常に作動可能な周波数帯域から外れていると、そのま
まの駆動信号では制御音源からは騒音を低減し得る制御
音は発せられないが、周波数検出手段が検出した騒音の
周波数に応じて、次数切換手段が、基準信号が対応する
周期的な騒音の次数成分の次数を切り換えると、駆動信
号の周波数が変化する(具体的には、次数を大きくすれ
ば駆動信号の周波数が高くなり、逆に次数を小さくすれ
ば駆動信号の周波数が低くなる)から、請求項1記載の
発明のように騒音の全周波数帯域に渡って騒音の周波数
が低い側で次数が大きく騒音の周波数が高い側で次数が
小さくなるように次数を切り換えるようになっていれ
ば、駆動信号の周波数は、制御音源が正常に作動可能な
周波数帯域内に収まるようになる。
【0015】なお、基準信号が対応する周期的な騒音の
次数成分の次数が、ある周波数を境に突然切り換わる
と、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新処理
が次数の変化に追いつかず、フィルタ係数の更新処理が
ある程度の回数実行されるまで駆動信号の精度が落ちて
しまい、騒音低減効果が得られないおそれがある。そこ
で、この請求項記載の発明であれば、一の次数から他
の次数に切り換わる際には、先ず、他の次数に対応した
基準信号が生成される、つまり、それら一の次数及び他
の次数の両方に対応した基準信号が生成されるようにな
った後に、一の次数に対応した基準信号の生成が停止す
るようになるから、適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数が他の次数に対応する基準信号に応じて更新された
後に、次数切換手段による切換が完了することになる。
しかも、そのような次数がオーバーラップする周波数帯
域では、各次数に対応した基準信号の割合が徐々に変化
するようになっている。
【0016】また、請求項記載の発明であれば、所定
次数成分に対応する各基準信号毎に適応ディジタルフィ
ルタが存在するため、一の次数に対応した基準信号と、
他の次数に対応した基準信号とは、互いに異なる適応デ
ィジタルフィルタでフィルタ処理されることになり、そ
れら各適応ディジタルフィルタのフィルタ係数は、互い
に異なる基準信号に基づいて更新されることになる。
して、次数切換手段は、騒音の全周波数帯域に渡って騒
音の周波数が低い側で次数が大きく前記騒音の周波数が
高い側で前記次数が小さくなるように次数を切り換える
ようになっているから、その点に関しては請求項1記載
の発明と同様の作用が得られるし、しかも、次数の切換
にヒステリシスを持たせているから、ハンチング現象を
回避することもできる。
【0017】一方、請求項3記載の発明にあっては、基
準信号生成手段が、振動源の振動発生状態に基づいて周
期的な信号でなる基準信号を生成し、駆動信号生成手段
が、その基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ
処理して制御振動源を駆動する駆動信号を生成するか
ら、かかる駆動信号は、振動源から発せられる振動の基
本周波数又はその高調波成分に対応した周期的な信号と
なる。従って、次数切換手段が、基準信号が対応する周
期的な振動の次数成分の次数を変化させると、駆動信号
の周波数が変化する。 そして、制御振動源はそのように
生成された駆動信号に応じて駆動するものであり、駆動
信号の周波数が制御振動源が正常に作動可能な周波数帯
域内にあれば、制御振動源からはその駆動信号に応じた
正確な制御振動が発せられる。 しかし、駆動信号の周波
数が制御振動源が正常に作動可能な周波数帯域から外れ
ていると、そのままの駆動信号では制御振動源からは振
動を低減し得る制御振動は発せられないが、周波数検出
手段が検出した振動の周波数に応じて、次数切換手段
が、基準信号が対応する周期的な振動の次数成分の次数
を切り換えると、駆動信号の周波数が変化する(具体的
には、次数を大きくすれば駆動信号の周波数が高くな
り、逆に次数を小さくすれば駆動信号の周波数が低くな
る)から、請求項3記載の発明のように振動の全周波数
帯域に渡って振動の周波数が低い側で次数が大きく振動
の周波数が高い側で次数が小さくなるように次数を切り
換えるようになっていれば、駆動信号の周波数は、制御
振動源が正常に作動可能な周波数帯域内に収まるように
なる。 また、請求項4記載の発明であれば、一の次数か
ら他の次数に切り換わる際には、先ず、他の次数に対応
した基準信号が生成される、つまり、それら一の次数及
び他の次数の両方に対応した基準信号が生成されるよう
になった後に、一の次数に対応した基準信号の生成が停
止するようになるから、適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数が他の次数に対応する基準信号に応じて更新さ
れた後に、次数切換手段による切換が完了することにな
る。 そして、請求項5記載の発明であれば、所定次数成
分に対応する各基準信号毎に適応ディジタルフィルタが
存在するため、一の次数に対応した基準信号と、他 の次
数に対応した基準信号とは、互いに異なる適応ディジタ
ルフィルタでフィルタ処理されることになり、それら各
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数は、互いに異な
る基準信号に基づいて更新されることになる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1乃至図3は本発明の第1実施例の構成を示
す図であり、この実施例は、本発明に係る能動型騒音制
御装置を、車両2の車室3内の騒音の低減を図る車両用
能動型騒音制御装置1に適用したものである。
【0019】先ず、構成を説明すると、図1に示すよう
