JPH07268579A - 連続溶融めっき方法及びその装置 - Google Patents

連続溶融めっき方法及びその装置

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JPH07268579A
JPH07268579A JP6077694A JP6077694A JPH07268579A JP H07268579 A JPH07268579 A JP H07268579A JP 6077694 A JP6077694 A JP 6077694A JP 6077694 A JP6077694 A JP 6077694A JP H07268579 A JPH07268579 A JP H07268579A
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plating
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Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
Koji Kobayashi
廣司 小林
Kuniaki Okada
邦明 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】めっき浴液中のシンクロール上方に滞留し、も
しくはめっき浴の底に堆積するドロスを常に少なく抑制
でき、鋼帯の表面に生じるドロス欠陥を低減でき、めっ
き外観性及び耐食性に優れためっき製品を製造できる。 【構成】連続溶融めっき装置1は、めっき浴液4を収容
するめっき浴槽2を備え、浴槽2内には、鋼帯8を搬送
するためのシンクロール6と、ドロス3を回収するため
のバケット12と、バッケト12内にドロスを含むめっ
き浴液4を吸引するためのガスリフトポンプ20と、ガ
スリフトポンプ20から供給される清浄されためっき浴
液4を流通する戻り配管30と、を備えている。配管3
0は、2方向に分岐され、一方はシンクロール6の上方
で且つ鋼帯8の導入位置近傍に、他方はシンクロール6
の下方で且つバケット12に向かって開口されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続的に走行する鋼帯
を亜鉛などの耐蝕性金属を溶解しためっき浴液に浸漬し
てめっきする連続溶融めっきにおいて、めっき浴液中に
発生するドロスを除去しながら、表面が美麗なめっき鋼
板を製造する連続溶融めっき方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の連続溶融めっき法では、図3に示
すように、めっき浴槽42の中に亜鉛などの耐蝕性めっ
き金属44が溶解してある。鋼ストリップ、即ち鋼帯4
8を連続的に位置(a)からめっき浴槽42内の案内ロ
ール46を通して位置(b)の方向に取出し、ガスワイ
ピングノズル50でめっき付着量を調整する。この連続
溶融めっき法では、めっき浴液中にドロス43aが浮遊
し、めっき浴槽42底部にドロス43bが堆積する。す
なわち、めっき浴液44中の鋼帯48や金属製の浴中機
器から鉄が溶出し、溶融しているめっき浴液44と結合
して固相の金属間化合物を生成する。これは、一般にド
ロスと呼ばれる。例えば、溶融亜鉛めっき法の場合、金
属間化合物FeZn7 が生成し、ドロスとなる。また、
溶融亜鉛浴中にアルミニウムが添加されている場合には
金属間化合物Fe2 Al5 が生成し、ドロスとなる。
【0003】このようなドロス43には、めっき浴液4
4と較べて比重が大きいものや小さいものがある。めっ
き浴液と較べて比重が小さいドロスは、めっき浴液上に
浮遊してくるので、除去することが比較的容易である。
しかし、めっき浴液44と較べて比重が大きいドロスの
なかには、その大きさが小さいため、めっき浴液44中
