JP2001335904A - 鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法および溶融金属めっき装置 - Google Patents

鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法および溶融金属めっき装置

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JP2001335904A JP2000156275A JP2000156275A JP2001335904A JP 2001335904 A JP2001335904 A JP 2001335904A JP 2000156275 A JP2000156275 A JP 2000156275A JP 2000156275 A JP2000156275 A JP 2000156275A JP 2001335904 A JP2001335904 A JP 2001335904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼帯の連続溶融金属めっきにおいて、簡易な
装置で、めっき浴にAlなどのめっき助剤を添加すると共
に、めっき浴中のドロスを効果的に除去することが可能
なめっき浴の清浄化方法および鋼帯の溶融金属めっき装
置の提供。 【解決手段】 鋼帯の連続溶融金属めっきにおけるめっ
き浴の清浄化方法であって、めっき浴1にドロス除去槽
10を浸漬すると共に、ドロス除去槽10として、めっき液
流入口11と、ドロス比重分離用の複数枚の邪魔板13、14
と、めっき液流出口15と、めっき助剤装入口20を有する
ドロス除去槽10を用い、ドロス除去槽10槽内にめっき助
剤を装入し、めっき液を、めっき液流入口11からドロス
除去槽10槽内に導入し、めっき液中のドロスを比重分離
した後、めっき液流出口15からめっき浴1中に再循環す
るめっき浴の清浄化方法、および鋼帯の溶融金属めっき
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の連続溶融金
属めっきにおいて、簡易な装置で、溶融金属めっき浴中
にAlなどのめっき助剤を添加し、かつ、該めっき助剤に
起因するドロスなどめっき浴中のドロスを効果的に除去
することが可能な鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき
浴の清浄化方法および鋼帯の溶融金属めっき装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9に、従来の鋼帯の溶融金属めっき装
置を縦断面図によって示す。なお、図9において、1は
溶融金属であるめっき浴、2はめっき用ポット、3はめ
っき浴1中に配設されたシンクロール(以下、浴中シン
クロールまたはシンクロールと記す)、4は鋼帯(:鋼
板を含み、以下鋼板と記すこともある)、5はスナウ
ト、f1は鋼帯の搬送方向(通板方向)、f2はシンクロー
ルの回転方向を示す。
【0003】すなわち、鋼帯の連続溶融金属めっき装置
においては、鋼帯を溶融金属であるめっき浴1中に連続
的に侵入させ、浴中シンクロール3を周回後、方向転換
し、めっき浴1液面より上方へ引き上げて連続的にめっ
きを施す。以下、溶融金属めっきにおける従来技術を、
鋼帯の連続溶融金属めっきの代表例である溶融亜鉛めっ
きを例として説明する。
【0004】現在、溶融亜鉛めっきラインにおいては、
一般的に、めっきしたままの通常の溶融亜鉛めっき鋼板
と、溶融亜鉛めっき後、加熱合金化処理を施す合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を、同一ラインで適宜処理を切り替え
ることにより製造している。この場合、下記事項(1) 、
(2) が重要となる。 (1) めっき浴中のAl濃度の管理:上記した溶融亜鉛めっ
き鋼板製造時においては、めっき直後に生成する硬くて
脆い鉄・亜鉛合金層の形成を抑制し、めっき層の加工性
を良くするために、めっき浴に、めっき助剤としてアル
ミニウム(以下、Alと記す)を添加する。
【0005】この場合、Alを直接めっき浴に添加する
と、AlとFeが迅速に反応し、後記するFe2Al5を主成分と
する浮上ドロスが多量に生成し、めっき鋼板へのドロス
付着による問題が生じる。このため、Alのめっき液への
添加方法としては、めっき用ポット2とは別個に設けた
Al溶解槽のめっき液に、Alインゴット、高Al含有亜鉛イ
ンゴットまたはAl塩などを装入、溶解し、Fe2Al5を主成
分とするドロスを除去した後、Al含有めっき液をめっき
用ポット2に供給する方法が用いられている。
【0006】一方、上記した合金化溶融亜鉛めっき鋼板
製造時は、めっき浴中のAlが合金化反応を抑制するた
め、めっき浴中のAl含有量を、上記した通常の溶融亜鉛
めっきにおけるAl濃度管理範囲の下限付近に調整する。
以上述べたように、鋼帯の溶融亜鉛めっきにおいては、
めっき浴中のAl濃度の管理が極めて重要である。
【0007】(2) めっき浴中のドロスの低減:溶融亜鉛
めっき浴に浸漬した鋼帯(以下ストリップとも記す)か
らはFeが溶出する。溶融亜鉛めっき浴中で溶解度以上の
Feは、ZnおよびAlと反応し、生成したFeZn 7 を主成分と
するボトムドロスがめっきポット内の底部に堆積し、Fe
2Al5を主成分とする浮上ドロスがめっき浴上に浮上す
る。
【0008】この場合、ボトムドロスは、めっき浴中の
シンクロールを周回して搬送されるストリップの随伴流
であるめっき液に巻き上げられてストリップに付着す
る。また、浮上ドロスは再度めっき液中に一部巻き込ま
れ、上記と同様にストリップに付着する。この結果、製
造されためっき鋼板のプレス時に、プレスブツと称する
表面不均一部分が生じ、鮮映性が損なわれるばかりでな
く、付着ドロスが金型に損傷を与えるという問題があ
り、めっき浴中のドロスを低減することが重要な課題と
なる。
【0009】上記した問題を解決するため、特開平1−
147047号公報において、溶融亜鉛めっき設備の主ポット
