JP2009517464A - グルカゴン様ペプチド1の活性を増強するタンパク質加水分解物の使用 - Google Patents

グルカゴン様ペプチド1の活性を増強するタンパク質加水分解物の使用 Download PDF

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Abstract

加水分解度が1〜40%であって、組成物の総タンパク質性物質を基準として、分子量500Da未満のペプチドの含有量が1〜70質量%であり、分子量が5000Daを超えるペプチド又はタンパク質の含有量が55質量%未満である、タンパク質加水分解物は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の分泌を刺激することに効果的である。さらに、かかる加水分解物は、DPP−IVの阻害活性を有してもよい。加水分解物は、GLP−1が介在する疾患、特に肥満、II型糖尿病及び免疫疾患の予防及び/又は治療のための薬剤又は食品の製造に適切である。

Description

本発明は、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の細胞放出刺激を通じて、グルコースホメオスタシス、糖尿病の症状の緩和、満腹感(satiety)の誘導、肥満のコントロールを提供する方法と手段に関する。本発明は、該方法と手段において用いられるペプチドに関し、また、これらのペプチドを含む栄養製品及び医薬品に関する。
GLP−1は、食後に放出されるインクレチンホルモンである。GLP−1は、インスリンの生合成及び分泌のグルコース誘導性刺激や、グルカゴン分泌阻害や、遺伝子発現の制御や、β細胞に対する栄養効果(trophic effects)や、食物摂取の抑制や、胃内容排出の減速を含む多面的な作用を有する。これらの効果は、上昇した血中グルコースの正常化や、満腹感と体重の制御に寄与している。GLP−1は、II型糖尿病患者において食後及び空腹時の血糖(glycaemia)を減少させることが示されており、それゆえ、II型糖尿病の治療における潜在的に有用な新規の治療剤となりうる。さらに、GLP−1は、満腹感を増加させることや、肥満を予防し、治療することにも用いることができる。
GLP−1は、配列的にGLP−2や、グルカゴンや、GIP(胃抑制ポリペプチド又はグルコース依存性インスリン分泌促進ポリペプチド(Gastric Inhibitory Polypeptide又はGlucose-dependent Insulinotropic Polypeptide))や、グルカゴンペプチドスーパーファミリーの別のメンバーと関連している。これらの多数のペプチドは、ポジション2にアラニンを提示しており、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)酵素による分解の基質となる。実際には、GLP−1は、血漿において迅速に分解し、それゆえ約1〜2分という非常に短い半減期を有する。DPP-IVは、大部分のほ乳類細胞の肝臓、腎臓、小腸、唾液腺、血球、血漿等の多様な組織に存在する、N末端ジペプチダーゼ活性を含む多機能膜貫通グリコプロテインである。DPP-IVの阻害は、GLP−1の循環半減期の長期化をもたらし、GLP−1レベルは、治療剤として作用することができるように増加する。
国際公開01/37850号パンフレットは、乳のレンネット加水分解により得られたカゼイングリコマクロペプチド(CGMP)の、小腸細胞株におけるGLP−1放出に対する刺激効果について開示している。欧州特許第1367065号明細書は、GLP−1又はGLP−2分泌を増加させるための、ミセルカゼインに由来する酸可溶性タンパク質の使用を開示している。
国際公開2004/002241号パンフレットは、細胞がGLPとCKKの放出を誘導することができる、定義されていないホエータンパク質とホエータンパク質加水分解物、特にαラクトアルブミンとβラクトグロブリン加水分解物の使用を開示している。
タンパク質、特に乳タンパク質は、様々な生物活性ペプチドの前駆体として通常知られている。タンパク質が、生物活性分子の前駆体であるという事実は、上述のGLP−1が介在する疾患のいずれかにおいて補助となるような、機能的食品の開発にとっては特に魅力的である。食物タンパク質加水分解物は、よく利用される食品成分であり、天然起源であって、機能的効果、この場合には(in casu)肥満やII型糖尿病や免疫疾患などのGLP−1が介在する疾患を予防又は治療するための、GLP−1の分泌の刺激とその分解の阻害を得るために合成成分は必要とされない。
