JPH07258514A - 耐光性の優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

耐光性の優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH07258514A
JPH07258514A JP4888194A JP4888194A JPH07258514A JP H07258514 A JPH07258514 A JP H07258514A JP 4888194 A JP4888194 A JP 4888194A JP 4888194 A JP4888194 A JP 4888194A JP H07258514 A JPH07258514 A JP H07258514A
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light
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JP4888194A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゴム変性スチレン系樹脂、ポリフェニレ
ンエ−テル、ヒドロキシアリ−ルベンゾトリアゾ−ル
系紫外線吸収剤〔(C−1)成分〕、及び/またはトリ
アジン骨格含有ヒンダ−ドピペリジン系光安定剤〔(C
−2)成分〕からなる耐光性改良剤、及び酸化防止
剤、ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤、
分散剤から選ばれる一種以上の耐光性改良助剤を含有す
る樹脂組成物であって、該(C−1)成分のヒドロキシ
ル基のオルト位、及び該(C−2)成分のピペリジン骨
格の窒素原子が炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
6〜11のアリ−ル基で少なくとも一つ置換されている
ことを特徴とするポリフェニレンエ−テル系樹脂組成
物。 【効果】 本組成物は、高度な耐光性を有し、かつ難燃
性、耐熱性、耐衝撃性、及び流動性が優れているため、
家電、OA機器部品等の用途分野に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐光性の優れたポリフェ
ニレンエーテル系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、
耐光性、難燃性、耐熱性、耐衝撃性、及び流動性の優れ
たポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエ−テル系樹脂は、優れ
た耐熱性、耐衝撃性を有するために自動車部品、家電部
品、OA機器部品を初めとする多岐の分野で使用されて
いる。近年、パ−ソナルコンピュ−タやファクシミリ、
ワ−プロ等のOA機器(事務機器、電子情報処理機器)
の普及に伴い、ハウジング材料として難燃性と耐衝撃性
に加え、蛍光燈の光あるいは窓ガラスを透過してくる太
陽光による変色を軽減させるため、優れた耐光性も強く
求められている。このため、ポリフェニレンエ−テル系
樹脂の耐光性を改良する手段として、紫外線吸収剤や光
安定剤を単独もしくは併用で添加するか、または退変色
を隠蔽する観点から着色剤を増量添加しているのが実状
であり、その結果として難燃性の低下や機械的強度の低
下をきたしている。その上、これらの方法による耐光性
の改良は充分とは言えず、満足いく耐光性を有すると共
に耐衝撃性、耐熱性、及び流動性に優れたポリフェニレ
ンエ−テル系樹脂を得るには未だ至っていない。
【0003】ポリフェニレンエ−テル系樹脂の耐光性改
良の従来技術として、ポリフェニレンエ−テル(以下P
PEと称する)、スチレン系樹脂(以下PSと称す
る)、ヒンダ−ドアミン光安定剤、エポキシ化合物、及
び脂肪酸塩からなる樹脂組成物(特開平1−16105
1号)、PPE、PS、アルコキシベンゾフェノン、及
びヒンダ−ドアミン系光安定剤からなる樹脂組成物(特
公平4−33305号)、PPE、PS、及び一分子中
にヒンダ−ドフェノ−ルとヒンダ−ドアミンを含有する
紫外線安定剤(特公昭63−8140号)、PPE、ヒ
ドロキシル基含有ベンゾフェノン、及びヒンダ−ドアミ
ン系光安定剤(特公昭62−60420号)、PPE、
PS、ヘテロサイクリックヒンダ−ドアミン系光安定
剤、及びエポキシ化合物(特公平5−76502号)等
が開示されているが、耐光性が充分でないだけでなく、
難燃性、耐熱性、耐衝撃性、及び流動性が劣るために工
業的使用が狭められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち耐光性の
優れたポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリフェ
ニレンエ−テル系樹脂の耐光性の向上技術を鋭意検討し
た結果、ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエ−
テルに特定の耐光性改良剤と特定の耐光性改良助剤を配
合することにより、耐光性が飛躍的に向上することを見
出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、ゴム変性スチレン系樹
脂〔(A)成分〕、ポリフェニレンエ−テル〔(B)
成分〕、ヒドロキシアリ−ルベンゾトリアゾ−ル系紫
外線吸収剤〔(C−1)成分〕、及び/またはトリアジ
ン骨格含有ヒンダ−ドピペリジン系光安定剤〔(C−
2)成分〕からなる耐光性改良剤、及び酸化防止剤、
ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤、分散
剤から選ばれる一種以上の耐光性改良助剤〔(D)成
分〕を含有する樹脂組成物であって、該(C−1)成分
のヒドロキシル基のオルト位、及び該(C−2)成分の
ピペリジン骨格の窒素原子が炭素数1〜5のアルキル基
または炭素数6〜11のアリ−ル基で少なくとも一つ置
換されていることを特徴とするポリフェニレンエ−テル
系樹脂組成物、及び上記樹脂組成物と難燃剤〔(E)成
分〕及び/または難燃助剤〔(F)成分〕からなる難燃
性向上剤を含有するポリフェニレンエ−テル系樹脂組成
物を提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
樹脂組成物は、ゴム変性スチレン系樹脂〔(A)成
分〕、ポリフェニレンエ−テル〔(B)成分〕、特
定のヒドロキシアリ−ルベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸
収剤〔(C−1)成分〕、及び/または特定のヒンダ−
ドピペリジン系光安定剤〔(C−2)成分〕からなる耐
光性改良剤、特定の耐光性改良助剤〔(D)成分〕、
及び必要に応じて難燃性向上剤を含有する。
【0008】上記(A)成分は成形用樹脂組成物の主成
分をなし、成形品の強度保持の役割を担う。(B)成分
は(A)成分に対して耐熱性と強度を付与するだけでな
く、(A)成分の熱分解を抑制したり、または燃焼時に
成形体表面に炭化被膜を形成して難燃性をを付与する。
(C−1)、(C−2)成分は、(D)成分と共に
(A)、(B)成分の耐光性を改良するための成分であ
る。難燃性向上剤は(A)成分に難燃性を付与するため
の成分である。
【0009】ここで、(C−1)成分のヒドロキシアリ
−ルベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤のヒドロキシル
基のオルト位が炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
6〜11のアリ−ル基で少なくとも一つ置換されている
ことが重要である。オルト位が上記置換基で置換される
ことにより、ヒドロキシル基と不純物として存在してい
る金属との錯体の形成を抑制することができ、耐光性の
向上効果が大きい。
【0010】次に、(C−2)成分のヒンダ−ドピペリ
ジン系光安定剤は、トリアジン骨格を含有し、かつピペ
リジン骨格の窒素原子が上記置換基で少なくとも一つ置
換されていることが重要である。トリアジン骨格を含有
し、かつピペリジン骨格の窒素原子が上記置換基で置換
されることにより、安定化され耐光性の向上効果が大き
いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明において上記(A)成分として使用
するゴム変性スチレン系樹脂は、ビニル芳香族系重合体
よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散
してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族
ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニ
ル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状
懸濁重合、溶液重合、または乳化重合することにより得
られる。
【0012】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられ、上記ゴム変性スチレン系樹
脂を主体にゴム非変性スチレン系樹脂を含有したものも
含む。
【0013】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、
−30℃を越えると耐衝撃性が低下する。このようなゴ
ム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチ
レン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジ
エン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加
した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン−
プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)
等を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ましい。
【0014】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0015】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じ、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単量
体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高め
る必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させる必要の
ある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアク
リル酸エステルを用いることができる。また更に、樹脂
組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合は、α−メ
チルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重合してもよ
い。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香族単量体と
共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40重量%であ
る。
【0016】本発明のゴム変性スチレン系樹脂における
ゴム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ま
しくは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混
合物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは
90〜50重量%の範囲にある。この範囲外では、目的
とする樹脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが取れな
くなる。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、
0.1〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μ
mが好適である。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上
する。
【0017】本発明のゴム変性スチレン系樹脂の分子量
の尺度である還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、ト
ルエン溶液、30℃測定)は、0.30〜0.80dl
/gの範囲にあることが好ましく、0.40〜0.60
dl/gの範囲にあることがより好ましい。ゴム変性ス
チレン系樹脂の還元粘度ηsp/cに関する上記要件を
満たすための手段としては、重合開始剤量、重合温度、
連鎖移動剤量の調整等を挙げることができる。本発明に
おいて(B)成分として使用するポリフェニレンエーテ
ル(以下PPEと略称する。)は、下記式で示される結
合単位からなる単独重合体及び/又は共重合体である。
【0018】
【化1】
【0019】但し、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジ
メチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
との共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。かか
るPPEの製造方法は特に限定されるものではなく、例
えば、米国特許第3,306,874号明細書記載の方
法による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒とし
て用い、例えば2,6キシレノールを酸化重合すること
により容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,3
061075号明細書、米国特許第3,257,357
号明細書、米国特許3,257,358号明細書、及び
特公昭52−17880号公報、特開昭50−5119
7号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明
にて用いる上記PPEの還元粘度(0.5g/dl、ク
ロロホルム溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70
dl/gの範囲にあることが好ましく、0.30〜0.
60dl/gの範囲にあることがより好ましい。PPE
の還元粘度に関する上記要件を満たすための手段として
は、前記PPEの製造の際の触媒量の調整などを挙げる
ことができる。
【0020】本発明の耐光性改良剤は、下記式 化2
ヒドロキシアリ−ルベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤
〔(C−1)成分〕、及び/またはトリアジン骨格含有
ヒンダ−ドピペリジン系光安定剤〔(C−2)成分〕か
らなり、該(C−1)成分のヒドロキシル基のオルト
位、及び該(C−2)成分のピペリジン骨格の窒素原子
が炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜11のア
リ−ル基で少なくとも一つ置換されている。
【0021】
【化2】
【0022】(ここで、R1 はハロゲン、または炭素数
1〜5のアルキル基または炭素数6〜11のアリ−ル基
であり、R2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
6〜11のアリ−ル基である。)上記ヒドロキシアリ−
ルベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤は、光エネルギ−
を吸収して、分子内プロトン移動することによりケト型
分子となり、熱エネルギ−として放出、無害化するため
の成分である。その具体例は、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−t−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−5’−t−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−5’−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)
ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(3−t
−ブチル−4−t−オクチル−6−ベンゾトリアゾリ
