JPH07259491A - セグメントの接合構造 - Google Patents

セグメントの接合構造

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JPH07259491A
JPH07259491A JP6052271A JP5227194A JPH07259491A JP H07259491 A JPH07259491 A JP H07259491A JP 6052271 A JP6052271 A JP 6052271A JP 5227194 A JP5227194 A JP 5227194A JP H07259491 A JPH07259491 A JP H07259491A
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彰夫 橋口
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賢治 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セグメントの接合箇所のねじ部の保護を不要
とし該ねじ部の損傷の発生を防止し、各セグメントの接
合を容易になすと共に各セグメントの締結を確実に行な
う。 【構成】 セグメントの接合端面の一方側に形成した凹
所の底部に埋設プレートが埋設され、該埋設プレートに
対向面を対向させた状態で前記凹所内にボルト連結用部
材を設け、セグメントの一方の接合端面と他方の接合端
面との間にボルト連結用部材及び埋設プレートを貫通さ
せて形成したボルト挿通孔に、長方形の頭部が他方の接
合端面側に位置するように挿入したボルトの他方の端部
を、前記凹所内でナットによりセグメントの一方の接合
端面側に締結固定し、ボルト連結用部材に装着したキャ
ップの開口部に、ボルト連結用部材側に隣接するセグメ
ントから突出したボルトの頭部を通して前記キャップ内
に挿入して該キャップに係合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル壁部の構築に
使用されるセグメントの接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、一般的なトンネルの壁体
の構造は、複数のセグメントを掘削孔の周方向及び軸線
方向に複数のセグメントを配置しこれらを締結すること
により構築されている。このようなトンネル壁体におい
て各セグメントを締結する手段には各種のものが提案さ
れているが、例えば図9,図10に示すものが提案され
ている。図9,図10に示すセグメントの接合構造にお
いては、図9に示すように、6角形状に形成された複数
のセグメント1,1,…同志を相互にセグメント接合用
の長ボルト2により連結することにより、筒状壁体3を
構成してトンネルを構築している。セグメント1につい
て説明すると、前記セグメント1には、一方の接合端面
と他方の接合端面との間を貫通してボルト挿通孔4が形
成されている。セグメント本体1aの一端側には図9に
示すようにボルト挿通孔4に連通して凹部5が形成され
ている。ボルト挿通孔4にはシース管4aが嵌合されて
いる。凹部5には、有底円筒状の連結体6(金属製)が
その開口部6a側が凹部5の開口側に向けられた状態で
埋設されている。連結体6の開口部6aの内面には雌ね
じ6bが形成されている。連結体6及びシース管4aに
は長ボルト2が挿通され、この長ボルト2の頭部2aが
連結体6の底部6cにワッシャ2bを介して係止され得
る状態で連結体6に、連結円板7(金属製)が螺合され
ている。この連結円板7の中心には雌ねじ孔7aが形成
され、連結円板7の外周には連結体6の雌ねじ6bに螺
合する雄ねじ7bが形成されている。セグメント1は、
一方のセグメント1に連結円板7が螺合されておらず、
他方のセグメント1に連結円板7が螺合された状態にお
いて、一方のセグメント自身に挿通された長ボルト2の
先端の雄ねじ部2cを、接合すべき相手側である他方の
セグメント1の連結円板7の雌ねじ孔7aに螺着緊締す
ることにより、互いに接合され、この接合後、前記一方
のセグメント1の連結体6に連結円板7を螺着するよう
になっている。
【0003】前記長ボルト2を用いたセグメント1の接
合構造は、セグメント1同志の接合応力を、接合端面近
傍のみならず、セグメント1全体で支持するので、セグ
メント1同志の確実な圧接状態を確保することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記セグメ
