JP3595852B2 - 経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品 - Google Patents

経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品に関する。より詳細には、変性させたII型コラーゲンを含有し、慢性関節リウマチの治療・予防に有用な薬剤及び機能性食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
慢性関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis, 以下、RAという)は罹患患者の多い慢性疾患の一つであり、結合組織に炎症をきたす全身的な疾患である。当該疾患は、主に関節の滑膜に非特異的炎症を起し、全身の多発性関節炎の病像を呈し、軟骨や骨の損傷をきたす。
RAの発病メカニズムは充分に解析されていないが、リンパ球抗原(HLA)−DR4が関係し、活性化T細胞が関与する自己免疫疾患であると考えられている(Lancet 341, 283, 1993)。II型コラーゲンが軟骨中の主要構造蛋白であることや実験動物にII型コラーゲンを投与するとリウマチ関節炎と形態的に類似した症状を起すことから、II型コラーゲンが本疾患の自己抗原の一つであると考えられている(J. Exp. Med. 146, 857, 1977; Lab. Invest. 54, 26, 1986)。
RAに対する治療剤としては、抗リウマチ剤(金塩製剤、D−ペニシラミン等)、非ステロイド剤、免疫抑制剤などが汎用されているが、これらの薬剤の投与により十分な効果が得られないようなときには、強い抗炎症作用と免疫抑制作用を有しているステロイド剤が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の薬剤によるRAの治療は対症療法的であり、根治的な治療法とはいえない。また、ステロイド剤は重篤な副作用を引き起こすおそれがあるので、その使用に際しては十分な注意をはらい、常に減量や使用中止を考慮する必要性のあることが指摘されている。最も望ましいRAの治療法は、疾患特異的なメカニズムに基づいて関節の炎症を軽減することであり、使用される薬剤は毒性のないことが望ましい。
このような観点から、免疫寛容に基づくRAの治療法が注目されている。免疫寛容とは、ある条件下に抗原で動物を処理しておくと、次にこの抗原で適切な免疫操作を行っても、抗体産生などの免疫応答が起こらない現象であり、免疫寛容を導く物質は免疫寛容原と称される。免疫寛容によるRAの治療法としては、II型コラーゲン又はその部分配列を有するペプチドを免疫寛容原として用い、このぺプチドを新生児ラットに静脈ないし腹腔内投与すると、RAの発症を抑制することができることが報告されている(J. Exp. Med. 170, 1999, 1989; J. Immunology 151, 500, 1993)。
【0004】
上記の方法においては、免疫寛容原は静脈ないし腹腔内投与されているが、静脈ないし腹腔内投与による免疫寛容原の投与は煩雑であるのみならず、免疫寛容原のペプチドをRA患者に連続的に静脈ないし腹腔内投与する場合には、RA患者に重篤なアレルギー反応やショックなどを引き起こすことも想定される。そこで、より簡便で且つ安全な投与方法によるRAの治療法が望まれている。
また、医薬品としてのみならず、日常的な食物の摂取を通してRAの治療・予防を図ることができればより好ましく、RAの治療・予防を目的とする機能性食品も求められている。
このような観点から、安全性が高く且つ簡便な投与方法によるRAの治療法が切望されており、経口免疫寛容によるRAの予防・治療が検討されている。経口免疫寛容、ひろくは粘膜免疫寛容は、抗原が経口的に腸管等の粘膜を通って入った場合、その抗原に対して全身の免疫応答が失われる現象であり、経口免疫寛容においては、抗原が経口的に腸管等の粘膜を通じて吸収されるとき、パイエル板、腸管上皮細胞及びこれと隣接するリンパ球、門脈、肝臓などのいろいろの器官と機能による作用を受けるので、アレルギー反応やショックなどを引き起こすことが少なく、アレルギーや臓器移植における免疫抑制療法として試みられている。 また、抗原が経鼻的に投与された場合にも、上記のような消化管粘膜を通じた吸収とともに、気道または肺などの粘膜を通じて吸収がなされるので、その抗原に対しての全身性免疫応答が失われる免疫寛容現象が生じる。
【0005】