に、この車両用能動型騒音制御装置1は、騒音源として
のエンジン4から空間としての車室3内に伝達される騒
音としてのこもり音の低減を図る装置であって、エンジ
ン4には、エンジン4のクランク軸の回転に同期したク
ランク角信号Xを出力するクランク角センサ5が取り付
けられていて、かかるクランク角センサ5から出力され
たクランク角信号Xは、コントローラ10に供給される
ようになっている。なお、本実施例にあっては、エンジ
ン4として4気筒レシプロエンジンを想定している。
【0020】一方、車室3内には、車室3内に残留する
騒音の音圧を測定する残留騒音検出手段としての複数の
マイクロフォン8a,8b及び8cと、車室3内に制御
音を発生する制御音源としての複数のラウドスピーカ9
a及び9bとが配設されている。マイクロフォン8a〜
8cは、乗員の耳位置近傍の音圧を測定できるような位
置に配設されていて、測定した車室3内の残留騒音を、
残留騒音信号epl としてコントローラ10に供給する
ようになっている。なお、マイクロフォンは、図1には
三つ図示しているが、実際には、各乗員の耳位置近傍等
の多数の位置に配設されている。ここで、マイクロフォ
ンの個数をLとし、残留騒音信号epl の添字l(l=
1,2,…,L)は、各マイクロフォンのうち、いずれ
のマイクロフォンから出力された残留騒音信号であるか
を表している。
【0021】コントローラ10は、クランク角信号X及
び残留騒音信号epl に基づいて所定の演算処理を実行
し、車室3内に伝達されるこもり音が打ち消されるよう
な制御音がラウドスピーカ9a,9bから発せられるよ
うに、各ラウドスピーカ9a,9bに駆動信号ypm
供給するようになっている。なお、ラウドスピーカも、
図1には二つ図示しているが、実際には、それ以上の個
数のラウドスピーカが車室3内の各位置に配設されてい
る。ここで、ラウドスピーカの個数をMとし、駆動信号
ypm の添字m(m=1,2,…,M)は、各ラウドス
ピーカのうち、いずれのラウドスピーカに供給される駆
動信号であるかを表している。
【0022】そして、コントローラ10は、マイクロコ
ンピュータや必要なインタフェース回路等を含んで構成
されていて、その具体的な機能構成は図2に示すように
なっている。即ち、コントローラ10は、機能的には、
クランク角信号Xに基づいてエンジン4で発生するこも
り音の所定次数成分に対応する周期的な信号でなる基準
信号xを生成する基準信号生成手段としての基準信号生
成部11と、ラウドスピーカ9a,9bの個数Mと同じ
数の適応ディジタルフィルタWm と、基準信号xと各適
応ディジタルフィルタWm のフィルタ係数Wmi(i=
0,1,…,I−1:Iは適応ディジタルフィルタWm
のタップ数)とを畳み込んで駆動信号ypm を演算する
駆動信号生成手段としての駆動信号生成部12と、クラ
ンク角信号Xに基づいてエンジン回転速度Nを演算する
エンジン回転速度演算部13と、車室3内における各ラ
ウドスピーカ9a,9b及び各マイクロフォン8a〜8
c間の伝達関数を有限インパルス応答関数の形でモデル
化したディジタルフィルタである伝達関数フィルタC^
lmと、駆動信号ypm が車室3内の騒音を低減し得る信
号となるように適応ディジタルフィルタWm の各フィル
タ係数Wmiを更新するフィルタ係数更新部14と、を備
えている。
【0023】フィルタ係数更新部14には、基準信号x
と各伝達関数フィルタC^lmのフィルタ係数C^
lmj (j=0,1,…,J−1:Jは伝達関数フィルタ
C^lmのタップ数)とを畳み込んで得られる基準処理信
号rlmと、残留騒音信号epl とが供給されていて、フ
ィルタ係数更新部14は、それら基準処理信号rlm及び
残留騒音信号epl に基づき且つLMSアルゴリズムに
従って、適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数
miを更新するようになっている。従って、フィルタ係
数Wmiの更新式は、収束係数をαとすれば、下記の
(1)式のようになる。
【0024】 一方、基準信号生成部13は、その機能構成をブロック
図で表した図3に示すように、クランク角信号Xの2次
成分と同じ周期の正弦波x2 を生成する2次成分対応正
弦波生成部11aと、クランク角信号Xの4次成分と同
じ周期の正弦波x4 を生成する4次成分対応正弦波生成
部11bと、正弦波x2 が入力されるゲイン可変の増幅
部11cと、正弦波x4 が入力されるゲイン可変の増幅
部11dと、エンジン回転速度Nに基づいて増幅部11
c及び11dのゲインG2 ,G4を調整するゲイン制御
部11eと、増幅部11c及び11dの出力を加算して
基準信号xとして出力する加算部11fと、を備えてい
る。
【0025】具体的には、2次成分対応正弦波生成部1
1aは、クランク角信号Xの180度間隔を一周期とし
た正弦波x2 を生成し、4次成分対応正弦波生成部11
bは、クランク角信号Xの90度間隔を一周期とした正
弦波x4 を生成するようになっている。また、ゲイン制
御部11eは、増幅部11cのゲインG2 及び増幅部1
1dのゲインG4 を、エンジン回転速度Nに基づき、図
4に示すような予めセットされているマップを参照して
設定するようになっている。
【0026】即ち、エンジン回転速度Nが3100rp
m以上の範囲では、ゲインG2 は1に設定され且つゲイ
ンG4 は0に設定され、エンジン回転速度Nが2900
rpm以下の範囲では、ゲインG2 は0に設定され且つ
ゲインG4 は1に設定され、エンジン回転速度Nが29
00〜3100rpmの範囲では、ゲインG2 はエンジ
ン回転速度Nの増加に伴って直線的に増加し、ゲインG
4 はエンジン回転速度Nの増加に伴って直線的に減少す