に、めっき浴循環装置を介して加熱装置と気泡吹込み装
置とを備えた副ポットを併設し、副ポット内のめっき浴
にAl含有亜鉛インゴットを投入し、副ポット内めっき浴
中のドロスを比重の軽いFe2Al5に改質し、Fe2Al5含有ド
ロスを副ポット下部から吹き込んだ気泡によって浮上分
離した後、この溶融亜鉛めっき浴を主ポットに戻す溶融
亜鉛めっき浴の管理方法が開示されている。
【0010】しかしながら、上記した方法は、下記〜
の問題を有している。 ポンプの交換および配管の閉塞:主ポットと副ポット
との間におけるめっき液の循環のために、ポンプが必要
となる。この結果、ポンプおよび配管が亜鉛もしくはド
ロスによって閉塞もしくは破損することが避けられず、
ポンプの交換および配管中の閉塞物の除去など装置の保
守が必要となる。
【0011】設備の大型化、複雑化:加熱装置と気泡
吹込み装置を備えた副ポットを併設するため、設備が大
型化、複雑化する。 めっき浴浴温制御の問題:主ポット(めっき用ポッ
ト)へ副ポットからめっき液が流入するため、主ポット
のめっき浴の浴温の制御方法が複雑となる。
【0012】エネルギー消費量の増加:副ポットを併
設し、副ポット内でAl含有インゴットを加熱、溶解する
ため、副ポットからの熱放散によって、エネルギー消費
量が増加する。以上述べたように、従来、簡易な設備
で、溶融亜鉛めっき浴など溶融金属めっき浴中にAlなど
のめっき助剤を添加すると共に、該めっき助剤に起因す
るドロスなどめっき浴中のドロスを効果的に除去するこ
とが可能な、鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき浴の
清浄化方法および鋼帯の溶融金属めっき装置が求められ
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、鋼帯の連続溶融金属めっきに
おいて、簡易な装置で、溶融金属めっき浴にAlなどのめ
っき助剤を添加すると共に、該めっき助剤に起因するド
ロスなどめっき浴中のドロスを効果的に除去し、かつ、
ドロスの回収作業が容易で装置の保守性に優れた鋼帯の
溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法および鋼
帯の溶融金属めっき装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、鋼帯を溶
融金属であるめっき浴1中に連続的に侵入させ、浴中シ
ンクロール3を周回後、方向転換し、めっき浴1液面よ
り上方へ引き上げて連続的にめっきを施す鋼帯の溶融金
属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法であって、前記
めっき浴1にドロス除去槽10を浸漬すると共に、該ドロ
ス除去槽10として、該ドロス除去槽10槽内(以下、単に
槽内とも記す)へのめっき液流入口11と、槽内に設けら
れかつ板面が上下方向に配設されたドロス比重分離用の
複数枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15
と、槽内へめっき助剤を装入するめっき助剤装入口20を
有するドロス除去槽10を用い、該ドロス除去槽10槽内に
めっき助剤を装入し、ドロス除去槽10槽外めっき浴のめ
っき液を、前記めっき液流入口11から前記ドロス除去槽
10槽内に導入し、前記複数枚の邪魔板13、14のそれぞれ
の下方または上方を通過せしめ、めっき液中のドロスを
比重分離した後、前記めっき液流出口15からめっき浴1
中に再循環することを特徴とする鋼帯の溶融金属めっき
におけるめっき浴の清浄化方法である。
【0015】前記した第1の発明においては、前記した
ドロス除去槽10槽外めっき浴のめっき液を、前記めっき
液流入口11から前記ドロス除去槽10槽内に導入する方法
が、ドロス除去槽10槽外めっき浴のめっき液を、浴中シ
ンクロール3の回転によって生じるめっき液の流れFを
駆動力として前記めっき液流入口11から前記ドロス除去
槽10槽内に導入する方法であることが好ましい(第1の
発明の第1の好適態様)。
【0016】また、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様においては、前記ドロス除去槽10の前記
めっき液流入口11に、ドロス除去槽10槽内へのめっき液
流入量調整用の可動整流板12を取り付け、該可動整流板
12によってドロス除去槽10槽内へのめっき液流入量を調
整することが好ましい(第1の発明の第2の好適態様、
第3の好適態様)。
【0017】さらに、前記した第1の発明、第1の発明
の各好適態様のめっき浴の清浄化方法は、前記溶融金属
として溶融亜鉛を用い、前記めっき助剤としてAl(:元
素)を含有するめっき助剤を用いた溶融金属めっきにお
けるめっき浴の清浄化方法として特に好適に用いられ
る。第2の発明は、鋼帯を溶融金属であるめっき浴1中
に連続的に侵入させ溶融金属めっきを施すめっき用ポッ
ト2と、鋼帯を方向転換させめっき浴1液面より上方へ
引き上げるための浴中シンクロール3と、溶融金属めっ
き浴中のドロスを除去するためのドロス除去槽10を有す
る鋼帯の溶融金属めっき装置であって、前記ドロス除去
槽10として、前記ドロス除去槽10槽内(以下、単に槽内
とも記す)へのめっき液流入口11と、槽内に設けられか
つ板面が上下方向に配設されたドロス比重分離用の複数
枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15と、
槽内にめっき助剤を装入するめっき助剤装入口20を有す
るドロス除去槽10を用い、該ドロス除去槽10をめっき浴
1に浸漬配置したことを特徴とする溶融金属めっき装置
である。
【0018】前記した第2の発明においては、前記めっ
き液流入口11を、前記めっき液流出口15に対して、浴中
シンクロール3の回転によって生じるめっき液の流れの
上流側に配置することが好ましい(第2の発明の第1の
好適態様)。また、前記した第2の発明、第2の発明の
第1の好適態様においては、前記ドロス除去槽10の前記
めっき液流入口11に、ドロス除去槽10槽内へのめっき液