経口免疫寛容によるRAの予防に関して、ウシ関節由来未変性II型コラーゲンを経口投与(胃内投与)されたマウスにおいて、コラーゲン誘導性関節炎(CIA)の発症が抑制されたことが報告されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83, 7443, 1986)。しかし、この報文では、加熱変性されたII型コラーゲンでは、CIA発症の抑制効果は認められなかったことが記載されている。また、II型コラーゲンの経口免疫寛容原性に関し、加熱処理することにより、免疫原性(抗原性又はアレルギー発症能)を低下させることができるが、免疫寛容原性は未変性のものと同程度か又はそれより低下することが報告されている(J. Clin. Invest., 69, 673−683, 1982; J. Immun., 140, 1477−1484, 1988)。
【0006】
本発明者等はこの経口免疫寛容に注目し、鋭意研究を重ね、II型コラーゲンの加熱変性条件を検討してきた。その結果、上記の報文の記載に反し、熱変性II型コラーゲンは経口免疫寛容原として有用であり、RAの発症を抑制できることを見出した。即ち、上記文献に記載の熱変性条件ではコラーゲンの熱変性が不十分であり、更に過酷な条件で熱変性して調製したII型コラーゲンは未変性II型コラーゲンより高い経口免疫寛容原性を有することが判明した。
また、トリプシンでII型コラーゲンを処理し、得られたII型コラーゲンの変性物(断片化物)が未変性II型コラーゲンより高い経口免疫寛容原性を有することが判明した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、RAの予防・治療に有用な経口薬剤及び機能性食品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、
(1)酸性もしくはアルカリ性条件下に熱変性させたII型コラーゲン又はトリプシンで変性させたII型コラーゲンを有効成分として含有する経口(経鼻、経腸及び経粘膜を含む)慢性関節リウマチ治療剤;
(2)熱変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを60℃以上で且つ10分間以上の熱変性を行って得たものである上記(1)記載の経口慢性関節リウマチ治療剤;
(3)トリプシンで変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを30℃以上で且つ10分間以上加温して、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解き、その後に、トリプシンを作用させて得たものである上記(1)記載の経口慢性関節リウマチ治療剤;
(4)II型コラーゲンが、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ヒト、サル、ウサギ、マウス、ラット等の哺乳類、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウ等の鳥類、カメ、ヘビ等の爬虫類、マグロ、カツオ、サケ、サメ、エイ等の魚類由来である上記(1)〜(3)の何れかに記載の経口慢性関節リウマチ治療剤;
(5)酸性もしくはアルカリ性条件下に熱変性させたII型コラーゲン又はトリプシンで変性させたII型コラーゲンを含有する機能性食品;
(6)熱変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを60℃以上で且つ10分間以上の熱変性を行って得たものであり;またトリプシンで変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを30℃以上で且つ10分間以上加温して、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解き、その後に、トリプシンを作用させて得たものである上記(5)記載の機能性食品;
である。
なお、本発明においては、便宜上、「経口」には、通常の経口の他、経鼻、経腸及び経粘膜も含まれるものとする。
【0008】
本発明の経口慢性関節リウマチ治療剤及び機能性食品は、熱変性させたII型コラーゲン又はトリプシンで変性させたII型コラーゲンを含有することからなる。
一般に、コラーゲン分子は、−Gly−X−Y−(X及びYはアミノ酸残基)の繰り返しからなるアミノ酸約1000残基(分子量約10万)のポリペプチド鎖(α鎖)が3本撚り合わされてできている。現在までに発見されているコラーゲン分子の種類は19種(I型〜XIX型)あり、その内、II型コラーゲンは3本のα1(II)型ポリペプチド鎖で構成され、関節軟骨、椎間板髄核、眼ガラス体などに多く含まれている。
【0009】
本発明において、原料となるII型コラーゲンの精製・単離は慣用の方法に準じて行うことができ、例えば、II型コラーゲンを含有する生体組織を、ペプシン、プロナーゼなどの蛋白分解酵素を用いて限定分解し、塩分別沈殿法などで精製することにより調製することができる(J. Exp. Med. 146, 857−868, 1977; Arthrilis Rheum. 22, 1344, 1979; J. Immunol. 124, 2912, 1980など参照)。また、既に市販されているII型コラーゲンを用いることもできる。II型コラーゲンの由来は特に限定されず、例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ヒト、サル、ウサギ、マウス、ラット等の哺乳類、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウ等の鳥類、カメ、ヘビ等の爬虫類、マグロ、カツオ、サケ、サメ、エイ等の魚類など由来のコラーゲンが例示される。
