JP3103930B2 - 乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤 - Google Patents
乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、牛乳由来蛋白質カゼイ
ンを蛋白質分解酵素トリプシンで加水分解して得られる
低分子ペプチドを有効成分とする免疫賦活剤に関する。
本発明の免疫賦活剤は、健康食品、医薬品、化粧品など
に直接又は配合剤として利用できる。
ンを蛋白質分解酵素トリプシンで加水分解して得られる
低分子ペプチドを有効成分とする免疫賦活剤に関する。
本発明の免疫賦活剤は、健康食品、医薬品、化粧品など
に直接又は配合剤として利用できる。
【0002】
【従来の技術】我々人間は、外来の微生物などの異物及
び癌細胞などのような異物的自己物質を排除しようとす
る多種多様の防衛機能、即ち免疫能を有しており、免疫
能を活性化することにより各種の疾病に対抗することが
出来ると考えられている。このような目的でこれまで
に、細菌菌体成分として、BCG、OK−432など
が、また植物抽出成分としては、クレスチン、レンチナ
ン、シゾフィランなどが臨床的に検討され効果を上げて
きた。
び癌細胞などのような異物的自己物質を排除しようとす
る多種多様の防衛機能、即ち免疫能を有しており、免疫
能を活性化することにより各種の疾病に対抗することが
出来ると考えられている。このような目的でこれまで
に、細菌菌体成分として、BCG、OK−432など
が、また植物抽出成分としては、クレスチン、レンチナ
ン、シゾフィランなどが臨床的に検討され効果を上げて
きた。
【0003】しかしながら、免疫能の低下は臨床現場だ
けでなく、日常的なストレス、老化や化学物質の暴露な
どによっても免疫能は低下し癌、感染症、自己免疫疾患
やアレルギ−などの病気に悩まされることになる。免疫
能を強化したり低下している免疫能を回復させること
は、このような病気の予防につながることになり重要で
ある。このような観点から、低毒性で経口投与(摂取)
により有効性を発揮する免疫賦活剤が強く望まれてい
る。
けでなく、日常的なストレス、老化や化学物質の暴露な
どによっても免疫能は低下し癌、感染症、自己免疫疾患
やアレルギ−などの病気に悩まされることになる。免疫
能を強化したり低下している免疫能を回復させること
は、このような病気の予防につながることになり重要で
ある。このような観点から、低毒性で経口投与(摂取)
により有効性を発揮する免疫賦活剤が強く望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、日常
摂取することにより病気を予防できる、副作用の無い安
価な免疫賦活剤を提供することにある。
摂取することにより病気を予防できる、副作用の無い安
価な免疫賦活剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、牛乳と
言う普段日常的に摂取する素材から、安価に免疫機能を
賦活する物質を製造することが出来る。免疫賦活作用を
有するカゼイン加水分解物を得るには以下の方法により
行う。すなわち、牛乳由来のカゼインをpH5.0〜
9.0の条件下、トリプシンにより分解し、分解物を1
00℃程度の加熱処理することによりトリプシン及び未
分解のカゼインを変性・沈澱させ、この沈澱物を遠心分
離などで除去する。このようにして得た母液を凍結乾燥
することにより白色粉末状の製品を得る。このようにし
て得られたカゼイン加水分解物の投与方法は、特に限定
が無く各種形態に応じた方法で投与することが出来る。
例えば、経口投与の場合は錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、
乳剤、カプセル剤あるいはカゼイン加水分解物を添加し
た食物の形で投与される。また、注射剤の場合には、単
独あるいはブドウ糖、アミノ酸などの通常の補液と混合
して静脈投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、
皮下内に投与される。化粧品などの皮膚外用剤には、配
合剤として利用できる。以下、実施例により本発明を具
体的に説明する。
言う普段日常的に摂取する素材から、安価に免疫機能を
賦活する物質を製造することが出来る。免疫賦活作用を
有するカゼイン加水分解物を得るには以下の方法により