それゆえ、上記で同定されたGLP−1が介在する疾患の予防と治療を補助することができるように、GLP−1の分泌を刺激し、DPP-IV活性を任意に阻害するペプチドが強化されているタンパク質分解物を提供することが望ましい。乳タンパク質加水分解物などのタンパク質加水分解物を、GLP−1を刺激するために用いることができることが見い出された。
国際公開01/37850号パンフレット 欧州特許第1367065号明細書 国際公開2004/002241号パンフレット
本発明は、グルカゴン様ペプチド1(glucagon-like peptide 1)(GLP−1)の放出を刺激するタンパク質加水分解物の使用に関する。GLP−1は、アミノ酸配列HAEGT FTSDV SSYLE GQAAK EFIAW LVKGRを有する30アミノ酸長ペプチドである。本明細書では、GLP−1なる用語は、GLP−1の機能性、特に膵臓β細胞によるグルコース依存性のインスリン分泌の増強効果を本質的保有するGLP−1のアナログとホモログを含む。特に、タンパク質加水分解物により誘導されることができ、GLP−1と機能的に同等である場合、拡張形態と切断形態は、GLP−1なる用語に含まれるものと理解される。GLP−1の分泌は、当該技術分野で公知の方法で検出することができる。特定の抗体を用いるイムノアッセイなどの特段の方法を用いることで、どのアナログとホモログが検出されるかが決定される。
本発明の方法により、加水分解度が限定された天然タンパク質の加水分解物がインビトロでのGLP−1分泌の刺激について活性があることが見い出された。さらに、かかる直接的な刺激効果は、DPP-IVによる分解を阻害する間接的なGLP−1促進効果とは区別されることが、さらに見い出された。また、かかる効果は、GLP−1刺激効果とDPP-IV阻害効果の両方を有する幅広い組成の加水分解物を提供することにより加えることができることが見い出された。
本発明により用いられるタンパク質加水分解物は、天然タンパク質の化学的又は酵素的加水分解により得ることができる。全体の加水分解度は、制限した場合は、1%という少量(100ペプチド結合ごとに1タンパク質分解性切断)から、約40%までの範囲に及ぶ。好ましくは、加水分解度は、少なくとも2%、より好ましくは少なくとも4%、さらに好ましくは少なくとも8%、特に好ましくは少なくとも10%であって、好ましくは35%以下、最も好ましくは30%以下である。用いられる生じた加水分解物は、分子量500Da未満のペプチドの含有量が1〜70質量%であり、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは8〜50質量%、特に好ましくは12〜40質量%のかかる小ペプチドを含むものが用いられる。分子量1000Da未満のペプチドの好ましい質量割合は、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも35%であって、85%以下、好ましくは75%以下、より好ましくは65%未満である。非依存的に、1000〜5000Daの中程度のサイズのペプチドの好ましい質量割合は、12%以上であり、好ましくは少なくとも15%以上であり、特に好ましくは少なくとも18%以上であり、さらに好ましくは少なくとも24%以上であって、例えば、80%以下であり、好ましくは65%以下、特に好ましくは50%以下である。あるいは、又は並びに、本発明により用いられる加水分解物は、分子量5000Da及びそれ以上のペプチドの含有量が55質量%以下であり、好ましくは少なくとも1%、又は特に好ましくは少なくとも3%であって、45%以下、より好ましくは35%以下、特に25%以下である。これらの割合は、組成物の総タンパク質性物質を基準とするものである。
用いることができる最終加水分解物の平均分子量は、任意で、分画後又は異なる加水分解物を組み合わせた後でもよいが、好ましくは、500〜8000Da、より好ましくは、800〜5000Daである。
