JPH07268320A - アルミン酸塩系蛍光体 - Google Patents

アルミン酸塩系蛍光体

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JPH07268320A
JPH07268320A JP8365794A JP8365794A JPH07268320A JP H07268320 A JPH07268320 A JP H07268320A JP 8365794 A JP8365794 A JP 8365794A JP 8365794 A JP8365794 A JP 8365794A JP H07268320 A JPH07268320 A JP H07268320A
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JP
Japan
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aluminate
phosphor
composition ratio
emission
general formula
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Application number
JP8365794A
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English (en)
Inventor
Bunzo Moriyama
文三 森山
Hirofumi Moriyama
浩文 森山
Tomofumi Moriyama
智文 森山
Teruo Goto
輝夫 後藤
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Tokyo Kagaku Kenkyusho KK
Original Assignee
Tokyo Kagaku Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 演色性が改善された発光特性をもつ赤色又は
赤橙色発光蛍光体を提供することを目的とする。 【構成】 一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、1≦a<4.0 ,0≦b<4.0 ,0<c<1.0 ,
0≦d<1.0 ,0≦e<1.0 ,1≦n<14)で示され
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤色又は赤橙色発光を生
じるアルミン酸塩系蛍光体に関するものであり、演色性
に優れたアルミン酸塩系蛍光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤色又は赤橙色発光蛍光体としては、従
来から例えばイットリウム・ユーロピウム・オキサイド
(Y−Eu)が知られている。この蛍光体は、ピーク波
長が612nmにあり、非常に鋭い発光スペクトルを有
し、優れた赤色成分として三波長蛍光ランプやカラーテ
レビ等の広い分野で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光ラ
ンプの場合、現在のように演色性(Ra)が重要視され
るようになってから、青色(450nm)、緑色(54
3nm)、赤色(612nm)に中間色として490n
m付近の補色を入れる等して、水銀輝線の透過をカット
するか、最近は深赤部分(660nm)に発光するもの
を加えたり(四波長)して演色性の改善を行うようにな
っている。
【0004】しかし、赤成分の主力であるY−Euの場
合、650〜700nmの波形が微弱であり、これらの
ニーズに応え難い。また、演色性の改善を行うには、種
々の組成を組み合わせて目的の分光スペクトルを得なけ
ればならず、原料の調達等に不必要な時間と労力とを割
かなければならない等の問題もあった。
【0005】そこで、本発明は係る問題点に鑑みてなさ
れたものであり、原料の組成を単純化しつつ、演色性が
改善された発光特性をもつ赤色又は赤橙色発光蛍光体を
提供することを目的とするものであり、Gdを添加して
いなくても、Gdを使用したGBE蛍光体(Gd2O3・0.15
Eu2O3・0.3BaO・0.1MgO・6Al2O3)及びGCE蛍光体(Gd2O
3・0.15Eu2O3・0.3CaO・0.1MgO・6Al2O3)と同波形になるア
ルミン酸塩蛍光体、 680〜 710nmにピーク波長もしく
は比較的高い波形をもつアルミン酸蛍光体、ゲルマン酸
塩蛍光体(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn2+)の発光に類似し
たアルミン酸塩蛍光体、更に最適な発光強度を有するア
ルミン酸蛍光体を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載されたア