行う。すなわち、牛乳由来のカゼインをpH5.0〜
9.0の条件下、トリプシンにより分解し、分解物を1
00℃程度の加熱処理することによりトリプシン及び未
分解のカゼインを変性・沈澱させ、この沈澱物を遠心分
離などで除去する。このようにして得た母液を凍結乾燥
することにより白色粉末状の製品を得る。このようにし
て得られたカゼイン加水分解物の投与方法は、特に限定
が無く各種形態に応じた方法で投与することが出来る。
例えば、経口投与の場合は錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、
乳剤、カプセル剤あるいはカゼイン加水分解物を添加し
た食物の形で投与される。また、注射剤の場合には、単
独あるいはブドウ糖、アミノ酸などの通常の補液と混合
して静脈投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、
皮下内に投与される。化粧品などの皮膚外用剤には、配
合剤として利用できる。以下、実施例により本発明を具
体的に説明する。
【0006】
【実施例】カゼイン分解物の製造 牛乳由来カゼイン12gを150mlの0.05M炭酸
緩衝液(pH8.0)に超音波をかけながら溶解する。
これとは別に150mgのトリプシン(シグマ社製、タ
イプI、牛すい臓由来)を50mlの同緩衝液に溶解し
カゼイン溶液に加え、攪拌しながら37℃で一晩反応さ
せる。反応後、生成物を100℃で10分間加熱処理す
ることにより、トリプシン及び未分解のカゼインを変性
沈殿させる。沈殿物を10,000rpmで1時間遠心
除去した後、母液を凍結乾燥することにより白色粉末状
の製品を得る。このようにして母液1mlから約36m
gの製品を得る事が出来る。
緩衝液(pH8.0)に超音波をかけながら溶解する。
これとは別に150mgのトリプシン(シグマ社製、タ
イプI、牛すい臓由来)を50mlの同緩衝液に溶解し
カゼイン溶液に加え、攪拌しながら37℃で一晩反応さ
せる。反応後、生成物を100℃で10分間加熱処理す
ることにより、トリプシン及び未分解のカゼインを変性
沈殿させる。沈殿物を10,000rpmで1時間遠心
除去した後、母液を凍結乾燥することにより白色粉末状
の製品を得る。このようにして母液1mlから約36m
gの製品を得る事が出来る。
【0007】
【実施例】カゼイン分解物の精製 次に、得られた製品を約700mgを0.1M重炭酸ア
ンモニウム溶液20mlに溶解し、セファデクスG−1
5のカラムに添加し、0.1M重炭酸アンモニウム溶液
で溶出し精製する。尚、この場合のカラム処理条件は次
の通りである。 カラム:高さ100cm、内径5cm 試料添加量:20ml 流速:20ml/時間 分画量:4ml 溶出液:0.1M重炭酸アンモニウム溶液
ンモニウム溶液20mlに溶解し、セファデクスG−1
5のカラムに添加し、0.1M重炭酸アンモニウム溶液
で溶出し精製する。尚、この場合のカラム処理条件は次
の通りである。 カラム:高さ100cm、内径5cm 試料添加量:20ml 流速:20ml/時間 分画量:4ml 溶出液:0.1M重炭酸アンモニウム溶液
【0008】
【実施例】抗体産生能に対する効果の評価法 マウスの腹腔内に5%羊赤血球浮遊液0.5mlを投
与、4日後に脾臓を摘出し脾臓細胞浮遊液を調整する。
この浮遊液に被験物質を添加し37℃で24時間培養す
る。培養液中に産生される羊赤血球に対する抗体量を測
定する。つまり、培養液50μlにベロナ−ル緩衝液4
50μlを加え、これに、1.7%羊赤血球溶液及び1
/25補体溶液をそれぞれ500μl加え37℃で1時
間反応させる。抗体の量に比例して溶血が起こり、溶血
により生じたヘモグロビンの量を波長540nmで測定
する。結果は540nmでの吸光度を被験物質を添加し
ない対照の吸光度で除した値で示す。従って、数値が1
より大きいほど抗体産生能が高いことを示している。得
られた8分画を凍結乾燥し、抗体産生能に対する効果を
上記のように調べ、その結果を表1に示す。
与、4日後に脾臓を摘出し脾臓細胞浮遊液を調整する。
この浮遊液に被験物質を添加し37℃で24時間培養す
る。培養液中に産生される羊赤血球に対する抗体量を測
定する。つまり、培養液50μlにベロナ−ル緩衝液4
50μlを加え、これに、1.7%羊赤血球溶液及び1
/25補体溶液をそれぞれ500μl加え37℃で1時
間反応させる。抗体の量に比例して溶血が起こり、溶血
により生じたヘモグロビンの量を波長540nmで測定