更には、上記の各種動物のII型コラーゲンのアミノ酸配列に関する知見に基づいて化学合成されたII型コラーゲン、又は遺伝子組換技術により作製されたII型コラーゲンを用いることもできる。
【0010】
本発明における熱変性II型コラーゲンは、酸性条件下又はアルカリ性条件下にII型コラーゲンを熱変性することにより調製される。後記実験例に示されるように、かかる熱変性によりII型コラーゲンは断片化される。
熱変性条件は、加熱温度及び加熱時間により適宜調整し得るが、通常、60℃以上で且つ10分間以上の条件が適用され、好ましくは65℃以上で15分間以上、より好ましくはオートクレーブ処理(例えば、121℃、15分間程度)が利用される。
【0011】
酸性条件としては、例えば、クエン酸、酢酸、塩酸などの有機又は無機酸類を用いた溶液が例示され、好ましいpH範囲としては5.5以下、より好ましくは2.0〜4.5が例示される。アルカリ性条件としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどの無機又は有機塩基を用いた溶液が例示され、好ましいpH範囲としては9.5以上、より好ましくは10.0〜12.0が例示される。
【0012】
好ましい熱変性条件としては、II型コラーゲンの無機酸又は有機酸水溶液を、65℃以上、好ましくは100℃程度で、15分間以上、好ましくは20分間程度加熱するか;オートクレーブを用いて、110℃程度で30分間以上、好ましくは2〜10時間程度加熱するか、120℃程度で15分間以上、好ましくは20分間加熱する方法が挙げられる。
なお、後記実験例に示されるように、かかる熱変性II型コラーゲンは、II型コラーゲンα1鎖より低分子量の限定分解物を含有している。
【0013】
本発明における他の変性II型コラーゲンは、トリプシンで変性(断片化)させたII型コラーゲンである。
アミノ酸配列を特異的に認識する薬剤で変性(断片化)する手段としては、種々の物質及びその切断部位が知られており、それら変性薬剤の市販品を利用することができる。その一例を示せば、次のとおりである(なお、切断部位は↓で示す)。化学薬剤としては、ヒドロキシルアミン:Asn↓Gly、蟻酸:Asp↓Pro、酢酸:Asp↓Pro、BNPS−スカトール:Trp↓、o−ヨードソベンゾ酢酸:Trp↓などが例示できる。酵素としては、キモトリプシン:Trp↓及びTyr↓及びPhe↓、コラゲナーゼ:Pro−X↓Gly−Pro、エンドプロテナーゼLys−C:Lys↓、トロンビン:Arg−Gly−Pro−Arg↓、トリプシン:Arg↓及びLys↓などが例示できる。
なお、これらの薬剤は単独または2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記の薬剤の使用は常法に準じて行うことができ、また使用量、反応温度等の条件も常法に準じて適宜設定することができるが、II型コラーゲンを30℃以上で且つ10分間以上加温して、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解き、その後に上記の薬剤を作用させるのが好ましい。
更に、変性(断片化)後に使用した薬剤を除去又は失活させる場合、当該方法は当業者に周知の方法で行うことができ、例えば、加熱、透析、限外濾過、イオン交換体処理、pH調整などが例示される。
【0014】
かくして熱変性されたII型コラーゲン又はアミノ酸配列を特異的に認識する薬剤で変性させたII型コラーゲン(以下、便宜上、これらを合わせて、変性II型コラーゲンという)は、そのまま本発明の治療剤又は機能性食品に利用することができ、また慣用のペプチド精製法(例えば、塩析、透析、ゲル濾過、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィ等)を用いて精製した後に使用してもよい。また、凍結乾燥などの手段により粉末化して使用してもよい。
【0015】
上記の変性II型コラーゲンは、免疫原性が低減されていると共に、未変性のII型コラーゲンに比べて免疫寛容原性が向上しているという特長を有する。更に、生体成分であるII型コラーゲンの変性物であることから、安全性が高いと推定される。これらの点については、後記の実験例に示されるように、変性II型コラーゲンを経鼻投与したマウスを未変性II型コラーゲンで免疫しても、CIAの発症率、発症指数及び発症足の割合の上昇が著しく抑制・遅延された。
【0016】