ントの接合構造においては、セグメント1に連結体6等
の金物が埋設されているので、これらの金物がセグメン
ト1の製造から使用直前までにセグメント本体1aの湿
気等により腐食するおそれがあり、これらの金物が腐食
してそのねじ部が損傷したり、ねじ部に打痕が生じたり
してねじ部が損傷すれば、セグメント1全体が使用不能
となる問題があった。このため、前記連結体6等の金物
部分が腐食しないように保護すると共に連結体6等のね
じ部を保護しなければならなかった。また、前記連結体
6に螺合された連結円板7は通常のナットに相当するた
め、セグメント1の接合において、一方の連結円板7の
雌ねじ孔7aと他方のボルトの先端に形成された雄ねじ
部2cとの間には、これら雌ねじ孔7a,雄ねじ部2c
の芯ずれ,雌ねじ孔7aへのボルトの挿入角度のずれに
対しては殆ど余裕(ずれを吸収する融通性)がない。こ
のため、セグメントの構築時に隣接するセグメントの位
置がずれた場合には締結が極めて困難になるという不都
合があり、かつ各ボルトの軸線が所期の位置から斜めに
ずれた場合などに、ボルトの雄ねじ部2c,連結体6の
雌ねじ6b部が損傷して締結が不完全になるという問題
があった。本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、接合箇所のねじ部の保護を不要とすると共にこのね
じ部の損傷の発生を防止することができ、各セグメント
間の接合を容易になすと共に各セグメントの締結を確実
に行なうことができるセグメントの接合構造を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成させるために、相互に複数接合することにより掘削孔
の軸線方向へ筒状壁体を構成するセグメントの接合構造
であって、各セグメントには、隣接するセグメントとの
接合端面の一方の側に凹所が形成されていると共に、該
凹所の底部に埋設プレートが埋設され、該埋設プレート
に自体の対向面を対向させた状態で前記凹所内にボルト
連結用部材が設けられ、かつ前記一方の接合端面と他方
の接合端面との間に、前記ボルト連結用部材及び埋設プ
レートを貫通させた状態でボルト挿通孔が形成され、該
セグメントの前記ボルト挿通孔には、一方の端部に長方
形形状の頭部を有するボルトが、該頭部が前記他方の接
合端面側に位置するように挿入配置されると共に、該ボ
ルトの他方の端部が前記凹所内においてナットによりセ
グメントの一方の接合端面側に締結固定され、前記ボル
ト連結用部材には、長方形形状の開口部を有するキャッ
プが装着されると共に、前記ボルト連結用部材側に隣接
するセグメントから突出するボルトの頭部が前記開口部
を通して前記キャップ内に挿入され、かつ該キャップに
係合されている構成とされている。
【0006】
【作用】本発明においては、セグメントの凹所内に、埋
設プレートに自体の対向面を対向させてボルト連結用部
材を挿入し、セグメントのボルト挿通孔にボルトを、該
ボルトの一方側の頭部がセグメントの他方の接合端面側
に位置するように挿通する。そして、ボルトの他方側の
端部は前記凹所内においてナットによりセグメントの一
方の接合端面側に締結固定する。前記ボルト連結用部材
側に隣接するセグメントを締結するに際しては、ボルト
連結用部材にキャップを装着し、隣接配置したセグメン
トから突出するボルト頭部をキャップの開口部に対向さ
せてその頭部を該キャップ内に挿通し、このボルトを回
動させることにより該頭部をキャップに係合する。ま
た、ボルトの他方の端部は前記したように前記凹所内に
おいてナットを螺合することによりセグメントの一方の
接合端面側に締結固定する。このような構造のセグメン
トの接合構造においては、セグメントの製造から使用直
前までボルト連結用部材をセグメントと別体とすること
ができるため、ボルト連結用部材の腐食及びねじ部の損
傷が防止される。また、隣接するセグメントの相互位置
が若干ずれていた場合、各ボルトの軸線が所期の位置か
ら斜めにずれていた場合等には、ボルトの頭部がキャッ
プ内において変位可能であるため、ボルトの軸のずれを
吸収することが可能となって締結部に無理な力が加わら
ず、確実な締結が行なわれる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1ないし図7
に基づいて説明する。図1中、10,10は6角形状に
形成された互いに接合すべき複数のコンクリート製のセ
グメントであり、本実施例においては、隣接するセグメ
ント本体11,11がこれらセグメント本体11に埋設
された埋設プレート25と、この埋設プレート25に対
