JP2002275607A - 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 - Google Patents
溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置Info
- Publication number
- JP2002275607A JP2002275607A JP2001079679A JP2001079679A JP2002275607A JP 2002275607 A JP2002275607 A JP 2002275607A JP 2001079679 A JP2001079679 A JP 2001079679A JP 2001079679 A JP2001079679 A JP 2001079679A JP 2002275607 A JP2002275607 A JP 2002275607A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dross
- plating
- tank
- plating solution
- bath
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 めっき浴中のドロスを効果的に除去し、か
つ、保守性に優れた溶融金属めっき浴中のドロス除去方
法および溶融金属めっき装置を提供する。 【解決手段】 連続的にめっきを施す溶融金属めっきに
おけるめっき浴中のドロス除去方法であって、ドロス除
去槽10として、めっき液流入口11と、ドロス比重分離用
の複数枚の邪魔板13、14と、めっき液流出口15を有する
ドロス除去槽10を用い、ドロス除去槽10をめっき浴1に
浸漬し、めっき液を、浴中シンクロール3の回転によっ
て生じるめっき液の流れFを駆動力としてドロス除去槽
10内に導入し、冷却せしめた後、邪魔板13、14の下方ま
たは上方を通過せしめドロスを比重分離した後、昇温
し、めっき液流出口15からめっき浴1中に再循環する。
つ、保守性に優れた溶融金属めっき浴中のドロス除去方
法および溶融金属めっき装置を提供する。 【解決手段】 連続的にめっきを施す溶融金属めっきに
おけるめっき浴中のドロス除去方法であって、ドロス除
去槽10として、めっき液流入口11と、ドロス比重分離用
の複数枚の邪魔板13、14と、めっき液流出口15を有する
ドロス除去槽10を用い、ドロス除去槽10をめっき浴1に
浸漬し、めっき液を、浴中シンクロール3の回転によっ
て生じるめっき液の流れFを駆動力としてドロス除去槽
10内に導入し、冷却せしめた後、邪魔板13、14の下方ま
たは上方を通過せしめドロスを比重分離した後、昇温
し、めっき液流出口15からめっき浴1中に再循環する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の連続溶融金
属めっきにおいて、簡易な方法、装置で、めっき浴中の
ドロスを効果的に除去し、かつ、装置の保守性に優れた
溶融金属めっき浴中のドロス除去方法および溶融金属め
っき装置に関する。
属めっきにおいて、簡易な方法、装置で、めっき浴中の
ドロスを効果的に除去し、かつ、装置の保守性に優れた
溶融金属めっき浴中のドロス除去方法および溶融金属め
っき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に、従来の鋼帯の連続溶融金属めっ
き装置を縦断面図によって示す。なお、図8において、
1は溶融金属であるめっき浴、2はめっき用ポット、3
はめっき浴1中に配設されたシンクロール(以下、浴中
シンクロールまたはシンクロールと記す)、4は鋼帯、
5はスナウト、f1は鋼帯の搬送方向(通板方向)、f2は
シンクロールの回転方向を示す。
き装置を縦断面図によって示す。なお、図8において、
1は溶融金属であるめっき浴、2はめっき用ポット、3
はめっき浴1中に配設されたシンクロール(以下、浴中
シンクロールまたはシンクロールと記す)、4は鋼帯、
5はスナウト、f1は鋼帯の搬送方向(通板方向)、f2は
シンクロールの回転方向を示す。
【0003】すなわち、鋼帯の連続溶融金属めっき装置
においては、鋼帯を溶融金属であるめっき浴1中に連続
的に侵入させ、シンクロール3を周回後、方向転換し、
めっき浴1液面より上方へ引き上げて連続的にめっきを
施す。以下、溶融金属めっきにおける従来技術を、鋼帯
の連続溶融金属めっきの代表例である溶融亜鉛めっきを
例として説明する。
においては、鋼帯を溶融金属であるめっき浴1中に連続
的に侵入させ、シンクロール3を周回後、方向転換し、
めっき浴1液面より上方へ引き上げて連続的にめっきを
施す。以下、溶融金属めっきにおける従来技術を、鋼帯
の連続溶融金属めっきの代表例である溶融亜鉛めっきを
例として説明する。
【0004】現在、溶融亜鉛めっきラインにおいては、
一般的に、めっきしたままの通常の溶融亜鉛めっき鋼板
と、溶融亜鉛めっき後、合金化処理を施す合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を、同一ラインで適宜処理を切り替えるこ
とにより製造している。この内、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板は、耐食性、溶接性および加工性に優れた特性を有
するため、主に自動車用鋼板として広く使用されている
が、特に外装用鋼板として使用される場合には、塗装後
の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々
厳しくなっている。
一般的に、めっきしたままの通常の溶融亜鉛めっき鋼板
と、溶融亜鉛めっき後、合金化処理を施す合金化溶融亜
鉛めっき鋼板を、同一ラインで適宜処理を切り替えるこ
とにより製造している。この内、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板は、耐食性、溶接性および加工性に優れた特性を有
するため、主に自動車用鋼板として広く使用されている
が、特に外装用鋼板として使用される場合には、塗装後
の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々
厳しくなっている。
【0005】かかる状況下において、溶融亜鉛めっきポ
ット内では、鋼帯(以下ストリップとも記す)から溶出
するFeとZnが反応して、FeZn7 を主成分とするボトムド
ロスが生成し、めっきポット内の底部に堆積する。ま
た、めっき液中のAlとFeが反応しFe2Al5を主成分とする
浮上ドロスが生成し、めっき浴上に浮上する。
ット内では、鋼帯(以下ストリップとも記す)から溶出
するFeとZnが反応して、FeZn7 を主成分とするボトムド
ロスが生成し、めっきポット内の底部に堆積する。ま
た、めっき液中のAlとFeが反応しFe2Al5を主成分とする
浮上ドロスが生成し、めっき浴上に浮上する。
【0006】この場合、ボトムドロスは、めっき浴中の
シンクロールを周回して搬送されるストリップの随伴流
であるめっき液に巻き上げられてストリップに付着す
る。また、浮上ドロスは再度めっき液中に一部巻き込ま
れ、上記と同様にストリップに付着する。この結果、製
造されためっき鋼板のプレス時に、プレスブツと称する
表面不均一部分が生じ、鮮映性が損なわれるばかりでな
く、付着ドロスが金型に損傷を与えるという問題があ
る。
シンクロールを周回して搬送されるストリップの随伴流
であるめっき液に巻き上げられてストリップに付着す
る。また、浮上ドロスは再度めっき液中に一部巻き込ま
れ、上記と同様にストリップに付着する。この結果、製
造されためっき鋼板のプレス時に、プレスブツと称する
表面不均一部分が生じ、鮮映性が損なわれるばかりでな
く、付着ドロスが金型に損傷を与えるという問題があ
る。
【0007】上記した問題を解決するため、特開平6−
248405号公報において、溶融亜鉛めっき浴中に、取り外
し可能な槽からなるドロス除去装置を設置し、ポンプに
よって浴内の溶融亜鉛を吸い上げ、槽の上部側壁に設け
た流入口から槽内に流入せしめ、槽内に配設した複数枚
の邪魔板によってドロスを沈降させた後、溶融亜鉛を槽
の上部側壁に接続した返送管から浴内に返送することに
よってめっき浴中のドロスを除去するドロスの除去方法
および装置が開示されている。
248405号公報において、溶融亜鉛めっき浴中に、取り外
し可能な槽からなるドロス除去装置を設置し、ポンプに
よって浴内の溶融亜鉛を吸い上げ、槽の上部側壁に設け
た流入口から槽内に流入せしめ、槽内に配設した複数枚
の邪魔板によってドロスを沈降させた後、溶融亜鉛を槽
の上部側壁に接続した返送管から浴内に返送することに
よってめっき浴中のドロスを除去するドロスの除去方法
および装置が開示されている。
【0008】しかしながら、上記した方法は、下記〜
の問題を有している。 ポンプの交換および配管の閉塞:浴内の溶融亜鉛を吸