流入量調整用の可動整流板12を取り付けることが好まし
い(第2の発明の第2の好適態様、第3の好適態様)。
【0019】また、前記した第2の発明、第2の発明の
第1の好適態様〜第3の好適態様においては、前記めっ
き液流出口15を、該めっき液流出口15の開口部最下端の
位置が、ドロス除去槽10槽内の槽底から100mm 以上の高
さの位置となるように配置することが好ましい(第2の
発明の第4の好適態様〜第7の好適態様)。また、前記
した第2の発明、第2の発明の第1の好適態様〜第3の
好適態様においては、前記めっき液流出口15を、該めっ
き液流出口15の開口部最下端の位置が、ドロス除去槽10
槽内の槽底から100mm 以上の高さの位置で、かつ、ドロ
ス除去槽10槽内のめっき液液面の高さおよびドロス除去
槽10槽外のめっき浴1浴面の高さの両者よりも低い高さ
の位置となるように配置することが好ましい(第2の発
明の第8の好適態様〜第11の好適態様)。
【0020】また、前記した第2の発明、第2の発明の
第1の好適態様〜第11の好適態様においては、前記複数
枚の邪魔板13、14の少なくとも一枚を取り外し可能な構
造とすることが好ましい(第2の発明の第12の好適態様
〜第23の好適態様)。また、前記した第2の発明、第2
の発明の第1の好適態様〜第23の好適態様においては、
前記ドロス除去槽10を一体としてめっき浴1から引き上
げ可能な構造とすることが好ましい。
【0021】さらに、前記した第2の発明、第2の発明
の各好適態様の溶融金属めっき装置は、前記溶融金属と
して溶融亜鉛を用い、前記めっき助剤としてAl(:元
素)を含有するめっき助剤を用いた溶融金属めっき装置
として特に好適に用いられる。なお、前記した第1の発
明の第2の好適態様、第3の好適態様、第2の発明の第
2の好適態様、第3の好適態様における前記可動整流板
12としては、前記ドロス除去槽10のめっき液流入口11に
設けられ、めっき液の流れに対して抵抗を与える面を有
し、ドロス除去槽10槽外のめっき浴1のめっき液をドロ
ス除去槽10槽内に導入すると共に、上記した面が傾動お
よび/または移動することが可能な可動部材であればそ
の形状、構造は特に制限を受けるものではない。
【0022】また、前記した第1の発明の第1の好適態
様においては、前記したドロス除去槽10槽外めっき浴の
めっき液を、前記めっき液流入口11から前記ドロス除去
槽10槽内に導入する駆動力は、浴中シンクロール3の回
転による駆動力に限定されるものではなく、ドロス除去
槽10槽内のめっき液中に翼形断面を有する回転羽根を配
設し、浴中シンクロール3の回転による駆動力に加え
て、上記回転羽根による駆動力を併用してもよく、前記
した第2の発明においては、ドロス除去槽10槽内のめっ
き液中に翼形断面を有する回転羽根を設けてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは前記した課題を解決するために、図
7に示す槽内に複数枚の邪魔板32、33を各々上下方向に
取り付けたドロス除去槽30を用い、ドロス除去槽槽内
(以下、ドロス除去槽内、または、単に、槽内とも記
す)の溶融亜鉛31の流量を変化させ、ドロスの比重分離
実験を行った。
【0024】図8に、得られた結果を示す。なお、図8
に示す溶融亜鉛の流量は、溶融亜鉛中の粒子の移動速
度、溶融亜鉛の流れと直交する槽内断面の面積および溶
融亜鉛の密度から求め、ドロス除去効率:ηは下記式
(1) から求めた。 ドロス除去効率:η=〔(A−B)/A〕×100 %………(1) なお、上記式(1) 中、 A:ドロス除去槽入口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 B:ドロス除去槽出口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 を示し、上記した個数は、ドロス除去槽入口、出口の溶
融亜鉛をサンプリングし、凝固後の亜鉛の断面の観察に
よって測定した。
【0025】図8に示されるように、上記した実験によ
って、一定値以下の溶融亜鉛流量、すなわち上記した実
験装置においては、0.5t/min以下の溶融亜鉛流量でほぼ
100%に近いドロス除去効率ηが得られることが分かっ
た。本発明者らは、上記で得られた実験結果および
回転する浴中シンクロールを用いた鋼帯の連続溶融金属
めっきのめっき浴におけるめっき液の循環流に着目し
た。
【0026】すなわち、回転する浴中シンクロールを用
いた鋼帯の連続溶融金属めっきのめっき浴においては、
浴中シンクロールの回転方向に沿ってめっき液が流れ、
めっき浴内に循環流が形成される。本発明者らは、ドロ
ス除去槽をめっき浴に浸漬配置すると共に、上記した循
環流を有効に活用し、ドロス除去槽内に溶融金属を導入
することによって、ポンプを用いずにめっき浴中のドロ
スを比重分離できるのではないかと考えた。
【0027】さらに、本発明者らは、Alなどのめっき助
剤を、上記したドロス除去槽内に直接装入することによ
って、めっき助剤の溶解槽を別個に配設することなく、
めっき助剤をめっき浴中に添加し、しかも、例えば、め
っき助剤としてAlを用いる場合、AlとFeの急速な反応で
生成するFe-Al 系ドロスを分離し、清浄な高Alめっき液
をめっき浴中に供給できるのではないかと考えた。
【0028】このため、めっき浴内にめっき浴の循環流
を利用したドロス除去槽を配設して実験を行った。その
結果、後記する実施例で示すように、めっき浴中のドロ
スが効率的に比重分離され、溶融金属めっき鋼板へのド
ロス付着を極めて効果的に防止することが可能であるこ
とが分かった。
【0029】さらに、Alなどのめっき助剤をドロス除去
槽内に直接装入した場合も、めっき助剤に起因するドロ
スを極めて効果的に分離し、めっき助剤を富化した清浄
なめっき液をめっき浴中に供給することが可能であるこ
とが分かり本発明を完成した。図1に、本発明の鋼帯の
溶融金属めっき装置およびドロス除去槽の1例を平面図
(a) 、A−A部矢視図(縦側面図)(b) およびB−B部
断面図(縦断面図)(c) によって示す。
【0030】なお、図1において、1は溶融金属である
