JP4269880B2 - 蛍光ランプ及び蛍光ランプ用蛍光体 - Google Patents

蛍光ランプ及び蛍光ランプ用蛍光体 Download PDF

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本発明は、蛍光ランプの改良に関し、特に、優れた発光効率に加えて、演色性の優れた高演色性蛍光ランプ、発光効率の優れたカラー蛍光ランプ、及び蛍光ランプ用蛍光体に関する。
従来、一般照明用の白色系の蛍光ランプとして、アンチモン及びマンガンで付活されたハロリン酸カルシウム蛍光体を塗布した蛍光ランプが使用されてきた。この蛍光ランプは、発光効率は比較的高いが、演色性が低いという欠点があった。これに対して、高演色性を得るために、種々の蛍光ランプが提案され、代表的なものとして、青、緑、赤色発光の蛍光体を混合して、優れた演色性と発光効率を有する3波長形蛍光ランプが普及している。この蛍光ランプは、450、540、610nm付近の各波長域に発光ピークを有する半値幅の狭い蛍光体を組み合わせることで、高い発光効率と優れた演色性を実現している。
この3波長形蛍光ランプの演色性をさらに改善するため、480nm付近の波長域に発光ピークを有する青緑色発光蛍光体を混合することが特公平7−113109号公報に知られているが、この場合には色温度が4000〜6000Kの範囲となる。従来、色温度が2500〜3500Kの範囲において演色性を改善するのは難しく、特に色温度が3000K付近で平均演色評価数Raを86以上にするのは難しかった。
また、黄色系のカラー蛍光ランプには、従来、Ca10(POFCl:Sb,Mn蛍光体、ZnSiO:Mn蛍光体及び黄色顔料から成る発光組成物などが使用されているが、発光効率が低く、改善が必要とされていた。
特公平7−113109号公報
従って、本発明は上述した問題を解決することを目的とし、優れた発光効率に加えて、演色性の優れた高演色性蛍光ランプ、発光効率の優れたカラー蛍光ランプ、及び蛍光ランプ用蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者は上述した問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成を有し、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する黄色系発光蛍光体と、それを含有する発光組成物が塗布された蛍光ランプにより、上記課題を解決することができることを見いだし本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の蛍光ランプは、テルビウム、セリウム、アルミニウム及び酸素を基本構成元素とし、結晶構造がガーネット構造である蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成ることを特徴とする。前記蛍光体は、アルミニウムの一部をガリウムで置換してもよく、テルビウムの一部をスカンジウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、ルテチウム及びプラセオジムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素で置換してもよい。また、前記蛍光体は、下記の一般式で表され、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する黄色系発光蛍光体が好ましい。
(Tb1−a−bCe(Al1−cGa12
但し、MはSc、Y、La、Gd、Lu及びPrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、cは下記の数値を満足する。
0.0001≦a≦0.5
0≦b≦0.8
0.01≦a+b≦0.9
0≦c≦0.8
前記蛍光体を塗布した黄色系のカラー蛍光ランプは、従来のCa10(POFCl:Sb,Mn蛍光体、ZnSiO:Mn蛍光体及び黄色顔料から成る発光組成物を塗布したカラー蛍光ランプに比べて、ランプ光束が150%以上と非常に発光効率が優れている。
また、本発明の蛍光ランプは、前記蛍光体に加えて、440〜470nmの波長範囲に発光ピークを有する青色発光蛍光体、520〜550nmの波長範囲に発光ピークを有する緑色発光蛍光体及び610〜640nmの波長範囲に発光ピークを有する赤色発光蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成ることを特徴とする。