い上げ、ドロス除去装置の槽内に流入せしめるために、
回転翼などを用いたポンプが必要となる。この結果、ポ
ンプおよび配管が亜鉛もしくはドロスによって閉塞もし
くは破損することが避けられず、ポンプの交換および配
管中の閉塞物の除去など装置の保守が必要となる。
の問題を有している。 ポンプの交換および配管の閉塞:浴内の溶融亜鉛を吸
い上げ、ドロス除去装置の槽内に流入せしめるために、
回転翼などを用いたポンプが必要となる。この結果、ポ
ンプおよび配管が亜鉛もしくはドロスによって閉塞もし
くは破損することが避けられず、ポンプの交換および配
管中の閉塞物の除去など装置の保守が必要となる。
【0009】めっき鋼板へのFe-Al 系ドロスの付着:
前記したように、めっき鋼板の付着ドロスとしては、溶
融亜鉛より比重の重いFe-Zn 系のドロスと溶融亜鉛より
比重の軽いFe-Al 系のドロスの両者が生成する。これに
対して、上記したドロスの除去方法、除去装置の場合、
その構成上、除去装置の槽が密閉式の構造となり、比重
の軽いFe-Al 系のドロスの分離が不可能であり、Fe-Al
系のドロスが浴中に再循環され、前記しためっき鋼板へ
のドロス付着による問題を解決することができない。
前記したように、めっき鋼板の付着ドロスとしては、溶
融亜鉛より比重の重いFe-Zn 系のドロスと溶融亜鉛より
比重の軽いFe-Al 系のドロスの両者が生成する。これに
対して、上記したドロスの除去方法、除去装置の場合、
その構成上、除去装置の槽が密閉式の構造となり、比重
の軽いFe-Al 系のドロスの分離が不可能であり、Fe-Al
系のドロスが浴中に再循環され、前記しためっき鋼板へ
のドロス付着による問題を解決することができない。
【0010】めっき鋼板へのFe-Zn 系ドロスの付着:
Fe-Zn 系ドロスの除去が必ずしも十分ではなく、めっき
用ポットの槽底へのFe-Zn 系ドロスの堆積が避けられ
ず、通板速度の増加によって槽底ドロスが巻き上げられ
てストリップに付着する。特開平4−52257 号公報で
は、めっきポット底部の一部にドロス溜まりを設け、該
ドロス溜まりが設けられた空間とシンクロールが設けら
れた空間とを遮断する開閉自在な開口を有する遮断部材
を設け、該遮断部材の作用により、ドロス溜まりに堆積
したボトムドロスがめっき浴中を浮遊してストリップ表
面に付着することを防止する方法が提案されている。
Fe-Zn 系ドロスの除去が必ずしも十分ではなく、めっき
用ポットの槽底へのFe-Zn 系ドロスの堆積が避けられ
ず、通板速度の増加によって槽底ドロスが巻き上げられ
てストリップに付着する。特開平4−52257 号公報で
は、めっきポット底部の一部にドロス溜まりを設け、該
ドロス溜まりが設けられた空間とシンクロールが設けら
れた空間とを遮断する開閉自在な開口を有する遮断部材
を設け、該遮断部材の作用により、ドロス溜まりに堆積
したボトムドロスがめっき浴中を浮遊してストリップ表
面に付着することを防止する方法が提案されている。
【0011】また、特開昭55−128569号公報では、めっ
きポット内を、上部に開閉可能な開口を有し下部が解放
された隔壁によりめっき用槽と反応用槽とに2分割し、
前記めっき用槽の底部を反応用槽に向かうにつれて下降
する傾斜面とすることで、反応用槽内にボトムドロスを
導き入れ、反応用槽内の撹拌機を運転することでボトム
ドロスを浮上させてトップドロスとして回収する方法が
提案されている。
きポット内を、上部に開閉可能な開口を有し下部が解放
された隔壁によりめっき用槽と反応用槽とに2分割し、
前記めっき用槽の底部を反応用槽に向かうにつれて下降
する傾斜面とすることで、反応用槽内にボトムドロスを
導き入れ、反応用槽内の撹拌機を運転することでボトム
ドロスを浮上させてトップドロスとして回収する方法が
提案されている。
【0012】しかしながら、特開平4−52257 号公報で
提案された方法の場合、シンクロールが設けられた空間
を開閉自在な遮断部材で囲むことは、現実的にはスナウ
トが障害となって設置スペースを確保するのが困難であ
り、また浴面に浮遊しているトップドロスを掻き寄せて
除去・回収する作業を著しく困難にするなどの問題があ
り現実的でない。
提案された方法の場合、シンクロールが設けられた空間
を開閉自在な遮断部材で囲むことは、現実的にはスナウ
トが障害となって設置スペースを確保するのが困難であ
り、また浴面に浮遊しているトップドロスを掻き寄せて
除去・回収する作業を著しく困難にするなどの問題があ
り現実的でない。
【0013】また、特開昭55−128569号公報で提案され
た方法の場合、めっき用槽の傾斜底面によりボトムドロ
スを反応用槽内に導き入れることは可能だが、解放され
たままの隔壁下部の開口および隔壁上部の開口から反応
用槽内で撹拌されたボトムドロスがめっき用槽内へ入り
込むため、ドロス付着防止効果が不十分であるという問
題があった。
た方法の場合、めっき用槽の傾斜底面によりボトムドロ
スを反応用槽内に導き入れることは可能だが、解放され
たままの隔壁下部の開口および隔壁上部の開口から反応
用槽内で撹拌されたボトムドロスがめっき用槽内へ入り
込むため、ドロス付着防止効果が不十分であるという問
題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、連続溶融金属めっきにおい
て、簡易な方法、装置で、めっき浴中のドロスを効果的
に除去し、かつ、装置の保守性に優れた溶融金属めっき
浴中のドロス除去方法および溶融金属めっき装置を提供
することを目的とする。
来技術の問題点を解決し、連続溶融金属めっきにおい
て、簡易な方法、装置で、めっき浴中のドロスを効果的
に除去し、かつ、装置の保守性に優れた溶融金属めっき
浴中のドロス除去方法および溶融金属めっき装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、鋼帯を溶
融金属であるめっき浴1中に連続的に侵入させ、浴中シ
ンクロール3を周回後、方向転換し、めっき浴1液面よ
り上方へ引き上げて連続的にめっきを施す溶融金属めっ
きにおけるドロス除去槽10を用いた溶融金属めっき浴中
のドロス除去方法であって、前記ドロス除去槽10をめっ
き浴1に浸漬配置すると共に、該ドロス除去槽10とし
て、槽内へのめっき液流入口11と、槽内に設けられかつ
板面が上下方向に配設されたドロス比重分離用の複数枚
の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15を有す
るドロス除去槽10を用い、めっき液を、前記めっき液流
入口11から前記ドロス除去槽10内に導入し、冷却せしめ
た後、前記複数枚の邪魔板13、14のそれぞれの下方また
は上方を通過せしめ、めっき液中のドロスを比重分離し
た後、昇温し、前記めっき液流出口15からめっき浴1中
に再循環することを特徴とする溶融金属めっき浴中のド
ロス除去方法である。
融金属であるめっき浴1中に連続的に侵入させ、浴中シ
ンクロール3を周回後、方向転換し、めっき浴1液面よ
り上方へ引き上げて連続的にめっきを施す溶融金属めっ
きにおけるドロス除去槽10を用いた溶融金属めっき浴中
のドロス除去方法であって、前記ドロス除去槽10をめっ
き浴1に浸漬配置すると共に、該ドロス除去槽10とし
て、槽内へのめっき液流入口11と、槽内に設けられかつ
板面が上下方向に配設されたドロス比重分離用の複数枚
の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15を有す
るドロス除去槽10を用い、めっき液を、前記めっき液流
入口11から前記ドロス除去槽10内に導入し、冷却せしめ
た後、前記複数枚の邪魔板13、14のそれぞれの下方また
は上方を通過せしめ、めっき液中のドロスを比重分離し
た後、昇温し、前記めっき液流出口15からめっき浴1中
に再循環することを特徴とする溶融金属めっき浴中のド
ロス除去方法である。
【0016】前記した第1の発明においては、前記ドロ
ス除去槽10の前記めっき液流入口11に、ドロス除去槽10
内へのめっき液流入量調整用の可動整流板12を取り付
け、該可動整流板12によってドロス除去槽10内へのめっ
き液流入量を調整することが好ましい(第1の発明の第
1の好適態様)。また、前記した第1の発明、第1の発
明の第1の好適態様においては、前記しためっき液を前
記めっき液流入口11から前記ドロス除去槽10内に導入す
る方法が、浴中シンクロール3の回転および鋼帯の浴中
における搬送によって生じるめっき液の流れFを駆動力
として前記しためっき液を前記めっき液流入口11から前
記ドロス除去槽10内に導入する方法であることが好まし
い(第1の発明の第2の好適態様、第3の好適態様)。
ス除去槽10の前記めっき液流入口11に、ドロス除去槽10
内へのめっき液流入量調整用の可動整流板12を取り付
け、該可動整流板12によってドロス除去槽10内へのめっ
き液流入量を調整することが好ましい(第1の発明の第