また、200μgのような高投与量で熱変性II型コラーゲンを経鼻投与した場合、抗原特異的抗体(IgG1、IgG2a及びIgG2b)の産生は抑制されていると共に、炎症性のサイトカインであるIFN−γの産生も抑制されていた。このような現象は、アナジー(anergy)又はクローン麻痺として知られている。
また、熱変性II型コラーゲンの0.2(又は2もしくは20)μgという少量を吸入させた場合、IgG1の産生は維持されているが、炎症反応と関係があるとされているIgG2a及びIgG2bの産生が抑制されていた。更に、抗炎症性のサイトカインであるIL−10の産生が増強されていた。このような状態は、アクティブ・又はバイスタンダー・サプレッションとして知られている。
更に、本発明者等は、本発明の変性II型コラーゲンは、加熱処理や薬剤処理により低分子量化すると共にII型コラーゲン分子の螺旋型立体構造が崩壊した構造を有すると考えている。Bリンパ球によって造られる抗体は、II型コラーゲンの螺旋状の立体構造を認識して結合するので、本発明者等は、螺旋構造を破壊した変性II型コラーゲンは、未変性II型コラーゲンに比べて副作用などが少なく、安全であると考えている。
【0017】
なお、II型コラーゲンの変性方法は上記の例に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。例えば、製造工程上で加熱殺菌を必要とする製品(例えば、食肉加工食品、水産加工食品等の食品、牛乳等の乳製品、果汁、茶等の飲料、液状医薬品、経腸輸液等の医薬品など)において、原料に未変性II型コラーゲンを添加し、加熱処理により熱変性II型コラーゲンを生成させることにより、製品中に熱変性II型コラーゲンを含有させてもよい。また、II型コラーゲンを含有する原材料(例えば、家畜などの関節軟骨等)から、熱水抽出法により熱変性II型コラーゲン含有物(例えば、スープ等)を調製することもできる。
【0018】
本発明のRA治療剤は、上記の変性II型コラーゲンを有効成分とするものであり、RAの治療・予防を目的として経口投与(経鼻投与、経腸投与及び経粘膜投与をも含む)される。
投与に際しては、有効成分を経口投与に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与され、このような製剤としては、例えば、経口剤(例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤など)、吸入剤、坐薬、経腸輸液等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。
本発明のRA治療剤において、有効成分の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・決定されるが、例えば、1日当り0.05μg〜5g/kg体重程度とされ、1日数回に分けて投与してもよい。
【0019】
また、本発明の機能性食品は、前記の変性II型コラーゲンを含有することからなり、そのまま、又は種々の栄養分を加えて、若しくは飲食品中に含有せしめて、RAの治療及び予防に有用な機能性食品(又は食品素材)として食される。例えば、上述した適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に成形して食用に供してもよく、また種々の食品(例えば、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工食品、パン、バター、粉乳など)に添加して使用されたり、水、果汁、牛乳、清涼飲料等の飲物に添加して使用してもよい。
かかる機能性食品の形態における変性II型コラーゲンの摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により、適宜選択・決定され、例えば、1日当り0.05μg〜5g/kg体重程度とされるが、変性II型コラーゲンは多量に摂取しても生体に悪影響を与えない利点を有することから、それ以上の量を摂取してもよい。
【0020】
【発明の効果】
前述のように、RAの発病メカニズムはII型コラーゲンを抗原とする自己免疫疾患であると考えられいる。本発明で用いられる変性II型コラーゲンは、高い経口免疫寛容原性を有するので、本発明の治療剤を投与又は本発明の機能性食品を摂取することにより、免疫応答が抑制され、RAの治療及び予防を行うことができる。従って、本発明によれば、RAの予防を図ることができると共に既に発病しているRAの治療に利用することができる。更に、経口投与(経鼻投与、経腸投与及び経粘膜投与をも含む)や経口摂取によりRAの治療・予防を図ることができ、簡便性且つ安全性に優れる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例及び実験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実験例1
熱変性コラーゲンの調製