ることになる。従って、「G2 +G4 =1」が常に成り
立つことになる。
【0027】図5はコントローラ10内で実行される処
理の概要を示すフローチャートであり、以下、図5に従
って本実施例の動作を説明する。即ち、コントローラ1
0における処理は所定のサンプリング周期毎の割り込み
処理として実行されるようになっていて、先ず、そのス
テップ101において、クランク角信号Xを読み込み、
次いでステップ102に移行し、そのクランク角信号X
から判るクランク軸の角度位置に基づいて、クランク軸
の2次成分に対応する正弦波x2 及び4次成分に対応す
る正弦波x4 を生成する。なお、コントローラ10内に
おける演算処理はディジタル信号処理であるため、正弦
波x2 及びx4 はサンプリング時刻nにおける瞬時値と
なる。
【0028】次いで、ステップ103に移行し、クラン
ク角信号Xに基づいて、現在のエンジン回転速度Nを演
算する。なお、エンジン回転速度Nは、例えばクランク
角信号Xがクランク軸の1度或いは2度の回転に同期し
たパルス信号であれば、単位時間内に入力されるパルス
信号の個数を数えれば容易に求めることができる。そし
て、ステップ104に移行し、ステップ103で求めら
れたエンジン回転速度Nに基づき図4に示すようなマッ
プを参照して、ゲインG2 及びG4 を設定し、次いでス
テップ105に移行し、下記の(2)式に従って、基準
信号xを演算する。
【0029】 x=G2 2 +G4 4 ……(2) 従って、ゲインG2 及びG4 がエンジン回転速度Nに基
づいて上述したように設定されるため、基準信号xは、
エンジン回転速度Nが3100rpm以上の場合には、
クランク角信号Xの次数成分のうち2次成分と同じ周期
の正弦波x2 となり、エンジン回転速度Nが2900r
pm以上の場合には、クランク角信号Xの次数成分のう
ち4次成分と同じ周期の正弦波x4 となり、エンジン回
転速度Nが2900〜3000rpmの場合には、それ
ら正弦波x2 及びx4 をそれぞれのゲインG2 ,G4
応じた割合で重畳した信号となる。
【0030】つまり、本実施例では、N=2900〜3
100rpmを境として、基準信号xに対応するクラン
ク角信号Xの次数成分が2次及び4次の間で切り換わる
ようになっている。基準信号xが演算されたら、ステッ
プ106に移行し、基準信号xを伝達関数フィルタC^
lmでフィルタ処理して、基準処理信号rlmを演算し、次
いで、ステップ107に移行し、残留騒音信号epl
読み込み、そして、ステップ108に移行して、上記
(1)式に従って適応ディジタルフィルタWm の各フィ
ルタ係数Wmiを更新する。
【0031】ステップ108で全てのフィルタ係数Wmi
の更新を終えたら、ステップ109に移行し、基準信号
xを適応ディジタルフィルタWm でフィルタ処理して駆
動信号ypm を演算し、この駆動信号ypm をステップ
110で対応するラウドスピーカ9a,9bに出力す
る。すると、ラウドスピーカ9a,9bから車室3内に
制御音が発せられるが、制御開始直後は、適応ディジタ
ルフィルタWm の各フィルタ係数Wmiが最適値に収束し
ているとは限らないので、その制御音によって車室3内
のこもり音が必ずしも低減されるとはいえない。
【0032】しかし、図5に示す処理が繰り返し実行さ
れると、LMSアルゴリズムに基づき、車室3内の騒音
が低減するように適応ディジタルフィルタWm の各フィ
ルタ係数Wmiが更新されていくので、ラウドスピーカ9
a,9bから発せられる制御音によってエンジン4から
車室3内に伝達される騒音が打ち消され、車室3内の騒
音が低減されるようになる。
【0033】ここで、本実施例のようにラウドスピーカ
を用いた車両用能動型騒音制御装置1にあっては、ラウ
ドスピーカの周波数特性が低周波側で落ちることから、
例えば図6に示すように、エンジン回転速度が3000
rpm以下では、あまり騒音低減効果が得られない。な
お、図6は、クランク軸回転の2次成分と同じ周期の正
弦波を基準信号として駆動信号ypm を生成した場合の
騒音低減効果を示すものであり、エンジン回転速度が3
000rpmのときには、駆動信号ypm の周波数は1
00Hzとなる。
【0034】つまり、駆動信号ypm の周波数が100
Hz以上であれば、駆動信号ypmに応じた正常な制御
音がラウドスピーカ9a,9bから発するはずであり、
ラウドスピーカ9a,9bによる制御可能範囲は、図7
に示すように100Hzよりも上に存在することにな
る。従って、駆動信号ypm によってラウドスピーカ9
a,9bを作動させて騒音低減効果を得るためには、駆
動信号ypm の基礎である基準信号xの周波数が100
Hz以上であることが必要となるのである。
【0035】そこで、本実施例の構成にあっては、クラ
ンク角信号Xの2次成分の周波数が100Hzとなるエ
ンジン回転速度Nが3000rpmの点を略境として、
基準信号xを生成する際に基準となるクランク角信号X
の次数成分が切り換えるようなっているため、エンジン
回転速度Nが3000rpm以下の範囲では、クランク
角Xの4次成分に基づいて基準信号xが生成され、駆動
信号ypm の周波数はラウドスピーカ9a,9bの制御
可能範囲内に収まるようになり、従って、その駆動信号
ypm に応じた制御音が車室3内に発せられることにな
る。
【0036】ただし、エンジン回転速度Nが3000r
pm以下の範囲では、主としてクランク角Xの4次成分
に基づいて基準信号xが生成されるため、クランク軸回
転の2次成分に起因して発生するこもり音を大幅に打ち
消すことはできないが、4気筒レシプロエンジンを搭載
した車両の車室内騒音の周波数特性を表す図8に示すよ
うに、車室3内には、2次成分だけではなく、それ以外