1の好適態様)。また、前記した第1の発明、第1の発
明の第1の好適態様においては、前記しためっき液を前
記めっき液流入口11から前記ドロス除去槽10内に導入す
る方法が、浴中シンクロール3の回転および鋼帯の浴中
における搬送によって生じるめっき液の流れFを駆動力
として前記しためっき液を前記めっき液流入口11から前
記ドロス除去槽10内に導入する方法であることが好まし
い(第1の発明の第2の好適態様、第3の好適態様)。
【0017】第2の発明は、鋼帯を溶融金属であるめっ
き浴1中に連続的に侵入させ溶融金属めっきを施すめっ
き用ポット2と、鋼帯を方向転換させめっき浴1液面よ
り上方へ引き上げるための浴中シンクロール3と、溶融
金属めっき浴中のドロスを除去するためのドロス除去槽
10を有する溶融金属めっき装置であって、前記ドロス除
去槽10をめっき浴1に浸漬配置すると共に、該ドロス除
去槽10として、槽内へのめっき液流入口11と、槽内に設
けられかつ板面が上下方向に配設されたドロス比重分離
用の複数枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出
口15を有するドロス除去槽10を用い、ドロス除去槽10の
槽内へのめっき液流入口11側にめっき液冷却装置16を配
設し、槽内からのめっき液流出口15側にめっき液昇温装
置17を配設したことを特徴とする溶融金属めっき装置で
ある。
き浴1中に連続的に侵入させ溶融金属めっきを施すめっ
き用ポット2と、鋼帯を方向転換させめっき浴1液面よ
り上方へ引き上げるための浴中シンクロール3と、溶融
金属めっき浴中のドロスを除去するためのドロス除去槽
10を有する溶融金属めっき装置であって、前記ドロス除
去槽10をめっき浴1に浸漬配置すると共に、該ドロス除
去槽10として、槽内へのめっき液流入口11と、槽内に設
けられかつ板面が上下方向に配設されたドロス比重分離
用の複数枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出
口15を有するドロス除去槽10を用い、ドロス除去槽10の
槽内へのめっき液流入口11側にめっき液冷却装置16を配
設し、槽内からのめっき液流出口15側にめっき液昇温装
置17を配設したことを特徴とする溶融金属めっき装置で
ある。
【0018】前記した第2の発明においては、前記めっ
き液流入口11を、前記めっき液流出口15に対して浴中シ
ンクロール3の回転によって生じるめっき液の流れの上
流側に配置することが好ましい(第2の発明の第1の好
適態様)。また、前記した第2の発明、第2の発明の第
1の好適態様においては、前記ドロス除去槽10の槽内へ
のめっき液流入口11に、槽内へのめっき液流入量調整用
の可動整流板12を設けることが好ましい(第2の発明の
第2の好適態様、第3の好適態様)。
き液流入口11を、前記めっき液流出口15に対して浴中シ
ンクロール3の回転によって生じるめっき液の流れの上
流側に配置することが好ましい(第2の発明の第1の好
適態様)。また、前記した第2の発明、第2の発明の第
1の好適態様においては、前記ドロス除去槽10の槽内へ
のめっき液流入口11に、槽内へのめっき液流入量調整用
の可動整流板12を設けることが好ましい(第2の発明の
第2の好適態様、第3の好適態様)。
【0019】また、前記した第2の発明、第2の発明の
第1〜3の好適態様においては、前記めっき液流出口15
を、該めっき液流出口15の開口部最下端の位置が、ドロ
ス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの位置となる
ように配置することが好ましい(第2の発明の第4〜7
の好適態様)。また、前記した第2の発明、第2の発明
の第1〜3の好適態様においては、前記めっき液流出口
15を、該めっき液流出口15の開口部最下端の位置が、ド
ロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの位置で、
かつ、ドロス除去槽10内のめっき液液面の高さおよびド
ロス除去槽10槽外のめっき浴1浴面の高さの両者よりも
低い高さの位置となるように配置することが好ましい。
第1〜3の好適態様においては、前記めっき液流出口15
を、該めっき液流出口15の開口部最下端の位置が、ドロ
ス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの位置となる
ように配置することが好ましい(第2の発明の第4〜7
の好適態様)。また、前記した第2の発明、第2の発明
の第1〜3の好適態様においては、前記めっき液流出口
15を、該めっき液流出口15の開口部最下端の位置が、ド
ロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高さの位置で、
かつ、ドロス除去槽10内のめっき液液面の高さおよびド
ロス除去槽10槽外のめっき浴1浴面の高さの両者よりも
低い高さの位置となるように配置することが好ましい。
【0020】なお、前記した第1の発明の第1の好適態
様、第2の発明の第2の好適態様、第3の好適態様にお
ける前記可動整流板12としては、前記ドロス除去槽10の
めっき液流入口11に設けられ、めっき液の流れに対して
抵抗を与える面を有し、めっき浴1内のめっき液をドロ
ス除去槽10内に導入すると共に、上記した面が傾動およ
び/または移動することが可能な可動部材であればその
形状、構造は特に制限を受けるものではない。
様、第2の発明の第2の好適態様、第3の好適態様にお
ける前記可動整流板12としては、前記ドロス除去槽10の
めっき液流入口11に設けられ、めっき液の流れに対して
抵抗を与える面を有し、めっき浴1内のめっき液をドロ
ス除去槽10内に導入すると共に、上記した面が傾動およ
び/または移動することが可能な可動部材であればその
形状、構造は特に制限を受けるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは前記した課題を解決するために、図
6に示す槽内に複数枚の邪魔板32、33を各々上下方向に
取り付けたドロス除去槽30を用い、ドロス除去槽内の溶
融亜鉛31の流量を変化させ、ドロスの比重分離実験を行
った。
する。本発明者らは前記した課題を解決するために、図
6に示す槽内に複数枚の邪魔板32、33を各々上下方向に
取り付けたドロス除去槽30を用い、ドロス除去槽内の溶
融亜鉛31の流量を変化させ、ドロスの比重分離実験を行
った。
【0022】図7に、得られた結果を示す。なお、図7
に示す溶融亜鉛流量は、溶融亜鉛中の粒子の移動速度、
溶融亜鉛の流れと直交する槽内断面の面積および溶融亜
鉛の密度から求め、ドロス除去効率:η1 は下記式(1)
から求めた。 ドロス除去効率:η1 =〔(A−B)/A〕×100 %………(1) なお、上記式(1) 中、 A:ドロス除去槽入口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 B:ドロス除去槽出口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 を示し、上記した個数は、ドロス除去槽入口、出口の溶
融亜鉛をサンプリングし、凝固後の亜鉛の断面の観察に
よって測定した。
に示す溶融亜鉛流量は、溶融亜鉛中の粒子の移動速度、
溶融亜鉛の流れと直交する槽内断面の面積および溶融亜
鉛の密度から求め、ドロス除去効率:η1 は下記式(1)
から求めた。 ドロス除去効率:η1 =〔(A−B)/A〕×100 %………(1) なお、上記式(1) 中、 A:ドロス除去槽入口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 B:ドロス除去槽出口の溶融亜鉛中の粒子径≧20μm の
粒子の個数 を示し、上記した個数は、ドロス除去槽入口、出口の溶
融亜鉛をサンプリングし、凝固後の亜鉛の断面の観察に
よって測定した。
【0023】図7に示されるように、上記した実験によ
って、一定値以下の溶融亜鉛流量、すなわち上記した実
験装置においては、0.5t/min以下の溶融亜鉛流量でほぼ
100%に近いドロス除去効率η1 が得られることが分か
った。一方、ドロス除去効率η1 はドロス除去槽内の溶
融亜鉛流量によって大きく影響を受け、ドロス除去効率
η1 を高くするためにはドロス除去槽内での溶融亜鉛流
量を低下させる必要がある。
って、一定値以下の溶融亜鉛流量、すなわち上記した実
験装置においては、0.5t/min以下の溶融亜鉛流量でほぼ
100%に近いドロス除去効率η1 が得られることが分か
った。一方、ドロス除去効率η1 はドロス除去槽内の溶
融亜鉛流量によって大きく影響を受け、ドロス除去効率
η1 を高くするためにはドロス除去槽内での溶融亜鉛流
量を低下させる必要がある。
【0024】この結果、例えば溶融亜鉛めっきの場合、
めっき浴におけるドロスの生成速度が速い場合、めっき
浴におけるドロス生成量とドロス除去槽におけるドロス
