JP3606598B2 - レンズ付きフィルムユニットのピント調整方法及びその機構 - Google Patents

レンズ付きフィルムユニットのピント調整方法及びその機構 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットに用いられるピント調整方法及びその機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラを携帯していない場合でも手軽に写真撮影が可能なレンズ付きフイルムユニット(商品名「写ルンですフラッシュ」等)が本出願人からも提供されている。このレンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズ,シャッタを含む簡単な撮影機構の他、ストロボ装置及びフイルム巻上げ機構などを備えたユニット本体に、国際標準規格(ISO 1007−1979年版)で規定されたパトローネ付きフイルムを内蔵させたものである。これを購入したユーザーは、室内や暗い所でも手軽に写真撮影を楽しむことができ、しかも撮影終了後には、撮影済みの写真フイルムを取り出すことなく、そのままユニット本体ごと現像取扱店に出せばよく、フイルム巻き戻しやパトローネの取り出しなどの面倒な操作を行う必要はない。
【0003】
上述したレンズ付きフイルムユニットのバリエーションの中には、実開平2−104340号公報で提案された望遠タイプのものがある。望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットは、撮影レンズからフイルム露光面までの間に2枚の反射ミラーを配置し、撮影光路をZ字型にして焦点距離を70〜80mmに延ばしたものである。この望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットは、比較的遠方の被写体を撮影するのに適している。しかしながら、遠方の被写体にはストロボ装置の光は届かないので、ストロボ装置は採用されていない。そのため、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットは、昼間の屋外でしか撮影を行うことができなかった。
【0004】
このような望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットを使用する機会としては、広い競技場内で行われるスポーツ、例えばサッカーや野球等の選手を撮影することが考えられる。しかし、従来のレンズ付きフイルムユニットでは若干焦点距離が短いため、このようなスポーツは昼間だけではなく夜間にもナイター競技として行われことが多く、従来の望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットでは選手を大きく写すことができなかった。また、これらの競技は昼間のみでなく夜間にもナイター競技として行われることが多いが、従来の望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットでは明るさが足りないため撮影することができなかった
【0005】
上記問題点を解決するために、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットに明るい撮影レンズを使用し、焦点距離を100mm程度に延ばすことが考えられる。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットに使用される撮影レンズは低コストに製造するためにプラスチック製のものを用いており、明るい撮影レンズとするためにはレンズの口径を大きくしなければならない。また、撮影光軸がZ字型であるため、通常の直線的な撮影光軸のレンズ付きフイルムユニットよりも各部品の加工精度,組立て精度の影響を受けやすく、長焦点化に際しては組立て時にピント調整を行う必要が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決するために、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットに明るい撮影レンズを使用し、焦点距離を100mm程度に延ばすことが考えられる。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットに使用される撮影レンズは低コストに製造するためにプラスチック製のものを用いており、明るい撮影レンズとするためにはレンズの口径を大きくしなければならない。また、撮影光軸がZ字型であるため、通常の直線的な撮影光軸のレンズ付きフイルムユニットよりも各部品の加工精度,組立て精度の影響を受けやすく、長焦点化に際しては組立て時にピント調整を行う必要が生じる。
【0007】