好ましい実施態様では、加水分解物は、2〜8アミノ酸長、好ましくは3〜7アミノ酸長で、好ましくは少なくとも一つのプロリン残基を含む比較的短いペプチドをも含み、出発タンパク質と比較すると強化されている場合もある。かかるペプチドは、プロリン残基を第一、第二、第三、又は第四N末端残基として含むことが好ましいが、大部分は、第二N末端残基として含む。プロリンは、C末端残基、又は最後から二番目のC末端残基としても見い出される。プロリン残基には、ほとんどの場合、ロイシン、バリン、又はフェニルアラニンが隣接し、度合いが少し減るが、グルタミン、アラニン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシン、メチオニン、及びチロシンが隣接することもある。N末端配列の一つが、LPX、VPX,XPL及びXPVであって、Xが、L、V、I及びFから選択され、より少ない程度に好ましくはA、G、H、M、Q、及びYから選択されるペプチドが最も好ましい。適切な短いペプチドの例としては、LPL、IPI、PFP、LPLP、HPIK、LPVP、MPLW、GPFP、PLLQ、KVLP、APFPE、LPQYL、LPVPQ、VPYPQ、APFPEVF、GPFPIIV、EMPFPK、PQSVLS、YVPEPF、VPLGTQ、LPVPQK、LF、LL、II、LC、及びVTKCCTEを挙げることができる。それゆえ、組成物は、分子量200〜800Daであるペプチドの含有量が、5〜60質量%であることが有利である。
本発明者らはいかなる論理にも縛られることを望まないが、平均分子量が500Daを超えるより大きなペプチド、特に5〜100アミノ酸長、なかでも特に8〜50アミノ酸長のペプチドは、GLP−1分泌の誘導活性を有し、3〜7アミノ酸長のより短いペプチドは、DPP-IVの阻害活性を有すると考えられている。それゆえ、ペプチドの組合せは、GLP−1レベルを増加させて、最適なインスリンの放出とグルコース管理とに貢献するという有益な二重の効果を有するものである。
本明細書で使用される「タンパク質加水分解物」なる用語は、一定の加水分解度を有する1又は複数のタンパク質の加水分解に由来するペプチドの混合物を意味し、ペプチド結合の総量に対する加水分解されたペプチド結合のパーセンテージは1%〜40%である。タンパク質は、一つのタンパク質源に由来するものであってもよいし、複数のタンパク質源に由来するものであってもよい。かかるタンパク質源の例としては、微生物(イースト菌、バクテリア、真菌類)、植物(大豆、豆、綿、トウモロコシ、小麦等)、動物を挙げることができ、乳、血液、肉、卵及びゼラチンも含まれる。それゆえ、1又は複数のタンパク質は、例えば、微生物や、植物性タンパク質や、動物性タンパク質であってもよく、肉粉、魚、甲殻類、又は軟体動物類、乳タンパク質や、卵タンパク質由来のタンパク質であってもよい。
タンパク質の加水分解は、当該技術分野で公知の任意の手段によって行うことができる。その例としては、化学的加水分解及び酵素的加水分解を挙げることができる。化学的加水分解の方法の例は、当該技術分野で周知であり、例えば、臭化シアンを用いる加水分解、塩酸等を用いる酸加水分解、あるいは1又は複数のタンパク質を含む1又は複数のタンパク質源の発酵による加水分解を挙げることができる。酵素的加水分解の方法もまた、当該技術分野では周知であり、例えば、精製酵素製剤又は粗酵素製剤を用いる加水分解を挙げることができる。用いることができる酵素製剤としては、エンド若しくはエキソペプチダーゼ類、プロテアーゼ類又はこれらの混合物を含むことができ、それらの例としては、トリプシン、キモトリプシンA、B及びC、ペプシン、レンニン、微生物アルカリプロテアーゼ、パパイン、フィチン、ブロメライン、カテプシンB、コラゲナーゼ、微生物中性プロテアーゼ類、カルボキシペプチダーゼA、B、及びC、カルノシナーゼ、アンセリナーゼ(anserinase)、スタフィロコッカス・アウレウス由来のV8プロテアーゼ、並びに当業者に周知のより多くの酵素類を挙げることができる。また、これらのプロテアーゼ類の組合せを用いてもよい。また、アルカラーゼ(Alkalase)、キモトリプシン800s(Chymo-trypsine800s)、ニュートラーゼ(Neutrase)、フレーバーザイム(Flavourzyme)(すべてNovo Nordisk, Denmark社より購入可能)、プロテックス6.0L(Protex 6.0L)、ペプチダーゼFP(両者ともGenencor社, USAより購入可能)、コロラーゼL10(Corolase L10)(Rohm社製, Germany)、ペプシン(Merck社製, Germany)、パパイン、パンクレアチン、プロレザーN(proleather N)及びプロテアーゼN(アマノ社製、日本)などの市販の酵素製剤、又は、これらの組合せを用いることができる。組換えDNA技術により調製された酵素を用いることもできる。
酵素を組み合わせること、特に、プロリンを含むペプチドを産生する1又は複数の酵素、及び別の特異性を有する1又は複数の酵素の組み合わせることは、適切である。組み合わせた酵素は、同時に又は連続して用いてもよい。
