JP4013650B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に係り、例えばインクジェット式プリンタなどの複数のノズルからインクを吐出させて印字や画像を印刷記録媒体に印刷する印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット式プリンタは、複数のノズルが設けられた記録ヘッドを移動させながら、前記ノズルからインクを吐出して、印字や画像を紙に印刷する。この種のプリンタにおいては、プリンタの電源を切ったときの放置時や印刷待機中などに、前記インク中の水分が蒸発して、乾燥したインクがノズルを詰まらせ、後の印刷に不具合を生じさせることがある。そこで、通常、これらのプリンタには、乾燥したインクをノズルから除去するためのクリーニング手段が設けられている。
【0003】
このクリーニング手段は、プリンタの非印刷可能領域に設けられており、図6に示すように、キャップ51及びこれに吸引管52aを介して接続されている吸引ポンプ52を備えている。キャップ51は、キャップホルダ53に取着されており、同キャップホルダ53は、アーム54及びバネ部材55を介してブラケットBに揺動可能に取着されている。また、キャップホルダ53には、キャリッジ56の突部56aと係合する係合部53aが形成されている。従って、キャリッジ56が図6の右方に移動するのに伴って、キャップホルダ53が揺動し、キャップ51が上昇してキャリッジ56の記録ヘッド57を覆う。また、キャップ51の内周には、シート状のスポンジ58が配設されている。
【0004】
従って、プリンタにおいて、印刷中のクリーニングであるフラッシング動作では、図6(a)に示すように、キャリッジ56がキャップ51と対向した状態で、ノズルからインクが吐出される。また、非印刷中のクリーニング動作では、図6(b)に示すように、前記キャップ51が記録ヘッド57を覆った状態で、吸引ポンプ52が稼動されて、ノズルから強制的にインクが排出される。このようにして、水分が蒸発されたインクがノズルから排出されて、良好な印刷を行うことができる。
【0005】
また、キャリッジ56の記録ヘッド57は、放置時にも、図6(b)に示すホームポジションの位置にあり、キャップ51に覆われている。このため、この放置時には、記録ヘッド57のノズル周囲の空間は吸引ポンプ52にのみ接続されているだけの閉塞空間となって、ノズル内のインクの乾燥をできるだけ防いでいる。また、キャップ51に設けられたスポンジ58に含浸したインクにより保湿効果を得て、インクの更なる乾燥防止が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、インクジェットプリンタ用のインクとして、高画質化の傾向から染料濃度の高い染料インクや、発色性や耐久性に優れていることから顔料インクなどが用いられてきている。顔料インクは、顔料の粒子をインク中に分散させる必要があるため、インク中における有機溶剤の割合が高い。従って、含浸したスポンジ58中の水分量が蒸発して少なくなると、スポンジ58に停滞していたインクの染料や顔料及び有機溶剤が高濃度になる。この場合には、これらが高濃度となることによってノズルから水分が奪われて、ノズル内のインクが乾燥し、ノズルが詰まり易くなる等の問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、染料や顔料濃度の高いインクや有機溶剤の割合が高いインクを使用しても、ノズルの目詰まりを起こし難くすることができる印刷装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、この記録ヘッドを覆い、前記ノズルから吐出されたインクを受けるためのクリーニング用キャップとを備え、前記記録ヘッドを印刷記録媒体に対して相対的に移動させて、その印刷記録媒体に印字又は画像を印刷し、前記クリーニング用キャップにより前記記録ヘッドを覆って、前記ノズルから強制的にインクを吐出又は排出させて前記ノズルのクリーニングを行う印刷装置において、前記ノズルの周囲を塞ぐために前記記録ヘッドを覆う放置用キャップを設け、この放置用キャップは、該放置用キャップが前記記録ヘッドを覆うことにより前記ノズルの周囲に区画される第1の空間が、前記クリーニング用キャップが前記記録ヘッドを覆うことにより前記ノズルの周囲に区画される第2の空間よりも小さくなるとともに、該放置用キャップが前記記録ヘッドを覆ったときに前記ノズルの周囲を密閉するように形成され、前記放置用キャップにより密閉された前記第1の空間内に前記記録ヘッドを介して供給するための水分を収容している水カートリッジを設け、前記記録ヘッドは、該記録ヘッドが前記放置用キャップにより覆われた状態で前記水カートリッジ内に収容されている水分を前記第1の空間内に供給するように構成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置において、前記放置用キャップの前記第1の空間内の乾燥状態を検出するための手段をさらに備え、前記記録ヘッドは、該記録ヘッドが前記放置用キャップに