ウシ由来II型コラーゲンのクエン酸溶液(pH3.0)を、65℃で15分間の加熱又はオートクレーブ中で加熱(121℃、15分間)して変性させ、変性コラーゲンを得た。
以下、便宜上、65℃で15分間変性させたII型コラーゲンを「変性コラーゲンA」と、オートクレーブ(121℃、15分間)で変性させたII型コラーゲンを「変性コラーゲンB」と称する。
【0022】
実験例2
アミノ酸配列を特異的に認識する薬剤で処理することによる変性(断片化) II 型コラーゲンの調製
ウシ由来II型コラーゲンを0.1M炭酸アンモニウム溶液に分散させ(濃度;1mg/ml)、50℃で30分間加熱した。これにトリプシン(TPCK−Trypsin、Sigma社製)を加え(II型コラーゲンに対して2%)、37℃1時間作用させた。そして、12N HClを添加してpH3.0に調整し、4℃にて1晩放置して酵素反応を停止させた。その後に、限外濾過(Centriprep3、アミコン社製)を行い、II型コラーゲンの未切断物及びトリプシンを取り除いて、酵素で変性(断片化)したII型コラーゲンを調製した。以下、便宜上、上記に準じてトリプシンで変性したII型コラーゲンを「変性コラーゲンC」と称する。
【0023】
実験例3
CIA(コラーゲン誘導性関節炎)発症抑制試験(1)
▲1▼方法
DBA/1系マウスに免疫7日前にウシ由来変性コラーゲンA、B及びCの10mMクエン酸溶液(コラーゲン含量:200μg)を鼻腔より麻酔下にて吸入させた。0日目に未変性II型コラーゲンとフロインド完全アジュバントで免疫し、更に21日目に未変性II型コラーゲンとフロインド不完全アジュバントで追加免疫して、CIAを発症させた。なお、比較例及び対照として、上記の変性コラーゲンに代えて、未変性II型コラーゲン200μg(比較例)、10mMクエン酸(対照)を吸入させた。
▲2▼結果
各群のCIA発症日数を比較し、Mann−Whitney u検定を行った。その結果を表1に示す。表1に示されるように、未変性II型コラーゲンでは免疫寛容現象は認められないが、変性コラーゲンA、B及びCにおいてはCIAの発症が遅延し、明確な免疫寛容が認められた。また、オートクレーブを用いて過酷な条件下に変性を施された変性コラーゲンBの方が、また50℃で30分間加温し、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解きほぐした後に、アミノ酸配列のうちアルギニン及びリジンのC末端を特異的に認識し、切断するトリプシンを作用させて得られた変性コラーゲンCの方が、変性コラーゲンAよりも免疫寛容原性は強いことが判明した。
【0024】
【表1】
Figure 0003595852
【0025】
実験例4
CIA発症抑制試験(2)
▲1▼方法
DBA/1系マウスに免疫31日前から1日前までトリ由来変性コラーゲンA及びBの凍結乾燥粉末を餌と混合(4%)して給餌した。CIAの発症は実験例2と同様な方法で行った。なお、比較例及び対照として、上記コラーゲンに代えて、未変性II型コラーゲン(比較例)及びカゼイン(対照)を同量餌に混合して給餌した。
▲2▼結果
各群のCIA発症率(%)を観察日ごとに比較し、Mann−Whitney u検定を行った。その結果を図1に示す。なお、CIA発症率(%)は、各マウスの四肢において、少なくとも関節炎評価1以上の肢を一つでも認めるとき、これを関節炎マウスとみなし、この関節炎マウス匹数を各群マウス匹数で割ったものをCIA発症率(%)とした。
図1に示されるように、未変性II型コラーゲン、変性コラーゲンA及びBにおいて有意(p<0.01)にCIAの発症が抑制され、明確な免疫寛容が認められた。また、未変性II型コラーゲンよりも変性コラーゲンAの方が免疫寛容原性は強く、更にオートクレーブを用いて過酷な条件下に変性を施された変性コラーゲンBの方が変性コラーゲンAよりも免疫寛容原性が強いことが判明した。
【0026】
実験例5
変性 II 型コラーゲン経鼻投与によるCIA発症抑制試験(投与量の影響)
▲1▼方法
DBA/1系マウスに免疫7日前にウシ由来変性コラーゲンBの0.2、2、20及び200μg(何れも10mMクエン酸溶液)を鼻腔より麻酔下にて吸入投与した。0日目に未変性II型コラーゲン(200μg)とフロインド完全アジュバント(DIFCO製)で免疫し、更に21日目に未変性II型コラーゲン(200μg)とフロインド不完全アジュバント(DIFCO製)で追加免疫して、その日以降のCIA発症の様子を観察した。なお、対照として、上記の変性コラーゲンBに代えて、10mMクエン酸のみを吸入させた。
【0027】
▲2▼結果
試験結果を図2及び図3に示す。図2は発症指数の変化を示し、ここで発症指数とは、関節炎の症状(足の腫れ)を常法に従って各足ごとに0〜3までの評点で評価し、各マウスについて4足の評点を合計して合計点を求め、各マウスの合計点の平均値をとったものである。また、図3は発症足の割合(%)であり、関節炎を発症した足を合計し、全体の足の数で除して得た割合である。
