JPH07256889A - インクジェットペン用保護キャップ - Google Patents

インクジェットペン用保護キャップ

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JPH07256889A
JPH07256889A JP7049988A JP4998895A JPH07256889A JP H07256889 A JPH07256889 A JP H07256889A JP 7049988 A JP7049988 A JP 7049988A JP 4998895 A JP4998895 A JP 4998895A JP H07256889 A JPH07256889 A JP H07256889A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚染と損傷からプリントヘッドおよび電気接
点を保護するインクジェットペン用の保護キャップを提
供する。 【構成】 インクジェットペン用保護キャップ１２は、
プリントヘッド１６が取り付けられている支持台２８の
両側から横方向に延在する枢軸３０に嵌合し、開位置と
閉位置との間で旋回する。閉位置では、キャップ１２は
プリントヘッド１６を覆い、それによって、プリントヘ
ッド１６が外来物体と接触して損傷することを防止する
とともに、埃や紙繊維や他の有害な汚染物質がインク噴
射口２０の中に侵入することを制限し、かつ静電放電に
よる損傷からプリントヘッドを保護する。ねじりバネ４
８は保護キャップ１２を閉位置に向かって付勢するとと
もに、ラッチ５２は保護キャップ１２を開位置に保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タ用のインクジェットペンに関し、より詳しくはこのイ
ンクジェットペンのための保護キャップに関する。
【０００２】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、高品質の印
刷を行う信頼性の高い手段として広範に認められるよう
になった。こうしたプリンタは、所期の文字又は画像を
形成するために印刷媒体上にインクを噴射又は射出する
働きをする１つ以上のインク噴射口を有する。インクジ
ェットプリンタの１つのタイプは、サーマルインクジェ
ットプリンタである。典型的なサーマルインクジェット
プリンタでは、各々のサーマルインク噴射口が、オリフ
ィスと、少量のインクを蓄えるための窪みと、抵抗器の
ようなサーマルエレメントとを備える。サーマルインク
噴射口は、上記窪み内の少量のインクを蒸発させて上記
オリフィスを通して放出するように上記サーマルエレメ
ントを加熱することによって起動される。
【０００３】インクジェットプリンタはインクジェット
ペンを使用することが多い。こうしたインクジェットペ
ンは、供給インクを収容するインクリザーバと、１個以
上のインク噴射口で構成されるインク噴射口アレイを有
するプリントヘッドと、電気接点パッドとを有すること
が一般的である。この電気接点パッドは１つ以上の電気
接点を有し、これらの電気接点は、インクジェットペン
がプリンタ内に配置される時に、プリンタ内の対応する
接点と結合し、インク噴射口をプリンタの制御システム
に電気的に接続することを可能にする。こうすることに
よって、プリンタの制御システムは、所期の画像を印刷
するためにインク噴射口を選択的に起動することが可能
である。上記リザーバ内の供給インクが使い尽くされる
か又はプリントヘッドが故障した時に、インクジェット
ペンがプリンタから取り外されて廃棄され、新たなイン
クジェットペンがプリンタ内に挿入されるように、イン
クジェットペンが交換可能であることが一般的である。
【０００４】当然のことながら、インクジェットペン
は、適正な動作を確保するために保護を必要とするデリ
ケートな装置である。例えば、インク噴射口の小さなオ
リフィスは、埃や汚れの蓄積の結果として詰まったり壊
れたりする可能性がある。この問題は、埃や微細な紙繊
維が大半の印刷環境に多量に存在するために、深刻なも
のとなる。こうした材料は、プリントヘッド上に溜まっ
てインク噴射口を詰まらせる可能性があるし、或いは、
上記オリフィスの中に入り込んで、オリフィス又は上記
窪みの中のインクを汚染する可能性もある。
【０００５】蒸発損失もインクジェットペンの故障の原
因になる可能性がある。インクは様々な構成材料の組合
せであり、こうした構成材料の中には他の構成材料より
も容易に蒸発するものがある。その結果として、インク
を長時間に亙って外気に露出することによって、蒸発の
容易な構成材料の蒸発が生じる一方、他の構成材料が残
留することになる。この選択的な蒸発は、インクの組成
を変化させ、その結果として適正にペンが機能すること
が不可能になる。極端な場合には、オリフィス内のイン
