JPH07261069A - ピント調整方法及びその機構 - Google Patents

ピント調整方法及びその機構

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JPH07261069A
JPH07261069A JP5056694A JP5056694A JPH07261069A JP H07261069 A JPH07261069 A JP H07261069A JP 5056694 A JP5056694 A JP 5056694A JP 5056694 A JP5056694 A JP 5056694A JP H07261069 A JPH07261069 A JP H07261069A
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holder
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lens barrel
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Yoji Katsura
洋史 桂
Fuminori Kawamura
文詔 河村
Hideo Sasajima
秀夫 笹島
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Fujifilm Holdings Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペース,低コストでリサイクル適正に優
れたピント調整方法及びその機構を提供する。 【構成】 鏡胴98内部に回動自在に収納されているレ
ンズホルダ91を回転する。レンズホルダ91は撮影レ
ンズ14を保持した状態で回転し、回転に伴いレンズホ
ルダ91に一体に設けられた突条部99の歯列100
と、鏡胴98に被せられるレンズカバー93に形成され
た係合片102との係合が移動する。歯列100はピッ
チ角4°であり、歯列100と係合片102との係合が
1段移動するたびにレンズホルダは4°回転する。ま
た、レンズホルダ91は、突条部99の背面側が鏡胴9
8内のカム面98aに対して摺動し、カム面98aが螺
旋状であるためレンズホルダ91は前あるいは後ろに移
動する。このレンズホルダ91の前後への移動は、歯列
100と係合片102との係合が1段移動するごとに
0.2mmとなるように、カム面98aの傾斜が設定さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ等の光学機器に
用いられるピント調整方法及びその機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラを携帯していない場合でも
手軽に写真撮影が可能なレンズ付きフイルムユニット
(商品名「写ルンですフラッシュ」等)が本出願人から
も提供されている。このレンズ付きフイルムユニット
は、撮影レンズ,シャッタを含む簡単な撮影機構の他、
ストロボ装置及びフイルム巻上げ機構などを備えたユニ
ット本体に、国際標準規格(ISO 1007−197
9年版)で規定されたパトローネ付きフイルムを内蔵さ
せたものである。これを購入したユーザーは、室内や暗
い所でも手軽に写真撮影を楽しむことができ、しかも撮
影終了後には、撮影済みの写真フイルムを取り出すこと
なく、そのままユニット本体ごと現像取扱店に出せばよ
く、フイルム巻き戻しやパトローネの取り出しなどの面
倒な操作を行う必要はない。
【0003】上述したレンズ付きフイルムユニットのバ
リエーションの中には、実開平2−104340号公報
で提案された望遠タイプのものがある。望遠タイプのレ
ンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズからフイルム
露光面までの間に2枚の反射ミラーを配置し、撮影光路
をZ字型にして焦点距離を70〜80mmに延ばしたも
のである。この望遠タイプのレンズ付きフイルムユニッ
トは、比較的遠方の被写体を撮影するのに適している。
しかしながら、遠方の被写体にはストロボ装置の光は届
かないので、ストロボ装置は採用されていない。そのた
め、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットは、昼間
の屋外でしか撮影を行うことができなかった。
【0004】このような望遠タイプのレンズ付きフイル
ムユニットを使用する機会としては、広い競技場内で行
われるスポーツ、例えばサッカーや野球等の選手を撮影
することが考えられる。しかし、従来のレンズ付きフイ
ルムユニットでは若干焦点距離が短いため、このような
スポーツは昼間だけではなく夜間にもナイター競技とし
て行われことが多く、従来の望遠タイプのレンズ付きフ
イルムユニットでは選手を大きく写すことができなかっ
た。また、これらの競技は昼間のみでなく夜間にもナイ
ター競技として行われることが多いが、従来の望遠タイ
プのレンズ付きフイルムユニットでは明るさが足りない
ため撮影することができなかった
【0005】上記問題点を解決するために、望遠タイプ
のレンズ付きフイルムユニットに明るい撮影レンズを使
用し、焦点距離を100mm程度に延ばすことが考えら
れる。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットに使
用される撮影レンズは低コストに製造するためにプラス
チック製のものを用いており、明るい撮影レンズとする
ためにはレンズの口径を大きくしなければならない。ま
た、撮影光軸がZ字型であるため、通常の直線的な撮影
光軸のレンズ付きフイルムユニットよりも各部品の加工
精度,組立て精度の影響を受けやすく、長焦点化に際し
ては組立て時にピント調整を行う必要が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決する
