JP3920933B2 - 血中コレステロール低下剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ペプチドの分子量が1000以下であり、エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性を実質的に示さず、遊離アミノ酸含有量が20%(重量。以下特に断りのない限り同じ)以下であり、かつ、芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%以下であるペプチド組成物を有効成分として含有する血中コレステロ−ル低下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、消化吸収性の改善、食物アレルギ−の予防及び治療、血中コレステロ−ル濃度の低下の目的で、ペプチド混合物、又はアミノ酸混合物を製造することが行われてきた。しかしながら、これらの混合物は、個々の目的を満たすことはできるが、すべての目的を満たすことはできず、合併症等の場合には前記すべての目的を満たすペプチド組成物が求められている。
【0003】
最近、腸管吸収の面から、低分子量ペプチドが蛋白質栄養源として極めて有効であることが明らかにされ、また、遊離アミノ酸が腸管における浸透圧を増大させて輸送系の負担を惹起し、栄養効率を低下させることも明らかにされている(栄養と食糧,第31巻,第247ペ−ジ,1978年)。このような点から、一定の大きさのペプチド混合物の製造法が開示され(例えば、特公昭57−45560号公報、特公昭62−58713号公報等)、またその栄養効率の面から有用であることが示されている。従って、消化吸収性及び栄養生理の面から、遊離アミノ酸含有量が少なく、分子量を特定したペプチド組成物が求められている。
【0004】
また、近年食餌蛋白質に起因するアレルギ−患者数が急増し、全国社会福祉協議会全国保母会の1988年の調査によれば、乳児の約8%が食餌蛋白質アレルギ−であると報告されている。これらの患者に対しては、抗原性のない蛋白質分解物(例えば、特公昭54−36235号公報)が提供されるが、この分解物は、遊離アミノ酸含量が多く、浸透圧が高く、風味が悪く、消化吸収性又は栄養生理面にも問題点がある。
【0005】
更に、近年動物性脂肪摂取量の増加に伴い、血中コレステロ−ル濃度の増加が見られ、これは種々の成人病(例えば、動脈硬化等)の引き金になることから大きな問題になっている。このような観点から、血中コレステロ−ル濃度を低下させる食品成分の研究が従来から行われており、その中でも近年注目されているのが、蛋白質及びその加水分解物である。例えば、大豆蛋白質及び大豆蛋白質分解物は、カゼイン及びカゼイン分解物に比べて、血中コレステロ−ル濃度低下作用が顕著であることが報告されている[アテロスクレロシス(Atherosclerosis) ,第28巻,第187ペ−ジ,1977年]。また、分子量700以下のペプチドが80%以上のペプチド組成物(特公昭57−45560号公報)及び分子量200乃至1500のペプチドを含む蛋白質加水分解物(特開昭60−11425号公報)に、血中コレステロ−ル濃度低下作用があることが開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの分解物は抗原性が不明であり、食物アレルギ−を惹起する可能性があり、また、芳香族アミノ酸の含量についても何ら着目されていない。更に、非経口的投与の場合には、エンドトキシンは血流に侵入すると発熱、エンドトキシンショック等の原因となる物質である(医薬品の開発,第14巻,第222ペ−ジ,広川書店,1990年)が、これらの分解物は経口摂取を前提としており抗原性のみならず、エンドトキシン量も不明であり、アレルギ−性ならびに発熱性の問題から経静脈投与を行うことは実質的には不可能であり、経静脈投与による血中コレステロ−ル濃度に与える効果も検討されていない。
【0007】
一方、先天的又は肝臓疾患に起因する芳香族アミノ酸の代謝能力の低下又は停止により脳内に芳香族アミノ酸が蓄積し、それによって生じる脳疾患に対しては、従来蓄積するアミノ酸を予め除去したアミノ酸混合物、又はペプチド混合物が投与されてきた(輸液・栄養ジャ−ナル,第9巻,第343ペ−ジ,1987年及び化学と生物,第25巻,第332ペ−ジ,1987年)。しかしながら、これらの混合物の血中コレステロ−ル濃度に与える影響は報告されておらず、遊離アミノ酸含有率が高いこと、抗原性が存在すること等の問題点があった。
【0008】