図2及び図3に示されるように、対照(即ち、変性コラーゲンBを事前に経鼻投与せずに、0日目及び21日目に未変性II型コラーゲンで免疫した試験群)では、追加免疫直後から経時的にCIAの発症指数及び発症足の割合が上昇した。
それに対して、変性コラーゲンBを200μg吸入させた場合には、対照に比べて明らかに、CIAの発症指数及び発症足の割合の上昇は著しく抑制、遅延された。この抑制傾向は、20及び2μgの変性コラーゲンBを吸入させた場合にも、用量依存的に認められた。
また、0.2μgの変性コラーゲンBを吸入させた場合には、200μgを吸入させた場合と同程度に、CIAの発症指数及び発症足の割合の上昇が著しく抑制、遅延された。
【0028】
実験例6
変性 II 型コラーゲン経鼻投与が血清中の抗 II 型コラーゲン抗体価(サブクラス)に及ぼす影響
本試験では、変性II型コラーゲン経鼻投与が抗体(サブクラス)プロファイルに及ぼす影響を調べた。即ち、IgGのサブクラスIgG2aとIgG2bはそれぞれ炎症反応に不可欠な補体との結合能があるので、関節炎の症状と関係があるとされている。
また、IgG2aの産生は、関節炎発症中の関節滑膜中に多く存在するT細胞(Th1タイプ)の産生するIFN−γとも密接な関係がある。すなわち、特定の抗原に対する血清中のIgG2a産生量の低下は、当該抗原に対するTh1タイプの反応が全身性に低下していることを示唆するものと考えられている。
【0029】
▲1▼方法
供試血清の採取
上記実施例5の実験に平行して、免疫後28日目(即ち、追加免疫後7日目)に試験マウス及び対照マウスから採血し、血清を採取した後、下記の方法で抗II型コラーゲン抗体価(サブクラス)を測定した。
ELISAによるIgGサブクラスの測定
プレート(Maxisorp、NUNC製)に未変性II型コラーゲン(5μg/ウエル)を吸着させ、PBS−Tweenで洗浄した後に、適宜希釈したマウスの血清を加えた。PBS−Tweenで洗浄し、その後にアルカリフォスファターゼ標識したウサギ抗マウス抗体(抗マウスIgG1、抗マウスIgG2a、又は抗マウスIgG2b、何れもZYMED製)を加えた。PBS−Tweenで洗浄し、その後に基質溶液(パラニトロフェノール2リン酸、東京化成製)を加えた。30分間放置後、5N NaOHを加えて、反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定した。
その結果を図4に示す。
【0030】
▲2▼結果
対照(即ち、変性コラーゲンBを事前に経鼻投与せずに、0日目及び21日目にII型コラーゲンで免疫した試験群)では、IgG1、IgG2a及びIgG2bが産生されていた。その結果は、図2及び3に示すCIAの発症指数及び発症足の割合の上昇と対応していた。
それに対して、変性コラーゲンB 200μgを吸入させた場合には、対照に比べて明らかに、IgG1、IgG2a及びIgG2bの産生が抑制されていた。その結果は、図2及び3に示すCIAの発症指数及び発症足の割合の上昇の抑制と対応していた。
また、変性コラーゲンB 20、2又は0.2μgを吸入させた場合には、対照に比べて、IgG1の産生は抑制されていなかった。一方、IgG2a及びIgG2bの産生は、対照に比べて抑制されていた。特に、0.2μgを吸入させた場合のIgG2a及びIgG2bの産生の抑制の程度は、200μgを吸入させた場合と同程度であり、図2及び3に示すCIAの発症指数及び発症足の割合の上昇の抑制と対応していた。
これらのことから、変性コラーゲンBの20、2又は0.2μg(特に、0.2μg)の投与は、補体との結合能から、関節炎の症状に関与するとされるIgG2a及びIgG2bの産生を抑制するという効果を奏する。さらには、変性コラーゲンBの20、2又は0.2μgの投与は、IgG1の産生能自体は抑制しないので、外来異物を認識し排除する機能を有する抗体産生能自体を抑制することはないという効果を奏する。
【0031】
実験例7
変性 II 型コラーゲンを経鼻投与したマウスより分離したリンパ球の産生するサイトカイン(変性 II 型コラーゲン刺激の影響)
本試験では、炎症と関連するとして知られているサイトカイン(IFN−γとIL−10)を測定し、変性II型コラーゲン刺激の影響を調べた。
なお、TGF−βやIL−10は抗炎症性(抑制性)のサイトカインとして知られており、実際のRAにおいても重要な免疫学的調節機能を果たすとも報告されている(J. Exp. Med. 179, 15617−15627, 1994)。
【0032】
▲1▼方法
リンパ球の分離と培養
前記実験例5の実験と同様に、DBA/1系マウスに免疫7日前にウシ由来変性コラーゲンBの0、0.002、0.02、0.2、2、20及び200μgを鼻腔より麻酔下にて吸入させた。そして、0日目に未変性II型コラーゲン(100μg)とフロインド完全アジュバント(DIFCO製)をマウス足蹠部に免疫した。