ルミン酸塩系蛍光体は、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、1≦a<4.0 ,0≦b<4.0 ,0<c<1.0 ,
0≦d<1.0 ,0≦e<1.0 ,1≦n<14)で示され
るものである。
【0007】また、請求項2に記載されたアルミン酸塩
系蛍光体は、請求項1に記載のアルミン酸塩系蛍光体に
おいて、1≦n<6で示されるものである。
【0008】更に、請求項3に記載されたアルミン酸塩
系蛍光体は、請求項1に記載のアルミン酸塩系蛍光体に
おいて、6≦n<14で示されるものである。
【0009】また、請求項4に記載されたアルミン酸塩
系蛍光体は、請求項1又は2に記載のアルミン酸塩蛍光
体において、Y量,Gd量,Eu量の和が一定になるよ
うにGd量を増大させてなるものである。
【0010】更に、請求項5に記載のアルミン酸塩系蛍
光体は、請求項4に記載のアルミン酸塩蛍光体におい
て、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、a+b+c=一定、,0≦d<1.0 ,0≦e<
1.0 ,n=4.5 )で示されるものである。
【0011】また、請求項6に記載のアルミン酸塩系蛍
光体は、請求項4に記載のアルミン酸塩蛍光体におい
て、一般式、 (Y2.5.Gd1.0.Eu0.5).(Ba0.3.Mg0.1).Al4.5.O13.9 で示されるものである。
【0012】
【作用】本発明では、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、1≦a<4.0 ,0≦b<4.0 ,0<c<1.0 ,
0≦d<1.0 ,0≦e<1.0 ,1≦n<14)で示され
るものである。このアルミン酸塩系蛍光体は、組成割合
に応じて、波形の変化(発光スペクトル)および発光強
度、色度にかなりの変化をもたらすことが判った。
【0013】即ち、アルミン酸塩系蛍光体でありなが
ら、その組成割合に応じて、他の蛍光体と同様又は類似
の波長パターンを有することが確認された。従って、割
合を変更することによって、アルミン酸塩系蛍光体を用
いながら、他の蛍光体と同様に使用することができ、原
料の組成を単純化しつつ、演色性が改善された発光特性
をもつ赤色又は赤橙色発光蛍光体を提供することができ
る。
【0014】これによって、原料の組成を単純化しても
演色性の改善された蛍光体を得ることができ、原料の調
達等による時間,労力,費用等が改善される。
【0015】例えば、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mg
e).Aln.Ox において、Alの組成が1≦n<6で示され
るものでは、Gdを添加していなくても、Gdを使用し
たGBE蛍光体(Gd2O3・0.15Eu2O3・0.3BaO・0.1MgO・6Al2
O3)及びGCE蛍光体(Gd2O3・0.15Eu2O3・0.3CaO・0.1Mg
O・6Al2O3)と同波形になることが確認された。尚、n=
1の場合は、主波は 612nmとなり、YOXと同じであ
るが、副波のパターンはアルミン酸塩のパターンと同じ
である。
【0016】一方、前記一般式のAlの組成が、6≦n
<14で示されるものでは、 680〜710nmにピーク波
長もしくは比較的高い波形をもつ赤色又は赤橙色発光蛍
光体が得られる。尚、Al以外の組成の変化、例えばE
u量,2価金属の変化による波形の変化はない。
【0017】また、前記一般式のY量,Gd量,Eu量
の和が一定になるようにGd量を増大させてなるもので
は、即ち、一般式 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox
a+b+c=一定、特に好ましくはa+b+c=4.0 と
したものでは、ゲルマン酸塩蛍光体(3.5MgO・0.5MgF2・G
eO2;Mn2+) の発光に類似した深赤色の発光色が得られる
ものである。
【0018】更に、この一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.
Mge).Aln.Ox (但し、a+b+c=一定、,0≦d<1.
0 ,0≦e<1.0 ,n=4.5 )で示されるもの(即ち、
Alの量をn=4.5 に規定したもの)では、発光強度が
最適となる。
【0019】以上のように、一般式 (Y2.5.Gd1.0.Eu
0.5).(Ba0.3.Mg0.1).Al4.5.O13.9で示されるものは、ア
ルミン酸塩系蛍光体でありながら、発光強度が最適とな
り、深赤色が強いゲルマン酸塩蛍光体の発色に類似した
波形が得られる。
【0020】
【実施例】実施例1.Ya.(Bad.Mge).Aln.Ox:Eu3+ の発光スペクト