めっき浴、2はめっき用ポット、3は浴中シンクロール
(:シンクロール)、4は鋼帯、5はスナウト、10はド
ロス除去槽、11はドロス除去槽10内へのめっき液流入
口、12はめっき液流入口11に設けられたドロス除去槽10
内へのめっき液流入量調整用の可動整流板、12S は可動
整流板12の回転軸、13、14は板面が上下方向に配設され
ためっき液中のドロス比重分離用の邪魔板、15はドロス
除去槽10内からのめっき液流出口、20はドロス除去槽10
に設けられたドロス除去槽10内へめっき助剤を装入する
めっき助剤の装入口(以下、槽内へのめっき助剤装入口
もしくはめっき助剤装入口と記す)、Fはめっき液の流
れ、fはめっき液の流れ方向、f1は鋼帯の搬送方向(通
板方向)、f3は可動整流板12の回転方向、hはめっき液
流出口15の開口部最下端部のドロス除去槽10内槽底に対
する高さ、θはめっき液流入口11に対する可動整流板12
の水平方向の角度(以下、整流板角度とも記す)を示
す。
【0031】図1に示す溶融金属めっき装置において
は、溶融金属めっき浴中のドロスを除去するためのドロ
ス除去槽10がめっき浴1に浸漬されている。また、上記
ドロス除去槽10として、槽内へのめっき液流入口11と、
槽内に設けられかつ板面が上下方向に配設されためっき
液中のドロス比重分離用の複数枚の邪魔板13、14と、槽
内からのめっき液流出口15と、槽内へめっき助剤を装入
するためのめっき助剤装入口20を有するドロス除去槽10
を配設し、ドロス除去槽10のめっき液流入口11に、ドロ
ス除去槽10槽内へのめっき液流入量調整用の可動整流板
12を取り付けた。
【0032】なお、図1に示すドロス除去槽10は、槽全
体をめっき浴に浸漬することなく、ドロス除去槽10の槽
壁がめっき浴浴面(めっき浴液面)より上方に突き出
し、またドロス比重分離用の邪魔板13および邪魔板14が
下記に示すように配置されている。すなわち、図1に示
す溶融金属めっき装置においては、ドロス比重分離用の
邪魔板13は、板面上方端部がめっき液液面より上方に突
き出すと共に、板面下方端部とドロス除去槽10内の槽底
との間にめっき液流通用の流路を形成するように配置さ
れている。
【0033】また、ドロス比重分離用の邪魔板14は、板
面上方端部がめっき液中に浸漬され、板面上方端部上方
にめっき液流通用の流路を形成し、板面下方端部がドロ
ス除去槽10内の槽底に至るように配置されている。ま
た、ドロス比重分離用の邪魔板13と邪魔板14の両者は、
邪魔板13の板面下方端部が邪魔板14の板面上方端部より
低い位置となるように配置されている。
【0034】この結果、めっき液がドロス除去槽10内に
配設された邪魔板13、14のそれぞれの下方または上方を
通過することによって、ドロス除去槽10内にめっき液の
下降流および上昇流の両者が形成され、めっき液中の比
重の軽いドロスは、ドロス除去槽10内のめっき液液面に
浮上し、めっき液中の比重の重いドロスは、ドロス除去
槽10内の槽底に沈積し、めっき液中のドロスが比重分離
される。
【0035】また、図1に示す溶融金属めっき装置にお
いては、ドロス除去槽10内へのめっき液流入量調整用の
可動整流板12が、板面が上下方向となるように配設され
ると共に、整流板が、可動整流板12の回転軸12S を中心
として水平方向(f3の方向)に回転可能な構成となって
いる。この結果、めっき液の流れが可動整流板12によっ
て抵抗を受け、めっき液流入口11に対する可動整流板12
の水平方向の角度(:整流板角度)θを調整することに
よって、ドロス除去槽10内へのめっき液流入口11の開口
部の開度を調整し、ドロス除去槽10内へのめっき液の流
入量を調整することができる。
【0036】なお、本発明における前記可動整流板12と
しては、上記した目的から、ドロス除去槽10のめっき液
流入口11に設けられ、めっき液の流れに対して抵抗を与
える面を有し、めっき浴1内のめっき液をドロス除去槽
10内に導入すると共に、上記した面が傾動および/また
は移動することが可能な可動部材であればその形状、構
造は特に制限を受けるものではない。
【0037】次に、図2に、上記した図1に示す溶融金
属めっき装置を斜視図によって示す。なお、図2におい
て、16はドロス除去槽10の保守時に、ドロス除去槽10を
一体(全体)としてめっき浴から引き上げるためにドロ
ス除去槽10に取り付けられた懸架用部材を示し、その他
の符号は図1と同一の内容を示す。
【0038】以上述べた図1、図2に示す本発明の溶融
金属めっき装置によれば、めっき液を、浴中シンクロー
ル3の回転によって生じるめっき液の流れFを駆動力と
してドロス除去槽10のめっき液流入口11からドロス除去
槽10内に導入し、複数枚の邪魔板13、14のそれぞれの下
方または上方を通過せしめ、めっき液中のドロスを比重
分離した後、めっき液流出口15からめっき浴1中に再循
環することが可能となった。
【0039】さらに、Alなどのめっき助剤を、めっき助
剤装入口20などからドロス除去槽10内に、直接、装入、
溶解することによって、めっき助剤の溶解槽を別個に配
設する必要がなくなり、設備の小型化、簡易化、め
っき浴浴温制御の簡易化および省エネルギーが達成で
きるばかりでなく、めっき助剤に起因するドロスなどド
ロスを極めて効果的に分離し、めっき助剤を富化した清
浄なめっき液をめっき浴中に供給することが可能となっ
た。
【0040】なお、本発明におけるめっき助剤装入口20
としては、その構成は特に制限されるものではなく、Al
などのめっき助剤をドロス除去槽10内に装入可能な装入
口であればよく、前記した図1、図2に示すドロス除去
槽10上部の大気開放部であってもよい。また、前記した
めっき助剤としては特に制限を受けるものではないが、
特に、鋼帯表面の鉄もしくはめっき金属である溶融金属
と反応し、めっき後の鋼板表面に付着物として残留する
生成物を形成するめっき助剤が好ましい。
【0041】例えば、溶融金属として溶融亜鉛を用いた
溶融亜鉛めっきにおけるめっき助剤としては、アミニウ
ム(:Al)、Al合金、Alを含有する塩類、鉛、Si、Si合
金などが例示される。また、本発明においては、溶融金