クが濃厚になるか凝固し、それによってオリフィスを詰
まらせる可能性がある。
【０００６】電気接点パッドに損傷がある場合、又は、
電気接点が汚れで損なわれている場合にも、インクジェ
ットペンが動作不能になる可能性がある。こうした電気
接点に損傷又は汚れがある場合には、プリンタの制御シ
ステムとインク噴射口との間の電気的接続の連続性が中
断される可能性がある。これは、こうした損傷又は汚れ
の影響を受けるインク噴射口の適正な動作を妨害し、ペ
ン全体の交換を余儀なくさせる可能性がある。
【０００７】これに加えて、インクジェットペンは、静
電気放電による損傷に対して脆弱である。インクジェッ
トペンがプリンタ内で使用状態にある時に静電荷が溜ま
る恐れがある。プリンタ内においてインクジェットペン
をプリンタから取り外す際に、又は、インクジェットペ
ンがプリンタの外にある時に、インクジェットペンが導
電性材料と接触する場合に、蓄積された静電荷が放電す
る可能性がある。こうした放電は、プリントヘッドに関
連付けられたデリケートな電気回路と、接点パッドと、
プリントヘッド上のオリフィスとに重大な損傷を与える
可能性がある。
【０００８】従って、高信頼性で高効率のインクジェッ
トペンの動作を確保するためには、デリケートなプリン
トヘッドと電気接点パッドとを常に保護することが望ま
しい。従来のインクジェットペンの中には、インクジェ
ットペンの製造中にテープによってプリントヘッドが覆
われるものがある。このテープは、蒸発損失又はインク
の蒸発を制限するための蒸気バリヤーとして働き、更に
は、インクジェットペンの輸送と当初の貯蔵との際にプ
リントヘッドとインク噴射口との汚染を防止することを
補助するためにプリントヘッドを覆う。しかし、このテ
ープは、プリンタ内にインクジェットペンを装着する前
に、取り外されて廃棄される。この結果として、インク
ジェットペンの使用時とその後の貯蔵時には、プリント
ヘッドとインク噴射口とが保護されず、適切な蒸気バリ
ヤーがないまま放置される。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】プリンタの中には、内
蔵されたキャッピングステーション(capping station)
を備えたものもある。こうしたプリンタは、所期の画像
を印刷するために、印刷動作中に印刷媒体の真上でイン
クジェットペンを往復移動させることが一般的である。
インクジェットペンを使用しない時には、プリンタはイ
ンクジェットペンをキャッピングステーションに移動さ
せ、このキャッピングステーションではプリントヘッド
とインク噴射口とが保護される。しかし、時間が経過す
るにつれて、こうした恒久的なキャッピングステーショ
ンが汚れるか磨耗する可能性がある。こうした汚染や磨
耗が生じる場合には、キャッピングステーションが適切
に機能しなくなり、このようなキャッピングステーショ
ンにインクジェットペンを入れることは、プリントヘッ
ドの汚染さえ生じさせる可能性がある。更に、インクジ
ェットペンの設計変更時には、こうした内蔵形のキャッ
ピングステーションが不適切なものになる可能性があ
る。
【００１０】インクジェットペンを保護するために、特
殊な格納容器、即ち、インクジェットペンガレージ(ink
pen garage)を使用することも可能である。しかし、イ
ンクジェットペンをインクジェットペンガレージ内に入
れるためには、インクジェットペンをプリンタから取り
外さなければならない。このインクジェットペンを再び
使用する場合には、インクジェットペンガレージからイ
ンクジェットペンを取り外して、プリンタ内に再び装着
しなければならない。この結果として、こうした容器の
使用は不便であり、多くの場合には非実用的である。
【００１１】従って、本発明の目的は、汚染と損傷とか
らプリントヘッド、電気接点、又は、これらの両方を保
護する、インクジェットペン用の保護キャップを提供す
ることである。
【００１２】本発明の別の目的は、静電放電によって引
き起こされる損傷からプリントヘッド、電気接点、又
は、これらの両方を保護する、インクジェットペン用の
保護キャップおよびその被せ装置を提供することにあ
る。
【００１３】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の課題は、
プリントヘッドを有するインクジェットペンのための保
護キャップであって、前記保護キャップが前記インクジ
ェットペンに取り付けられ、かつ開位置と前記インクジ
ェットペンの一部分を覆う閉位置との間を移動可能に構
成されたことを特徴とするインクジェットペン用保護キ
ャップにより解決することができる。このように前記キ
ャップの閉位置では、この保護キャップはインクジェッ
トペンの一部分を覆って塵や埃の侵入、インクの堆積や
凝固、又は、静電気の放電等によって引き起こされる損