に浮遊している時間が長いものがある。すなわち、ドロ
ス43は、その生成初期においては粒径が数μmと小さ
く、めっき浴液44との比重差も小さいため、沈降速度
が極めて小さく、めっき浴槽42内の流れに随伴して移
動しているのである。これらのドロス43は合体したり
成長したりして粒径が大きくなり、やがてめっき浴槽4
2の底部に堆積するが、これが通板速度変更などの操業
条件変更に際して巻き上がり、めっき浴液44を汚す原
因となる。また、従来の連続溶融めっき装置では、図中
(イ)の部分にドロスの澱みが生じ易く、この部分に浮
遊する多数のドロス43cは、長時間滞留することにな
る。
【0004】このように、ドロス43が多数浮遊してい
るめっき浴液44中でめっきを行うと鋼帯48表面にド
ロス43が付着する。粒径が数十μm以上のドロス43
が付着した場合には、めっき外観性の悪化や、不めっき
やピンホールの発生による耐蝕性悪化などの表面欠陥と
なり、製品の品質を著しく低下させる問題がある。さら
に、めっき浴槽42底部に堆積したより大粒のドロス4
3bも通板速度変更などの操業条件変更に際して巻き上
がり、同様の問題を引き起こす。
【0005】従って、実際の操業では、鋼帯48へのド
ロス43の付着による表面欠陥を生じさせないため、例
えば、めっき浴槽42を2つ以上設置して、10〜20
日毎に交換使用して、めっき操業を終えためっき浴槽4
2底部に堆積したドロス43をすくい出す方法が採用さ
れている。しかし、この方法では、めっき浴槽42を2
つ以上設置するため初期設備費が高くなる問題がある。
また、めっき浴槽42が1つしかない場合には、定期的
に生産を長時間中断して、めっき操業を終えためっき浴
槽42底部に堆積したドロス43をすくい出す方法が採
用されている。この場合には、ドロス43をすくい出す
作業を行なっている間は、生産が停止するため、ライン
の稼働率が前者に較べて大幅に低下するので、生産効率
が悪いという問題がある。また、操業期間中は、めっき
浴液44中のドロス43の量は徐々に増加するため、操
業期間の後期には、堆積したドロス43の巻き上げを抑
制するため通板速度を低くするなどの操業制約を行なわ
ざるを得ない。更に、これらの方法は、上述した部分
(イ)に滞留するドロス43cを積極的に除去する方法
ではないので、鋼帯48のA側のほうがB側よりドロス
の付着による欠陥の発生率が高いことに対する根本的な
解決策にはならない。
【0006】このようなことから、近年、ドロス除去作
業にかかわる休止時間、休止回数を削減し、連続的に安
定した生産を続けるための様々な対策が考えられてい
る。例えば、ドロス43が増加しためっき浴液にアルミ
ニウムを添加して、 2FeZn7 +5Al→Fe2 Al5 +14Zn の反応を行なわせ、沈降性のドロスである(FeZn
7 )を浮上性ドロス(Fe2 Al5 )に変えて浮上分離
除去する方法がある。しかしながらこの方法ではアルミ
ニウムの一部がめっき浴液44中に残り、めっき浴液成
分組成が変化してめっき不良になりやすくなる問題があ
る。
【0007】また、実開平2−146153号公報で
は、めっき浴槽底部に堆積したドロスを、気泡ポンプで
浴上まで汲み上げてフィルタによりドロスを分離除去す
る方法が開示されている。この方法は、ドロスの分離方
法としてのフィルター分離方法を示している。前述した
ように、ドロス欠陥を発生させるドロスの径は数十μm
程度であり、このような微細な粒子を効率よく捕獲する
ためには、フィルターの開口をこれ以下にする必要があ
り、このようなフィルターを使用すると目づまりが著し
く、浴槽の底に堆積したドロスを全て除去するには短時
間に多くのフィルターを交換使用したとしても、多大の
労力と時間がかかり実用上は効率の悪い作業となる。
【0008】また、特開平3−183751号公報に
は、めっき液浴中に気体を吹込んで、ドロスを気泡に付