本発明者らは、これらの問題点を解決した芳香族アミノ酸含有量が少ないペプチド組成物を発明し、既に特許出願した(特開平2−138991号公報。以下先願と記載する)が、先願のペプチド組成物が血中コレステロ−ル濃度に与える影響に関しては従来知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、従来知られている血中コレステロ−ル濃度低下作用を有する蛋白質分解物は、食物アレルギ−を惹起する可能性があり、その利用範囲は限定されていた。すなわち、食物アレルギ−を惹起する可能性がない血中コレステロ−ル濃度低下性ペプチド組成物を含有する経口投与可能な血中コレステロ−ル低下剤、及び副作用がなく、少量で有効な非経口投与可能な血中コレステロ−ル低下剤は従来存在しなかった。
【0010】
食物蛋白質又は蛋白質分解物を経口摂取した場合、食物蛋白質及び蛋白質分解物のアミノ酸組成、消化性、胆汁酸結合能等が血中コレステロ−ル濃度に影響することが示唆されている(コレステロ−ル,第80ペ−ジ,三共出版,1986年)。しかしながら、本発明者らは、食物蛋白質又は蛋白質分解物の腸管内消化過程で生成したペプチドが、微量ではあるが、アミノ酸にまで分解されずにそのままの形態で血流に取り込まれ、そのペプチドのホルモン様作用により血中コレステロ−ル濃度低下を惹起するか、又はこのようなペプチドの存在が、それを含有する組成物を直接血流内に投与することにより、経口摂取する場合に比較して少量で血中コレステロ−ル濃度を低下できるのではないかとの仮説を立てた。
【0011】
本発明者らは、抗原性を十分低減させた蛋白分解物中にも血中コレステロール濃度低下に有効な成分が存在するとの前記仮説に基づいて、その成分をスクリーニングした結果、先願のペプチド組成物、即ち、芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%以下の画分にその効果があることを見い出し、本発明を完成した。
【0012】
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を改善し、蛋白栄養源としても優れており、副作用及び毒性がなく、しかも血中コレステロ−ル濃度低下作用を有するペプチド組成物を有効成分として含有する血中コレステロ−ル低下剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、出発物質として、カゼイン又は乳清蛋白質を使用して蛋白質分解酵素で加水分解して得られる低分子量ペプチド組成物において、次のa)〜d)の理化学的性質;
a)ペプチドの分子量が1000以下であること、
b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性が原料蛋白質に比較して10−6以下であること、
c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であること、
d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%(重量)以下であること、
を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有し、血中コレステロール濃度低下作用及び食物アレルギーを惹起することなく血中高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度を上昇させる作用を有することを特徴とする経口用の血中コレステロ−ル低下剤。
【0014】
前記課題を解決する本発明の第2の発明は、出発物質として、カゼイン又は乳清蛋白質を使用して蛋白質分解酵素で加水分解して得られる低分子量ペプチド組成物において、次のa)〜e)の理化学的性質;
a)ペプチドの分子量が1000以下であること、
b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性が原料蛋白質に比較して10−6以下であること、
c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であること、
d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%(重量)以下であること、
e)エンドトキシン含量が1ng/g以下であること、
を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有し、経口的投与よりも少量で血中コレステロール濃度を低下させる作用を有することを特徴とする非経口用の血中コレステロ−ル低下剤。
【0015】
本発明に使用する前記の理化学的性質を有する低分子量ペプチド組成物は、公知の方法で製造することができる。以下にその方法を例示する。