覆われた状態で検出された前記第1の空間内の乾燥状態に応じて該第1の空間内に供給する水分の量を調整可能とされていることを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の印刷装置において、前記クリーニング用キャップ及び前記放置用キャップは、非印刷可能領域にあり、かつ前記クリーニング用キャップは、前記放置用キャップよりも印刷可能領域側に設けられていることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、インクを受けるクリーニング用キャップとは別に、前記ノズルの吐出口周囲を塞ぐために前記記録ヘッドを覆う放置用キャップを設け、プリンタの電源を切ったときの放置時には、この放置用キャップでインクを吐出するノズルの吐出口周囲を塞ぐ。更に、放置用キャップで区画されるノズルの周囲の空間を、前記クリーニング用キャップで区画されるノズルの周囲の空間よりも小さくする。そのため、放置用のキャップの空間が小さいので、その空間の保湿効果が高いため、短期に保湿することができる。従って、インクを長期間覆う放置用キャップ内にインクが存在しないので、染料や顔料濃度の割合の高いインクや有機溶媒の割合が高いインクを使用する場合であっても、有機溶媒の存在によりノズル内のインク中の水分が蒸発して、インクが乾燥しノズルが詰り易いという恐れを少なくすることができる。
【0018】
また、ノズルの周囲は、密閉空間となるため、外部と全く連通していない。そのため、密閉空間内で蒸発した水分が外部に逃げ、更にインク中から水分が蒸発するということがないので、ノズル内のインク中の水分が蒸発し難い。従って、蒸発して乾燥したインクがノズル内で詰まりインクが吐出し難いという恐れを一層、少なくすることができる。また、ノズルの周囲を密閉空間とするだけであるので、構成を簡単にすることができる。
【0019】
さらに、ノズルの周囲に水分が供給されるので、放置用キャップで覆うときのスタンバイ時や放置時において、ノズルの周囲には、ノズル内のインク中の水分以外の水分が存在する。すなわち、インクの水分が蒸発し難い。従って、インクがノズル内で乾燥してノズルが詰り易いという恐れを少なくすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、印刷中のクリーニングであるフラッシング動作を行う際に用いられるクリーニング用キャップが、印刷領域により近い位置に設けられている。そのため、印刷中にフラッシングを行うためにクリーニング用キャップと対向する位置まで何度も往復したとしても、短時間でキャリッジを移動させることができる。従って、ノズルの詰りを極力防止しながら、全体的な印刷時間を短くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した印刷装置の第1実施形態について、図1〜図4に従って説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の印刷装置としてのプリンタ11には、そのフレーム12にプラテン13が架設され、図示しない紙送り機構により、このプラテン13上を印刷記録媒体としての紙Pが給送される。フレーム12にはキャリッジ15が、ガイド部材16を介してプラテン13の軸線方向へ移動可能に支持され、キャリッジモータ17によりタイミングベルト18を介して往復移動される。
【0023】
また、前記キャリッジ15には、その下方に記録ヘッド20が搭載されている。記録ヘッド20は、その下面にノズル吐出口が位置している図示しない複数のノズルを備えており、図示しない圧電素子の駆動により、このノズル吐出口からインク滴を吐出させる。
【0024】
キャリッジ15上には、図1及び図2に示すようにインクカートリッジ21,22,23,24,25,26,27が着脱可能に搭載され、これらのインクカートリッジ21〜27から記録ヘッド20にインクが供給される。インクカートリッジ21〜27のそれぞれには、ブラック、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロ及びダークイエロの各色のインクが収容されている。
【0025】
従って、前記キャリッジ15がプラテン13に沿って移動しながら、印刷データに基づいて、前記圧電素子の駆動により、記録ヘッド20から紙P上にインクが吐出されて、印刷が行われる。
【0026】
前記フレーム12の一側上部の非印刷可能領域には、ヘッドクリーニング機構30及び長期保存機構40が設けられている。ヘッドクリーニング機構30はいわゆるフラッシングポジションに、長期保存機構40はホームポジションに設けられている。すなわち、このヘッドクリーニング機構30は、長期保存機構40よりもプラテン13側(印刷可能領域側)にある。
【0027】
