JPH1059864A - 経口がん転移抑制剤 - Google Patents

経口がん転移抑制剤

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JPH1059864A
JPH1059864A JP8233652A JP23365296A JPH1059864A JP H1059864 A JPH1059864 A JP H1059864A JP 8233652 A JP8233652 A JP 8233652A JP 23365296 A JP23365296 A JP 23365296A JP H1059864 A JPH1059864 A JP H1059864A
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peptide
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hydrolyzate
amino acid
lactoferrin
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JP8233652A
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Hiroyuki Tsuda
洋幸 津田
Masaaki Iigou
正明 飯郷
Mamoru Tomita
守 冨田
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Zenta Takatsu
善太 高津
Kazunori Sekine
一則 関根
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/40Transferrins, e.g. lactoferrins, ovotransferrins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用が少なく、長期間投与することがで
き、かつ経口的に投与し得るがん転移抑制剤を提供す
る。 【解決手段】 非鉄飽和ラクトフェリン、ラクトフェリ
ン類の加水分解物、該加水分解物の薬学的に許容される
誘導体、該加水分解物の薬学的に許容される塩類、ラク
トフェリン類の加水分解物由来のペプチド類、該ペプチ
ド類の薬学的に許容される誘導体及び該ペプチド類の薬
学的に許容される塩類からなる群より選択される1種又
は2種の物質を有効成分として含有する経口がん転移抑
制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経口的に投与し得るが
ん転移抑制剤に関するものである。更に、詳しくは、本
発明は、非鉄飽和ラクトフェリン、ラクトフェリン類の
加水分解物、該加水分解物の薬学的に許容される誘導
体、該加水分解物の薬学的に許容される塩類、ラクトフ
ェリン類の加水分解物由来のペプチド類、該ペプチド類
の薬学的に許容される誘導体及び該ペプチド類の薬学的
に許容される塩類からなる群より選択される1種又は2
種の物質を有効成分として含有する経口がん転移抑制
剤、である。
【0002】
【従来の技術】がんの診断、治療技術は著しく進歩し、
早期に発見されたがんの治癒率は、向上し続けている。
しかし、一旦治癒したかに見えたがんが再び他の臓器で
増殖する場合が多く、このためがんの臨床における転移
抑制の問題は重要性が増加している。転移の概略は、原
発巣からのがんの遊離、血管内又はリンパ節への侵入、
血流又はリンパ液中での移動、血管内皮、基底膜又はリ
ンパ節への接着、標的臓器での増殖等、多数の過程を経
ることが知られており(実験医学、第12巻、第8号、
第906〜911ページ、1994年)、これらの過程
のいずれか、又は全部を阻害することにより、がん細胞
の転移を抑制することができる。
【0003】従来、多くの制がん剤が転移抑制の目的に
も使用されてきたが、それらの転移抑制効果は明らかで
なかった(平成6年度日本癌学会総会記事、第458ペ
ージ、1994年)。また、新たに多数の物質が、がん
転移抑制を主たる目的として開発され、例えば、細胞外
マトリックスに存在する金属プロテアーゼ阻害剤として
転移浸潤を抑制できるカルボスチリル誘導体(特開平8
−81443号公報)、細胞接着阻害活性を有する事に
より転移先の細胞にがん細胞の接着を防止するとされる
アミノハロゲノナフトキノン誘導体(特開平8−113
555号公報)等が知られている。
【0004】これら種々の生理活性阻害因子は、その薬
剤が経口投与であっても、非経口投与であっても、それ
らの有効量を投与した場合、がん細胞以外の細胞にも同
様に作用するため強い副作用が現れ、有効量投与するこ
とは、患者のQOL(qualityof life) 上適切ではな
く、そのため満足すべきがん転移抑制剤は経口、非経口
を問わず、未だ実用化されていない。
【0005】がんの転移は、乳がん等の原発巣から早期
に起こることも多いが、、5年後の生存率をもって一応
の治癒と解釈されるように、5年後、10年後でも転移
して再発する(豊島滋著、「ガンの再発と転移」、第6
4ページ、自由国民社、1979年9月10日、及び内
科、第49巻、第6号、第1061〜1066ページ、
1982年)。従って、退院後のがん患者は、がん転移
抑制剤を、自宅療養段階において数年から10年以上、
継続的に使用するのが普通であり、注射薬等は自宅療養
又は社会復帰後の患者が用いるためには、たとえ有効で
あっても多大な時間を費やして通院することが必要で、
多忙な患者にとって実用上使用が困難な薬剤である。こ
のような状況から長年にわたり安心して容易に使用で
き、かつ副作用の少ない経口投与薬剤が待望されていた
のである。
【0006】天然物質であるドコサヘキサエン酸(DH
A)及びその誘導体(特開平8−53351号公報)、
シソの葉抽出物(特開平8−73371号公報)等はこ
のような要望に合致する物質として開発されてきた。こ
れら天然物由来の経口がん転移抑制剤は、一般に副作用
は少ないが、効果は不十分であることが多く、また、独
特な風味、性状を有し、更に、酸化されやすい等使用上
不都合な性状を有する物質である。従って、個人の嗜好
性が高く、混合できる食品にも限界があり、多くの患者
が、がん転移抑制のため抵抗なく長期的、かつ継続的に
用いるのは困難であった。
【0007】一方、ラクトフェリン(lactoferrin) は、
乳汁及び唾液、涙、粘膜分泌液等のヒトを含む哺乳動物
の体液に存在し、約10%の糖鎖含量を有する分子量8
万前後の鉄結合性糖タンパク質であり、天然のラクトフ
ェリンは、通常飽和状態の10〜20%の鉄を結合して
いる(以下、非鉄飽和ラクトフェリンをLfと記載する
ことがある)。
【0008】ラクトフェリンは、大腸菌、カンジダ菌、
クロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌作用を
示すことが知られており[ジャーナル・オブ・ペディア
トリクス(Journal of Pediatrics) 、第94巻、第1ペ
ージ、1979年]、ブドウ球菌及び腸球菌に対して、
抗菌作用を有することも知られている[ジャーナル・オ
