JPH0728156Y2

JPH0728156Y2 - 生ビール収納容器内圧力調整装置

Info

Publication number: JPH0728156Y2
Application number: JP1989107067U
Authority: JP
Inventors: 守克堀野; 伸幸印丸
Original assignee: Kirin Brewery Co Ltd
Current assignee: Kirin Brewery Co Ltd
Priority date: 1989-09-12
Filing date: 1989-09-12
Publication date: 1995-06-28
Anticipated expiration: 2004-09-12
Also published as: JPH0345900U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、炭酸ガスの圧力により生ビールを注出する生
ビール注出装置に用いられる生ビール収納容器内圧力調
整装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の生ビール注出装置の一例を第５図に基づいて説明
する。同図において、符号１は冷却装置であり冷却装置
１は冷却槽２内に冷却コイル３を有し、この冷却コイル
３にて熱交換がおこなわれて冷却コイル３内のビールが
冷却されるようになっている。冷却コイル３の出口側端
部には人手により開閉するタップと称するビール注出弁
４が設けられている。

また、冷却装置１に隣接して生ビール収納容器を構成す
る生ビール樽５が設置され、この生ビール樽５の口部に
はディスペンスヘッド６が着脱可能に装着されている。
ディスペンスヘッド６は樽内に垂下したサイホンパイプ
７と樽上部と連通された炭酸ガス供給パイプ８とを有し
ており、このサイホンパイプ７はビールホース９により
冷却コイル３の入口側に連通接続され、炭酸ガス供給パ
イプ８は炭酸ガスホース10により手動減圧弁12を介して
炭酸ガスボンベ13に連通接続されている。

上述のような生ビールの注出装置において、生ビール樽
５内の生ビールを注出する場合、炭酸ガスボンベ13内の
炭酸ガスを生ビール樽５内に供給し、この供給した炭酸
ガスの圧力によってサイホンパイプ７を介して樽５内の
生ビールを冷却装置１の冷却コイル３に供給し、ビール
注出弁４を開くことによって生ビールを注出している。

このような生ビールの注出に際し、生ビール樽５に供給
する炭酸ガスの圧力は、生ビール中の炭酸ガス溶解濃度
（最適濃度）の変動防止の観点から樽温に対応した所定
の圧力に設定することが最も好ましい。

しかし、一般に、ビールの販売量の多い飲料店では生ビ
ールの注出速度をできるだけ大きくしたいために、樽５
に供給する炭酸ガス圧力は通常、最適圧力よりも高めに
設定される。

そのため、最適圧力よりも高めに圧力が設定されたまま
長時間生ビール樽５が放置されると、炭酸ガスがビール
に過剰に溶解し、再度の使用に際して、ビールの泡立ち
過多という苦情が生じることがある。このため生ビール
の販売終了時には、使用途中の高めの圧力をできるだけ
抜き、ガス圧力調節を図る必要がある。

また、使用時の樽温度と、保管時の樽温度が異なる場合
にも同様にガス圧力の調節を図る必要がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような課題に対処する方策として、従来、ビール樽
内のガス抜きおよびガス圧力の調節は、人手により、槽
内の圧力をできるだけ抜き、改めて必要な圧力をかける
という作業を行っていた。

そのため、圧力調整作業が煩雑となり、調整に多大な労
力を要するという問題が生じていた。

本考案は、上述の問題点に鑑み創案されたもので、その
目的は、従来、人手で行っていた樽内圧力を適正な圧力
にする作業をスイッチ操作だけで簡易に行うことができ
る生ビール収納容器内圧力調整装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上述した課題を解決するため、本考案は、炭酸ガス供給
源から供給される炭酸ガスの圧力により生ビール収納容
器から生ビールを注出する生ビール注出装置に用いられ
る生ビール収納容器内圧力調整装置において、前記生ビ
ール収納容器と炭酸ガス供給源とを連結する炭酸ガスホ
ースに接続されてこの炭酸ガスホースを開閉する第１の
電磁弁と、この第１の電磁弁と生ビール収納容器の間の
炭酸ガスホースから分岐する分岐配管と、この分岐配管
に接続されて分岐配管を開閉する第２の電磁弁と、分岐
配管に接続されて所定圧以上の圧力を放出するリリーフ
弁と、第１の電磁弁を開くとともに第２の電磁弁を閉
じ、第１の電磁弁を閉じるとともに第２の電磁弁を開く
ように第１の電磁弁および第２の電磁弁を開閉制御する
制御手段とを特徴としている。

〔作用〕

本考案の生ビール収納容器内圧力調整装置は、生ビール
を注出する際には、制御手段により第１の電磁弁が開か
れ第２の電磁弁が閉じられる。これによって、炭酸ガス
供給源から炭酸ガスが炭酸ガスホースを介して生ビール
収納容器に供給されて生ビールが注出される。