除去量とのバランスがとれず、めっき浴槽底部における
ボトムドロスおよび浮上ドロスの量が増加し、ストリッ
プへのドロス付着を効果的に防止することが困難とな
る。
めっき浴におけるドロスの生成速度が速い場合、めっき
浴におけるドロス生成量とドロス除去槽におけるドロス
除去量とのバランスがとれず、めっき浴槽底部における
ボトムドロスおよび浮上ドロスの量が増加し、ストリッ
プへのドロス付着を効果的に防止することが困難とな
る。
【0025】このため、ストリップの溶解によって溶融
亜鉛中に存在するFeを強制的にドロスとして晶出せし
め、ドロス除去槽で除去する方法について検討した。図
3に溶融亜鉛中でのFe溶解度の浴温度依存性を模式的に
示す。溶融亜鉛めっきの場合、ドロスは、溶融亜鉛浴中
のFeが高濃度となることで、Feの飽和濃度あるいはFe-A
l 濃度積が飽和溶解度を超えるため晶出する。
亜鉛中に存在するFeを強制的にドロスとして晶出せし
め、ドロス除去槽で除去する方法について検討した。図
3に溶融亜鉛中でのFe溶解度の浴温度依存性を模式的に
示す。溶融亜鉛めっきの場合、ドロスは、溶融亜鉛浴中
のFeが高濃度となることで、Feの飽和濃度あるいはFe-A
l 濃度積が飽和溶解度を超えるため晶出する。
【0026】このため、溶融亜鉛の温度を低下させるこ
とによって、溶融亜鉛中のFeの飽和濃度、Fe-Al の飽和
溶解度積が下がり、Fe-Zn ドロスやFe-Al ドロスが晶出
する。すなわち、ドロス除去槽内の溶融亜鉛の温度を低
下させることによって、ドロス生成の原因となる溶融亜
鉛中の溶解Feを強制的にドロスとして晶出させ、除去す
ることができる。
とによって、溶融亜鉛中のFeの飽和濃度、Fe-Al の飽和
溶解度積が下がり、Fe-Zn ドロスやFe-Al ドロスが晶出
する。すなわち、ドロス除去槽内の溶融亜鉛の温度を低
下させることによって、ドロス生成の原因となる溶融亜
鉛中の溶解Feを強制的にドロスとして晶出させ、除去す
ることができる。
【0027】このため、前記した図6に示すドロス除去
槽30を用い、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度を変え
て、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛中のFe濃度およびドロ
ス除去槽出口の溶融亜鉛中のFe濃度を測定し、それらの
Fe濃度の差からドロス除去槽におけるドロス除去効率η
2 を求めた。図4に、得られた結果を示す。
槽30を用い、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度を変え
て、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛中のFe濃度およびドロ
ス除去槽出口の溶融亜鉛中のFe濃度を測定し、それらの
Fe濃度の差からドロス除去槽におけるドロス除去効率η
2 を求めた。図4に、得られた結果を示す。
【0028】なお、図4においては、ドロス除去槽入口
の溶融亜鉛の温度が溶融亜鉛めっき浴の基準の浴温であ
る470 ℃の場合のドロス除去効率η2 を1.0 として示し
ている。この結果、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度
を低下するにしたがってほぼ直線的にドロス除去効率η
2 が大となり、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度を溶
融亜鉛めっき浴の基準の浴温(470 ℃)に対して30℃低
下させることによって、ドロス除去効率η2 が2.6 倍に
上昇することが分かった。
の溶融亜鉛の温度が溶融亜鉛めっき浴の基準の浴温であ
る470 ℃の場合のドロス除去効率η2 を1.0 として示し
ている。この結果、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度
を低下するにしたがってほぼ直線的にドロス除去効率η
2 が大となり、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の温度を溶
融亜鉛めっき浴の基準の浴温(470 ℃)に対して30℃低
下させることによって、ドロス除去効率η2 が2.6 倍に
上昇することが分かった。
【0029】すなわち、ドロス除去槽入口の溶融亜鉛の
温度が低温であればあるほど、ドロス除去効率η2 が上
昇することが分かった。しかしながら、溶融亜鉛めっき
浴から溶融亜鉛を抜き出し、温度を低下させた溶融亜鉛
をドロス除去槽に供給することによってドロスおよびド
ロス生成の原因となる溶融亜鉛めっき浴中のFeを除去す
る方法は、前記した従来技術と同様にポンプの交換およ
び配管の閉塞の問題を有している。
温度が低温であればあるほど、ドロス除去効率η2 が上
昇することが分かった。しかしながら、溶融亜鉛めっき
浴から溶融亜鉛を抜き出し、温度を低下させた溶融亜鉛
をドロス除去槽に供給することによってドロスおよびド
ロス生成の原因となる溶融亜鉛めっき浴中のFeを除去す
る方法は、前記した従来技術と同様にポンプの交換およ
び配管の閉塞の問題を有している。
【0030】すなわち、浴内の溶融亜鉛を吸引し、ドロ
ス除去槽の槽内に流入せしめるために、回転翼などを用
いたポンプが必要となる。この結果、ポンプおよび配管
が亜鉛もしくはドロスによって閉塞もしくは破損するこ
とが避けられず、ポンプの交換および配管中の閉塞物の
除去など装置の保守が必要となる。
ス除去槽の槽内に流入せしめるために、回転翼などを用
いたポンプが必要となる。この結果、ポンプおよび配管
が亜鉛もしくはドロスによって閉塞もしくは破損するこ
とが避けられず、ポンプの交換および配管中の閉塞物の
除去など装置の保守が必要となる。
【0031】本発明者らは、前記した実験で得られた
複数枚の邪魔板によるドロスの比重分離および溶融亜
鉛温度とFe除去効率との関係と共に、回転する浴中シ
ンクロールを用いた鋼帯の連続溶融金属めっきのめっき
浴におけるめっき液の循環流に着目した。すなわち、回
転する浴中シンクロールを用いた鋼帯の連続溶融金属め
っきのめっき浴においては、浴中シンクロールの回転方
向に沿ってめっき液が流れ、めっき浴内に循環流が形成
される。
複数枚の邪魔板によるドロスの比重分離および溶融亜
鉛温度とFe除去効率との関係と共に、回転する浴中シ
ンクロールを用いた鋼帯の連続溶融金属めっきのめっき
浴におけるめっき液の循環流に着目した。すなわち、回
転する浴中シンクロールを用いた鋼帯の連続溶融金属め
っきのめっき浴においては、浴中シンクロールの回転方
向に沿ってめっき液が流れ、めっき浴内に循環流が形成
される。
【0032】本発明者らは、ドロス除去槽をめっき浴に
浸漬配置すると共に、上記した循環流を有効に活用し、
ドロス除去槽内に溶融金属を導入することによって、ポ
ンプを用いずにめっき浴中のドロスを比重分離できるの
ではないかと考えた。このため、めっき浴内に、めっき
浴の循環流を利用したドロス除去槽を浸漬配置して実験
を行った。
浸漬配置すると共に、上記した循環流を有効に活用し、
ドロス除去槽内に溶融金属を導入することによって、ポ
ンプを用いずにめっき浴中のドロスを比重分離できるの
ではないかと考えた。このため、めっき浴内に、めっき
浴の循環流を利用したドロス除去槽を浸漬配置して実験
を行った。
【0033】この結果、後記する実施例で示すように、
めっき液の冷却装置および昇温装置を配設したドロス除
去層をめっき浴内に浸漬配置することによって、めっき
浴中のドロスおよびドロス生成の原因となる溶解Feが効
率的に分離され、溶融金属めっき鋼板へのドロス付着を
極めて効果的に防止することが可能であることが分かり
本発明に至った。
めっき液の冷却装置および昇温装置を配設したドロス除
去層をめっき浴内に浸漬配置することによって、めっき
浴中のドロスおよびドロス生成の原因となる溶解Feが効
率的に分離され、溶融金属めっき鋼板へのドロス付着を
極めて効果的に防止することが可能であることが分かり
本発明に至った。
【0034】図1に、本発明の溶融金属めっき装置およ
びドロス除去槽の1例を平面図(a)、A−A部矢視図
(縦側面図)(b) およびB−B部断面図(縦断面図)
(c) によって示す。なお、図1において、1は溶融金属
であるめっき浴、2はめっき用ポット、3は浴中シンク
ロール(:シンクロール)、4は鋼帯、5はスナウト、
10はドロス除去槽、11はドロス除去槽10内へのめっき液
流入口、12はめっき液流入口11に設けられたドロス除去
槽10内へのめっき液流入量調整用の可動整流板、12S は
可動整流板12の回転軸、13、14は板面が上下方向に配設
されためっき液中のドロス比重分離用の邪魔板、15はド
ロス除去槽10内からのめっき液流出口、16はめっき液冷
却装置、17はめっき液昇温装置、Fはめっき液の流れ、
fはめっき液の流れ方向、f1は鋼帯の搬送方向(通板方
向)、f3は可動整流板12の回転方向、hはめっき液流出
