JPH07278010A - 血中コレステロール低下剤 - Google Patents
血中コレステロール低下剤Info
- Publication number
- JPH07278010A JPH07278010A JP6092990A JP9299094A JPH07278010A JP H07278010 A JPH07278010 A JP H07278010A JP 6092990 A JP6092990 A JP 6092990A JP 9299094 A JP9299094 A JP 9299094A JP H07278010 A JPH07278010 A JP H07278010A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- amino acid
- acid content
- peptide composition
- blood
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
毒性がなく、しかも血中コレステロ−ル濃度低下作用を
有するペプチド組成物を有効成分として含有する血中コ
レステロ−ル低下剤を提供する。 【構成】 ペプチドの分子量が1000以下であり、エ
ライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性を
実質的に示さず、遊離アミノ酸含量が20%(重量)以
下であり、組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸
含量の1.0%(重量)以下である低分子量ペプチド組
成物を有効成分として含有する血中コレステロ−ル低下
剤。
Description
000以下であり、エライザ(ELISA)抑制試験に
より測定した抗原性を実質的に示さず、遊離アミノ酸含
有量が20%(重量。以下特に断りのない限り同じ)以
下であり、かつ、芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量
の1.0%以下であるペプチド組成物を有効成分として
含有する血中コレステロ−ル低下剤に関する。
ルギ−の予防及び治療、血中コレステロ−ル濃度の低下
の目的で、ペプチド混合物、又はアミノ酸混合物を製造
することが行われてきた。しかしながら、これらの混合
物は、個々の目的を満たすことはできるが、すべての目
的を満たすことはできず、合併症等の場合には前記すべ
ての目的を満たすペプチド組成物が求められている。
ドが蛋白質栄養源として極めて有効であることが明らか
にされ、また、遊離アミノ酸が腸管における浸透圧を増
大させて輸送系の負担を惹起し、栄養効率を低下させる
ことも明らかにされている(栄養と食糧,第31巻,第
247ペ−ジ,1978年)。このような点から、一定
の大きさのペプチド混合物の製造法が開示され(例え
ば、特公昭57−45560号公報、特公昭62−58
713号公報等)、またその栄養効率の面から有用であ
ることが示されている。従って、消化吸収性及び栄養生
理の面から、遊離アミノ酸含有量が少なく、分子量を特
定したペプチド組成物が求められている。
−患者数が急増し、全国社会福祉協議会全国保母会の1
988年の調査によれば、乳児の約8%が食餌蛋白質ア
レルギ−であると報告されている。これらの患者に対し
ては、抗原性のない蛋白質分解物(例えば、特公昭54
−36235号公報)が提供されるが、この分解物は、
遊離アミノ酸含量が多く、浸透圧が高く、風味が悪く、
消化吸収性又は栄養生理面にも問題点がある。
い、血中コレステロ−ル濃度の増加が見られ、これは種
々の成人病(例えば、動脈硬化等)の引き金になること
から大きな問題になっている。このような観点から、血
中コレステロ−ル濃度を低下させる食品成分の研究が従
来から行われており、その中でも近年注目されているの
が、蛋白質及びその加水分解物である。例えば、大豆蛋
白質及び大豆蛋白質分解物は、カゼイン及びカゼイン分
解物に比べて、血中コレステロ−ル濃度低下作用が顕著
であることが報告されている[アテロスクレロシス(Ath
erosclerosis) ,第28巻,第187ペ−ジ,1977
年]。また、分子量700以下のペプチドが80%以上
のペプチド組成物(特公昭57−45560号公報)及
び分子量200乃至1500のペプチドを含む蛋白質加
水分解物(特開昭60−11425号公報)に、血中コ
レステロ−ル濃度低下作用があることが開示されてい
る。
不明であり、食物アレルギ−を惹起する可能性があり、
また、芳香族アミノ酸の含量についても何ら着目されて
いない。更に、非経口的投与の場合には、エンドトキシ
ンは血流に侵入すると発熱、エンドトキシンショック等
の原因となる物質である(医薬品の開発,第14巻,第
222ペ−ジ,広川書店,1990年)が、これらの分
解物は経口摂取を前提としており抗原性のみならず、エ
ンドトキシン量も不明であり、アレルギ−性ならびに発
熱性の問題から経静脈投与を行うことは実質的には不可
能であり、経静脈投与による血中コレステロ−ル濃度に
与える効果も検討されていない。
族アミノ酸の代謝能力の低下又は停止により脳内に芳香
族アミノ酸が蓄積し、それによって生じる脳疾患に対し
ては、従来蓄積するアミノ酸を予め除去したアミノ酸混
合物、又はペプチド混合物が投与されてきた(輸液・栄
養ジャ−ナル,第9巻,第343ペ−ジ,1987年及