ピント調整機構としては、撮影レンズを前後方向に移動させるヘリコイド方式が挙げられるが、この方式は撮影レンズを保持するレンズホルダと鏡胴との間に複雑な機構を組み込むため、撮影レンズ周囲に大きなスペースが必要となり、更にピント調整後には接着剤等でその位置を固定する必要がある。しかしながら、レンズ付きフイルムユニットは小型化が望まれているため、大きなスペースを必要とするヘリコイド方式は採用できない。また、レンズ付きフイルムユニットは、使用後に回収して再利用されるので接着剤を用いると分解ができなくなり、リサイクル適正が悪化する。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、省スペース,低コストでリサイクル適正に優れ、安定したピント調整が可能なピント調整方法及びその機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1記載の発明はピント調節方法として、撮影レンズを保持して鏡胴内に回動自在に収納されたレンズホルダを回動すると、レンズホルダの外周に形成された螺旋状の突条部の背面側が鏡胴の内壁に形成された突出片に摺接し、レンズホルダが撮影光軸に沿って前あるいは後ろに移動され、突条部の前面側に形成された歯列と弾性を有する係合片との係合によりレンズホルダが固定されるようにしたものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、突出片として、鏡胴内壁に撮影光軸に沿って螺旋状に形成したカム面としたものである。
【0011】
更に、請求項3記載の発明は、内壁に突出片が形成された円筒状の鏡胴と、撮影レンズを保持するとともに鏡胴に回動自在に収納されるレンズホルダと、このレンズホルダの外壁に形成され、背面が突出片に当接し前面に歯列が形成された螺旋状の突条部と、この突条部の歯列と係合する弾性を有した係合片が一体に形成され前記鏡胴に被せられる円筒状のレンズカバーとから、ピント調整機構を構成したものである。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、突出片として、鏡胴内壁に撮影光軸に沿って螺旋状に形成したカム面としたものである。
【0013】
更に、請求項5記載の発明は、ピント調整機構の前面側を覆う外板の内壁に、係合片を押圧する突起を設けたものである。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、突条部の歯列のピッチをピッチ角4°(レンズホルダの外壁全周を90等分)とし、カム面及び突条部の傾斜を前記係合片と歯列との係合が1段移動するごとにレンズホルダが前あるいは後ろに0.2mm移動するのに必要な角度としたものである。
【0015】
【作用】
鏡胴内部に回動自在に収納されているレンズホルダを回動させる。レンズホルダは撮影レンズを保持した状態で回動し、回動に伴いレンズホルダに一体に設けられた突条部の歯列と、鏡胴に被せられるレンズカバーに形成された係合片との係合が移動する。歯列はピッチ角4°であるため、歯列と係合片との係合が1段移動するたびにレンズホルダは4°回転する。また、レンズホルダは、突条部の背面側が鏡胴内の突出片に対して摺接し、突条部が螺旋状とされているのでレンズホルダは前あるいは後ろに移動する。更に、突出片をカム面とすることにより突条部との摺接がスムースに行われ、ピント調整が容易になる。また、レンズホルダの前後への移動は、歯列と係合片との係合が1段移動するごとに0.2mmとなるように、カム面と突条部との傾斜が設定されている。
【0016】
【実施例】
図2において、レンズ付きフイルムユニット11は、ユニット本体12と、これを収納した外ケース13とから構成されている。外ケース13には、綺麗なカラー印刷が施され、また撮影時の注意事項等が印刷されている。
【0017】
ユニット本体12には、外ケース13の開口から露呈されている撮影レンズ14,ファインダ対物窓15,シャッタボタン16,フイルム残数表示窓17,巻上げノブ18,及び撮影モード切替え摘み19が設けられている。撮影レンズ14は、2個のプラスチックレンズで構成されており、焦点距離が、例えば100mmである。ファインダは、2個のファインダレンズによって構成されたガリレオタイプのファインダであり、これらのファインダレンズの間にフィルタが出入り自在に配置されている。
【0018】
撮影モード切替え摘み19は、日中撮影モードと夜景撮影モードとのいずれか1つを選択するためのものであり、図に示す位置で日中撮影モードが選択され、これからスロット20の左端にスライド操作した場合には夜景撮影モードが選択される。日中撮影モードの際には、フィルタがファインダ内に入り込み、また撮影レンズ14の光軸上に小口径の絞り開口が配置される。さらに夜景撮影モードの際には、ファインダ内からフィルタが退避し、このフィルタの退避移動に連動して撮影レンズ14の光軸上に大口径の絞り開口が配置される。
【0019】
ユニット本体12は、図3に示すように本体基部26,後カバー27,露光ユニット28,及び前カバー29とから構成されている。本体基部26には、国際標準規格(ISO:1007−1979年版)で規定された135タイプの写真フイルムパトローネ31が装填される。この写真フイルムパトローネ31には、例えばISO800の高感度写真フイルム31aが用いられている。
【0020】
本体基部26の前面には、露光ユニット28が着脱自在に取り付けられる。露光ユニット28は、撮影レンズ14を備えた露光付与機構,フイルムカウンタ機構,絞り切替え機構,フィルタ出入り機構,及びフイルム巻き止め機構等が組み込まれており、これらは一体化されている。後カバー27は、本体基部26の背後に着脱自在に取り付けられ、本体基部26との間で写真フイルム31aを光密に収納する。前カバー29は、本体基部26の前面に着脱自在に取り付けられる。
【0021】
写真フイルムパトローネ31は、写真フイルム31aと、この写真フイルム31aを光密に収納するパトローネ31bとからなる。このパトローネ31bは、写真フイルム31aの末端が固定されたスプール31cが回転されたときに、露光済みの写真フイルム31aを巻き取るようになっている。