ブ・デイリー・サイエンス(Journal of Dairy Scienc
e)、第67巻、第606ページ、1984年]。
【0009】本発明者らは、ラクトフェリンの抗菌性に
着目し、哺乳類のラクトフェリン、アポラクトフェリ
ン、及び金属飽和又は部分飽和ラクトフェリン(以下、
これらをまとめてLf類と記載することがある)の酸又
は酵素による加水分解物が、望ましくない副作用(例え
ば、抗原性等)等がなく、しかも未分解のそれらよりも
強い耐熱性及び抗菌性を有することを見い出し、既に特
許出願を行った(特開平5−320068号公報、ヨー
ロッパ特許公開第438750号)。
【0010】また、本発明者らは、Lf類の加水分解物
から強い抗菌活性を有するペプチドを単離し、それらの
ペプチドと同一のアミノ酸配列を有するペプチド及びそ
れらのペプチドの誘導体を合成し、20個のアミノ酸残
基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−92994号公
報)、11個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド
(特開平5−78392号公報)、6個のアミノ酸残基
からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148297号公
報)、5個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特
開平5−1498296号公報)、3〜6個のアミノ酸
残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148295
号公報)を発明し、それぞれ既に特許出願した。
【0011】更に、本発明者らは、Lf類の加水分解物
と同一のアミノ酸配列を有するペプチド又はこれらペプ
チドの誘導体に脳の保護作用(特開平6−172200
号公報)、上皮細胞増殖因子による繊維芽細胞増殖を促
進する作用(特開平6−48955号公報)及び神経成
長因子産生促進作用(特開平5−23557号公報)が
あることを見い出し、それぞれ既に特許出願した。
【0012】疾病の治療剤にラクトフェリンを応用した
例として、抗リウマチ剤(特開平5−186368号公
報)が知られており、ラクトフェリンの加水分解物につ
いては、チロシナーゼ活性阻害(ヨーロッパ特許公開第
438750号)、細胞への病原菌付着防止(特開平3
−220130号公報)、抗ウイルス作用(特開平1−
233226号公報)等が知られている。
【0013】ラクトフェリンを抗がん剤として使用する
ことも検討され、例えば、鉄飽和ラクトフェリンは抗腫
瘍効果を有することが知られている(特公平5−869
32号公報)。本発明者らは、ラクトフェリンを酸又は
酵素により加水分解した物質と同一のアミノ酸配列を有
するペプチド又はこれらペプチドの誘導体が非経口抗腫
瘍作用を有することを発見し、特許出願した(特開平7
−309771号公報)。
【0014】がん転移抑制についても、いくつかの検討
がなされ、ラクトフェリンは、非経口投与により抗がん
転移活性を有するとの研究結果が、腫瘍細胞をマウスの
静脈内に注射し、ラクトフェリンは腹腔内に投与すると
いう特異な条件で報告されている[キャンサー・リサー
チ(Cancer Research) 、第54巻、第2310〜231
2ページ、1994年]。更に、ラクトフェリン及びラ
クトフェリンのアミノ酸配列中の特定な25個アミノ酸
からなるペプチドが、非経口投与によるがん転移抑制活
性を有することが発表されている(農芸化学会誌、第6
9巻、臨時増刊号、第143ページ、1995年)。
【0015】このように、いくつかの研究にもかかわら
ず、ラクトフェリン、ラクトフェリン加水分解物又は特
定のアミノ酸配列を有するラクトフェリン由来のペプチ
ド等が経口投与により、がん転移抑制活性を有するか否
かについては、従来検討がなされていなかった。その理
由は、ラクトフェリンが経口投与された場合、消化酵素
の働きにより容易に分解されるため、生理活性、特にが
ん転移抑制活性のような高度な生理作用を示すはずがな
いと言う、タンパク質化学の一般的常識のためである。
【0016】更に、ラクトフェリン加水分解物、ラクト
フェリン由来のペプチドは、加水分解前のタンパク質以
上に消化酵素によって分解されやすいことから、ラクト
フェリンと同様に経口投与によるがん転移抑制活性に関
しては何等検討がされていなかったのである。
【0017】以上のとおり、長期使用でき、副作用が少
ない経口がん転移抑制剤が待望されていたが、未だに優
れた物質は、知られていないのが現実であり、またラク
トフェリン、ラクトフェリンの加水分解物、ラクトフェ
リン由来のペプチドが経口投与によりがん転移抑制作用
を有することは発表されておらず、文献にも記載されて
いない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、副作用
が少なく、長期間投与することができ、かつ経口的に投
与し得るがん転移抑制剤を検索していたが、意外にも消
化酵素による分解が避けられないとされているLfに経
口がん転移抑制効果があることを見い出した。これを研
究する過程で、更に意外な現象として、Lf以上に消化
酵素による分解を受けやすいと考えられるラクトフェリ
ン類の加水分解物及びラクトフェリン類由来のペプチド
に、経口投与によるがん転移抑制効果があることを見い
出し、有効性の確認試験を重ねて、本発明を完成した。
【0019】本発明は、以上の従来技術に鑑みてなされ
たものであり、副作用が少なく、長期間投与することが
でき、かつ経口的に投与し得るがん転移抑制剤を提供す
ることを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、非鉄飽和ラクトフェリン、ラクトフェリン類の加
水分解物、該加水分解物の薬学的に許容される誘導体、
該加水分解物の薬学的に許容される塩類、ラクトフェリ
ン類の加水分解物由来のペプチド類、該ペプチド類の薬
学的に許容される誘導体及び該ペプチド類の薬学的に許
容される塩類からなる群より選択される1種又は2種の
物質を有効成分として含有する経口がん転移抑制剤、で
ある。
【0021】また、本発明は、非鉄飽和ラクトフェリ
ン、ラクトフェリン類の加水分解物、該加水分解物の薬
学的に許容される誘導体、又は該加水分解物の薬学的に
許容される塩類が、3〜3200mg/日/体重kgの
割合で経口的に投与されること、ラクトフェリン類の加
水分解物由来のペプチド類、該ペプチド類の薬学的に許
容される誘導体、又は該ペプチド類の薬学的に許容され
る塩類が、0.2〜320mg/日/体重kgの割合で
経口的に投与されること、及び該ペプチド類が、配列番
号1から配列番号31のいずれかに記載のアミノ酸配列
を有することを望ましい態様としてもいる。
【0022】次に、本発明について詳述する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の経口がん転移抑制剤の有
効成分の一つであるLfは、市販品又は哺乳動物の乳か
ら常法により分離されたものであり、生産量が多いこと
から、牛乳から分離されたものが望ましい。