ヘッドクリーニング機構30は、吸引手段としての吸引ポンプ31と、第1キャップホルダ32とを有している。第1キャップホルダ32は、図示しない公知の昇降手段により上下動可能に前記フレーム12に取着されている。第1キャップホルダ32の上には、図1に示すように、四角枠状のクリーニング用キャップ33が突設されている。このクリーニング用キャップ33は、前記記録ヘッド20に当接して、記録ヘッド20のノズル吐出口を封止して、第2の空間S1(図3(b)参照)を区画する。また、クリーニング用キャップ33は、その内周面にシート状のインク吸着部材としてのスポンジ34が固着されており、前記記録ヘッド20と所定間隔をおいて対向した際に、記録ヘッド20のノズルから吐出されたインクを受け止める。更に、このクリーニング用キャップ33は、その上面に排出孔33aが形成されており、この排出孔33aから吸引管35を介して前記吸引ポンプ31に接続されている。
【0028】
前記吸引ポンプ31は、図2に示すように、排出管36を介してプラテン13と平行に配設されている廃インクタンク37に接続されている。従って、吸引ポンプ31は、クリーニング用キャップ33により記録ヘッド20のノズル口が封止された状態で、クリーニング用キャップ33の内部空間に負圧を加えて、記録ヘッド20からインクを吸引して、廃インクタンク37に排出する。
【0029】
一方、図1及び図2に示すように、長期保存機構40は、第2キャップホルダ42を有している。第2キャップホルダ42は、図示しない昇降手段により、上下動可能に前記フレーム12に取着されている。なお、この第2キャップホルダ42は、図6に示した構造と同様に、前記キャリッジ15がホームポジションに位置していることにより上昇した位置を取り続ける構造となっている。
【0030】
第2キャップホルダ42の上には、前記クリーニング用キャップ33とほぼ同じ形状の放置用キャップ43が突設されている。この放置用キャップ43は、前記クリーニング用キャップ33と同様に前記記録ヘッド20に当接して、記録ヘッド20のノズルの吐出口周囲を第1の空間となる密閉空間Sとして封止する。この密閉空間Sは、前記クリーニング用キャップ33により区画される空間S1よりも小さくなっている。なお、放置用キャップ43には、前記クリーニング用キャップ33とは異なり、その内周にスポンジは設けられていない。
【0031】
次に、本実施形態のプリンタ11の作用について説明する。
プリンタ11に電源が投入されて印刷が行われる際には、キャリッジ15がホームポジションから移動される。そのため、放置時には上昇位置にあった第2キャップホルダ42が下降する。従って、印刷時には、図2に示すように、前記第1キャップホルダ32及び前記第2キャップホルダ42は最下位置にある。
【0032】
(フラッシング動作)
そして、プリンタ11は、印刷中にクリーニング動作、すなわちフラッシング動作を行う場合には、図3(a)に示すように、クリーニング用キャップ33とほぼ対向する位置、すなわちフラッシングポジションに、キャリッジ15を移動させる。そして、この位置で図示しない記録ヘッド20の各圧電素子が駆動されて、各ノズル中からインク滴がクリーニング用キャップ33に向かって吐出される。吐出されたインク滴は、クリーニング用キャップ33のスポンジ34に吸着される。
【0033】
(吸引動作)
一方、プリンタ11は、非印刷中のクリーニング動作の吸引動作を行う場合には、図3(b)に示すように、クリーニング用キャップ33に対向させる位置に、キャリッジ15を移動させる。そして、プリンタ11は、キャリッジ15がクリーニング用キャップ33と対向する位置に至ると、図示しない昇降機構を駆動して、第1キャップホルダ32を上昇させる。第1キャップホルダ32が昇降することにより、クリーニング用キャップ33が前記記録ヘッド20を覆う。従って、クリーニング用キャップ33により、ノズルの吐出口の周囲が塞がれる。
【0034】
次に、プリンタ11は、吸引ポンプ31を駆動する。これにより、吸引力が発生し、記録ヘッド20のノズル中のインクが、吸引管35、吸引ポンプ31及び排出管36を介して強制的に廃インクタンク37に排出される。このとき、上述したフラッシング動作によりスポンジ34に吸着されたインクも一緒に廃インクタンク37に排出される。
【0035】
そして、吸引ポンプ31が所定時間駆動されて、クリーニングが終了されると、プリンタ11は、図示しない昇降手段を駆動して、図3(a)に示すように、第1キャップホルダ32を下降させる。
【0036】
(放置時)
一方、プリンタ11は、印刷が終了しユーザによりプリンタ11の電源を遮断する操作が行われると、図4(a)に示すように、キャリッジ15を前記第2キャップホルダ42とほぼ対向する位置、すなわちホームポジションまで移動させる。そして、プリンタ11は、キャリッジ15が第2キャップホルダ42と対向するホームポジションに至ると、図示しない昇降機構を介して第2キャップホルダ42を上昇させる。第2キャップホルダ42が昇降することにより、図4(b)に示すように、放置用キャップ43が前記記録ヘッド20を覆う。従って、放置用キャップ43により、ノズルの吐出口周囲が密閉空間Sとなる。
【0037】