このように、前記黄色系発光蛍光体に加えて、青、緑、赤色発光の蛍光体を混合して塗布した白色系の蛍光ランプは、従来の青、緑、赤色発光の蛍光体のみを混合して塗布した3波長形蛍光ランプに比べて、演色性が非常に優れており、特に、色温度が2500〜3500Kの範囲において平均演色評価数Raが86以上の高演色性蛍光ランプが得られる。
さらに、本発明の蛍光ランプは、前記蛍光体に加えて、(Ba,Ca)(POCl:Eu蛍光体、SrAl1425:Eu蛍光体、BaMgAl1627:Eu,Mn蛍光体及び3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成ることを特徴とする。このように発光色が中間色の蛍光体を前記黄色系発光蛍光体と青、緑、赤色発光の蛍光体に加えて混合して塗布した白色系の蛍光ランプは、さらに演色性が改善される。
本発明の蛍光ランプ用蛍光体は、テルビウム、セリウム、アルミニウム及び酸素を基本構成元素とし、結晶構造がガーネット構造であることを特徴とする。アルミニウムの一部をガリウムで置換してもよく、テルビウムの一部をスカンジウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、ルテチウム及びプラセオジムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素で置換してもよい。また、本発明の蛍光ランプ用蛍光体は、下記の一般式で表され、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する黄色系発光蛍光体が好ましい。蛍光体の組成をこの一般式に示した組成範囲に調整することにより、発光ピーク波長を530〜590nmの範囲で任意の値に調製することができ、黄色系発光の蛍光体を得ることができる。
(Tb1−a−bCe(Al1−cGa12
但し、MはSc、Y、La、Gd、Lu及びPrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、cは下記の数値を満足する。
0.0001≦a≦0.5
0≦b≦0.8
0.01≦a+b≦0.9
0≦c≦0.8
上記蛍光体を塗布したカラー蛍光ランプは発光効率が高く、上記蛍光体に加えて青、緑、赤色発光の蛍光体を混合して塗布した高演色性蛍光ランプは発光効率が高く、演色性が優れている。また、上記蛍光体において、a、b、cが下記の数値を満足する場合、さらに発光効率の優れたカラー蛍光ランプと発光効率、演色性の優れた高演色性蛍光ランプを得ることができる。
0.001≦a≦0.3
0≦b≦0.7
0.01≦a+b≦0.7
0.01≦c≦0.6
特に好ましい組成範囲は、下記の範囲である。
0.01≦a≦0.1
0≦b≦0.5
0.01≦a+b≦0.6
0.05≦c≦0.5
なお、上記一般式において、MがY、Gd、Luのうちの少なくとも1種の元素の場合は、さらに特性の優れた蛍光ランプを得ることができる。
本発明の蛍光ランプ用蛍光体は温度特性が低いため、本発明の蛍光体に比べて温度特性の高い蛍光体と本発明の蛍光体を混合して塗布した蛍光ランプは、室温下で使用した場合は色ズレしないが、高温下で使用した場合は高温になるほど色ズレするため、使用環境温度が高くなると問題になるような作業環境では、この蛍光ランプの色ズレによって、作業環境の温度変化を知ることができる。
本発明の黄色系のカラー蛍光ランプは、従来のカラー蛍光ランプに比べて、発光効率が非常に高く、黄色系の高輝度カラー蛍光ランプが得られる。また、本発明の白色系の蛍光ランプは、優れた発光効率に加えて、演色性が非常に優れており、色温度が2500〜3500Kの範囲において平均演色評価数Raが86以上の高演色性蛍光ランプが得られる。
本発明の蛍光ランプに使用する蛍光体は、次のようにして得られる。蛍光体原料として、テルビウム化合物、セリウム化合物、希土類元素Mの化合物、アルミニウム化合物及びガリウム化合物を用い、各化合物について一般式(Tb1−a−bCe(Al1−cGa12(但し、MはSc、Y、La、Gd、Lu及びPrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.0001≦a≦0.5、0≦b≦0.8、0.01≦a+b≦0.9、0≦c≦0.8である。)の割合になるように秤取し、混合するか、又はこれら蛍光体原料にフラックスを加えて混合し、原料混合物を得る。この原料混合物をルツボに充填後、還元性雰囲気中、1200〜1600℃で焼成し、冷却後、分散処理することにより、前記一般式で表される蛍光体を得る。