【0022】
本体基部26には、パトローネ31bを収納するためのパトローネ収納室33と、パトローネ31bから引き出されて巻かれた未露光の写真フイルムロール31dを収納するためのフイルム収納室34とが一体成形されている。これらの底は開口となっており、後カバー27に設けられたプルトップ式の底蓋35,36によってそれぞれ光密に塞がれる。底蓋36は写真フイルム31aをロール状に巻き取るための治具等を挿入するための蓋であり、また、底蓋35は全コマ撮影終了後に撮影済みの写真フイルム31aが収納されたパトローネ31bを取り出す時の蓋となる。
【0023】
巻き上げノブ18は、パトローネ収納室33の上面に回動自在に配置され、外部から操作が可能なように一部が後カバー27の開口37から露呈される。そして、パトローネ31bが装填された際には巻き上げノブ18の軸がパトローネ31bのスプール31cに係合する。
【0024】
パトローネ収納室33とフイルム収納室34との間には、露光枠38が位置しており、これには、24×36mmのサイズの露光開口39が形成されている。この露光開口39には、露光ユニット28の撮影レンズ14を透過した被写体光が導かれる。なお、後カバー27の右上端部には、ファインダ接眼窓40が一体に設けられている。また前カバー29には、右上端に設けたファインダ対物窓15の他に、上面にスロット20とシャッタボタン16とが一体に設けられている。また、前カバー29の前面にはシャッタ開放用開口29aが形成されている。このシャッタ開放用開口29aは、回収後に再使用された露光ユニット28のピント検査を行う際に使用され、この開口29aから治具等を挿入してシャッタ羽根を開放するためのものである。
【0025】
露光ユニット28には、暗箱41にシャッタ機構,フイルム巻き上げ機構,フイルムカウンタ機構,レンズユニット,絞り切替え機構,及びフィルタ出入り機構とが組み込まれている。
【0026】
暗箱41は、詳しくは図4及び図5に示すように、撮影レンズ14の光軸42をZ字形にするために、正面上方に設けた正面上開口枠43,背面上方に設けた背面上開口枠44,正面下方に設けた正面下開口枠45,及び背面下方に設けた背面下開口枠46とがそれぞれ一体に形成された形状となっている。正面上開口枠43の前面には、カバー板47を介してシャッタユニット48,絞り切替えレバー49,及びレンズユニット50とが順に組み込まれる。
【0027】
背面上開口枠44には増反射ミラー51が取付けられ、さらに正面下開口枠45には増反射ミラー52が取り付けられる。撮影レンズ14は、ファインダ対物窓15とほぼ同じ高さに配置されている。そして、撮影レンズ14の光軸42は、増反射ミラー51及び増反射ミラー52とによりZ字形に折り曲げられた後、露光開口39の背後に位置決めされた写真フイルム31aに達する。撮影レンズ14を通った被写体光束は、広がりながら写真フイルム31aに達するから、増反射ミラー51は増反射ミラー52よりも小サイズでよい。また、これらのミラー51,52を同じ傾斜角で傾けることによって、撮影レンズ14に水平に入射した光軸42を写真フイルム31aに水平に入射させることができる。
【0028】
なお、増反射ミラー51,52は、ガラス基板の上にアルミニウム層、酸化セリウム層、及び、酸化チタン層を順に層設し、700nmでの反射率が85%以上とした反射ミラーである。また、正面上開口枠43と増反射ミラーとの間には、有効画角外からの斜入光をカットするための遮光板53が取り付けられている。さらに、正面上開口枠43と背面上開口枠44との上面は開口54となっている。
【0029】
暗箱41の右上には、対物レンズ55と接眼レンズ56とを所定間隔で保持する保持枠57が一体に形成されており、この保持枠57の上面も開口58となっている。これらの開口54,58の上には、暗箱41内部を光密に塞ぎ、且つファインダレンズ55,56を押さえるための天板59が着脱自在に取り付けられる。この天板59には、増反射ミラー51の非ミラー面51aを覆う保護板60が一体に形成されている。この保護板60によって増反射ミラー51が暗箱41に保持される。
【0030】
ファインダレンズ55,56は、露光ユニット28が本体基部26に取り付けられた際にファインダ対物窓15とファインダ接眼窓40との間に配置され、対物レンズ55を凸,接眼レンズ56を凹の構成として、写真フイルムに写る範囲と同じ、又はこれよりも80%小さめの視野範囲としている。
【0031】
天板59の上には、光軸42に対して直交する方向に移動自在な撮影モード切替えレバー62が取り付けられている。この撮影モード切替えレバー62には、上面に撮影モード切替え摘み19が一体に形成されている。また、下面には天板59に形成されたスリット59aに挿入され、フィルタ63が保持される保持枠62aが一体に形成されており、これらでフィルタ出入り機構を構成している。フィルタ63は、撮影モード切替え摘み19を日中撮影モードの位置に操作した際に、ファインダレンズ55,56の間に挿入され、また、夜景撮影モードの位置に操作した際に、ファインダレンズ55,56の間から退避する。この撮影モード切替えレバー62は、トグルバネ64により日中撮影モード又は夜景撮影モードとのどちらかの位置に向けて付勢されている。
【0032】