び化学と生物,第25巻,第332ペ−ジ,1987
年)。しかしながら、これらの混合物の血中コレステロ
−ル濃度に与える影響は報告されておらず、遊離アミノ
酸含有率が高いこと、抗原性が存在すること等の問題点
があった。
芳香族アミノ酸含有量が少ないペプチド組成物を発明
し、既に特許出願した(特開平2−138991号公
報。以下先願と記載する)が、先願のペプチド組成物が
血中コレステロ−ル濃度に与える影響に関しては従来知
られていなかった。
られている血中コレステロ−ル濃度低下作用を有する蛋
白質分解物は、食物アレルギ−を惹起する可能性があ
り、その利用範囲は限定されていた。すなわち、食物ア
レルギ−を惹起する可能性がない血中コレステロ−ル濃
度低下性ペプチド組成物を含有する経口投与可能な血中
コレステロ−ル低下剤、及び副作用がなく、少量で有効
な非経口投与可能な血中コレステロ−ル低下剤は従来存
在しなかった。
た場合、食物蛋白質及び蛋白質分解物のアミノ酸組成、
消化性、胆汁酸結合能等が血中コレステロ−ル濃度に影
響することが示唆されている(コレステロ−ル,第80
ペ−ジ,三共出版,1986年)。しかしながら、本発
明者らは、食物蛋白質又は蛋白質分解物の腸管内消化過
程で生成したペプチドが、微量ではあるが、アミノ酸に
まで分解されずにそのままの形態で血流に取り込まれ、
そのペプチドのホルモン様作用により血中コレステロ−
ル濃度低下を惹起するか、又はこのようなペプチドの存
在が、それを含有する組成物を直接血流内に投与するこ
とにより、経口摂取する場合に比較して少量で血中コレ
ステロ−ル濃度を低下できるのではないかとの仮説を立
てた。
白分解物中にも血中コレステロール濃度低下に有効な成
分が存在するとの前記仮説に基づいて、その成分をスク
リーニングした結果、先願のペプチド組成物、即ち、芳
香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%以下の画
分にその効果があることを見い出し、本発明を完成し
た。
善し、蛋白栄養源としても優れており、副作用及び毒性
がなく、しかも血中コレステロ−ル濃度低下作用を有す
るペプチド組成物を有効成分として含有する血中コレス
テロ−ル低下剤を提供することにある。
明の第1の発明は、次のa)〜d)の理化学的性質; a)ペプチドの分子量が1000以下であること、 b)エライザ抑制試験により測定した抗原性を実質的に
示さないこと、 c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であるこ
と、 d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の
1.0%(重量)以下であること、 を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有
する経口用の血中コレステロ−ル低下剤、である。
は、次のa)〜e)の理化学的性質; a)ペプチドの分子量が1000以下であること、 b)エライザ抑制試験により測定した抗原性を実質的に
示さないこと、 c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であるこ
と、 d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の
1.0%(重量)以下であること、 e)エンドトキシン含量が1ng/g以下であること、 を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有
する非経口用の血中コレステロ−ル低下剤、である。
する低分子量ペプチド組成物は、公知の方法で製造する
ことができる。以下にその方法を例示する。本発明にお
いて出発物質として使用する蛋白質は、例えば、カゼイ
ン、乳清蛋白質、大豆蛋白質等の市販品であり、水、脱
イオン水等に溶解される。蛋白質の加水分解は、パンク
レアチンとエキソペプチダ−ゼ、又はパンクレアチンと
他の蛋白質分解酵素(プロテア−ゼ)の複合系を用い
る。使用する蛋白質分解酵素は、パンクレアチン及び市
販の酵素であって、パンクレアチン及び蛋白質分解酵素
の1種又は2種とエキソペプチダ−ゼを組合わせ、2種
又は3種の複合酵素系として使用する。
質原料1g当り合計3000〜5000活性単位の割合
で、前記2種又は3種の酵素を1度又は2度以上に分け
て、蛋白質水溶液に添加することもできる。加水分解
は、温度を40〜55℃の範囲に調整し、酵素添加前に
原料蛋白質が変性しない範囲であって、かつ使用する酵
素の至適pHにpHを調整し、少なくとも1時間保持
し、次いで酵素を失活させ、酵素分解液から不溶性成分
を除去することにより行うことができる。
000以下、好ましくは1000以下のゲル濾過剤、よ
り好ましくは芳香族アミノ酸に吸着性を示す疎水性側鎖
(例えば、カルボキシル基、ブチル基、又はフェニル
基)、又は疎水的部位を有するゲル担体を充填したカラ
ムを使用し、溶出液として水、又は芳香族アミノ酸の吸
着性を高める目的で2〜15%エタノ−ル溶液を用いて
分画し、目的とする低分子量ペプチド組成物を酵素分解
液から採集する。得られた低分子量ペプチド組成物を必
要に応じて常法により濃縮、乾燥することもできる。
ド組成物は、分子量が1000以下であり、エライザ抑
制試験により測定した抗原性が実質的に示さず(原料蛋
白質に比較して10-6以下)、遊離アミノ酸含量が20
%以下であり、かつ芳香族アミノ酸含量が1.0%以下