属として溶融亜鉛を用いた溶融亜鉛めっきにおけるめっ
き助剤としては、Al(:Al元素)を含有するめっき助剤
が特に好ましく、該めっき助剤のAl(:Al元素)の含有
量は、好ましくは5〜100 %、さらには40〜100 %であ
ることがより好ましい。
【0042】上記した溶融亜鉛めっきにおけるAl含有め
っき助剤のドロス除去槽10内のめっき液への装入方法と
しては、Alインゴット、Al含有亜鉛インゴット、Zn含有
AlインゴットおよびAlの塩類などから選ばれる1種また
は2種以上をドロス除去槽10内へ装入する方法を用いる
ことができる。なお、図3に示すように、本発明におい
ては、上記しためっき液の流れFをさらに効果的に利用
するために、めっき用ポット2内にめっき液流れに対す
る抵抗板19を設けてもよい。
【0043】これは、上記した抵抗板19によって抵抗板
19の配設箇所におけるめっき液の流通抵抗が大となり、
ドロス除去槽10内へのめっき液の流入量(流入速度)が
増加するためである。また、上記した抵抗板19は、図3
に示すめっき用ポット2の側壁に取り付けた抵抗板19に
限定はされず、めっき用ポット2内に配設され、ドロス
除去槽10内へのめっき液の流入量(流入速度)を増加で
きる位置に取り付けた抵抗板19であればよい。
【0044】なお、上記した抵抗板19の配設箇所、配設
個数、板幅などの仕様は、前記した図8に例示したドロ
ス除去効率:ηとドロス除去槽10内の溶融亜鉛流量など
溶融金属流量との関係および必要なドロス除去量に基づ
いて定めることができ、また、抵抗板19の配設によっ
て、ドロス除去槽10内へのめっき液の流入量が過剰とな
った場合は、抵抗板19の板幅の変更もしくは可動整流板
12の整流板角度θを調整することによって、ドロス除去
槽10内へのめっき液の流入量を調整することができる。
【0045】以上、ドロス除去槽10にめっき助剤を装入
し、浴中シンクロール3の回転によって生じるめっき液
の流れFを駆動力として、めっき液を、ドロス除去槽10
内に導入し、めっき液中のドロスを比重分離した後、め
っき浴1中に再循環するめっき浴の清浄化方法および鋼
帯の溶融金属めっき装置について述べたが、本発明にお
いては、上記した駆動力は、浴中シンクロール3の回転
による駆動力に限定されるものではなく、ドロス除去槽
10内のめっき液中に翼形断面を有する回転羽根を配設
し、浴中シンクロール3の回転による駆動力に加えて、
上記回転羽根による駆動力を併用してもよい。
【0046】すなわち、一時的にシンクロールの回転速
度が遅くなった場合や、ドロス除去槽10内のめっき液を
めっき浴1内へ迅速に循環させたい場合、上記した補助
的な駆動力を併用することができる。上記した回転羽根
は、その回転面がドロス除去槽10内のめっき液中におい
て、必要なめっき液流れ方向に直交するように配設し、
垂直方向など上下方向に配設した回転駆動軸によってギ
ヤ、流体継手などを介して回転羽根を回転させることが
好ましい。
【0047】これは、回転駆動軸を上下方向に配設した
場合、回転駆動軸がめっき用ポット2およびドロス除去
槽10の側壁を貫通しないため、後記するドロス除去槽10
のめっき浴1からの引き上げを迅速に行うことができ、
ドロス除去槽10の保守、補修が容易となるためである。
また、前記した図1〜図3に例示した本発明の鋼帯の溶
融金属めっき装置においては、めっき液の酸化を防止す
るために、めっき液液面上の雰囲気をN2ガスなどの不活
性ガス雰囲気としてもよい。
【0048】以上述べた本発明の鋼帯の溶融金属めっき
におけるめっき浴の清浄化方法および鋼帯の溶融金属め
っき装置によれば、比重の重いドロスがドロス除去槽10
の槽内底部に沈降し分離されるばかりでなく、ドロス除
去槽10内のめっき液液面の上方を大気開放とするか空間
を形成することが可能であるため、比重の軽いドロスは
ドロス除去槽10の槽内のめっき液液面に浮上、滞留し、
浮上ドロスが再度めっき液中に巻き込まれることが防止
される。
【0049】この結果、本発明によれば、鋼帯の連続溶
融金属めっきにおいて、めっき浴中のドロスを効果的に
除去することが可能となった。さらに、本発明によれ
ば、めっき浴1に浸漬したドロス除去槽10内にめっき助
剤を装入するため、めっき助剤溶解槽を別個に配設する
ことなく、めっき助剤に起因するドロスの問題を解決
し、めっき助剤を富化した清浄なめっき液をめっき浴中
に供給することが可能となった。
【0050】また、本発明によれば、ドロス除去槽10を
めっき浴1内に浸漬配置するため、めっき浴外にドロス
除去槽を設ける場合の放散熱量が大幅に低減でき、省エ
ネルギーを達成できるという効果を有する。また、本発
明によれば、ドロス除去槽10をめっき浴1内に浸漬配置
するため、ドロス除去槽からのめっき液の漏洩の問題が
無く、安全上の問題も無い。
【0051】さらに、本発明によれば、ポンプおよび配
管が不要であり、ポンプおよび配管の亜鉛もしくはドロ
スによる閉塞もしくは破損に対する保守が不要となり、
保守性に優れた連続溶融金属めっき装置を達成できた。
次に、本発明のさらなる好適態様について述べる。すな
わち、本発明においては、ドロス除去槽10のめっき液流
出口15を、めっき液流出口15の開口部最下端の位置がド
ロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの位置とな
るよう配置することが好ましい。
【0052】これは、めっき液流出口15を、上記した条
件を満足するように配置することによって、ドロス除去
槽10出口側の槽底に沈降したドロスの槽外めっき浴への
流出を防止できるためである。また、本発明において
は、ドロス除去槽10のめっき液流出口15から槽外のめっ
き浴1へのめっき液の流出が阻害されないように、めっ
き液流出口15を、めっき液流出口15の開口部最下端の位
置が、ドロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの
位置で、かつ、ドロス除去槽10内のめっき液液面の高さ
およびドロス除去槽10槽外のめっき浴1浴面の高さの両
者よりも低い高さの位置となるよう配置することが好ま
しい。
