JP4598175B2 - 飲料ディスペンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料容器内に貯えた例えばビール等の発泡飲料をガス供給手段により供給した炭酸ガスの圧力によって注出バルブまで圧送し該注出バルブの開状態にて外部に注出し閉状態にて封止するようにした飲料ディスペンサに係り、特に発泡飲料の過炭酸化を回避する飲料ディスペンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置は、発泡飲料の注出を指示するための注出指示手段と、該注出指示手段による指示に応答して注出バルブを開閉制御し発泡飲料を注出させる注出制御手段とを備え、注出指示手段による指示毎に発泡飲料を注出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来装置においては、注出指示手段による指示が長時間の間なされなかった場合、発泡飲料が注出されることなく長時間の間飲料容器内に貯えられたままになるため、同飲料容器内にて炭酸ガスが過剰に溶け込んで発泡飲料が過炭酸化するという問題があった。
【0004】
【発明の概要】
本発明の目的は、長時間の放置による発泡飲料の過炭酸化を回避する飲料ディスペンサを提供することにある。
【0005】
本発明は、飲料容器内に貯えた発泡飲料をガス供給手段により供給した炭酸ガスの圧力によって注出バルブまで圧送し同注出バルブの開状態にて外部に注出し閉状態にて封止するようにした飲料ディスペンサであって、前記発泡飲料の注出を指示するための注出指示手段と、同注出指示手段による指示に応答して前記注出バルブを開閉制御し前記発泡飲料を注出させる注出制御手段とを備えた飲料ディスペンサである。
【0006】
しかして、本発明に係る飲料ディスペンサは、前記注出指示手段による指示がなく前記注出バルブが閉状態に保たれているとき当該閉状態の継続時間を計測する計時手段と、前記計時手段により計測されている注出バルブの閉状態の継続時間が所定の待機時間に達したとき前記ガス供給手段に介装した電磁バルブを閉じて前記飲料容器に対する炭酸ガスの供給を禁止する禁止手段と、前記飲料容器内の発泡飲料の温度を検出する温度検出手段を備え、前記禁止手段が禁止を開始する条件となる待機時間を前記温度検出手段により検出された温度に基づき設定することを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る飲料ディスペンサにおいては、注出指示手段による指示が長時間の間なされず、注出バルブが発泡飲料の注出を長時間の間行わなかった場合、計時手段による計時に基づいて、禁止手段が飲料容器に対する炭酸ガスの供給を禁止する。これにより、飲料容器内に発泡飲料が長時間放置されることによる発泡飲料への炭酸ガスの過剰な溶け込みを回避して、発泡飲料の過炭酸化を回避することができる。この場合、前記禁止手段が禁止を開始する条件となる待機時間を温度検出手段により検出された温度に基づき設定するようにしたため、温度に応じた炭酸ガスの溶け込み易さを加味して炭酸ガスの供給の禁止の開始条件を設定することができる。
【0008】
本発明に係る飲料ディスペンサにおいては、前記禁止手段による禁止中に前記注出指示手段により発泡飲料の注出が指示されたとき当該禁止を解除する解除手段を備える構成とすることができる。これにより、禁止手段による禁止中であっても、注出指示手段により発泡飲料の注出を指示したとき解除手段により自動的に当該禁止が解除されて、飲料容器に対する炭酸ガスの供給が復帰することになるため、当該飲料ディスペンサの使い勝手がよくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。同実施形態は、本発明による飲料ディスペンサとして図1に示したビールサーバを採用したものである。このビールサーバは、ビール樽80(飲料容器)内に貯えたビール(発泡飲料)を、ガスボンベ90(ガス供給手段)により供給した炭酸ガスの圧力によって本体10の前面に配設した注出コック11(注出バルブ)まで圧送し適宜注出するようにしたものである。
【0011】
注出コック11は、図示しない弁機構を内蔵して構成されており、切換駆動機構12によるレバー11aの傾倒操作に応じて、ビール樽80から圧送されたビールを液ノズル11bから液状態にて注出する液注出状態(開状態)と、前記ビールを泡ノズル11cから泡状態にて注出する泡注出状態(開状態)と、前記ビールを封止する中立状態(閉状態)とで切換えられるようになっている。注出コック11の下方には、ビールジョッキを載置するためのジョッキ台13が配設されている。ジョッキ台13は、注出コック11からのビールの注出状況に応じて傾動駆動機構14により駆動されて起立状態又は傾斜状態に保たれるようになっている。