フィルタ63は、周知のように減光フィルタであり、ファインダ対物窓15からファインダ接眼窓40に入射してくる被写体光を減光し、減光された被写体光を撮影者が見ることが可能な場合には、撮影者に適正な絞りで撮影できることを確認させる。また、減光された被写体光を撮影者が見ることができない場合には、撮影者に夜景撮影モードに切替える必要があることを警告する。また、フィルタ63の中央には、透明部63aが設けられており、フィルタ63を通してファインダを覗いても写る範囲の中心が良く見えるようにされている。
【0033】
フィルタ出入り機構には、絞り切替え機構が連動している。絞り切替え機構は、連動板65,及び絞り切替えレバー49とから構成されている。連動板65は、天板59の上面に光軸42に対して直交する方向に向けて移動自在に取り付けられており、撮影モード切替えレバー62の移動量よりも絞り切替えレバー49の移動量を少なくするために、一端65aが遊びを持った状態で撮影モード切替えレバー62に連結されている。また、連動板65の他端65bは、絞り切替えレバー49の一端49aに係合している。絞り切替えレバー49は、カバー板47に設けられた光軸42と平行な軸47aを中心に回動自在に配置されており、軸47aを挟んだ他端に小口径、例えば直径2〜3mmの絞り開口49bが形成されている。この小口径の絞り開口49bは、撮影モード切替え摘み19が日中撮影モードの位置の際に光軸42の上のシャッタユニット48とレンズユニット50との間に挿入され、また夜景撮影モードの位置の際には光軸42の上から退避する。
【0034】
暗箱41の左上には、周知のシャッタ機構,フイルム巻き上げ機構,及びフイルムカウンタ機構を構成する従動スプロケット67,カム部材68,係止レバー69,バネ70,蹴飛ばしレバー71,枚数表示板72が取り付けられており、蹴飛ばしレバー71の蹴飛ばし力が回動レバー76,シャッタ駆動レバー78,及びシャッタユニット48に順に伝達される。
【0035】
カム部材68の軸には従動スプロケット67が係合され、従動スプロケット67は写真フイルム31aのパーフォレーションに係合されるので、これらはフイルム1コマ送りに従動して1回転する。カム部材68の回転によって蹴飛ばしレバー71が軸73を中心に時計方向に回転するとともに、係止レバー69が軸74を中心として反時計方向に回転する。そして、カム部材68が一回転すると、係止レバー69がカム部材68の回転をロックしてフイルム巻き止めを行うとともに、蹴飛ばしレバー71をチャージ位置に保持する。バネ70は、捩じりバネとなっており、係止レバー69を時計方向に、また蹴飛ばしレバー71を反時計方向に向けてそれぞれ付勢している。カム部材68が一回転した際には、枚数表示板72が1目盛分だけ回転する。
【0036】
シャッタボタン16の押下によって係止レバー69が反時計方向に押圧される。これによりフイルム巻き止めが解除されるとともに、蹴飛ばしレバー71がバネ70の付勢によってチャージ位置から初期位置に向けて回転する。このシャッタ駆動レバー71には、蹴飛ばしアーム71aが一体に形成されている。蹴飛ばしアーム71aの移動路には、回動レバー76の爪部76aが待機している。
【0037】
回動レバー76は、光軸42と平行に設けられた軸75に回動自在に取り付けられており、詳しくは図6に示すように、爪部76aの他に、前方に向けて突出した連結ピン76bが一体に形成されている。この連結ピン76bは、シャッタ駆動レバー78に連結され、回動レバー76の回転力をシャッタ駆動レバー78に伝達する。
【0038】
バネ77は、一端が回動レバー76に形成されたピン76cに、他端が暗箱41に一体に形成されたピン80にそれぞれ引っかけられ、回動レバー76を反時計方向に付勢している。そして、暗箱41には回動レバー76が当接し、バネ77の付勢に抗して回動レバー76の回動を阻止するストッパー79が一体に形成されている。
【0039】
爪部76aが蹴飛ばしアーム71aで蹴飛ばされることにより、回動レバー76は軸75を中心として時計方向に回動してシャッタ駆動レバー78を回転させる。そして、蹴飛ばしレバー71が初期位置に回転した後には、蹴飛ばしアーム71aが爪部76aを乗り越え、バネ77の付勢により回動レバー76が初期位置に引き戻され、ストッパー79に当接する。
【0040】
シャッタ駆動レバー78は、光軸42と平行な軸81を中心として回動自在に取り付けられており、軸81に嵌め込まれる軸受部78aを挟んだ両端側に、レバー78b,78cがそれぞれ一体に形成されている。レバー78bには、前方に向けて突出した連結ピン78dが一体に形成され、またレバー78cにはカム孔78eが形成されている。連結ピン78dは、シャッタユニット48のシャッタ羽根84,85に係合される。カム孔78eには、前記連結ピン76bが嵌入される。なお、軸75,81は、暗箱41に一体に形成されている。
【0041】
このシャッタ駆動レバー78は、前方に突出した撮影レンズ14の直後で開閉するシャッタ羽根84,85に、光軸42に沿って凹んだ位置に配置された回動レバー76の回転力を伝達するために、シャッタ連結ピン78dとカム孔78eとが光軸42に対して異なった面で揺動するように断面がクランク状に形成されている。
【0042】
シャッタユニット48は、シャッタベース83,同形状をなす一対のシャッタ羽根84,85及びシャッタカバー86とから構成されている。シャッタベース83には、光軸42の上に設けられたシャッタ開口83aと、増反射ミラー52の非ミラー面52aを覆う保護板83bとが一体に形成されている。また、シャッタカバー86の光軸42の上には、絞り切替えレバー49の絞り開口49bよりも大きい口径、例えば直径約5〜6mmの絞り開口86aが形成されている。
【0043】