であり、この低分子量ペプチド組成物を含有する血中コ
レステロ−ル低下剤は、後記する試験例に示すように血
中コレステロ−ル濃度低下に著効があり、しかも血中高
密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度を上昇させる効果を
有している。
成物は、前記のようにして得られた低分子量ペプチド組
成物を、限外濾過、エンドトキシン除去用吸着体等の方
法により行うことができる。限外濾過の場合は、分画分
子量1000〜6000、望ましくは1000〜300
0の分画膜を使用し、透過液として目的とする低分子ペ
プチド組成物を得る。エンドトキシン除去吸着体として
は、エンドトキシンに吸着性を示す物質(例えば、ヒス
チジン、ポリミキシン等)を固定化した担体を用い、バ
ッチ法又はカラム法によって前記低分子量ペプチド組成
物と反応させ、非吸着画分として目的とする低分子量ペ
プチド組成物を得る。得られた低分子量ペプチド組成物
を必要に応じて常法により無菌的に濃縮、乾燥すること
もでき、エンドトキシン含量を1ng/g以下とするこ
とができる。
的に投与する場合は、前記低分子量ペプチド組成物のみ
でも良いが、前記低分子量ペプチド組成物以外に、通常
の食品に含有される脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミ
ン等を添加しても構成される。但し、抗原性の強い蛋白
質の添加は、本発明の食物アレルギ−を惹起しないとい
う特徴を損なうおそれがあるので好ましくない。また、
アミノ酸を多く添加することも、本発明の風味が良い、
栄養生理面が優れているという特徴を損なうおそれがあ
るので好ましくない。また、血中コレステロ−ル濃度低
下作用が知られている食物繊維、多価不飽和脂肪酸等を
添加することもできる。
口的(例えば、経静脈的又は経動脈的)に投与する場合
は、動物の種類及び年齢により異なるが、次の公知の方
法により製造された本発明の血中コレステロ−ル低下剤
を、通常体重1kg、1日当たり1〜1000mg、望
ましくは5〜500mg、常法(例えば、注射、注入
等)により投与する。
剤は、例えば、前記低分子量ペプチド組成物を適当な緩
衝液に添加し、無菌瀘過し、ガラスバイアルに無菌的に
充填し、密封し、製造することができ、必要に応じて凍
結乾燥することもできる。本発明の血中コレステロ−ル
低下剤の主成分である低分子量ペプチド組成物は、後記
する試験例3から明らかなように、LD50が体重1kg
当たり5000mg以上であり、毒性は極めて低く、天
然に存在する蛋白質の加水分解物の一部であるから、副
作用も少ない。
A: Enzyme linked immunosorbent assay)抑制試験(北
川常廣ら編,「酵素免疫測定法」,蛋白質・核酸・酵素
別冊第31号,第10ペ−ジ,1987年、及び石川榮
治ら編,「酵素免疫測定法」,第2版,第7ペ−ジ,医
学書院,1982年)によって行われるが、その方法の
一例を示せば次のとおりである。用いた原料蛋白質を9
6穴プレ−トにコ−ティングし、洗浄し、のちウサギ抗
カゼイン血清と分解調製液との混合液を反応させ、洗浄
後アルカリフォスファタ−ゼ標識抗体ウサギIgGを反
応させ、洗浄後、酵素基質であるp−ニトロフェニルリ
ン酸ナトリウムを加え、30分後に5規定水酸化ナトリ
ウム水溶液で反応を停止させ、反応産物をマイクロプレ
−トリ−ダ−で測定する。また、本発明の分子量は、ゲ
ル濾過電気泳動等の常法(日本生化学会編,「新生化学
実験講座1:タンパク質 I」,第479ペ−ジ,東京化
学同人,1990年)により測定され、本発明の全アミ
ノ酸組成及び遊離アミノ酸組成は、常法(日本生化学会
編,「新生化学実験講座1:タンパク質 I」,第439
ペ−ジ,東京化学同人,1990年)により測定され
る。また、エンドトキシン含量は、リムラステスト(防
菌防黴,第13巻,第501ペ−ジ,1985年)によ
り測定される。
ロ−ル低下剤の血中脂質に与える影響を調べるために行
った。 1)飼料の調製 表1に示す組成を有し、蛋白質源の種類のみを変更した
3種類の飼料を調製した。これらの飼料にはコレステロ
−ル及びコ−ル酸ナトリウムが添加されており、その添
加量は配合された蛋白質源に血中コレステロ−ル低下作
用がなければ、血中コレステロ−ル濃度を増加させるの
に充分な量である。尚、各蛋白質源は、窒素量を常法に
より測定し、各飼料の窒素量を同一に調整し、総量はス
クロ−スで調整した。
て3群に分け、各群に異なった蛋白質源を含む飼料と水
とを自由に摂取させた。各群に与えられた飼料中の蛋白
質源は、次のとおりである。 第1群:カゼイン(ニュージーランド・デイリーボード
製) 第2群:実施例1と同一の方法により製造した低分子量
ペプチド組成物 第3群:カゼイン分解物(実施例1のゲル濾過工程前の
凍結乾燥品:遊離アミノ酸含量60%、全アミノ酸含量
に対する芳香族アミノ酸含量10.2%)
し、血清コレステロ−ル濃度、血清高密度リポ蛋白質コ
レステロ−ル濃度、血清中性脂肪濃度をそれぞれ測定し
た。尚、血清コレステロ−ル濃度はコレステロ−ルEテ
スト(和光純薬工業社製)を用いた酵素法により、血清
高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度はHDLコレステ
ロ−ルEテスト(和光純薬工業社製)を用いた沈殿・酵
素法により、血清中性脂肪濃度はトリグリセリドEテス