酵素的加水分解は、適切な加水分解度を提供し、容易に行うことができるので、タンパク質加水分解物は、上述のように酵素的加水分解により得ることが好ましい。さらに、酵素的加水分解に利用される酵素は、ゲル濾過クロマトグラフィなどの簡単なカラムクロマトグラフィによりタンパク質加水分解物から容易に分離することができ、熱、酸、塩基、又は阻害剤の添加により不活化することもできる。
あるいは、組み合わせた加水分解物、特に(a)5〜50アミノ酸長のペプチドに富んだ、加水分解度が、例えば1〜30%、特に2〜20%に限定された1つの加水分解物と;(b)2〜8アミノ酸長のプロリンを含有するペプチドに富んだ、加水分解度がより高く、例えば10〜50%、特に15〜40%である別の加水分解物;との組合せを用いてもよい。二つ(又はそれ以上)の加水分解物は、例えば、カゼイン類又は別の乳タンパク質などの、同一のタンパク質に由来してもよいし、あるいは、カゼインとホエー、又は、カゼインと小麦若しくは大豆等の植物性タンパク質などの異種タンパク質に由来してもよい。2つの加水分解物の質量比は、1:9〜9:1、特に1:3〜3:1でよい。
タンパク質加水分解物は、GLP−1刺激活性を(さらに)濃縮するために
、抽出、沈殿、濾過、限外濾過、ナノ濾過、精密濾過、又は従来のカラムクロマトグラフィ(好ましくは、イオン交換、又はアフィニティクロマトグラフィ)、あるいは、上述の技術のいずれかの組合せにより分画してもよい。それにより、ペプチドの混合物を含む分画、又は単一のペプチドを含む分画でさえも、出発タンパク質加水分解物に比較して、GLP−1に対する刺激効果が増加したことが同定できる。かかるペプチドの混合物又は単一のペプチドも、本発明に包含される。かかるペプチドは、適切な宿主においてコードするDNAの発現などの組換えDNA技術により、又は化学合成により調製してもよいことがさらに想定される。
タンパク質加水分解物は、タンパク質加水分解物であれば特に制限されず、特に、加水分解物が、食品グレードとみなされ、比較的容易に得ることができる食用タンパク質加水分解物でよい。本発明の好ましい実施態様では、タンパク質加水分解物は、ホエータンパク質加水分解物等の乳タンパク質加水分解物であり、より好ましくはカゼイン加水分解物である。乳は、任意のほ乳類、特にウシ、バッファロー、ヒツジ、又はヤギ、好ましくはウシに由来(牛乳)してもよい。あるいは、加水分解物は、卵タンパク質加水分解物、又は大豆等の植物タンパク質からの加水分解物でもよい。
本明細書で用いられるように、実施例2記載のGLP−1アッセイにおいて、GLP−1の濃度が、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも4倍、より好ましくは少なくとも10倍増加する場合に、タンパク質加水分解物はGLP−1刺激活性を示す。実施例3のDPP-IV阻害アッセイにおいて、IC50(すなわち、DPP-IV活性の50%を阻害する阻害剤(特にタンパク質加水分解物)の濃度)が、最大1000μg/ml、好ましくは最大800μg/ml、好ましくは最大600μg/ml、さらにより好ましくは400μg/ml以内、最も好ましくは最大300μg/mlである場合に、加水分解物は、DPP-IV阻害活性を示す。
さらなる態様では、本発明は、GLP−1が介在する疾患の予防及び/又は治療のための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造における本発明によるタンパク質加水分解物又は混合物の使用に関する。
本明細書で用いられる「予防(prophylaxis)」なる用語は、何ら兆候が未だ観察されていない場合に、GLP−1が介在する疾患の発症を予防することを意味する。このように、タンパク質加水分解物は、有害なGLP−1が介在する疾患が引き起こされることを予防するために利用されてもよく、それゆえ、任意の対象、特にそれらを必要とする対象の健康を改善し、又は安定させるために使用されてもよい。