【0053】さらに、本発明においては、前記した複数
枚の邪魔板13、14の少なくとも一枚を取り外し可能な構
造とすることが好ましい。図4に、上記した溶融金属め
っき装置の一例を、図1のB−B部縦断面図によって示
す。なお、図4において、17a 、18a は邪魔板13、邪魔
板14のそれぞれを両面側から挟持する支持部材、17b 、
18b は邪魔板13、邪魔板14のそれぞれを邪魔板の下端で
支持する支持部材を示し、その他の符号は図1〜図3と
同一の内容を示す。
【0054】すなわち、図4に示す鋼帯の溶融金属めっ
き装置においては、装置稼働時においても、邪魔板13、
邪魔板14を上方に引き上げ取り外すことができる。本発
明においては、図4に例示するように、複数枚の邪魔板
13、14の少なくとも一枚を取り外し可能な構造とするこ
とによって、溶融金属めっき装置の稼働中においても、
邪魔板を取り外し、ドロス除去槽10内の槽底に沈積した
槽底ドロスを容易に掻き出し、回収することが可能とな
る。
【0055】なお、上記した溶融金属めっき装置の稼働
中に槽底ドロスを掻き出し、回収する際には、前記した
ドロス除去槽10のめっき液流入口11に対する可動整流板
12の水平方向の角度(:整流板角度)θを0度としめっ
き液流入口11を閉鎖し、ドロス除去槽10内におけるめっ
き液の流れを停止することによって、ドロス除去槽10内
の槽底ドロスおよびドロス除去槽10内の浮遊ドロスの槽
外めっき浴中への流出を防止できる。
【0056】さらに、本発明においては、図2、図4に
例示するようにドロス除去槽10に懸架用部材16などを取
り付け、ドロス除去槽10を一体(全体)としてめっき浴
1から引き上げ可能な構造とすることが好ましい。これ
は、ドロス除去槽10を上記した構造とし、ドロス除去槽
10を一体(全体)としてめっき浴1から引き上げること
によって、ドロス除去槽10の保守、補修を容易に行うこ
とができ、また保守、補修の時間を短縮することができ
るためである。
【0057】また、ドロス除去槽10を上記した構造とす
ることによって、軽微な保守、補修の場合は、溶融金属
めっき装置の稼働中においても、ドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴1から引き上げ、保守、補修を
行うことができる。以上本発明について述べたが、本発
明における鋼帯の溶融金属めっきの溶融金属としては、
溶融亜鉛に限定されることはなく、亜鉛を主成分とする
溶融(亜鉛−アルミ:Zn-Al )、アルミを主成分とする
溶融(アルミ−亜鉛:Al-Zn )など、溶融亜鉛以外の溶
融金属を用いることもできる。
【0058】すなわち、本発明は、前記した本発明の作
用、効果に基づき、溶融亜鉛以外の溶融金属を用いた鋼
帯の溶融金属めっきにおける溶融金属めっき浴の清浄化
方法および鋼帯の溶融金属めっき装置としても好適に用
いることができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明および本発明に
より得られる効果をさらに具体的に説明する。前記した
図1、図2に示す本発明の鋼帯の溶融金属めっき装置を
用い、Alインゴットを、ドロス除去槽10のめっき助剤装
入口20からドロス除去槽10内めっき液中に装入し、ドロ
ス除去槽10めっき液流出口15におけるめっき液中のドロ
スの個数を調査した(実施例1)。
【0060】また、前記した図9に示す従来の鋼帯の溶
融金属めっき装置を用い、Alインゴットをめっき浴1に
装入し、めっき浴中のドロスの個数を調査した(比較例
1)。さらに、図1、図2に示す本発明の溶融金属めっ
き装置を用いて鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを行い、鋼
板へのドロス付着状況を調べた(実施例2)。
【0061】また、図9に示す従来の溶融金属めっき装
置を用いて鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを行い(比較例
2)、本発明の溶融金属めっき装置で得られた鋼板のド
ロス付着状況と従来の溶融金属めっき装置で得られた鋼
板のドロス付着状況との比較を行った。さらに、図1、
図2および図4に示す本発明の溶融金属めっき装置を用
い本発明の溶融金属めっき装置の保守の難易度を評価し
た(実施例3)。
【0062】なお、図1、図2および図4に示す溶融金
属めっき装置において、めっき液流出口15の開口部最下
端の位置は、ドロス除去槽10内の槽底から 500mmの高さ
とした。すなわち、図1(b) 、図2においてh= 500mm
とした。 (実施例1)図1、図2に示す本発明の溶融金属めっき
装置を用い、予め、ドロス除去槽10のめっき液流入口11
に対する可動整流板12の水平方向の角度(:整流板角
度)θと、ドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量との関
係を、前記した図8と同様の方法で調査した。
【0063】図5に、得られた結果を示す。なお、図5
に示す循環溶融亜鉛流量は、可動整流板12を取り付ける
前のドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量を1とし、相
対値で示した。図5に示されるように、整流板角度:θ
=90度の時に最大の循環溶融亜鉛流量が得られ、以下の
実験では整流板角度:θ=90度と設定した。
【0064】次に、Alインゴットを、ドロス除去槽10の
めっき助剤装入口20から順次ドロス除去槽10内めっき液
中に装入し、下記条件下で鋼帯の連続溶融亜鉛めっきを
行い、ドロス除去槽10めっき液流出口15におけるめっき
液中のドロスの個数を調査した。 (溶融亜鉛めっきの条件:) 鋼帯:冷延鋼板、板厚0.4 〜1.6mm ×板幅750 〜1850mm 溶融亜鉛めっき浴侵入板温:470 〜480 ℃ 溶融亜鉛めっき浴Al濃度 :0.13〜0.15% 通板速度 :30〜150m/min すなわち、ドロス除去槽10めっき液流出口15の溶融亜鉛
を、先端に内寸法において深さ、幅、奥行きの各々の長
さが等しい受け容器を取り付けた杓状の採取棒でサンプ