【0012】
本体10内には、ビール樽80からサイフォン管81、ディスペンサヘッド82、及びビール供給ホース83を通して圧送されたビールを注出コック11まで導くビール供給管15が収容されている。ビール供給管15のコイル状中間部15aは、冷却装置16により冷却される冷却水を貯えた冷却水タンク17内に収容されており、この冷却水タンク17内の冷却水によって供給管中間部15a内のビールが注出コック11に供給されるまでに冷却されるようになっている。ビール供給管15のコイル状中間部15aの上流位置には、同位置におけるビールの温度を検出する温度センサ18が収容されている。
【0013】
本体10内には、ガス供給管19も収容されている。ガス供給管19は、ガスボンベ90から定圧バルブ91により所定圧力(例えば、0.5MPa)に減圧されてガス供給ホース92を通して供給された炭酸ガスを、ガス供給ホース84及びディスペンサヘッド82を通してビール樽80内に供給するものである。ガス供給管19には、電気的に開度を制御されて上記ビール樽80に供給する炭酸ガスの圧力を調整する調圧バルブ21と、前記炭酸ガスの圧力を検出する圧力センサ22が介装されている。調圧バルブ21の下流及び圧力センサ22の上流には、それぞれガス供給管19の開度を調整するための開度調整バルブ21a,22aが介装されている。
【0014】
各駆動機構12,14、及び本体の前面に配設された操作パネル23(注出指示手段)には、注出制御回路24が接続されている。注出制御回路24はマイクロコンピュータにより構成されており、図示しないプログラムを実行して、操作パネル23の各種ボタンの操作に応じて各駆動機構12,14の作動を制御する。各センサ18,22及び調圧バルブ21には、調圧制御回路25が接続されている。調圧制御回路25もマイクロコンピュータにより構成されており、図2に示したフローチャートに対応したプログラムを実行して、温度センサ18及び圧力センサ22による検出に基づき調圧バルブ21の作動を制御する。調圧制御回路25は、ビールの注出の停止時間を計測するためのタイマ25aを内蔵している。各制御回路24,25は互いに接続されており、それぞれの制御情報を相互に入出力できるようになっている。
【0015】
次に、上記のように構成した当該ビールサーバの動作について、図2のフローチャートに沿って説明する。最初、図示しない電源スイッチが投入されると、冷却装置16は冷却水タンク17内の水を冷却し始め、各制御回路24,25はそれぞれプログラムの実行を開始する。注出制御回路24は、以後、図示しないプログラムを実行し続けて、操作パネル23の各種ボタン操作及び調圧制御回路25からの制御信号に応じて各駆動機構12,14の作動を制御する。これにより、ジョッキ台13が傾斜状態及び起立状態に切り換えられながら注出コック11が各注出状態に切り換えられて、ジョッキ台13上に載置したビールジョッキ中に液状態及び泡状態のビールが適宜注出される。
【0016】
上記電源スイッチ投入時、調圧制御回路25は、図2のステップ100にてプログラムの実行を開始する。調圧制御回路25は、まずステップ102にて初期設定を実行して、制御目標圧力P0と樽温度Kの初期値を設定する。具体的には、圧力センサ22により検出した検出圧力Pxを制御目標圧力P0の初期値として設定し、予め記憶した図3に示したマップを参照して、その設定した制御目標圧力P0に対応する樽温度Kを樽温度Kの初期値として設定する。このとき、検出圧力Pxが予め設定されている下限圧力Pmin(例えば、0.2MPa)より低かった場合は、下限圧力Pminを制御目標圧力P0の初期値として設定し、下限圧力Pminを平衡圧力とする温度K1を樽温度Kの初期値として設定する。平衡圧力とは、ビール中に溶解する量が丁度飲用に適した所望量となるために必要な炭酸ガスの供給圧であり、温度に応じて決まるものである。図3に示したマップは、本来は、検出した樽温度Kに応じて適切な炭酸ガスの供給圧を制御目標圧力P0として与えるものであり、具体的な説明は後述する。また、このときフラグFLG1,FLG2の値を共に“0”に設定する。フラグFLG1,FLG2は、値“1”にてそれぞれ液状態及び泡状態のビールの注出が開始されたことを表すものである。
【0017】
上記初期設定後、調圧制御回路25は、ステップ104にて、待機時間Tを設定する。待機時間Tは、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給の禁止を開始する条件となる時間であり、樽温度Kに応じて決定されるものであるが、具体的な説明は後述する。ステップ106においては、タイマ25aをリセットスタートして計時を開始する。
【0018】