する。結果は540nmでの吸光度を被験物質を添加し
ない対照の吸光度で除した値で示す。従って、数値が1
より大きいほど抗体産生能が高いことを示している。得
られた8分画を凍結乾燥し、抗体産生能に対する効果を
上記のように調べ、その結果を表1に示す。
【表1】
【0009】表1に示したように、低分子量分画No7
及び8以外の6分画に抗体産生能を高める効果が認めら
れ、カゼイン加水分解物中には抗体産生能を高めるペプ
チドが多種類存在することが示された。
及び8以外の6分画に抗体産生能を高める効果が認めら
れ、カゼイン加水分解物中には抗体産生能を高めるペプ
チドが多種類存在することが示された。
【0010】
【実施例】セファデックスG−15による分画中最も効
果が大きかったNo4の分画をDEAEセファデックス
A−25により更に精製する。尚、この場合のカラム処
理条件は次の通りである。 カラム:高さ30cm、内径1.5cm 試料添加量:セファデックスG−15による分画No4
を100ml 流速:20ml/時間 分画量:3ml 溶出液:0.1Mトリス−塩酸緩衝液(PH9.0)に
食塩を溶かし、0〜2%食塩溶液の直線型濃度勾配法
果が大きかったNo4の分画をDEAEセファデックス
A−25により更に精製する。尚、この場合のカラム処
理条件は次の通りである。 カラム:高さ30cm、内径1.5cm 試料添加量:セファデックスG−15による分画No4
を100ml 流速:20ml/時間 分画量:3ml 溶出液:0.1Mトリス−塩酸緩衝液(PH9.0)に
食塩を溶かし、0〜2%食塩溶液の直線型濃度勾配法
【0011】得られた6分画を脱塩後凍結乾燥し、抗体
産生能に対する効果を同様に調べ、その結果を表2に示
す。DEAEセファデックスA−25に吸着しないNo
1の分画に最も高い効果が認められた。以上、試験管内
の評価法により、カゼイン加水分解物中には多種類の抗
体産生能を高めるペプチドの存在が明らかとなった。
産生能に対する効果を同様に調べ、その結果を表2に示
す。DEAEセファデックスA−25に吸着しないNo
1の分画に最も高い効果が認められた。以上、試験管内
の評価法により、カゼイン加水分解物中には多種類の抗
体産生能を高めるペプチドの存在が明らかとなった。
【表2】
【0012】以下、カゼイン加水分解物溶液をマウスに
飲み水として与えたときの生体内での効果について説明
する。
飲み水として与えたときの生体内での効果について説明
する。
【0013】
【実施例】カゼイン加水分解物を、5、10及び20m
g/mlの濃度となるよう水に溶解し、濾過滅菌後Ba
lb/c系マウス(雌、8週令)に飲料水として与え
る。16日目に、5%羊赤血球浮遊液0.5mlを腹腔
内に投与し4日後に脾臓、血液を採取する。脾臓は、脾
臓細胞浮遊液(2×106/0.2ml)を調整し、3
7℃で24時間培養し、培養液中に産生される羊赤血球
に対する抗体量を測定する。血液は、遠心分離により血
清とし適度に希釈後、血清中抗体量を培養液と同様に測
定し、540nmでの吸光度で表3に示す。
g/mlの濃度となるよう水に溶解し、濾過滅菌後Ba
lb/c系マウス(雌、8週令)に飲料水として与え
る。16日目に、5%羊赤血球浮遊液0.5mlを腹腔
内に投与し4日後に脾臓、血液を採取する。脾臓は、脾
臓細胞浮遊液(2×106/0.2ml)を調整し、3
7℃で24時間培養し、培養液中に産生される羊赤血球
に対する抗体量を測定する。血液は、遠心分離により血
清とし適度に希釈後、血清中抗体量を培養液と同様に測
定し、540nmでの吸光度で表3に示す。
【表3】
【0014】単位脾臓細胞当たりの抗体産生量及び血清
中抗体量共に、カゼイン加水分解物摂取群がその濃度如
何に拘らず水摂取群に比べ多く、カゼイン加水分解物の
抗体産生能に対する効果は生体内でも認められた。
中抗体量共に、カゼイン加水分解物摂取群がその濃度如
何に拘らず水摂取群に比べ多く、カゼイン加水分解物の
抗体産生能に対する効果は生体内でも認められた。
【0015】
【実施例】ストレス負荷による免疫能低下に対するカゼ
イン加水分解物投与の効果について以下のように調べ
た。Balb/c系雄マウスに30日間カゼイン加水分
解物水溶液(10mg/ml)を与えた後、各群3匹を
用い、0群;ストレス無負荷、I群;羊赤血球投与1日
前に1回ストレス負荷、II群;羊赤血球投与1日前及び
同日の2回ストレス負荷、III群;羊赤血球投与1日