【0024】Lfの分離、精製の一例を示せば、次のと
おりである。CM−セファロースFF(ファルマシア社
製)をカラムに充填し、塩酸を通液し、水洗し、イオン
交換体を平衡化し、4℃に冷却したpH6.9の脱脂乳
をカラムに通液し、透過液を回収し、再度同様にカラム
に通液する。次いで、蒸留水をカラムに通液し、食塩水
を通液し、イオン交換体に吸着した塩基性蛋白質溶出液
を得る。
【0025】この溶出液に飽和度80%で硫酸アンモニ
ウムを添加し、蛋白質を沈殿させ、遠心分離して沈殿を
回収し、飽和度80%の硫酸アンモニウム溶液で洗浄
し、脱イオン水を添加して溶解し、得られた溶液を限外
濾過膜モジュール(例えば、旭化成社製のSLP005
3)を用いて限外濾過し、のち水を添加し、同装置を用
いてダイアフィルトレーションを行い、脱塩し、凍結乾
燥し、粉末状ウシ・ラクトフェリンを得る。
【0026】以上の方法により得られたLfの純度を、
電気泳動法により測定した結果、95%(重量。以下、
分解率を除き、特に断りのない限り同じ)以上の純度を
有している。尚、凍結乾燥前の各精製工程におけるラク
トフェリン含有液を、本発明に使用できることは、いう
までもない。
【0027】また、ヒトのLfは、大量に製造すること
はできないが、組換えDNA技術により得られる組換え
真菌、組換え乳牛(トランスジェニック・カウ)等によ
り生産されるヒトのLfであっても本発明に使用するこ
とができる。
【0028】Lfの有効投与量は、動物試験の結果から
積算して3〜3200mg/日/体重kgの範囲であ
る。
【0029】本発明の経口がん転移抑制剤の他の有効成
分であるラクトフェリンの分解物又はペプチドをラクト
フェリンから製造する場合、出発物質として使用するラ
クトフェリンは、市販のラクトフェリン、哺乳類(例え
ば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ等)の初乳、移行
乳、常乳、末期乳等、又はこれらの乳の処理物である脱
脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマト
グラフィー等)により分離したLf、それらを塩酸、ク
エン酸等により脱鉄したアポラクトフェリン、アポラク
トフェリンを鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属でキレー
トした金属飽和又は部分飽和ラクトフェリン(以下、こ
れらをまとめてLf類と記載することがある)であり、
市販品又は公知の方法により製造した調製品を使用する
こともできる。
【0030】Lf類を、酸又は酵素を用いて加水分解す
る。酸による加水分解は、Lfを0.1〜20%、望ま
しくは5〜15%、の濃度で水又は精製水に溶解し、得
られた溶液に塩酸、リン酸等の無機酸、又はクエン酸等
の有機酸を添加し、溶液のpHを1〜4、望ましくは2
〜3、に調整し、調整したpHにより適当な温度で所定
時間加熱し、加水分解する。例えば、pH1〜2に調整
した場合は、80〜130℃、望ましくは90〜120
℃、pH2〜4に調整した場合は、100〜130℃、
望ましくは100〜120℃、でそれぞれ1〜120分
間、望ましくは5〜60分間、加熱する。
【0031】酵素による加水分解は、Lfを0.5〜2
0%、望ましくは5〜15%、の濃度で水又は精製水に
溶解し、溶液のpHを使用する酵素の至適pHに調整
し、15〜55℃、望ましくは30〜50℃、の温度に
加温し、30〜600分間、望ましくは60〜300分
間、保持して加水分解し、酵素反応液をそのまま、又は
中和し、加熱して酵素を失活する。
【0032】使用する酵素は、特に制限がなく、市販の
酵素、例えば、モルシン(商標。盛進製薬社製。至適p
H2.5〜3.0)、ブタペプシン(和光純薬工業社
製。至適pH2〜3)、スミチームAP(商標。新日本
化学社製。至適pH3.0)、アマノM(商標。アマノ
社製。至適pH7.0)、トリプシン(ノボ社製。至適
pH8.0)等を単用又は任意に併用する。
【0033】使用する酵素の量は、基質に対して0.1
〜5.0%の範囲、特に望ましくは0.5〜3.0%、
である。
【0034】加水分解の分解率は、次の方法により測定
し、4〜50%、望ましくは6〜40%、である。即
ち、分解率は、ケルダール法により測定した全窒素量に
対するホルモール滴定法により測定したホルモール態窒
素量から式 分解率(%)=(ホルモール態窒素量/全窒素量)×1
00 により算出した値である。
【0035】Lf類加水分解物の有効投与量は、動物試
験の結果から積算して3〜3200mg/日/体重kg
の範囲である。
【0036】また、本発明のがん転移抑制剤の他の有効
成分であるLf類由来のペプチドは、前記Lf類の加水
分解物から公知の分離手段によって単離されるペプチ
ド、このペプチドと同一のアミノ酸配列若しくは相同な
アミノ酸配列を有するペプチド、これらのペプチドの薬
学的に許容される誘導体、これらのペプチドの薬学的に
許容される塩類、これらのペプチドと同一若しくは相同
のアミノ酸配列を有する化学的に合成されたペプチド、
又はこれらの任意の混合物(以下、これらをペプチド類
と記載することがある)である。
【0037】例えば、前記Lf類加水分解物の濾液を水
酸化ナトリウム溶液で中和し、80℃で10分間加熱し
て酵素を失活させ、室温に冷却し、遠心分離し、透明な
上清を得る。この上清を逆相高速液体クロマトグラフィ
−にかけ、0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含
む20〜60%のアセトニトリルのグラジエントで溶出
し、27〜30%のアセトニトリル含量の画分を分別
し、この画分を真空乾燥し、Lf類由来のペプチド類が
得られる。
【0038】また、ペプチド自動合成装置(ファルマシ
アLKBバイオテクノロジ−社製。LKBBiolyn
x4170)を用い、シェパ−ド等による固相ペプチド
合成法[ジャ−ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ
−。パ−キン・トランザクション1:オーガニック・ア
ンド・バイオ−オーガニック・ケミストリー(Journal o
f Chemical Society. Perkin Transaction 1:Organic
and Bio-Organic Chemistry)、第538頁、1981
年]に基づいて次のとおりペプチドを合成することもで
きる。
【0039】アミン官能基を9−フルオレニルメトキシ
カルボニル基で保護したアミノ酸[以下Fmoc−アミノ酸
又はFmoc−固有のアミノ酸の名称(例えば、Fmoc−アス
パラギン)と記載することがある]に、N,N−ジシク
ロヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の
無水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に
用いる。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアミノ
酸残基に相当するFmoc−アミノ酸無水物を、そのカルボ
キシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒として
ウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノ
ロジ−社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジン
を含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ
酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配
列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アミノ酸無水
物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定され
たアミノ酸の脱保護アミン官能基にカップリングさせ
る。以下同様にして順次アミノ酸を固定する。全部のア
ミノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列の
ペプチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノ
−ル、及び1%エタンジオ−ルからなる溶媒で保護基の
除去及びペプチドの脱離を行ない、高速液体クロマトグ
ラフイ−によりペプチドを精製し、この溶液を濃縮し乾
燥すれば、合成によりLf類由来のペプチド類が得られ
る。
【0040】更に、これらのペプチド類と同一のアミノ
酸配列若しくは相同なアミノ酸配列を有するペプチド
類、これらのペプチド類の誘導体、これらのペプチド類
の薬学的に許容される塩類又はこれらの任意の混合物
は、例えば、前記特開平5−92994号公報、特開平
5−78392号公報、特開平5−148297号公
報、特開平5−1498296号公報及び特開平5−1
48295号公報の各発明に記載された方法によって得
ることができる。
【0041】Lf類由来のペプチド類の有効投与量は、
動物試験の結果から積算して0.2〜320mg/日/
体重kgの範囲である。
【0042】前記の方法によって得られるペプチド類と
しては、次のアミノ酸配列を有するペプチド類、その誘
導体又は塩類を望ましい態様として例示することができ
る。例えば、配列番号1、2及び27のアミノ酸配列を
有するペプチド、その塩類又はその誘導体(特開平5−
78392号公報)、配列番号3、4、5及び6のアミ
ノ酸配列を有するペプチド、その塩類又はその誘導体
(特開平5−148297号公報)、配列番号7、8、
9及び31のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類
又はその誘導体(特開平5−1498296号公報)、
配列番号10乃至21のアミノ酸配列を有するペプチ
ド、その塩類又はその誘導体(特開平5−148295
号公報)、配列番号22から26、28、29及び30
のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類又はその誘
導体(特開平5−92994号公報)である。
【0043】前記ペプチド類の薬学的に許容される塩類
としては、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳
酸塩、酒石酸塩等の酸付加塩を例示でき、誘導体として
は、カルボキシル基をアミド化又はアシル化した誘導体
を例示することができる。
【0044】前記のとおり得られたLf、Lf類の加水
分解物、Lf類由来のペプチド類を、常法により糖衣
錠、タブレット、カプセル等の経口投与剤、栄養剤に配
合して経腸投与剤、飲料又はゼリー等の食品、又は飼料
として使用することができる。
【0045】次に試験例を示して本発明を、更に詳述す
る。
【0046】試験例1 この試験は、Lf及びLf類由来ペプチドの経口がん転
移抑制効果を調べるために行った。
【0047】1)試験試料、試験動物及び腫瘍細胞株 試験試料 市販のLf粉末(森永乳業社製)及び参考例2と同一の
方法により、前記Lf粉末から調製したLf由来ペプチ
ドを使用した。
【0048】試験動物 6週齢のCDF1マウス90匹(日本チャールスリバー
社から購入)を、無作為に9群(1群10匹)に分けて
使用した。
【0049】腫瘍細胞 フィドラーらの方法[ネイチャー(Nature)、第242
巻、第148〜149ページ、1973年]を一部改良
し、次のとおり調製した。マウス大腸がんコロン26細
胞(以下Co26細胞と記載することがある。財団法人
癌研究会癌研究所、癌化学療法センターより入手)1×
105 個/マウスを、6週令Balb/cマウス(日本
チャールスリバー社から購入)3匹に尾静脈注射し、約
3週間後に生成した肺転移腫瘍を取り出してすりつぶ
し、遊離した細胞の同数を再び同系統マウス3匹の尾静
脈に注射する。これを数回反復して、自然に肺に転移す
る高転移細胞系Co26Luを選別し、本試験に使用し
た。尚、Co26Luは、皮下移植後約14日で転移す
ることが判明した。
【0050】2)試験方法 9群90匹全てのCDF1マウスの背中皮下に1×10
5 個のCo26Lu細胞を移植した(0日目)。各群の
マウスに5〜9日目、12〜16日目及び19〜21日
目まで300〜1000mg/日/kg体重のLf又は
30〜100mg/日/kg体重のLf由来ペプチドを
1日1回経口投与し、対照群には何も投与しなかった。
【0051】22日目に肺を摘出し、アセトンで固定
し、目視により肺転移巣の数を計数し、肺への転移の抑
制効果を試験した。
【0052】尚、Lf投与群中1群には150mg/日
/kg体重を1日2回(表1において150×2と表
示)、ペプチド投与群中1群には15mg/日/kg体
重を1日2回(表1において15×2と表示)投与し
た。
【0053】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、Lf及びLf由来のペプチド投与群
は、投与量に応じて転移数はほぼ半減し、これらの物質
のがん転移抑制効果が明らかに認められた。更に、詳し
くは、Lf投与群では300mg/日/kg体重の投与
量であっても、これを1日2回に分割して投与した群
が、より有効であり、一方Lf由来ペプチド投与群では
2回に分割して投与する意義は認められなかった。
【0054】また一般の転移抑制剤では、その毒性のた
め移植した腫瘍の縮小が観察されるが、本試験では移植
腫瘍の大きさは、対照群とLf及びLf由来ペプチド投
与群との間で差がなく、これらの毒性が低いことが推定
された。更に、各臓器の顕微鏡観察によっても、肝臓等
他の臓器への転移は認められなかった。
【0055】以上の結果から、Lf及びLf由来のペプ
チドは、経口がん転移抑制効果があることが明らかであ
った。尚、他のペプチド類についても同様の試験を行っ
たが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0056】
【表1】
【0057】試験例2 この試験は、Lf、Lf加水分解物、及びLf類由来ペ
プチド類の経口がん転移抑制効果を調べるために行っ
た。
【0058】1)試験試料、試験動物及び腫瘍細胞株 試験試料 市販のLf粉末(森永乳業社製。第1群に投与)、参考