一対のシャッタ羽根84,85は、シャッタベース83に形成された2つの軸83c,83dを中心にそれぞれ回動自在に配置されており、これらの軸83c,83dの間に形成された開口83eを介して前記シャッタ連結ピン78dが入り込む係合孔84a,85aがそれぞれに設けられている。したがって、シャッタ駆動レバー78が回動するとシャッタ連結ピン78dによって一対のシャッタ羽根84,85が同時に開閉する。シャッタ羽根84,85の開閉は、同図に二点鎖線で示す閉じ位置と、同図に実線で示す開き位置との間で行われる。この開閉は、2枚のシャッタ羽根84,85で行うようにしているため瞬時に行え、露光ムラの防止に寄与している。
【0044】
なお、シャッタ駆動レバー78のカム孔78eには、シャッタ羽根84,85を駆動する直線部と、シャッタ羽根84,85を開き一に保持する曲線部が設けられているので、2枚構成のシャッタ羽根でも安定したシャッタ速度を得ることができる。
【0045】
図1に示すように、レンズユニット50は、レンズベース90,レンズホルダ91及び撮影レンズ14,押さえ環92,レンズカバー93とから構成されており、これらはシャッタユニット48の前面に着脱自在に取り付けられる。撮影レンズ14は、後レンズ94及び前レンズ95と、これらの間に挿入されるスペーサ96とから構成されており、従来の望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットに用いられていた撮影レンズより大口径で明るいものとなっている。
【0046】
撮影レンズ14は、円筒状のレンズホルダ91に保持される。後レンズ94,前レンズ95にはそれぞれ外周に突片94a,95aが形成されており、この突片をレンズホルダ91内の溝91aに合わせて挿入することにより、撮影レンズ14がレンズホルダ91内で回転するのが防止される。
【0047】
また、レンズホルダ91には押さえ環92も収められる。この押さえ環92は、中央に開口92aが形成された円板の外周に、3個の突片92bと、前面側に向かって突出された3個の突条92cを一体に形成したもので、レンズホルダ91の内径に対して締まりばめとなるような直径となっている。そして、突片92bをレンズホルダ91内の溝91bに合わせて圧入することにより、撮影レンズ14がレンズホルダ91内で前後に移動するのが防止される。
【0048】
レンズベース90には、レンズホルダ91が挿入される鏡胴98が一体に形成されており、その内壁には突出片として光軸42に沿って螺旋状とされたカム面98aが3個形成されている。また、レンズホルダ91の外壁には、カム面98aと同方向の螺旋状とされた突条部99が3個形成されている。図7に示すように、突条部99の背面側は平面とされており、カム面98aに対して当接するようになっている。また、突条部99の前面側には階段状にされた歯列100が形成されている。
【0049】
図1に示すように、レンズホルダ91が収納されたレンズベース90には、内径が鏡胴98の外径と同一とされたレンズカバー93が取り付けられる。レンズカバー93には左右に張り出した支持板93aが一体に形成されており、この支持板93aに形成された係合部93bを鏡胴98の側面に形成された爪98bに係合することによって、レンズベース90にレンズカバー93が取り付けられる。レンズカバー93の前面側には、一端がレンズカバー93に連なり、他端が自由にされ弾性を付与された係合片102が3個形成されている。そして、レンズカバー93をレンズベース90に取り付けると、図7に示すように、係合片102の自由端側に形成された突起102aが、レンズホルダ91突条部99の歯列100に噛合するようになっている。
【0050】
歯列100は、図8に示すように定ピッチで設けられており、そのピッチ角θは、4°(レンズホルダの外周の90等分)とされている。また、カム面98aと突条部99の傾斜は、係合片102と歯列100との係合が1段移動するごとに、レンズホルダ91を前あるいは後ろに0.2mm移動させる傾斜となっている。このように、レンズホルダ91の回転量と移動量とが対応しており、移動量は僅か0.2mm刻みで移動できるので、撮影レンズ14をピントのピーク位置に調整するのは非常に容易となっている。また、係合片102と突条部99とカム面98aとの位置関係は、レンズホルダ91が回転されても変わらないので、係合片102に余分な負荷をかけることがない。そのため、レンズホルダ91を固定するためのバネを単独で設ける必要もないし、レンズカバー93をリサイクル時に再使用することができる。
【0051】
ピントの調整は、組立て後の露光ユニット28に対して行われるが、その際には図9に示すような治具105が用いられる。治具105は、先端部106に三叉状に嵌合片106aが形成されており、この先端部106をレンズカバー93の前面側から挿入し、嵌合片106aを押さえ環92に形成された突条92c間の隙間92dに嵌め合わせ、治具105を回動することによって行われる。
【0052】
レンズホルダ91は、図中で時計方向に回動されると、突条部99の背面側がカム面98aに対して摺動し、歯列100は係合片102を撓ませてクリック音を発し、レンズホルダ91は鏡胴98から突出する方向に移動される。逆に、レンズホルダ91が反時計方向に回動されると、レンズホルダ91は鏡胴98内に収納される方向に移動される。そして、レンズホルダ91の回動後には、係合片102は再び歯列100と係合してレンズホルダ91を固定する。係合片102と歯列100との係合が一段移動すると、レンズホルダ91が前後に0.2mm移動するので、治具105の回転角度によってレンズホルダ91の移動量を容易に制御することができる。