ト(和光純薬工業社製)を用いた酵素法により測定し
た。
は各試験群の平均値±標準誤差で表示している。表2か
ら明らかなように、低分子量ペプチド組成物を投与した
第2群では、第1群、第3群に比較して、血清コレステ
ロ−ル濃度を顕著に低下させ、血清高密度リポ蛋白質コ
レステロ−ル濃度を顕著に上昇させ、血清中性脂肪濃度
には大きな相違は認められなかった。
−ル低下剤が血中コレステロ−ル濃度低下および血中高
密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度上昇に有効であるこ
とが証明された。尚、原料蛋白質を乳清蛋白質、大豆蛋
白質等に変更して同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結
果が得られた。
テロ−ル低下剤の血中脂質に与える影響を調べるために
行なった。 1)試験方法 体重約20gのICR系マウス(日本チャ−ルス・リバ
−社から購入)7匹を1群として3群に分け、水、飼料
を自由に摂取させ、各群のマウスに次の試料を日に1
回、尾静脈より投与した。 第1群:生理食塩水0.2ml 第2群:実施例3と同一の方法により製造した低分子量
ペプチド組成物10mgを生理食塩水0.2mlに溶解
した試料 第3群:実施例3と同一の方法により製造した低分子量
ペプチド組成物とアミノ酸組成が同一のアミノ酸混合物
10mgを生理食塩水0.2mlに溶解した試料 各マウスについて飼育開始3週間後に採血し、血清コレ
ステロ−ル濃度、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル
濃度、血清中性脂肪濃度を、試験例1と同一の方法によ
りそれぞれ測定した。
は各試験群の平均値±標準偏差で表示している。表3か
ら明らかなように、低分子量ペプチド組成物を投与した
第2群では、第1群及び第3群に比較して、血清コレス
テロ−ル濃度が顕著に低下し、血清高密度リポ蛋白質コ
レステロ−ル濃度、血清中性脂肪濃度には大きな相違は
認められなかった。
−ル低下剤が血中コレステロ−ル濃度低下に有効である
ことが証明された。尚、原料蛋白質を乳清蛋白質、大豆
蛋白質等に変更して同様の試験を行ったが、ほぼ同様の
結果が得られた。
ために行った。 1)試験方法 6週齢のCD(SD)系ラットの両性(日本チャ−ルス
・リバ−社から購入)を、無作為にそれぞれ4群(1群
5匹)に分けた。実施例2と同一の方法により製造した
低分子量ペプチド組成物を注射用水(大塚製薬社製)に
溶解し、体重1kg当り1000、2000、5000
mgの割合で尾静脈より単回投与し、急性毒性を試験し
た。
らかなように、実施例2の低分子量ペプチド組成物を投
与した全例ともに死亡例は認められなかった。従って、
低分子量ペプチド組成物のLD50は5000mg/kg
体重以上であった。尚、低分子量ペプチド組成物の種類
を変更して試験したが、同様の結果が得られた。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 市販カゼイン(ニュージーランド・デイリーボード製)
20kgを10%の濃度で水に溶解し、10%水酸化ナ
トリウム水溶液でpHを8.0に調整し、90℃で10
分間加熱殺菌して45℃に冷却した。パンクレアチンF
(天野製薬社製)1kg、プロテア−ゼN「アマノ」
(天野製薬社製)200g及び乳酸菌由来のプロテア−
ゼ(特公昭54−36234号公報第6欄13〜34行
記載のA方法により調製)400gをカゼイン水溶液に
添加し、45℃で24時間保持して加水分解した。のち
90℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過して沈殿
物を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約18kgを得
た。
水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−1
0(ファルマシア社製)カラム(100×120cm)
に通液し、イオン交換水を使用し、流速1l/分で溶出
し、溶出量200〜500lの分画を集め、凍結乾燥
し、低分子量ペプチド組成物約6kgを得た。この低分
子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であり、エ
ライザ抑制試験による原料カゼインに比較した抗原性は
10-6であり、遊離アミノ酸含量18.5%、芳香族ア
ミノ酸含量0.5%であった。前記と同様の方法により
製造した低分子量ペプチド組成物5kgを温水50lに
溶解し、この溶液にミネラルを添加し、混合し、120
℃で3秒間加熱殺菌し、凍結乾燥し、粉砕し、粉末状経
口用の血中コレステロ−ル低下剤約5kgを得た。
濃度で脱イオン水に溶解し、フィルタ−濾過により除菌
して45℃に調整し、5%水酸化ナトリウム水溶液でp
Hを7.3に維持しながらパンクレアチンF(天野製薬
社製)を200gずつ30分間隔で6回添加し、15時
間後にアクチナ−ゼAS(科研製薬社製)300gを添
加し、更に5時間加水分解した。のち90℃で5分間加
熱して酵素を失活させ、濾過して沈殿物を除去し、凍結
乾燥し、凍結乾燥品約16.5kgを得た。
水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−2
5(ファルマシア社製)カラム(50×150cm)に