本明細書で用いられる「GLP−1が介在する疾患」なる用語は、GLP−1が相対的に欠乏することにより発症又は悪化し、GLP−1により改善することができる、任意の有害な状況を意味する。GLP−1が介在する疾患の例としては、肥満や、II型糖尿病や、例えば、多発性硬化症(multiple sclerosis)、リウマチ性関節炎、グレーブス病等の自己免疫疾患などの免疫不全症を挙げることができる。GLP−1の刺激により利益を受けると想定される他の自己免疫疾患としては、I型糖尿病や、自己免疫溶血性貧血や、橋本甲状腺炎や、重症筋無力症(myasthenia gravis)、グッドパスチャー症候群、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)、原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)、シェーグレン症候群、慢性活動性肝炎、混合結合組織病、強皮症(scleroderma)、及び慢性特発性血小板減少性紫斑病(chronic idiopathic thrombocytopenic purpura)を挙げることができる。好ましくは、GLP−1が介在する疾患は、肥満やII型糖尿病である。これらの疾患の発病機序におけるGLP−1とDPP-IVの関与は、文献に多く記載されており、これらの疾患は、それゆえ本発明の加水分解物又はペプチドの主要な標的となっている。
一実施態様では、本発明のタンパク質加水分解物又は単離されたペプチドは、対象の満腹感を増加させるための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造のために使用される。GLP−1は、胃内容排出を減速し、食物摂取を阻害するので、GLP−1の分泌が増強され、又は分解酵素DPP-IVが阻害されると、その結果GLP−1はより長い循環の半減期を有し、対象の満腹感を増加させるので、かかる対象においては、空腹を感じることがより少なくなり、食物摂取が減少することになる。特に、例えば、肥満体等の過体重な対象、又は単にわずかに体重が多い対象は、本発明によるタンパク質加水分解物の投与によりGLP−1の分泌が増加するという利益を得ることになる。薬剤、健康食品、飲料又は食品は、しかしながら、過体重にならない様に一定の体重を維持するために利用することもでき、それゆえ、外見を安定及び/又は改善するという美容目的により、体重を安定及び/又は改善するために使用されてもよい。
それゆえ、さらなる実施態様では、本発明のタンパク質加水分解物又は単離されたペプチドは、肥満の予防及び/又は治療のための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造において使用される。
別の実施態様では、本発明のタンパク質加水分解物又は単離されたペプチドは、血糖値を低下させるための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造において使用される。加水分解物の摂取により血糖値が減少し、グルコース管理の改善をもたらし、糖尿病患者にとっては特に有利であることが見い出されてきた。
さらなる実施態様では、本発明のタンパク質加水分解物又は単離されたペプチドは、膵臓β細胞重量(b cell mass)を増加させるための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造において使用される。加水分解物又はペプチドの摂取により膵臓β細胞重量が増加することは、インスリン反応の改善、及びそれゆえグルコース管理の改善をもたらし、糖尿病患者に特に有利であることが見い出されてきた。
さらに別の実施態様では、本発明のタンパク質加水分解物は、II型糖尿病の予防及び/又は治療のための薬剤、健康食品、飲料又は食品の製造のために使用される。II型糖尿病は、高血糖をもたらし、体がインスリンに適切に反応しないというインスリンに対する耐性により特徴づけられる。肥満もしばしば伴う。GLP−1は、血糖値の正常化や満腹感と肥満(体重)のコントロールに寄与するので、本発明の1又は複数のタンパク質加水分解物の投与によりその循環半減期の増加によるGLP−1レベルの増加は、II型糖尿病の予防及び治療に寄与し、及び/又はインスリン感受性の改善をもたらすものである。
薬剤又は健康食品における使用については、調製物を所望の投与形態で得るために、任意の適切な担体、希釈剤、アジュバント、賦形剤、その他と組み合わせてもよい。薬剤又は健康食品は、経口投与することが有利である。「健康食品」なる用語は、特定の栄養成分又は医薬成分を提供し、必要とされる全エネルギー価(すなわち一般的に2000又は2500kcal/日未満)を供給しない任意の食物成分として当該技術分野では公知である。粉末の薬剤、或いは健康飲料等の健康食品の形態の保健食品も含まれる。消費する前に食品に添加することができる原料又は消費することができる調整物もまた包含される。
使用目的によっては、本発明のタンパク質加水分解物は、単独で、又は、医薬的に許容される担体と混合して、本発明の別の目的である適切な医薬製剤中で、投与されてもよい。