の次数成分に起因した騒音も存在しているから、4次成
分に基づいた基準信号xが生成される範囲であっても、
全体として車室3内の騒音が低減されるのである。
【0037】さらに、本実施例にあっては、基準信号x
の基礎になるクランク角信号Xの次数成分を、3000
rpmを境に突然切り換えるのではなく、エンジン回転
速度NとゲインG2 ,G4 との関係を表す図4からも判
るように、クランク角信号Xの2次成分と同じ周期の正
弦波x2 が生成される範囲と、クランク角信号Xの4次
成分と同じ周期の正弦波x4 が生成される範囲とがオー
バーラップするようになっており、且つ、ゲインG2
びG4 はエンジン回転速度Nが2900〜3000rp
mの範囲で徐々に変化するようになっているため、不快
音の発生等が防止できるのである。
【0038】これを具体的に説明すると、クランク角信
号Xの2次成分のみに基づいて基準信号xが生成されて
いる状況では、適応ディジタルフィルタWm の各フィル
タ係数Wmiは、図9(a)及び(b)に示すように、レ
ベル及び位相の両方とも2次成分に対しては適応する
が、それ以外の次数成分に対しては全く適応しない。従
って、この状況から突然4次成分のみに基づいて基準信
号xを生成する状況に切り換わると、適応ディジタルフ
ィルタWm のフィルタ係数Wmiがその突然の切換に追従
できず、ラウドスピーカ9a,9bから不快音が発生し
てしまう可能性がある。
【0039】これに対し、本実施例の構成であれば、次
数成分が完全に切り換わる前に2次成分及び4次成分の
両方に基づいて生成された基準信号xが制御に用いられ
る状況を必ず経るようになっているし、しかも、その両
方の次数成分が制御に用いられる状況ではエンジン回転
速度Nの変化に応じて各次数成分の割合が徐々に変化す
るようになっているため、図9(c)及び(d)に示す
ように、適応ディジタルフィルタWm の各フィルタ係数
miのレベル及び位相が一旦2次成分及び4次成分の両
方に対して適応してから、次数の切換が完了することに
なる。従って、その後に一方の次数のみに基づいて基準
信号xが生成される状況となっても、不快音が発生せず
に済むのである。
【0040】ここで本実施例にあっては、フィルタ係数
更新部14,伝達関数フィルタC^ lm及びステップ10
6〜108の処理によって適応処理手段が構成され、エ
ンジン回転速度演算部13及びステップ103の処理に
よって周波数検出手段が構成され、増幅部11c,11
d,ゲイン制御部11e,加算部11f及びステップ1
04,105の処理によって次数切換手段が構成され
る。
【0041】図10及び図11は本発明の第2実施例の
構成を示す図であって、この実施例も、本発明を、上記
第1実施例と同様の車両用能動型騒音制御装置に適用し
たものである。なお、上記第1実施例と同等の構成に
は、同じ符号を付しその重複する説明は省略する。図1
0はコントローラ10の機能構成を示すブロック図、図
11はコントローラ10内の基準信号生成部11の機能
構成を示すブロック図であり、これらに示すように、本
実施例では、基準信号生成部11は、出力段の加算部を
省略することにより、クランク角信号Xの2次成分と同
じ周期の正弦波x2 及びクランク角信号Xの4次成分と
同じ周期の正弦波x4 の両方を基準信号x2 ,x4 とし
て出力するように構成されていて、コントローラ10
は、それら二つの基準信号x2及びx4 毎に個別に適応
ディジタルフィルタW2m,W4m、駆動信号生成部12
A,12B、フィルタ係数更新部14A,14B及び伝
達関数フィルタC^lmを有している。
【0042】そして、駆動信号生成部12A及び12B
の出力が加算部15で加算され、その加算部15の出力
が駆動信号ypm としてラウドスピーカに供給されるよ
うになっている。また、基準信号生成部11のゲイン制
御部11eは、上記第1実施例とは異なり、エンジン回
転速度Nが3000rpmの点を境に、基準信号xの基
礎になるクランク角信号Xの次数成分を完全に切り換え
るようになっている、具体的には、Nが3000rpm
を超える場合には、ゲインG2 =1,ゲインG4 =0と
し、Nが3000rpm以下の場合には、ゲインG2
0,ゲインG4 =1とするようになっている。ただし、
本実施例では、上記次数を切り換えるエンジン回転速度
(つまり、3000rpm)にヒステリシスを持たせて
いる、具体的には、2次から4次に切り換わる場合のエ
ンジン回転速度を、4次から2次に切り換わる場合のエ
ンジン回転速度よりも多少小さくしている。
【0043】図12は本実施例のコントローラ10内で
実行される処理の概要を示すフローチャートであり、上
記第1実施例における処理と同様に、所定のサンプリン
グ周期毎の割り込み処理として実行される。なお、上記
第1実施例におけるコントローラ10内における処理と
同等の処理には、同じ符号を付し、その重複する説明は
省略する。
【0044】即ち、本実施例にあっては、ステップ10
1からステップ102を経ずに直接ステップ103に移
行して、エンジン回転速度Nを演算し、次いで、ステッ
プ201に移行する。このステップ201では、エンジ
ン回転速度Nが3000rpm(但し、前回の処理でス
テップ201の判定が「YES」となっている場合に
は、3000rpmよりも多少小さい値)を超えている
か否かを判定し、その判定が「YES」の場合には、ス
テップ102A,106A,107A,108A及び1
09Aの処理を実行してからステップ110に移行し、
その判定が「NO」の場合には、ステップ102B,1
06B,107B,108B及び109Bの処理を実行
してからステップ110に移行する。
【0045】ここで、ステップ102Aに移行した場合
には、ステップ101で読み込んだクランク角信号Xか