傷から保護する。
【００１４】本発明のもう一つの特徴は、上記保護キャ
ップは開位置と閉位置との間を旋回可能であり、且つ、
閉位置においてキャップがプリントヘッドのインク噴射
口を保護することが可能であるように配置されることに
ある。
【００１５】本発明の別の特徴は、上記保護キャップ
が、開位置と閉位置との間を滑動可能であり、且つ、閉
位置においてキャップがプリントヘッド、電気接点、又
はこれら両方を覆うように配置されることにある。
【００１６】本発明の更に別の特徴は、保護キャップが
閉位置と開位置との間を移動する時にプリントヘッド及
び／又は電気接点を拭くことにある。
【００１７】本発明を非限定的に例示するために示され
る以下の本発明の詳細な説明から、本発明の他の目的と
特徴とが明らかにされる。
【００１８】
【実施例】本発明の好ましい実施例によるインクジェッ
トペンキャップ被せ装置が、図１に参照符号１０で示さ
れている。この図示されたキャップ被せ装置は、インク
ジェットペン１４の下部端部に旋回自在に取り付けられ
た保護キャップ１２を含む。この保護キャップ１２は開
位置から閉位置に旋回させられることが可能である。閉
位置では、この保護キャップ１２はインクジェットペン
１４のデリケートな部分を覆って損傷から保護し、埃や
紙繊維や他の汚染物質の侵入を制限する。
【００１９】図１と図２に示されているように、上記キ
ャップ被せ装置１０はインクジェットペン１４の上に配
置される。この図示されたインクジェットペン１４は、
供給インクを収容するためのリザーバ１８を有する。プ
リントヘッド１６は、リザーバ１８と流体連絡してい
る。プリントヘッド１６は縦横に配設されたインク噴射
口２０を備え、これらのインク噴射口２０の各々は、イ
ンクを噴射して任意の文字と画像とを形成するように、
インク噴射口２０に対する電気信号の供給によって選択
的に起動させられる。
【００２０】フレキシブルストリップ導体２２が、プリ
ントヘッド１６から延びて、リザーバ１８の一方の側部
に固定された接点パッド２４で終端する。この接点パッ
ド２４は、露出した電気接点２６の配列を有する。上記
のストリップ導体２２は、電気接点２６からインク噴射
口２０に組み合わされた回路２０に延びる複数の電気リ
ード線を含む。インクジェットペン１４がプリンタ（図
示されていない）内に装着される時には、これらの電気
接点２６が、プリンタ上の対応する接点と結合する。こ
うして、プリンタの制御システムは、適切な接点に電気
信号を供給することによって、いずれかの特定のインク
噴射口２０を選択的に起動することが可能である。
【００２１】図１と図２に示される実施例では、プリン
トヘッド１６がインクジェットペン１４の底部から延在
する支持台２８上に取り付けられる。枢軸３０が支持台
２８の両側から横方向に延在する。各枢軸３０が、キャ
ップ１２内に形成された対応する穴に嵌合する。こうし
て、キャップ１２はインクジェットペン１４に軸支され
る。
【００２２】キャップ１２は、図１に示される開位置と
図２に示される閉位置との間を枢軸３０を旋回心軸とし
て旋回することができる。図１に示されるように、イン
クジェットペン１４とキャップ１２は、キャップ１２が
開位置において、インクジェットペン１４又はプリンタ
の動作に干渉することなしにインクジェットペン１４の
底部に対して強固に嵌合するように形成される。閉位置
では、キャップ１２はプリントヘッド１６を覆い、それ
によって、プリントヘッド１６が外来物体と接触して損
傷を与えられることを防止し、且つ、埃や紙繊維や他の
有害な汚染物質がインク噴射口２０の中に侵入すること
を制限する。更に、キャップ１２は、静電放電による損
傷からプリントヘッドを保護する。
【００２３】図示された実施例では、キャップ１２の有
効性が、ガスケット３４をキャップ１２上に付与するこ
とによって増強させられる。図１に最も明瞭に示されて
いるように、キャップ１２が閉位置にある時にガスケッ
ト３４がプリントヘッド１６に突き当たり、デリケート
で損傷し易いインク噴射口２０にキャップ１２を接触さ
せずに、インク噴射口２０の周囲に保護チャンバを画定
するように、エラストマー材料であることが好ましいガ
スケット３４がキャップ１２上に配置される。この保護
チャンバ３６は、そのチャンバ３６内に高い湿度を維持
してインク噴射口２０内のインクが蒸発又は凝固するこ
とを防止することを促進するための湿気バリヤー又は蒸
気バリヤーとして働く。この構成は、キャップ１２が開
位置にある時にインク噴射口２０の周囲に溜まることが
ある堆積物又は汚染物質が、キャップが閉じられる時に
インク噴射口内に押し込まれる可能性を低減させる。
【００２４】実施例の中には、保護チャンバ３６の内側
の気圧と外気との間の平衡を維持することを促進するた
めに、チャンバ３６に通気孔３８を付与することを必要
とするものもある。図１と図２の実施例では、キャップ
が、チャンバ３６内に内側開口４０を有する通気孔３８
を備える。拡散溝４２が内側開口４０からキャップ１２
を通って外側開口４４にまで延在する。通気孔３８は、
保護チャンバ３６内の急激な気圧上昇が空気をインク噴
射口内に押し込むことを防止する。同時に、この通気孔
は、湿気バリヤー又は蒸気バリヤーを維持する。
【００２５】図１と図２の実施例では、内側開口４０が
キャップ１２を完全に貫通して延在し、拡散溝４２の底
部がキャップ１２の外側表面上に形成された谷によって
画定される。カバー４６が、拡散溝４２の最上部を密閉
するために、上記谷の上に配置される。この外側開口４
４はカバー４６を貫通して延在し、拡散溝４２内に開口
する。
【００２６】細長い拡散溝４２を有する、図に示された
通気孔３８は、インク噴射口内のインクの蒸発と凝固を
有利に防止する働きをするが、これとは別の通気方式を
使用し得ることが理解されるべきである。例えば、別の
実施例では、通気孔は、キャップ１２を貫通してチャン
バ３６内に直接延びる穴であることも可能である。
【００２７】実施例の中には、キャップ１２内の内側表
面上に吸収部材（図示されていない）を配置することを
必要とするものがある。この吸収部材は、輸送中にイン
ク噴射口から流出したインクと、印刷後にプリントヘッ
ド上に残留するインクとを吸収する。こうして、溜まっ
たインクが汚染物質を集めること、又は、溜まったイン
クが凝固してインク噴射口を詰まらせることが防止され
る。こうした吸収部材は、インク噴射口の周囲に湿潤な
環境を維持し、ノズル内のインクが蒸発又は凝固するこ
とを防止する。こうした吸収部材は、ガスケットと組み
合わせて使用されることも、ガスケットなしで使用され
ることも可能である。
【００２８】図１と図２に示された実施例では、キャッ
プ１２を閉位置に押しやるために、ねじりコイルばね４
８が備えられる。ねじりコイルばね４８の一方の端部は
キャップ１２に係合し、その他方の端部は、インクジェ
ットペン１４内の凹所５０に係合する。ねじりコイルば
ね４８の中央に位置したコイルが、枢軸３０の一方を取
り囲み、ばね４８を適正な位置に維持することを補助す
る。このようにして、ねじりコイルばね４８は、キャッ
プを閉位置に向けて付勢し、キャップが閉位置にある時
に保護位置に堅固に維持されることを確実なものにする
働きをする。
【００２９】当然のことながら、他のタイプのばね又は
付勢手段が、図１と図２に示されるねじりコイルばね４
８と同様に機能し得ることを理解されるべきである。更
に、実施例の中には、こうした付勢手段を備えることを
必要としないものもある。
【００３０】実際には、本発明の実施例の中には、プリ
ンタの操作者により手動で保護キャップか゜開閉される
ものがある。他の実施例は、ペンに備えられた付勢手段
を使用して又は使用せずに保護キャップを開位置と閉位
置との間で動かす、プリンタに備えられたアクチュエー
タ機構を備えることとしても良い。
【００３１】図１と図２とに示されるように、この図示
された実施例は、キャップ１２を開位置に保持するため
のラッチ５２を含む。このラッチ５２は、このラッチか
ら延在する張り出した突起部分５４を有する。図１で
は、キャップ１２が開位置にある時に、キャップ１２か
ら延在するタブ６２と上記突起５４が噛み合ってキャッ
プを開位置に維持するように、ラッチ５２が配置され
る。ラッチ５２は外側に撓み、開位置に出入りするよう
にキャップ１２が移動させられることを可能にする。同
様のラッチ５６が、キャップ１２を閉位置に維持するこ
とを補助するために備えられることが可能である。図２
に示されるように、ラッチ５６はキャップ１２の縁部に
噛み合い、キャップを閉位置に維持する。他のタイプの
ラッチを使用して、同様に良好な結果を得ることが可能
であることを理解されたい。更に、付勢する装置がキャ
ップを所定位置に維持する実施例、又は、プリンタに備
えられたアクチュエータ機構がキャップ所定位置に維持
する実施例では、こうしたラッチが不要である場合もあ
る。
【００３２】キャップ１２を開位置から閉位置に移動さ
せるために使用可能な機構が幾つかある。例えば、図３
と図４とに示されるように、モータ５８がキャップ１２
を動かすために使用可能である。図３と図４とに示され
る実施例では、キャップ１２上に形成されたタブ６２と
係合する二又アクチュエータ６０が、モータに備えられ
る。これによって、このモータは、キャップを開くため
に一方の方向に回転し、キャップを閉じるために他方の
方向に回転することが可能である。
【００３３】このモータはインクジェットペンカートリ
ッジに直接取り付けられることが可能であるが、図示し
た実施例では、プリンタ内のインクジェットペンのホー
ムステーション(home station)の付近に装着されてい
る。プリンタが印刷中でないときには、インクジェット