本発明において出発物質として使用する蛋白質は、例えば、カゼイン、乳清蛋白質、大豆蛋白質等の市販品であり、水、脱イオン水等に溶解される。
蛋白質の加水分解は、パンクレアチンとエキソペプチダ−ゼ、又はパンクレアチンと他の蛋白質分解酵素(プロテア−ゼ)の複合系を用いる。使用する蛋白質分解酵素は、パンクレアチン及び市販の酵素であって、パンクレアチン及び蛋白質分解酵素の1種又は2種とエキソペプチダ−ゼを組合わせ、2種又は3種の複合酵素系として使用する。
【0016】
分解に使用する酵素量は、望ましくは蛋白質原料1g当り合計3000〜5000活性単位の割合で、前記2種又は3種の酵素を1度又は2度以上に分けて、蛋白質水溶液に添加することもできる。
加水分解は、温度を40〜55℃の範囲に調整し、酵素添加前に原料蛋白質が変性しない範囲であって、かつ使用する酵素の至適pHにpHを調整し、少なくとも1時間保持し、次いで酵素を失活させ、酵素分解液から不溶性成分を除去することにより行うことができる。
【0017】
得られた酵素分解液を排除限界分子量10000以下、好ましくは1000以下のゲル濾過剤、より好ましくは芳香族アミノ酸に吸着性を示す疎水性側鎖(例えば、カルボキシル基、ブチル基、又はフェニル基)、又は疎水的部位を有するゲル担体を充填したカラムを使用し、溶出液として水、又は芳香族アミノ酸の吸着性を高める目的で2〜15%エタノ−ル溶液を用いて分画し、目的とする低分子量ペプチド組成物を酵素分解液から採集する。得られた低分子量ペプチド組成物を必要に応じて常法により濃縮、乾燥することもできる。
【0018】
以上のようにして得られた低分子量ペプチド組成物は、分子量が1000以下であり、エライザ抑制試験により測定した抗原性が実質的に示さず(原料蛋白質に比較して10-6以下)、遊離アミノ酸含量が20%以下であり、かつ芳香族アミノ酸含量が1.0%以下であり、この低分子量ペプチド組成物を含有する血中コレステロ−ル低下剤は、後記する試験例に示すように血中コレステロ−ル濃度低下に著効があり、しかも血中高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度を上昇させる効果を有している。
【0019】
非経口的投与のための低分子量ペプチド組成物は、前記のようにして得られた低分子量ペプチド組成物を、限外濾過、エンドトキシン除去用吸着体等の方法により行うことができる。限外濾過の場合は、分画分子量1000〜6000、望ましくは1000〜3000の分画膜を使用し、透過液として目的とする低分子ペプチド組成物を得る。エンドトキシン除去吸着体としては、エンドトキシンに吸着性を示す物質(例えば、ヒスチジン、ポリミキシン等)を固定化した担体を用い、バッチ法又はカラム法によって前記低分子量ペプチド組成物と反応させ、非吸着画分として目的とする低分子量ペプチド組成物を得る。得られた低分子量ペプチド組成物を必要に応じて常法により無菌的に濃縮、乾燥することもでき、エンドトキシン含量を1ng/g以下とすることができる。
【0020】
本発明の血中コレステロ−ル低下剤を経口的に投与する場合は、前記低分子量ペプチド組成物のみでも良いが、前記低分子量ペプチド組成物以外に、通常の食品に含有される脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン等を添加しても構成される。但し、抗原性の強い蛋白質の添加は、本発明の食物アレルギ−を惹起しないという特徴を損なうおそれがあるので好ましくない。また、アミノ酸を多く添加することも、本発明の風味が良い、栄養生理面が優れているという特徴を損なうおそれがあるので好ましくない。また、血中コレステロ−ル濃度低下作用が知られている食物繊維、多価不飽和脂肪酸等を添加することもできる。
【0021】
本発明の血中コレステロ−ル低下剤を非経口的(例えば、経静脈的又は経動脈的)に投与する場合は、動物の種類及び年齢により異なるが、次の公知の方法により製造された本発明の血中コレステロ−ル低下剤を、通常体重1kg、1日当たり1〜1000mg、望ましくは5〜500mg、常法(例えば、注射、注入等)により投与する。
【0022】
本発明の非経口的血中コレステロ−ル低下剤は、例えば、前記低分子量ペプチド組成物を適当な緩衝液に添加し、無菌瀘過し、ガラスバイアルに無菌的に充填し、密封し、製造することができ、必要に応じて凍結乾燥することもできる。
本発明の血中コレステロ−ル低下剤の主成分である低分子量ペプチド組成物は、後記する試験例3から明らかなように、LD50が体重1kg当たり5000mg以上であり、毒性は極めて低く、天然に存在する蛋白質の加水分解物の一部であるから、副作用も少ない。
【0023】