向させられたボルト連結用ソケット12(ボルト連結用
部材)と、このボルト連結用ソケット12に螺合された
キャップ13と、ボルト連結用ソケット12,埋設プレ
ート25,セグメント本体11,キャップ13に挿通さ
れたボルト14と、このボルト14に螺合されたナット
15とにより締結されるようになされている。
【0008】セグメント10は、図2に示すように、セ
グメント本体11と、このセグメント本体11に埋設さ
れた埋設プレート25と、セグメント本体11に形成さ
れた後記するボルト挿通孔16に嵌入されたシース管1
7とからなっている。セグメント10には、隣接するセ
グメント10との接合端面の一方側に位置して予め複数
の凹所21が形成されていると共に、この凹所21に連
通して一方の接合端面28と他方の接合端面29との間
にボルト挿通孔16が形成されている。ボルト挿通孔1
6は断面長方形の孔とされており、このボルト挿通孔1
6には断面長方形のシース管17が嵌入されている。シ
ース管17の外周面はボルト挿通孔16の内面に接する
ようになされており、シース管17内には長方形孔18
が形成されている。埋設プレート25は、凹所21の底
部内径より大きい外径の板であり、凹所21の底部に埋
設されており、埋設プレート25の中央にはシース管1
7と連通する長方形孔26が形成されている。この長方
形孔26はシース管17の長方形孔18とほぼ同じ大き
さとされかつシース管17と同芯状とされている。
【0009】セグメント10の凹所21内には、接合す
べきセグメント10,10の接合に際してボルト連結用
ソケット12が挿入される。ボルト連結用ソケット12
は、図1,図3に示すように、円筒22の下端に底板2
3(底部)が一体に設けられたカップ状のもので、底板
23は、外周が円筒22の外周とほぼ同径の円板からな
っている。底板23には、埋設プレート25の長方形孔
26に連通する長方形孔24が形成されている。この長
方形孔24は埋設プレート25の長方形孔26と同形、
同大で、長方形孔26と同芯となり得るように形成され
ている。また、円筒22の外周面の上部には雄ねじ27
が形成されている。ボルト連結用ソケット12は、埋設
プレート25の長方形孔26と底板23の長方形孔24
とが同軸状となるように埋設プレート25に底板23の
外底面23a(対向面)が対向させられた状態で凹所2
1内に挿入される。このとき、前記シース管17の長方
形孔18と底板23の長方形孔24と埋設プレート25
の長方形孔26とにより、セグメント10の図1に示す
一方の接合端面28と他方の接合端面29との間に、ボ
ルト連結用ソケット12の底板23及び埋設プレート2
5を貫通させた状態で、ボルト挿通孔30が形成され
る。
【0010】ボルト14は、図1に示すように、ボルト
軸19の一方の端部に断面長方形形状の頭部31を有し
他端に雄ねじが形成された長いボルトであり、このボル
ト14は、頭部31がセグメント10の他方の接合端面
29側に位置するようにボルト挿通孔30にゆるく挿入
配置される。ボルト14の他端は、ボルト連結用ソケッ
ト12内において前記ナット15によりセグメント10
の一方の接合端面28側に締結固定される。なお、埋設
プレート25の長方形孔26、底板23の長方形孔24
及びシース管17の長方形孔18はそれぞれ円形孔であ
ってもよい。ボルト14の頭部31の裏面即ちボルト1
4の他端側の面は、曲率半径の大きい球面状のいわゆる
なで形とされている。ボルト軸19の頭部31際部には
ボルト14の回り止め用角形段部20が形成されてい
る。この回り止め用角形段部20はボルト軸19の軸線
方向に約5mmの厚さになるように形成されている。ま
た、ボルト14の他端面(先端面)には長方形の頭部3
1の長辺方向に延びるドライバ溝(図示せず)が形成さ
れている。このドライバ溝の延び方向により頭部31の
前記長辺方向が示されるようになされている。
【0011】キャップ13は、図1,図4,図5に示す
ように、円筒32の上端に蓋板33が一体に設けられた
もので、蓋板33には、ボルト14の頭部31がゆるく
通過し得る長方形孔34(開口部)が形成されている。
また、円筒32の内周面には前記ボルト連結用ソケット
12の雄ねじ27に螺合し得る雌ねじ35が形成されて
いる。キャップ13は、図1に示すように、ボルト14
の他端が、ボルト連結用ソケット12内において前記ナ
ット15によりセグメント10の一方の接合端面28側
に締結固定された状態において、ボルト連結用ソケット
12に螺合して装着される。キャップ13の蓋板33に
は、図1に示す前記ボルト連結用ソケット12側に隣接
するセグメント10から突出するボルト14の頭部31