ら判るクランク軸の角度位置に基づいてクランク軸の2
次成分に対応する正弦波x2 を生成し、ステップ106
Aではその正弦波x2 を伝達関数フィルタC^lmでフィ
ルタ処理して基準処理信号rlmを生成し、次いでステッ
プ107Aで残留騒音信号el を読み込む。そして、ス
テップ108Aに移行して、一方の適応ディジタルフィ
ルタW2mの各フィルタ係数W2mi を上記(1)式に従っ
て更新する。ただし、この場合には、基準信号xとして
正弦波x2 を用いる。
【0046】ステップ108Aで各フィルタ係数W2mi
の更新が完了したら、ステップ109Aに移行し、正弦
波x2 を一方の適応ディジタルフィルタW2mでフィルタ
処理して駆動信号ypm を生成する。一方、ステップ1
02Bに移行した場合には、ステップ101で読み込ん
だクランク角信号Xから判るクランク軸の角度位置に基
づいてクランク軸の4次成分に対応する正弦波x4 を生
成し、ステップ106Bではその正弦波x4 を伝達関数
フィルタC^lmでフィルタ処理して基準処理信号rlm
生成し、次いでステップ107Bで残留騒音信号el
読み込む。そして、ステップ108Bに移行して、他方
の適応ディジタルフィルタW4mの各フィルタ係数W4mi
を上記(1)式に従って更新する。ただし、この場合に
は、基準信号xとして正弦波x4 を用いる。
【0047】ステップ108Bで各フィルタ係数W4mi
の更新が完了したら、ステップ109Bに移行し、正弦
波x4 を他方の適応ディジタルフィルタW4mでフィルタ
処理して駆動信号ypm を生成する。つまり、本実施例
にあっては、ステップ103でエンジン回転速度Nを演
算し、そのエンジン回転速度Nが3000rpmを超え
ているか否かをステップ201で判定し、その判定に応
じてステップ102A以降の処理又はステップ102B
以降の処理を実行するように構成されているため、エン
ジン回転速度Nが3000rpmの点を境として、基準
信号xが対応するクランク角信号Xの次数成分が切り換
わるから、広い周波数帯域に渡って騒音を低減し得る制
御音がラウドスピーカから発せられ、全体として騒音の
低減が図られるという上記第1実施例と同様の効果が得
られる。
【0048】また、本実施例では、ステップ201の判
定を設けている結果、N=3000rpmを境として、
基準信号xの基礎になるクランク角信号Xの次数成分が
完全に切り換わることになるが、切り換えられる次数成
分の個数、つまり2次成分及び4次成分のそれぞれに個
別に対応するように二系統の適応ディジタルフィルタW
2m及びW4mを設けるとともに、正弦波x2 を基準信号と
する場合には、一方の適応ディジタルフィルタW2mにつ
いての更新処理及びその適応ディジタルフィルタW2m
用いた駆動信号生成処理を行い、正弦波x4 を基準信号
とする場合には、他方の適応ディジタルフィルタW4m
ついての更新処理及びその適応ディジタルフィルタW4m
を用いた駆動信号生成処理を行うようになっているた
め、次数成分が突然切り換わっても、その切り換わり後
に用いられる適応ディジタルフィルタは切り換わり後の
次数成分に適応したフィルタ係数を有していることにな
り、その切り換わりに適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数が追従できないということがなく、従って、切り
換わりの際に不快音が発生してしまうようなことがない
のである。
【0049】そして、本実施例では、2次から4次に切
り換わる場合のエンジン回転速度を、4次から2次に切
り換わる場合のエンジン回転速度よりも多少小さくして
ヒステリシスを持たせているため、ハンチング現象を回
することができるという利点もある
【0050】ここで本実施例にあっては、フィルタ係数
更新部14A,14B及びステップ106A〜108
A,106B〜108Bの処理によって適応処理手段が
構成され、エンジン回転速度演算部13及びステップ1
03の処理によって周波数検出手段が構成され、増幅部
11c,11c,ゲイン制御部11e,加算部11f及
びステップ201の処理によって次数切換手段が構成さ
れる。
【0051】図13乃至図15は本発明の第3実施例を
示す図であり、この実施例は、本発明に係る能動型振動
制御装置を、エンジン4から車体側に伝達される振動の
低減を図る車両用能動型振動制御装置20に適用したも
のである。なお、上記第1実施例と同等の構成には、同
じ符号を付しその重複する説明は省略する。即ち、振動
源としてのエンジン4と車体との間には、制御振動源と
してのエンジンマウント21が介在していて、このエン
ジンマウント21は、例えば電磁アクチュエータ等を含
んで構成され且つコントローラ30から供給される駆動
信号yvに応じた能動的な制御力を発生する所謂アクテ
ィブ・エンジンマウントである。また、車両2の車体側
にはエンジンマウント21の配設位置に近接して残留振
動検出手段としての加速度センサ22が固定されてい
て、この加速度センサ22は、エンジン4からエンジン
マウント21を経て車体側に伝達された残留振動を検出
し、これを残留振動信号evとしてコントローラ30に
供給するように構成されている。また、コントローラ3
0にはクランク角センサ5から出力されたクランク角信
号Xも供給されている。コントローラ30は、上記第1
実施例におけるコントローラ10と略同様の機能を有し
ていて、具体的には、図14に示すように、基準信号生
成部31,駆動信号生成部32,エンジン回転速度演算
部33,フィルタ係数更新部34及び伝達関数フィルタ
C^を備えている。なお、伝達関数フィルタC^は、エ
ンジンマウント21及び加速度センサ22間の伝達関数
を有限インパルス応答関数の形でモデル化したディジタ
ルフィルタである。