本発明の抗原性の試験は、エライザ(ELISA: Enzyme linked immunosorbent assay)抑制試験(北川常廣ら編,「酵素免疫測定法」,蛋白質・核酸・酵素別冊第31号,第10ペ−ジ,1987年、及び石川榮治ら編,「酵素免疫測定法」,第2版,第7ペ−ジ,医学書院,1982年)によって行われるが、その方法の一例を示せば次のとおりである。用いた原料蛋白質を96穴プレ−トにコ−ティングし、洗浄し、のちウサギ抗カゼイン血清と分解調製液との混合液を反応させ、洗浄後アルカリフォスファタ−ゼ標識抗体ウサギIgGを反応させ、洗浄後、酵素基質であるp−ニトロフェニルリン酸ナトリウムを加え、30分後に5規定水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止させ、反応産物をマイクロプレ−トリ−ダ−で測定する。また、本発明の分子量は、ゲル濾過電気泳動等の常法(日本生化学会編,「新生化学実験講座1:タンパク質 I」,第479ペ−ジ,東京化学同人,1990年)により測定され、本発明の全アミノ酸組成及び遊離アミノ酸組成は、常法(日本生化学会編,「新生化学実験講座1:タンパク質 I」,第439ペ−ジ,東京化学同人,1990年)により測定される。また、エンドトキシン含量は、リムラステスト(防菌防黴,第13巻,第501ペ−ジ,1985年)により測定される。
【0024】
次に試験例を示して本発明を詳述する。
試験例1
この試験は、経口的に投与された本発明の血中コレステロ−ル低下剤の血中脂質に与える影響を調べるために行った。
1)飼料の調製
表1に示す組成を有し、蛋白質源の種類のみを変更した3種類の飼料を調製した。これらの飼料にはコレステロ−ル及びコ−ル酸ナトリウムが添加されており、その添加量は配合された蛋白質源に血中コレステロ−ル低下作用がなければ、血中コレステロ−ル濃度を増加させるのに充分な量である。尚、各蛋白質源は、窒素量を常法により測定し、各飼料の窒素量を同一に調整し、総量はスクロ−スで調整した。
【0025】
2)試験方法
SD系ラット(日本SLC社から購入)8匹を1群として3群に分け、各群に異なった蛋白質源を含む飼料と水とを自由に摂取させた。各群に与えられた飼料中の蛋白質源は、次のとおりである。
第1群:カゼイン(ニュージーランド・デイリーボード製)
第2群:実施例1と同一の方法により製造した低分子量ペプチド組成物
第3群:カゼイン分解物(実施例1のゲル濾過工程前の凍結乾燥品:遊離アミノ酸含量60%、全アミノ酸含量に対する芳香族アミノ酸含量10.2%)
【0026】
各ラットについて飼育開始3週間後に採血し、血清コレステロ−ル濃度、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度、血清中性脂肪濃度をそれぞれ測定した。尚、血清コレステロ−ル濃度はコレステロ−ルEテスト(和光純薬工業社製)を用いた酵素法により、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度はHDLコレステロ−ルEテスト(和光純薬工業社製)を用いた沈殿・酵素法により、血清中性脂肪濃度はトリグリセリドEテスト(和光純薬工業社製)を用いた酵素法により測定した。
【0027】
3)試験結果
この試験の結果は表2に示すとおりであり、表2の数値は各試験群の平均値±標準誤差で表示している。表2から明らかなように、低分子量ペプチド組成物を投与した第2群では、第1群、第3群に比較して、血清コレステロ−ル濃度を顕著に低下させ、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度を顕著に上昇させ、血清中性脂肪濃度には大きな相違は認められなかった。
【0028】
以上の結果から、本発明の血中コレステロ−ル低下剤が血中コレステロ−ル濃度低下および血中高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度上昇に有効であることが証明された。尚、原料蛋白質を乳清蛋白質、大豆蛋白質等に変更して同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0029】
【表1】
Figure 0003920933
【0030】
【表2】
Figure 0003920933
【0031】
試験例2
この試験は、非経口的に投与された本発明の血中コレステロ−ル低下剤の血中脂質に与える影響を調べるために行なった。
1)試験方法
体重約20gのICR系マウス(日本チャ−ルス・リバ−社から購入)7匹を1群として3群に分け、水、飼料を自由に摂取させ、各群のマウスに次の試料を日に1回、尾静脈より投与した。
第1群:生理食塩水0.2ml