以後、調圧制御回路25は、ステップ108〜118の処理を繰り返し実行する。ステップ108においては、上記ステップ106にてリセットスタートしたタイマ25aによる計時が上記ステップ104にて設定した待機時間Tに達したか否かを判定する。このとき上記ステップ106の実行から待機時間Tが経過しておらずタイマ25aによる計時が待機時間Tに達していなければ、「NO」との判定のもとにプログラムをステップ110へ進める。
【0019】
ステップ110においては、圧力センサ22による検出に基づいて、ガスボンベ80からビール樽80への炭酸ガスの供給圧が制御目標圧力P0となるように、調圧バルブ21の開度を制御する。ステップ112,114においては、それぞれフラグFLG1,FLG2が値“1”であるか否かを判定するが、最初、前記ステップ102の初期設定によりフラグFLG1,FLG2が値“0”に設定されたままであれば、共に「NO」と判定してプログラムをステップ116へ進める。ステップ116,118においては、注出制御回路24の制御下にて注出コック11がそれぞれ液状態及び泡状態のビールの注出を開始しようとしているか否かを判定し、このときビールの注出開始時でなければ共に「NO」と判定してプログラムをステップ108へ戻す。
【0020】
上記ステップ108〜118の繰り返し実行中、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が液注出状態に移行して液状態のビールの注出を開始すると、調圧制御回路25はステップ116にて「YES」と判定してプログラムをステップ120以降へ進める。ステップ120においては、温度センサ18により、注出開始時の供給管15内のビールの温度を注出前温度kaとして計測する。ステップ122においては、フラグFLG1の値を液状態のビールの注出が開始されたことを表す値“1”に設定する。ステップ124においては、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が上記開始した液状態のビールの注出を停止しようとしているか否かを判定し、このときビールの注出停止時でなければ「NO」と判定してプログラムをステップ110へ戻す。
【0021】
上記ステップ122におけるフラグFLG1の設定により、調圧制御回路25は、次回以降、ステップ112の実行時に「YES」と判定してステップ114〜122の処理を実行することなくプログラムをステップ124へ進めるようになるため、以後ステップ110,112,124の処理を繰り返し実行することになる。この繰り返し実行中、注出コック11は液注出状態に保たれて液状態のビールを注出し続ける。そして、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が中立状態に戻されて上記液状態のビールの注出を停止するとき、調圧制御回路25はステップ124にて「YES」と判定してプログラムをステップ126以降へ進める。ステップ126においては、温度センサ18により、注出終了時の供給管15内のビールの温度を注出後温度kbとして計測する。ステップ130においては、フラグFLG1の値を再び値“0”に設定する。
【0022】
ステップ130においては、上記ステップ120,126にてそれぞれ計測した注出前温度ka及び注出後温度kbの変化率から、予め実験などに基づき設定記憶したマップを参照してビール樽80の温度Kを推定し算出する。ステップ132においては、同算出した樽温度Kから、前記図3に示したマップを参照して、ビール樽80に対する炭酸ガスの適切な供給圧を制御目標圧力P0として算出する。樽温度K及び制御目標圧力P0は、制御目標圧力P0が下限値Pminより低くならない範囲内においては、制御目標圧力P0が樽温度Kに対して図3にて二点鎖線にて示した平衡圧力となるように比例関係にあり、樽温度Kが高くなるにつれて制御目標圧力P0も高い値に設定するようにして、ビール中の炭酸ガス量を常に飲用に適した所望量に保つようにしている。一方、樽温度Kが所定温度K1(例えば、15℃)以下である領域においては、樽温度Kが低くなっても、制御目標圧力P0をそれ以上に低くすることなく下限値Pminに保つようにして、ビールを確実に注出コック11まで圧送するようにしている。
【0023】
上記各処理後、調圧制御回路25は、プログラムをステップ104へ戻して再び待機時間Tを設定する。このとき、待機時間Tとしては、上記ステップ130にて算出した樽温度Kが所定温度K1以上であって制御目標圧力P0が平衡圧力である場合においては、長い時間(例えば、1時間)を設定する。一方、樽温度Kが所定温度K1未満かつ同温度K1より低い所定温度K2以上であって、制御目標圧力P0と平衡圧力との間に差pが若干ありビール中に炭酸ガスが溶け込み易い場合は、やや短い時間(例えば、30分)を設定する。一方、樽温度Kが所定温度K2未満であって、制御目標圧力P0と平衡圧力との差pが大きくビール中に炭酸ガスが非常に溶け込み易い場合は、さらに短い時間(例えば、10分)を設定する。以後、調圧制御回路25はステップ106にてタイマ25aをリセットスタートさせた上で、再び前記ステップ108〜118の処理を繰り返し実行する。