【0052】また、基準信号生成部31は、上記第1実
施例における基準信号生成部11と略同様の機能を有し
ていて、具体的には、図15に示すように、クランク角
信号Xの1次成分と同じ周期の正弦波x1 を生成する1
次成分対応正弦波生成部31aと、クランク角信号Xの
2次成分と同じ周期の正弦波x2 を生成する2次成分対
応正弦波生成部31bと、正弦波x1 が入力されるゲイ
ン可変の増幅部31cと、正弦波x2 が入力されるゲイ
ン可変の増幅部31dと、エンジン回転速度Nに基づい
て増幅部31c及び31dのゲインG1 ,G2 を調整す
るゲイン制御部31eと、増幅部31c及び31dの出
力を加算して基準信号xとして出力する加算部31f
と、を備えている。
【0053】具体的には、1次成分対応正弦波生成部3
1aは、クランク角信号Xの360度間隔を一周期とし
た正弦波x1 を生成し、2次成分対応正弦波生成部31
bは、クランク角信号Xの180度間隔を一周期とした
正弦波x2 を生成するようになっている。また、ゲイン
制御部31eは、増幅部31cのゲインG1 及び増幅部
31dのゲインG2 を、エンジン回転速度Nに基づき、
図16に示すような予めセットされているマップを参照
して設定するようになっている。
【0054】即ち、エンジン回転速度Nが3300rp
m以上の範囲では、ゲインG1 は1に設定され且つゲイ
ンG2 は0に設定され、エンジン回転速度Nが3100
rpm以下の範囲では、ゲインG1 は0に設定され且つ
ゲインG2 は1に設定され、エンジン回転速度Nが31
00〜3300rpmの範囲では、ゲインG1 はエンジ
ン回転速度Nの増加に伴って直線的に増加し、ゲインG
2 はエンジン回転速度Nの増加に伴って直線的に減少す
ることになる。従って、「G1 +G2 =1」が常に成り
立つことになる。
【0055】そして、コントローラ30内における処理
内容は、実質的に上記第1実施例で説明した図5と同様
であり、従って、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数Wi が適宜収束した状況において駆動信号yvに応
じた制御振動がエンジンマウント21に発生すれば、エ
ンジン4から車体側に伝達される振動が低減され、車室
3内の騒音レベルが低減されるようになる。
【0056】ここで、本実施例のように電磁アクチュエ
ータを内蔵したエンジンマウント21を用いた車両用能
動型振動制御装置20にあっては、電磁アクチュエータ
の周波数特性が高周波側で落ちることから、例えば図6
に示すように、エンジン回転速度が3200rpm以上
では、あまり振動低減効果が得られない。つまり、図1
7に示すように、かかるエンジンマウント21による制
御可能範囲は、約106Hz以下に存在することにな
る。
【0057】しかし、本実施例の構成であれば、エンジ
ン回転速度Nが3200rpmの点を略境として、基準
信号xを生成する際に基準となるクランク角信号Xの次
数成分が切り換えるようなっているため、エンジン回転
速度Nが3300rpm以上の範囲では、クランク角X
の1次成分に基づいて基準信号xが生成され、駆動信号
ypm の周波数はエンジンマウント21内の電磁アクチ
ュエータの制御可能範囲に収まるようになり、広い範囲
に渡って振動低減効果が得られるのである。
【0058】また、本実施例にあっても、基準信号xの
基礎になるクランク角信号Xの次数成分を突然切り換え
るのではなく、上記第1実施例と同様に、クランク角信
号Xの1次成分と同じ周期の正弦波x1 が生成される範
囲と、クランク角信号Xの2次成分と同じ周期の正弦波
2 が生成される範囲とがオーバーラップするようにな
っており、且つ、ゲインG1 及びG2 はエンジン回転速
度Nが3100〜3300rpmの範囲で徐々に変化す
るようになっているため、不快振動の発生が防止でき
る。
【0059】なお、コントローラ30内の構成を上記第
2実施例と同様の構成にすることにより、不快振動の発
生を防止することも可能である。ここで、本実施例にあ
っては、フィルタ係数更新部34及び伝達関数フィルタ
C^によって適応処理手段が構成され、エンジン回転速
度演算部33によって周波数検出手段が構成され、増幅
部31c,31d,ゲイン制御部31e及び加算部11
fによって次数切換手段が構成される。
【0060】図18は本発明の第4実施例を示す図であ
り、この実施例は、上記第1実施例(若しくは第2実施
例)及び上記第3実施例の両方の構成を兼ね備えた点に
特徴がある。なお、上記各実施例と同様の構成は、同じ
符号を付しその重複する説明は省略する。即ち、上記各
実施例で説明したように、ラウドスピーカ9a,9bは
低周波側の制御が不得意であるので、こもり音の原因と
なるクランク角信号Xの2次成分に基づく制御は高周波
側においてのみ可能であるのに対し、エンジンマウント
21は高周波側の制御が不得意であるので、こもり音の
原因となるクランク角信号Xの2次成分に基づく制御は
低周波側においてのみ可能である。
【0061】従って、車両用能動型騒音制御装置1及び
車両用能動型振動制御装置20のいずれか一方のみを備
えている場合には、クランク角信号Xの2次成分に基づ
く制御が行われない帯域が存在してしまうことになる。
しかし、本実施例のような構成であれば、車両用能動型
騒音制御装置1及び車両用能動型振動制御装置20が互
いに他方の不得意領域を補う関係にあるから、ほとんど
全ての帯域においてクランク角信号Xの2次成分に基づ
く制御が行われることになり車室3内のこもり音を低減
することができるようになる。
【0062】その他の作用効果は、上記各実施例と同様
である。なお、上記各実施例では、次数を切り換えるタ
イミングとしてエンジン回転速度Nの具体的な数値を示