通液し、12%エタノ−ルを使用し、流速は1l/分で
溶出し、溶出量200〜500lの分画を集め、凍結乾
燥し、低分子量ペプチド組成物約4.5kgを得た。こ
の低分子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であ
り、エライザ抑制試験による原料乳清蛋白質に比較した
抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量19.4%、
芳香族アミノ酸含量0.4%であった。前記と同様の方
法により製造した低分子量ペプチド組成物4.5kgを
温水60lに溶解した。この溶液に市販の難消化性デキ
ストリン(松谷化学工業社製)12.5kg、市販の植
物性油脂(日本油脂社製)3kg、ビタミン、ミネラル
を添加、混合し、均質化し、全量を100lに調整し、
150℃で2秒間加熱殺菌し、液状経口用の血中コレス
テロ−ル低下剤約100lを得た。
20gを10%の濃度で水に溶解し、10%水酸化ナト
リウム水溶液でpHを8.0に調整し、90℃で10分
間加熱殺菌して45℃に冷却した。パンクレアチンF
(天野製薬社製)1g、プロテア−ゼN「アマノ」(天
野製薬社製)0.2g、及び乳酸菌由来のプロテア−ゼ
(特公昭54−36234号公報第6欄13〜34行記
載のA方法により調製)0.4gをカゼイン水溶液に加
え、45℃で24時間保持して加水分解した。のち90
℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過により沈殿物
を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約18gを得た。
に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−10
(ファルマシア社製)カラム(10×12cm)に通液
し、イオン交換水を使用し、流速10ml/分で溶出
し、溶出量200〜500mlの分画を集め、分画分子
量3000の限外濾過膜を装着したモジュ−ルを用いて
平均圧力3kg/cm2 で限外濾過して透過液を回収
し、無菌的に凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約6
gを得た。この低分子量ペプチド組成物の分子量は10
00以下であり、エライザ抑制試験による原料カゼイン
に比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量1
8.5%、芳香族アミノ酸含量0.5%であり、エンド
トキシン含量1ng/g以下であった。注射用生理食塩
水(大塚製薬社製)1ml当りに、前記と同一の方法に
より製造した低分子量ペプチド組成物100mgの割合
で溶解し、濾過滅菌し、常法により5mlずつバイアル
瓶に充填し、注射用の血中コレステロ−ル低下剤を調製
した。
度で脱イオン水に溶解し、フィルタ−濾過により除菌し
て45℃に調整し、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH
を7.3に維持しながらパンクレアチンF(天野製薬社
製)を0.2gずつ30分間隔で6回添加し、15時間
後にアクチナ−ゼAS(科研製薬社製)0.3gを加
え、更に5時間加水分解した。のち90℃で5分間加熱
して酵素を失活させ、濾過して沈殿物を除去し、凍結乾
燥し、凍結乾燥品約16.5gを得た。
溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−25
(ファルマシア社製)カラム(5×15cm)に通液
し、12%エタノ−ルを使用し、流速は10ml/分で
溶出し、溶出量200〜500mlの分画を集め、アフ
ィプレップポリミキシン(バイオ・ラッド社製)25m
lを充填したカラムに通液してエンドトキシンを除去
し、無菌的に凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約
1.5gを得た。
000以下であり、エライザ抑制試験による原料乳清蛋
白質に比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含
量19.4%、芳香族アミノ酸含量0.4%であり、エ
ンドトキシン含量1ng/g以下であった。注射用水
(大塚製薬社製)1ml当りに、前記実施例2と同一の
方法で製造した低分子量ペプチド組成物10mg及びD
−マンニット(和光純薬工業社製)49.5mgの割合
で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水
溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により1
0mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射用の
血中コレステロ−ル低下剤を調製した。
レステロ−ル低下剤に係るものであり、本発明によって
奏せられる効果は次のとおりである。 (1)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を経口的に投
与することにより、食物アレルギ−を惹起することなく
血中コレステロ−ル濃度を低下させることができる。 (2)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を経口的に投