例1と同一の方法によりこのLf粉末から調製したLf
加水分解物(第2群に投与)、参考例2と同一の方法に
よりこの加水分解物から調製したLf由来ペプチド(第
3群に投与)、及び参考例3と同一の方法により化学的
に合成したLf類由来ペプチド(有機合成ペプチド。第
4群に投与)を使用した。尚、対照としてウシ血清アル
ブミン(シグマ社製のフラクションV。対照群に投与)
を使用した。
【0059】試験動物 6週齢のCDF1マウス20匹(日本チャールスリバー
社から購入)を、無作為に4群(1群5匹)に分けて使
用した。
【0060】腫瘍細胞 試験例1で調製した肺への高転移細胞系Co26Luを
使用した。
【0061】2)試験方法 Co26Lu細胞を移植後、各群に5日目から27日目
まで毎日1回、表2に示す投与量により投与したこと、
及び28日目に肺を摘出したことを除き、試験例1と同
一の方法により試験した。
【0062】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなとおり、第1群乃至第4群はいずれも、対照群
と比較して転移数が少なく、これらの投与によるがん転
移抑制効果が認められた。尚、他のLf、Lf類加水分
解物、及びLf類由来ペプチド類についても同様の試験
を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0063】
【表2】
【0064】試験例3 この試験は、Lf類加水分解物の急性毒性を調べるため
に行った。
【0065】1)使用動物 6週齢のCD(SD)系のラット(日本SLCから購
入)の両性20匹を用い、雄及び雌を無作為にそれぞれ
4群(1群5匹)に分けて使用した。
【0066】2)試験方法 参考例1と同一の方法により製造したLf加水分解物
を、注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、4ml/10
0g体重の割合で金属製玉付き針を用いて単回強制経口
投与し、急性毒性を試験した。投与量は1000、20
00及び4000mg/kg体重であった。
【0067】3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなとおり、この加水分解物を1000mg/kg
体重及び2000mg/kg体重の割合で投与した群に
死亡例は認められなかった。従って、この加水分解物の
LD50は、2000mg/kg体重以上であり、毒性は
極めて低いことが判明した。尚、他のLf加水分解物及
びLf類由来のペプチド類についても同様の試験を行っ
たが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0068】
【表3】
【0069】試験例4 この試験は、ペプチド類の急性毒性を調べるために行っ
た。
【0070】1)使用動物 6週齢のCD(SD)系のラット(日本SLCから購
入)の両性35匹を用い、雄及び雌を無作為にそれぞれ
7群(1群5匹)に分けて使用した。
【0071】2)試験方法 参考例2と同一の方法で製造したLf由来のペプチド
(加水分解物より精製したペプチド)及び参考例3と同
一の方法により製造したペプチド(有機合成によるペプ
チド)を、注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、4ml
/100g体重の割合で金属製玉付き針を用いて単回強
制経口投与し、急性毒性を試験した。投与量は100
0、2000及び4000mg/kg体重であった。
【0072】3)試験結果 この試験の結果は、表4に示すとおりである。表4から
明らかなとおり、いずれのペプチドを投与した場合も1
000mg/kg体重及び2000mg/kg体重の割
合で投与した群に死亡例は認められなかった。従って、
これらのペプチドのLD50は、2000mg/kg体重
以上であり、毒性は極めて低いことが判明した。尚、他
のペプチド類についても同様の試験を行ったが、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0073】
【表4】
【0074】参考例1(Lf加水分解物の調製) ウシのLfを使用して加水分解物を、次の方法により調
製した。
【0075】市販されているウシのLf(ミライ社製)
500gを、精製水9.5lに溶解し、得られた溶液に
塩酸を添加してpHを3.0に調整し、のち市販の豚ペ
プシン(和光純薬工業社製)を10g添加し、37℃で
6時間加水分解した。次に6規定の水酸化ナトリウムで
pHを7.0に調整し、80℃で10分間加熱して酵素
を失活させ、室温に冷却し、セライト濾過し、濾液を凍
結乾燥し、粉末状のLf加水分解物約470gを得た。
得られた加水分解物の分解率を前記と同一の方法により
測定した結果、30%であった。
【0076】参考例2(ペプチド類の調製) 市販されているウシのLf(シグマ社製)50mgを精
製水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを
2.5に調整し、のち市販のブタペプシン(シグマ社
製)1mgを添加し、37℃で6時間加水分解した。次
いで0.1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調
整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温
に冷却し、15,000rpmで30分間遠心分離し、
透明な上清を得た。この上清100μlをTSKゲルO
DS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマ
トグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入
後10分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含
む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.0
5%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラ
ジエントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を
集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃
度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T
(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−に
かけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.
05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、の
ち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセ
トニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.