が長方形孔34(開口部)を通してボルト連結用ソケッ
ト12内に挿入されかつ回された状態で係合される。ま
た、蓋板33の下面即ちボルト14の頭部31の裏面が
係合される部分には、この頭部31の裏面が面接触する
ように頭部31の裏面とほぼ同曲率の球面からなる凹面
36が形成されている。
【0012】次に、前記のように構成されたセグメント
の接合構造の作用について説明する。一方のセグメント
10と、これと接合すべき他方のセグメント10との接
合を行なう場合、セグメント本体11のボルト挿通孔1
6にシース管17が嵌合され、凹所21に埋設プレート
25が埋設された一方のセグメント10の凹所21に、
埋設プレート25に底板23の外底面23aを対向させ
てボルト連結用ソケット12を挿通する。そして、該ボ
ルト連結用ソケット12にキャップ13が装着されてい
ない状態で、セグメント10のボルト挿通孔30にボル
ト14を挿入する。この場合、ボルト14の一方側の頭
部31がセグメント10の他方の接合端面29側に位置
するように、ボルト連結用ソケット12内に頭部31を
嵌入し、次いでこのボルト連結用ソケット12の底板2
3の長方形孔24を通して、一方の接合端面28側から
他方の接合端面29側に向けてボルト14を挿通する。
そして、ボルト連結用ソケット12内においてボルト1
4の他方側の端部を、このボルト14の他方側の端部に
ナット15を螺合してセグメント10の一方の接合端面
側に締結固定する。なお、長方形孔26,24,18が
円形孔2である場合には、ボルト14の他方側端部をセ
グメント10の接合端面29側からシース管の円形孔に
挿通してから、そのセグメント10を既設のセグメント
10に隣接配置する。
【0013】次いで、ボルト連結用ソケット12側に隣
接するセグメント10を締結するに際しては、ボルト連
結用ソケット12にキャップ13を螺合して装着し、隣
接配置したセグメント10から突出するボルト14の頭
部31を、キャップ13の蓋板33の長方形孔34部
(開口部)に対向させてこの頭部31を、長方形孔34
よりボルト連結用ソケット12内に挿通し、このボルト
14を所定の向きに回動させかつ引上げることにより該
頭部31をキャップ13の蓋板33に係合させる。この
場合、キャップ13の蓋板33は隣接配置したセグメン
ト10の接合端面29との間に隙間を存している。そし
て、このボルト14の他方の端部は、前記したように、
セグメント10のボルト連結用ソケット12内において
ボルト14の他方の端部にナット15を螺合することに
よりセグメント10の一方の接合端面28側に締結固定
する。この際、ボルト14は長方形孔34の内面に回り
止め用角形段部20が当接することにより回り止めされ
る。
【0014】このような構造のセグメントの接合構造に
おいては、セグメント10の製造から使用直前までボル
ト連結用ソケット12及びキャップ13をセグメント1
0と別体とすることができるため、ボルト連結用ソケッ
ト12及びキャップ13の腐食及びこれらボルト連結用
ソケット12,キャップ13のねじ部の腐食または打撃
による損傷が防止される。また、隣接するセグメント1
0,10の相互位置が若干ずれた場合、各ボルト14,
14の軸線が所期の位置からずれて斜めになっていた場
合等にも、ボルト14の頭部31がキャップ13内にお
いて変位可能であり、かつ埋設プレート25とボルト連
結用ソケット12の底板23との相対変位が可能である
ため、ボルト14の軸のずれを吸収することが可能とな
って締結部に無理な力が加わらず、確実な締結が行なわ
れる。
【0015】次に、本発明の第2実施例を図8に基づい
て説明する。なお、本第2実施例において前記第1実施
例と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省
略する。本第2実施例においては、前記第1実施例にお
けるボルト連結用ソケット12の代りに、中心孔を有す
る円板41(ボルト連結用部材)が用いられている。こ
の円板41はその外径が前記凹所21の底部内径より若
干小径とされており、円板41の中心には、埋設プレー
ト25の長方形孔26に連通する長方形孔42が形成さ
れている。この長方形孔42は埋設プレート25の長方
形孔26と同形,同大で、長方形孔26と同芯となり得
るように形成されている。また、円板41の外周面には
前記キャップ13の雌ねじ35に螺合する雄ねじ43が
形成されている。
【0016】円板41は、埋設プレート25の長方形孔
26と円板41の長方形孔42とが同軸状となるように
図8に示す円板41の下面44(対向面)が埋設プレー