ルパターン 一般式、 Ya.(Ba.Mg)0.4.Aln.Ox:Eu3+ で示されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組成割合を種々
に変化させて発光スペクトルパターンの変化を観察し
た。先ず、図1はY4.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Ox:Eu3+のn
=6〜12の範囲の場合の分光スペクトル図を示す。図
2はY4.(Ba0.3.Mg0 .1).Aln.Ox:Eu3+ のn=2〜5の範
囲の場合の分光スペクトル図を示す。
【0021】図1に示す通り、一般式Y4.(Ba0.3.M
g0.1).Aln.Ox:Eu3+ において、Alの組成割合を6〜12
とすると、 710nmを主発光(メイン・ピーク)として
590nmに比較的高い副発光及び多少の副波を持つ分光
スペクトルが得られた。そして、図2に示す通り、Alの
組成割合が2〜5.5の範囲では、Gd.アルミネート
のような分光スペクトルを示すことが確認された。
【0022】そして、Alの組成割合が1の場合のみYO
X(Y2O3:Eu3+ )の発光に類似した分光スペクトル( 6
12nm)となった。尚、図3は比較としてのGd.アル
ミネート((Gd2-cEuc)(BaMg)Al12Ox)の分光スペクト
ル図を示す。
【0023】このように、Alの組成割合(n)を6〜1
2の範囲としたYBEの分光スペクトル(図1)を示
す。ここで重要であることは、Alの組成割合が5.0以
下になると、急速に発光が変わりGd.Redのような
スペクトルを提示するようになる。(図2,3)
【0024】ここで、特記すべきことは、Alの組成割合
が12〜6までは、Alの量によりメイン・ピークが少し
ずつシフトするのではなく(多少変化はあるとして
も)、Alの組成割合が5の濃度で急に 616nmを主波と
した波形を示すようになることである。
【0025】以上のように、Ya.(Bad.Mge).Aln.Oxの発
光スペクトルパターンは、Alの組成割合に応じてはかな
りの変化をもたらすことが判った。そこで、Ya.(Bad.M
ge).Aln.Ox中のAl量と発光特性を検討した。
【0026】図4はAlの組成割合(n)が10の蛍光体
の発光強度を 100としてAlの組成割合を変化させたもの
の発光強度Ipをプロットした線図である。図に示す通
り、Alの組成割合(n)が10の蛍光体の発光強度を 1
00としてAlの組成割合を変化させたものの発光強度Ip
をプロットした。
【0027】Yの組成割合(a)=3.5 のラインと
(a)=4のラインとのAlの組成割合の関係をみると、
Alの組成割合(n)=5以下では、(n)=4の濃度の
値がYの組成割合(a)=4のIpに近い数値を示す以
外、相対的に低い。
【0028】実施例2.Ya.Euc.(Bad.Mge).Aln.Oxの発
光スペクトルパターン 次に、一般式 Ya.Euc.(Bad.Mge).Aln.Ox で示される
アルミン酸塩系蛍光体のAlの組成割合を種々に変化させ
てスペクトルパターンの変化を観察した。即ち、Y3.Eu
0.5.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Oxの組成中における、Alの組成
割合(n)を変えた場合の発光特性を求めた。
【0029】次の表1,表2に一般式((Ya-c・Euc)(Ba
Mg)0.4・Aln・Ox )で示される蛍光体の発光特性を提示し
た。更に、3価の金属Y(Euを含む)の組成割合とA
lの組成割合nに夜発光の状態により、この新しい蛍光
体の母体構造を推定した。即ち、Yの組成割合a−c=
3.0 ,Euの組成割合c=0.5 (即ち、a=3.5 )と、
a−c=3.5 ,c=0.5 (即ち、a=4.0 )と、Alの
組成割合nとの関係の特性値を図5に示したが、Alの
組成割合n=2〜5の範囲では、何れのaでもメイン・
ピークは、 615nmにある。しかし、a=3.5 のライン
がAlの組成割合n=(2) 及び5で発光強度にバラツキ
がみられるのに対して、a=4.0 では、nの変化に対し
て、発光強度Ip及びメイン・ピークの位置に殆ど変化
のないことから、当所考えられたアルミナ等の組成では
なく、Y4 ,nAl2O3 等の所謂複合酸化物が母体構造の
原形と推定された。
【0030】また、Alの組成割合の変化についても、
a=3.5 の場合、Alの組成割合n=4.0 が最もよい結
果を示す以外、発光に差異が生じるのであれば、3価の
金属は4より少ない時は何らかの格子欠陥を生むものと
思われる。このことは、Eu3+付活イットリウム・バリ
ウムマグネ・アルミネイト蛍光体としては、(Ya-c・Euc)
(BaMg)0.4に対しAlの組成割合nの範囲を4〜5の間
にした組成が最も有効であると判断された。従って、Y
4 .2Al2O3 の形に、(BaMg)dを母体血漿を安定させる
ために加えればよく、故に0≦d<1.0 及び0≦e<1.