【0024】
上記繰り返し実行中、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が泡注出状態に移行して泡状態のビールの注出を開始した場合、調圧制御回路25はステップ118にて「YES」と判定してプログラムをステップ134以降へ進める。ステップ134においては、フラグFLG2の値を泡状態のビールの注出が開始されたことを表す値“1”に設定する。ステップ136においては、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が上記開始した泡状態のビールの注出を停止しようとしているか否かを判定し、このときビールの注出停止時でなければ「NO」と判定してプログラムをステップ110へ戻す。
【0025】
上記ステップ134におけるフラグFLG1の設定により、調圧制御回路25は、次回以降、ステップ114の実行時に「YES」と判定してステップ116〜134の処理を実行することなくプログラムをステップ136へ進めるようになるため、以後ステップ110〜114,136の処理を繰り返し実行することになる。この繰り返し実行中、注出コック11は泡注出状態に保たれて泡状態のビールを注出し続ける。そして、注出制御回路24の制御下にて注出コック11が中立状態に戻されて上記泡状態のビールの注出を停止するとき、調圧制御回路25は、ステップ136にて「YES」と判定してプログラムをステップ138へ進め、フラグFLG2の値を再び値“0”に設定する。以後、調圧制御回路25は、プログラムをステップ106へ戻してタイマ25aをリセットスタートさせた上で、再び前記ステップ108〜118の処理を繰り返し実行する。
【0026】
上述のように、調圧制御回路25は、前記ステップ102における初期設定後、ステップ104〜138からなる循環処理を繰り返し実行する。このとき、注出コック11は、操作パネル23の各種ボタン操作に応じて、注出制御回路24の制御下にて、液状態及び泡状態のビールを適宜注出する。この場合、注出コック11が液状態のビールを注出する毎に、調圧制御回路25は、注出前温度ka及び注出後温度kbを計測し、同計測した各温度ka,kbに基づき樽温度を推定して算出する。そして、同算出した樽温度Kに応じて制御目標圧力P0を算出し、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給圧が同算出した制御目標圧力P0となるように、調圧バルブ21の開度を随時制御する。
【0027】
また、調圧制御回路25は、樽温度Kを算出する毎に、待機時間Tを算出する。そして、注出コック11が上記液状態又は泡状態のビールの注出を停止する毎にタイマ25aをリセットスタートして計時を開始し、同タイマ25aによってビールの注出が停止している継続時間を計測しながら、同継続時間が待機時間Tに達したか否かを随時判定し続ける。
【0028】
上記循環処理中、注出コック11が液状態又は泡状態のビールの注出を停止してから待機時間Tが経過し、前記ステップ106にてリセットスタートしたタイマ25aによる計時が待機時間Tに達すると、ステップ108における「YES」との判定のもとに、調圧制御回路25は、ステップ140にて調圧バルブ21を閉じる。これにより、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給が禁止される。
【0029】
上記禁止制御後、調圧制御回路25は、ステップ108,140,112〜118の処理を繰り返し実行する。このとき、操作パネル23が操作されて、注出コック11が注出制御回路24の制御下にて液状態又は泡状態のビールの注出を開始した場合には、調圧制御回路25は、ステップ120〜124又はステップ134,136の処理を実行した上で、再びプログラムをステップ110へ進めて調圧バルブ21の開閉制御を開始する。これにより、上記炭酸ガスの供給の禁止が解除される。そして、調圧制御回路25は、上記各ビールの注出が停止したとき、ステップ126〜132,104又はステップ138の処理を実行した上で、再びステップ106にてタイマ25aをリセットスタートして、改めて計時を開始する。
【0030】
上述のように、上記実施形態においては、操作パネル23の操作が長時間の間なされずに注出コック11がビールの注出を長時間の間行わなかった場合、タイマ25aによる計時に基づいて、ステップ108における判定のもとにビール樽80に対する炭酸ガスの供給が禁止される。これにより、ビール樽80内にビールが長時間放置されることによるビールへの炭酸ガスの過剰な溶け込みが回避されて、ビールの過炭酸化が回避されるようになっている。