口15の開口部最下端部のドロス除去槽10内槽底に対する
高さ、θはめっき液流入口11に対する可動整流板12の水
平方向の角度(以下、整流板角度とも記す)を示す。
びドロス除去槽の1例を平面図(a)、A−A部矢視図
(縦側面図)(b) およびB−B部断面図(縦断面図)
(c) によって示す。なお、図1において、1は溶融金属
であるめっき浴、2はめっき用ポット、3は浴中シンク
ロール(:シンクロール)、4は鋼帯、5はスナウト、
10はドロス除去槽、11はドロス除去槽10内へのめっき液
流入口、12はめっき液流入口11に設けられたドロス除去
槽10内へのめっき液流入量調整用の可動整流板、12S は
可動整流板12の回転軸、13、14は板面が上下方向に配設
されためっき液中のドロス比重分離用の邪魔板、15はド
ロス除去槽10内からのめっき液流出口、16はめっき液冷
却装置、17はめっき液昇温装置、Fはめっき液の流れ、
fはめっき液の流れ方向、f1は鋼帯の搬送方向(通板方
向)、f3は可動整流板12の回転方向、hはめっき液流出
口15の開口部最下端部のドロス除去槽10内槽底に対する
高さ、θはめっき液流入口11に対する可動整流板12の水
平方向の角度(以下、整流板角度とも記す)を示す。
【0035】ドロス除去槽10内に配設されるめっき液冷
却装置16としては、水などの冷媒を内部に送通した冷却
フィンなどを適用することを好適とする。また、めっき
液昇温装置17としては、誘導加熱装置、電気ヒータなど
を適用することを好適とする。ただし、めっき液冷却装
置16とめっき液昇温装置17が、これらに限定されるもの
でないことは言うまでもない。
却装置16としては、水などの冷媒を内部に送通した冷却
フィンなどを適用することを好適とする。また、めっき
液昇温装置17としては、誘導加熱装置、電気ヒータなど
を適用することを好適とする。ただし、めっき液冷却装
置16とめっき液昇温装置17が、これらに限定されるもの
でないことは言うまでもない。
【0036】図1に示す溶融金属めっき装置において
は、溶融金属めっき浴中のドロスを除去するためのドロ
ス除去槽10がめっき浴1に浸漬されている。また、上記
ドロス除去槽10として、槽内へのめっき液流入口11と、
めっき液流入口11に設けられた槽内へのめっき液流入量
調整用の可動整流板12と、槽内に設けられかつ板面が上
下方向に配設されためっき液中のドロス比重分離用の複
数枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15を
有するドロス除去槽10を配設した。
は、溶融金属めっき浴中のドロスを除去するためのドロ
ス除去槽10がめっき浴1に浸漬されている。また、上記
ドロス除去槽10として、槽内へのめっき液流入口11と、
めっき液流入口11に設けられた槽内へのめっき液流入量
調整用の可動整流板12と、槽内に設けられかつ板面が上
下方向に配設されためっき液中のドロス比重分離用の複
数枚の邪魔板13、14と、槽内からのめっき液流出口15を
有するドロス除去槽10を配設した。
【0037】なお、図1に示すドロス除去槽10は、槽全
体をめっき浴に浸漬することなく、ドロス除去槽10の槽
壁がめっき浴浴面(めっき浴液面)より上方に突き出
し、またドロス比重分離用の邪魔板13および邪魔板14が
下記に示すように配置されている。すなわち、図1に示
す溶融金属めっき装置においては、ドロス比重分離用の
邪魔板13は、板面上方端部がめっき液液面より上方に突
き出すと共に、板面下方端部とドロス除去槽10内の槽底
との間にめっき液流通用の流路を形成するように配置さ
れている。
体をめっき浴に浸漬することなく、ドロス除去槽10の槽
壁がめっき浴浴面(めっき浴液面)より上方に突き出
し、またドロス比重分離用の邪魔板13および邪魔板14が
下記に示すように配置されている。すなわち、図1に示
す溶融金属めっき装置においては、ドロス比重分離用の
邪魔板13は、板面上方端部がめっき液液面より上方に突
き出すと共に、板面下方端部とドロス除去槽10内の槽底
との間にめっき液流通用の流路を形成するように配置さ
れている。
【0038】また、ドロス比重分離用の邪魔板14は、板
面上方端部がめっき液中に浸漬され、板面上方端部上方
にめっき液流通用の流路を形成し、板面下方端部がドロ
ス除去槽10内の槽底に至るように配置されている。ま
た、ドロス比重分離用の邪魔板13と邪魔板14の両者は、
邪魔板13の板面下方端部が邪魔板14の板面上方端部より
低い位置となるように配置されている。
面上方端部がめっき液中に浸漬され、板面上方端部上方
にめっき液流通用の流路を形成し、板面下方端部がドロ
ス除去槽10内の槽底に至るように配置されている。ま
た、ドロス比重分離用の邪魔板13と邪魔板14の両者は、
邪魔板13の板面下方端部が邪魔板14の板面上方端部より
低い位置となるように配置されている。
【0039】この結果、めっき液がドロス除去槽10内に
配設された邪魔板13、14のそれぞれの下方または上方を
通過することによって、ドロス除去槽10内にめっき液の
下降流および上昇流の両者が形成され、めっき液中の比
重の軽いドロスは、ドロス除去槽10内のめっき液液面に
浮上し、めっき液中の比重の重いドロスは、ドロス除去
槽10内の槽底に沈積し、めっき液中のドロスが比重分離
される。
配設された邪魔板13、14のそれぞれの下方または上方を
通過することによって、ドロス除去槽10内にめっき液の
下降流および上昇流の両者が形成され、めっき液中の比
重の軽いドロスは、ドロス除去槽10内のめっき液液面に
浮上し、めっき液中の比重の重いドロスは、ドロス除去
槽10内の槽底に沈積し、めっき液中のドロスが比重分離
される。
【0040】また、図1に示す溶融金属めっき装置にお
いては、ドロス除去槽10内へのめっき液流入量調整用の
可動整流板12が、板面が上下方向となるように配設され
ると共に、整流板が、可動整流板12の回転軸12S を中心
として水平方向(f3の方向)に回転可能な構成となって
いる。この結果、めっき液の流れが可動整流板12によっ
て抵抗を受け、めっき液流入口11に対する可動整流板12
の水平方向の角度(:整流板角度)θを調整することに
よって、ドロス除去槽10内へのめっき液流入口11の開口
部の開度を調整し、ドロス除去槽10内へのめっき液の流
入量を調整することができる。
いては、ドロス除去槽10内へのめっき液流入量調整用の
可動整流板12が、板面が上下方向となるように配設され
ると共に、整流板が、可動整流板12の回転軸12S を中心
として水平方向(f3の方向)に回転可能な構成となって
いる。この結果、めっき液の流れが可動整流板12によっ
て抵抗を受け、めっき液流入口11に対する可動整流板12
の水平方向の角度(:整流板角度)θを調整することに
よって、ドロス除去槽10内へのめっき液流入口11の開口
部の開度を調整し、ドロス除去槽10内へのめっき液の流
入量を調整することができる。
【0041】なお、本発明における前記可動整流板12と
しては、上記した目的からドロス除去槽10のめっき液流
入口11に設けられ、めっき液の流れに対して抵抗を与え
る面を有し、めっき浴1内のめっき液をドロス除去槽10
内に導入すると共に、上記した面が傾動および/または
移動することが可能な可動部材であればその形状、構造
は特に制限を受けるものではない。
しては、上記した目的からドロス除去槽10のめっき液流
入口11に設けられ、めっき液の流れに対して抵抗を与え
る面を有し、めっき浴1内のめっき液をドロス除去槽10
内に導入すると共に、上記した面が傾動および/または
移動することが可能な可動部材であればその形状、構造
は特に制限を受けるものではない。
【0042】次に、図2に、上記した図1に示す溶融金
属めっき装置を斜視図に示す。なお、図2において、18
はドロス除去槽10の保守時に、ドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴から引き上げるためにドロス除
去槽10に取り付けられた懸架用部材を示し、その他の符
号は図1と同一の内容を示す。以上述べた図1、図2に
示す本発明の溶融金属めっき装置によれば、めっき液
を、浴中シンクロール3の回転によって生じるめっき液
の流れFを駆動力としてドロス除去槽10のめっき液流入
口11からドロス除去槽10内に導入し、複数枚の邪魔板1
3、14のそれぞれの下方または上方を通過せしめ、めっ
き液中のドロスを比重分離した後、めっき液流出口15か
らめっき浴1中に再循環することが可能となった。
属めっき装置を斜視図に示す。なお、図2において、18
はドロス除去槽10の保守時に、ドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴から引き上げるためにドロス除
去槽10に取り付けられた懸架用部材を示し、その他の符
号は図1と同一の内容を示す。以上述べた図1、図2に
示す本発明の溶融金属めっき装置によれば、めっき液