5分の間に溶出する画分を集め、真空乾燥し、ペプチド
を得た。
【0077】前記のペプチドを6N塩酸で加水分解し、
アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析
した。同一の試料を気相シ−クェンサ−(アプライド・
バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解
を行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。ま
たDTNB[5,5−ジチオ−ビス(2−ニトロベンゾ
イック・アシド)]を用いたジスルフィド結合分析法
[アナリティカル・バイオケミストリ−(Analytical B
iochemistry )、第67巻、第493頁、1975年]
によりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0078】その結果、このペプチドは、25個のアミ
ノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基
がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN
−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイ
ン残基からC−末端側に5個のアミノ酸がそれぞれ結合
した、配列番号26に記載のアミノ酸配列を有している
ことが確認された。
【0079】参考例3(ペプチド類の有機合成) ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテク
ノロジ−社製。LKBBiolynx4170)を用
い、シェパ−ド等による固相ペプチド合成法[ジャ−ナ
ル・オブ・ケミカル・ソサイエティ−。パ−キン・トラ
ンザクション1:オーガニック・アンド・バイオ−オー
ガニック・ケミストリー(Journal of Chemical Societ
y. Perkin Transaction 1:Organic and Bio-Organic C
hemistry)、第538頁、1981年]により、ペプチ
ドを次のとおり合成した。
【0080】アミン官能基を9−フルオレニルメトキシ
カルボニル基で保護したアミノ酸に、N,N−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無
水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用
いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアスパラ
ギン残基に相当するFmoc−アスパラギン無水物を、その
カルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒
としてウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオ
テクノロジ−社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペ
リジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端
アミノ酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミ
ノ酸配列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アルギ
ニン(Pmc:2,2,5,7,8-Pentamethyl-chroman-6-sulphony
l 基)無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂
に固定されたアスパラギンの脱保護アミン官能基にカッ
プリングさせた。以下同様にして順次グルタミン、トリ
プトファン、グルタミン、及びフェニルアラニンを固定
した。全部のアミノ酸のカップリングが終了し、所望の
アミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、94%TF
A、5%フェノ−ル、及び1%エタンジオ−ルからなる
溶媒で保護基の除去及びペプチドの脱離を行ない、高速
液体クロマトグラフイ−によりペプチドを精製し、この
溶液を濃縮し、乾燥し、ペプチド粉末を得た。
【0081】前記のペプチドについてアミノ酸分析計を
用いて常法によりアミノ酸組成を分析し、次に参考例2
と同一のシークエンサーにより配列を決定したところ、
配列番号10に記載のアミノ酸配列を有することを確認
した。
【0082】参考例4(アポラクトフェリンの調製) 脱脂乳から調製した市販のウシLf粉末(ドモ社製)1
kgを精製水20lに溶解し、透析チューブ(三光純薬
社製。1−7/8)に入れ、400lの0.1Mクエン
酸溶液(pH2.2)に対して4℃で36時間透析し、
更にクエン酸を除去するため、400lの脱イオン水に
対して、4℃で24時間透析し(2回脱イオン水を交
換)、透析内液を、遠心分離して固形物を除去し、凍結
乾燥し、粉末状のアポラクトフェリン約950gを得
た。得られたアポラクトフェリンを分光光度計(日立製
作所製。2000U)を用い、450nmの吸光度によ
り、鉄の飽和度を測定した結果、飽和度は0%であっ
た。
【0083】参考例5(アポラクトフェリン加水分解物
の調製) 参考例4のウシアポラクトフェリンを使用して加水分解
物を、次の方法により調製した。アポラクトフェリン5
00gを、精製水9.5lに溶解し、得られた溶液に1
M塩酸を添加してpHを2.0に調整し、120℃で1
5分間加熱し、冷却して加水分解物を得た。次に、6M
水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、セライト濾
過し、濾液を凍結乾燥し、粉末状のアポラクトフェリン
加水分解物約400gを得た。この加水分解物の分解度
は、9%であった。
【0084】参考例6(アポラクトフェリン由来ペプチ
ド類の調製) 参考例5のウシアポラクトフェリン加水分解物50mg
を、精製水0.9mlに溶解し、以下参考例2と同一の
方法で精製した。精製の最後のTSKゲルODS−12
0T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ
−では35.5〜37.5分の間に溶出する画分を集
め、真空乾燥し、アポラクトフェリン由来のペプチドを
得た。
【0085】前記のペプチドを参考例2と同一の方法で
加水分解し、アミノ酸組成を分析し、アミノ酸配列を決
定し、更にDTNBを用いたジスルフィド結合分析法に
よりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0086】その結果、このペプチドは、32個のアミ
ノ酸残基からなり、10番目と27番目のシステイン残
基がジスルフィド結合し、10番目のシステイン残基か
らN−末端側に9個のアミノ酸残基が、27番目のシス
テイン残基からC−末端側に5個のアミノ酸がそれぞれ
結合した、配列番号29に記載のアミノ酸配列を有して
いることが確認された。
【0087】次に実施例を示して本発明を、更に具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
でない。
【0088】
【実施例】
実施例1(Lfを含有する動物用粉末飼料の調製) ウシのLf(ミライ社製)60g及びMF粉末飼料(オ
リエンタル酵母社製)3kgを粉末混合機(関東混合機
社製。SS機種、型式No.151)で30分間混合
し、500gずつポリエチレン製の袋に分包し、2%L
f含有飼料を得た。尚、この飼料を冷蔵庫内に保存し
た。
【0089】実施例2(Lfを配合した経腸栄養剤の調
製) 粉末状ウシのLf(ミライ社製)2g及び市販の経腸栄
養剤(エ−ザイ社製。クリニミール)1包(89g)に
50〜60℃の温湯100mlを添加し、泡立て器で均
一に混合し、更に温湯240mlを添加して完全に溶解
し、これを1日数回分に分けて投与した。
【0090】実施例3(Lfを添加した飲料の調製) 脱脂粉乳(森永乳業社製)90gを、50℃の温湯80
0mlに溶解し、砂糖(日新精糖社製)30g、インス
タントコーヒー粉末(ネスレ社製)14g、カラメル
(昭和化工社製)2g及びコーヒーフレーバー(三栄化
学社製)0.01g、を撹拌しながら順次添加して溶解
し、10℃に冷却し、ウシのLf(森永乳業社製)1g
を水75mlに溶解した液を添加し、Lf0.1%を含
む乳飲料を調製した。
【0091】実施例4(Lf散剤の調製) 予め6号ふるい(井内盛栄堂社製)で篩分けした市販の
ウシのLf粉末(ミライ社製)10g及び乳糖(森永乳
業社製)50gを乳鉢中で混和し、これに予め5号ふる
い(井内盛栄堂社製)で篩分けした乳糖40gを添加し
て混和し、全量を再度5号ふるいで篩分けし、1包5g
ずつ分包機(東京商会。OMP−90A)で分包し、1
0%Lf散剤を得た。尚、この散剤を冷暗所に保存し
た。
【0092】実施例5(Lf配合レアチ−ズケ−キの調
製) ビスケット(森永製菓社製)8枚計約160gを細切
し、加温して溶融したバタ−(森永乳業社製)30gと
混合した。
【0093】18cmの丸底の容器に敷き詰め、軽く
押し固める。
【0094】粉末ゼラチン(マルハ社製)5gを水3
0mlに膨潤させ、加温して溶解したす。