ル)フェノ−ル等の2−(2’−ヒドロキシ−3’−t
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル等である。ここ
で特に、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ルが
好ましい。
【0023】前記トリアジン骨格ヒンダ−ドピペリジン
系光安定剤は、光エネルギ−により生成したハイドロパ
−オキサイドを分解し、安定なN−O・ラジカルやN−
OR、N−OHを生じ、安定化させるための成分であ
る。その具体例は、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ}〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレ
ンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
1,6−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6
−t−オクチリアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,
6−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モ
ルホリノ−s−トリアジン重縮合物等である。ここで特
に、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕
−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物が好まし
い。
【0024】本発明の(D)成分の耐光性改良助剤は、
酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金属不
活性剤、消光剤、分散剤から選ばれる一種以上の耐
光性改良助剤である。上記酸化防止剤は、熱成形時ま
たは光暴露により、生成したハイドロパ−オキシラジカ
ル等の過酸化物ラジカルを安定化したり、生成したハイ
ドロパ−オキサイド等の過酸化物を分解するための成分
である。その具体例は、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防
止剤及び/または過酸化物分解剤である。前者は、ラジ
カル連鎖禁止剤として、後者は、系中に生成した過酸化
物をさらに安定なアルコ−ル類に分解して自動酸化を防
止する。
【0025】前記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤
は、2,6−ジタ−シャルブチル−4−メチルフェノ−
ル、スタイレネイテドフェノ−ル、n−オクタデシル3
−(3,5−ジタ−シャルブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネ−ト、2,2’−メチレンッビス(4
−メチル−6−タ−シャルブチルフェノ−ル)、2−タ
−シャルブチル−6−(3−タ−シャルブチル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル
アクリレ−ト、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−
ジタ−シャルペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ
タ−シャルペンチルフェニルアクリレ−ト、4,4’−
ブチリデンビス(3−メチル−6−タ−シャルブチルフ
ェノ−ル)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−タ
−シャルブチルフェノ−ル)、アルキレイテッドビスフ
ェノ−ル、テトラキス[メチレン3−(3,5−ジタ−
シャルブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−
ト]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−タ−シャ
ルブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プ
ロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカ
ン等である。
【0026】また、前記過酸化物分解剤は、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリス(2,4−ジタ−シャルブチルフェニル)ホスフ
ァイト等の有機リン系過酸化物分解剤またはジラウリル
3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジミリスチル3,
3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル3,3’−
チオジプロピオネ−、ペンタエリスリチルテトラキス
(3−ラウリルチオプロピオネ−ト)、ジトリデシル
3,3’−チオジプロピオネ−ト、2−メルカプトベン
ズイミダゾ−ル等の有機イオウ系過酸化物分解剤であ
る。
【0027】前記ハロゲン捕捉剤は、熱成形時または
光暴露時に生成する遊離ハロゲンを捕捉するための成分
である。その具体例は、ハイドロタルサイト、ゼオライ
ト、酸化マグネシウム、ステアリン酸カリシウム、ステ
アリン酸亜鉛等の塩基性金属塩、有機錫化合物、または
有機エポキシ化合物である。上記ハイドロタルサイト
は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、
ビスマス等の含水塩基性炭酸塩またはその結晶水をふく
まないもので、天然物及び合成品が含まれる。天然物と
しては、Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oの構
造のものが挙げられる。また、合成品としては、Mg0.
7 Al0.3 (OH)2 (CO3 )0.15・0.54H2
O、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O、
Mg4.2 Al2 (OH)12.4CO3 、Zn6 Al2 (O
H)16CO3 ・4 H2 O、Ca6 Al2 (OH)16CO
3 ・4 H2 O、Mg14Bi2 (OH)29.6・4.2H2
O等が挙げられる。
【0028】前記ゼオライトは、Na2 O・Al2 O3
・2SiO2 ・XH2 Oで示されるA型ゼオライト、ま
たは周期律表第II族及び第IV族の金属から選ばれた
少なくとも一種の金属を含む金属置換ゼオライトであ
る。そして、その置換金属としては、Mg、Ca、Z
n、Sr、Ba、Zr、Sn等であり、特にCa、Z
n、Baが好ましい。
【0029】前記有機エポキシ化合物は、エポキシ化大
豆油、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト、
ハイドロキノンジグリシジルエ−テル、テレフタル酸ジ
グリシジルエステル、4,4’−スルホビスフェノ−ル
・ポリグリシジルエ−テル、N−グリシジルフタルイミ
ド、または水添ビスフェノ−ルAグリシジルエ−テル、
3,4 −エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレ−ト、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシルスピロ〔5,5〕−3,4−エ
ポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビニ
ルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシ
クロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシルメチル)アジペ−ト、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキサンカルボキシレ−ト、メチレンビス
(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタ
ジエンベポキサイド、エチレングリコ−ルのジ(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)エ−テル、エチレン
ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ−
ト)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポ
キシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等の
脂環式エポキシ化合物等である。
【0030】前記遮光剤は、光が高分子バルクに達す
るのを防止するための成分である。その具体例は、ルチ
ル型酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化クロム(Cr2 O3 )、酸化セリウム(CeO2 )等
である。前記金属不活性剤は、キレ−ト化合物により
樹脂中の重金属イオンを不活性化するための成分であ
る。その具体例は、アシッドアミン誘導体、ベンゾトリ
アゾ−ル、及びその誘導体倒である。
【0031】前記消光剤は、高分子中の光励起したハ
イドロパ−オキサイドやカルボニル基等の官能基をエネ
ルギ−移動によって失活させるための成分であり、有機
ニッケル等が知られている。前記分散剤は、前記耐光
性改良剤、耐光性改良助剤の樹脂中での分散性を改良す
るための成分であり、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高
級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アル
コ−ル、または金属石鹸等である。
【0032】上記脂肪族炭化水素系加工助剤は、流動パ
ラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリオ
レフィンワックス、合成パラフィン、及びこれらの部分
酸化物、あるいはフッ化物、塩化物等である。前記高級
脂肪酸は、カプロン酸、ヘキサデカン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、フェニルステアリン酸、フェロン酸
等の飽和脂肪酸、及びリシノ−ル酸、リシンベライジン
酸、9−オキシ12オクタデセン酸等の不飽和脂肪酸等
である。
【0033】前記高級脂肪酸エステルは、フェニルステ
アリン酸メチル、フェニルステアリン酸ブチル等の脂肪
酸の1価アルコ−ルエステル、及びフタル酸ジフェニル
ステアリルのフタル酸ジエステル等の多塩基酸の1価ア
ルコ−ルエステルであり、さらに、ソルビタンモノラウ
レ−ト、ソルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンモノ
オレ−ト、ソルビタンセスキオレ−ト、ソルビタントリ
オレ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ−
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレ−ト等のソルビタン
エステル、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸
モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ベヘ
ニン酸モノグリセライド等のグリセリン単量体の脂肪酸
エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリ
グリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンラウリ
ン酸エステル等のポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンモノラウレ−ト、ポリオキシエチレン
モノステアレ−ト、ポリオキシエチレンモノオレ−ト等
のポリアルキレンエ−テルユニットを有する脂肪酸エス
テル、及びネオペンチルポリオ−ルジステアリン酸エス
テル等のネオペンチルポリオ−ル脂肪酸エステル等であ
る。
【0034】前記高級脂肪酸アミドは、フェニルステア
リン酸アミド、メチロ−ルステアリン酸アミド、メチロ
−ルベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のモノアミド、ヤシ
油脂肪酸ジエタノ−ルアミド、ラウリン酸ジエタノ−ル
アミド、及びヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド、オレイ
ン酸ジエタノ−ルアミド等のN,N’−2置換モノアミ
ド等であり、さらに、メチレンビス(12−ヒドロキシ
フェニル)ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシフェニ
ル)ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス(12−
ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の飽和脂肪
酸ビスアミド、及びm−キシリレンビス(12−ヒドロ
キシフェニル)ステアリン酸アミド等の芳香族系ビスア
ミドである。
【0035】前記高級脂肪族アルコ−ルは、ステアリル
アルコ−ルやセチルアルコ−ル等の1価のアルコ−ル、
ソルビト−ルやマンニト−ル等の多価アルコ−ル、及び
ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレ
ンボクタデシルアミン等であり、さらに、ポリオキシエ
チレンアリル化エ−テル等のポリアルキレンエ−テルユ
ニットを有するアリル化エ−テル、及びポリオキシエチ
レンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレントリドデシ
ルエ−テル、ポリオキシエチレンセチルエ−テル、ポリ
オキシエチレンステアリルエ−テル、ポリオキシエチレ
ンオレイルエ−テル等のポリオキシエチレンアルキルエ
−テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル等のポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリエピ
クロルヒドリンエ−テル、ポリオキシエチレンビスフェ
ノ−ルAエ−テル、ポリオキシエチレンエチレングリコ
−ル、ポリオキシプロピレンビスフェノ−ルAエ−テ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ−
ルエ−テル等のポリアルキレンエ−テルユニットを有す
る2価アルコ−ルである。
【0036】前記金属石鹸は、上記ステアリン酸等の高
級脂肪酸の、バリウムやカルシウムや亜鉛やアルミニウ
ムやマグネシウム等の金属塩である。本発明の(E)成
分の難燃剤は、ハロゲン系、リン系または無機系難燃剤
である。上記ハロゲン系難燃剤としては、ハロゲン化ビ
スフェノ−ル、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ポリ
カーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロ
ゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエ
ーテル等が挙げられ、好ましくはデカブロモジフェニル
オキサイド、テトラブロムビスフェノールA、テトラブ
ロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェ
ノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポ
リカーボネート、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋
ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキサイド、ポ
リジブロムフェニレンオキサイド、デカブロムジフェニ
ルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハロゲンリン酸
エステル及びフッ素系樹脂等である。
【0037】上記リン系難燃剤としては、有機リン化
合物、赤リン、無機系リン酸塩等が挙げられる。本
発明の有機リン化合物は、例えば、ホスフィン、ホス
フィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホス
フィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等であ
る。より具体的には、トリフェニルフォスフェート、メ
チルネオベンチルフォスファイト、ヘンタエリスリトー
ルジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォ
スフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、
ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジ
シクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチ
ルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォ
スファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジ
ピロカテコールハイポジフォスフェートである。
【0038】ここで、特に有機リン化合物として、ヒド
ロキシル基含有芳香族リン酸エステルが好ましく、ヒド
ロキシル基含有芳香族リン酸エステルを主体にヒドロキ
シル基を含有しない有機リン化合物をも含むことができ
る。本発明の(I)難燃剤がヒドロキシル基を含有しな
い有機リン化合物を含む場合、両者の量比については、
前者が20〜80重量%、後者が80〜20重量%であ
ることが好ましい。
【0039】上記ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エ
ステルは、トリクレジルフォスフェ−トやトリフェニル
フォスフェ−トやそれらの縮合リン酸エステル等に1個
または2個以上のフェノ−ル性水酸基を含有したリン酸
エステルであり、例えば下記の化合物である。
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】(但し、Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar4
、Ar5 、Ar6 はフェニル基、キシレニル基、エチ
ルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニ
ル基から選ばれる芳香族基であり、リン酸エステル中に
少なくとも1個のヒドロキシル基が上記芳香族基に置換
されている。また、nは0〜3の整数を表わし、mは1
以上の整数を表わす。)本発明のヒドロキシル基含有芳
香族系リン酸エステルの中でも特に、下記式(化5)ジ
フェニルレゾルシニルフォスフェ−トまたは(化6)ジ
フェニルハイドロキノニルフォスフェ−トが好ましく、
その製造方法は、例えば特開平1 −223158号公報
に開示されており、フェノ−ル、ヒドロキシフェノ−
ル、塩化アルミニウム及びオキシ塩化リンの反応により
得られる。
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】
【0045】前記赤リンとは、一般の赤リンの他に、
その表面をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよりえらばれる
金属水酸化物の被膜で被覆処理されたもの、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チ
タンより選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりな
る被膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ば
れる金属水酸化物の被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二
重に被覆処理されたものなども好適に用いることができ
る。
【0046】前記無機系リン酸塩は、ポリリン酸アン
モニウムが代表的である。また、本発明の(E)成分中
の無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物等の無機金
属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタ
ホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカ
ルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられ
る。これらは、1種でも2種以上を併用してもよい。こ
の中で特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトから
なる群から選ばれたものが難燃効果が良く、経済的にも
有利である。
【0047】本発明の樹脂組成物に必要に応じて、ト
リアジン骨格含有化合物、ノボラック樹脂、含金属
化合物、シリコ−ン樹脂、シリコ−ンオイル、シ
リカ、アラミド繊維、フッ素系樹脂から選ばれる一
種以上の難燃助剤〔(F)成分〕を配合することができ
る。上記トリアジン骨格含有化合物は、有機リン化合
物の難燃助剤として一層の難燃性を向上させるための成
分である。その具体例としては、メラミン、メラム(化
7)、メレム(化8)、メロン(600℃以上でメレム
3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラ
ミンシアヌレ−ト(化9)、リン酸メラミン(化1
0)、サクシノグアナミン(化11)、アジポグアナミ
ン、メチルグルタログアナミン、、メラミン樹脂(化1
2)、BTレジン(化13)等を挙げることができる
が、耐揮発性の観点から特にメラミンシアヌレ−トが好
ましい。
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】前記ノボラック樹脂は、燃焼時の火種の
滴下を抑制(耐ドリップ性)するための成分であり、か
つヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステルと併用する
場合には、流動性と耐熱性の向上剤でもある。そして、
その樹脂は、フェノ−ル類とアルデヒド類を硫酸または
塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得られる熱可塑
性樹脂であり、その製造方法は、「高分子実験学5『重
縮合と重付加』p.437〜455(共立出版(株)」
に記載されている。ノボラック樹脂製造の一例を化14
に示す。
【0056】
【化14】
【0057】上記フェノ−ル類は、フェノ−ル、o−ク
レゾ−ル、m−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル、2,5−
ジメチル−、3,5−ジメチル−、2,3,5−トリメ
チル−、3,4,5−トリメチル−、p−t−ブチル
−、p−n−オクチル−、p−ステアリル−、p−フェ
ニル−、p−(2−フェニルエチル)−、o−イソプロ
ピル−、p−イソプロピル−、m−イソプロピル−、p
−メトキシ−、及びp−フェノキシフェノ−ル、ピロカ
テコ−ル、レゾルシノ−ル、ハイドロキノン、サリチル
アルデヒド、サルチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メ
チル p−ヒドロキシベンゾエ−ト、p−シアノ−、及
びo−シアノフェノ−ル、p−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、シク
ロヘキシルp−ヒドロキシベンゼンスルホネ−ト、4−
ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、メチル 4
−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィネ−ト、4−ヒ
ドロキシフェニルホスホン酸、エチル 4−ヒドロキシ
フェニルホスホネ−ト、ジフェニル 4−ヒドロキシフ
ェニルホスホネ−ト等である。
【0058】上記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、n−プロパナ−ル、n−ブタナ−
ル、イソプロパナ−ル、イソブチルアルデヒド、3−メ
チル−n−ブタナ−ル、ベンズアルデヒド、p−トリル
アルデヒド、2−フェニルアセトアルデヒド等である。
前記含金属化合物は、金属酸化物及び/または金属粉
である。上記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化
鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバ
ルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アン
チモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の
単体または、それらの複合体(合金)であり、上記金属
粉は、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モ
リブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、
銅、タングステン、スズ、アンチモン等の単体または、
それらの複合体である。
【0059】前記シリコ−ン樹脂は、SiO2 、RS
iO3/2 、R2 SiO、R3 SiO1/2 の構造単位を組
み合わせてできる三次元網状構造を有するシリコ−ン樹
脂である。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル
基等のアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジル基
等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有した
置換基を示す。ここで、特にビニル基を含有したシリコ
−ン樹脂が好ましい。
【0060】このようなシリコ−ン樹脂は、上記の構造
単位に対応するオルガノハロシランを共加水分解して重
合することにより得られる。前記シリコ−ンオイル
は、化15に示される化学結合単位からなるポリジオル
ガノシロキサンである。
【0061】
【化15】
【0062】上式中のRは、C1〜8のアルキル基、C
6〜13のアリ−ル基、化16、化17で示される含ビ
ニル基から選ばれる一種または二種以上の置換基であ
り、ここで、特に分子中ビニル基を含有することが好ま
しい。
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】前記シリコ−ンオイルの粘度は、600〜
1000000センチポイズ(25°C)が好ましく、
さらに好ましくは90000〜150000センチポイ
ズ(25°C)である。前記シリカは、無定形の二酸
化ケイ素であり、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系
のシランカップリング剤で処理した炭化水素系化合物被
覆シリカが好ましく、更にはビニル基を含有した炭化水
素系化合物被覆シリカが好ましい。
【0066】上記シランカップリング剤は、p−スチリ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基含有
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン等のエポキシシラン、及びN−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノシランである。ここで、特に熱可塑性樹脂と構
造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ま
しく、例えば、スチレン系樹脂に対しては、p−スチリ
ルトリメトキシシランが好適である。
【0067】シリカ表面へのシランカップリング剤の処
理は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法は、シリカ
をシランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥さ
せる方法であり、乾式法は、ヘンシェルミキサ−のよう
な高速撹はん可能な機器の中にシリカを仕込み、撹はん
しながらシランカップリング剤液をゆっくり滴下し、そ
の後熱処理する方法である。
【0068】前記アラミド繊維は、全芳香族ポリアミ
ド繊維であり、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、
またはポリパラフェニレンテレフタルアミドをアミド系
極性溶媒または硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液
紡糸することにより製造することができる。前記フッ
素系樹脂は、更に一層、耐ドリップ性を向上させるため
の成分であり、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂であ
る。その具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポ
リジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を挙げることがで
きる。また、耐ドリップ性を損わない程度に必要に応じ
て上記含フッ素モノマ−と共重合可能なモノマ−とを併
用してもよい。
【0069】これらのフッ素系樹脂の製造方法は、米国
特許第2,393,697号明細書及び米国特許第2,
534,058号明細書に開示され、例えばテトラフル
オロエチレンを水性媒体中で過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム等のラジカル開始剤を用いて、7〜70kg/
cm2 の加圧下、0〜200°Cの温度で重合し、次いで
懸濁液、分散液または乳濁液から凝析により、または沈
殿によりポリテトラフルオロエチレン粉末が得られる。
【0070】ここで、フッ素系樹脂の融点以上で溶融混
練することが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエ
チレンの場合、300〜350℃の温度範囲で溶融する
ことが好ましい。せん断力下、融点以上での溶融によ
り、高度にフィブリル化し、配向結晶化する。そして、
フッ素系樹脂が幹繊維に対して、枝分かれした特殊な高
次構造を有するフッ素系樹脂が得られる。その結果とし
て、三次元的に熱可塑性樹脂と絡み合い、成形体の溶融
適下を抑制する。また、高せん断力を与えるために、ゴ
ム変性樹脂(例えば、ゴム変性ポリスチレン)より、ポ
リフェニレン−テル等の溶融粘度の高い硬質樹脂中で溶
融することが好ましい。
【0071】上記特殊な高次構造を有するフッ素系樹脂
の製造方法は、フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂と必要に応
じて分散剤を、フッ素系樹脂の融点以上で溶融混練して
マスタ−バッチを作製してから、熱可塑性樹脂、難燃剤
と溶融混練する二段プロセス法、または、サイドフィ−
ド可能な二ゾ−ンからなる押出機を用い、前段で熱可塑
性樹脂とフッ素系樹脂と必要に応じて分散剤を、フッ素
系樹脂の融点以上で溶融混練し、後段で溶融温度を下げ
て難燃剤をフィ−ド、溶融混練する一段プロセス法等が
ある。
【0072】本発明の樹脂組成物に必要に応じて、芳
香族ビニル単位とアクリル酸エステル単位からなる共重
合樹脂、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコ
−ル、または金属石鹸から選ばれる一種または二種以
上の流動性向上剤〔(G)成分〕を配合することができ
る。
【0073】上記共重合樹脂の芳香族ビニル単位は、
(A)成分の説明において示した芳香族ビニル単位であ
り、アクリル酸エステル単位は、アクリル酸メチル、ア
クリル酸ブチル等の炭素数が1〜8のアルキル基からな
るアクリル酸エステルである。 ここで、共重合樹脂中
のアクリル酸エステル単位の含量は、3〜40重量%が
好ましく、更には、5〜20重量%が好適である。ま
た、上記共重合樹脂の分子量の指標である溶液粘度(樹
脂10重量%のMEK溶液、測定温度25℃)が、2〜
10cP(センチポアズ)であることが好ましい。溶液
粘度が2cP未満では、衝撃強度が低下し、一方、10
cPを越えると流動性の向上効果が低下する。
【0074】本発明の(G)成分中の〜の成分は、
耐光性改良助剤〔(D)成分〕中の分散剤の説明におい
て示した化合物である。本発明の樹脂組成物の衝撃強度
を更に向上させる場合には、必要に応じて、スチレン系
熱可塑性エラストマ−〔(H)成分〕を配合することが
できる。上記スチレン系熱可塑性エラストマ−は、芳香
族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合
体、または上記共役ジエン単位部分が水素添加されたブ
ロック共重合体である。
【0075】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、(A)成分の説明において記載した芳香