【0053】
また、図7に示すように前カバー29の内壁には、レンズカバー93の係合片102に対面する位置に突起107が形成されている。この突起107は、ピント調整が済んだ露光ユニット28が本体基部26に取付けられ、この本体基部26に前カバー29が取り付けられることにより係合片102に当接して押圧するようになっている。これにより係合片102が歯列100に押し付けられるので、レンズ付きフイルムユニット11に落下等による衝撃が与えられてもレンズホルダ91が不用意に回動してピントが狂うようなことはない。
【0054】
次に、上記実施例の作用について説明する。露光ユニット28は、露光ユニット組立てラインで暗箱41に対しフイルム巻止め機構,フィルタ出入り機構,絞り切替え機構,シャッタユニット48,レンズユニット50等の各構成部品が組付けられて完成する。組み立てられた露光ユニット28は、レンズ付きフイルムユニット組立てラインに搬送され、本体基部26の前面側に取り付けられる。
【0055】
露光ユニット28が取り付けられた本体基部26は、次工程であるピント検査工程に搬送される。ピント検査工程では、前面側から撮影レンズ14に向かってレーザ光線が照射され、このレーザ光線が適正な位置で結像されるかを確認することによってピントの確認を行う。このピント検査で合格したものは、次工程で本体基部26の前面に前カバー29が取り付けられる。前カバー29が取り付けられると、図7に示すように、前カバー29の内壁に形成された突起107がレンズカバー93の係合片102に当接して押圧し、係合片102の突起102aをレンズホルダ91の歯列100に押しつける。これにより、露光ユニット28のピント位置が固定され、多少の衝撃が与えられてもピント位置がずれることはない。
【0056】
また、ピント検査で不合格となった露光ユニット28が取り付けられた本体基部26は、ピント調整工程に搬送される。このピント調整工程では、ピント検査工程から送られてきた不合格データに基づいてピントの調整が行われる。ピント調整は、図9に示す治具105をレンズカバー93の前面側から挿入し、先端部106の嵌合片106aをレンズホルダ91の突条92c間の隙間92dに嵌め合わせる。そして、治具105がモータの駆動により不合格データに基づいた回転を行う。
【0057】
例えば図中において、治具105が時計方向に回転された場合、レンズホルダ91は突条部99の背面側がカム面98aに対して摺動し、レンズホルダ91は鏡胴98から突出する方向に移動される。このレンズホルダ91の移動時には突条部99の歯列100により係合片102が撓まされ、移動が終了すると再び歯列100と係合片102の突起102aとが係合される。
【0058】
ピント調整が終了した露光ユニット28は次工程に搬送され、本体基部26の前面に前カバー29が取り付けられてピント位置が固定される。その後、写真フイルムパトローネ31が装填されてから後カバー27が取り付けられてユニット本体12となり、その上に外ケース13が被せられてレンズ付きフイルムユニット11が完成する。
【0059】
販売されているレンズ付きフイルムユニット11は、撮影モード切替え摘み19が日中撮影モードにセットされた状態で防湿防温のガゼット袋に収納されており、購入後には、ガゼット袋を破いてレンズ付きフイルムユニット11を取り出す。取り出したときには、外ケース13のスロット20の両端の部分に、図2に示すように、太陽マーク13aと月マーク13bとが施されているので、写真知識を有するユーザーは日中撮影と夜景撮影とが随時切替えできるタイプであることが確実に理解できる。
【0060】
日中撮影モードの状態では、光軸42の上に小口径の絞り開口49bが位置しており、また、ファインダレンズ55,56の間にフィルタ63が挿入された状態となっている。
【0061】
撮影を行う場合には、先ず、巻き上げノブ18を回してフイルム巻き上げを行う。このフイルム巻き上げによって、写真フイルム31aがパトローネ31bのスプール31cに巻かれる。ここで、レンズ付きフイルムユニット11は、工場出荷時に蹴飛ばしレバー71がチャージ位置の直前の状態になっているため、写真フイルム31aの僅かな量がパトローネ31bに巻き戻されると、従動スプロケット67を介してカム部材68が僅かに回転し、係止レバー69によって蹴飛ばしレバー71がチャージ位置で保持される。このとき、フイルム巻き止め機構が作動して従動スプロケット67の回転が阻止される。
【0062】
シャッタチャージ後、ユーザーはファインダ接眼窓40から、撮影すべきシーンを観察するが、このときフィンダーレンズ55,56の間にはフィルタ63が挿入された状態となっているため、ユーザーは違和感を持つ。この時点で外ケース13の印刷を読むことによって、このレンズ付きフイルムユニット11が、日中撮影と夜景撮影との両方ができるタイプであることに気がつく。したがって、初心者であっても、日中撮影もしくは夜景撮影を適宜選択して、撮影を行うことが可能となる。
【0063】
ファインダ接眼窓40を覗いてフレーミングを行う。ファインダレンズ55,56の光軸は、撮影レンズ14の光軸42と平行で、しかもほぼ同じ高さ位置で接近した位置にあるため、近距離にある被写体に対してもパララックスがほとんど生じることがない。
【0064】