着させて浮上分離する方法が開示されている。この方法
では比較的簡単な設備でドロスを浮上させることがで
き、浮上したドロスを除去することは比較的容易である
から、優れたドロス除去方法と考えられる。しかし上記
公報に開示された装置の気泡吹込み位置は、めっき浴槽
の右下部に位置しているため、仮にその位置を上下させ
たところで溶融めっき浴槽の左下部に堆積したドロスを
気泡に付着させることは困難であり、ドロス分離効率は
極めて低くなる。また、ドロスと気泡との付着を促進し
ようとして回転羽根の回転速度を増大させると、溶融め
っき浴槽内部に乱流を発生させ、沈降しているドロスを
巻き上げて、かえってドロス欠陥の発生を助長すること
になる。従って、この方法をもってしても、ドロス欠陥
を解消する実用的手段とはなりえない。
【0009】さらに、特開平4−221049号公報に
は、ポンプによりドロスを汲み上げ、これを温度制御さ
れた沈殿槽に導いて、ドロスの沈殿を促進させ、ドロス
が沈殿した上澄液をめっき液浴にもどす方法が開示され
ている。この方法の特徴は、ドロス沈殿槽に導いたドロ
スを含むめっき液の温度を上下させることでドロスを大
径化して沈殿を促進させることにある。従って、沈殿槽
および沈殿槽へのめっき液循環装置に加えて、精密な温
度制御装置が必要となり、初期設備費のみならず、運転
費の増大を招き、製品コスト上昇を招く問題がある。さ
らに、技術的にみても、沈殿槽からの簡便なドロス除去
方法の開示がない、など実用的には完成された技術とは
言い難い。
【0010】いずれにしても、従来技術によるドロス分
離方法はいずれも、めっき液中に生じる微細なドロス
を、経済的に効率良く分離除去する方法とは言えないの
が現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の連続溶融めっき
装置においては、めっき浴中に設けられたシンクロール
を回転して鋼帯をめっき浴槽内に浸漬している。つま
り、めっき浴槽の上方からめっき浴液中に導入される鋼
帯は、シンクロールの下部で方向転換され、めっき浴液
上に引き出される。このため、シンクロール上方の鋼帯
に包囲された領域にドロスが滞留し易い問題がある。こ
の結果、この領域に面する側の鋼帯表面のドロス欠陥の
発生率が反対側のそれと比べて大きくなり、鋼帯のめっ
き外観性及び耐食性を損なう問題を生じる。
【0012】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、めっき浴液中のシンクロール上方に滞
留し、もしくはめっき浴の底に堆積するドロスを常に少
なく抑制でき、鋼帯の表面に生じるドロス欠陥を低減で
き、めっき外観性及び耐食性に優れためっき製品を製造
できる連続溶融めっき方法及びその装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決する手段】この目的を達成するために、本
発明者らは鋭意研究して、浴中ロールの上方にドロスが
滞留し易い点に着目し、さらに、めっき浴槽の底部に堆
積したドロスを回収して系外に取り出すための回収容器
をめっき浴槽内に設けることに着目した。そして、浴中
ロールの上方から鋼帯の導入位置近傍に向かって清浄し
ためっき浴液を流入し、鋼帯近傍に滞留するドロスを含
むめっき浴液をドロスを含まないめっき浴液に置換し、
さらに、めっき浴槽の底部に堆積したドロスを吸引手段
により吸引し、回収容器でドロスを分離回収し、溶融め
っき浴液中のドロス量を常時少なく抑制することによ
り、本発明を完成した。
【0014】すなわち、この発明に係る連続溶融めっき
方法は、溶融めっき浴槽内に設けられた浴中ロールの回
転により、帯状金属材を溶融めっき浴槽内に引込むとと
もに、溶融めっき浴槽内で溶融めっき浴液に浸漬された
帯状金属材を上記溶融めっき浴槽上に引上げる搬送工程