第2群:実施例3と同一の方法により製造した低分子量ペプチド組成物10mg
を生理食塩水0.2mlに溶解した試料
第3群:実施例3と同一の方法により製造した低分子量ペプチド組成物とアミノ酸組成が同一のアミノ酸混合物10mgを生理食塩水0.2mlに溶解した試料
各マウスについて飼育開始3週間後に採血し、血清コレステロ−ル濃度、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度、血清中性脂肪濃度を、試験例1と同一の方法によりそれぞれ測定した。
【0032】
2)試験結果
この試験の結果は表3に示すとおりである。表3の数値は各試験群の平均値±標準偏差で表示している。表3から明らかなように、低分子量ペプチド組成物を投与した第2群では、第1群及び第3群に比較して、血清コレステロ−ル濃度が顕著に低下し、血清高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度、血清中性脂肪濃度には大きな相違は認められなかった。
【0033】
以上の結果から、本発明の血中コレステロ−ル低下剤が血中コレステロ−ル濃度低下に有効であることが証明された。尚、原料蛋白質を乳清蛋白質、大豆蛋白質等に変更して同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0034】
【表3】
Figure 0003920933
【0035】
試験例3
この試験は低分子量ペプチド組成物の急性毒性を調べるために行った。
1)試験方法
6週齢のCD(SD)系ラットの両性(日本チャ−ルス・リバ−社から購入)を、無作為にそれぞれ4群(1群5匹)に分けた。
実施例2と同一の方法により製造した低分子量ペプチド組成物を注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、体重1kg当り1000、2000、5000mgの割合で尾静脈より単回投与し、急性毒性を試験した。
【0036】
2)試験結果
この試験の結果は、表4に示すおりである。表4から明らかなように、実施例2の低分子量ペプチド組成物を投与した全例ともに死亡例は認められなかった。従って、低分子量ペプチド組成物のLD50は5000mg/kg体重以上であった。尚、低分子量ペプチド組成物の種類を変更して試験したが、同様の結果が得られた。
【0037】
【表4】
Figure 0003920933
【0038】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
市販カゼイン(ニュージーランド・デイリーボード製)20kgを10%の濃度で水に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.0に調整し、90℃で10分間加熱殺菌して45℃に冷却した。パンクレアチンF(天野製薬社製)1kg、プロテア−ゼN「アマノ」(天野製薬社製)200g及び乳酸菌由来のプロテア−ゼ(特公昭54−36234号公報第6欄13〜34行記載のA方法により調製)400gをカゼイン水溶液に添加し、45℃で24時間保持して加水分解した。のち90℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過して沈殿物を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約18kgを得た。
【0039】
この凍結乾燥品18kgを20%の濃度で水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−10(ファルマシア社製)カラム(100×120cm)に通液し、イオン交換水を使用し、流速1l/分で溶出し、溶出量200〜500lの分画を集め、凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約6kgを得た。
この低分子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であり、エライザ抑制試験による原料カゼインに比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量18.5%、芳香族アミノ酸含量0.5%であった。
前記と同様の方法により製造した低分子量ペプチド組成物5kgを温水50lに溶解し、この溶液にミネラルを添加し、混合し、120℃で3秒間加熱殺菌し、凍結乾燥し、粉砕し、粉末状経口用の血中コレステロ−ル低下剤約5kgを得た。
【0040】
実施例2