この蛍光体は紫外線で励起されて黄色系に発光する蛍光体であって、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する。蛍光体の組成を前記一般式に示した組成範囲に調整することにより、発光ピーク波長を530〜590nmの範囲で任意の値に調製できる。また、色度座標値はx=0.350〜0.500、y=0.490〜0.595の範囲に調製できる。例えば、MがY元素の場合は、発光ピーク波長を530〜570nmの範囲に、色度座標値をx=0.350〜0.490、y=0.495〜0.590の範囲に調製できる。また、MがGd元素の場合は、発光ピーク波長を530〜590nmの範囲に、色度座標値をx=0.360〜0.500、y=0.490〜0.580の範囲に調製できる。
本発明のカラー蛍光ランプは次のようにして作製される。上記方法で得られた蛍光体を、透光性ガラス管の内壁面に塗布し、乾燥後、焼成する。管端に電極を取り付け、管内に水銀及び希ガスを封入して、本発明のカラー蛍光ランプを得る。
また、本発明の高演色性蛍光ランプは次のようにして作製される。上記方法で得られた蛍光体と青、緑、赤色発光の蛍光体を混合して透光性ガラス管の内壁面に塗布し、乾燥後、焼成する。管端に電極を取り付け、管内に水銀及び希ガスを封入して、本発明の高演色性蛍光ランプを得る。ここで、青色発光蛍光体は、440〜470nmの波長範囲に発光ピークを有する蛍光体であって、BaMgAl1017:Eu蛍光体、BaMgAl1627:Eu蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)(POX:Eu蛍光体(但し、Xは、F,Cl,Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)のうちの少なくとも1種の蛍光体である。緑色発光蛍光体は、520〜550nmの波長範囲に発光ピークを有する蛍光体であって、LaPO:Ce,Tb蛍光体、CeMgAl1119:Tb蛍光体、YSiO:Ce,Tb蛍光体、ZnSiO:Mn蛍光体のうちの少なくとも1種の蛍光体である。赤色発光蛍光体は、610〜640nmの波長範囲に発光ピークを有する蛍光体であって、Y:Eu蛍光体、YVO:Eu蛍光体、Y(P,V)O:Eu蛍光体のうちの少なくとも1種の蛍光体である。
上記方法で得られた蛍光体と青、緑、赤色発光の蛍光体に加えて、青緑色発光の(Ba,Ca)(POCl:Eu蛍光体、SrAl1425:Eu蛍光体、BaMgAl1627:Eu,Mn蛍光体、深赤色発光の3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn蛍光体のうちの少なくとも1種の蛍光体を混合して塗布し、同様に作製して、さらに演色性の優れた高演色性蛍光ランプを得ることができる。
本発明の高演色性蛍光ランプは、演色性とコスト面を考慮して、上述した青、緑、赤色発光蛍光体を、安価な白色発光のアンチモンマンガン付活ハロリン酸カルシウム蛍光体等に一部代えて混合することもできる。
[実施例1]
<蛍光体>
蛍光体原料として、
・Tb ・・・・・・・・0.1485mol 111.0g
・CeO ・・・・・・・・0.006mol 1.0g
・Al ・・・・・・・・0.5mol 51.0g
を混合し、さらにこれにフラックスとして、BaFを8.15g添加して十分に混合し、アルミナ坩堝に充填し、水素濃度が3体積%以下の水素・窒素の混合ガス雰囲気において、室温から1400℃まで300℃/hrで昇温し、1400℃で3時間焼成する。得られる焼成品を水中でボールミルし、水洗、分離、乾燥して、篩を通し、(Tb0.99Ce0.01Al12蛍光体を得る。蛍光体の組成を表1に示す。この蛍光体は、253.7nm紫外線励起により、566nmに発光ピークを有し、発光色は黄色系(緑がかった黄色)で、色度座標値はx=0.472、y=0.515であり、標準蛍光体のY:Eu蛍光体の輝度を100%としたときの相対輝度は160%である。これらの測定結果を表2に示す。また、この蛍光体の発光スペクトルを図1に、励起スペクトルを図2に、温度特性を図3に示す。また、X線回折により、この蛍光体の結晶構造がガーネット構造であることを確認する。
Figure 0004269880
Figure 0004269880