与することにより、食物アレルギ−を惹起することなく
血中高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度を上昇させる
ことができる。 (3)本発明の血中コレステロ−ル低下剤は、抗原性が
なく、遊離アミノ酸含量が少なく風味が良好であり、ま
た、吸収性も良いので、優れた蛋白質栄養源として利用
することができる。 (4)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を非経口的に
投与することにより、経口的投与よりも少量で血中コレ
ステロール濃度を低下させることができる。 (5)本発明の血中コレステロ−ル低下剤に含有される
低分子量ペプチド組成物は、実質的に抗原性がなく、ま
た、天然に存在する蛋白質の分解物の一部分であるの
で、毒性及び副作用が少ない。
Claims (2)
- 【請求項1】 次のa)〜d)の理化学的性質; a)ペプチドの分子量が1000以下であること、 b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗
原性を実質的に示さないこと、 c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であるこ
と、 d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の
1.0%(重量)以下であること、 を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有
する経口用の血中コレステロ−ル低下剤。 - 【請求項2】 次のa)〜e)の理化学的性質; a)ペプチドの分子量が1000以下であること、 b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗
原性を実質的に示さないこと、 c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であるこ
と、 d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の
1.0%(重量)以下であること、 e)エンドトキシン含量が1ng/g以下であること、 を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有
する非経口用の血中コレステロ−ル低下剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09299094A JP3920933B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 血中コレステロール低下剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09299094A JP3920933B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 血中コレステロール低下剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278010A true JPH07278010A (ja) | 1995-10-24 |
JP3920933B2 JP3920933B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=14069816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09299094A Expired - Fee Related JP3920933B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 血中コレステロール低下剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3920933B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6827963B2 (en) | 2001-12-28 | 2004-12-07 | The Nisshin Oillio, Ltd. | Fats and oils composition for reducing lipids in blood |
JP2008260761A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-30 | Up Well:Kk | 乳成分加水分解物 |
JP2015036376A (ja) * | 2013-08-14 | 2015-02-23 | 森永乳業株式会社 | 血中トリグリセライド低下剤 |
CN112040972A (zh) * | 2018-02-16 | 2020-12-04 | 森永乳业株式会社 | 用于降低血压和/或用于减少中性脂肪的组合物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7358239B2 (ja) | 2017-09-19 | 2023-10-10 | 森永乳業株式会社 | エネルギー消費促進用組成物 |
-
1994