族ビニル単量体であり、スチレンが最も好ましいが、ス
チレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合し
てもよい。また、上記ブロック共重合体を構成する共役
ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等を
挙げることができる。
【0076】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその水素添加された単位
からなる重合体ブロックをBで表示する場合、SB、S
(BS)n 、(但し、nは1〜3の整数)、S(BS
B)n 、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−ブロッ
ク共重合体や、(SB)n X(但し、nは3〜6の整
数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合
物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部分を
結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合体である
ことが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、
SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好まし
い。
【0077】本発明の樹脂組成物は、(A)成分として
ゴム変性スチレン系樹脂を主成分として、必要に応じて
ゴム非変性スチレン系樹脂を配合した樹脂、(B)成分
としてポリフェニレンエーテル、(C−1)成分として
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、(C−2)成分
としてN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ〕−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、(D)成
分としてヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系過
酸化物分解剤、ハイドロタルサイト、酸化チタンから選
ばれる耐候性改良助剤、(E)成分として芳香族リン酸
エステル、(F)成分としてメラミンシアヌレート、
(G)成分として高級脂肪酸アミド、(H)成分として
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の組合せが好ま
しい。
【0078】本発明の樹脂成分は、(A)成分と(B)
成分からなり、その樹脂成分の100重量部中に占める
(B)成分の割合は、3〜40重量部の範囲が好まし
い。(B)成分が3重量部未満では、炭化残渣量が少な
く難燃性が充分でなく、40重量部を越えると流動性と
耐光性が低下し、好ましくない。(B)成分のより好ま
しい範囲は5〜25重量部である。
【0079】本発明の樹脂組成物は、樹脂成分100重
量部に対して、(C−1)ヒドロキシアリ−ルベンゾト
リアゾ−ル系紫外線吸収剤が0.01〜10重量部、
(C−2)トリアジン骨格含有ヒンダ−ドピペリジン系
光安定剤が0.01〜10重量部、(D)耐光性改良助
剤が0.01〜10重量部、(E)難燃剤が0〜30重
量部、(F)難燃助剤が0〜30重量部、(G)流動性
向上剤が0〜10重量部、(H)スチレン系熱可塑性エ
ラストマ−が0〜20重量部を配合することが好まし
い。ここで上記範囲内では、耐光性、難燃性、成形加工
性(流動性)、耐衝撃性及び耐熱性のバランス特性が優
れている。
【0080】本発明の溶融押出し方法は、全成分を同時
に溶融押出してもいいし、またはまず樹脂成分を溶融押
出しした後に、再度ポリマ−添加剤を溶融押出しする逐
次的押出し法、あるいは複数ゾ−ンからなる押出機で前
段で樹脂成分を溶融し、後段でポリマ−添加剤を溶融押
出しする一段押出法等がある。ここで、上記一段押出法
において、前段で(A)成分の一部と(B)成分を溶融
し、後段で(A)成分の残部及び(C)成分を溶融押出
しすることができる。
【0081】本発明の樹脂組成物は、上記方法で溶融混
練することにより得られるが、その際にその他の酸化防
止剤、その他の紫外線吸収剤、錫系熱安定剤、その他の
無機系やハロゲン系難燃剤、ステアリン酸やステアリン
酸亜鉛等の滑剤、充填剤、ガラス繊維等の補強剤、染料
や顔料等の着色剤等を必要に応じて添加することができ
る。このようにして得られた本発明の組成物を例えば、
射出成形機または押出成形することにより、耐光性、成
形加工性(流動性)、難燃性、耐熱性及び耐衝撃性の優
れた成形品が得られる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。尚、実施例、比較例における測定は、以下の方
法もしくは測定機を用いて行なった。
【0083】(1)ゴム重量平均粒子径 ゴム変性芳香族ビニル樹脂の重量平均粒子径は、樹脂組
成物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真
中のブタジエン系重合体粒子径を求め、次式により算出
する。 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3 (ここでNiは、粒子がDiであるブタジエン系重合体
粒子の個数である。) (2)還元粘度ηSP/C ゴム変性芳香族ビニル樹脂1gにメチルエチルケトン1
8mlとメタノ−ル2mlの混合溶媒を加え、25℃で
2時間振とうし、5℃、18000rpmで30分間遠
心分離する。上澄み液を取り出しメタノ−ルで樹脂分を
析出させた後、乾燥した。
【0084】このようにして得られた樹脂0.1gをト
ルエンに溶解し、濃度0.5 g/dlの溶液とし、この
溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度計に入れ、
30℃でこの溶液流下秒数 t1 を測定した。一方、別
に同じ粘度計で純トルエンの流下秒数 t0 を測定し、
以下の数式により算出した。 ηSP/C=(t1 / t0 − 1)/C (C:ポリ
マ−濃度 g/dl) 一方、(B)成分のPPEの還元粘度ηSP/cについて
は、0.1gをクロロホルムに溶解し、濃度0.5 g/
dlの溶液とし、上記と同様に測定した。
【0085】(3)アイゾット衝撃強さ ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定し
た。(Vノッチ、1 /8インチ試験片) (4)ビカット軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定し、耐熱性
の尺度とした。 (5)メルトフロ−レ−ト(MFR) 流動性の指標でASTM−D1238に準拠した方法で
測定した。荷重5kg、溶融温度200℃の条件で10
分間あたりの押出量(g/10分)から求めた。
【0086】(6)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した。(1/8インチ試験片) (7)耐光性 JIS K7102に基づいた試験法で、耐光試験機と
して、ATLAS Electric Devices
Co.製 ATLAS CI35W Weather
−ometerを用い、以下の条件で照射し、色差ΔE
を測定した。
【0087】(照射条件)ブラックパネル温度 55℃
湿度 55% 雨無し キセノン光(波長340nm
エネルギ− 0.30W/m2)300時間照射 (8)色調変化ΔE スガ試験機(株)製 SMカラ−コンプ−タ−型式SM
−3を用い、L.a.b.法により成形体の色差ΔEを
もとめた。
【0088】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)ゴム変性スチレン系樹脂(A成分) 市販のゴム変性芳香族ビニル樹脂〔旭化成工業(株)製
ポリスチレン/ポリブタジエン(シス1,4結合/ト
ランス1,4結合/ビニル1,2結合重量比=95/2
/3)=88/12(重量比) 重量平均ゴム粒子径
1.25μmηsp/C 0.79〕を用いた。(HIP
Sと称する) (ロ)ポリフェニレンエーテル(PPE:B成分) 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間