シャッタボタン16を押下すると、係止レバー69が反時計方向に付勢される。これにより、蹴飛ばしレバー71がバネ70の付勢によって軸73を中心に時計方向に回転するとともに、フイルム巻き止め機構のロックが解除される。このときにシャッタ羽根84,85は、図6に2点鎖線で示したような閉じ位置にある。
【0065】
蹴飛ばしレバー71がチャージ位置から初期位置に向けて回転すると、蹴飛ばしアーム71aが回動レバー76の爪部76aを蹴飛ばし、回動レバー76がバネ77の付勢に抗して軸75を中心に時計方向に回転する。これにより連結ピン76bは、カム孔78e内を移動しながらシャッタ駆動レバー78を軸81を中心に反時計方向に回転させる。このシャッタ駆動レバー78の回転により、シャッタ羽根84が軸83cを中心に反時計方向に回転され、またこれと同時にシャッタ羽根85が軸83dを中心として時計方向に回転する。そして、図6に実線で示すように、シャッタ羽根84,85が開放状態となる。
【0066】
蹴飛ばしアーム71aが爪部76aを乗り越えた時点で回動レバー76がバネ77の付勢によって初期位置に引き戻され、シャッタ駆動レバー78は軸81を中心に時計方向に回転され、シャッタ羽根84,85が閉じ位置に向けて回転する。そして、回動レバー76が初期位置に戻った時点で、2点鎖線で示すようにシャッタ羽根84,85が閉じ状態となる。このとき、回動レバー76がストッパー79に当接し、回動レバー76の回動が阻止される。
【0067】
シャッタ羽根84,85が開閉中には、撮影レンズ14を透過した被写体光が小口径の絞り開口49bを通過してシャッタ開口83aから入射する。この被写体光は、遮光板53を通って増反射ミラー51で増反射ミラー52に向けて反射され、さらに増反射ミラー52で背面下開口枠46に向けて反射されて露光開口39に導かれ、写真フイルム31aに照射される。写真フイルム31aへの露光は、絞り開口49bが小口径となっているから、高輝度被写体に適したものとなる。
【0068】
ファインダを覗いたときに、フィルタ63によって減光された被写体光を観察することができない場合には、撮影モード切替え摘み19を夜景撮影モードの位置に切替える。これにより、撮影モード切替えレバー62が光軸42に対して直交する方向にスライド移動し、ファインダレンズ55,56の間からフィルタ63が退避する。さらに、撮影モード切替えレバー62の移動によって絞り切替えレバー49が軸47aを中心として反時計方向に回転し、絞り開口49bが光軸42の上から退避する。
【0069】
フィルタ63が退避すると、ファインダに入射する被写体光をそのまま観察することができるので、フレーミングを行ってからシャッタボタン16を押下する。これにより、前述したと同じにシャッタ羽根84,85が開閉し、撮影レンズ14を通過した被写体光が大口径の絞り開口86aを通過して、写真フイルム31aに入射する。この露光は、絞り開口86aが大口径となっているから、低輝度被写体に適したものとなる。
【0070】
以下、フイルム巻き上げの前又は後に、撮影モード切替え摘み19を操作して日中撮影と夜景撮影とのいずれか一方を選択しながら撮影を行う。そして、全てのコマの撮影が終了した後に、レンズ付きフイルムユニット11は、写真フイルムパトローネ31を入れたままの状態で現像所に提出される。現像所では、レンズ付きフイルムユニット11から、写真フイルムパトローネ31を取り出し、パトローネ31bから写真フイルム31aを引き出して周知の現像及びプリント処理を行う。そして、ユーザーにプリント写真と現像済みの写真フイルム31aとを返却する。空となったレンズ付きフイルムユニット11は、ユーザーに返却されることなく、工場に回収されてリサイクルされる。
【0071】
回収されたレンズ付きフイルムユニット11は分解されて、溶解,ペレット化により原料として再利用される部品と、機能検査を経て再使用される部品とに分類される。露光ユニット28は再使用部品であり、リサイクルラインに搬送され、シャッタ機構の検査に合格したものについては、新しく成形された本体基部26に組付けられる。そして、前カバー29が本体基部26に取り付けられて、前カバー内壁の突起107がシャッタカバー93の係合片102を押圧してピント位置を固定する。
【0072】
前カバー29が取り付けられた本体基部26はピント検査工程に搬送され、前カバー29の前面に形成されたシャッタ開放用開口29aから棒状の治具(図示せず)が挿入される。この治具は、回動レバー76を図4中において時計方向に回転し、シャッタ駆動レバー78を介してシャッタ羽根84,85を開放状態とするためのものである。シャッタ羽根84,85が開放された後、前面側から撮影レンズ14にレーザー光線が照射され、最初の組み立て時と同様にピント検査が実施される。しかしながら、最初のピント検査時にピント調整が行われ、レンズ付きフイルムユニット11の完成時には前カバー29でピントのずれを防止されているので、新たにピント調整を要する露光ユニット28は稀であるが、ピントのずれている露光ユニット28は再びピント調整工程に搬送される。
【0073】
再使用された露光ユニット28が組み込まれたレンズ付きフイルムユニット11は、写真フイルムパトローネ31の装填,後カバー27の取付け,外カバー13の装着,ガセット袋への装填を経て再び出荷される。
【0074】