を、浴中シンクロール3の回転によって生じるめっき液
の流れFを駆動力としてドロス除去槽10のめっき液流入
口11からドロス除去槽10内に導入し、複数枚の邪魔板1
3、14のそれぞれの下方または上方を通過せしめ、めっ
き液中のドロスを比重分離した後、めっき液流出口15か
らめっき浴1中に再循環することが可能となった。
【0043】本発明の溶融金属めっき装置によれば、比
重の重いドロスがドロス除去槽10の槽内底部に沈降し分
離されるばかりでなく、ドロス除去槽10内のめっき液液
面の上方を大気開放とするか空間を形成することが可能
であるため、比重の軽いドロスはドロス除去槽10の槽内
のめっき液液面に浮上、滞留し、浮上ドロスが再度めっ
き液中に巻き込まれることが防止される。
重の重いドロスがドロス除去槽10の槽内底部に沈降し分
離されるばかりでなく、ドロス除去槽10内のめっき液液
面の上方を大気開放とするか空間を形成することが可能
であるため、比重の軽いドロスはドロス除去槽10の槽内
のめっき液液面に浮上、滞留し、浮上ドロスが再度めっ
き液中に巻き込まれることが防止される。
【0044】この結果、本発明によれば、連続溶融金属
めっきにおいて、めっき浴中のドロスを効果的に除去す
ることが可能となった。さらに、本発明によれば、ポン
プおよび配管が不要であり、ポンプおよび配管の亜鉛も
しくはドロスによる閉塞もしくは破損に対する保守が不
要となり、保守性に優れた連続溶融金属めっき装置を達
成できた。
めっきにおいて、めっき浴中のドロスを効果的に除去す
ることが可能となった。さらに、本発明によれば、ポン
プおよび配管が不要であり、ポンプおよび配管の亜鉛も
しくはドロスによる閉塞もしくは破損に対する保守が不
要となり、保守性に優れた連続溶融金属めっき装置を達
成できた。
【0045】また、本発明においては、ドロス除去槽10
のめっき液流出口15を、めっき液流出口15の開口部最下
端の位置がドロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高
さの位置となるよう配置することが好ましい。これは、
めっき液流出口15を、上記した条件を満足するように配
置することによって、ドロス除去槽10出口側の槽底に沈
降したドロスの槽外めっき浴への流出を防止できるため
である。
のめっき液流出口15を、めっき液流出口15の開口部最下
端の位置がドロス除去槽10内の槽底から100mm 以上の高
さの位置となるよう配置することが好ましい。これは、
めっき液流出口15を、上記した条件を満足するように配
置することによって、ドロス除去槽10出口側の槽底に沈
降したドロスの槽外めっき浴への流出を防止できるため
である。
【0046】また、本発明においては、ドロス除去槽10
のめっき液流出口15から槽外のめっき浴1へのめっき液
の流出が阻害されないように、めっき液流出口15を、め
っき液流出口15の開口部最下端の位置が、ドロス除去槽
10内の槽底から100mm 以上の高さの位置で、かつ、ドロ
ス除去槽10内のめっき液液面の高さおよびドロス除去槽
10槽外のめっき浴1浴面の高さの両者よりも低い高さの
位置となるよう配置することが好ましい。
のめっき液流出口15から槽外のめっき浴1へのめっき液
の流出が阻害されないように、めっき液流出口15を、め
っき液流出口15の開口部最下端の位置が、ドロス除去槽
10内の槽底から100mm 以上の高さの位置で、かつ、ドロ
ス除去槽10内のめっき液液面の高さおよびドロス除去槽
10槽外のめっき浴1浴面の高さの両者よりも低い高さの
位置となるよう配置することが好ましい。
【0047】さらに、本発明においては、前記した複数
枚の邪魔板13、14の少なくとも一枚を取り外し可能な構
造とすることが好ましい。複数枚の邪魔板13、14の少な
くとも一枚を取り外し可能な構造とすることによって、
溶融金属めっき装置の稼働中においても、邪魔板を取り
外し、ドロス除去槽10内の槽底に沈積した槽底ドロスを
容易に掻き出し、回収することが可能となる。
枚の邪魔板13、14の少なくとも一枚を取り外し可能な構
造とすることが好ましい。複数枚の邪魔板13、14の少な
くとも一枚を取り外し可能な構造とすることによって、
溶融金属めっき装置の稼働中においても、邪魔板を取り
外し、ドロス除去槽10内の槽底に沈積した槽底ドロスを
容易に掻き出し、回収することが可能となる。
【0048】なお、上記した溶融金属めっき装置の稼働
中に槽底ドロスを掻き出し、回収する際には、前記した
ドロス除去槽10のめっき液流入口11に対する可動整流板
12の水平方向の角度(:整流板角度)θを0度としめっ
き液流入口11を閉鎖し、ドロス除去槽10内におけるめっ
き液の流れを停止することによって、ドロス除去槽10内
の槽底ドロスおよびドロス除去槽10内の浮遊ドロスの槽
外めっき浴中への流出を防止できる。
中に槽底ドロスを掻き出し、回収する際には、前記した
ドロス除去槽10のめっき液流入口11に対する可動整流板
12の水平方向の角度(:整流板角度)θを0度としめっ
き液流入口11を閉鎖し、ドロス除去槽10内におけるめっ
き液の流れを停止することによって、ドロス除去槽10内
の槽底ドロスおよびドロス除去槽10内の浮遊ドロスの槽
外めっき浴中への流出を防止できる。
【0049】さらに、本発明においては、図2に例示す
るようにドロス除去槽10に懸架用部材18などを取り付
け、ドロス除去槽10を一体(全体)としてめっき浴1か
ら引き上げ可能な構造とすることが好ましい。これは、
ドロス除去槽10を上記した構造とし、ドロス除去槽10を
一体(全体)としてめっき浴1から引き上げることによ
って、ドロス除去槽10の保守、補修を容易に行うことが
でき、また保守、補修の時間を短縮することができるた
めである。
るようにドロス除去槽10に懸架用部材18などを取り付
け、ドロス除去槽10を一体(全体)としてめっき浴1か
ら引き上げ可能な構造とすることが好ましい。これは、
ドロス除去槽10を上記した構造とし、ドロス除去槽10を
一体(全体)としてめっき浴1から引き上げることによ
って、ドロス除去槽10の保守、補修を容易に行うことが
でき、また保守、補修の時間を短縮することができるた
めである。
【0050】また、ドロス除去槽10を上記した構造とす
ることによって、軽微な保守、補修の場合は、溶融金属
めっき装置の稼働中においても、ドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴1から引き上げ、保守、補修を
行うことができる。さらに、本発明によれば、ドロス除
去槽10をめっき浴1内に浸漬配置するため、めっき浴外
にドロス除去槽を設ける場合の放散熱量が大幅に低減で
き、省エネルギーを達成できるという効果も有する。
ることによって、軽微な保守、補修の場合は、溶融金属
めっき装置の稼働中においても、ドロス除去槽10を一体
(全体)としてめっき浴1から引き上げ、保守、補修を
行うことができる。さらに、本発明によれば、ドロス除
去槽10をめっき浴1内に浸漬配置するため、めっき浴外
にドロス除去槽を設ける場合の放散熱量が大幅に低減で
き、省エネルギーを達成できるという効果も有する。
【0051】また、本発明によれば、ドロス除去槽10を
めっき浴1内に浸漬配置するため、ドロス除去槽からの
めっき液の漏洩の問題が無く、安全上の問題も無い。以
上本発明について述べたが、本発明における溶融金属め
っきの溶融金属としては、溶融亜鉛に限定されることは
なく、亜鉛を主成分とする溶融(亜鉛−アルミ:Zn-Al
)、アルミを主成分とする溶融(アルミ−亜鉛:Al-Zn
)など、溶融亜鉛以外の溶融金属を用いることもでき
る。
めっき浴1内に浸漬配置するため、ドロス除去槽からの
めっき液の漏洩の問題が無く、安全上の問題も無い。以
上本発明について述べたが、本発明における溶融金属め
っきの溶融金属としては、溶融亜鉛に限定されることは
なく、亜鉛を主成分とする溶融(亜鉛−アルミ:Zn-Al
)、アルミを主成分とする溶融(アルミ−亜鉛:Al-Zn
)など、溶融亜鉛以外の溶融金属を用いることもでき
る。
【0052】すなわち、本発明は、前記した本発明の作
用、効果に基づき、溶融亜鉛以外の溶融金属を用いた溶
融金属めっきにおける溶融金属めっき浴中のドロスの除
去方法および溶融金属めっき装置としても好適に用いる
ことができる。
用、効果に基づき、溶融亜鉛以外の溶融金属を用いた溶
融金属めっきにおける溶融金属めっき浴中のドロスの除
去方法および溶融金属めっき装置としても好適に用いる
ことができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明および本発明に
より得られる効果をさらに具体的に説明する。図1、図
2に示す本発明の溶融金属めっき装置を用いて鋼帯への
連続溶融亜鉛めっきを行い、鋼板へのドロス付着状況を
調べた。
より得られる効果をさらに具体的に説明する。図1、図
2に示す本発明の溶融金属めっき装置を用いて鋼帯への