かかる製剤としては、“Remington’s Pharmaceutical Sciences Handbook”, Mack Pub. Co., N.Y. U.S.A.に記述されている、周知の方法や賦形剤を用いて調製することができ、例えば、タブレット、カプセル、シロップ、及びその他を挙げることができ、経口投与に適切な形態としては、許容される液体、移植、その他の滅菌溶液又は懸濁液を挙げることができる。
薬量学は、治療される病態のタイプや深刻さ、患者の体重や性別、その他のいくつかの因子に依拠するものであり、熟練した医師であれば容易に決定できる。好ましくは、本発明の加水分解物は、50mg〜50gのレベルで、言い換えれば活性ペプチドの濃度に依拠して投与される。加水分解物の好ましい投与レベルは、一日あたり、200mg〜20g、より好ましくは500mg〜5gである。活性画分については、特に、分子量1000〜5000Daである画分については、好ましい投与レベルは、一人一日あたり10mg〜10gのペプチド混合物、かかる画分のより好ましい投与レベルは、一日あたり40mg〜2gであり、200〜800Daの画分では、一日あたり5mg〜1gのペプチド、好ましくは一日あたり10mg〜500mgのレベルで投与されることが好ましい。
飲料又は食品における使用のためには、本発明によるタンパク質加水分解物又は単離されたペプチド又はそれらの混合物は、任意の一般的な食品原料と組み合わせることができる。「飲料」なる用語は、コーディアルやシロップ、及びインスタント飲料を調製するために水又はその他の液体成分に溶解される乾燥パウダーを含む。
好ましくは、本発明によるタンパク質加水分解物は、治療される病態のタイプや深刻さ、対象の重量や性別、その他に依拠するが、投与量は、体重1kgあたり0.001〜0.5gである。熟練した医師であれば、かかる因子を考慮に入れ、容易に決定できる。かかる範囲において、GLP−1の誘導及び/又はDPP-IVの阻害により、本明細書に開示している疾患や疾病の予防及び/又は治療に必要なGLP−1の活性の望ましいレベルにたいする効果がもたらされる。
本発明は、上述の任意のGLP−1が介在する疾患の予防及び/又は治療方法をも対象にするものであり、前記方法は、本発明のタンパク質加水分解物又は単離されたペプチドの有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。
次の実施例は、本発明をさらに説明するものであるが、いかなる面でも本発明の範囲を限定しない。
(GLP−1活性を向上させるためのタンパク質加水分解物の調製)
カゼイン酸ナトリウム100gを、水1800gに攪拌して溶解した。pHを7.5に調整した。その後、最終容量が2000mlになるように水を添加した。プロテアーゼであるトリプシン25ミリグラムを水に溶解して添加し、かかる混合物を内部温度37℃にて3時間インキュベートした。酵素反応は、5分間95℃に加熱することで停止された。混合物は、その後凍結乾燥された。分子量の分布は、表1に示されており(エントリーCAS002)、GLP−1刺激活性とDPP-IV阻害活性は、それぞれ実施例2と実施例3により測定され、表1に示されている。
異なるタンパク質源を用いて、酵素条件を変更することにより、表1に記載されている加水分解物を得た。
(GLP−1活性のインビトロ測定)
GLP−1のインビトロ活性は、STC−1細胞株を用いて測定された。STC−1細胞株は、ペニシリンとストレプトマイシンを補完したDMEM培地を用いて、表面が75cmであるフラスコで培養した。アッセイのために、細胞は、96ウェルのマイクロタイタープレートに播種され、飽和密度の85%まで成長させた。各アッセイ前に、細胞は、HBSSバッファーで洗浄され、その後、HBSSに溶解した加水分解物が、細胞に添加された。プレートは、その後5%CO存在下で、37℃にて2時間培養され、60μLの培養液が採取され、GLP−1ELISA(LINCO research社製)に用いられ、活性GLP−1の濃度を測定した。GLP−1活性は、加水分解物の非存在下で見い出されるGLP−1活性のパーセンテージとして表現されている(表1;図1参照)。
Figure 2009517464
(DPP-IV活性のインビトロ測定)
DPP-IV活性は、DPP-IVの基質としてGly−Pro−p−ニトロアニリド(Sigma社製、G-0513)を用い、385nmにおける吸光度の増加を測定することにより決定することできる。DPP-IV活性の低下は、阻害の尺度となる。