そして、制御手段により第１の電磁弁が閉じられると２
つの電磁弁が開かれて、炭酸ガス供給源から生ビール収
納容器への炭酸ガスの供給が遮断されるとともに生ビー
ル収納容器内が第２の電磁弁およびリリーフ弁を介して
大気に連通される。

これにより、生ビール収納容器内の圧力が所定値よりも
高い場合に、その圧力が第２の電磁弁およびリリーフ弁
を介して大気に放出される。

〔実施例〕

以下、本考案の生ビール収納容器圧力調整装置（以下、
単に圧力調整装置40という）の実施例を第１図を参照し
つつ説明する。

第１図は圧力調整装置40を生ビール注出装置に組み込ん
だ概略図であり、本図において、左方には炭酸ガスボン
ベ13が、ほぼ中央には生ビール樽５が、右上部には冷却
装置１がそれぞれ設置されている。そして、炭酸ガスボ
ンベ13と生ビール樽５を連結する炭酸ガスホース10の途
中には本考案の圧力調整装置40が組み込まれている。

本考案の圧力調整装置40が組み込まれる生ビール注出装
置は、前述した従来の生ビール注出装置（第５図）と同
様であるので、ここでは圧力調整装置40以外の詳細な説
明は省略する。

なお、第１図中の符号のうち、第５図に示される図中の
符号と同一のものは同一部材を示している。

本考案における圧力調整装置40は、第１図の二点鎖線で
囲まれたエリア内に示されるように逆止弁41と、第１の
電磁弁SV₁と、第２の電磁弁SV₂と、リリーフ弁44を備え
ている。そして、図示のごとく炭酸ガスホース10に逆止
弁41、第１の電磁弁SV₁が順次連結され、第１の電磁弁S
V₁を出たところで配管は二又に分岐され、一方の配管42
aは炭酸ガス供給パイプ８を介して生ビール樽５内に連
通される。分岐された他方の配管42bは第２の電磁弁S
V₂、リリーフ弁44へと順次連結される。

第１の電磁弁SV₁としては、通常、通電時に弁が閉じる
直動式２ポート弁が用いられ、他方第２の電磁弁SV₂と
しては通電時に弁が開く直動式２ポート弁が用いられ
る。

リリーフ弁44は、樽５内の圧力が設定圧に達した場合
に、流体の一部または全量を排出させて、樽５内の圧力
を設定値に保持する圧力制御弁である。このリリーフ弁
44の圧力設定値は、任意に手動で予め設定されるように
なっており、例えば、樽５の設置場所の雰囲気温度等に
応じて適宜調整される。

このような圧力調整装置40およびこのものを備えた生ビ
ール注出装置全体の動作を第１図および第２図を参照し
て説明する。

第２図は圧力調整装置40の制御用電気回路図である。

通常、生ビール注出装置を用いて生ビールを販売するに
際しては、炭酸ガスボンベ13内の炭酸ガスを生ビール樽
５内に供給し、この供給した炭酸ガスの圧力によってサ
イホンパイプ７を介して樽５内の生ビールを冷却装置１
の冷却コイル３に供給し、ビール注出弁４を開くことに
よって生ビールを注出している（この時、装置40の第１
の電磁弁SV₁は開の状態であり、第２の電磁弁SV₂は閉の
状態である）。

この場合、生ビール樽５内に供給される炭酸ガスの圧力
は、一般に、生ビールの注出速度をできるだけ大きくす
るために、ビール中の炭酸ガス溶解濃度が最適となる濃
度と平衡になる圧力よりも高めに設定される。

そのため、例えば、所定のビール販売終了後、樽内にビ
ールを残し、高い圧力をかけたまま、翌日の販売へ繰り
越すことになると、樽５内に炭酸ガスの一部はいわゆる
ヘンリーの法則に従い、樽内のビール中の炭酸ガス溶解
濃度が新たな平衡濃度になるまで溶解し、ビール中の炭
酸ガス溶解濃度は、最適濃度を越えることになる。

ここでヘンリーの法則について簡単に説明しておくと、
例えば、ビール中の炭酸ガスの溶解濃度をＣ、炭酸ガス
圧（分圧）をＰ、ヘンリー定数をｋとすると、Ｃ＝kP の式が成り立つ。

ここで、定数ｋは温度T,溶質、溶媒等の関数である。

従って、ビール中の炭酸ガス溶解濃度Ｃを一定に保つに
は、温度Ｔ一定で、過剰な圧力Ｐをかけている場合に
は、所定の最適炭酸ガス溶解濃度Ｃに対応する平衡圧Ｐ
に戻す必要があり、また、温度Ｔが変わる場合（例え
ば、樽５の使用時の温度と保管時の温度が変わる場合
等）、最適炭酸ガス溶解濃度Ｃを維持するために、変わ
る温度Ｔに対応する設定圧Ｐを選定しなければならな
い。