0 とした。尚、(Ba.Mg) については、発光パターンには
直接的な変化をもたらさない。
【0031】
【表1】
【0032】また、前述の一般式 Y3.Eu0.5.(Ba0.3.M
g0.1).Aln.Ox のAlの組成割合(n)が10の蛍光体の
発光(Ip,Ry)を100として(標準試料)、Yの
組成割合(a)を0.35とした一般式 Y3.5.Eu0.5.
(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Ox のAlの組成割合(n)が5以下
の発光特性を求めた。結果を次の表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表1に示される通り、YとEuとの組成割合
の合計が3.5(a+c=3.5)の場合には、Alの組
成割合(n)=9と6にIpの低い値が出ているが、n
mでは明確にAlの組成割合(n)=5で変化を示すこと
が判った。
【0035】また、表2のように3価の金属の合計(Y
とEuとの組成割合の合計)が4となる場合には、nm及
びIp共に良好な値を示す。このように分光的にも61
6nmが主波となり、Ipの増大及び色度xyもYOX
(Y2O3:Eu3+ )に近付くようになる。
【0036】次に、Yの組成割合(n)を3に固定した
場合の一般式Y3.Euc.(Bad.Mge).Aln.Oxの発光特性を調
べた。結果を次の表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】更に、Y=4,Eu=0.5 ,Ba=0.3 ,Mg=
0.1 に固定した一般式Y4.Euc.(Ba0 .3.Mg0.1).Aln.Ox
Alの組成割合を変化させた蛍光体の発光特性を調べた。
結果を次の表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】また、表3及び表4のY=3,Ba,Mgを一
定にした場合のAlの組成割合を変えた場合の発光データ
から、アルミン酸塩の持つ各々の波長を強さの順に並べ
てみた。結果を次の表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】この表5では、Y4.Al2Ox と考えられるA
の場合、メイン・ピークがYOXと同じ位置にあり、他
のB,Cに比較して、 630nmが二番目に高く、 590n
mが3グループでは最も低い。また、Alの組成割合が5
の場合は、図3に示す通り、Gd,Red((Gd2-cEuc)
(BaMg)Al12Ox)に近い波形を示している。
【0043】以上のように、一般式 Ya.Euc.(Bad.M
ge).Aln.Ox で示されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組
成割合に応じても、発光スペクトルパターンは、かなり
の変化をもたらすことが判った。
【0044】そこで、一般式 Ya.Euc.(Bad.Mge).Aln.
Ox 中のAlの組成割合と発光特性(,x)を検討した。図
5は一般式 Y4.Eu1.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Ox で示され
るアルミン酸塩系蛍光体のAlの組成割合に応じた発光特
性(,x)の変化を示した線図である。
【0045】図5に示す通り、Y4.Eu1.(Ba0.3.Mg0.1).
Aln.Oxの組成の内、Alの組成割合(n)が変化した場合
に、Al(n)の5と6との間でx値が急速に立ち上が
り、ピーク・ウエーブ 616nmとなり、Gd.Red
((Gd2-cEuc)(BaMg)Al12Ox)の発光スペクトルに近付
くようになることが判った。
【0046】以上のように、一般式、Ya.Euc.(Bad.M
ge).Aln.Oxで示されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組成
割合が2〜5.5mol と、n=6〜12mol とで、発光
スペクトルパターンが変化することが確認された。
【0047】即ち、一般式、YBE(Ya.Euc.(Ba.Mg)
0.4.Aln.Ox )における発光は、その発光において、 71
0nmにメイン・ピークを有する場合、5D0 −7F0
の発光590nmが副発光となるため、赤橙色の色調とな
る。従って、従来のYOX(Y2O3−Eu3+)の発光色に近
いもの、或いはより赤みを強くするにはAlの組成割合を
1〜5の間にすればよいことが確認された。即ち、Al
6-12のパターンは図1に示すように、YOXとは発光パ
ターンが異なるので、Al1-5 の間のAlを使用して、
発光色x値の改善を行う。詳しくは、赤橙色からYOX
の発色に近い色調を得るためには、色度x,yのうち、
x値をYOXの 620nm付近間で引上げればよい。
【0048】実施例3. (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).A
ln.Ox の発光スペクトルパターン そこで、更なる発光の強さを求めるために、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox で示されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組成割合(n)