Gly−Pro−p−ニトロアニリド(基質;Sigma社製、G-0513)13.152mgを、pH8.0のトリスバッファー1mlに溶解した。DPP-IV(Sigma社製、D-7052)は、pH8.0のトリスバッファーで、1.1Unit/mlになるように希釈された。基質は、pH8.0トリスバッファーで50倍希釈した。サンプルは、タンパク質加水分解物をpH8.0トリスバッファーで、1質量%のタンパク質溶液に希釈することで調製された。サンプルは、その後、一連のサンプル濃度を得るために連続希釈した。異なる濃度に連続希釈したサンプル各50μLと、希釈した基質50μLは、96ウェルのマイクロタイタープレートのウェルにピペットで添加された。続いて、希釈した酵素100μLが、96ウェルのプレートの各ウェルにピペットで添加された。そして、385nmにおける吸光度の増加が測定され、異なる濃度の様々なタンパク質加水分解物のDPP-IV活性が決定され、そこからIC50(すなわち、DPP-IV活性を50%阻害する阻害剤(特にタンパク質加水分解物)の濃度)が導き出された。すべての加水分解物は、5%より大きい加水分解度(DH)であった。コントロールとして、加水分解度(DH)が0%である、2つの非加水分解性のタンパク質(カゼイン酸ナトリウム、DMV International社製、NL、とBipro、Davisco Foods社製、USA)が試験された。加水分解度は、当該技術分野で周知である、o-フタルアルデヒド(o-phtaldialdehyde)法を用いて測定した。それにより、多数のタンパク質加水分解物、特にカゼイン加水分解物のIC50が290〜1000mg/mLの範囲であることが測定されたが、非加水分解性のタンパク質は、酵素を阻害しなかった(表1参照)。
(グルコース耐性のインビボ研究)
ラットには、高エネルギー(4.4kcal/g)食(51.4en%炭水化物、31.8en%脂肪、16.8en%タンパク質、#12266B Research Diets社製)と、自由に水分を生後19週まで供した。その後、ラットには、日常の給餌法が導入され、同一の食餌が午前8〜10時と午後2〜4時に自由に与えられた。14日後、ラットは、無作為に5つのグループに分けられ(n=10)、以下の加水分解物(表1参照)を投与された:すなわち、CAS001、CAS002、CAS006及びWGE001である。加水分解物はミリQ水に溶解し、ラットごとに1投与あたり(体重500gあたり4ml)約4mlが、一日に2回、各食餌の45分前(午前7時15分と午後1時15分)に経管投与された。加水分解物の投与量は、体重1kgあたり800mgであり、5週間継続された。
加水分解物の投与(=0日)後7日目に、加水分解物の急性グリセミックキャパシティを、急性経口グルコース負荷試験(OGTT)により評価した。経口グルコース(2g/kg、グルコース500mg/ml、 Fresenius Kabi社製、SE)が、8時に(食餌時間前)経管投与された。血液サンプルが、尾静脈から採取され、ヘパリン化チューブ及びEDTAチューブに収容された。
ヘパリン化血液サンプルについては、自動分析器(Vitross DTII)で、標準的な酵素アッセイキットを用いて、血漿血糖値が分析された。血漿血糖値は、グルコース経口投与から−45、0、5、15、30、60、90、120及び240分後に測定された(図2参照)。図3は、図2の曲線下の積分した面積(integrated area)を表している。
血漿インスリンは、−45、0、5、15、30、60、90及び120分後に測定された(図4参照)。血漿インスリンについては、超高感度ELISA(Diamyd社製, SE)を用いて、各データポイントにつき、2個ずつサンプルを測定した。
(本発明の加水分解物又はペプチドを含むタブレットの調製物)
Figure 2009517464
パウダー類は前もって混合したが、ステアリン酸マグネシウムは混合の直前まで添加しなかった。ステアリン酸は、混合過程の最後に混合した。タブレット類は、直接圧縮で調製し、Chr. Hansen社のクロマトーン(Chroma tone)DD8 8793−PKでコーティングした。
タブレットのパラメーター:
形状: 長方形 (oblong)
質量 633mg
長さ 19mm
圧縮力 13.3kN
硬度 102N
崩壊時間 7分
(本発明の産物を含む発酵乳飲料の調製)
原料: 質量%
スキムミルク 80.2
水分 11.4
砂糖 8.0
ペクチン 0.3 (Genupectin YM 115-L CP, Kelco社製)
実施例1の加水分解物 0.95
ピーチフレーバー 0.06 (B80631 TaKasago社製)
色素 0.013 (パプリカ503160, Sensient food Colours社製)
乳酸 q.s.