【0095】ウシのLf(ミライ社製)10gを50
℃に加温した牛乳(森永乳業社製)60mlに溶解し
た。
【0096】クリ−ムチ−ズ(森永乳業社製)250
gを、加温して軟化し、クリ−ム状となし、グラニュ−
糖(三井精糖社製)50gを添加して混練した。
【0097】にのゼラチン液、の牛乳、レモン
汁1/2個分、を添加して混合し、冷却した。
【0098】生クリ−ム(森永乳業社製)60mlを
泡立ててに添加し、の容器に充填し、冷蔵庫で冷却
して固化した。
【0099】実施例6(Lf錠剤の調製) 約1lの乳鉢(中島製作所製)に結晶セルロース(和光
純薬工業社製)20gを取り、水20mlを添加して混
和し、次いで予め48メッシュのふるい(和科盛社製)
で篩分けした乳糖(森永乳業社製)25g及びウシのL
f(森永乳業社製)55gを添加して混和した。得られ
た湿塊をステンレス製20メッシュふるい(和科盛社
製)上に取り、乾燥用ステンレス板2枚の上に手で押し
出して顆粒を形成し、手早く均等に分布させ、乾燥機に
入れ、25℃で2日間乾燥し、微細な顆粒を得た。
【0100】乾燥した顆粒を、ポリエチレン製20メッ
シュふるいで篩分けし、ふるいを通過した顆粒を、広い
紙上に広げ、予め48メッシュで篩分けしたステアリン
酸マグネシウム(関東化学社製)2gを添加し、手で混
ぜて均質にした。これを打錠機(木村製作所製。KT−
2型)により直径8mmのR杵を使用して、打錠数を1
0、錠剤重量を0.62g及びモンサント硬度3.5〜
5.0kgの圧縮圧力を設定して打錠し、50%Lf含
有剤を得た。この錠剤を遮光したデシケーター(日本理
化学機器社製。NRT−90B)中に保存した。
【0101】実施例7(カプセル入りLf加水分解物の
調製) 乳糖(和光純薬社製)60g、トウモロコシデンプン
(日清製粉社製)40g、結晶セルロース(和光純薬社
製)40g及び参考例1と同一の方法により調製したウ
シLf加水分解物60gを50メッシュふるい(ヤマト
科学社製)により篩分けし、厚さ0.5mmのポリエチ
レン製の袋にとり、転倒混合し、全自動カプセル充填機
(Cesere Pedini 社製。プレス式)を用い、前記粉末を
カプセル(日本エランコ社製。1号ゼラチンカプセル、
Op.Yellow No.6 Body 、空重量は75mg)に内容量2
75mgで充填し、ウシLf加水分解物82mg入りの
カプセル剤を得た。尚、このカプセル剤を室温で保存し
た。
【0102】実施例8(Lf加水分解物を含有する固形
飼料の調製) 参考例1と同一の方法により調製したウシのLf加水分
解物粉末5g及び固形げっ歯類用飼料(船橋農場社製。
F2)1.5kgを厚さ0.2mmの透明ポリエチレン
製袋に入れ、開口部をポリエチレン製のひもで閉鎖し、
手で上下左右に約10分間振盪し、粉末を固形試料の微
細な穴に入り込ませると同時に均一に混合し、のち20
0gずつポリ袋に分包し、0.33%Lf加水分解物含
有固形飼料を得た。尚、この飼料を冷暗所に保存した。
【0103】 実施例9(Lf加水分解物由来ペプチドを含有する錠剤) Lf加水分解物から得られたペプチド (参考例2と同一の方法により製造) 50(mg) 結晶セルロース 170 コーンスターチ 66 タルク 11 ステアリン酸マグネシウム 3 1錠当り前記の割合の各原料を常法により均一に混合
し、造粒し、乾燥し、打錠し、17%のペプチドを含有
する錠剤を得た。なお、Lf類加水分解物から得られた
ペプチド以外の原料はいずれも市販品を用いた。 実施例10(Lf類加水分解物由来ペプチドを配合した
ババロアの調製) 板ゼラチン(マルハ社製)3枚約9gを水で膨潤させ、
チョコレ−ト(森永製菓社製。製菓用)30gを、細切
して湯せんにつけて溶融した。これとは別にボールに卵
黄3個分を入れ、砂糖(三井精糖社製)70gを添加
し、白みを帯びるまで泡立て器で攪拌し、これに前記溶
融チョコレートを添加し、更に攪拌して混合し、50℃
に加温した牛乳(森永乳業社製)220mlを徐々に添
加し、鍋に移し替えて弱火にかけ、絶えず攪拌しながら
加熱し、のち火を止めて膨潤させたゼラチンを添加し、
攪拌しながら溶解し、ステンレス製こし器で濾過し、氷
水中で冷却し、約50℃に冷却したとき30mlの牛乳
に懸濁したウシのLf由来ペプチド(参考例2と同一の
方法により調製)1gを添加し、攪拌して混合した。
【0104】一方、生クリーム(森永乳業社製。脂肪分
45%ホイップクリーム)100mlをボールに入れ、
泡立て器で泡立て、これを前記の混合液に流し入れ、手
早く混合してステンレスの型に流し入れ、冷蔵庫内で固
化し、チョコレートババロアを得た。
【0105】 実施例11(Lf由来有機合成ペプチドを含有する散剤) Lf類由来の有機合成ペプチド (参考例3と同様の方法により製造) 50(mg) 結晶セルロース 375 コーンスターチ 575 1袋当り前記各材料を均一に混合し、常法により散剤1
5袋を調製した。尚、有機合成ペプチド以外の原料はい
ずれも市販品を用いた。
【0106】 実施例12(有機合成ペプチドを含有するカプセル剤) Lf類由来の有機合成ペプチド (参考例3と同一の方法により製造) 10(mg) 乳糖 120 結晶セルロース 42 カルボキシメチルセルロース 10 タルク 15 ステアリン酸マグネシウム 3 1錠当り前記の割合の各原料を、常法により均一に混合
し、カプセル充填機を用いてカプセル剤を調製した。
尚、有機合成ペプチド以外の原料はいずれも市販品を用
いた。
【0107】実施例13(Lf類加水分解物を含有する
固形飼料の調製) 参考例6と同一の方法により調製したウシのアポラクト
フェリン加水分解物の粉末5gを用い、実施例8と同一
の方法により、0.33%アポラクトフェリン加水分解
物含有固形飼料を得た。尚、この飼料を冷暗所に保存し
た。
【0108】 実施例14(アポラクトフェリン加水分解物由来ペプチドを含有する錠剤) アポラクトフェリン加水分解物から得られたペプチド (参考例6と同一の方法により製造) 50(mg) 結晶セルロース 170 コーンスターチ 66 タルク 11 ステアリン酸マグネシウム 3 1錠当り前記の割合の各原料を常法により均一に混合
し、造粒し、乾燥し、打錠し、17%のペプチドを含有
する錠剤を得た。尚、アポLf加水分解物から得られた
ペプチド以外の原料はいずれも市販品を用いた。
【0109】
【発明の効果】以上詳記したとおり、本発明は、非鉄飽
和ラクトフェリン、ラクトフェリン類の加水分解物、該
加水分解物の薬学的に許容される誘導体、該加水分解物
の薬学的に許容される塩類、ラクトフェリン類の加水分
解物由来のペプチド類、該ペプチド類の薬学的に許容さ
れる誘導体及び該ペプチド類の薬学的に許容される塩類
からなる群より選択される1種又は2種の物質を有効成
分として含有する経口がん転移抑制剤であり、本発明に
よって、奏せられる効果は次のとおりである。 (1)本発明のがん転移抑制剤は、食品、医薬品等とし
て経口的に容易に摂取してがんの転移を抑制できる。 (2)本発明のがん転移抑制剤は、食品である乳に由来
する蛋白質であるLf、Lf類の加水分解物又はLf類
に由来するペプチド類を有効成分としているので、長期
間使用しても副作用がなく、安全である。
【0110】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 R01 Gln R01 R01 Met Lys Lys 1 5 10
【0111】配列番号:2 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 R01 Gln R01 R01 Met Arg Lys 1 5 10
【0112】配列番号:3 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg R01 R01 R01 R01 Arg 1 5
【0113】配列番号:4 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 R01 Arg 1 5
【0114】配列番号:5 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 R01 Lys 1 5
【0115】配列番号:6 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg R01 R01 R01 R01 Lys 1 5
【0116】配列番号:7 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg R01 R01 R01 Arg 1 5
【0117】配列番号:8 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 Arg 1 5
【0118】配列番号:9 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Arg R01 R01 R01 Lys 1 5
【0119】配列番号:10 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5
【0120】配列番号:11 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Phe Gln Trp Gln Arg 1 5
【0121】配列番号:12 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Gln Trp Gln Arg 1