ペン１４は普通は上記ホームステーションに移動させら
れ、このホームステーションでは、モータ５８がキャッ
プ１２を閉位置に移動させることを可能にするように、
上記二又アクチュエータ６０がタブ６２に係合する。プ
リンタの起動時には、モータ５８がキャップ１２を開位
置に移動させ、インクジェットペン１４がホームステー
ションから移動させられ、それによって二又アクチュエ
ータ６０からタブ６２が外される。
【００３４】図３と図４の実施例では、印刷動作中は、
ラッチ５２によってキャップが開位置に維持される。ホ
ームステーションにある時には、キャップがモータによ
って閉位置に保持される。或いは、キャップを閉位置に
保持するために、ラッチ又はばねを備えることとしても
良い。
【００３５】図５から図７は、キャップ１２を開位置と
閉位置との間で移動させるための別の機構を示してい
る。この機構では、２つのカムランプ６４、６６がプリ
ンタ（図示されていない）内に配置されており、インク
ジェットペン１４がカムランプ(cam ramp)６４、６６に
沿って移動させられる時に、これらのカムランプがタブ
６２と噛み合ってキャップ１２を閉位置又は開位置のど
ちらかに移動させる。
【００３６】カムランプ６４、６６の各々は、螺旋の回
転の半分の一般的形状を有するバンド又はワイヤであ
る。図示された実施例では、カムランプ６４、６６は、
ホームステーション付近に、互いに隣接して配置され
る。こうして、（図５に点線で示されるように）インク
ジェットペン１４がホームステーション内に移動させら
れる時に、タブ６２がカムランプ６４の縁部６５に係合
する。インクジェットペン１４が横方向に更に移動する
ことによって、タブ６２がカムランプ６４の縁部６５に
追従して移動し、キャップ１２が閉位置に移動させられ
る。
【００３７】これとは逆に、インクジェットペン１４が
ホームステーションから移動させられる時には、タブ６
２がカムランプ６６の縁部６７と係合する。インクジェ
ットペンが更に移動することによって、タブ６２がカム
ランプ６６の縁部６７に追従することと、それによって
キャップ１２が開位置に移動させられる。キャップは、
ラッチ、ばね、又は、他の同様の装置によって開位置又
は閉位置に保持される。
【００３８】キャップを閉位置と開位置との間で移動さ
せるための機構として、モータ駆動アクチュエータと、
付勢手段と、カムランプに係合するタブとを説明した
が、この機能を果たすために種々の同等な構造を使用す
ることができる。
【００３９】図８は、本発明による保護キャップ被せ装
置の別の好ましい実施例を示す。この実施例は、インク
噴射口２０が露出させられる開位置と、インク噴射口２
０が覆われる閉位置との間を滑動する滑動キャップ６８
を有する。この滑動キャップ６８は、支持台２８の両側
に形成された案内軌道７２内に滑動自在に受けられる脚
７０を備える。
【００４０】滑動キャップ６８が閉位置にある時にイン
ク噴射口２０の周囲に保護シールを形成するように、エ
ラストマーガスケット（図示されていない）が滑動キャ
ップ６８上に配置される。このシールは、蒸発によって
引き起こされるインクの凝固を防止することを促進する
ための蒸気バリヤーとして働く。ワイパ７４が備えるこ
ととしても良い。このワイパ７４は、滑動キャップ６８
が開位置と閉位置との間を移動する時に、埃やゴミや堆
積インクの全てを除去するためにインク噴射口２０の表
面全体を拭くようにワイパが配置される。
【００４１】図９と図１０は、接点パッド２４が露出さ
せられる開位置と接点パッド２４が覆われる閉位置との
間を滑動するように滑動キャップ６８ａが配置される、
別の実施例を示す。この滑動キャップ６８ａは、インク
リザーバ１８の側部内に形成された案内軌道７２ａに嵌
合する脚７０ａを有する。また、滑動キャップ６８ａが
閉位置にある時にインクジェットペンの端部を越えて延
びて、プリントヘッド１６が外来の異物に直接接触する
ことを防止する延長部分７６を、滑動キャップ６８ａに
設けることとしても良い。
【００４２】滑動キャップ６８ａを接点パッド２４から
電気的に絶縁することと、滑動キャップ６８ａからイン
クジェットペン１４への電気経路を形成することとが必
要である。これは、静電放電に起因する損傷から接点パ
ッド２４を保護する働きをする。同様に、滑動キャップ
６８ａの延長部分７６が、プリントヘッド１６が外来物
体と直接接触することを防止する働きをし、それによっ
て、プリントヘッド１６からの静電放電に起因する損傷
を防止する。
【００４３】或いは、滑動キャップ６８、６８ａが、静
電放電からプリントヘッド及び／又は接点パッド２４を
電気的に絶縁する働きをするように、非導電性材料で作
ることができる。この電気絶縁特徴が、図１から図６の
旋回式のプリントヘッドキャップの実施例を含む、保護
キャップ被せ装置の全ての実施例に適用することができ