と、上記帯状金属材の浸漬により上記溶融めっき浴槽内
に生じるドロスを上記溶融めっき浴液とともに上記溶融
めっき浴槽内に配置された回収容器内に吸引する吸引工
程と、上記吸引された溶融めっき浴液からドロスを分離
回収する回収工程と、上記ドロスを分離した溶融めっき
浴液の一部を上記浴中ロールの上方から上記帯状金属材
の導入位置近傍に向かって流入させるとともに、残りを
上記浴中ロールの下方で且つ上記帯状金属材の導出位置
近傍から上記回収容器のめっき浴液吸引口に向かって流
入させる流入工程と、を具備している。
【0015】また、この発明方法を達成するための連続
溶融めっき装置は、溶融めっき浴液を収容する溶融めっ
き浴槽と、この溶融めっき浴槽内に設けられ、回転して
帯状金属材を溶融めっき浴槽内に導入するとともに溶融
めっき浴槽から引上げる浴中ロールと、上記溶融めっき
浴槽内に脱着可能に設けられ、導入される溶融めっき浴
液からドロスを分離回収する回収容器と、ドロスを含む
溶融めっき浴液を上記回収容器内に吸引する吸引手段
と、上記ドロスを分離した溶融めっき浴液の一部を上記
浴中ロールの上方から上記帯状金属材の導入位置近傍に
向かって流入させるとともに、残りを上記浴中ロールの
下方で且つ上記帯状金属材の導出位置近傍から上記回収
容器のめっき浴液吸引口に向かって流入させる流入手段
と、を具備している。
【0016】
【作用】上述のように、この発明によれば、ドロスが分
離除去されためっき浴液を浴中ロールの上方から帯状金
属材の導入位置近傍に流入し、浴中ロールの上方の帯状
金属材に包囲された領域に多数のドロスが滞留しためっ
き浴液に換えて清浄されためっき浴液を置き換えること
により、鋼帯付近のめっき浴液を常時清浄化し、それに
よってドロス欠陥の発生率を低減し、従来の操業方法に
較べてドロス欠陥の発生率を大幅に低減することができ
る。
【0017】しかしながら、操業中に堆積するドロスそ
のものをなくすことはできないので、本発明者等は、め
っき浴液中のドロスをめっき浴槽外に除去する方法を開
発した。すなわち、めっき浴槽内にドロスを回収するた
めの回収容器を配置し、さらにこの容器内にドロスを吸
引するための吸引手段を組合わている。そして、ドロス
を含むめっき浴液を回収容器内に吸引するとともに、回
収容器内でドロスを分離回収し、回収されたドロスを回
収容器とともにめっき浴槽から取り出している。これに
より、めっき浴液中のドロス存在量を抑制して帯状金属
材表面に発生するドロス欠陥を低減する。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図1及び図2に示すように、この発明の
連続溶融めっき装置1は、溶融めっき浴槽2(以下、め
っき浴槽2)を備えている。めっき浴槽2内には、亜鉛
等の耐食性めっき金属を溶融した溶融めっき浴液4(以
下、めっき浴液4)が収容されており、めっき浴槽2
は、図示しない保温装置により所定温度に制御されてい
る。めっき浴液4中には、浴中ロール、即ちシンクロー
ル6が設けられ、このシンクロール6は、図示しない駆
動装置により回転され、帯状金属材としての鋼帯8を図
示しないスナウトを介してめっき浴液4中に導入し、且
つめっき浴液4に浸漬された鋼帯8をめっき浴槽2から
引上げる。鋼帯8がめっき浴槽2上に引上げられる位置
には、ガスワイピングノズル10が設けられており、こ
のガスワイピングノズル10によりめっき浴液4を払拭
し、鋼帯8の表面に形成される溶融めっき層の厚さを調
整している。
【0019】また、めっき浴槽2内であってシンクロー
ル6の左側、即ち鋼帯8の導入側には、めっき浴槽2内
に発生したドロス3を回収するための回収容器としての
バケット12が設けられている。バケット12は、略直
方体の外形を有し、めっき浴槽2の底部に沿ってシンク
ロール6に向かって突出する細長い開口部14と、めっ