ために、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットに明
るい撮影レンズを使用し、焦点距離を100mm程度に
延ばすことが考えられる。しかしながら、レンズ付きフ
イルムユニットに使用される撮影レンズは低コストに製
造するためにプラスチック製のものを用いており、明る
い撮影レンズとするためにはレンズの口径を大きくしな
ければならない。また、撮影光軸がZ字型であるため、
通常の直線的な撮影光軸のレンズ付きフイルムユニット
よりも各部品の加工精度,組立て精度の影響を受けやす
く、長焦点化に際しては組立て時にピント調整を行う必
要が生じる。
【0007】ピント調整機構としては、撮影レンズを前
後方向に移動させるヘリコイド方式が挙げられるが、こ
の方式は撮影レンズを保持するレンズホルダと鏡胴との
間に複雑な機構を組み込むため、撮影レンズ周囲に大き
なスペースが必要となり、更にピント調整後には接着剤
等でその位置を固定する必要がある。しかしながら、レ
ンズ付きフイルムユニットは小型化が望まれているた
め、大きなスペースを必要とするヘリコイド方式は採用
できない。また、レンズ付きフイルムユニットは、使用
後に回収して再利用されるので接着剤を用いると分解が
できなくなり、リサイクル適正が悪化する。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、省スペース,低コストでリサイクル適正に優れ、安
定したピント調整が可能なピント調整方法及びその機構
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1記載の発明はピント調節方法として、撮
影レンズを保持して鏡胴内に回動自在に収納されたレン
ズホルダを回動すると、レンズホルダの外周に形成され
た螺旋状の突条部の背面側が鏡胴の内壁に形成された突
出片に摺接し、レンズホルダが撮影光軸に沿って前ある
いは後ろに移動され、突条部の前面側に形成された歯列
と弾性を有する係合片との係合によりレンズホルダが固
定されるようにしたものである。
【0010】また、請求項2記載の発明は、突出片とし
て、鏡胴内壁に撮影光軸に沿って螺旋状に形成したカム
面としたものである。
【0011】更に、請求項3記載の発明は、内壁に突出
片が形成された円筒状の鏡胴と、撮影レンズを保持する
とともに鏡胴に回動自在に収納されるレンズホルダと、
このレンズホルダの外壁に形成され、背面が突出片に当
接し前面に歯列が形成された螺旋状の突条部と、この突
条部の歯列と係合する弾性を有した係合片が一体に形成
され前記鏡胴に被せられる円筒状のレンズカバーとか
ら、ピント調整機構を構成したものである。
【0012】また、請求項4記載の発明は、突出片とし
て、鏡胴内壁に撮影光軸に沿って螺旋状に形成したカム
面としたものである。
【0013】更に、請求項5記載の発明は、ピント調整
機構の前面側を覆う外板の内壁に、係合片を押圧する突
起を設けたものである。
【0014】また、請求項6記載の発明は、突条部の歯
列のピッチをピッチ角4°(レンズホルダの外壁全周を
90等分)とし、カム面及び突条部の傾斜を前記係合片
と歯列との係合が1段移動するごとにレンズホルダが前
あるいは後ろに0.2mm移動するのに必要な角度とし
たものである。
【0015】
【作用】鏡胴内部に回動自在に収納されているレンズホ
ルダを回動させる。レンズホルダは撮影レンズを保持し
た状態で回動し、回動に伴いレンズホルダに一体に設け
られた突条部の歯列と、鏡胴に被せられるレンズカバー
に形成された係合片との係合が移動する。歯列はピッチ
角4°であるため、歯列と係合片との係合が1段移動す
るたびにレンズホルダは4°回転する。また、レンズホ
ルダは、突条部の背面側が鏡胴内の突出片に対して摺接
し、突条部が螺旋状とされているのでレンズホルダは前
あるいは後ろに移動する。更に、突出片をカム面とする
ことにより突条部との摺接がスムースに行われ、ピント
調整が容易になる。また、レンズホルダの前後への移動
は、歯列と係合片との係合が1段移動するごとに0.2
mmとなるように、カム面と突条部との傾斜が設定され
ている。
【0016】
【実施例】図2において、レンズ付きフイルムユニット
11は、ユニット本体12と、これを収納した外ケース
13とから構成されている。外ケース13には、綺麗な
カラー印刷が施され、また撮影時の注意事項等が印刷さ
れている。
【0017】ユニット本体12には、外ケース13の開
口から露呈されている撮影レンズ14,ファインダ対物
窓15,シャッタボタン16,フイルム残数表示窓1
7,巻上げノブ18,及び撮影モード切替え摘み19が
設けられている。撮影レンズ14は、2個のプラスチッ
クレンズで構成されており、焦点距離が、例えば100
mmである。ファインダは、2個のファインダレンズに
よって構成されたガリレオタイプのファインダであり、
これらのファインダレンズの間にフィルタが出入り自在
に配置されている。
【0018】撮影モード切替え摘み19は、日中撮影モ
ードと夜景撮影モードとのいずれか1つを選択するため
のものであり、図に示す位置で日中撮影モードが選択さ
れ、これからスロット20の左端にスライド操作した場
合には夜景撮影モードが選択される。日中撮影モードの
際には、フィルタがファインダ内に入り込み、また撮影
レンズ14の光軸上に小口径の絞り開口が配置される。
さらに夜景撮影モードの際には、ファインダ内からフィ
ルタが退避し、このフィルタの退避移動に連動して撮影
レンズ14の光軸上に大口径の絞り開口が配置される。
【0019】ユニット本体12は、図3に示すように本
体基部26,後カバー27,露光ユニット28,及び前
カバー29とから構成されている。本体基部26には、
国際標準規格(ISO:1007−1979年版)で規