る。非導電性キャップ、又は、プリントヘッドを電気的
に絶縁するための、インクジェットペンに対する導電性
経路を有する導電性キャップは、これらの実施例の場合
にも同様に適切に機能する。
【００４４】図１１から図１３は、ページ幅のプリント
ヘッド７８に使用するための保護キャップ被せ機構を示
す。この図示されたページ幅のプリントヘッド７８は、
多数のインク噴射口がその中に形成された湾曲した前部
表面８０を有する。保護キャップ８２は、このキャップ
が前部表面８０を覆う閉位置と前部表面８０が露出させ
られる開位置との間を旋回することが可能である。保護
キャップ８２の両端部には、脚８４が備えられる。脚８
４の各々の穴８６は、ページ幅のプリントヘッド７８か
ら延在するピボットポスト８８上に受けられる。こうし
て、保護キャップが閉位置と開位置との間を旋回するこ
とが可能である。
【００４５】図１２に示される実施例では、前部表面８
０上のインク噴射口の周囲に保護チャンバ９１を形成す
るように、ガスケット９０が保護キャップ８２上に配置
される。前部表面全体を拭いて堆積インクやゴミや過剰
インクを除去するために、ワイパ９２が配置される。ピ
ボットポスト８８の位置と脚８４の長さとが、前部表面
全体上のガスケットとワイパとの所期の移動を実現する
ように変化させられることが可能である。例えば、図１
１と図１２とに示されるように、ピボットポスト８８が
前部表面の湾曲の中心に配置される場合には、ワイパと
ガスケットとが前部表面全体を拭く。
【００４６】しかし、保護キャップが旋回させられる時
にガスケットが前部表面から持ち上がって離れる傾向を
有するように、ピボットポストが前部表面８０の湾曲の
中心から僅かにオフセットしていることが望ましい。図
１３に示される実施例では、キャップ８２ｂのピボット
ポスト（図示されていない）が、前部表面８０の湾曲の
中心から僅かに（開位置の方向に）オフセットしてい
る。
【００４７】前部表面８０の拭き取りを可能にするため
に、ばねによって付勢されたワイパアーム９４が、保護
キャップ８２ｂ上に揺動自在に配置される。ワイパアー
ム９４は、開位置の方向とは反対の方向にキャップの縦
方向縁部の全体に亙って延在する突起９６を有する。ワ
イパ９２ａは、突起９６から突き出しかつ前部表面８０
に沿って縦方向に延在するように、取り付けられる。付
勢部材９５が、前部表面８０にワイパ９２を押し付けて
接触させる。好ましい実施例では、この付勢部材９５
は、キャップ８２ｂと、突起９６の反対側のワイパアー
ム９４とを相互接続する圧縮ばねである。このばね９５
は、キャップが閉位置にある時に圧縮される。キャップ
が開く時には、ガスケット９０が前部表面８０から引き
上げられ、これと同時に、ばね９５が延びて、前部表面
８０を拭くようにワイパ９２を前部表面８０に接触させ
る。
【００４８】例えば、ガスケット材料が拭き取りに適し
ていない時、又は、拭き取りに適していない吸収部材が
キャップに取り付けられる時に、上記実施例が有利であ
る。ワイパアーム９４が様々な方法で付勢され得ること
が理解されるべきである。例えば、図１と図２のねじり
コイルばねと同様のねじりコイルばねが使用可能であ
る。或いは、ワイパ９２を前部表面８０に押し付けて接
触させるために、突起９６の付近に配置されたねじりコ
イルばねが使用可能である。
【００４９】本発明による保護キャップ機構が様々な適
切な機構によって駆動され得ることが理解されるべきで
ある。図３と図４に示されたモータと駆動アームと、図
５から図７に示されたカムランプは、様々な機構の中の
２つの例にすぎない。当然のことながら、これらの機構
の変形物と他の機構とが当業者には明らかだろう。
【００５０】更に、図に示したプリントヘッドの全ては
サーマルインク噴射口を有する。しかし、本発明による
キャップ被せ装置が、他のタイプのインク噴射口又は他
のタイプのプリントヘッドの場合にも、有効に使用可能
であるということは明らかである。
【００５１】上記の詳細な説明は、本発明の実施例を示
すために行われたにすぎず、従って本発明を何らかの形
で限定するものと解釈してはならない。当然のことなが
ら、添付クレームとその均等物とによって定義される本
発明の要旨から逸脱することなしに、様々な追加と置換
と変形とが上記実施例に対して行われることが可能であ
る。
【００５２】以下、本発明をいろいろな形態を概略的に
下記の（１）から（２３）のように簡単に列記すること
ができる。 （１）．プリントヘッドを有するインクジェットペンの
ための保護キャップであって、前記インクジェットペン
に取り付けられ、かつ開位置と前記インクジェットペン
の一部分を覆う閉位置との間を移動可能なキャップを備
えることを特徴とするインクジェットペン用保護キャッ
プである。
【００５３】（２）．前記キャップが前記閉位置にある
時に、前記キャップが前記プリントヘッドを覆うことを