重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPEと称する)。還元粘度ηSPは0.55dl
/gであった。
【0089】(ハ)耐光性改良剤 紫外線吸収剤 a)オルト置換ヒドロキシアリ−ルベンゾトリアゾ−ル
(UVA) チバ−ガイギ−社製のベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収
剤〔商品名チヌビン 327 (UVAと称する)〕を
用いた。
【0090】
【化18】
【0091】b)オルト非置換ヒドロキシアリ−ルベン
ゾトリアゾ−ル チバ−ガイギ−社製のベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収
剤〔商品名チヌビン P (uva−1と称する)〕を
用いた。
【0092】
【化19】
【0093】c)オルト非置換ヒドロキシアリ−ルベン
ゾトリアゾ−ル チバ−ガイギ−社製のベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収
剤〔商品名チヌビン 329 (uva−2と称す
る)〕を用いた。
【0094】
【化20】
【0095】d)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 住友化学工業(株)製のベンゾフェノン系紫外線吸収剤
〔商品名 スミソ−ブ 110 (uva−3と称す
る)〕を用いた。
【0096】
【化21】
【0097】e)ベンゾエ−ト系紫外線吸収剤 住友化学工業(株)製のベンゾエ−ト系紫外線吸収剤
〔商品名 スミソ−ブ 400 (uva−4と称す
る)〕を用いた。
【0098】
【化22】
【0099】ヒンダ−ドピペリジン系光安定剤 a)トリアジン骨格含有−N−置換ヒンダ−ドピペリジ
ン系光安定剤 チバガイギ−社製〔商品名 チヌビン119 (HAL
Sと称する)〕を用いた。
【0100】
【化23】
【0101】b)トリアジン骨格非含有−N−非置換ヒ
ンダ−ドピペリジン系光安定剤 チバガイギ−社製〔商品名 チヌビン770 (hal
s−1と称する)〕を用いた。
【0102】
【化24】
【0103】c)トリアジン骨格含有−N−非置換ヒン
ダ−ドピペリジン系光安定剤 チバガイギ−社製〔商品名 チヌビン944 (hal
s−2と称する)〕を用いた。
【0104】
【化25】
【0105】d)トリアジン骨格非含有−N−置換ヒン
ダ−ドピペリジン系光安定剤 チバガイギ−社製〔商品名 チヌビン144 (hal
s−3と称する)〕を用いた。
【0106】
【化26】
【0107】(ハ)耐光性改良助剤 酸化防止剤 チバガイギ−社製〔商品名 イルガノックス1076
(AOと称する)〕を用いた。
【0108】
【化27】
【0109】ハロゲン捕捉剤 a)市販のスズ系熱安定剤〔日東化成(株)製〕 ノルマルオクチルスズマレエ−ト(Sn−1と称する) ノルマルオクチルスズマレエ−トポリマ−(Sn−2と
称する)を用いた。
【0110】b)ステアリン酸カルシウム(CaST) 市販のステアリン酸カルシウム(CaSTと称する)を
用いた。 c)ステアリン酸亜鉛(ZnST) 市販のステアリン酸亜鉛(ZnSTと称する)を用い
た。 d)ゼオライト 市販の金属置換ゼオライト〔A型ゼオライト(Na)
(Z−1と称する)を用いた。
【0111】e)ハイドロタルサイト 市販のハイドロタルサイトを用いた。(H−1と称す
る) 遮光剤 酸化チタン(TiO2 ) 市販の酸化チタン粉末〔石原産業(株)製 0.2μ
(TiO2 と称する)を用いた。
【0112】金属不活性剤(MIA) 住友化学工業(株)製 〔商品名 Stbinol C
S42 (MIAと称する)〕を用いた。
【0113】
【化28】
【0114】消光剤 住友化学工業(株)製 〔商品名 Antigene
NBC (QUと称する)〕を用いた。
【0115】
【化29】
【0116】分散剤 市販のエチレンビスステアリン酸アミド〔花王(株)製
商品名 カオ−ワックスEB−FF(EBSと称す
る)〕を用いた。
【0117】
【化30】[C17H35CONH]2 (CH2 )2 (ニ)難燃剤 ハロゲン化ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂 a)テトラブロモビスフェノ−ルAエポキシオリゴマ−
(末端グリシジル基) 東都化成(株)製を用いた。
【0118】 商品名 分子量 臭素含量(%) 略称 YDB−406 1400 51 FR−1
【0119】
【化31】
【0120】エチレンビステトラブロモフタルイミド
(FR−2) Ethyl Chemicals社製 商品名 Say
tex BT−93(FR−2と称する)を用いた。
【0121】
【化32】
【0122】(ホ)難燃助剤 三酸化アンチモン(FR−3) 難燃助剤として、市販の三酸化アンチモン〔同和鉱業
(株)製 商品名Antimony Bloom 10
0A(FR−3と称する)〕を用いた。
【0123】
【実施例 1〜17、比較例 1〜9】HIPSとPP
Eからなる樹脂成分〔HIPS/PPE=90/10
(重量比)〕100重量部に対して、表1、2記載の耐
光性改良剤及び耐光性改良助剤を機械的に混合し、ナカ
タニ機械(株)製 AS−20−2 二軸押出機(L/
D28)を用いて、以下の条件で押出し、ペレット化し
た。但し、PPEの溶融温度が高いので、まずGPPS
/PPEを300℃で溶融した後、それを用いて残りの
成分を下記の条件で溶融した。このようにして得られた
樹脂組成物から加熱プレスにより1/8インチ厚の試験
片を作製し、耐光性の評価を行なった。表1、2にその
結果を示す。 (押出条件) シリンダ−温度 200−220−240℃ ダイ温
度 240℃ 回転数 60rpm 吐出量 1.1Kg/hr
【0124】
【実施例 18〜25、比較例 10〜12】HIPS
とPPEからなる樹脂成分100重量部に対して、表3
記載の耐光性改良剤、耐光性改良助剤、及び難燃性向上
剤を機械的に混合し、実施例1と同様にペレット化し
た。このようにして得られた樹脂組成物から加熱プレス
により1/8インチ厚の試験片を作製し、ビカット軟化
温度、アイゾット衝撃強さ、MFR、難燃性、及び耐光
性の評価を行なった。表3にその結果を示す。表1〜3
によると、本発明の耐光性改良剤及び耐光性改良助剤を
用いると耐光性が飛躍的に向上することが分かる。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
【発明の効果】本発明の組成物は、高度な難燃性を有
し、かつ、耐光性、流動性、耐熱性、及び耐衝撃性の優
れたポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物である。この
組成物は、家電部品、OA機器部品等に好適であり、こ
れら産業界に果たす役割は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム変性スチレン系樹脂〔(A)成
    分〕、ポリフェニレンエーテル〔(B)成分〕、ヒ
    ドロキシアリールベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤
    〔(C−1)成分〕、及び/またはトリアジン骨格含有
    ヒンダ−ドピペリジン系光安定剤〔(C−2)成分〕か
    らなる耐光性改良剤、及び酸化防止剤、ハロゲン捕捉
    剤、遮光剤、金属不活性剤、消光剤、分散剤から選ばれ
    る一種以上の耐光性改良助剤〔(D)成分〕を含有する
    樹脂組成物であって、該(C−1)成分のヒドロキシル
    基のオルト位、及び該(C−2)成分のピペリジン骨格
    の窒素原子が炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6
    〜11のアリール基で少なくとも一つ置換されているこ
    とを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記樹脂組成物と難燃剤〔(E)成分〕
    及び/または難燃助剤〔(F)成分〕からなる難燃性向
    上剤を含有するポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009227725A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐光性樹脂組成物

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