次に、このようにして得られた蛍光体を用いて、カラー蛍光ランプを作製する。ニトロセルロース/酢酸ブチル溶液500gに、この蛍光体500gを加え、十分に懸濁させる。得られた懸濁液を管径32mmのガラス管(FL40SS)に塗布し、蛍光膜をガラス管内壁に被着させる。蛍光膜を乾燥した後、電気炉中で500℃に加熱して10分間ベーキングする。その後、ガラス管にフィラメントを装着し、排気して、Arガス、水銀を注入し、カラー蛍光ランプを作製する。この蛍光ランプの発光色は黄色で、色度座標値はx=0.457、y=0.504であり、全光束は3480lmである。これらの測定結果を表3に示す。
Figure 0004269880
次に、上記方法で得られた蛍光体を用いて、色温度が3000Kの高演色性蛍光ランプを作製する。この蛍光体10重量部と、青色発光蛍光体としてBaMgAl1017:Eu蛍光体7重量部と、緑色発光蛍光体としてLaPO:Ce,Tb蛍光体24重量部と、赤色発光蛍光体としてY:Eu蛍光体59重量部を混合し、この混合物500gをニトロセルロース/酢酸ブチル溶液500gに加え、撹拌して塗布液とする。上記カラー蛍光ランプと同様に、この塗布液をガラス管に塗布、乾燥、ベーキングした後、フィラメントを装着し、排気して、Arガス、水銀を注入し、高演色性蛍光ランプを作製する。この蛍光ランプの発光色は白色で、色度座標値はx=0.430、y=0.401であり、全光束は3410lmである。また、平均演色評価数Raは90である。これらの測定結果を表4に示す。
Figure 0004269880
[実施例2〜14]
表1に示した蛍光体組成の割合で酸化物原料を混合し、実施例1と同様にして蛍光体を作製する。また、得られる蛍光体の測定結果を表2に示す。実施例7、10で得られる蛍光体について、実施例1と同様にしてカラー蛍光ランプを作製し、測定結果を表3に示す。また、実施例4、10、12で得られる蛍光体について、実施例1と同様にして高演色性蛍光ランプを作製し、測定結果を表4に示す。
[比較例1]
蛍光体原料として、
・Y ・・・・・・・・0.297mol 67.1g
・CeO ・・・・・・・・0.006mol 1.0g
・Al ・・・・・・・・0.5mol 51.0g
を混合し、さらにこれにフラックスとして、BaFを6.0g添加して十分に混合し、アルミナ坩堝に充填し、水素濃度が3体積%の水素・窒素の混合ガス雰囲気において、室温から1400℃まで300℃/hrで昇温し、1400℃で3時間焼成する。得られる焼成品を水中でボールミルし、水洗、分離、乾燥して、篩を通し、(Y0.99Ce0.01Al12蛍光体を得る。蛍光体の組成を表1に示す。この蛍光体は、253.7nm紫外線励起により、560nmに発光ピークを有し、発光色は黄色系(緑がかった黄色)で、色度座標値はx=0.447、y=0.535であり、標準蛍光体のY:Eu蛍光体の輝度を100%としたときの相対輝度は35%である。これらの測定結果を表2に示す。
[比較例2]
Ca10(POFCl:Sb,Mn蛍光体83重量部、ZnSiO:Mn蛍光体12重量部及び黄色顔料(大日精化製TY−50)5重量部を混合し、この混合物を実施例1と同様に塗布してカラー蛍光ランプを作製する。この蛍光ランプの発光色は黄色系(緑がかった黄色)で、色度座標値はx=0.448、y=0.523であり、全光束は2240lmである。これらの測定結果を表3に示す。
[比較例3]
青色発光蛍光体としてBaMgAl1017:Eu蛍光体7重量部と、緑色発光蛍光体としてLaPO:Ce,Tb蛍光体27重量部と、赤色発光蛍光体としてY:Eu蛍光体66重量部を混合し、この混合物を実施例1と同様に塗布して色温度が3000Kの高演色性蛍光ランプを作製する。この蛍光ランプの発光色は白色で、色度座標値はx=0.427、y=0.402であり、全光束は3420lmである。また、平均演色評価数Raは82である。これらの測定結果を表4に示す。
表2に示したカラー蛍光ランプの測定結果より、本発明の実施例1、7、10のカラー蛍光ランプは、比較例2のCa10(POFCl:Sb,Mn蛍光体、ZnSiO:Mn蛍光体及び黄色顔料から成る発光組成物を塗布したカラー蛍光ランプに比べて、ランプ光束(全光束)が3480〜3740lm(比較例2のランプ光束を100%としたとき155〜167%)であって、いずれも150%以上と発光効率が非常に高いことがわかる。また、表3に示した高演色性蛍光ランプの測定結果より、本発明の実施例1、4、10、12の高演色性蛍光ランプは、ランプ光束が高く、比較例3の青、緑、赤色発光の蛍光体のみを混合して塗布した3波長形蛍光ランプに比べて、演色性が非常に優れており、平均演色評価数Raは89〜91であって、いずれも86以上と非常に高いことがわかる。