を種々に変化させてスペクトルパターンの変化を観察し
た。
【0049】即ち、Y3.5.Eu0.5.(Ba0.3.Mg0.1).Al5.O
13.9 の組成をもとにして、Yの一部をGdに置換して
イットリウム・ガドリニウムの併用による発光特性の変
化を調べた。即ち、上記の組成の発光特性を 100とし
て、一般式 (Ya.Gdb.Euc).(Ba0. 3.Mg0.1).Aln.Ox のY
とGdとEuとの合計(a+b+c)=4になるようにして
Gdの濃度(置換量)と発光の関係を調べた。結果を次の
表6に示す。
【0050】
【表6】
【0051】表6によれば、Alの組成割合が5の場合、
Gdの最適な組成割合は25%であり、50%で発光強度Ip
及び明るさRyともに下降する。色度x,yの変化はGd
のないものとそれほど差はないが、ゲルマン酸塩蛍光体
( 3.5MgO.0.5MgF2.GeO2;Mn4+)の発光に類似し
た深赤色の発光色を呈することが確認された。
【0052】以上のように、イットリウム.ガドリニウ
ムの併用による発光特性の変化は、表6に示すように、
同一組成の中でY中に置換するGdの量と発光の関係を示
した。そして、25%が最適値であることが判った。これ
により、Y単独の場合と比べて、Gdを加えることによ
り、赤味が強くなり、発光の強さも増大することがで
き、高価な付活剤であるEuを減らすことができる。
【0053】実施例4.最適Al組成割合 そこで、更に発光の向上をもたらすために、Alの量を減
らして、Ya とGdとEuとの組成の組み合わせを考慮し
た。即ち、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Ba0.3.Mg0. 1).Al
4.5.Ox (a+b+c=4)のAlの組成割合を変化させ
て発光特性を観察した。次の表7はその結果である。
【0054】
【表7】
【0055】表7に示す通り、上記組成のように、Yと
GdとEuとの合計(a+b+c)=4, 2価のBa+Mg
を0.4 に固定してAl量を4.5 mol にした場合、Al 5mol
のときの発光強度より7%程度Ipは向上させることが
できる。この表を見ても判るように、Y中にGdを置換さ
せることにより付活剤 Eu 量を減らしてもIpは高い。
【0056】以上のように、一般式、Ya.Euc.(Ba.Mg)
0.4.Aln.Ox で示されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組
成割合が2〜5.5mol と、n=6〜12mol とで、ア
ルミン酸塩のスペクトルパターンが変化することが確認
された。
【0057】即ち、一般式、YBE(Ya.Euc.(Ba.Mg)
0.4.Aln.Ox )における発光は、その発光において、 71
0nmにメイン・ピークを有する場合、5D0 −7F0
の発光590nmが副発光となるため、赤橙色の色調とな
る。従って、従来のYOX(Y23 −Eu3+)の発光色
に近いもの、或いはより赤みを強くするにはAlを1〜5
mol の間にすればよいことが確認された。
【0058】そして、更なる発光の強さを求めるには、
Y中にGdを置換することにより発光が増大することを見
出した。この場合Alを1モルにすれば、 612nmにメイ
ン・ピーク,Al 2mol 〜 5モルの間では 616nmにメイ
ン・ピークが各々シフトすることが判る。
【0059】以上のように、発光特性の向上及び発光色
の 赤色成分 の増強を目的として改良実験を行った。
そこで、一般式 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox
組成のうち2価の金属を固定して3価のY,Gd,Euの併
用及びAlの濃度を変えることにより、波形の変化(分光
スペクトル)および発光強度、色度にかなりの変化をも
たらすことが判った。
【0060】
【発明の効果】本発明では、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、1≦a<4.0 ,0≦b<4.0 ,0<c<1.0 ,
0≦d<1.0 ,0≦e<1.0 ,1≦n<14)で示され
るものである。このアルミン酸塩系蛍光体は、組成割合
に応じて、波形の変化(発光スペクトル)および発光強
度、色度にかなりの変化をもたらすことが判った。
【0061】即ち、赤色発光のアルミン酸塩として、そ
の組成割合に応じた発光パターンを有することが確認さ
れたが、その発光パターンを利用することにより、他の
蛍光体、例えばその色調からマンガン発光のゲルマニウ
ム蛍光体(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2;Mn2+)と同様の利用方
法が考えられ、またこれらの赤色発光が赤の領域 600n
m〜 700nmに数多くのEu3+付活アルミン酸塩特有の
副発光を有していることから、三波長ランプの演色性の
改善として赤の補正又は 695nmの発光を利用した植物
育成用ランプの赤色源として赤色又は赤橙色蛍光体を提
供することができる。
【0062】これによって、原料の組成を単純化しても
演色性の改善された蛍光体を得ることができ、原料の調