培地 q.s. (YC-X11, chr. Hansen社製)
合計 100
調製方法:
70℃にて、ペクチンのストック溶液(4%)を水に溶かして作製する。乳と残存水を混合し、本発明の産物と砂糖を乳に溶解する。溶液を、90℃にて5分間低温殺菌する。発酵温度(42℃)まで冷却し、培養物を添加し、pHが4.3になるまで発酵する。ペクチン溶液を添加し、激しく混合する。その後乳酸を用いてpHを4.0に調整し、混合液を40℃にて120/120バーで均質にして、フレーバーと色素を添加する。缶に詰めて80℃にて3分間低温殺菌する。
(本発明の産物を含む無糖飲料)
原料: 質量%
水分 96.0
エリスリトール 2.0 Cargill社 Ceridex 16952
実施例1の産物 0.85
クエン酸 0.35 ADM社
アスパラギン酸ナトリウム0.25 Ajinomoto社
ペクチン 0.1 CP Kelco社, YM100H
オレンジフレーバー 0.1 Danisco社 #11009
パイナップルフレーバー 0.1 Givaudan Roure社 #468529
マンゴフレーバー 0.1 Ottens社 #6252
クエン酸ナトリウム 0.08 Staley FCC社, USP dehydrate
スクラロース 0.02 McNeil Nutritionals社
FD&C イエロー#6 0.006
合計 100
調製方法:原料を水に溶解したが、pHを最終的に3.85に調整するまでは酸を添加しなかった。溶液をビンに入れ、85℃にて1分間低温殺菌した
なし

Claims (10)

  1. 組成物の総タンパク質性物質を基準として、分子量500Da未満のペプチドの含有量が1〜70質量%であり、分子量が5000Daを超えるペプチド又はタンパク質の含有量が55質量%未満であり、加水分解度が1〜40%である、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の分泌を刺激する栄養組成物又は医薬組成物の製造におけるタンパク質加水分解物の使用であって、加水分解物が、分子量1000〜5000Daであるペプチドの含有量が12〜80質量%であることを特徴とする使用。
  2. 加水分解物が、分子量1000〜5000Daのペプチドの含有量が15〜65質量%であることを特徴とする請求項1記載の使用。
  3. 加水分解物が、乳タンパク質加水分解物、特にカゼイン加水分解物であることを特徴とする請求項2記載の使用。
  4. 加水分解物の加水分解度が8〜30%であることを特徴とする請求項3記載の使用。
  5. 組成物が、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)をさらに阻害することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の使用。
  6. 分子量800Da未満のペプチドの少なくとも50%が、プロリン残基を含むことを特徴とする請求項5記載の使用。
  7. 組成物が、組成物の総タンパク質性物質を基準として、分子量500Da未満のペプチドの含有量が5〜60質量%であり、及び/又は、分子量1000〜5000Daのペプチドの含有量が24〜50質量%であり、及び/又は、分子量が5000Daを超えるペプチドの含有量が45質量%未満であることを特徴とする、請求項1〜6いずれか記載の使用。
  8. 組成物が、タンパク質加水分解物を一日あたり100mg〜50gのレベルで投与することを特徴とする、請求項1〜7いずれか記載の使用。
  9. 肥満、II型糖尿病、若しくは免疫疾患の予防又は治療のための請求項1〜8いずれか記載の使用。
  10. 組成物の総タンパク質性物質を基準として、分子量500Da未満のペプチドの含有量が1〜70質量%であり、分子量が5000Daを超えるペプチド又はタンパク質の含有量が55質量%未満であり、加水分解度が1〜40%であるタンパク質加水分解物を必要とする対象に投与することを含む、加水分解物が、分子量1000〜5000Daであるペプチドの含有量が12〜80質量%であることを特徴とする、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)が介在する疾患の予防又は治療方法。
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