本実施形態のプリンタ11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、クリーニング用キャップ33及び放置用キャップ43を設けた。そして、クリーニング用キャップ33は、フラッシング動作において記録ヘッド20のノズルから吐出されたインク滴を受けたり、吸引動作において記録ヘッド20を覆って、そのノズルからインク滴を廃インクタンク37に排出したりする。また、放置時には、フラッシング動作や吸引動作などノズルからインク滴が吐出されるクリーニング動作が行われない放置用キャップ43で、空間S1より小さい密閉空間Sにより記録ヘッド20のノズルを覆う。そのため、放置用キャップ43にはインクが存在しないとともに、空間S1より小さい密閉空間Sを保湿状態とすればよいので、少ない水分蒸発でかつ短期間に保出することができる。従って、有機溶媒の割合が高いインクを用いても、ノズルの吐出口周囲は、インクが存在しない放置用キャップ43により長期間塞がれているので、インクの有機溶媒によりインク中の水分が蒸発してノズルが詰り易いという恐れを少なくすることができる。
【0038】
(2)本実施形態では、放置時には、放置用キャップ43によって記録ヘッド20を覆って、ノズルの吐出口周囲を密閉空間Sとした。従って、ノズルの吐出口周囲の密閉空間Sと外部とが全く連通していないので、密閉空間S内で蒸発した水分が外部に逃げて更に水分が蒸発するということがない。従って、ノズル内のインクの水分が蒸発して乾燥したインクがノズル内で詰まりインクが吐出し難くなるという恐れを一層、少なくすることができる。勿論、十分に細い径で長い管路で大気開放していても同様の効果が得られるのはいうまでもない。このようにして大気開放している構成であれば、使用する環境の温度変化が大きくてもノズルにダメージを起こすことがなく、信頼性の高い印刷装置を提供することができる。
【0039】
(3)本実施形態では、放置用キャップ43には、クリーニング用キャップ33と異なり、シート状のスポンジ34が設けられていない。そのため、安価な構成にすることができる。
【0040】
(4)本実施形態では、フラッシング動作時に、記録ヘッド20のノズルから吐出されたインク滴を受け止めるクリーニング用キャップ33は、放置用キャップ43よりもプラテン13側である印刷可能領域側に配置した。そのため、印刷中にキャリッジ15が、フラッシング動作を行うために、クリーニング用キャップ33の位置に何度も至ったとしても、印刷可能領域に近いので、時間がかかることはない。従って、ノズルの詰りを極力防止しながら、全体的な印刷時間を短くすることができる。
【0041】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化したプリンタ11の第2実施形態を図5に従って説明する。なお、以下の第2実施形態において、上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0042】
本実施形態のプリンタ11は、ダークイエロのインクが収容されていたインクカートリッジ27の代わりに、水が収容されている水カートリッジ28が、キャリッジ15に搭載されている。
【0043】
従って、本実施形態においては上記第1実施形態と同様に、プリンタ11は、印刷が終了しユーザによりプリンタ11の電源を遮断する操作が行われると、図4(a)に示すように、キャリッジ15をホームポジションまで移動させる。そして、図4(b)に示すように、プリンタ11は、第2キャップホルダ42を上昇させ、この放置用キャップ43で記録ヘッド20を覆って、放置用キャップ43によりノズルの吐出口周囲を密閉空間Sとする。そこで、水カートリッジ28に駆動信号を与えて、水滴を例えば10滴ほど吐出させて、図5に示すように、密閉空間Sに水Wを供給する。
【0044】
従って、本実施形態のプリンタ11によれば、上記(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(5)本実施形態では、水カートリッジ28から密閉空間Sに水分を供給した。従って、ノズルの吐出口周囲には、ノズル内のインク中の水分以外の水分が存在することになるので、インクの水分が蒸発し難い。従って、インクがノズル内で乾燥してノズルが詰り易いという恐れをなくすことができる。
【0045】
(6)本実施形態では、密閉空間Sに供給する水Wは、水カートリッジ28から吐出させた。従って、簡単な構成で、密閉空間Sに水を供給することができる。水カートリッジ28の吐出量を制御することで、容易に、密閉空間Sに供給する水Wの量を制御することができる。すなわち、密閉空間Sの空気の乾燥状態(水蒸気圧)に応じて、密閉空間Sに供給する水Wの量を容易に調節することができるので、インクが乾燥しないように密閉空間Sに供給する水Wの量を容易に、かつ適宜、調節することができる。
【0046】
(変更例)
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記各実施形態においては、ヘッドクリーニング機構30と長期保存機構40とが、プリンタ11の同じ側の端部にあるとして説明したが、ヘッドクリーニング機構30と長期保存機構40とが、それぞれ別の端部に、すなわちプラテン13の両側にそれぞれを設けるようにしてもよい。
【0047】