前、同日、1日後及び2日後の4回ストレス負荷、IV
群;羊赤血球投与1日前、同日、1日後、2日後及び3
日後の5回ストレス負荷とストレス負荷回数を変えて検
討した。ストレスの負荷は、マウスを1匹づつ金網性の
狭いゲ−ジに入れ15℃の水中に首まで浸し、1時間静
置した(拘束水浸ストレス)。免疫能の評価は、羊赤血
球投与4日後に脾臓、血液を採取し、単位脾臓細胞当た
りの抗体産生量(表4)と血清中抗体量(表5)の測定
を行った。
イン加水分解物投与の効果について以下のように調べ
た。Balb/c系雄マウスに30日間カゼイン加水分
解物水溶液(10mg/ml)を与えた後、各群3匹を
用い、0群;ストレス無負荷、I群;羊赤血球投与1日
前に1回ストレス負荷、II群;羊赤血球投与1日前及び
同日の2回ストレス負荷、III群;羊赤血球投与1日
前、同日、1日後及び2日後の4回ストレス負荷、IV
群;羊赤血球投与1日前、同日、1日後、2日後及び3
日後の5回ストレス負荷とストレス負荷回数を変えて検
討した。ストレスの負荷は、マウスを1匹づつ金網性の
狭いゲ−ジに入れ15℃の水中に首まで浸し、1時間静
置した(拘束水浸ストレス)。免疫能の評価は、羊赤血
球投与4日後に脾臓、血液を採取し、単位脾臓細胞当た
りの抗体産生量(表4)と血清中抗体量(表5)の測定
を行った。
【表4】
【0016】単位脾臓細胞当たりの抗体産生量に対する
ストレス負荷の影響は少なく、両群の間に差は認められ
ないが、ストレス負荷回数の多いIV群では水摂取群が6
2.0%に低下したのに対し、カゼイン加水分解物摂取
群では80.8%に留まり、ストレスによる抗体産生能
の低下がカゼイン加水分解物の摂取により緩和された。
ストレス負荷の影響は少なく、両群の間に差は認められ
ないが、ストレス負荷回数の多いIV群では水摂取群が6
2.0%に低下したのに対し、カゼイン加水分解物摂取
群では80.8%に留まり、ストレスによる抗体産生能
の低下がカゼイン加水分解物の摂取により緩和された。
【0017】血清中の抗体量は、水摂取群はストレス負
荷回数に応じ強い影響を受け低下したのに対し、カゼイ
ン加水分解物摂取群ではストレス負荷回数が1回、2回
の弱いストレスに対しては、これに良く抵抗し血清中抗
体量の上昇が見られた。ストレス負荷回数を増やしてい
くと血清中抗体量は低下していくものの水摂取群に比べ
多く、ストレスによる抗体産生能の低下をカゼインの加
水分解物の摂取により緩和し得ることが明らかとなっ
た。
荷回数に応じ強い影響を受け低下したのに対し、カゼイ
ン加水分解物摂取群ではストレス負荷回数が1回、2回
の弱いストレスに対しては、これに良く抵抗し血清中抗
体量の上昇が見られた。ストレス負荷回数を増やしてい
くと血清中抗体量は低下していくものの水摂取群に比べ
多く、ストレスによる抗体産生能の低下をカゼインの加
水分解物の摂取により緩和し得ることが明らかとなっ
た。
【表5】
【0018】
【実施例】老化による免疫能低下に対するカゼイン加水
分解物投与の効果を以下のように調べた。65週令まで
水を与え飼育した老化マウスに、その後45日間カゼイ
ンの加水分解物水溶液(10mg/ml)を飲水として
与え抗体産生能を測定した。 カゼイン加水分解物を与
える前である59週令の時点で、単位脾臓細胞当たりの
抗体産生量は0.060±0.068であり血清中抗体
量は8.7±6.8と老化により抗体産生能が低下して
いた。その後、45日間カゼイン加水分解物を与えるこ
とにより71週令の時点で単位脾臓細胞当たりの抗体産
生量が0.154±0.086、血清中抗体量32.3
±19.3と抗体産生能が明らかに回復した。これに対
し、その後も水を飲み続けた群では単位脾臓細胞当たり
の抗体産生量が0.060±0.048であり、血清中
抗体量は5.1±6.8と更に抗体産生能が低下した。
老化により一旦低下した免疫能は回復しないと言われて
いるが、カゼイン加水分解物を与える事により抗体産生
能つまり免疫能がある程度まで回復することが明らかと
なった。
分解物投与の効果を以下のように調べた。65週令まで
水を与え飼育した老化マウスに、その後45日間カゼイ
ンの加水分解物水溶液(10mg/ml)を飲水として
与え抗体産生能を測定した。 カゼイン加水分解物を与
える前である59週令の時点で、単位脾臓細胞当たりの
抗体産生量は0.060±0.068であり血清中抗体
量は8.7±6.8と老化により抗体産生能が低下して
いた。その後、45日間カゼイン加水分解物を与えるこ