そして、10日目に、膝下リンパ節を摘出し単一細胞懸濁液を調製し、96穴プレート(FALCON製)に播腫した(1×10/ウエル)。各ウエルに無血清培地(X−vivo20、BIOWHITTAKER製)を加え、さらにII型コラーゲン(最終濃度;500μg/ml)を加え、5%CO条件下で3日間培養し、培養上清を得た。
同様に、II型コラーゲンを添加せずに培養し、又はII型コラーゲンを添加せずにコンカナバリンA(最終濃度;5μg/ml)を添加して培養し、それぞれの培養上清を得た。なお、コンカナバリンAはT細胞のマイトージェンであり、全てのT細胞に抗原非特異的に刺激を与えるため、陽性対照として用いた。
【0033】
サンドイッチELISAによるサイトカインの測定
プレート(Maxisorp、NUNC製)に抗マウスサイトカイン・ラット単クローン抗体(抗マウスIL−10抗体:JES5−2A5、抗マウスIFN−γ抗体:RA−6A2、いずれもPHARMINGEN製)をコーティング(50μl/ウエル)し、PBS−Tweenにて洗浄し、3%BSA加PBS−Tweenにてブロックした。そして、適宜希釈した上記の培養上清を加えた。
PBS−Tweenにて洗浄した後に、ビオチン標識した抗マウスサイトカイン・ラット単クローン抗体(抗マウスIL−10抗体:SXC−1、抗マウスIFN−γ抗体:XMG1.2、いずれもPHARMINGEN製)を加えた。
PBS−Tweenで洗浄した後に、アビジン化アルカリフォスファターゼ(ZYMED製)を加えた。更にPBS−Tweenで洗浄し、その後に基質溶液(パラニトロフェノール2リン酸、東京化成製)を加えた。60分間放置後、5N NaOHを加えて、反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定し、IFN−γ又はIL−10の産生量を測定した。対照(変性コラーゲンB投与量0)に対するIFN−γ又はIL−10の産生量の傾向を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003595852
【0035】
▲2▼結果
培地にコンカナバリンAを添加した場合(陽性対照)には、マウスより採取したリンパ球の均一な増殖が観察された。一方、II型コラーゲンを培地に添加した場合には、コラーゲンに反応するリンパ球がコロニーを形成して増殖した。このコラーゲン反応性のリンパ球におけるサイトカイン産生を測定したところ、次のような結果が得られた。
IFN−γについては、変性コラーゲンBの200μgを吸入させたマウスより採取したリンパ球をII型コラーゲンとともに培養した場合には、変性コラーゲンBを吸入させなかったマウス(対照)より採取したリンパ球を同様に培養した場合に比べて、炎症を増悪させるIFN−γの産生が抑制されていた。
IL−10については、変性コラーゲンBの0.002、0.02、0.2又は2μgを吸入させたマウスより採取したリンパ球をII型コラーゲンとともに培養した場合には、変性コラーゲンBを吸入させなかったマウス(対照)より採取したリンパ球を同様に培養した場合に比べ、抗炎症作用を有するIL−10の産生が促進されていた。特に、変性コラーゲンBの0.2又は0.02μgを吸入させたマウスより採取したリンパ球をII型コラーゲンとともに培養した場合には、IL−10の産生が促進されていた。
【0036】
実験例8
熱変性物の検討
熱変性物の性状を検討するために、10mMクエン酸水溶液(pH3.0)に、トリ由来II型コラーゲンを0.1、0.3及び1.0%となるように溶解し、65℃20分間、100℃20分間及びオートクレーブ(120℃20分間)の加熱変性を行い、得られた変性液を電気泳動に付した。その結果を図5に示す。図5において、Aはオートクレーブ(120℃20分間)処理コラーゲン、Bは100℃20分間処理コラーゲン、Cは65℃20分間処理コラーゲン、Dは未変性のコラーゲンを示し、各サンプルの3つのレーンは左側から0.1、0.3及び1.0%のコラーゲン濃度である。また、左右両端のレーンは分子量マーカーである。
図5に示されるように、未変性II型コラーゲンはα1鎖(MW:100,000)のみから構成されているが、加熱変性により低分子量成分が増加し、100℃20分間及びオートクレーブ(120℃20分間)の加熱変性を行った場合には、α1鎖は消失していた。このことから、限定分解された低分子成分が免疫寛容原として作用していることが示唆された。
ウシ由来II型コラーゲンについて、同様な実験を行ったところ、図5と同様な電気泳動パターンが得られた。
また、ウシ由来変性コラーゲンCについて、同様な電気泳動実験を行ったところ、αl鎖が消失するとともに、オートクレーブ(120℃、20分間)処理物よりも更に低分子化され、分子量10,000以下の成分として検出された。このことから、限定分解された低分子成分が免疫寛容原として作用していることが示唆された。
【0037】
実験例9