市販の乳清蛋白質粉末(ミライ社製)20kgを8%の濃度で脱イオン水に溶解し、フィルタ−濾過により除菌して45℃に調整し、5%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.3に維持しながらパンクレアチンF(天野製薬社製)を200gずつ30分間隔で6回添加し、15時間後にアクチナ−ゼAS(科研製薬社製)300gを添加し、更に5時間加水分解した。のち90℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過して沈殿物を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約16.5kgを得た。
【0041】
この凍結乾燥品15kgを20%の濃度で水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−25(ファルマシア社製)カラム(50×150cm)に通液し、12%エタノ−ルを使用し、流速は1l/分で溶出し、溶出量200〜500lの分画を集め、凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約4.5kgを得た。
この低分子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であり、エライザ抑制試験による原料乳清蛋白質に比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量19.4%、芳香族アミノ酸含量0.4%であった。
前記と同様の方法により製造した低分子量ペプチド組成物4.5kgを温水60lに溶解した。この溶液に市販の難消化性デキストリン(松谷化学工業社製)12.5kg、市販の植物性油脂(日本油脂社製)3kg、ビタミン、ミネラルを添加、混合し、均質化し、全量を100lに調整し、150℃で2秒間加熱殺菌し、液状経口用の血中コレステロ−ル低下剤約100lを得た。
【0042】
実施例3
市販カゼイン(ニュ−ジ−ランド・デイリ−ボ−ド製)20gを10%の濃度で水に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.0に調整し、90℃で10分間加熱殺菌して45℃に冷却した。パンクレアチンF(天野製薬社製)1g、プロテア−ゼN「アマノ」(天野製薬社製)0.2g、及び乳酸菌由来のプロテア−ゼ(特公昭54−36234号公報第6欄13〜34行記載のA方法により調製)0.4gをカゼイン水溶液に加え、45℃で24時間保持して加水分解した。のち90℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過により沈殿物を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約18gを得た。
【0043】
この凍結乾燥品18gを20%の濃度で水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−10(ファルマシア社製)カラム(10×12cm)に通液し、イオン交換水を使用し、流速10ml/分で溶出し、溶出量200〜500mlの分画を集め、分画分子量3000の限外濾過膜を装着したモジュ−ルを用いて平均圧力3kg/cm2 で限外濾過して透過液を回収し、無菌的に凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約6gを得た。
この低分子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であり、エライザ抑制試験による原料カゼインに比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量18.5%、芳香族アミノ酸含量0.5%であり、エンドトキシン含量1ng/g以下であった。
注射用生理食塩水(大塚製薬社製)1ml当りに、前記と同一の方法により製造した低分子量ペプチド組成物100mgの割合で溶解し、濾過滅菌し、常法により5mlずつバイアル瓶に充填し、注射用の血中コレステロ−ル低下剤を調製した。
【0044】
実施例4
市販の乳清蛋白質粉末(ミライ社製)20gを8%の濃度で脱イオン水に溶解し、フィルタ−濾過により除菌して45℃に調整し、5%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.3に維持しながらパンクレアチンF(天野製薬社製)を0.2gずつ30分間隔で6回添加し、15時間後にアクチナ−ゼAS(科研製薬社製)0.3gを加え、更に5時間加水分解した。のち90℃で5分間加熱して酵素を失活させ、濾過して沈殿物を除去し、凍結乾燥し、凍結乾燥品約16.5gを得た。
【0045】