ト25に対向させられた状態で凹所21内に挿入され
る。このとき、前記シース管17の長方形孔18と円板
41の長方形孔42と埋設プレート25の長方形孔26
とにより、セグメント10の図8に示す一方の接合端面
28と他方の接合端面29との間に、円板41及び埋設
プレート25を貫通させた状態で、ボルト挿通孔45が
形成される。
【0017】ボルト14は、頭部31がセグメント10
の他方の接合端面29側に位置するようにボルト挿通孔
45にゆるく挿入配置される。ボルト14の他端は、前
記凹所21内において、図8における円板41の上側で
前記ナット15によりセグメント10の一方の接合端面
28側に締結固定される。
【0018】円板41には、図8に示すように、ボルト
14の他端が、凹所21内において、前記ナット15に
よりセグメント10の一方の接合端面28側に締結固定
された状態において、キャップ13が雌ねじ35を円板
41の雄ねじ43に螺合されて装着される。キャップ1
3の蓋板33には、図8に示す円板41側に隣接するセ
グメント10から突出するボルト14の頭部31が長方
形孔34(開口部)を通してキャップ13内に挿入され
かつ回された状態で係合される。
【0019】次に、前記のように構成されたセグメント
の接合構造の作用について説明する。一方のセグメント
10と、これと接合すべき他方のセグメント10との接
合を行なう場合、セグメント本体11のボルト挿通孔1
6にシース管17が嵌合され、凹所21に埋設プレート
25が埋設された一方のセグメント10の凹所21に、
埋設プレート25に下面44を対向させて円板41を挿
入する。そして、該円板41にキャップ13が装着され
ていない状態で、セグメント10のボルト挿通孔45に
ボルト14を挿入する。この場合、ボルト14の一方側
の頭部31がセグメント10の他方の接合端面29側に
位置するように、凹所21内に頭部31を嵌入し、次い
で円板41の長方形孔42を通して、一方の接合端面2
8側から他方の接合端面29側に向けてボルト14を挿
通する。そして、凹所21内においてボルト14の他方
側の端部を、このボルト14の他方側の端部に図8にお
ける円板41の上側でナット15を螺合してセグメント
10の一方の接合端面28側に締結固定する。
【0020】次いで、円板41側に隣接するセグメント
10を締結するに際しては、円板41にキャップ13を
螺合して装着し、隣接配置したセグメント10から突出
するボルト14の頭部31を、キャップ13の蓋板33
の長方形孔34部(開口部)に対向させてこの頭部31
を、長方形孔34よりキャップ13内に挿通し、このボ
ルト14を所定の向きに回動させかつ引上げることによ
り該頭部31をキャップ13の蓋板33に係合させる。
そして、このボルト14の他方の端部は、前記したよう
に、セグメント10の凹所21内においてボルト14の
他方の端部にナット15を螺合することによりセグメン
ト10の一方の接合端面28側に締結固定する。この
際、ボルト14は長方形孔34の内面に回り止め用角形
段部20が当接することにより回り止めされる。
【0021】このような構造の第2実施例のセグメント
の接合構造においては、前記第1実施例のセグメントの
接合構造同様、セグメント10の製造から使用直前まで
円板41及びキャップ13をセグメント10と別体とす
ることができるため、円板41及びキャップ13の腐食
及びこれら円板41,キャップ13のねじ部の腐食また
は打撃による損傷が防止される。また、隣接するセグメ
ント10,10の相互位置が若干ずれた場合、各ボルト
14,14の軸線が所期の位置からずれて斜めになって
いた場合等にも、ボルト14の頭部31がキャップ13
内において変位可能であり、かつ埋設プレート25と円
板41との相対変位が可能であるため、ボルト14の軸
のずれを吸収することが可能となって締結部に無理な力
が加わらず、確実な締結が行なわれる。また、本第2実
施例のセグメントの接合構造によれば、ボルト14の他
方の端部(ボルトの先端側端部)が広い箇所である凹所
内において、ナット15によりセグメント10の一方の
接合端面側に締結固定されるので、このナット15によ
るボルト14の締結作業が容易となり、かつ周囲の部材
を損傷させるおそれがない。
【0022】なお、前記各実施例においては、隣接する
6角形のセグメント10を接合する場合に本発明を適用
した例について説明したが、これに限られることなく、
例えば隣接する長方形のセグメントの接合に本発明を適
用してもよいことは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、セグメントの製造から