連続溶融亜鉛めっきを行い、鋼板へのドロス付着状況を
調べた。
【0054】また、図8に示す従来の溶融金属めっき装
置を用いて鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを行い、本発明
の溶融金属めっき装置で得られた鋼板のドロス付着状況
と従来の溶融金属めっき装置で得られた鋼板のドロス付
着状況との比較を行った。なお、図1、図2に示す溶融
金属めっき装置において、めっき液流出口15の開口部最
下端の位置は、ドロス除去槽10内の槽底から 500mmの高
さとした。
置を用いて鋼帯への連続溶融亜鉛めっきを行い、本発明
の溶融金属めっき装置で得られた鋼板のドロス付着状況
と従来の溶融金属めっき装置で得られた鋼板のドロス付
着状況との比較を行った。なお、図1、図2に示す溶融
金属めっき装置において、めっき液流出口15の開口部最
下端の位置は、ドロス除去槽10内の槽底から 500mmの高
さとした。
【0055】すなわち、図1(b) 、図2においてh= 5
00mmとした。 (実施例1)図1、図2に示す本発明の溶融金属めっき
装置を用い、予め、ドロス除去槽10のめっき液流入口11
に対する可動整流板12の水平方向の角度(:整流板角
度)θと、ドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量との関
係を、前記した図7と同様の方法で調査した。
00mmとした。 (実施例1)図1、図2に示す本発明の溶融金属めっき
装置を用い、予め、ドロス除去槽10のめっき液流入口11
に対する可動整流板12の水平方向の角度(:整流板角
度)θと、ドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量との関
係を、前記した図7と同様の方法で調査した。
【0056】図5に、得られた結果を示す。なお、図5
に示す循環溶融亜鉛流量は、可動整流板12を取り付ける
前のドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量を1とし、相
対値で示した。図5に示されるように、整流板角度:θ
=90度の時に最大の循環溶融亜鉛流量が得られ、以下の
実験では整流板角度:θ=90度と設定した。
に示す循環溶融亜鉛流量は、可動整流板12を取り付ける
前のドロス除去槽10内の循環溶融亜鉛流量を1とし、相
対値で示した。図5に示されるように、整流板角度:θ
=90度の時に最大の循環溶融亜鉛流量が得られ、以下の
実験では整流板角度:θ=90度と設定した。
【0057】次に、下記条件下で鋼帯の連続溶融亜鉛め
っきを行い、得られた溶融亜鉛めっき鋼板の品質を下記
試験方法で評価した。なお、ドロス除去槽入側におい
て、流入するめっき液を、流入液温−30℃に冷却し、出
側において、流出するめっき液を、流出液温+30℃とな
るように加熱した。
っきを行い、得られた溶融亜鉛めっき鋼板の品質を下記
試験方法で評価した。なお、ドロス除去槽入側におい
て、流入するめっき液を、流入液温−30℃に冷却し、出
側において、流出するめっき液を、流出液温+30℃とな
るように加熱した。
【0058】(溶融亜鉛めっきの条件:) 鋼帯:冷延鋼板、板厚0.4 〜1.6mm ×板幅750 〜1850mm 溶融亜鉛めっき浴侵入板温:470 〜480 ℃ 溶融亜鉛めっき浴Al濃度 :0.13〜0.15% 通板速度 :30〜150m/min (溶融亜鉛めっき鋼板の試験方法:)得られた鋼帯50コ
イルについて下記試験を行い、品質を評価した。
イルについて下記試験を行い、品質を評価した。
【0059】溶融亜鉛めっき鋼板のドロス付着による
不良率:溶融亜鉛めっき鋼板をプレス加工し、プレス加
工後の鋼板のドロス付着個数が2個/m2以上の製品を不
良とし、全製品中における不良製品の発生率を不良率と
定義した。 付着ドロスの最大粒径:溶融亜鉛めっき鋼板表面の付
着ドロスを顕微鏡で観察し、各コイルの付着ドロスの最
大粒径を求め、全コイルについての付着ドロスの平均最
大粒径を求めた。
不良率:溶融亜鉛めっき鋼板をプレス加工し、プレス加
工後の鋼板のドロス付着個数が2個/m2以上の製品を不
良とし、全製品中における不良製品の発生率を不良率と
定義した。 付着ドロスの最大粒径:溶融亜鉛めっき鋼板表面の付
着ドロスを顕微鏡で観察し、各コイルの付着ドロスの最
大粒径を求め、全コイルについての付着ドロスの平均最
大粒径を求めた。
【0060】表1に、得られた試験結果を示す。 (比較例)図8に示す従来の溶融金属めっき装置を用い
た以外は前記した実施例1と同様の条件で鋼帯への連続
溶融亜鉛めっきを行い、得られた溶融亜鉛めっき鋼板の
品質を前記した実施例1と同様の方法で評価した。
た以外は前記した実施例1と同様の条件で鋼帯への連続
溶融亜鉛めっきを行い、得られた溶融亜鉛めっき鋼板の
品質を前記した実施例1と同様の方法で評価した。
【0061】表1に、得られた試験結果を示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1の前記した実施例1と比較例との対比
で示されるように、本発明によれば、本発明に係わるド
ロス除去槽および浴中シンクロールによるめっき液の循
環流の作用・効果によって、めっき浴中のドロスが効率
的に比重分離され、溶融金属めっき鋼板へのドロス付着
を極めて効果的に防止することが可能であることが分か
った。
で示されるように、本発明によれば、本発明に係わるド
ロス除去槽および浴中シンクロールによるめっき液の循
環流の作用・効果によって、めっき浴中のドロスが効率
的に比重分離され、溶融金属めっき鋼板へのドロス付着
を極めて効果的に防止することが可能であることが分か
った。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、連続溶融金属めっきに
おいて、極めて簡易な装置で、めっき浴中のドロスを効
果的に除去し、かつ、装置の保守性に優れた溶融金属め
っき浴中のドロス除去方法および溶融金属めっき装置を
提供可能となった。
おいて、極めて簡易な装置で、めっき浴中のドロスを効
果的に除去し、かつ、装置の保守性に優れた溶融金属め
っき浴中のドロス除去方法および溶融金属めっき装置を
提供可能となった。
【図1】本発明の溶融金属めっき装置およびドロス除去
槽の1例を示す平面図(a) 、A−A部矢視図(縦側面
図)(b) 、および、B−B部断面図(縦断面図)(c) で
ある。
槽の1例を示す平面図(a) 、A−A部矢視図(縦側面
図)(b) 、および、B−B部断面図(縦断面図)(c) で
ある。
【図2】本発明の溶融金属めっき装置の1例を示す斜視
図である。
図である。
【図3】溶融Znめっき浴温とFe溶解量の関係を模式的に
示すグラフである。
示すグラフである。
【図4】ドロス除去槽の入側浴温とドロス除去効率η2
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図5】整流板角度θとドロス除去槽内の循環溶融亜鉛
流量との関係を示すグラフである。
流量との関係を示すグラフである。
【図6】ドロス除去槽を示す縦断面図である。
【図7】ドロス除去槽内の溶融亜鉛流量とドロス除去効
率η1 との関係を示すグラフである。
率η1 との関係を示すグラフである。
【図8】従来の溶融金属めっき装置を示す縦断面図であ
る。
る。
1 めっき浴(溶融金属) 2 めっき用ポット 3 浴中シンクロール(:シンクロール) 4 鋼帯 5 スナウト 10 ドロス除去槽 11 ドロス除去槽内へのめっき液流入口 12 ドロス除去槽内へのめっき液流入量調整用の可動整
流板 12S 可動整流板の回転軸 13、14 めっき液中のドロス比重分離用の邪魔板 15 ドロス除去槽内からのめっき液流出口 16 めっき液冷却装置 17 めっき液昇温装置 18 ドロス除去槽懸架用部材 20 抵抗板 F めっき液の流れ f めっき液の流れ方向 f1 鋼帯の搬送方向(通板方向) f2 浴中シンクロールの回転方向 f3 可動整流板の回転方向 h めっき液流出口の開口部最下端部のドロス除去槽内
槽底に対する高さ θ 整流板角度
流板 12S 可動整流板の回転軸 13、14 めっき液中のドロス比重分離用の邪魔板 15 ドロス除去槽内からのめっき液流出口 16 めっき液冷却装置 17 めっき液昇温装置 18 ドロス除去槽懸架用部材 20 抵抗板 F めっき液の流れ f めっき液の流れ方向 f1 鋼帯の搬送方向(通板方向) f2 浴中シンクロールの回転方向 f3 可動整流板の回転方向 h めっき液流出口の開口部最下端部のドロス除去槽内
槽底に対する高さ θ 整流板角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸住 順 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 山口 誠 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 西坂 智明 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K027 AA05 AA22 AB42 AC32 AD08 AD16 AD25 AD26 AE01 AE04