このような状況に備えて本考案の生ビール収納容器内圧
力調整装置40が以下のように作用する。

すなわち、第２図に示されるように、制御用電気回路の
電源ONにより第２図のＰ−Ｑ間に電圧が印加され、つい
で、制御装置に設けられた手動ボタンPB₁をONにする
と、リレーＲがONしてリレーＲの補助接点R₁が閉ざさ
れ、リレーＲが自己保持される。

同時にタイマーＴが計時を開始する。タイマーＴの一つ
T₁は瞬時動作、他の一つT₂は限時動作の接点である。従
って、タイマーＴがONになると、瞬時動作T₁の接点がON
となり、電磁弁SV₁，SV₂がそれぞれ、ONとなる。本実施
例において、電磁弁SV₁は通電時に閉、電磁弁SV₂は通電
時に開であるので、電磁弁SV₁によって炭酸ガスボンベ1
3からの樽５内への炭酸ガス供給はストップされる一方
で、樽５の圧力は電磁弁SV₂およびリリーフ弁44を通っ
て大気に開放される。リリーフ弁44の設定圧力は、例え
ば、樽５の保管場所の温度を考慮し、ビール中の炭酸ガ
ス溶解濃度が最適濃度を維持できる圧力に設定してお
く。

これにより、生ビール中の炭酸ガス濃度の変動を防止で
きる。

タイマーＴがタイムアップすると、制御回路の自己保持
は解除され、タイマーＴは自己復帰する。

そして、電磁弁SV₁、SV₂は、それぞれ、元の状態に戻
る。タイマーＴの設定時間は樽内の圧力がリリーフ弁を
介して大気に抜けるのに必要な数値に予め設定しておけ
ばよい。

なお、本考案の実施例では制御回路に、リレー、タイマ
ー等の個別部品を用いているが、マイクロコンピュー
タ、あるいはシーケンサー等を用いても同様な機能を実
現できることは勿論である。

上述してきた容器内圧力調整装置40は、第３図に示され
るようにユニットに一体化されることが好ましい。すな
わち、第１図に示されるような逆止弁41と、第１の電磁
弁SV₁と、第２の電磁弁SV₂と、リリーフ弁44等は、第３
図に示されるように一つのボックス50内に収納され、こ
のボックス50の背面には２本のフック52,52が上下方向
に調節可能に設けられている。フック52,52のフック部5
2a,52aは、第４図に示されるように、ビール樽５の上面
に着脱可能に係止される。

これにより、スペースロスが少なくなり、さらに生ビー
ル注出装置への組み立て作業等の能率も向上する。

〔考案の効果〕

上記本願考案によれば、生ビールの注出時には、制御手
段により第１の電磁弁が開かれ第２の電磁弁が閉じられ
て、炭酸ガス供給源から炭酸ガスが生ビール収納容器に
供給される。そして、制御手段により第１の電磁弁が閉
じられ第２の電磁弁が開かれて炭酸ガス供給源から生ビ
ール収納容器への炭酸ガスの供給が遮断されるととも
に、生ビール収納容器内が第２の電磁弁およびリリーフ
弁を介して大気に連通されることにより、生ビール収納
容器内の圧力が所定値よりも高い場合に、その圧力が第
２の電磁弁およびリリーフ弁を介して大気に放出されて
収納容器内の圧力が所定圧力に保たれ、収納容器内のビ
ール中の炭酸ガス溶解濃度の変動が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る圧力調整装置を生ビール注出装置
に組み込んだ概略図、第２図は圧力調整装置の制御用電
気回路図、第３図は圧力調整装置をユニット一体化した
斜視図、第４図はユニット一体化した圧力調整装置を生
ビール収納容器に取り付けた状態を示す図、第５図は生
ビール注出装置の概略図である。１…冷却装置、２…冷却槽、３…冷却コイル、４…ビー
ル注出弁、５…生ビール樽、７…サイホンパイプ、10…
炭酸ガスホース、13…炭酸ガスボンベ、40…圧力調整装
置、41…逆止弁、44…リリーフ弁、SV₁…第１の電磁
弁、SV₂…第２の電磁弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】炭酸ガス供給源から供給される炭酸ガスの
圧力により生ビール収納容器から生ビールを注出する生
ビール注出装置に用いられる生ビール収納容器内圧力調
整装置において、前記生ビール収納容器と炭酸ガス供給源とを連結する炭
酸ガスホースに接続されてこの炭酸ガスホースを開閉す
る第１の電磁弁と、この第１の電磁弁と生ビール収納容器の間の炭酸ガスホ
ースから分岐する分岐配管と、この分岐配管に接続されて分岐配管を開閉する第２の電
磁弁と、分岐配管に接続されて所定圧以上の圧力を放出するリリ
ーフ弁と、第１の電磁弁を開くとともに第２の電磁弁を閉じ、第１
の電磁弁を閉じるとともに第２の電磁弁を開くように第
１の電磁弁および第２の電磁弁を開閉制御する制御手段
と、を備えていることを特徴する生ビール収納容器内圧力調
整装置。