【0122】配列番号:13 配列の長さ:3配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Trp Gln Arg 1
【0123】配列番号:14 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Arg Arg Trp Gln Trp 1 5
【0124】配列番号:15 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Arg Arg Trp Gln 1
【0125】配列番号:16 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Trp Gln Trp Arg 1
【0126】配列番号:17 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Gln Trp Arg 1
【0127】配列番号:18 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln Asn Asp 1 5
【0128】配列番号:19 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln Asn 1 5
【0129】配列番号:20 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Leu Arg Trp Gln 1
【0130】配列番号:21 配列の長さ:3 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Arg Trp Gln 1
【0131】配列番号:22 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、2番のCys
と19番のCys がジスルフィド結合している。 配列: Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys Val 20
【0132】配列番号:23 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列においてCys*は、ジス
ルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル基を化学
的に修飾したシステインを示す。 配列: Lys Cys* Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys* Val 20
【0133】配列番号:24 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、2番のCys
と19番のCys がジスルフィド結合している。 配列: Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys Ile 20
【0134】配列番号:25 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列においてCys*は、ジス
ルフィド結合の形成を防止するため、チオ−ル基を化学
的に修飾したシステインを示す。 配列: Lys Cys* Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys* Ile 20
【0135】配列番号:26 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、3番のCys
と20番のCys がジスルフィド結合している。 配列: Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala 1 5 10 15 Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 20 25
【0136】配列番号:27 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。 配列: Lys Thr Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys 1 5 10
【0137】配列番号:28 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、16番のCy
s と33番のCys とがジスルフィド結合している。 配列: Lys Asn Val Arg Trp Cys Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys 1 5 10 15 Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser 20 25 30 Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 35
【0138】配列番号:29 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド。下記配列において、10
番のCys と27番のCys とがジスルフィド結合してい
る。 配列: Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp 1 5 10 15 Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 20 25 30 Ala Phe
【0139】配列番号:30 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、配列の長さ
36であって9番、26番、及び35番にCys を有する
ペプチドの、9番のCys と26番のCys とがジスルフィ
ド結合し、上記配列の長さ36のペプチドの35番のCy
s が、配列の長さ11であって10番にCys を有するペ
プチドの10番のCys とがジスルフィド結合している。 配列: Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 10 15 Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp 20 25 30 Ser Pro Ile Gln Cys Ile 35 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 1 5 10
【0140】配列番号:31 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:本ペプチド、及び本ペプチドをフラグメン
トとして含むペプチド。次の配列において、R01 はCys
を除く任意のアミノ酸残基を示す。 配列: Lys R01 R01 R01 Lys 1 5
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/11 C07K 5/11 5/117 5/117 7/06 7/06 7/08 7/08 14/79 14/79 (72)発明者 島村 誠一 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 高津 善太 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 関根 一則 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社生物科学研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非鉄飽和ラクトフェリン、ラクトフェリ
    ン類の加水分解物、該加水分解物の薬学的に許容される
    誘導体、該加水分解物の薬学的に許容される塩類、ラク
    トフェリン類の加水分解物由来のペプチド類、該ペプチ
    ド類の薬学的に許容される誘導体及び該ペプチド類の薬
    学的に許容される塩類からなる群より選択される1種又
    は2種の物質を有効成分として含有する経口がん転移抑
    制剤。
  2. 【請求項2】 非鉄飽和ラクトフェリン、ラクトフェリ
    ン類の加水分解物、該加水分解物の薬学的に許容される
    誘導体、又は該加水分解物の薬学的に許容される塩類
    が、3〜3200mg/日/体重kgの割合で経口的に
    投与される請求項1に記載の経口がん転移抑制剤。
  3. 【請求項3】 ラクトフェリン類の加水分解物由来のペ
    プチド類、該ペプチド類の薬学的に許容される誘導体、
    又は該ペプチド類の薬学的に許容される塩類が、0.2
    〜320mg/日/体重kgの割合で経口的に投与され
    る請求項1に記載の経口がん転移抑制剤。
  4. 【請求項4】 該ペプチド類が、配列番号1から配列番
    号31のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する請求項
    1又は請求項3に記載の経口がん転移抑制剤。
JP8233652A 1996-08-15 1996-08-15 経口がん転移抑制剤 Pending JPH1059864A (ja)

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