き浴槽2上方の大気中に解放された開口部16と、を備
えている。開口部14の高さhは、0.5〜2.0cm
であることが好ましく、その長さ(またはバケットの奥
行き)は、めっき浴槽2の内側の寸法より僅かに小さい
ことが好ましい。また、バケット12の幅Hは、開口部
14の高さhの50倍以上であることが好ましい。ま
た、バケット12内であって開口部14側の側壁から距
離sだけ離間した位置には、バッケト12の奥行き全長
に渡る隔壁18が設けられている。隔壁18の高さは、
バケット12の幅Hの0.5〜1.0倍であることが好
ましく、隔壁18までの距離sは、開口部14の高さh
と略等しいことが好ましい。
【0020】また、バッケト12内には、メッシュ10
0μm、面積は15m2 のセラミックファイバー製のフ
ィルター13が設けられている。フィルター13のメッ
シュは80μm〜200μmであることが好ましく、メ
ッシュが80μmより小さい場合にはフィルター13の
目詰りが激しく長期使用に耐えることができず、メッシ
ュが200μmより大きい場合にはドロス3が捕獲され
にくくなり循環するめっき浴液4が十分に清浄化されな
い。また、フィルター13の面積は大きい方が好まし
く、本実施例においては大きなフィルター面積を得るた
めに折り畳んだ状態でバケット12内に収容している。
以上のように構成されたバケット12は、めっき浴槽2
内に脱着可能に収容されている。
【0021】上述したバッケト12内には、めっき浴液
4を吸引する吸引手段としてのガスリフトポンプ20が
配設されている。ガスリフトポンプ20は、めっき浴液
を汲み上げるためのリフト管22と、このリフト管22
の上端部に設けられた気液セパレーター24と、リフト
管22の下端部近傍から気液セパレーター24を通して
延びるガス供給管26と、を備えている。リフト管22
の下端部はバッケト12内のめっき浴液4中に浸漬さ
れ、気液セパレーター24の上端部には大気中に解放さ
れた開口部25が形成されている。ガス供給管26は、
この開口部25を介してリフト管22の下端部近傍まで
延びており、その基端部には図示しない不活性ガス、例
えば窒素ガス供給源が接続されている。
【0022】気液セパレーター24の側面には、流入手
段としての戻り配管30の基端部がフランジ28を介し
て脱着可能に接続されている。戻り配管30の先端部
は、めっき浴液4中をめっき浴槽2の側壁に沿ってシン
クロール6に向かって延び、シンクロール6に導入され
る鋼帯8を過ぎた位置、及びシンクロール6から導出さ
れる鋼帯8を過ぎた位置で、めっき浴液面に沿って略直
角に水平に折り曲げられ、シンクロール6の略中央部で
下方に折り曲げられている。シンクロール6の上方から
下方に向かって延びた配管32は鋼帯8の導入位置近傍
まで達し、シンクロール6を超えて下方に向かって延び
た配管34はめっき浴槽2底部近傍でスリット状の開口
部36aを有するノズル36に接続されている。ノズル
36は、シンクロール6と略平行にめっき浴槽2の奥行
きの全長に渡って延び、スリット状の開口部36aは、
鋼帯8の導出位置近傍の下方の位置でバッケト12に向
かって開口されている。
【0023】以上のように構成された連続溶融めっき装
置1は、以下のように作動される。被めっき体としての
鋼帯8は、シンクロール6を回転することによりめっき
浴液4中を通板され、めっき浴液4中に浸漬される。浸
漬によりめっき浴液4中に溶出する鋼帯8の鉄成分は、
めっき浴液4と化合して金属間化合物としてのドロス3
を生成する。そして、めっき浴液4中に生成されたドロ
ス3は、めっき浴液4とともにガスリフトポンプ20に
よりバケット12内に吸引され、バケット12内に設け
られたフィルター13によりトラップされ、バッケト1
2ごとめっき浴槽2の外に搬出されて除去される。以
下、ガスリフトポンプ20の動作について詳細に説明す