【0031】
また、上記禁止は、操作パネル23が操作されて注出コック11がビールの注出を開始したときに自動的に解除されるようになっている。これにより、単に操作パネル23を操作するだけでビール樽80に対する炭酸ガスの供給を復帰させることができるため、当該ビールサーバの使い勝手がよりよくなっている。
【0032】
また、上記禁止を開始する条件となる待機時間Tは、温度センサ18による検出温度ka,kbに基づき算出した樽温度Kに応じて、ビールに対する炭酸ガスの溶け込み易さを加味した上で設定するようにしている。これにより、当該ビールサーバの使い勝手がよりよくなっている。
【0033】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。この変形例は、図1にて二点鎖線により示したように、上記実施形態において、調圧制御回路25に、待機時間Tを指定するための禁止開始時間指定スイッチ25bを設けたものである。
【0034】
この変形例に係るビールサーバを使用するに当たっては、予め禁止開始時間指定スイッチ25bにより待機時間Tを指定しておく。そして、調圧制御回路25は、ビールの注出の停止時間がこの指定された待機時間Tに達したとき、ステップ108における判定に基づきステップ140の処理を実行し、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給を禁止する。
【0035】
したがって、上記変形例においては、使用状況などの様々な条件を加味した上で、炭酸ガスの供給の禁止の開始条件を任意に指定することができる。これにより、当該ビールサーバの使い勝手がよりよくなっている。
【0036】
なお、上記実施形及び変形例においては、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給圧を圧力センサ22によって直接検出するようにしたが、これに代えて、別途センサなどを設けて注出コック11に供給されるビールの液圧を検出するようにして、同液圧を炭酸ガスの供給圧として各制御に用いるようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態においては、液状態のビールの注出毎に温度センサ18により注出前温度ka及び注出後温度kbを計測し同計測した各温度ka,kbの変化率に基づいてビール樽80の温度Kを推定し算出するようにしたが、これに代えて、別途センサなどを設けてビール樽80の温度Kを直接検出するようにして、同検出した樽温度Kに基づいて制御目標圧力P0を随時算出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態及び変形例に係るビールサーバの全体概略図である。
【図2】図1の調圧制御回路により実行されるプログラムに対応したフローチャートである。
【図3】前記ビールサーバにおける樽温度と制御目標圧力との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
10…ビールサーバ本体、11…注出コック、18…温度センサ、21…調圧バルブ、23…操作パネル、25…調圧制御回路、25a…タイマ、25b…禁止開始時間指定スイッチ、80…ビール樽、90…ガスボンベ。
Claims (2)
- 飲料容器内に貯えた発泡飲料をガス供給手段により供給した炭酸ガスの圧力によって注出バルブまで圧送し同注出バルブの開状態にて外部に注出し閉状態にて封止するようにした飲料ディスペンサであって、前記発泡飲料の注出を指示するための注出指示手段と、同注出指示手段による指示に応答して前記注出バルブを開閉制御し前記発泡飲料を注出させる注出制御手段とを備えた飲料ディスペンサであり、当該飲料ディスペンサは、前記注出指示手段による指示がなく前記注出バルブが閉状態に保たれているとき当該閉状態の継続時間を計測する計時手段と、前記計時手段により計測されている注出バルブの閉状態の継続時間が所定の待機時間に達したとき前記ガス供給手段に介装した電磁バルブを閉じて前記飲料容器に対する炭酸ガスの供給を禁止する禁止手段と、前記飲料容器内の発泡飲料の温度を検出する温度検出手段を備え、前記禁止手段が禁止を開始する条件となる待機時間を前記温度検出手段により検出された温度に基づき設定することを特徴とする飲料ディスペンサ。
- 請求項1に記載の飲料ディスペンサであり、当該飲料ディスペンサは、前記禁止手段による禁止中に前記注出指示手段により発泡飲料の注出が指示されたとき当該禁止を解除する解除手段を備えていることを特徴とする飲料ディスペンサ。
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