- 1994-04-06 JP JP09299094A patent/JP3920933B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6827963B2 (en) | 2001-12-28 | 2004-12-07 | The Nisshin Oillio, Ltd. | Fats and oils composition for reducing lipids in blood |
JP2008260761A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-30 | Up Well:Kk | 乳成分加水分解物 |
JP2015036376A (ja) * | 2013-08-14 | 2015-02-23 | 森永乳業株式会社 | 血中トリグリセライド低下剤 |
CN112040972A (zh) * | 2018-02-16 | 2020-12-04 | 森永乳业株式会社 | 用于降低血压和/或用于减少中性脂肪的组合物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3920933B2 (ja) | 2007-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Brody | Biological activities of bovine glycomacropeptide | |
Kovacs-Nolan et al. | Advances in the value of eggs and egg components for human health | |
Blewett et al. | The immunological components of human milk | |
JP6158380B2 (ja) | 小腸に良い栄養組成物 | |
EP2661180B1 (en) | Composition comprising heat labile milk proteins and process for preparing same | |
JPH09255698A (ja) | 血中トリグリセリド濃度上昇抑制ペプチド及び当該ペプチドを有効成分として含む血中トリグリセリド濃度上昇抑制剤 | |
JP3920933B2 (ja) | 血中コレステロール低下剤 | |
JPH0773507B2 (ja) | 低分子量ペプチド組成物およびその製造方法 | |
US6010722A (en) | Oral remedy for rheumatoid arthritis and functional food | |
JP2006219458A (ja) | 虚血性腸疾患抑制剤 | |
WO1994003203A1 (en) | Alimentary canal cell activator | |
EP0788800A1 (en) | Method and kit for inducing immunological tolerance | |
AU648800B2 (en) | Immune suppressive product | |
JP2985156B2 (ja) | 乳化性に富み、アレルゲン性の低い乳加水分解ペプチド | |
JPH1059864A (ja) | 経口がん転移抑制剤 | |
JP4330088B2 (ja) | タイトジャンクション透過抑制剤 | |
Park | Bioactive components in cow's milk | |
JP4059532B2 (ja) | 腸内細菌の体内移行を阻止するペプチド混合物と、このペプチド混合物を含有する組成物 | |
Li et al. | Eggstraordinary health: exploring avian egg proteins and peptides in boosting immunity and health maintenance | |
JP3595852B2 (ja) | 経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品 | |
JP3103930B2 (ja) | 乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤 | |
JP2004043326A (ja) | 免疫増強剤 | |
JP4767382B2 (ja) | IgE産生抑制剤 | |
Losso et al. | Egg Bioactives and Chronic Degenerative Diseases | |
TW202402190A (zh) | 包含源自乳清蛋白的肽的生長促進用組合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050620 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050819 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060407 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060606 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070216 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |