JP3504718B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

レンズ付きフイルムユニット

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JP3504718B2
JP3504718B2 JP07588494A JP7588494A JP3504718B2 JP 3504718 B2 JP3504718 B2 JP 3504718B2 JP 07588494 A JP07588494 A JP 07588494A JP 7588494 A JP7588494 A JP 7588494A JP 3504718 B2 JP3504718 B2 JP 3504718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バネ力によって蹴飛ば
しレバーをチャージ位置から揺動させるタイプのシャッ
タ機構を内蔵したレンズ付きフイルムユニットに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】誰でも簡単に撮影を楽しめるように、簡
単な撮影機構を備え、そして国際標準規格ISOの10
07−1979年で規定された135タイプのパトロー
ネ付き写真フイルムを予め装填したレンズ付きフイルム
ユニット(以下、「フイルムユニット」と称す。)が良
く知られている。
【0003】このフイルムユニットには、パトローネ付
き写真フイルムを収納する本体基部と、この本体基部の
前面に被着される前カバーと、本体基部の背面に被着さ
れ、これらの間で写真フイルムを光密にする後カバーと
から構成され、本体基部には撮影レンズ、シャッター機
構、フイルム巻き止め機構、及びフイルムカウンタ機構
等が組み込まれている。本体基部には、パトローネ収納
室とフイルム収納室とが設けられており、パトローネ収
納室にパトローネが、またフイルム収納室にはパトロー
ネから写真フイルムを引き出してロール状に巻き取った
フイルムロールがそれぞれ装填されている。
【0004】シャッタレリーズボタンを押下すると、シ
ャッタ機構が作動する。このシャッタ機構は、蹴飛ばし
レバーをバネ力によってチャージ位置から揺動させたと
きに1枚のシャッタ羽根の一端に一体化した爪部を蹴飛
ばすようになっている。蹴飛ばしレバーによって爪部が
蹴飛ばされると、シャッタ羽根は復帰バネの付勢に抗し
て一定速度で揺動し、一体に設けた開閉部が絞り開口か
ら退避して露光が開始される。そして、復帰バネの付勢
によりシャッタ羽根が元の位置に戻って露光が終了す
る。
【0005】このようにして1回の撮影を行ってから、
巻き上げノブを回すと、写真フイルムの露光された部分
が、パトローネに巻き込まれ、これと同時に蹴飛ばしレ
バーがチャージ位置にチャージされる。規定された回数
の撮影を終了し後には、写真フイルムパトローネを入れ
たままのフイルムユニットが現像所に提出される。現像
所では、フイルムユニットの一部を開いて露光済みの写
真フイルムを収納したパトローネを取出す。この写真フ
イルムパトローネは、現行の現像処理システムを使用し
て現像及び写真プリント等の処理が行われる。得られた
現像済みの写真フイルムと、これから作られたプリント
写真とがユーザーに返却される。
【0006】このようなフイルムユニットとしては、望
遠タイプが実開平2−104340号公報に、また、露
出切替えタイプが実開平4−130931号公報にそれ
ぞれ同出願人から提案されている。望遠タイプのもの
は、焦点距離が70〜80mm程度、Fナンバーが12
〜14の条件の撮影レンズが用いられ、ユニットを厚く
しなくても長い光路長が得られるように2枚のミラーが
内蔵され、撮影レンズ以降の光路をZ形にしている。ま
た、露出切替えタイプは、ファインダー内にNDフィル
ターを出入り自在に設け、ファインダーを見やすくする
ためにNDフィルターの出入り操作を行うことに連動し
て、撮影レンズの背後に開口径の異なった2種類の絞り
開口がそれぞれ位置し、簡単に露出の切替えが行えるよ
うにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、サッ
カーの人気が高く、例えばスタンドから競技場内のサッ
カー選手の姿を大きく写せるようなフイルムユニットが
望まれている。これを解決するには、焦点距離が、例え
ば100mm以上の撮影レンズを用いることが必要であ
る。そこで、前述した望遠タイプのように、撮影レンズ
以降の光路がZ形となるように2枚のミラーを配置し、
撮影レンズだけを前方に突出させれば、それ程ユニット
の厚みを厚くせずに解決できる。しかしながら、上記の
ような蹴飛ばしタイプのシャッタ装置では、シャッタ羽
根を撮影レンズの直後で開閉させる構造であるため、シ
ャッタ羽根を駆動するための蹴飛ばしレバーも撮影レン
ズに接近した位置に組み込まなくてはならない。したが
って、フイルムユニットを薄型にして撮影レンズだけを
前方に突出させようとしても、かなり広い範囲にわたっ
て突出させなくてはならず、薄型化を阻害する一因にな
っていた。
【0008】また、サッカーの試合はナイターで行われ
るときがあるため、ナイター照明下でも最適な露出が得
られるような露出制御が必要となる。そこで、前述した
露出切替えタイプのように、開口径の異なった2つの絞
り開口をNDフィルターの出入り操作に連動して光軸上
にそれぞれ位置させるようにすればよいが、焦点距離
が、例えば100mm以上の撮影レンズを用いる場合、
当然レンズの明るさが暗くなり、したがって前述した露
出切替えタイプに用いた大口径の絞り開口よりも大きな
絞り開口が必要となる。ところが、上記のような蹴飛ば
しタイプのシャッタ装置では、シャッタ羽根を一定速度
で揺動するタイプであるため、単に絞り開口を大きくし
たのでは露光ムラが生じる恐れがある。
【0009】また、上記のような蹴飛ばしタイプのシャ
ッタ装置では、露光ムラを無くするために、バネの力を
強くしてシャッタ羽根の揺動動作を早くすると、当然シ
ャッタ速度も速くなってしまい、ナイター照明下での最
適な露出が得られない欠点があった。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、第1の目的としては、長焦点
距離の撮影レンズを用いてもボディの薄型化に適応でき
る蹴飛ばしタイプのシャッタ機構を備えたレンズ付きフ
イルムユニットを提供する。また第2の目的としては、
大口径の絞り開口に対しても露光ムラが生じないように
工夫されたシャッタ機構を備えたレンズ付きフイルムユ
ニットを提供することを目的とする。さらに、第3の目
的としては、例えばナイター照明下等の低輝度な被写体
光に対しても最適な露出が得られるように露出制御が可
能なシャッタ機構を備えたレンズ付きフイルムユニット
を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、蹴飛ばしアームで蹴飛ばされる回動レ
バーの回転量よりも少ない回転量でシャッタ駆動レバー
がシャッタ羽根を開閉するように構成し、回動レバーの
回転力が伝達されるカム部をシャッタ駆動レバーに設
け、前記カム部を駆動用カム部と保持用カム部とで構成
したものである。駆動用カム部は、回動レバーの往動時
の回転域のうちの回転初期位置とこれから僅かに回転し
た第1位置との間で回動レバーが回転するときに得られ
る回転力を受けてシャッタ羽根を開閉させる。保持用カ
ム部は、回動レバーが第1位置と復動に切り替わる折り
返し位置との間で回転するときにシャッタ駆動レバーを
回転させずにシャッタ羽根を開き位置の状態に保持す
る。
【0012】カム孔と連結ピンとの間に砂等が入り込む
とシャッタ羽根が開閉しなくなる。そこで、カム部を回
動レバーに設けたピンが係合するカム孔とし、前記ピン
に径方向から当接するカム孔の両縁のうちの前記シャッ
タ駆動レバーを回転又は保持するのに必要な一縁に対向
する他縁を凹ますのが好適である。
【0013】
【作用】蹴飛ばしアームの蹴飛ばしにより回動レバーが
一往復回動し、この回動力が連結ピンを介してシャッタ
駆動レバーのカム部に伝達される。回動レバーの往動時
の回転のうち初期位置から第1位置に向けて回転した際
には、回動レバーの回転力が駆動用カム部に伝達されて
駆動用カム部がシャッタ駆動レバーを回転させる。この
シャッタ駆動レバーの回転によりシャッタ羽根が閉じ位
置から開き位置に駆動する。回動レバーが第1位置から
折り返し位置に向けて回転した際には、保持用カム部が
シャッタ駆動レバーを回転させずにシャッタ羽根を開き
位置の状態で保持する。この状態は、回動レバーが折り
返し位置から第1位置に向けて復動回転するまで継続さ
れる。そして、回動レバーが第1位置から初期位置に戻
る際には、再び駆動用カム部がシャッタ駆動レバーを先
の方向とは逆の方向に回転してシャッタ羽根が開き位置
から閉じ位置に駆動する。これによれば、駆動用カム部
が回動レバーの僅かな回転によってシャッタ羽根を瞬時
に開閉させ、また保持用カム部がシャッタ羽根を開き位
置で保持するため、低輝度被写体に適した露出に制御
ることができる。
【0014】 なお、シャッタ羽根を2枚で構成しても
よい。2枚で構成すると、シャッタ開口を開閉する時間
が短縮され、露光ムラの防止が図れる。さらに、シャッ
タ羽根が閉じ位置に移動した際には、シャッタ羽根の移
動が速いためバウンドしてしまい、二重露光が行われる
恐れがある。そこで、シャッタ羽根が閉じ位置の際にシ
ャッタ駆動レバー又は回動レバーに当接するストッパー
を設け、このストッパーの当たり面をシャッタ駆動レバ
ー又は回動レバーの回動軌跡に対して傾斜して設けても
よい。ストッパーの当たり面をシャッタ駆動レバー又は
回動レバーの回動軌跡に対して略直角に設けると、シャ
ッタ駆動レバー又は回動レバーにはストッパーに当接し
た際の作用と同じ力の反作用が生じてしまい、シャッタ
羽根のバウンドを阻止できない。したがって、この反作
用を少なくするために、ストッパーの当たり面をシャッ
タ駆動レバー又は回動レバーの回動軌跡に対して傾斜し
て設けるのが好適である。
【0015】さらに、シャッタ駆動レバー又は回動レバ
ーの回動を規制する規制手段を設け、この規制手段の規
制に応じてシャッタ羽根が開き位置の状態を保持する時
間を変化させてもよい。
【0016】
【実施例】図2において、レンズ付きフイルムユニット
11は、ユニット本体12と、これを収納した外ケース
13とからなる。外ケース13には、綺麗なカラー印刷
が施され、また撮影時の注意事項等が印刷されている。
【0017】ユニット本体12には、外ケース13の開
口から露呈している撮影レンズ14、ファインダー対物
窓15、シャッタボタン16、フイルム残数表示窓1
7、巻き上げノブ18、及び撮影モード切替え摘み19
とが設けられている。撮影レンズ14は、2個のプラス
チックレンズで構成された焦点距離が、例えば100m
mのものが用いられており、フイルムユニット11の輪
郭形状から前方に突出して配置されている。ファインダ
ーは、2個のファインダーレンズによって構成されてお
り、これらのファインダーレンズの間にNDフィルター
やカラーフィルター等のフィルターが出入り自在に配置
されている。
【0018】撮影モード切替え摘み19は、日中撮影モ
ードと夜景撮影モードとの1つを選択するためのもので
あり、図2に示す位置で日中撮影モードが選択され、こ
れからスロット20の左端にスライド操作した場合には
夜景撮影モードが選択される。日中撮影モードの際に
は、フィルターがファインダー内に入り込み、また撮影
レンズ14の光軸上に小口径の絞り開口が位置する。さ
らに夜景撮影モードの際には、ファインダー内からフィ
ルターが退避し、このフィルターの退避移動に連動して
撮影レンズ14の光軸上に大口径の絞り開口が位置す
る。
【0019】ユニット本体12は、図3に示すように、
本体基部26、後カバー27、露光ユニット28、及び
前カバー29とからなる。本体基部26には、国際標準
規格(ISO:1007−1979年版)で規定された
135タイプの写真フイルムパトローネ31が装填され
る。この写真フイルムパトローネ31には、例えばIS
O800の高感度写真フイルム31aが用いられてい
る。
【0020】本体基部26の前面には、露光ユニット2
8が着脱自在に取り付けられる。露光ユニット28は、
撮影レンズ14を備えた露光付与機構、フイルムカウン
タ機構、絞り切替え機構、フィルター出入り機構、及び
フイルム巻き止め機構等が組み込まれており、これらは
一体化されている。後カバー27は、本体基部26の背
後に着脱自在に取り付けられ、本体基部26との間で写
真フイルム31aを光密にする。前カバー29は、本体
基部26の前面に着脱自在に取り付けられる。
【0021】写真フイルムパトローネ31は、写真フイ
ルム31aと、この写真フイルム31aを光密に収納す
るパトローネ31bとからなる。このパトローネ31b
は、写真フイルム31aの末端が固定されたスプール3
1cを備え、スプール31cが回転されたときに、その
外周に露光済みの写真フイルム31aを巻き取る。
【0022】本体基部26には、パトローネ31bを収
納するためのパトローネ収納室33と、パトローネ31
bから引き出した未露光の写真フイルム31aのロール
31dを収納するためのフイルム収納室34とが一体成
形されている。これらの底は開口となっており、後カバ
ー27に設けたプルトップ式の底蓋35,36によって
それぞれ塞がれる。底蓋36は写真フイルム31aをロ
ール状に巻き取るための治具等を挿入するための蓋であ
り、また、底蓋35は全コマ撮影終了後に撮影済みの写
真フイルム31aが収納されたパトローネ31bを取り
出す時の蓋となる。
【0023】巻き上げノブ18は、パトローネ収納室3
3の上面に回動自在に配置され、外部から操作が可能な
ように一部が後カバー27の開口37から露呈してい
る。そして、パトローネ31bが装填された際には巻き
上げノブ18の軸がパトローネ31bのスプール31c
に係合する。
【0024】パトローネ収納室33とフイルム収納室3
4との間には、露光枠38が位置しており、これには、
24×36mmのサイズの露光開口39が形成されてい
る。この露光開口39には、露光ユニット28の撮影レ
ンズ14を透過した被写体光が導かれる。なお、後カバ
ー27の右上端には、ファインダー接眼窓40が一体に
設けられている。また前カバー29には、右上端に設け
たファインダー対物窓15の他に、上面にスロット20
とシャッタボタン16とが一体に設けられている。
【0025】露光ユニット28には、暗箱41にシャッ
タ機構、フイルム巻き上げ機構、フイルムカウンタ機
構、レンズユニット、絞り切替え機構、及びフィルター
出入り機構とが組み込まれている。
【0026】暗箱41は、詳しくは図4及び図5に示す
ように、撮影レンズ14の光軸42をZ形にするため
に、正面上方に設けた正面上開口枠43、背面上方に設
けた背面上開口枠44、正面下方に設けた正面下開口枠
45、及び背面下方に設けた背面下開口枠46とがそれ
ぞれ一体に形成された形状となっている。正面上開口枠
43の前面には、カバー板47を介してシャッタユニッ
ト48、絞り切替えレバー49、及びレンズユニット5
0とが順に組み込まれる。
【0027】背面上開口枠44には増反射ミラー51が
取付けられ、さらに正面下開口枠45には増反射ミラー
52が取り付けられる。撮影レンズ14は、ファインダ
ー対物窓15とほぼ同じ高さに配置されている。そし
て、撮影レンズ14の光軸42は、増反射ミラー51及
び増反射ミラー52とによりZ形に折り畳まれた後、露
光開口39の背後に位置決めされた写真フイルム31a
に達する。撮影レンズ14を通った被写体光束は、広が
りながら写真フイルム31aに達するから、増反射ミラ
ー51は増反射ミラー52よりも小サイズでよい。ま
た、これらのミラー51,52を同じ傾斜角で傾けるこ
とによって、撮影レンズ14に水平に入射した光軸42
を写真フイルム31aに水平に入射させることができ
る。
【0028】なお、増反射ミラー51,52は、ガラス
基板の上にアルミニウム層、酸化セリウム層、及び、酸
化チタン層を順に層設し、700nmでの反射率が85
%以上とした反射ミラーである。また、正面上開口枠4
3と増反射ミラーとの間には、有効画角外からの斜入光
をカットするための遮光板53が取り付けられている。
さらに、正面上開口枠43と背面上開口枠44との上面
は開口54となっている。
【0029】暗箱41の右上には、対物レンズ55と接
眼レンズ56とを所定間隔で保持する保持枠57が一体
に形成されている。この保持枠57の上面も開口58と
なっている。これらの開口54,58の上には、これら
の内部を光密に塞ぎ、且つファインダーレンズ55,5
6を押さえるための天板59が着脱自在に取り付けられ
る。この天板59には、増反射ミラー51の非ミラー面
51aを覆う保護板60が一体に形成されている。この
保護板60によって増反射ミラー51が暗箱41に保持
される。
【0030】ファインダーレンズ55,56は、露光ユ
ニット28が本体基部26に取り付けられた際に、ファ
インダー対物窓15とファインダー接眼窓40との間に
配置され、対物レンズ55を凸、接眼レンズ56を凹と
の構成として写る範囲と同じ、又はこれよりも80%小
さめの視野範囲としている。
【0031】天板59の上には、光軸42に対して直交
する方向に移動自在な撮影モード切替えレバー62が取
り付けられている。この撮影モード切替えレバー62に
は、上面に撮影モード切替え摘み19が一体に形成さ
れ、また下面にフィルター63が取り付けられており、
これらでフィルター出入り機構を構成している。フィル
ター63は、撮影モード切替え摘み19を日中撮影モー
ドの位置に操作した際に、ファインダーレンズ55,5
6の間に挿入され、また、夜景撮影モードの位置に操作
した際に、ファインダーレンズ55,56の間から退避
する。この撮影モード切替えレバー62は、トグルバネ
64により日中撮影モード又は夜景撮影モードとのいず
れかの位置に向けて付勢されている。
【0032】フィルター63としては、NDフィルター
やカラーフィルター等が用いられ、これらは周知のよう
に減光フィルターであり、ファインダー対物窓15から
ファインダー接眼窓40に入射してくる被写体光を減光
し、減光された被写体光を撮影者が見ることが可能な場
合には、撮影者にそのままシャッタレリーズが可能であ
ることを把握させる。
【0033】フィルター出入り機構には、絞り切替え機
構が連動している。絞り切替え機構は、連動板65、及
び絞り切替えレバー49とから構成されている。連動板
65は、天板59の上面に光軸42に対して直交する方
向に向けて移動自在に取り付けられており、撮影モード
切替えレバー62の移動量よりも絞り切替えレバー49
の移動量を少なくするために、一端65aが遊びを持っ
た状態で撮影モード切替えレバー62に連結されてい
る。また、連動板65の他端65bは、絞り切替えレバ
ー49の一端49aに係合している。絞り切替えレバー
49は、カバー板47に設けられた光軸42と平行な軸
47aを中心に回動自在に配置されており、軸47を挟
んだ他端に小口径、例えば直径2〜3mmの絞り開口4
9bが形成されている。この小口径の絞り開口49b
は、撮影モード切替え摘み19が日中撮影モードの位置
の際に光軸42の上のシャッタユニット48とレンズユ
ニット50との間に挿入され、また夜景撮影モードの位
置の際に光軸42の上から退避する。
【0034】暗箱41の左上には、周知のシャッタ機
構、フイルム巻き上げ機構、及び、フイルムカウンタ機
構を構成する従動スプロケット67、カム部材68、係
止レバー69、バネ70、蹴飛ばしレバー71、枚数表
示板72が取り付けられており、蹴飛ばしレバー71の
蹴飛ばし力が回動レバー76、シャッタ駆動レバー7
8、及びシャッタユニット48に順に伝達される。
【0035】カム部材68の軸には従動スプロケット6
7が係合しており、これらはフイルム1コマ送りに従動
して1回転する。カム部材68の回転によって蹴飛ばし
レバー71が軸73を中心に時計方向に回転するととも
に、係止レバー69が軸74を中心として反時計方向に
回転する。そして、カム部材68が一回転すると、係止
レバー69がカム部材68の回転をロックしてフイルム
巻き止めを行うとともに、蹴飛ばしレバー71をチャー
ジ位置に保持する。バネ70は、捩じりバネとなってお
り、係止レバー69を時計方向に、また蹴飛ばしレバー
71を反時計方向に向けてそれぞれ付勢している。カム
部材68が一回転した際には、枚数表示板72が1目盛
分だけ回転する。
【0036】シャッタボタン16の押下によって係止レ
バー69が反時計方向に押圧される。これによりフイル
ム巻き止めが解除されるとともに、蹴飛ばしレバー71
がバネ70の付勢によってチャージ位置から初期位置に
向けて回転する。このシャッタ駆動レバー71の立ち下
がり片71aには、蹴飛ばしアーム71bが一体に形成
されている。蹴飛ばしアーム71bの移動路には、回動
レバー76の爪部76aが君臨している。
【0037】回動レバー76は、光軸42と平行に設け
られた軸75に回動自在に取り付けられており、詳しく
は図1に示すように、軸75の上方に設けられた爪部7
6aの他に、軸75を挟んだ両側にセクター片76bと
突出片76cとがそれぞれ一体に形成されている。セク
ター片76bは、シャッタ駆動レバー78の回転振れを
防止するために扇形状となっており、前面側が前方に向
けて一段突出している。このセクター片76bの突出し
た面には、前方に向けて突出した連結ピン76dが一体
に形成されている。この連結ピン76dは、シャッタ駆
動レバー78に連結され、回動レバー76の回転力をシ
ャッタ駆動レバー78に伝達する。
【0038】バネ77は、一端のフック77aが突出片
76cに形成したピン76eに、また他端のフック77
bが暗箱41に一体に形成したピン80にそれぞれ引っ
かけられ、回動レバー76を反時計方向に付勢してい
る。そして、暗箱41には、突出片76cに当接し、バ
ネ77の付勢に抗して回動レバー76の回動を阻止する
ストッパー79が一体に形成されている。
【0039】爪部76aが蹴飛ばしアーム71bで蹴飛
ばされることにより回動レバー76は軸75を中心とし
て時計方向に回転してシャッタ駆動レバー78を回転さ
せる。そして、蹴飛ばしレバー71が初期位置に回転し
た後には、蹴飛ばしアーム71bが爪部76aを乗り越
え、バネ77の付勢により回動レバー76が初期位置に
引き戻され、ストッパー79に当接する。この当接時に
回動レバー76のバウンドを防止するためにストッパー
79は、突出片76cに当接する面が突出片76cの回
動軌跡に対して傾斜するように設けられている。
【0040】シャッタ駆動レバー78は、光軸42と平
行な軸81を中心として回動自在に取り付けられてお
り、軸81に嵌め込まれる軸受部78a、軸受部78a
を挟んだ両端側にレバー78b,78cがそれぞれ一体
に形成されている。レバー78bには、前方に向けて突
出した連結ピン78dが一体に形成され、またセクター
片76bに摺動するレバー78cには、カム孔78eが
形成されている。連結ピン78dは、シャッタユニット
48のシャッタ羽根84,85に係合される。カム孔7
8eには、前記連結ピン76dが嵌入される。なお、軸
75,81は、暗箱41に一体に形成されている。
【0041】このシャッタ駆動レバー78は、前方に突
出した撮影レンズ14の直後で開閉するシャッタ羽根
に、これから光軸42に沿って凹んだ位置に配置された
回動レバー76の回転力を伝達するために、シャッタ連
結ピン78dとカム孔78eとが光軸42に対して異な
った面で揺動するように、断面がクランク状に折り曲げ
て形成されている。したがって、シャッタ連結ピン78
dとカム孔78eとが光軸42の方向に対して異なった
面で揺動するようにしたから、撮影レンズ14の回りの
広い範囲にわたって突出させなくても撮影レンズ14だ
けを前方に突出させることができ、フイルムユニット1
1の薄型化を図ることができるとともに、撮影レンズ1
4の焦点距離を、例えば200mmに変更しても、撮影
レンズ14の突出量に合わせてシャッタ駆動レバー78
の軸受部78aの長さを長くするだけでよいから、シャ
ッタ機構の大がかりな設計変更を伴うことがない。
【0042】シャッタユニット48は、シャッタベース
83、同形状をなす一対のシャッタ羽根84,85、及
びシャッタカバー86とから構成されている。シャッタ
ベース83には、光軸42の上に設けられたシャッタ開
口83aと、増反射ミラー52の非ミラー面52aを覆
う保護板83bとが一体に形成されている。また、シャ
ッタカバー86には、光軸42の上に、絞り切替えレバ
ー49の絞り開口49bよりも大きい大口径、例えば直
径約5〜6mmの絞り開口86aが形成されている。
【0043】一対のシャッタ羽根84,85は、シャッ
タベース83に形成された2つの軸83c,83dを中
心にそれぞれ回動自在に配置されており、これらの軸8
3c,83dの間にはシャッタベース83の開口83e
を介して前記シャッタ連結ピン78dが入り込む係合孔
84a,85aがそれぞれに設けられている。したがっ
て、シャッタ駆動レバー78が回動するとシャッタ連結
ピン78dによって一対のシャッタ羽根84,85が同
時に開閉する。シャッタ羽根84,85の開閉は、シャ
ッタ開口83aを閉じた閉じ位置とシャッタ開口83a
を全開した開き位置との間で行われる。この開閉は、2
枚のシャッタ羽根84,85で行うようにしているため
瞬時に行え、露光ムラの防止に寄与している。
【0044】また、露光ムラの防止と低輝度被写体に適
した露出が得られるようにするために、シャッタ駆動レ
バー78のカム孔78eは、駆動用カム孔78fと保持
用カム孔78gとから構成されている。連結ピン76d
は、常態が駆動用カム孔78fの最上部に位置してお
り、回動レバー76の回転により駆動用カム孔78fか
ら保持用カム孔78gに向けて移動する。駆動用カム孔
78fは、回動レバー76の回動力をシャッタ駆動レバ
ー78に伝達し、シャッタ羽根84,85を開閉させ
る。保持用カム孔78gは、回動レバー76の回動力を
シャッタ駆動レバー78に伝達させなように、回動レバ
ー76の軸75を中心とした同一半径上に沿って形成さ
れている。したがって、保持用カム孔78gは、これに
連結ピン76dが位置している間ではシャッタ羽根8
4,58を開き位置の状態のままで保持する。
【0045】レンズユニット50は、図6に示すよう
に、レンズベース90、レンズ部91、及びレンズ固定
環92とから構成されており、これらはシャッタユニッ
ト48の前面に着脱自在に取り付けられる。レンズ部9
1は、レンズ保持環93、撮影レンズ14を構成する後
レンズ94、前レンズ95、レンズ94,95との間に
挿入されるスペーサ96、及びレンズ押さえ環97とか
らなり、これらは一体化されている。
【0046】レンズベース90には、レンズ部91が挿
入されるレンズ筒90aが一体に形成されており、これ
らの内部には、レンズ部91を光軸42の方向に進退さ
せるためのカム面90bが形成されている。これらのカ
ム面90bには、レンズ保持環93の外周に設けられた
螺旋状の突状部93aの背面側がそれぞれ当接する。突
状部93aは、背面側が平面となっており、また前面側
が階段状に形成されている。この階段状には、レンズ固
定環92に設けた弾性自在な爪部92aがそれぞれ当接
する。したがって、レンズ部91を回動させて突状部9
3aの前面に爪部92aをクリック係合させてゆくこと
により、レンズ部91が光軸42の方向に沿って約0.
2mm毎に進退し、撮影レンズ14のピント調整が簡単
に行える。このピント調整は、露光ユニット28を組み
立てた後に行われる。
【0047】また、撮影レンズ14のピント調整が行わ
れることから、撮影レンズ14のピント検査を行う必要
がある。このピント検査は、写真フイルムパトローネ3
1を装填する前、すなわち、露光ユニット28を本体基
部26に取り付け、これの前面に前カバー29を取り付
けた後に行い、また、光学系の検査時間が充分な時間だ
けとれるように、外部からシャッタ羽根84,85の開
閉操作が行えることができるようにしておく必要があ
る。そこで、図7及び図8に示すように、前カバー29
には、回動レバー76のピン76eを露呈させるための
シャッタ操作開口99が形成されている。このシャッタ
操作開口99を通してピン76eを上下操作することに
より回動レバー76が回動し、シャッタ羽根84,85
を希望する時間だけ開き位置に保持することができる。
【0048】次に上記実施例の作用を説明する。フイル
ムユニット11は、撮影モード切替え摘み19が日中撮
影モードにセットされた状態で防湿防温のガゼット袋に
収納されている。購入後、ガゼット袋を破いて、フイル
ムユニット11を取り出す。この取り出したときには、
外ケース13のスロット20の両端の部分に、図2に示
すように、太陽マーク13aと月マーク13bとが施さ
れているので、写真知識を有するユーザーでは日中撮影
と夜景撮影とが随時切替えできるタイプであることが確
実に理解できる。
【0049】日中撮影モードの状態では、光軸42の上
に小口径の絞り開口49bが位置しており、また、ファ
インダーレンズ55,56の間にフィルター63が挿入
された状態となっている。
【0050】撮影を行う場合には、先ず、巻き上げノブ
18を回してフイルム巻き上げを行う。このフイルム巻
き上げによって、写真フイルム31aがパトローネ31
bのスプール31cに巻かれる。写真フイルム31aが
1コマ分だけパトローネ31bに巻き上げされると、従
動スプロケット67を介してカム部材68が僅かに回転
し、係止レバー69によって蹴飛ばしレバー71がチャ
ージ位置で保持される。このとき、フイルム巻き止め機
構が作動して従動スプロケット67の回転が阻止され
る。
【0051】シャッタチャージ後、ユーザーは、ファイ
ンダー接眼窓40から、撮影すべきシーンを観察する。
このとき、フィンダーレンズ55,56の間にフィルタ
ー63が挿入された状態となっている。そこで、このフ
ァインダーを覗いたときに、フィルター63によって減
光された被写体光を観察することになるので違和感を持
つ。この時点で外ケース13の印刷を読むことによっ
て、このフイルムユニット11が、日中撮影/夜景撮影
の両方ができるタイプであることに気がつく。したがっ
て、初心者であっても、日中撮影もしくは夜景撮影を適
宜選択して、撮影を行うことが可能となる。
【0052】ファインダー接眼窓40を覗いてフレーミ
ングを行う。ファインダーレンズ55,56の光軸は、
撮影レンズ14の光軸42と平行で、しかもほぼ同じ高
さ位置で接近した位置にあるため、近距離にある被写体
に対してもパララックスがほとんど生じることがない。
【0053】シャッタボタン16を押下すると、係止レ
バー69が反時計方向に付勢される。これにより、蹴飛
ばしレバー71がバネ70の付勢によって軸73を中心
に時計方向に回転するとともに、フイルム巻き止め機構
のロックが解除される。
【0054】シャッタ機構は、図9に示すような状態と
なっている。すなわち、回動レバー76は、バネ77に
より軸75を中心として反時計方向に付勢されており、
突出片76cがストッパー79に当接した状態となって
いる。この状態では、連結ピン76dが駆動用カム孔7
8fの最上部に位置している。これにより、シャッタ羽
根84,85は、シャッタ開口83aを閉じた閉じ位置
の状態となっている。
【0055】蹴飛ばしレバー71がチャージ位置から初
期位置に向けて回転すると、蹴飛ばしアーム71bが回
動レバー76の爪部76aを蹴飛ばし、回動レバー76
がバネ77の付勢に抗して軸75を中心に時計方向に回
転する。これにより連結ピン76dは、駆動用カム孔7
8fの最下部に向けて移動してシャッタ駆動レバー78
を軸81を中心に反時計方向に回転させる。このシャッ
タ駆動レバー78の回転により、シャッタ羽根84が軸
83cを中心に反時計方向に回転され、またこれと同時
にシャッタ羽根85が軸83dを中心として時計方向に
回転する。そして、連結ピン76dが駆動用カム孔78
fの最下部に位置した時点で、図10に示すように、シ
ャッタ羽根84,85が開き位置の状態となる。この間
のシャッタ羽根84,85の移動は、2枚のシャッタ羽
根84,85によって行われるため、また、回動レバー
76の僅かな回転で移動するため、迅速に行われる。こ
れにより、露光ムラの防止を図ることができる。
【0056】蹴飛ばしアーム71bの蹴飛ばしが継続さ
れてゆくと、図11に示すように、回動レバー76が同
図に二点鎖線で示す位置まで回転する。これにより連結
ピン76dは、保持用カム孔78gに入り込んで保持用
カム孔78gの最下部の位置(同図に二点鎖線で示す位
置)まで移動する。この間、保持用カム孔78gが軸7
5を中心とする同一半径上に形成されているから、シャ
ッタ駆動レバー78が回転しない。
【0057】蹴飛ばしアーム71bが爪部76aを乗り
越えた時点で回動レバー76がバネ77の付勢によって
初期位置に引き戻され、連結ピン76dが保持用カム孔
78gの最上部の位置(同図に実線に示した位置)に戻
る。この間もシャッタ駆動レバー78が回転していない
ため、シャッタ羽根84,85が開き位置の状態で保持
されている。そして、連結ピン76dが駆動用カム孔7
8fに入り込むこにより、シャッタ駆動レバー78が軸
81を中心に時計方向に回転され、シャッタ羽根84,
85が閉じ位置に向けて回転する。そして、回動レバー
76が初期位置に戻った時点で、図9に示すように、シ
ャッタ羽根84,85が閉じ位置の状態となる。このと
き、回動レバー76の突出片76cがストッパー79に
当接し、回動レバー76のバウンドが防止され、多重露
光の防止が行われる。
【0058】シャッタ羽根84,85が開閉中には、撮
影レンズ14を透過した被写体光が小口径の絞り開口4
9bを通過してシャッタ開口83aから入射する。この
被写体光は、遮光板53を通って増反射ミラー51で増
反射ミラー52に向けて反射され、さらに増反射ミラー
52で背面下開口枠46に向けて反射されて露光開口3
9に導かれ、写真フイルム31aに照射される。写真フ
イルム31aへの露光は、絞り開口49bが小口径とな
っているから、高輝度被写体に適した露出で行われる。
【0059】ファインダーを覗いたときに、フィルター
63によって減光された被写体光を観察することができ
ない場合には、撮影モード切替え摘み19を夜景撮影モ
ードの位置に切替える。これにより、撮影モード切替え
レバー62が光軸42に対して直交する方向にスライド
移動し、ファインダーレンズ55,56の間からフィル
ター63が退避する。さらに、撮影モード切替えレバー
62の移動によって絞り切替えレバー49が軸47aを
中心として反時計方向に回転し、絞り開口49bが光軸
42の上から退避する。
【0060】フィルター63が退避すると、ファインダ
ーに入射する被写体光をそのまま観察することができる
ので、フレーミングを行ってからシャッタボタン16を
押下する。これにより、前述したと同じにシャッタ羽根
84,85が開閉し、撮影レンズ14を通過した被写体
光が大口径の絞り開口86aを通過して、写真フイルム
31aに入射する。この露光は、絞り開口86aが大口
径となっているから、低輝度被写体に適した露出で行わ
れる。
【0061】以下、フイルム巻き上げの前又は後に、撮
影モード切替え摘み19を操作して日中撮影と夜景撮影
とのいずれか一方を選択しながら撮影を行う。そして、
全てのコマの撮影が終了した後に、フイルムユニット1
1は、写真フイルムパトローネ31を入れたままの状態
で現像所に提出される。現像所では、フイルムユニット
11から、写真フイルムパトローネ31を取り出し、パ
トローネ31bから写真フイルム31aを引き出して周
知の現像及びプリント処理を行う。そして、ユーザーに
プリント写真と現像済みの写真フイルム31aとを返却
する。空となったフイルムユニット11は、ユーザーに
返却されることなく、工場に回収されてリサイクルされ
る。
【0062】上記実施例では、回動レバー76の突出片
76cにストッパー79を当接させるようにしている
が、本発明ではこれに限らず、シャッタ駆動レバー78
のレバー78b又はレバー78cのいずれか一方に当接
させてもよい。この場合でも、ストッパーの当たり面を
シャッタ駆動レバー78の回動軌跡に対して傾斜して配
置することで、シャッタ羽根84,58が閉じ位置に移
動した際のバウンドを防止することができる。
【0063】ところで、上記実施例で説明したカム孔7
8eは、連結ピン76dの直径に沿って形成されたスロ
ット開口となっているため、万が一カム孔78eと連結
ピン76dとの間に砂等が噛み込むとシャッタ羽根8
4,85が開閉しなくなる。そこで、このような不具合
を解消するために、図12に示すように、連結ピン76
dがシャッタ駆動レバー78を回動させるのに必要なカ
ム孔78eのみを残し、その他の部分(ハッチィングで
示した範囲)を連結ピン76dに摺接しないように凹ま
すことにより、砂等の噛み込みによるシャッタ羽根8
4,85のロックが防止できる。
【0064】さらに、図13に示すように、凹ました部
分のうち保持用カム部78gの方を切り欠いてもよい。
したがって、連結ピン76dがシャッタ駆動レバー78
を回動させるのに必要なカム孔78eのうち図12及び
図13に一点鎖線Aで示した部分が駆動用カム部78
f、また二点鎖線Bで示した部分が保持用カム部78g
となる。そして、保持用カム部78gの上端位置120
がシャッタ羽根84,85を開き位置に移動させるタイ
ミングを決定し、また、駆動用カム部78fのうち下端
位置121がシャッタ羽根84,58を閉じ位置に移動
させるタイミングを決定する。これらの保持用カム部7
8gの上端位置120、及び駆動用カム部78fの下端
位置121をずらすことによりシャッタ羽根84,85
の開閉時間を適宜に変えることができる。
【0065】シャッタ羽根84,85の開閉時間を変化
させる例としては、回動レバー76の回動を規制する規
制手段を設ける。規制手段としては、図14に示すよう
に、保護板83bの左側で、且つ回動レバー76の前面
に設けた保護カバー130に、回動レバー76のピン7
6e用規制開口131を設け、この規制開口131の長
さで回動レバー76の回動量を規制してもよい。そし
て、シャッタ羽根84,85を開き位置の状態で保持す
る時間が変化するように、回動レバー76の回動を規制
する。これによれば、高速なシャッタ時間を得るために
は、連結ピン76dが保持用カム部78gに入り込んだ
瞬間、すなわち、図15及び図16に示すように、シャ
ッタ羽根84,85が開き位置の状態になった瞬間に戻
るように回動レバー76の回動を規制すればよい。そし
て、低速なシャッタ時間を得るためには、図15に示す
規制開口131の上端側を延長して、回動レバー76の
回動量を増やせば、シャッタ羽根84,85を開き位置
の状態で保持する時間が増す。
【0066】なお、逃げ用開口131の代わりとして
は、図17に示すように、保持用カム部78gを省略
し、駆動用カム部78fだけとしたカム孔78eとして
も同じ効果が得られる。
【0067】図18ないし図20は、2枚のシャッタ羽
根84,85の代わりに、1枚のシャッタ羽根100を
用い、ローコスト化を図ったシャッタ機構の実施例を示
すものであり、図1ないし図11に示す実施例と実質的
に同じ部材には同じ符号を付してある。図18に示すよ
うに、シャッタ羽根100は、軸101を中心に回動自
在に取り付けられており、軸101の右側にシャッタ駆
動レバー78のシャッタ駆動ピン78dが係合する係合
孔100aが、また、軸101の上方には、シャッタ開
口83aを塞ぐ羽根部101bが形成されている。
【0068】回動レバー76が蹴飛ばしレバー71の蹴
飛ばしにより回転し、駆動ピン76dが駆動用カム孔7
8fを移動する間でシャッタ羽根100は、軸101を
中心として時計方向に回転され、図19に示すように、
羽根部101bがシャッタ開口83aを全開した開き位
置に移動する。さらに、回動レバー76が回転すると、
連結ピン76dが保持用カム孔78gに入り込む。連結
ピン76dが保持用カム孔78gに入り込んでいる間で
は、図20に示すように、シャッタ駆動レバー78が回
転しないため、シャッタ羽根100が開き位置の状態で
保持される。そして、蹴飛ばしアーム71bが爪部76
aを乗り越えると、回動レバー76がバネ7の付勢によ
って初期位置に向けて引き戻され、連結ピン76dが駆
動用カム孔78fに入り込む。これによりシャッタ羽根
100が開き位置から閉じ位置に向けて戻され、図18
に示すように羽根部101bがシャッタ開口83aを閉
じた閉じ位置の状態に戻る。
【0069】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で
は、回動レバーの僅かな回動により駆動用カム部がシャ
ッタ駆動レバーを回動させ、シャッタ羽根を閉じ位置と
開き位置との間で開閉させるから、シャッタ開口の開閉
が瞬時に行え露光ムラの防止が図れる。また、シャッタ
羽根を開き位置の状態で保持する保持用カム部を備えて
いるから、例えば、ナイターの照明下等の低輝度被写体
光に対しても最適な露出で露光が行える。
【0070】 また、請求項2記載の発明によれば、逃
がし用の凹みを駆動用カム部と保持用カム部に設けたか
ら、砂などが連結ピンとカム孔との間に入り込んでも確
実にシャッタ羽根を開閉することができる。さらに、請
求項3記載の発明では、シャッタ駆動レバー又は回動レ
バーの回動を規制する規制手段を設け、この規制手段の
規制に応じてシャッタ羽根が開き位置の状態を保持する
時間を変化させたから、容易にシャッタ時間の制御が行
える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャッタ機構の要部を示す分解斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視
図である。
【図3】ユニット本体を示す分解斜視図である。
【図4】露光ユニットの分解斜視図である。
【図5】ユニット本体の断面図である。
【図6】レンズユニットの分解斜視図である。
【図7】前カバーのシャッタ操作開口からピンが露呈さ
れている状態を示すユニット本体の正面図である。
【図8】前カバーのシャッタ操作開口からピンを操作し
てシャッタ羽根を開き位置に保持した状態を示すユニッ
ト本体の正面図である。
【図9】シャッタ機構の動作説明図であり、シャッタ羽
根の閉じ位置の状態を示している。
【図10】図9に示したシャッタ機構の動作説明図であ
り、シャッタ羽根の開き位置の状態を示している。
【図11】図9に示したシャッタ機構の動作説明図であ
り、シャッタ羽根を開き位置に保持した状態を示してい
る。
【図12】カム孔の別の実施例を示す説明図である。
【図13】カム孔の他の実施例を示す説明図である。
【図14】回動レバーの回動を規制する規制開口を設け
た実施例を示す要部分解斜視図である。
【図15】図14に示したシャッタ機構の動作説明図で
あり、シャッタ羽根の閉じ位置状態を示している。
【図16】図14に示したシャッタ機構の動作説明図で
あり、シャッタ羽根の開き位置状態を示している。
【図17】シャッタ駆動レバーに駆動用カム78fだけ
を設けた実施例を示す説明図である。
【図18】1枚のシャッタ羽根を用いたシャッタ機構の
動作説明図であり、シャッタ羽根の閉じ位置の状態を示
している。
【図19】図18に示したシャッタ機構の動作説明図で
あり、シャッタ羽根の開き位置の状態を示している。
【図20】図18に示したシャッタ機構の動作説明図で
あり、シャッタ羽根を開き位置に保持した状態を示して
いる。
【符号の説明】
11 レンズ付きフイルムユニット 12 ユニット本体 14 撮影レンズ 26 本体基部 27 後カバー 28 露光ユニット 29 前カバー 49b,86a 絞り開口 51,52 増反射ミラー 71 蹴飛ばしレバー 76 回動レバー 78 シャッタ駆動レバー 79 ストッパー 84,85,100 シャッタ羽根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹島 秀夫 茨城県那珂郡大宮町東野字泉4112番地 水戸富士光機株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−253719(JP,A) 特開 平5−127220(JP,A) 特開 平2−287332(JP,A) 実開 昭56−7920(JP,U) 実公 昭45−16213(JP,Y1) 実公 昭32−11067(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 9/10 G03B 9/14 G03C 3/00 575

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルム巻き上げ操作で初期位置からチ
    ャージ位置に往動し、シャッタレリーズ操作でチャージ
    位置から初期位置に復動する蹴飛ばしアームと、蹴飛ば
    しアームの復動時にシャッタ開口を閉じた閉じ位置とこ
    れを開いた開き位置との間で一往復開閉するシャッタ羽
    根と、このシャッタ羽根を閉じ位置に向けて付勢する付
    勢部材と、蹴飛ばしアームの復動時に蹴飛ばされて一往
    復回動する回動レバーと、この回動レバーに連結されて
    シャッタ羽根を開閉するシャッタ駆動レバーとを備えた
    レンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記シャッタ駆動レバーは、前記蹴飛ばしアームで蹴飛
    ばされる回動レバーの回転量よりも少ない回転量で前記
    シャッタ羽根を開閉するとともに、前記シャッタ駆動レ
    バーに、前記回動レバーの回転力が伝達されるカム部を
    設け、前記カム部を、前記回動レバーの往動時の回転域
    のうちの回転初期位置とこれから僅かに回転した第1位
    置との間で前記回動レバーが回転するときに得られる回
    転力を受けて前記シャッタ羽根を開閉させる駆動用カム
    部と、前記回動レバーが前記第1位置と復動に切り替わ
    る折り返し位置との間で回転するときにシャッタ駆動レ
    バーを回転させずに前記シャッタ羽根を開き位置の状態
    に保持する保持用カム部とで構成したことを特徴とする
    レンズ付きフイルムユニット。
  2. 【請求項2】 前記カム部を、前記回動レバーに設けた
    ピンが係合するカム孔とし、前記ピンに径方向から当接
    する前記カム孔の両縁のうちの前記シャッタ駆動レバー
    を回転又は保持するのに必要な一縁に対向する他縁を凹
    ましたことを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイ
    ルムユニット。
  3. 【請求項3】 フイルム巻き上げ操作で初期位置からチ
    ャージ位置に往動し、シャッタレリーズ操作でチャージ
    位置から初期位置に復動する蹴飛ばしアームと、蹴飛ば
    しアームの復動時にシャッタ開口を閉じた閉じ位置とこ
    れを開いた開き位置との間で一往復開閉するシャッタ羽
    根と、このシャッタ羽根を閉じ位置に向けて付勢する付
    勢部材とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおい
    て、 蹴飛ばしアームの復動時に蹴飛ばされて一往復回動する
    回動レバーと、この回動レバーに連結されてシャッタ羽
    根を開閉するシャッタ駆動レバーとを備え、前記シャッ
    タ駆動レバーをクランク状に折り曲げて形成し、前記回
    動レバーとシャッタ羽根とを光軸方向に対して異なった
    面で揺動させるようにするとともに、シャッタ羽根を開
    き位置の状態で保持する時間が変化するように、前記シ
    ャッタ駆動レバー又は回動レバーの回動を規制する規制
    手段を設けたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニ
    ット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016153512A1 (en) * 2015-03-26 2016-09-29 Hewlett-Packard Development Company L. P. Camera shutters

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WO2016153512A1 (en) * 2015-03-26 2016-09-29 Hewlett-Packard Development Company L. P. Camera shutters
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