○上記第1実施形態において、図2に示す放置用キャップ43は、他の実施形態とほぼ同じ大きさとして表示したが、密閉空間Sがより小さくなるような放置用キャップ43としてもよい。この場合には、インク中の水分が蒸発する密閉空間Sが小さくなるので、インクから蒸発する水分が少量でよい。従って、インク中の水分が一層、蒸発し難くなる。
【0048】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)印字又は画像を印刷するインクを収容するインクカートリッジと同一形状のカートリッジにおいて、水を収容していることを特徴とするカートリッジ。
【0049】
従って、(a)に記載の発明によれば、簡単な構成で、ノズルを保湿するために、ノズルの吐出口周囲を密閉空間としても、その密閉空間に水を容易に供給することができる。従って、よりノズル内のインクを乾燥し難くすることができる。また、その密閉空間の空気の乾燥状態(水蒸気圧)に応じて、水の吐出量を容易に変更することができるので、密閉空間に供給する水の量を容易に、かつ適宜、調節することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、クリーニングのためにインクを吐出するクリーニング用キャップと、ノズルを覆う放置用キャップとを別に設けたので、放置用キャップにはインクが存在することがない。このようにインクがない放置用キャップで、放置時には、ノズルの吐出口周囲を塞ぐので、有機溶媒の割合が高いインクを使用する場合であっても、有機溶媒の存在によりインク中の水分が蒸発して、インクが乾燥しノズルが詰り易いという恐れを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるプリンタの全体概略斜視図。
【図2】第1実施形態におけるプリンタの要部の概略構成図。
【図3】第1実施形態におけるキャリッジとキャップとの位置関係を示す要部断面図であり、(a)はフラッシング動作時、(b)は吸引動作時である。
【図4】第1実施形態におけるキャリッジとキャップとの位置関係を示す要部断面図であり、(a)はキャリッジがホームポジションに至ったとき、(b)は放置時である。
【図5】第2実施形態におけるプ放置時のキャリッジとキャップとの位置関係を示す要部断面図。
【図6】従来例におけるプリンタのクリーニング機構の要部の概略構成図であって、(a)はフラッシング動作時、(b)は吸引動作時及び放置時である。
【符号の説明】
P 印刷記録媒体としての紙
S1 第2の空間としての空間
S 第1の空間としての密閉空間
W 水
11 印刷装置としてのプリンタ
20 記録ヘッド
28 カートリッジとしての水カートリッジ
33 クリーニング用キャップ
34 インク吸着部材としてのスポンジ
43 放置用キャップ
Claims (3)
- インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと、
この記録ヘッドを覆い、前記ノズルから吐出されたインクを受けるためのクリーニング用キャップとを備え、
前記記録ヘッドを印刷記録媒体に対して相対的に移動させて、その印刷記録媒体に印字又は画像を印刷し、
前記クリーニング用キャップにより前記記録ヘッドを覆って、前記ノズルから強制的にインクを吐出又は排出させて前記ノズルのクリーニングを行う印刷装置において、
前記ノズルの周囲を塞ぐために前記記録ヘッドを覆う放置用キャップを設け、
この放置用キャップは、該放置用キャップが前記記録ヘッドを覆うことにより前記ノズルの周囲に区画される第1の空間が、前記クリーニング用キャップが前記記録ヘッドを覆うことにより前記ノズルの周囲に区画される第2の空間よりも小さくなるとともに、該放置用キャップが前記記録ヘッドを覆ったときに前記ノズルの周囲を密閉するように形成され、
前記放置用キャップにより密閉された前記第1の空間内に前記記録ヘッドを介して供給するための水分を収容している水カートリッジを設け、
前記記録ヘッドは、該記録ヘッドが前記放置用キャップにより覆われた状態で前記水カートリッジ内に収容されている水分を前記第1の空間内に供給するように構成されていることを特徴とする印刷装置。 - 前記放置用キャップの前記第1の空間内の乾燥状態を検出するための手段をさらに備え、
前記記録ヘッドは、該記録ヘッドが前記放置用キャップに覆われた状態で検出された前記第1の空間内の乾燥状態に応じて該第1の空間内に供給する水分の量を調整可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記クリーニング用キャップ及び前記放置用キャップは、非印刷可能領域にあり、
かつ前記クリーニング用キャップは、前記放置用キャップよりも印刷可能領域側に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
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JP2003334961A (ja) | 2003-11-25 |
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