特徴とする上記（１）に記載の保護キャップである。
【００５４】（３）．前記キャップが、前記開位置から
前記閉位置に旋回することが可能であることを特徴とす
る上記（１）に記載の保護キャップである。
【００５５】（４）．前記キャップが、前記開位置から
前記閉位置に滑動することが可能であることを特徴とす
る上記（１）に記載の保護キャップである。
【００５６】（５）．前記インクジェットペンが少なく
とも１つの電気接点を有し、前記キャップが、前記閉位
置にある時に、前記電気接点を覆うことを特徴とする上
記（１）に記載の保護キャップである。
【００５７】（６）．前記キャップに取り付けられ、且
つ、前記キャップが前記閉位置にある時に前記プリント
ヘッドの周囲に蒸気バリヤーを形成するように配置され
た、ガスケットを更に備えることを特徴とする上記
（２）に記載の保護キャップである。
【００５８】（７）．前記キャップに取り付けられ、且
つ、前記キャップが前記閉位置にある時に前記プリント
ヘッドの付近に位置させられる、吸収材部材を更に備え
ることを特徴とする上記（２）に記載の保護キャップで
ある。
【００５９】（８）．前記蒸気バリヤーを通して外気と
の気圧平衡を維持するための、前記キャップを貫通して
配置された通気孔を更に備えることを特徴とする上記
（６）に記載の保護キャップである。
【００６０】（９）．ワイパアームが前記キャップ上に
揺動自在に配置され、前記ワイパアームが前記キャップ
を越えて突き出る突起を有し、前記突起がワイパ部材を
支持し、付勢部材が前記ワイパアームと前記キャップと
の間に配置され、前記キャップが前記閉位置から前記開
位置に旋回する時に、前記ワイパ部材が前記インクジェ
ットペンの覆われた部分に接触してそれを拭くように前
記ワイパ部材を押しやるために、前記付勢部材が前記ワ
イヤアームに係合することを特徴とする上記（３）に記
載の保護キャップである。
【００６１】（１０）．前記キャップが前記開位置と前
記閉位置との間を滑動する時にそのワイパが前記プリン
トヘッドの少なくとも一部分の上を拭くように、ワイパ
が前記キャップ上に配置されることを特徴とする上記
（４）に記載の保護キャップである。
【００６２】（１１）．プリントヘッドを有するインク
ジェットペンのための保護キャップであって、開位置
と、前記プリントヘッドの少なくとも一部分を覆う閉位
置との間を移動することが可能なキャップと、前記キャ
ップと係合し、且つ、前記キャップを前記閉位置に向け
て付勢するばねと、前記インクジェットペンに取り付け
られ、且つ、前記キャップを前記開位置に維持するため
に前記キャップが開位置にある時に前記キャップに係合
するように配置されたラッチと、前記キャップが前記閉
位置にある時に前記プリントヘッドの覆われた部分の少
なくとも一部分の周囲に蒸気バリヤーを形成するように
前記キャップ上に配置されたガスケットとを備えること
を特徴とする保護キャップである。
【００６３】（１２）．前記キャップが、前記開位置か
ら前記閉位置に旋回することが可能であることを特徴と
する上記（１１）に記載の保護キャップである。
【００６４】（１３）．前記キャップが、前記開位置と
前記閉位置との間を滑動することが可能であることを特
徴とする上記（１１）に記載の保護キャップである。
【００６５】（１４）．前記キャップが、前記プリント
ヘッドから電気的に絶縁されていることを特徴とする上
記（１３）に記載の保護キャップである。
【００６６】（１５）．前記キャップが、前記インクジ
ェットペンに電気的に結合されていることを特徴とする
上記（１４）に記載の保護キャップである。
【００６７】（１６）．電気接点を有するインクジェッ
トペンのための保護キャップであって、開位置と、前記
電気接点の少なくとも一部分を覆う閉位置との間を移動
可能なキャップとを備えることを特徴とする前記保護キ
ャップである。
【００６８】（１７）．前記キャップが前記電気接点か
ら電気的に絶縁されていることを特徴とする上記（１
６）に記載の保護キャップである。
【００６９】（１８）．前記キャップが前記インクジェ
ットペンに電気的に結合されていることを特徴とする上
記（１７）記載の保護キャップである。
【００７０】（１９）．前記保護キャップが、前記開位
置と前記閉位置との間を滑動することを特徴とする上記
（１８）に記載の保護キャップである。
【００７１】（２０）．前記インクジェットペンがプリ
ントヘッドを有し、かつ前記キャップが前記閉位置にあ
る時に前記プリントヘッドを覆う延長部分を備えること
を特徴とする上記（１９）に記載の保護キャップであ
る。
【００７２】（２１）．インクジェットペンを保護する
ための装置であって、前記インクジェットペンに取り付
けられ、且つ、開位置と、前記インクジェットペンの一
部分を覆う閉位置との間を移動することが可能であるキ