定された135タイプの写真フイルムパトローネ31が
装填される。この写真フイルムパトローネ31には、例
えばISO800の高感度写真フイルム31aが用いら
れている。
【0020】本体基部26の前面には、露光ユニット2
8が着脱自在に取り付けられる。露光ユニット28は、
撮影レンズ14を備えた露光付与機構,フイルムカウン
タ機構,絞り切替え機構,フィルタ出入り機構,及びフ
イルム巻き止め機構等が組み込まれており、これらは一
体化されている。後カバー27は、本体基部26の背後
に着脱自在に取り付けられ、本体基部26との間で写真
フイルム31aを光密に収納する。前カバー29は、本
体基部26の前面に着脱自在に取り付けられる。
【0021】写真フイルムパトローネ31は、写真フイ
ルム31aと、この写真フイルム31aを光密に収納す
るパトローネ31bとからなる。このパトローネ31b
は、写真フイルム31aの末端が固定されたスプール3
1cが回転されたときに、露光済みの写真フイルム31
aを巻き取るようになっている。
【0022】本体基部26には、パトローネ31bを収
納するためのパトローネ収納室33と、パトローネ31
bから引き出されて巻かれた未露光の写真フイルムロー
ル31dを収納するためのフイルム収納室34とが一体
成形されている。これらの底は開口となっており、後カ
バー27に設けられたプルトップ式の底蓋35,36に
よってそれぞれ光密に塞がれる。底蓋36は写真フイル
ム31aをロール状に巻き取るための治具等を挿入する
ための蓋であり、また、底蓋35は全コマ撮影終了後に
撮影済みの写真フイルム31aが収納されたパトローネ
31bを取り出す時の蓋となる。
【0023】巻き上げノブ18は、パトローネ収納室3
3の上面に回動自在に配置され、外部から操作が可能な
ように一部が後カバー27の開口37から露呈される。
そして、パトローネ31bが装填された際には巻き上げ
ノブ18の軸がパトローネ31bのスプール31cに係
合する。
【0024】パトローネ収納室33とフイルム収納室3
4との間には、露光枠38が位置しており、これには、
24×36mmのサイズの露光開口39が形成されてい
る。この露光開口39には、露光ユニット28の撮影レ
ンズ14を透過した被写体光が導かれる。なお、後カバ
ー27の右上端部には、ファインダ接眼窓40が一体に
設けられている。また前カバー29には、右上端に設け
たファインダ対物窓15の他に、上面にスロット20と
シャッタボタン16とが一体に設けられている。また、
前カバー29の前面にはシャッタ開放用開口29aが形
成されている。このシャッタ開放用開口29aは、回収
後に再使用された露光ユニット28のピント検査を行う
際に使用され、この開口29aから治具等を挿入してシ
ャッタ羽根を開放するためのものである。
【0025】露光ユニット28には、暗箱41にシャッ
タ機構,フイルム巻き上げ機構,フイルムカウンタ機
構,レンズユニット,絞り切替え機構,及びフィルタ出
入り機構とが組み込まれている。
【0026】暗箱41は、詳しくは図4及び図5に示す
ように、撮影レンズ14の光軸42をZ字形にするため
に、正面上方に設けた正面上開口枠43,背面上方に設
けた背面上開口枠44,正面下方に設けた正面下開口枠
45,及び背面下方に設けた背面下開口枠46とがそれ
ぞれ一体に形成された形状となっている。正面上開口枠
43の前面には、カバー板47を介してシャッタユニッ
ト48,絞り切替えレバー49,及びレンズユニット5
0とが順に組み込まれる。
【0027】背面上開口枠44には増反射ミラー51が
取付けられ、さらに正面下開口枠45には増反射ミラー
52が取り付けられる。撮影レンズ14は、ファインダ
対物窓15とほぼ同じ高さに配置されている。そして、
撮影レンズ14の光軸42は、増反射ミラー51及び増
反射ミラー52とによりZ字形に折り曲げられた後、露
光開口39の背後に位置決めされた写真フイルム31a
に達する。撮影レンズ14を通った被写体光束は、広が
りながら写真フイルム31aに達するから、増反射ミラ
ー51は増反射ミラー52よりも小サイズでよい。ま
た、これらのミラー51,52を同じ傾斜角で傾けるこ
とによって、撮影レンズ14に水平に入射した光軸42
を写真フイルム31aに水平に入射させることができ
る。
【0028】なお、増反射ミラー51,52は、ガラス
基板の上にアルミニウム層、酸化セリウム層、及び、酸
化チタン層を順に層設し、700nmでの反射率が85
%以上とした反射ミラーである。また、正面上開口枠4
3と増反射ミラーとの間には、有効画角外からの斜入光
をカットするための遮光板53が取り付けられている。
さらに、正面上開口枠43と背面上開口枠44との上面
は開口54となっている。
【0029】暗箱41の右上には、対物レンズ55と接
眼レンズ56とを所定間隔で保持する保持枠57が一体
に形成されており、この保持枠57の上面も開口58と
なっている。これらの開口54,58の上には、暗箱4
1内部を光密に塞ぎ、且つファインダレンズ55,56
を押さえるための天板59が着脱自在に取り付けられ
る。この天板59には、増反射ミラー51の非ミラー面
51aを覆う保護板60が一体に形成されている。この
保護板60によって増反射ミラー51が暗箱41に保持
される。
【0030】ファインダレンズ55,56は、露光ユニ
ット28が本体基部26に取り付けられた際にファイン
ダ対物窓15とファインダ接眼窓40との間に配置さ
れ、対物レンズ55を凸,接眼レンズ56を凹の構成と
して、写真フイルムに写る範囲と同じ、又はこれよりも
80%小さめの視野範囲としている。
【0031】天板59の上には、光軸42に対して直交
する方向に移動自在な撮影モード切替えレバー62が取
り付けられている。この撮影モード切替えレバー62に
は、上面に撮影モード切替え摘み19が一体に形成され
ている。また、下面には天板59に形成されたスリット
59aに挿入され、フィルタ63が保持される保持枠6
2aが一体に形成されており、これらでフィルタ出入り
機構を構成している。フィルタ63は、撮影モード切替
え摘み19を日中撮影モードの位置に操作した際に、フ
ァインダレンズ55,56の間に挿入され、また、夜景
撮影モードの位置に操作した際に、ファインダレンズ5
5,56の間から退避する。この撮影モード切替えレバ
ー62は、トグルバネ64により日中撮影モード又は夜
景撮影モードとのどちらかの位置に向けて付勢されてい
る。
【0032】フィルタ63は、周知のように減光フィル
タであり、ファインダ対物窓15からファインダ接眼窓
40に入射してくる被写体光を減光し、減光された被写
体光を撮影者が見ることが可能な場合には、撮影者に適
正な絞りで撮影できることを確認させる。また、減光さ
れた被写体光を撮影者が見ることができない場合には、
撮影者に夜景撮影モードに切替える必要があることを警
告する。また、フィルタ63の中央には、透明部63a
が設けられており、フィルタ63を通してファインダを
覗いても写る範囲の中心が良く見えるようにされてい
る。
【0033】フィルタ出入り機構には、絞り切替え機構
が連動している。絞り切替え機構は、連動板65,及び
絞り切替えレバー49とから構成されている。連動板6
5は、天板59の上面に光軸42に対して直交する方向
に向けて移動自在に取り付けられており、撮影モード切
替えレバー62の移動量よりも絞り切替えレバー49の
移動量を少なくするために、一端65aが遊びを持った
状態で撮影モード切替えレバー62に連結されている。
また、連動板65の他端65bは、絞り切替えレバー4
9の一端49aに係合している。絞り切替えレバー49
は、カバー板47に設けられた光軸42と平行な軸47
aを中心に回動自在に配置されており、軸47aを挟ん
だ他端に小口径、例えば直径2〜3mmの絞り開口49
bが形成されている。この小口径の絞り開口49bは、
撮影モード切替え摘み19が日中撮影モードの位置の際
に光軸42の上のシャッタユニット48とレンズユニッ
ト50との間に挿入され、また夜景撮影モードの位置の
際には光軸42の上から退避する。
【0034】暗箱41の左上には、周知のシャッタ機
構,フイルム巻き上げ機構,及びフイルムカウンタ機構
を構成する従動スプロケット67,カム部材68,係止
レバー69,バネ70,蹴飛ばしレバー71,枚数表示
板72が取り付けられており、蹴飛ばしレバー71の蹴
飛ばし力が回動レバー76,シャッタ駆動レバー78,
及びシャッタユニット48に順に伝達される。
【0035】カム部材68の軸には従動スプロケット6
7が係合され、従動スプロケット67は写真フイルム3
1aのパーフォレーションに係合されるので、これらは
フイルム1コマ送りに従動して1回転する。カム部材6
8の回転によって蹴飛ばしレバー71が軸73を中心に
時計方向に回転するとともに、係止レバー69が軸74
を中心として反時計方向に回転する。そして、カム部材
68が一回転すると、係止レバー69がカム部材68の
回転をロックしてフイルム巻き止めを行うとともに、蹴
飛ばしレバー71をチャージ位置に保持する。バネ70
は、捩じりバネとなっており、係止レバー69を時計方
向に、また蹴飛ばしレバー71を反時計方向に向けてそ
れぞれ付勢している。カム部材68が一回転した際に
は、枚数表示板72が1目盛分だけ回転する。
【0036】シャッタボタン16の押下によって係止レ
バー69が反時計方向に押圧される。これによりフイル
ム巻き止めが解除されるとともに、蹴飛ばしレバー71
がバネ70の付勢によってチャージ位置から初期位置に
向けて回転する。このシャッタ駆動レバー71には、蹴
飛ばしアーム71aが一体に形成されている。蹴飛ばし
アーム71aの移動路には、回動レバー76の爪部76
aが待機している。
【0037】回動レバー76は、光軸42と平行に設け
られた軸75に回動自在に取り付けられており、詳しく
は図6に示すように、爪部76aの他に、前方に向けて
突出した連結ピン76bが一体に形成されている。この
連結ピン76bは、シャッタ駆動レバー78に連結さ
れ、回動レバー76の回転力をシャッタ駆動レバー78
に伝達する。
【0038】バネ77は、一端が回動レバー76に形成
されたピン76cに、他端が暗箱41に一体に形成され
たピン80にそれぞれ引っかけられ、回動レバー76を
反時計方向に付勢している。そして、暗箱41には回動
レバー76が当接し、バネ77の付勢に抗して回動レバ
ー76の回動を阻止するストッパー79が一体に形成さ
れている。
【0039】爪部76aが蹴飛ばしアーム71aで蹴飛
ばされることにより、回動レバー76は軸75を中心と
して時計方向に回動してシャッタ駆動レバー78を回転
させる。そして、蹴飛ばしレバー71が初期位置に回転
した後には、蹴飛ばしアーム71aが爪部76aを乗り
越え、バネ77の付勢により回動レバー76が初期位置
に引き戻され、ストッパー79に当接する。
【0040】シャッタ駆動レバー78は、光軸42と平
行な軸81を中心として回動自在に取り付けられてお
り、軸81に嵌め込まれる軸受部78aを挟んだ両端側
に、レバー78b,78cがそれぞれ一体に形成されて
いる。レバー78bには、前方に向けて突出した連結ピ
ン78dが一体に形成され、またレバー78cにはカム
孔78eが形成されている。連結ピン78dは、シャッ
タユニット48のシャッタ羽根84,85に係合され
る。カム孔78eには、前記連結ピン76bが嵌入され
る。なお、軸75,81は、暗箱41に一体に形成され
ている。
【0041】このシャッタ駆動レバー78は、前方に突
出した撮影レンズ14の直後で開閉するシャッタ羽根8
4,85に、光軸42に沿って凹んだ位置に配置された
回動レバー76の回転力を伝達するために、シャッタ連
結ピン78dとカム孔78eとが光軸42に対して異な
った面で揺動するように断面がクランク状に形成されて