とにより71週令の時点で単位脾臓細胞当たりの抗体産
生量が0.154±0.086、血清中抗体量32.3
±19.3と抗体産生能が明らかに回復した。これに対
し、その後も水を飲み続けた群では単位脾臓細胞当たり
の抗体産生量が0.060±0.048であり、血清中
抗体量は5.1±6.8と更に抗体産生能が低下した。
老化により一旦低下した免疫能は回復しないと言われて
いるが、カゼイン加水分解物を与える事により抗体産生
能つまり免疫能がある程度まで回復することが明らかと
なった。
【0019】
【実施例】カゼイン加水分解物投与により免疫能が賦活
されるならば、ガン細胞の増殖に影響すると考えられる
ので、以下のように検討した。ICR系雌マウス(6週
令)に、カゼイン加水分解物水溶液(10mg/ml)
を1週間与えた時点でガン細胞(ザルコ−マ180細
胞)1×106 個をソケイ部皮下に移植し、更にカゼイ
ン加水分解物水溶液を与え2週間後に固形腫瘍を摘出し
重量を測定した。水摂取群の固形腫瘍重量が、1.73
±0.97gであったのに対しカゼイン加水分解物摂取
群では0.36±0.29gと明らかにガン細胞の増殖
が抑制された。カゼイン加水分解物を与えることにより
生体内で免疫能が賦活され、その結果ガン細胞の増殖が
抑制されたと考えれる。
されるならば、ガン細胞の増殖に影響すると考えられる
ので、以下のように検討した。ICR系雌マウス(6週
令)に、カゼイン加水分解物水溶液(10mg/ml)
を1週間与えた時点でガン細胞(ザルコ−マ180細
胞)1×106 個をソケイ部皮下に移植し、更にカゼイ
ン加水分解物水溶液を与え2週間後に固形腫瘍を摘出し
重量を測定した。水摂取群の固形腫瘍重量が、1.73
±0.97gであったのに対しカゼイン加水分解物摂取
群では0.36±0.29gと明らかにガン細胞の増殖
が抑制された。カゼイン加水分解物を与えることにより
生体内で免疫能が賦活され、その結果ガン細胞の増殖が
抑制されたと考えれる。
Claims (2)
- 【請求項1】牛乳蛋白質カゼインを蛋白質分解酵素トリ
プシンで加水分解した後、加熱処理して得られる可溶性
ペプチドを有効成分とする免疫賦活剤。 - 【請求項2】牛乳蛋白質カゼインを蛋白質分解酵素トリ
プシンで加水分解して得られるペプチドが、分子量30
0〜3000であることを特徴とする請求項1項記載の
免疫賦活剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06298828A JP3103930B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06298828A JP3103930B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08133985A JPH08133985A (ja) | 1996-05-28 |
JP3103930B2 true JP3103930B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=17864750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06298828A Expired - Fee Related JP3103930B2 (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 乳蛋白質カゼインの加水分解物からなる免疫賦活剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103930B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20070034528A (ko) * | 2004-05-27 | 2007-03-28 | 캄피나 네덜란드 홀딩 베.붸. | Dpp-iv 매개 질병의 예방 및/또는 치료용 의약품제조를 위한 단백질 가수분해물의 용도 |
-
1994
- 1994-11-08 JP JP06298828A patent/JP3103930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08133985A (ja) | 1996-05-28 |
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