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼帯を溶融金属であるめっき浴(1) 中に
連続的に侵入させ、浴中シンクロール(3) を周回後、方
向転換し、めっき浴(1) 液面より上方へ引き上げて連続
的にめっきを施す溶融金属めっきにおけるドロス除去槽
(10)を用いた溶融金属めっき浴中のドロス除去方法であ
って、前記ドロス除去槽(10)をめっき浴(1) に浸漬配置
すると共に、該ドロス除去槽(10)として、槽内へのめっ
き液流入口(11)と、槽内に設けられかつ板面が上下方向
に配設されたドロス比重分離用の複数枚の邪魔板(13 、
14) と、槽内からのめっき液流出口(15)を有するドロス
除去槽(10)を用い、めっき液を前記めっき液流入口(11)
から前記ドロス除去槽(10)内に導入し、冷却せしめた
後、前記複数枚の邪魔板(13 、14) のそれぞれの下方ま
たは上方を通過せしめ、めっき液中のドロスを比重分離
した後、昇温し、前記めっき液流出口(15)からめっき浴
(1) 中に再循環することを特徴とする溶融金属めっき浴
中のドロス除去方法。 - 【請求項2】 前記ドロス除去槽(10)の前記めっき液流
入口(11)に、ドロス除去槽(10)内へのめっき液流入量調
整用の可動整流板(12)を取り付け、該可動整流板(12)に
よってドロス除去槽(10)内へのめっき液流入量を調整す
ることを特徴とする請求項1記載の溶融金属めっき浴中
のドロス除去方法。 - 【請求項3】 前記しためっき液を前記めっき液流入口
(11)から前記ドロス除去槽(10)内に導入する方法が、浴
中シンクロール(3) の回転および鋼帯の浴中における搬
送によって生じるめっき液の流れFを駆動力として前記
しためっき液を前記めっき液流入口(11)から前記ドロス
除去槽(10)内に導入する方法であることを特徴とする請
求項1または2記載の溶融金属めっき浴中のドロス除去
方法。 - 【請求項4】 鋼帯を溶融金属であるめっき浴(1) 中に
連続的に侵入させ溶融金属めっきを施すめっき用ポット
(2) と、鋼帯を方向転換させめっき浴(1) 液面より上方
へ引き上げるための浴中シンクロール(3) と、溶融金属
めっき浴中のドロスを除去するためのドロス除去槽(10)
を有する溶融金属めっき装置であって、前記ドロス除去
槽(10)をめっき浴(1) に浸漬配置すると共に、該ドロス
除去槽(10)として、槽内へのめっき液流入口(11)と、槽
内に設けられかつ板面が上下方向に配設されたドロス比
重分離用の複数枚の邪魔板(13 、14) と、槽内からのめ
っき液流出口(15)を有するドロス除去槽(10)を用い、ド
ロス除去槽(10)の槽内へのめっき液流入口(11)側にめっ
き液冷却装置(16)を配設し、槽内からのめっき液流出口
(15)側にめっき液昇温装置(17)を配設したことを特徴と
する溶融金属めっき装置。 - 【請求項5】 前記めっき液流入口(11)を、前記めっき
液流出口(15)に対して浴中シンクロール(3) の回転によ
って生じるめっき液の流れの上流側に配置したことを特
徴とする請求項4記載の溶融金属めっき装置。 - 【請求項6】 前記ドロス除去槽(10)の槽内へのめっき
液流入口(11)に、槽内へのめっき液流入量調整用の可動
整流板(12)を設けたことを特徴とする請求項4または5
記載の溶融金属めっき装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001079679A JP2002275607A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001079679A JP2002275607A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002275607A true JP2002275607A (ja) | 2002-09-25 |
Family
ID=18936079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001079679A Pending JP2002275607A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002275607A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209439A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Jfe Steel Corp | 溶融亜鉛メッキ浴のドロス除去方法 |
KR101415651B1 (ko) | 2012-08-21 | 2014-07-04 | (주)엠솔루션 | 도금욕조의 드로스 포집부재 |
-
2001
- 2001-03-21 JP JP2001079679A patent/JP2002275607A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209439A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Jfe Steel Corp | 溶融亜鉛メッキ浴のドロス除去方法 |
KR101415651B1 (ko) | 2012-08-21 | 2014-07-04 | (주)엠솔루션 | 도금욕조의 드로스 포집부재 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6426122B1 (en) | Method for hot-dip galvanizing | |
US20220106674A1 (en) | Device for removing foreign material from molten metal surface in steel sheet hot-dip galvanizing process | |
JP5586478B2 (ja) | 鋼ストリップのための溶融めっき装置 | |
KR100725556B1 (ko) | 금속 스트립의 연속식 딥 코팅 방법 및 설비 | |
JPH0734209A (ja) | 連続溶融めっき方法及びその方法に使用するドロス除去装置 | |
JP4238457B2 (ja) | 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 | |
JP2008095207A (ja) | 溶融亜鉛系めっき方法およびそのための装置 | |
JP2002275607A (ja) | 溶融金属めっき浴中のドロスの除去方法および溶融金属めっき装置 | |
KR20070005204A (ko) | 아연재 제거성이 우수한 아연도금라인의 스나우트 | |
JP3580241B2 (ja) | 溶融亜鉛系めっき鋼板の製造装置 | |
JP4487386B2 (ja) | 鋼帯の溶融金属めっきにおけるめっき浴の清浄化方法および溶融金属めっき装置 | |
JP2000119829A (ja) | 鋼帯の連続溶融金属鍍金装置のドロス欠陥抑制装置及びその方法 | |
JPH0797669A (ja) | 溶融金属めっき鋼板の製造方法と装置 | |
JP2842204B2 (ja) | 連続溶融めっき方法及びその装置 | |
JP3264846B2 (ja) | 溶融金属めっき方法 | |
JP4691821B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき方法および装置 | |
JP5115041B2 (ja) | 溶融金属めっき装置 | |
JP4604344B2 (ja) | 溶融めっき装置 | |
JPH0617214A (ja) | 連続溶融金属めっき浴のトップドロス除去装置 | |
JP2003231958A (ja) | 溶融金属めっき鋼板の製造装置 | |
KR100905906B1 (ko) | 포트롤이 없는 용융 도금강판 제조장치 | |
JP3745730B2 (ja) | 美麗な表面外観を有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP4912831B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき装置および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP3487240B2 (ja) | 溶融金属めっき浴槽 | |
JPH08188859A (ja) | 溶融めっき鋼板のドロス付着防止装置 |