いる。
【0042】シャッタユニット48は、シャッタベース
83,同形状をなす一対のシャッタ羽根84,85及び
シャッタカバー86とから構成されている。シャッタベ
ース83には、光軸42の上に設けられたシャッタ開口
83aと、増反射ミラー52の非ミラー面52aを覆う
保護板83bとが一体に形成されている。また、シャッ
タカバー86の光軸42の上には、絞り切替えレバー4
9の絞り開口49bよりも大きい口径、例えば直径約5
〜6mmの絞り開口86aが形成されている。
【0043】一対のシャッタ羽根84,85は、シャッ
タベース83に形成された2つの軸83c,83dを中
心にそれぞれ回動自在に配置されており、これらの軸8
3c,83dの間に形成された開口83eを介して前記
シャッタ連結ピン78dが入り込む係合孔84a,85
aがそれぞれに設けられている。したがって、シャッタ
駆動レバー78が回動するとシャッタ連結ピン78dに
よって一対のシャッタ羽根84,85が同時に開閉す
る。シャッタ羽根84,85の開閉は、同図に二点鎖線
で示す閉じ位置と、同図に実線で示す開き位置との間で
行われる。この開閉は、2枚のシャッタ羽根84,85
で行うようにしているため瞬時に行え、露光ムラの防止
に寄与している。
【0044】なお、シャッタ駆動レバー78のカム孔7
8eには、シャッタ羽根84,85を駆動する直線部
と、シャッタ羽根84,85を開き一に保持する曲線部
が設けられているので、2枚構成のシャッタ羽根でも安
定したシャッタ速度を得ることができる。
【0045】図1に示すように、レンズユニット50
は、レンズベース90,レンズホルダ91及び撮影レン
ズ14,押さえ環92,レンズカバー93とから構成さ
れており、これらはシャッタユニット48の前面に着脱
自在に取り付けられる。撮影レンズ14は、後レンズ9
4及び前レンズ95と、これらの間に挿入されるスペー
サ96とから構成されており、従来の望遠タイプのレン
ズ付きフイルムユニットに用いられていた撮影レンズよ
り大口径で明るいものとなっている。
【0046】撮影レンズ14は、円筒状のレンズホルダ
91に保持される。後レンズ94,前レンズ95にはそ
れぞれ外周に突片94a,95aが形成されており、こ
の突片をレンズホルダ91内の溝91aに合わせて挿入
することにより、撮影レンズ14がレンズホルダ91内
で回転するのが防止される。
【0047】また、レンズホルダ91には押さえ環92
も収められる。この押さえ環92は、中央に開口92a
が形成された円板の外周に、3個の突片92bと、前面
側に向かって突出された3個の突条92cを一体に形成
したもので、レンズホルダ91の内径に対して締まりば
めとなるような直径となっている。そして、突片92b
をレンズホルダ91内の溝91bに合わせて圧入するこ
とにより、撮影レンズ14がレンズホルダ91内で前後
に移動するのが防止される。
【0048】レンズベース90には、レンズホルダ91
が挿入される鏡胴98が一体に形成されており、その内
壁には突出片として光軸42に沿って螺旋状とされたカ
ム面98aが3個形成されている。また、レンズホルダ
91の外壁には、カム面98aと同方向の螺旋状とされ
た突条部99が3個形成されている。図7に示すよう
に、突条部99の背面側は平面とされており、カム面9
8aに対して当接するようになっている。また、突条部
99の前面側には階段状にされた歯列100が形成され
ている。
【0049】図1に示すように、レンズホルダ91が収
納されたレンズベース90には、内径が鏡胴98の外径
と同一とされたレンズカバー93が取り付けられる。レ
ンズカバー93には左右に張り出した支持板93aが一
体に形成されており、この支持板93aに形成された係
合部93bを鏡胴98の側面に形成された爪98bに係
合することによって、レンズベース90にレンズカバー
93が取り付けられる。レンズカバー93の前面側に
は、一端がレンズカバー93に連なり、他端が自由にさ
れ弾性を付与された係合片102が3個形成されてい
る。そして、レンズカバー93をレンズベース90に取
り付けると、図7に示すように、係合片102の自由端
側に形成された突起102aが、レンズホルダ91突条
部99の歯列100に噛合するようになっている。
【0050】歯列100は、図8に示すように定ピッチ
で設けられており、そのピッチ角θは、4°(レンズホ
ルダの外周の90等分)とされている。また、カム面9
8aと突条部99の傾斜は、係合片102と歯列100
との係合が1段移動するごとに、レンズホルダ91を前
あるいは後ろに0.2mm移動させる傾斜となってい
る。このように、レンズホルダ91の回転量と移動量と
が対応しており、移動量は僅か0.2mm刻みで移動で
きるので、撮影レンズ14をピントのピーク位置に調整
するのは非常に容易となっている。また、係合片102
と突条部99とカム面98aとの位置関係は、レンズホ
ルダ91が回転されても変わらないので、係合片102
に余分な負荷をかけることがない。そのため、レンズホ
ルダ91を固定するためのバネを単独で設ける必要もな
いし、レンズカバー93をリサイクル時に再使用するこ
とができる。
【0051】ピントの調整は、組立て後の露光ユニット
28に対して行われるが、その際には図9に示すような
治具105が用いられる。治具105は、先端部106
に三叉状に嵌合片106aが形成されており、この先端
部106をレンズカバー93の前面側から挿入し、嵌合
片106aを押さえ環92に形成された突条92c間の
隙間92dに嵌め合わせ、治具105を回動することに
よって行われる。
【0052】レンズホルダ91は、図中で時計方向に回
動されると、突条部99の背面側がカム面98aに対し
て摺動し、歯列100は係合片102を撓ませてクリッ
ク音を発し、レンズホルダ91は鏡胴98から突出する
方向に移動される。逆に、レンズホルダ91が反時計方
向に回動されると、レンズホルダ91は鏡胴98内に収
納される方向に移動される。そして、レンズホルダ91
の回動後には、係合片102は再び歯列100と係合し
てレンズホルダ91を固定する。係合片102と歯列1
00との係合が一段移動すると、レンズホルダ91が前
後に0.2mm移動するので、治具105の回転角度に
よってレンズホルダ91の移動量を容易に制御すること
ができる。
【0053】また、図7に示すように前カバー29の内
壁には、レンズカバー93の係合片102に対面する位
置に突起107が形成されている。この突起107は、
ピント調整が済んだ露光ユニット28が本体基部26に
取付けられ、この本体基部26に前カバー29が取り付
けられることにより係合片102に当接して押圧するよ
うになっている。これにより係合片102が歯列100
に押し付けられるので、レンズ付きフイルムユニット1
1に落下等による衝撃が与えられてもレンズホルダ91
が不用意に回動してピントが狂うようなことはない。
【0054】次に、上記実施例の作用について説明す
る。露光ユニット28は、露光ユニット組立てラインで
暗箱41に対しフイルム巻止め機構,フィルタ出入り機
構,絞り切替え機構,シャッタユニット48,レンズユ
ニット50等の各構成部品が組付けられて完成する。組
み立てられた露光ユニット28は、レンズ付きフイルム
ユニット組立てラインに搬送され、本体基部26の前面
側に取り付けられる。
【0055】露光ユニット28が取り付けられた本体基
部26は、次工程であるピント検査工程に搬送される。
ピント検査工程では、前面側から撮影レンズ14に向か
ってレーザ光線が照射され、このレーザ光線が適正な位
置で結像されるかを確認することによってピントの確認
を行う。このピント検査で合格したものは、次工程で本
体基部26の前面に前カバー29が取り付けられる。前
カバー29が取り付けられると、図7に示すように、前
カバー29の内壁に形成された突起107がレンズカバ
ー93の係合片102に当接して押圧し、係合片102
の突起102aをレンズホルダ91の歯列100に押し
つける。これにより、露光ユニット28のピント位置が
固定され、多少の衝撃が与えられてもピント位置がずれ
ることはない。
【0056】また、ピント検査で不合格となった露光ユ
ニット28が取り付けられた本体基部26は、ピント調
整工程に搬送される。このピント調整工程では、ピント
検査工程から送られてきた不合格データに基づいてピン
トの調整が行われる。ピント調整は、図9に示す治具1
05をレンズカバー93の前面側から挿入し、先端部1
06の嵌合片106aをレンズホルダ91の突条92c
間の隙間92dに嵌め合わせる。そして、治具105が
モータの駆動により不合格データに基づいた回転を行
う。
【0057】例えば図中において、治具105が時計方
向に回転された場合、レンズホルダ91は突条部99の
背面側がカム面98aに対して摺動し、レンズホルダ9
1は鏡胴98から突出する方向に移動される。このレン
ズホルダ91の移動時には突条部99の歯列100によ
り係合片102が撓まされ、移動が終了すると再び歯列
100と係合片102の突起102aとが係合される。
【0058】ピント調整が終了した露光ユニット28は
次工程に搬送され、本体基部26の前面に前カバー29
が取り付けられてピント位置が固定される。その後、写
真フイルムパトローネ31が装填されてから後カバー2
7が取り付けられてユニット本体12となり、その上に
外ケース13が被せられてレンズ付きフイルムユニット
11が完成する。
【0059】販売されているレンズ付きフイルムユニッ
ト11は、撮影モード切替え摘み19が日中撮影モード
にセットされた状態で防湿防温のガゼット袋に収納され
ており、購入後には、ガゼット袋を破いてレンズ付きフ
イルムユニット11を取り出す。取り出したときには、
外ケース13のスロット20の両端の部分に、図2に示
すように、太陽マーク13aと月マーク13bとが施さ
れているので、写真知識を有するユーザーは日中撮影と
夜景撮影とが随時切替えできるタイプであることが確実
に理解できる。
【0060】日中撮影モードの状態では、光軸42の上
に小口径の絞り開口49bが位置しており、また、ファ
インダレンズ55,56の間にフィルタ63が挿入され
た状態となっている。
【0061】撮影を行う場合には、先ず、巻き上げノブ
18を回してフイルム巻き上げを行う。このフイルム巻
き上げによって、写真フイルム31aがパトローネ31
bのスプール31cに巻かれる。ここで、レンズ付きフ
イルムユニット11は、工場出荷時に蹴飛ばしレバー7
1がチャージ位置の直前の状態になっているため、写真
フイルム31aの僅かな量がパトローネ31bに巻き戻
されると、従動スプロケット67を介してカム部材68
が僅かに回転し、係止レバー69によって蹴飛ばしレバ
ー71がチャージ位置で保持される。このとき、フイル
ム巻き止め機構が作動して従動スプロケット67の回転
が阻止される。
【0062】シャッタチャージ後、ユーザーはファイン
ダ接眼窓40から、撮影すべきシーンを観察するが、こ
のときフィンダーレンズ55,56の間にはフィルタ6
3が挿入された状態となっているため、ユーザーは違和
感を持つ。この時点で外ケース13の印刷を読むことに
よって、このレンズ付きフイルムユニット11が、日中
撮影と夜景撮影との両方ができるタイプであることに気
がつく。したがって、初心者であっても、日中撮影もし
くは夜景撮影を適宜選択して、撮影を行うことが可能と
なる。
【0063】ファインダ接眼窓40を覗いてフレーミン
グを行う。ファインダレンズ55,56の光軸は、撮影
レンズ14の光軸42と平行で、しかもほぼ同じ高さ位
置で接近した位置にあるため、近距離にある被写体に対
してもパララックスがほとんど生じることがない。
【0064】シャッタボタン16を押下すると、係止レ
バー69が反時計方向に付勢される。これにより、蹴飛
ばしレバー71がバネ70の付勢によって軸73を中心
に時計方向に回転するとともに、フイルム巻き止め機構
のロックが解除される。このときにシャッタ羽根84,
85は、図6に2点鎖線で示したような閉じ位置にあ
る。
【0065】蹴飛ばしレバー71がチャージ位置から初
期位置に向けて回転すると、蹴飛ばしアーム71aが回
動レバー76の爪部76aを蹴飛ばし、回動レバー76
がバネ77の付勢に抗して軸75を中心に時計方向に回
転する。これにより連結ピン76bは、カム孔78e内
を移動しながらシャッタ駆動レバー78を軸81を中心
に反時計方向に回転させる。このシャッタ駆動レバー7
8の回転により、シャッタ羽根84が軸83cを中心に
反時計方向に回転され、またこれと同時にシャッタ羽根
85が軸83dを中心として時計方向に回転する。そし
て、図6に実線で示すように、シャッタ羽根84,85
が開放状態となる。
【0066】蹴飛ばしアーム71aが爪部76aを乗り
越えた時点で回動レバー76がバネ77の付勢によって
初期位置に引き戻され、シャッタ駆動レバー78は軸8
1を中心に時計方向に回転され、シャッタ羽根84,8
5が閉じ位置に向けて回転する。そして、回動レバー7
6が初期位置に戻った時点で、2点鎖線で示すようにシ
ャッタ羽根84,85が閉じ状態となる。このとき、回
動レバー76がストッパー79に当接し、回動レバー7
6の回動が阻止される。
【0067】シャッタ羽根84,85が開閉中には、撮
影レンズ14を透過した被写体光が小口径の絞り開口4
9bを通過してシャッタ開口83aから入射する。この
被写体光は、遮光板53を通って増反射ミラー51で増
反射ミラー52に向けて反射され、さらに増反射ミラー
52で背面下開口枠46に向けて反射されて露光開口3
9に導かれ、写真フイルム31aに照射される。写真フ
イルム31aへの露光は、絞り開口49bが小口径とな
っているから、高輝度被写体に適したものとなる。
【0068】ファインダを覗いたときに、フィルタ63
によって減光された被写体光を観察することができない
場合には、撮影モード切替え摘み19を夜景撮影モード
の位置に切替える。これにより、撮影モード切替えレバ
ー62が光軸42に対して直交する方向にスライド移動
し、ファインダレンズ55,56の間からフィルタ63
が退避する。さらに、撮影モード切替えレバー62の移
動によって絞り切替えレバー49が軸47aを中心とし
て反時計方向に回転し、絞り開口49bが光軸42の上
から退避する。
【0069】フィルタ63が退避すると、ファインダに
入射する被写体光をそのまま観察することができるの
で、フレーミングを行ってからシャッタボタン16を押
下する。これにより、前述したと同じにシャッタ羽根8
4,85が開閉し、撮影レンズ14を通過した被写体光
が大口径の絞り開口86aを通過して、写真フイルム3
1aに入射する。この露光は、絞り開口86aが大口径
となっているから、低輝度被写体に適したものとなる。
【0070】以下、フイルム巻き上げの前又は後に、撮
影モード切替え摘み19を操作して日中撮影と夜景撮影
とのいずれか一方を選択しながら撮影を行う。そして、
全てのコマの撮影が終了した後に、レンズ付きフイルム
ユニット11は、写真フイルムパトローネ31を入れた
ままの状態で現像所に提出される。現像所では、レンズ
付きフイルムユニット11から、写真フイルムパトロー
ネ31を取り出し、パトローネ31bから写真フイルム
31aを引き出して周知の現像及びプリント処理を行
う。そして、ユーザーにプリント写真と現像済みの写真
フイルム31aとを返却する。空となったレンズ付きフ
イルムユニット11は、ユーザーに返却されることな
く、工場に回収されてリサイクルされる。
【0071】回収されたレンズ付きフイルムユニット1
1は分解されて、溶解,ペレット化により原料として再
利用される部品と、機能検査を経て再使用される部品と
に分類される。露光ユニット28は再使用部品であり、
リサイクルラインに搬送され、シャッタ機構の検査に合
格したものについては、新しく成形された本体基部26
に組付けられる。そして、前カバー29が本体基部26
に取り付けられて、前カバー内壁の突起107がシャッ
タカバー93の係合片102を押圧してピント位置を固
定する。
【0072】前カバー29が取り付けられた本体基部2
6はピント検査工程に搬送され、前カバー29の前面に
形成されたシャッタ開放用開口29aから棒状の治具
(図示せず)が挿入される。この治具は、回動レバー7
6を図4中において時計方向に回転し、シャッタ駆動レ
バー78を介してシャッタ羽根84,85を開放状態と
するためのものである。シャッタ羽根84,85が開放
された後、前面側から撮影レンズ14にレーザー光線が
照射され、最初の組み立て時と同様にピント検査が実施
される。しかしながら、最初のピント検査時にピント調
整が行われ、レンズ付きフイルムユニット11の完成時
には前カバー29でピントのずれを防止されているの
で、新たにピント調整を要する露光ユニット28は稀で
あるが、ピントのずれている露光ユニット28は再びピ
ント調整工程に搬送される。
【0073】再使用された露光ユニット28が組み込ま
れたレンズ付きフイルムユニット11は、写真フイルム
パトローネ31の装填,後カバー27の取付け,外カバ
ー13の装着,ガセット袋への装填を経て再び出荷され
る。
【0074】上記実施例では、2枚構成の撮影レンズを
レンズホルダに保持し、ピント調整はレンズホルダを移
動して行うようにしたが、撮影レンズが1枚の場合に
は、撮影レンズの外周にカム面に対応する突条部を一体
に設けることによって、ピント調整機構を構成すること
もできる。また、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニ
ットを例に説明したが、本発明はこれに限らず、低価格
なコンパクトカメラ等にも利用することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のピント調
整方法は、撮影レンズを保持するレンズホルダを回転す
ることによってピント調整を行うようにしたので、簡単
にピントの調整を行うことができる。また、自動化しや
すいので、ピント検査工程への組み込みも可能となる。
【0076】また、本発明のピント調整機構は、鏡胴内
に形成された突出片とレンズホルダ外壁の突条部との当
接により、レンズホルダを回転するだけでレンズホルダ
を前後に移動することができ、この移動時にはレンズカ
バーの係合片と突条部の歯列とが常に係合しているの
で、レンズホルダがピント調整後にずれることがなく安
定したピント調整が可能となる。また、突出片をカム面
としたことにより、突条部との摺接がスムースに行わ
れ、ピント調整が容易になる。更に、突出片や突条部,
係合片等をレンズホルダや鏡胴及びレンズカバー等と一
体化したので低コストに製造でき、更にカム面と突条部
とは鏡胴内に納まるので、本ピント調整機構を用いた機
器の小型化に寄与できる。
【0077】また、ピント調整機構の前面側を覆う外板
の内壁に、係合片を押圧して歯列に押しつける突起を設
けたことにより、多少の衝撃が与えられてもピント位置
がずれることはない。更に、ピント位置の固定に接着剤
を使用しないので、リサイクル適正も向上する。
【0078】更に、レンズホルダの回転量と移動量とが
対応しており、最小の移動量が僅か0.2mmであるた
め、細かいピント調整ができ、撮影レンズをピントのピ
ーク位置に容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズユニットの構成を示す外観斜視図であ
る。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視
図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】露光ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】ユニット本体の要部断面図である。
【図6】シャッタユニットの構成を示す分解斜視図であ
る。
【図7】前カバーと係合片と突条部とカム面との位置関
係を示す説明図である。
【図8】レンズホルダの正面図である。
【図9】ピント調整方法の説明図である
【符号の説明】
11 レンズ付きフイルムユニット 14 撮影レンズ 90 レンズベース 91 レンズホルダ 92 押さえ環 93 レンズカバー 98 鏡胴 98a カム面 99 突条部 100 歯列 102 係合片 102a 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹島 秀夫 茨城県那珂郡大宮町東野字泉4112番地 水 戸富士光機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズを撮影光軸に対し前後に移動
    してピントの調整を行うピント調整方法において、 撮影レンズを保持して鏡胴内に回動自在に収納されたレ
    ンズホルダを回動すると、レンズホルダの外周に形成さ
    れた螺旋状の突条部の背面側が鏡胴の内壁に形成された
    突出片に摺接し、レンズホルダが撮影光軸に沿って前あ
    るいは後ろに移動され、突条部の前面側に形成された歯
    列と弾性を有する係合片との係合によりレンズホルダが
    固定されることを特徴とするピント調整方法。
  2. 【請求項2】 前記突出片は、鏡胴内壁に撮影光軸に沿
    って螺旋状に形成されたカム面であることを特徴とする
    請求項1記載のピント調整方法。
  3. 【請求項3】 固定焦点式カメラのピント調整機構であ
    って、内壁に突出片が形成された円筒状の鏡胴と、撮影
    レンズを保持するとともに鏡胴に回動自在に収納される
    レンズホルダと、このレンズホルダの外壁に形成され背
    面が突出片に当接し前面に歯列が形成された螺旋状の突
    条部と、この突条部の歯列と係合する弾性を有した係合
    片が一体に形成され前記鏡胴に被せられる円筒状のレン
    ズカバーとからなることを特徴とするピント調整機構。
  4. 【請求項4】 前記突出片は、鏡胴内壁の撮影光軸に沿
    って螺旋状に形成されたカム面であることを特徴とする
    請求項3記載のピント調整機構。
  5. 【請求項5】 前記ピント調整機構の前面側を覆う外板
    の内壁に、係合片を押圧して歯列に押しつける突起を設
    けたことを特徴する請求項3記載のピント調整機構。
  6. 【請求項6】 前記突条部の歯列のピッチは、ピッチ角
    4°(レンズホルダの外壁全周の90等分)であり、前
    記カム面及び突条部の傾斜は、前記係合片と歯列との係
    合が1段移動するごとに前記レンズホルダが前あるいは
    後ろに0.2mm移動する角度であることを特徴とする
    請求項3又は4又は5記載のピント調整機構。
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JP2007093656A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Nidec Copal Corp 撮像装置

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JP2005100613A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Thomson Licensing Sa 光記録媒体の読取り又は書込み装置の走査装置
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