リングした。
【0065】次に、凝固後の立方体の亜鉛の上面全面に
存在するドロスの個数および側面の幅方向中央部に高さ
方向に設定した基準線上に存在するドロスの個数を顕微
鏡で観察、測定し、それら2者について求められた個数
を乗じ、得られた値を亜鉛の体積で除することによっ
て、亜鉛単位体積当たりに存在するドロスの個数を求め
た。
【0066】なお、上記したドロスとしては、粒径が10
μm 以上のドロスを選択した。図6に、得られた結果を
示す。 (比較例1)前記した図9に示す従来の溶融金属めっき
装置を用い、Alインゴットを順次めっき浴中に装入した
以外は前記した実施例1と同様の条件で鋼帯の連続溶融
亜鉛めっきを行い、前記した実施例1と同様の方法で、
めっき浴中のドロスの個数を調査した。
【0067】図6に、得られた結果を示す。図6の前記
した実施例1と比較例1との対比で示されるように、本
発明によれば、めっき液中に直接Alなどのめっき助剤を
添加した条件下においても、めっき液中のドロスが効率
的に比重分離され、めっき浴中に、めっき助剤を富化し
た清浄なめっき液を供給することが可能であることが分
かった。
【0068】(実施例2)前記した図1、図2に示す本
発明の溶融金属めっき装置を用い、Alインゴットを、ド
ロス除去槽10のめっき助剤装入口20から順次ドロス除去
槽10内めっき液中に装入し、下記条件下で鋼帯の連続溶
融亜鉛めっきを行い、得られた溶融亜鉛めっき鋼板の品
質を下記試験方法で評価した。
【0069】なお、整流板角度:θ=90度と設定した。 (溶融亜鉛めっきの条件:) 鋼帯:冷延鋼板、板厚0.4 〜1.6mm ×板幅750 〜1850mm 溶融亜鉛めっき浴侵入板温:470 〜480 ℃ 溶融亜鉛めっき浴Al濃度 :0.13〜0.15% 通板速度 :30〜150m/min (溶融亜鉛めっき鋼板の試験方法:) 得られた鋼帯50コイルについて下記試験を行い、品質を
評価した。
【0070】溶融亜鉛めっき鋼板のドロス付着による不
良率:溶融亜鉛めっき鋼板をプレス加工し、プレス加工
後の鋼板のドロス付着個数が2個/m2以上の製品を不良
とし、全製品中における不良製品の発生率を不良率と定
義した。表1に、得られた試験結果を示す。
【0071】(比較例2)図9に示す従来の溶融金属め
っき装置を用いた以外は前記した実施例2と同様の条件
で鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを行い、得られた溶融亜
鉛めっき鋼板の品質を前記した実施例2と同様の方法で
評価した。なお、本比較例においては、めっき浴へのAl
の添加は、めっき用ポット2とは別個に設けたAlインゴ
ット溶解槽でAlを添加しためっき液をめっき用ポット2
に循環供給することによって行った。
【0072】表1に、得られた試験結果を示す。表1の
前記した実施例2と比較例2との対比で示されるよう
に、本発明によれば、めっき液中にAlなどのめっき助剤
を添加した条件下においても、めっき液中のドロスが効
率的に比重分離され、めっき助剤を富化した清浄なめっ
き液をめっき浴に供給することが可能となり、溶融金属
めっき鋼板へのドロス付着を極めて効果的に防止するこ
とが可能であることが分かった。
【0073】
【表1】
【0074】(実施例3)前記した実施例2で用いた図
1、図2に示す溶融金属めっき装置において、前記した
図4に示す邪魔板13、邪魔板14を両面側から挟持する支
持部材17a 、18aおよび邪魔板13、邪魔板14を邪魔板の
下端で支持する支持部材17b 、18b を取り付けた。
【0075】本実施例においては、前記した実施例2と
同様の方法および条件で鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを
行うと共に、下記(1) 、(2) の方法で本発明の溶融金属
めっき装置の保守の難易度を評価した。 (1) ドロス除去槽内の蓄積ドロスの回収:ドロス除去槽
10内に槽底ドロスおよび浮遊ドロスが蓄積した時点で、
装置を稼働した状態でドロスの掻き上げ、回収を行っ
た。
【0076】すなわち、ドロス除去槽10内にドロスが蓄
積した時点で、可動整流板12の整流板角度:θを0度と
し、めっき液流入口11を閉鎖した。次に、邪魔板13、邪
魔板14を上方に引き上げ取り外し、槽底ドロスおよび浮
遊ドロスを掻き上げ、回収した。この結果、ドロス除去
槽10内の槽底ドロスおよび浮遊ドロスの両者を容易に回
収することができ、また回収時に製造された鋼板へのド
ロス付着量が回収前後のドロス付着量と同様に少ないこ
とが分かった。
【0077】(2) ドロス除去槽の保守、補修:ドロス除
去槽10内の邪魔板13、14の支持部材17b 、18b の凹部に
ドロスが沈積し、邪魔板13、14の取り外し、取り付けに
支障が生じた時点で、ドロス除去槽10の懸架用部材16に
チェーンを掛け、巻上機を用いてドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴1から引き上げた。
【0078】次に、支持部材17b 、18b の凹部に沈積し
たドロスを除去した。また、上記したドロス除去後、ド
ロス除去槽10をめっき浴1中に浸漬した。この結果、溶
融金属めっき装置の稼働中においても、短時間かつ容易
にドロス除去槽10の保守、補修を行うことができること
が分かった。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、鋼帯の連続溶融金属め
っきにおいて、極めて簡易な装置で、溶融金属めっき浴
にAlなどのめっき助剤を添加すると共に、該めっき助剤
に起因するドロスなどめっき浴中のドロスを効果的に除
去し、かつ、ドロスの回収作業が容易で装置の保守性に
優れた溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法お
よび鋼帯の溶融金属めっき装置を提供することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼帯の溶融金属めっき装置の1例を示
す平面図(a) 、A−A部矢視図(縦側面図)(b) および