る。
【0024】ガスリフトポンプ20が作動されると、図
示しない窒素ガス供給源からガス供給管26を介して窒
素ガス27が供給される。窒素ガス27は、リフト管2
2の下端部近傍で噴出されてリフト管22内を上昇し、
リフト管22内に窒素ガス27とめっき浴液4との混合
物の上昇流を生じる。これによりバッケト12内のめっ
き浴液4が汲み出され、バッケト12内のめっき浴液面
位置が下がり、バケット12の内側と外側との間に圧力
差を生じ、ドロスを含むめっき浴液4がバケット下方に
設けられた開口部14を介してバケット12内に吸引さ
れる。
【0025】ガスリフトポンプ20で汲み上げられるめ
っき浴液4の流量は、窒素ガス27の供給量を変化させ
ることにより変えることができる。本実施例では窒素ガ
ス27の流量を約5m3 /hとした場合、めっき浴液4
の流量は約6m3 /hとなる。このとき、めっき浴液吸
引口としてのバケット12の開口部14における流入流
速は約0.05m/sである。また、窒素ガス27の供
給量を増加させると、めっき浴液4の流量も増加するこ
とが確かめられている。なお、ガスリフトポンプ20
は、バケット12に脱着可能な方法で取り付けられてい
る。また、ガスリフトポンプ20めっき浴液4と接触し
ない部分には、図示しない断熱材が設けられ、ポンプ内
を保温している。また、ガスリフトポンプ20を構成す
る部材の材質はセラミックやステンレスである。
【0026】開口部14を介してバッケト12内に吸引
されためっき浴液4は、隔壁18を越えてバケット12
内に流入し、フィルター13を通過してガスリフトポン
プ20に吸引される。フィルター13は、セラミックフ
ァイバーを布状に織って作られたもので、その透過面積
を大きくするために多重に折り曲げられてバケット12
内に脱着可能に収容されている。めっき浴液4が流入す
る開口部14の断面積に比べて、バケット12のフィル
ター設置部分の水平方向の断面積を50倍以上とし、且
つフィルター13の面積を大きくしてあるため、めっき
浴液4がバッケト12内を上昇する流速、及びフィルタ
ー13を通過する流速が共に遅くなる。そのため、めっ
き浴液4中のドロスのうち沈降速度の大きいものはバケ
ット12底部に沈殿し、沈降速度の小さいものはフィル
ター13にトラップされる。更に、トラップされたドロ
スのフィルター表面での堆積厚さが大きくなると、めっ
き浴液4の通過流速が低下し、ドロス沈降速度が卓越し
てドロス3がバケット12底部に流下して堆積する。こ
の結果、フィルター13は長時間の使用に耐え、本発明
では2週間の連続使用が可能である。尚、フィルター1
3通過後のめっき浴液4をサンプリングして凝固させた
後、顕微鏡にて観察したが、めっき浴液4中に30μm
以上の粒径のドロスは観察されなかった。以上のよう
に、ドロスを含むめっき浴液4からドロス3が回収され
めっき浴液4が清浄される。
【0027】ガスリフトポンプ20により吸引されため
っき浴液4と窒素ガス27との混合流体は、気液セパレ
ーター24により分離され、窒素ガス27は気液セパレ
ーター24の上部に形成された開口部25を介して大気
中に放出され、清浄されためっき浴液4はフランジ28
を介して戻り配管30に流入される。戻り配管30内を
流通するめっき浴液4の一部は、開口部32aを介して
シンクロール6上方の鋼帯8の導入位置近傍に向けて流
入され、図1(イ)の部分に澱み滞留するドロスを拭き
流すとともに清浄なめっき浴液4で置換する。一方、残
りのめっき浴液4は、スリット状の開口部36aを介し
てシンクロール6下方の鋼帯8の導出位置近傍からバッ
ケト12に向けて流入され、めっき浴槽2の底部に堆積
したドロス3をバケット12のめっき浴液吸引口、即ち
細長い開口部14に向かって移動させるとともに、この
部分(即ち、めっき浴槽底部)を清浄なめっき浴液4で
置換する。