図1に示した発光スペクトルより、本発明の実施例1、7、10の蛍光体の発光ピークは、それぞれ566nm、567nm、552nmであって、いずれも530〜590nmの範囲にあり、発光色は黄緑色〜黄色の黄色系であることがわかる。また、図2に示した励起スペクトルより、本発明の実施例1、7、10の蛍光体は、いずれも390nm以下の紫外線により効率よく励起され発光することがわかる。
図3に、本発明の実施例1、7の蛍光体と、比較例1のYAG蛍光体について、室温(25℃)から300℃まで変化させたときの温度特性を示す。横軸に温度(℃)を、縦軸に相対輝度(25℃での発光輝度を100%とする相対値)を示す。この図から、通常の蛍光ランプの点灯温度(約40℃)では温度特性の差はほとんど無いが、高温になると、Tb濃度が高くなるほど温度特性が低下し、本発明の蛍光体はYAG蛍光体に比べて温度特性が低いことがわかる。従って、YAG蛍光体のように本発明の蛍光体に比べて温度特性の高い蛍光体と本発明の蛍光体を混合して塗布した蛍光ランプは、室温下で使用した場合は色ズレしないが、高温下で使用した場合は高温になるほど色ズレするため、使用環境温度が高くなると問題になるような作業環境では、この蛍光ランプの色ズレによって、作業環境の温度変化を知ることができる。
前述したように、本発明の黄色系のカラー蛍光ランプは、従来のカラー蛍光ランプに比べて、発光効率が非常に高く、黄色系の高輝度カラー蛍光ランプが得られることから、装飾用光源として広く利用されるものと期待される。また、本発明の白色系の蛍光ランプは、優れた発光効率に加えて、演色性が非常に優れており、色温度が2500〜3500Kの範囲において平均演色評価数Raが86以上の高演色性蛍光ランプが得られることから、一般照明用光源として種々の用途に利用されるものと期待される。
実施例1、7及び10の蛍光体の発光スペクトルである。 実施例1、7及び10の蛍光体の励起スペクトルである。 実施例1、7及び比較例1の蛍光体の温度特性を示す図である。

Claims (4)

  1. テルビウム、セリウム、アルミニウム及び酸素を基本構成元素とし、結晶構造がガーネット構造である蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成る蛍光ランプであって、前記蛍光体は、下記の一般式で表され、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する黄色系発光蛍光体であることを特徴とする蛍光ランプ。
    (Tb1−a−bCe(Al1−cGa12
    但し、MはSc、Y、La、Gd、Lu及びPrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、cは下記の数値を満足する。
    0.001≦a≦0.3
    0≦b≦0.7
    0.01≦a+b≦0.7
    0.01≦c≦0.6
  2. 前記蛍光体に加えて、440〜470nmの波長範囲に発光ピークを有する青色発光蛍光体、520〜550nmの波長範囲に発光ピークを有する緑色発光蛍光体及び610〜640nmの波長範囲に発光ピークを有する赤色発光蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成ることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記蛍光体に加えて、(Ba,Ca)(POCl:Eu蛍光体、SrAl1425:Eu蛍光体、BaMgAl1627:Eu,Mn蛍光体及び3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光体を含有する発光組成物がガラス管内壁に被着されて成ることを特徴とする請求項に記載の蛍光ランプ。
  4. テルビウム、セリウム、アルミニウム及び酸素を基本構成元素とし、結晶構造がガーネット構造である蛍光ランプ用蛍光体であって、前記蛍光体は、下記の一般式で表され、530〜590nmの波長範囲に発光ピークを有する黄色系発光蛍光体であることを特徴とする蛍光ランプ用蛍光体。
    (Tb1−a−bCe(Al1−cGa12
    但し、MはSc、Y、La、Gd、Lu及びPrからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、cは下記の数値を満足する。
    0.001≦a≦0.3
    0≦b≦0.7
    0.01≦a+b≦0.7
    0.01≦c≦0.6
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