実験例1におけるクエン酸溶液に代えて水酸化ナトリウム溶液(pH11.0)を用いる以外は実験例1と同様にして熱変性を行い、熱変性II型コラーゲンを調製した。
【0038】
実施例1
ウシ由来変性コラーゲンA 0.5mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
コーンスターチ 20 mg
乳糖 174.5mg
常法に準じ、上記の組成からなる混合物を、打錠成型し、錠剤を得た。
【0039】
実施例2
ニワトリ由来変性コラーゲンB 0.5mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
乳糖 194.5mg
常法に準じ、上記の組成からなる混合物を、ゼラチン硬カプセルに充填し、カプセル剤を得た。
【0040】
実施例3
ウシ由来変性コラーゲンC 0.5mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
乳糖 194.5mg
常法に準じ、上記の組成からなる混合物を、ゼラチン硬カプセルに充填し、カプセル剤を得た。
【0041】
実施例4
天然果汁(濃縮果汁還元)に、ウシ由来変性コラーゲンBを天然果汁200ml当り0.5mgの割合で混合した後、常法に準じて殺菌し、アセプティック包装して、果汁製品を得た。
【0042】
実施例5
ウインナソーセージ用練り肉に、ウシ由来変性コラーゲンBを当該練り肉15g当り30μgの割合で混合した後、常法に準じてソーセージケーシングに充填し、燻煙し、殺菌し、冷却後に包装し、ウインナソーセージを得た。
【0043】
実施例6
ウシ由来変性コラーゲンBに代えて、ウシ由来変性コラーゲンCを用いる以外は実施例4と同様にしてウインナソーセージを得た。
【0044】
実施例7
ニワトリ胸骨軟骨(通称、ヤゲン軟骨)150gに水1000mlを加え、タマネギ、ニンジン、パセリ、セロリ、ショウガなどの香味野菜、及び粒コショウを加えて、煮立て、弱火にて3時間加熱した。冷却後、ストレーナーで濾過し、塩、コショウで調味し、トリスープを得た。
なお、同スープについて、電気泳動実験を行ったところ、図5のBと同様の泳動像が観察された。また、抗トリII型コラーゲン・ウサギ抗体を用いて、ウエスタン ブロッティング実験を行ったところ、染色像が観察された。これらのことから、当該トリスープ中には、変性II型コラーゲンが含有されていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例4におけるCIAの発症率を示す図である。
【図2】実験例5におけるCIAの発症指数を示す図である。
【図3】実験例5におけるCIAの発症足の割合を示す図である。
【図4】実験例6における、II型コラーゲンに対する抗体のサブクラス別の抗体産生量を示す図である。
【図5】実験例8におけるII型コラーゲン熱変性物の電気泳動写真である。

Claims (6)

  1. 酸性もしくはアルカリ性条件下に熱変性させたII型コラーゲン又はトリプシンで変性させたII型コラーゲンを有効成分として含有する経口(経鼻、経腸及び経粘膜を含む)慢性関節リウマチ治療剤。
  2. 熱変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを60℃以上で且つ10分間以上の熱変性を行って得たものである請求項1記載の経口慢性関節リウマチ治療剤。
  3. トリプシンで変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを30℃以上で且つ10分間以上加温して、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解き、その後に、トリプシンを作用させて得たものである請求項1記載の経口慢性関節リウマチ治療剤。
  4. II型コラーゲンが、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ヒト、サル、ウサギ、マウス、ラット等の哺乳類、ニワトリ、シチメンチョウ、ダチョウ等の鳥類、カメ、ヘビ等の爬虫類、マグロ、カツオ、サケ、サメ、エイ等の魚類由来である請求項1〜3の何れかに記載の経口慢性関節リウマチ治療剤。
  5. 酸性もしくはアルカリ性条件下に熱変性させたII型コラーゲン又はトリプシンで変性させたII型コラーゲンを含有する機能性食品。
  6. 熱変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを60℃以上で且つ10分間以上の熱変性を行って得たものであり;またトリプシンで変性させたII型コラーゲンが、II型コラーゲンを30℃以上で且つ10分間以上加温して、α1(II)型ポリペプチド鎖の3本が撚り合わさってなるII型コラーゲンの螺旋状の立体構造を解き、その後に、トリプシンを作用させて得たものである請求項5記載の機能性食品。
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