使用直前までセグメントとボルト連結用部材及びキャッ
プとを別体とすることができ、セグメントの構築時セグ
メントの接合において、セグメントに形成された凹所に
ボルト連結用部材を挿入してセグメントを接合すること
ができるため、セグメント接合箇所のボルト連結用部材
及びそのキャップの腐食及びこれらボルト連結用部材,
キャップのねじ部の腐食または打撃による損傷を防止す
ることができ、また、隣接するセグメントの相互位置が
若干ずれた場合、各セグメントに挿入したボルトの軸線
が所期位置からずれて斜めになっていた場合等であって
も、ボルトの頭部がキャップ内において変位可能である
ため、ボルトの軸のずれを吸収することが可能となり、
締結部に無理な力が加わらず、このため隣接するセグメ
ントの接合が容易となり、ボルトのねじ部が損傷するの
を防止することができ、隣接するセグメントの確実な締
結を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、セグメント
の接合状態を示す要部の断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すセグメントの断面図
である。
【図3】本発明の第1実施例を示すセグメントの凹所に
ボルト連結用ソケットが挿入された状態を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例を示すキャップの平面図で
ある。
【図5】本発明の第1実施例を示すキャップの側断面図
である。
【図6】本発明の第1実施例を示すセグメントにボルト
が挿入された要部の断面図である。
【図7】図6のA矢視図である。
【図8】本発明の第2実施例を示すもので、セグメント
の接合状態を示す要部の断面図である。
【図9】従来のセグメントの接合構造を示す要部の概略
図である。
【図10】従来のセグメントにボルトが挿入された状態
の断面図である。
【符号の説明】
10 セグメント 11 セグメント本体 12 ボルト連結用ソケット(ボルト連結用部材) 13 キャップ 14 ボルト 15 ナット 16 ボルト挿通孔 21 凹所 23 底板(底部) 23a 外底面(対向面) 25 埋設プレート 28 一方の接合端面 29 他方の接合端面 30 ボルト挿通孔 31 頭部 34 長方形孔(開口部) 41 円板(ボルト連結用部材) 44 下面(対向面) 45 ボルト挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 彰夫 東京都中央区八重洲2丁目6番21号 石川 島建材工業株式会社内 (72)発明者 荒川 賢治 大阪府大阪市阿倍野区松崎町二丁目二番二 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 奥野 三郎 大阪府大阪市阿倍野区松崎町二丁目二番二 号 株式会社奥村組内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に複数接合することにより掘削孔の
    軸線方向へ筒状壁体を構成するセグメントの接合構造で
    あって、各セグメントには、隣接するセグメントとの接
    合端面の一方の側に凹所が形成され、自体の底部を対向
    させた状態で前記凹所内にボルト連結用部材が設けら
    れ、かつ前記一方の接合端面と他方の接合端面との間
    に、前記ボルト連結用部材を連通するボルト挿通孔が形
    成され、該セグメントの前記ボルト挿通孔には、一方の
    端部に長方形形状の頭部を有するボルトが、該頭部が前
    記他方の接合端面側に位置するように挿入配置されると
    共に該ボルトの他方の端部が前記凹所内においてナット
    によりセグメントの一方の接合端面側に締結固定され、
    前記ボルト連結用部材には、長方形形状の開口部を有す
    るキャップが装着されると共に、前記ボルト連結用部材
    側に隣接するセグメントから突出するボルトの頭部が前
    記開口部を通して前記キャップ内に挿入され、かつ該キ
    ャップに係合されていることを特徴とするセグメントの
    接合構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10259695A (ja) * 1997-03-17 1998-09-29 Taisei Corp セグメント継ぎ手

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