ャップと、前記開位置と前記閉位置との間を前記キャッ
プを移動させるためのアクチュエータとを備えることを
特徴とするインクジェットペン保護装置である。
【００７３】（２２）．前記アクチュエータが、前記キ
ャップに係合するアームと、前記キャップを前記開位置
から前記閉位置に移動させるように前記アームを動かす
ためのモータとを備えることを特徴とする上記（２１）
に記載の装置である。
【００７４】（２３）．前記インクジェットペンが移動
可能とされ、前記アクチュエータがカムランプを有し、
かつ前記インクジェットペンの動きが前記カムランプを
前記キャップに係合させ、前記キャップを開位置と閉位
置との間で動かすように、前記カムランプが前記キャッ
プと係合するように位置させられていることを特徴とす
る上記（２１）に記載の装置である。
【００７５】
【発明の効果】本発明のインクジェットペン用保護キャ
ップは、インクジェットペンに取り付けられ、かつ開位
置とインクジェットペンの一部分を覆う閉位置との間を
移動することが可能であるキャップを備えるものである
から、前記キャップによりインクジェットペンを確実に
保護することができる。これにより、インクジェットペ
ンを取り扱っている最中にプリントヘッドに触れたり、
埃等の外来の異物や紙の繊維がプリントヘッドに堆積し
てインクジェットのノズルを詰まらせることを防止する
ことができる。また、シールドがプリントヘッドを覆う
ことにより、プリントヘッドの周囲に湿潤環境を形成す
ることができるため、インクの蒸発によるノズルの詰ま
りを防止することができる。さらに、静電放電による損
傷からプリントヘッドを保護することができる。したが
って、本発明によれば、汚染と損傷からプリントヘッド
および電気接点を保護することができるインクジェット
ペン用の保護キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施例による保護キャップ被
せ機構を有するインクジェットペンの底部及び側部を示
す斜視図である。
【図２】閉位置にある図１の保護キャップ被せ装置の部
分斜視図である。
【図３】本発明の別の好ましい実施例による保護キャッ
プ被せ装置を有するインクジェットペンの底部を示す部
分斜視図である。
【図４】開位置にある図３の保護キャップ被せ装置の部
分斜視図である。
【図５】開位置にあるキャップ被せ装置が点線で示され
ている、本発明の別の好ましい実施例による保護キャッ
プ被せ装置を有するインクジェットペンと、保護キャッ
プ被せ装置を駆動するための１組のカムランプとを示す
底部平面図である。
【図６】図５の線６−６に沿った側面図である。
【図７】図５の線７−７に沿ったカムランプの側面図で
ある。
【図８】本発明の別の好ましい実施例による、ワイパ付
きの保護キャップ被せ装置を有するインクジェットペン
の斜視図である。
【図９】本発明の別の好ましい実施例による、閉位置に
ある保護キャップ被せ装置を有するインクジェットペン
の底部と側部とを示す部分切取斜視図である。
【図１０】開位置にある図９の保護キャップ被せ装置の
部分斜視図である。
【図１１】本発明の別の好ましい実施例による保護キャ
ップ被せ装置を有するプリントヘッドを示す部分分解斜
視図である。
【図１２】図１１の線１２−１２に沿った断面図であ
る。
【図１３】本発明の別の好ましい実施例によるキャップ
被せ機構を有するプリントヘッドを示す部分側面図であ
る。
【符号の説明】
１０ インクジェットペンキャップ被せ装置 １２ キャップ １４ インクジェットペン １６ プリントヘッド １８ リザーバ ２０ インク噴射口 ２２ フレキシブルストリップ導体 ２４ 接点パッド ２６ 電気接点 ３４ ガスケット ３６ 保護チャンバ ３８ 通気孔 ４０ 内側開口 ４２ 拡散溝 ４４ 外側開口 ４６ カバー
フロントページの続き (72)発明者 ジョン・エイチ・ディオン アメリカ合衆国オレゴン州コーヴァリス ノース・ウエスト・オックスボウ・ドライ ヴ 8165 (72)発明者 アーサー・アール・ハート アメリカ合衆国オレゴン州コーヴァリス ノース・ウエスト・シルクラッセル・ドラ イヴ 3327 (72)発明者 ニールス・ジェイ・ニールセン アメリカ合衆国オレゴン州コーヴァリス ペオリア・ロード 33046

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 プリントヘッドを有するインクジェット
    ペンのための保護キャップであって、前記保護キャップ
    が前記インクジェットペンに取り付けられ、かつ開位置
    と前記インクジェットペンの一部分を覆う閉位置との間
    を移動可能に構成されたことを特徴とするインクジェッ
    トペン用保護キャップ。
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