しているが、これら数値は例示に過ぎず、適用する車両
の種々の諸元によって適宜選定されるものである。な
お、切り換える次数成分は、上記各実施例に示した2次
及び4次間或いは1次及び2次間に限定されるものでは
なく、それ以外の次数成分を対象としても構わない。例
えば、6気筒エンジンを搭載した車両であれば、騒音低
減制御であれば3次及び6次間で切り換え、振動低減制
御であれば1.5次及び3次間で切り換えることが考えら
れる。
【0063】さらに、上記各実施例では、騒音源及び振
動源としてエンジン4を例に挙げているが、本発明が適
用し得る騒音源,振動源はエンジン4に限定されるもの
ではなく、周期的な騒音又は振動を発するものであれば
エンジン4以外を騒音源,振動源としてもよい。また、
本発明の適用対象自体も車両2に限定されるものではな
く、例えばダクト等から発せられる騒音等を低減する装
置であってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準信号が対応する周期的な振動又は騒音の次数成分
を、騒音又は振動の全周波数帯域に渡って、騒音又は振
動の周波数が低い側で次数が大きく騒音又は振動の周波
数が高い側で次数が小さくなるように切り換える構成と
したため、駆動信号の周波数を、制御音源又は制御振動
源が正常に作動する周波数帯域に収めることができ、広
い範囲に渡って騒音低減効果又は振動低減効果を得るこ
とができるという効果がある。
【0065】特に、請求項1,2,4又は記載の発明
によれば、次数切換時に不快音や不快振動が発生するこ
とを防止できるという効果ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す概念図で
ある。
【図2】第1実施例におけるコントローラの機能構成を
示すブロック図である。
【図3】第1実施例における基準信号生成部の機能構成
を示すブロック図である。
【図4】第1実施例におけるエンジン回転速度Nとゲイ
ンG2 ,G4 との関係を示すグラフである。
【図5】第1実施例におけるコントローラ内で実行され
る処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】一般的な騒音低減効果及び振動低減効果を説明
する特性図である。
【図7】ラウドスピーカによる制御可能範囲を説明する
グラフである。
【図8】車室内騒音の周波数特性図である。
【図9】適応ディジタルフィルタの適応状況を説明する
図である。
【図10】第2実施例におけるコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図11】第2実施例における基準信号生成部の機能構
成を示すブロック図である。
【図12】第2実施例におけるコントローラ内で実行さ
れる処理の概要を示すフローチャートである。
【図13】第3実施例の全体構成を示す概念図である。
【図14】第3実施例におけるコントローラの機能構成
を示すブロック図である。
【図15】第3実施例における基準信号生成部の機能構
成を示すブロック図である。
【図16】第3実施例におけるエンジン回転速度Nとゲ
インG2 ,G4 との関係を示すグラフである。
【図17】エンジンマウントによる制御可能範囲を説明
するグラフである。
【図18】第4実施例の全体構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 車両用能動型騒音制御装置 2 車両 3 車室(空間) 4 エンジン(騒音源,振動源) 5 クランク角センサ 8a,8b,8c マイクロフォン(残留騒音検出手
段) 9a,9b ラウドスピーカ(制御音源) 10,30 コントローラ 11,31 基準信号生成部(基準信号生成手段) 11a 2次成分対応正弦波生成部 11b 4次成分対応正弦波生成部 11c,11d,31c,31d 増幅部 11e,31e ゲイン制御部 11f,31f 加算部 12,12A,12B,32 駆動信号生成部(駆動
信号生成手段) 13,33 エンジン回転速度演算部(周波数検出手
段) 14,14A,14B フィルタ係数更新部 20 車両用能動型振動制御装置 21 エンジンマウント(制御振動源) 22 加速度センサ(残留振動検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 耕治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−306845(JP,A) 特開 平4−252310(JP,A) 特開 平5−71578(JP,A) 特開 平6−266367(JP,A) 実開 平3−82655(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 F01N 1/00 F01N 1/06 F16F 15/02 G05D 19/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源から周期的な騒音が伝達される空
    間に制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音
    発生状態に基づき前記周期的な騒音の所定次数成分に対
    応する周期的な信号でなる基準信号を生成する基準信号
    生成手段と、前記空間内の所定位置における残留騒音を
    検出し残留騒音信号として出力する残留騒音検出手段
    と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前
    記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処