上記実施例では、2枚構成の撮影レンズをレンズホルダに保持し、ピント調整はレンズホルダを移動して行うようにしたが、撮影レンズが1枚の場合には、撮影レンズの外周にカム面に対応する突条部を一体に設けることによって、ピント調整機構を構成することもできる。また、望遠タイプのレンズ付きフイルムユニットを例に説明したが、本発明はこれに限らず、低価格なコンパクトカメラ等にも利用することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピント調整方法は、撮影レンズを保持するレンズホルダを回転することによってピント調整を行うようにしたので、簡単にピントの調整を行うことができる。また、自動化しやすいので、ピント検査工程への組み込みも可能となる。
【0076】
また、本発明のピント調整機構は、鏡胴内に形成された突出片とレンズホルダ外壁の突条部との当接により、レンズホルダを回転するだけでレンズホルダを前後に移動することができ、この移動時にはレンズカバーの係合片と突条部の歯列とが常に係合しているので、レンズホルダがピント調整後にずれることがなく安定したピント調整が可能となる。また、突出片をカム面としたことにより、突条部との摺接がスムースに行われ、ピント調整が容易になる。更に、突出片や突条部,係合片等をレンズホルダや鏡胴及びレンズカバー等と一体化したので低コストに製造でき、更にカム面と突条部とは鏡胴内に納まるので、本ピント調整機構を用いた機器の小型化に寄与できる。
【0077】
また、ピント調整機構の前面側を覆う外板の内壁に、係合片を押圧して歯列に押しつける突起を設けたことにより、多少の衝撃が与えられてもピント位置がずれることはない。更に、ピント位置の固定に接着剤を使用しないので、リサイクル適正も向上する。
【0078】
更に、レンズホルダの回転量と移動量とが対応しており、最小の移動量が僅か0.2mmであるため、細かいピント調整ができ、撮影レンズをピントのピーク位置に容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズユニットの構成を示す外観斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】露光ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】ユニット本体の要部断面図である。
【図6】シャッタユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図7】前カバーと係合片と突条部とカム面との位置関係を示す説明図である。
【図8】レンズホルダの正面図である。
【図9】ピント調整方法の説明図である
【符号の説明】
11 レンズ付きフイルムユニット
14 撮影レンズ
90 レンズベース
91 レンズホルダ
92 押さえ環
93 レンズカバー
98 鏡胴
98a カム面
99 突条部
100 歯列
102 係合片
102a 突起

Claims (6)

  1. 撮影レンズと撮影機構とが組み込まれたユニット本体に予め写真フイルムパトローネが装填された状態で販売され、使用後に撮影済みの写真フイルムパトローネが装填されたユニット本体ごと現像処理手続がなされるレンズ付きフイルムユニットであって、前記撮影レンズを撮影光軸に対し前後に移動してピントの調整を行うレンズ付きフイルムユニットのピント調整方法において、
    撮影レンズを保持して鏡胴内に回動自在に収納されたレンズホルダを回動すると、レンズホルダの外周に形成された螺旋状の突条部の背面側が鏡胴の内壁に形成された突出片に摺接し、レンズホルダが撮影光軸に沿って前あるいは後ろに移動され、突条部の前面側に形成された歯列と弾性を有する係合片との係合によりレンズホルダが固定されることを特徴とするレンズ付きフイルムユニットのピント調整方法。
  2. 前記突出片は、鏡胴内壁に撮影光軸に沿って螺旋状に形成されたカム面であることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットのピント調整方法。
  3. 撮影レンズと撮影機構とが組み込まれたユニット本体に予め写真フイルムパトローネが装填された状態で販売され、使用後に撮影済みの写真フイルムパトローネが装填されたユニット本体ごと現像処理手続がなされるレンズ付きフイルムユニットのピント調整機構であって、内壁に突出片が形成された円筒状の鏡胴と、撮影レンズを保持するとともに鏡胴に回動自在に収納されるレンズホルダと、このレンズホルダの外壁に形成され背面が突出片に当接し前面に歯列が形成された螺旋状の突条部と、この突条部の歯列と係合する弾性を有した係合片が一体に形成され前記鏡胴に被せられる円筒状のレンズカバーとからなることを特徴とするレンズ付きフイルムユニットのピント調整機構。
  4. 前記突出片は、鏡胴内壁の撮影光軸に沿って螺旋状に形成されたカム面であることを特徴とする請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットのピント調整機構。
  5. 前記ピント調整機構の前面側を覆う外板の内壁に、係合片を押圧して歯列に押しつける突起を設けたことを特徴する請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットのピント調整機構。
  6. 前記突条部の歯列のピッチは、ピッチ角4°(レンズホルダの外壁全周の90等分)であり、前記カム面及び突条部の傾斜は、前記係合片と歯列との係合が1段移動するごとに前記レンズホルダが前あるいは後ろに0.2mm移動する角度であることを特徴とする請求項3又は4又は5記載のレンズ付きフイルムユニットのピント調整機構。
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