達等による時間,労力,費用等が改善される。
【0063】例えば、一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mg
e).Aln.Ox において、Alの組成が1≦n<6で示され
るものでは、Gdを添加していなくても、Gdを使用し
たGBE蛍光体及びGCE蛍光体と同波形になることが
確認された。
【0064】一方、前記一般式のAlの組成が、6≦n
<14で示されるものでは、 680〜710nmにピーク波
長もしくは比較的高い波形をもつ赤色又は赤橙色発光蛍
光体が得られる。尚、Al以外の組成の変化、例えばE
u量,2価金属の変化による波形の変化はない。
【0065】また、前記一般式のY量,Gd量,Eu量
の和が一定になるようにGd量を増大させてなるもので
は、即ち、一般式 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox
a+b+c=一定としたものでは、ゲルマン酸塩蛍光体
( 3.5MgO. 0.5MgF2. GeO2 ;Mn4+)の発光に類似した深赤
色の発光色が得られるものである。
【0066】更に、この一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.
Mge).Aln.Ox (但し、a+b+c=一定、,0≦d<1.
0 ,0≦e<1.0 ,n=4.5 )で示されるもの(即ち、
Alの量をn=4.5 に規定したもの)では、発光強度が
最適となる。
【0067】以上のように、一般式 (Y2.5.Gd1.0.Eu
0.5).(Ba0.3.Mg0.1).Al4.5.O13.9で示されるものは、ア
ルミン酸塩系蛍光体でありながら、発光強度が最適とな
り、深赤色が強いゲルマン酸塩蛍光体の発色に類似した
波形が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Y4.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Oxのn=6〜12の範
囲の場合の分光スペクトル図を示す。
【図2】Y4.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Oxのn=2〜5.5の
範囲の場合の分光スペクトル図を示す。
【図3】比較としてのGd.アルミネートの分光スペク
トル図を示す。
【図4】Alの組成割合(n)が10の蛍光体の発光強度
を 100としてAlの組成割合を変化させたものの発光強度
Ipをプロットした線図である。
【図5】一般式 Y4.Eu1.(Ba0.3.Mg0.1).Aln.Ox で示
されるアルミン酸塩系蛍光体のAlの組成割合に応じた発
光特性(,x)の変化を示した線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 輝夫 神奈川県大和市下鶴間2丁目2番1号 株 式会社東京化学研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、1≦a<4.0 ,0≦b<4.0 ,0<c<1.0 ,
    0≦d<1.0 ,0≦e<1.0 ,1≦n<14)で示され
    ることを特徴とするアルミン酸塩系蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアルミン酸塩系蛍光体
    において、 1≦n<6で示されることを特徴とするアルミン酸塩系
    蛍光体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアルミン酸塩系蛍光体
    において、 6≦n<14で示されることを特徴とするアルミン酸塩
    系蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のアルミン酸塩蛍
    光体において、 Y量,Gd量,Eu量の和が一定になるようにGd量を
    増大させてなることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のアルミン酸塩蛍光体に
    おいて、 一般式、 (Ya.Gdb.Euc).(Bad.Mge).Aln.Ox (但し、a+b+c=一定、,0≦d<1.0 ,0≦e<
    1.0 ,n=4.5 )で示されることを特徴とするアルミン
    酸塩系蛍光体。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のアルミン酸塩蛍光体に
    おいて、 一般式、 (Y2.5.Gd1.0.Eu0.5).(Ba0.3.Mg0.1).Al4.5.O13.9 で示されることを特徴とするアルミン酸塩系蛍光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017057689A1 (ja) 2015-09-30 2017-04-06 新日鉄住金化学株式会社 硬化性エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた繊維強化複合材料

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