【0028】一方、バケット12内にトラップされたド
ロス3は、連続溶融めっき装置1を停止してシンクロー
ル6等の浴中機器を交換する際にめっき浴槽2からバケ
ット12ごと取り出される。そして、このドロスが除去
されたバケット12、或いはドロスを含まない別の新た
なバケットがめっき浴槽内の所定位置に配置される。機
器の交換に要する時間は数時間であり、この間にシンク
ロール6、ガスリフトポンプ20、戻り配管30等がめ
っき浴槽2内から一時的に撤去される。バケット12
は、クレーン等を用いてめっき浴槽2から引上げられ、
フィルター13とともに交換される。このようにドロス
3をバケット12ごとめっき浴槽2から搬出することに
より、ドロス3の払出しを容易にすることができるとと
もに、浴中機器の交換時間内に素早くドロス3をめっき
浴槽2外に搬出できるので、装置の操業停止時間に影響
を与えることがなくなる。このようにすれば、従来人手
により行われていたドロス汲み上げ作業と比較して、作
業性及び安全性を向上することができる。
【0029】次に、本発明の連続溶融めっき装置1を用
いて水モデルによる実験を行った。その結果以下のよう
な結論が得られた。 (1)ノズル36から噴出する流体流量Qに対してシン
クロール6下部を通過する流体流量Q´を測定したとこ
ろ、Q´はQの2〜4倍であった。これは、ノズル36
から噴出する流体が周囲の流体を巻き込んで流れるため
であり、例えばエジェクタと似た機構と考えられる。
【0030】(2)ノズル36から噴出する流体流量Q
が大きすぎると、シンクロール6下部を通過した流体が
バケット12近傍でドロス3を上方に吹き上げる現象が
見られる。ただし、この現象は、バケット12への吸い
込み流量をQの2〜4倍に増加させることにより抑制で
きることがわかった。
【0031】以上のことから、めっき浴液中のドロスを
最も効率良く回収できるように、ガスリフトポンプでの
汲み上げ流量と、戻り配管を介して開口部32aおよび
開口部36aから流入されるめっき浴液の流量と、を最
適な流量に調整した結果、開口部32aから流入される
めっき浴液を開口部36aから流入されるめっき浴液の
2倍以上にすることが最適であることが判明した。
【0032】更に、本発明の連続溶融めっき装置1を用
いためっき操業と従来の装置を用いためっき操業とを比
較したところ、表1に示すような結果が得られた。尚、
めっき装置1の操業条件は、鋼帯8の板幅を約900〜
1600mm、板厚を0.6〜1.6mm、通板速度を
60〜100m/分とし、ガスリフトポンプ20による
めっき浴液4の循環量を1時間当り約6m3 とした。ま
た、鋼帯8表面のドロス欠陥発生の評価は、自動車用め
っき鋼板として出荷できる品質以上であることを基準と
し、当該設備の品質検査担当者の目視判定により実施し
た。
【0033】
【表1】
【0034】本発明の連続溶融めっき装置1を用いた操
業方法においては、従来の操業方法と比較してドロス欠
陥の発生率が激減したばかりでなく、通板速度や液温制
御などの制約を加える必要がなくなった。尚、この発明
は、上述した実施例に限定されることなく、発明の範囲
内で種々変更可能である。
【0035】
【発明の効果】以上、本発明によれば、戻り配管を介し
て清浄なめっき浴液を流入し、シンクロール上方の鋼帯
に包囲された領域に滞留し易いドロスを拭き流すととも
に清浄なめっき浴液で置換している。そのため、鋼帯導
入位置付近のドロスの澱み滞留を防止できる。また、戻
り配管から流入されるめっき浴液の流れを利用して、め
っき浴槽の底部に堆積したドロスをバケットのめっき浴
液吸引口に向かって移動し、バケット内にこのドロスを
含むめっき浴液を吸引し、ドロスを分離回収することが
できる。この結果、長期間連続かつ安定してドロス欠陥
を生じない連続溶融めっきを行うことができる。
【0036】このような方法で得られためっき鋼板は、