この凍結乾燥品5gを20%の濃度で水に溶解し、不溶解物を除去し、セファデックスG−25(ファルマシア社製)カラム(5×15cm)に通液し、12%エタノ−ルを使用し、流速は10ml/分で溶出し、溶出量200〜500mlの分画を集め、アフィプレップポリミキシン(バイオ・ラッド社製)25mlを充填したカラムに通液してエンドトキシンを除去し、無菌的に凍結乾燥し、低分子量ペプチド組成物約1.5gを得た。
【0046】
この低分子量ペプチド組成物の分子量は1000以下であり、エライザ抑制試験による原料乳清蛋白質に比較した抗原性は10-6であり、遊離アミノ酸含量19.4%、芳香族アミノ酸含量0.4%であり、エンドトキシン含量1ng/g以下であった。
注射用水(大塚製薬社製)1ml当りに、前記実施例2と同一の方法で製造した低分子量ペプチド組成物10mg及びD−マンニット(和光純薬工業社製)49.5mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により10mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射用の血中コレステロ−ル低下剤を調製した。
【0047】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明は、血中コレステロ−ル低下剤に係るものであり、本発明によって奏せられる効果は次のとおりである。
(1)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を経口的に投与することにより、食物アレルギ−を惹起することなく血中コレステロ−ル濃度を低下させることができる。
(2)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を経口的に投与することにより、食物アレルギ−を惹起することなく血中高密度リポ蛋白質コレステロ−ル濃度を上昇させることができる。
(3)本発明の血中コレステロ−ル低下剤は、抗原性がなく、遊離アミノ酸含量が少なく風味が良好であり、また、吸収性も良いので、優れた蛋白質栄養源として利用することができる。
(4)本発明の血中コレステロ−ル低下剤を非経口的に投与することにより、経口的投与よりも少量で血中コレステロール濃度を低下させることができる。
(5)本発明の血中コレステロ−ル低下剤に含有される低分子量ペプチド組成物は、実質的に抗原性がなく、また、天然に存在する蛋白質の分解物の一部分であるので、毒性及び副作用が少ない。

Claims (2)

  1. 出発物質として、カゼイン又は乳清蛋白質を使用して蛋白質分解酵素で加水分解して得られる低分子量ペプチド組成物において、次のa)〜d)の理化学的性質;
    a)ペプチドの分子量が1000以下であること、
    b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性が原料蛋白質に比較して10−6以下であること、
    c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であること、
    d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%(重量)以下であること、
    を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有し、血中コレステロール濃度低下作用及び食物アレルギーを惹起することなく血中高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度を上昇させる作用を有することを特徴とする経口用の血中コレステロ−ル低下剤。
  2. 出発物質として、カゼイン又は乳清蛋白質を使用して蛋白質分解酵素で加水分解して得られる低分子量ペプチド組成物において、次のa)〜e)の理化学的性質;
    a)ペプチドの分子量が1000以下であること、
    b)エライザ(ELISA)抑制試験により測定した抗原性が原料蛋白質に比較して10−6以下であること、
    c)遊離アミノ酸含量が20%(重量)以下であること、
    d)組成物中の芳香族アミノ酸含量が全アミノ酸含量の1.0%(重量)以下であること、
    e)エンドトキシン含量が1ng/g以下であること、
    を有する低分子量ペプチド組成物を有効成分として含有し、経口的投与よりも少量で血中コレステロール濃度を低下させる作用を有することを特徴とする非経口用の血中コレステロ−ル低下剤。
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