B−B部断面図(縦断面図)(c) である。
【図2】本発明の鋼帯の溶融金属めっき装置の1例を示
す斜視図である。
【図3】本発明の鋼帯の溶融金属めっき装置の1例を示
す平面図である。
【図4】本発明の鋼帯の溶融金属めっき装置の1例を示
す図1のB−B部縦断面図である。
【図5】整流板角度θとドロス除去槽内の循環溶融亜鉛
流量との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1、比較例1における浴中ドロスの個数
を示すグラフである。
【図7】ドロス除去槽を示す縦断面図である。
【図8】ドロス除去槽内の溶融亜鉛流量とドロス除去効
率ηとの関係を示すグラフである。
【図9】従来の鋼帯の溶融金属めっき装置を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 めっき浴(溶融金属) 2 めっき用ポット 3 浴中シンクロール(:シンクロール) 4 鋼帯 5 スナウト 10、30 ドロス除去槽 11 ドロス除去槽内へのめっき液流入口 12 ドロス除去槽内へのめっき液流入量調整用の可動整
流板 12S 可動整流板の回転軸 13、14、32、33 めっき液中のドロス比重分離用の邪魔
板 15 ドロス除去槽内からのめっき液流出口 16 ドロス除去槽懸架用部材 17a 、17b 、18a 、18b 邪魔板の支持部材 19 抵抗板 20 めっき助剤の装入口 31 溶融亜鉛 F めっき液の流れ f めっき液の流れ方向 f1 鋼帯の搬送方向(通板方向) f2 浴中シンクロールの回転方向 f3 可動整流板の回転方向 h めっき液流出口の開口部最下端部のドロス除去槽内
槽底に対する高さ θ 整流板角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 一成 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA05 AA22 AB42 AB44 AD17 AE04 AE08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯を溶融金属であるめっき浴(1) 中に
    連続的に侵入させ、浴中シンクロール(3) を周回後、方
    向転換し、めっき浴(1) 液面より上方へ引き上げて連続
    的にめっきを施す鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき
    浴の清浄化方法であって、前記めっき浴(1) にドロス除
    去槽(10)を浸漬すると共に、該ドロス除去槽(10)とし
    て、槽内へのめっき液流入口(11)と、槽内に設けられか
    つ板面が上下方向に配設されたドロス比重分離用の複数
    枚の邪魔板(13 、14) と、槽内からのめっき液流出口(1
    5)と、槽内へめっき助剤を装入するめっき助剤装入口(2
    0)を有するドロス除去槽(10)を用い、該ドロス除去槽(1
    0)槽内にめっき助剤を装入し、ドロス除去槽(10)槽外め
    っき浴のめっき液を、前記めっき液流入口(11)から前記
    ドロス除去槽(10)槽内に導入し、前記複数枚の邪魔板(1
    3 、14) のそれぞれの下方または上方を通過せしめ、め
    っき液中のドロスを比重分離した後、前記めっき液流出
    口(15)からめっき浴(1) 中に再循環することを特徴とす
    る鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方
    法。
  2. 【請求項2】 前記したドロス除去槽(10)槽外めっき浴
    のめっき液を、前記めっき液流入口(11)から前記ドロス
    除去槽(10)槽内に導入する方法が、ドロス除去槽(10)槽
    外めっき浴のめっき液を、浴中シンクロール(3) の回転
    によって生じるめっき液の流れFを駆動力として前記め
    っき液流入口(11)から前記ドロス除去槽(10)槽内に導入
    する方法であることを特徴とする請求項1記載の鋼帯の
    溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法。
  3. 【請求項3】 鋼帯を溶融金属であるめっき浴(1) 中に
    連続的に侵入させ溶融金属めっきを施すめっき用ポット
    (2) と、鋼帯を方向転換させめっき浴(1) 液面より上方
    へ引き上げるための浴中シンクロール(3) と、溶融金属
    めっき浴中のドロスを除去するためのドロス除去槽(10)
    を有する鋼帯の溶融金属めっき装置であって、前記ドロ
    ス除去槽(10)として、槽内へのめっき液流入口(11)と、
    槽内に設けられかつ板面が上下方向に配設されたドロス
    比重分離用の複数枚の邪魔板(13 、14) と、槽内からの
    めっき液流出口(15)と、槽内へめっき助剤を装入するめ
    っき助剤装入口(20)を有するドロス除去槽(10)を用い、
    該ドロス除去槽(10)をめっき浴(1) に浸漬配置したこと
    を特徴とする鋼帯の溶融金属めっき装置。
  4. 【請求項4】 前記めっき液流入口(11)を、前記めっき
    液流出口(15)に対して、浴中シンクロール(3) の回転に
    よって生じるめっき液の流れの上流側に配置したことを
    特徴とする請求項3記載の鋼帯の溶融金属めっき装置。
  5. 【請求項5】 前記ドロス除去槽(10)の前記めっき液流
    入口(11)に、ドロス除去槽(10)槽内へのめっき液流入量
    調整用の可動整流板(12)を取り付けたことを特徴とする
    請求項3または4記載の鋼帯の溶融金属めっき装置。
  6. 【請求項6】 前記ドロス除去槽(10)を一体としてめっ
    き浴(1) から引き上げ可能な構造としたことを特徴とす
    る請求項3〜5いずれかに記載の鋼帯の溶融金属めっき
    装置。
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