ドロス欠陥が無く、めっき外観性に優れ、また耐蝕性に
も優れている。しかも、ドロス欠陥がない溶融めっき鋼
板を長期にわたって製造し続けることができる効果があ
る。従って、生産効率が良くなる。
【0037】更に、ドロスを排出するためのバケットは
構造が簡単であるため安価である。また、2個以上のバ
ケットを用意して交換使用すれば、交換時間は極めて短
時間で、従来から計画的に行なわれる浴中機器の交換作
業時間内での実施が可能で操業停止時間に与える影響も
ない。従って、本発明による操業コストの増分は極めて
わずかであり、製品品質向上と生産効率向上による効果
がはるかに大きい。さらに、ドロスがめっき浴槽底部に
残存堆積する量が微量となるので、めっき浴槽底部に堆
積したドロスを除去する必要がなくなり、従来人手を多
く要していたドロス除去作業が大幅に簡素化される効果
も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例に係る連続溶融め
っき装置を示す断面図。
【図2】図2は、図1の装置を示す平面図。
【図3】図3は、従来の溶融めっき装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…連続溶融めっき装置、2…溶融めっき浴槽、3…ド
ロス、4…溶融めっき浴、6…シンクロール、8…鋼
帯、10…ガスワイピングノズル、12…バケット、1
3…フィルター、14…細長い開口部、16…開口部、
18…隔壁、20…ガスリフトポンプ、22…リフト
管、24…気液セパレーター、26…ガス供給管、27
…窒素ガス、28…フランジ、30…戻り配管、32…
シンクロール上方への配管、32a…開口部、34…シ
ンクロール下方への配管、36…ノズル、36a…スリ
ット状の開口部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融めっき浴槽内に設けられた浴中ロール
    の回転により、帯状金属材を溶融めっき浴槽内に引込む
    とともに、溶融めっき浴槽内で溶融めっき浴液に浸漬さ
    れた帯状金属材を上記溶融めっき浴槽上に引上げる搬送
    工程と、 上記帯状金属材の浸漬により上記溶融めっき浴槽内に生
    じるドロスを上記溶融めっき浴液とともに上記溶融めっ
    き浴槽内に配置された回収容器内に吸引する吸引工程
    と、 上記吸引された溶融めっき浴液からドロスを分離回収す
    る回収工程と、 上記ドロスを分離した溶融めっき浴液の一部を上記浴中
    ロールの上方から上記帯状金属材の導入位置近傍に向か
    って流入させるとともに、残りを上記浴中ロールの下方
    で且つ上記帯状金属材の導出位置近傍から上記回収容器
    のめっき浴液吸引口に向かって流入させる流入工程と、 を備えていることを特徴とする連続溶融めっき方法。
  2. 【請求項2】溶融めっき浴液を収容する溶融めっき浴槽
    と、 この溶融めっき浴槽内に設けられ、回転して帯状金属材
    を溶融めっき浴槽内に導入するとともに溶融めっき浴槽
    から引上げる浴中ロールと、 上記溶融めっき浴槽内に脱着可能に設けられ、導入され
    る溶融めっき浴液からドロスを分離回収する回収容器
    と、 ドロスを含む溶融めっき浴液を上記回収容器内に吸引す
    る吸引手段と、 上記ドロスを分離した溶融めっき浴液の一部を上記浴中
    ロールの上方から上記帯状金属材の導入位置近傍に向か
    って流入させるとともに、残りを上記浴中ロールの下方
    で且つ上記帯状金属材の導出位置近傍から上記回収容器
    のめっき浴液吸引口に向かって流入させる流入手段と、 を備えていることを特徴とする連続溶融めっき装置。
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