    理して前記制御音源を駆動する信号を生成する駆動信号
    生成手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づ
    いて前記空間内の騒音が低減するように前記適応ディジ
    タルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段
    と、を備えた能動型騒音制御装置において、 前記騒音の周波数を検出する周波数検出手段と、前記基
    準信号が対応する前記周期的な騒音の所定次数成分の次
    数を前記周波数検出手段が検出した前記騒音の周波数に
    応じて切り換える次数切換手段と、を設け 前記次数切換手段は、前記騒音の全周波数帯域に渡っ
    て、前記騒音の周波数が低い側で前記次数が大きく前記
    騒音の周波数が高い側で前記次数が小さくなるように、
    前記次数を切り換えるようになっており、且つ、一の次
    数に対応した基準信号を生成する周波数帯域と他の次数
    に対応した基準信号を生成する周波数帯域とをオーバー
    ラップさせ、そのオーバーラップする帯域では前記一の
    次数に対応した基準信号の割合と前記他の次数に対応し
    た基準信号の割合とを徐々に変化させるようになってい
    ことを特徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 騒音源から周期的な騒音が伝達される空
    間に制御音を発生可能な制御音源と、前記騒音源の騒音
    発生状態に基づき前記周期的な騒音の所定次数成分に対
    応する周期的な信号でなる基準信号を生成する基準信号
    生成手段と、前記空間内の所定位置における残留騒音を
    検出し残留騒音信号として出力する残留騒音検出手段
    と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前
    記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処
    理して前記制御音源を駆動する信号を生成する駆動信号
    生成手段と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づ
    いて前記空間内の騒音が低減するように前記適応ディジ
    タルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段
    と、を備えた能動型騒音制御装置において、 前記騒音の周波数を検出する周波数検出手段と、前記基
    準信号が対応する前記周期的な騒音の所定次数成分の次
    数を前記周波数検出手段が検出した前記騒音の周波数に
    応じて切り換える次数切換手段と、を設け、 前記次数切換手段によって切り換えられる各次数成分に
    対応する前記基準信号毎に個別に前記適応ディジタルフ
    ィルタを有し、 前記次数切換手段は、前記騒音の全周波数帯域に渡っ
    て、前記騒音の周波数が低い側で前記次数が大きく前記
    騒音の周波数が高い側で前記次数が小さくなるように、
    前記次数を切り換えるようになっており、且つ、前記次
    数の切換にヒステリシスを持たせていることを特徴とす
    能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 振動源から発せられた周期的な振動と干
    渉する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動源
    の振動発生状態に基づき前記周期的な振動の所定次数成
    分に対応する周期的な信号でなる基準信号を生成する基
    準信号生成手段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動
    信号として出力する残留振動検出手段と、フィルタ係数
    可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を前記
    適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制御振
    動源を駆動する信号を生成する駆動信号生成手段と、前
    記基準信号及び前記残留振動信号に基づいて前記干渉後
    の振動が低減するように前記適応ディジタルフィルタの
    フィルタ係数を更新する適応処理手段と、を備えた能動
    型振動制御装置において、 前記振動の周波数を検出する周波数検出手段と、前記基
    準信号が対応する前記周期的な振動の所定次数成分の次
    数を前記周波数検出手段が検出した前記振動の周波数に
    応じて切り換える次数切換手段と、を設け、 前記次数切換手段は、前記振動の全周波数帯域に渡っ
    て、前記振動の周波数が低い側では前記次数が大きく前
    記振動の周波数が高い側では前記次数が小さくなるよう
    に、前記次数を切り換えるようになっていることを特徴
    とする 能動型振動制御装置。
  4. 【請求項4】 次数切換手段は、一の次数に対応した基
    準信号を生成する周波数帯域と他の次数に対応した基準
    信号を生成する周波数帯域とをオーバーラップさせる請
    求項3記載の能動型振動制御装置。
  5. 【請求項5】 次数切換手段によって切り換えられる各
    次数成分に対応する 基準信号毎に個別に適応ディジタル
    フィルタを有する請求項記載の能動型振動制御装置。
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