JP4736765B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として印刷データに対応してノズルからインク滴を吐出させて記録媒体にドットを形成させるインクジェット記録装置として用いられる液体噴射装置に関し、詳しくは、記録ヘッドのノズル開口の目詰まりを効果的に防止する液体噴射装置に関するものである。
液体をノズルから液滴として吐出させる液体噴射装置は、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置をあげることができる。
上記インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、印刷データに基づいて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
そしてキャリッジ上にブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクが吐出される記録ヘッドを設け、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
このようなインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズル形成面を清掃するワイピング部材が備えられている。このキャッピング手段は、上記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出させてノズル開口の目詰まりを解消する機能をも備えている。
記録ヘッドの目詰まり解消のために行うインクの強制的な吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれており、例えば記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印刷状態の不良を認識してクリーニングスイッチを操作した場合などに実行され、記録ヘッドからインクを排出させた後にゴムなどの弾性板からなるワイピング部材により、記録ヘッドのノズル形成面を払拭する操作が伴われる。
また、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させる機能も備えており、これはフラッシング操作と呼ばれており、クリーニング操作時にワイピング部材による払拭操作でヘッドのノズル開口近傍に生じた不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷中にインク滴の吐出が少ないノズル開口において、インクの増粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行させる操作である。
特開平5−77433
上記したようにインクジェット式記録装置においては、非印刷時にまたは記録装置への動作電源が投入されていない状態(電源オフ状態)においては、キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面を封止するように構成されている。加えて、キャッピング状態における記録ヘッドからのノズル開口におけるインク溶媒の蒸発をなるべく少なくさせるために、キャッピング手段内にはキャップ動作の直前に記録ヘッドから所定量のインクを吐出させて、キャッピング手段内を湿潤状態に保持させる制御手段が採用されている。
この場合、フラッシング制御手段により生成された駆動信号により、記録ヘッドの全てのノズル開口よりインクの空吐出が実行され、キャッピング手段内にインク滴を打ち込む動作を成すように構成されている。
ところで、キャッピング手段内を湿潤状態に保持させる印刷用インクには、保湿剤としてグリセリンあるいはジエチレングリコールなどの多価アルコール類が混入されている。これらの多価アルコール類は空気中の水分を吸収する(抱き込む)性質を有しており、これをインク溶媒として用いることにより、主に記録ヘッドにおける微細なノズル開口の目詰まりを防止させるように配慮されている。
一方、記録ヘッドをキャッピング状態に保持する状態において、上記したように印刷用インクをキャッピング手段内にフラッシングした場合においては、フラッシングされたインクに含まれる上記したグリセリンあるいはジエチレングリコールなどは、その保湿作用によりキャッピング手段の内部空間における水分を吸収し、これによりむしろ記録ヘッドにおけるノズル開口におけるインク中の水分蒸発を促進させる作用を起こしていることが、本件の発明者によって見出されている。
図9は、この状態を模式的に示している。図における符号20は記録ヘッドであり、この記録ヘッド20の下側面には、記録ヘッド20のノズル形成面としてのノズルプレート20bが配置されており、このノズルプレート20bには複数のノズル開口20cが形成されている。
一方、符号9はキャッピング手段であり、このキャッピング手段9は、上面が開放されたほぼ方形状に形成されたキャップケース9aと、このキャップケース9a内に収納されたゴム材料などの弾性部材よりなるキャップ部材9bとが具備され、キャップ部材9bはその上側縁がキャップケース9aよりも若干突出した状態に形成されて、ノズル封止面を構成している。そしてキャップ部材9bの内底部には多孔質材料により形成されたインク吸収材9cが収納されている。
また、キャップケース9aの下底部には、キャップケース9aおよびキャップ部材9bをそれぞれ貫通するようにして、吸引口9dが形成されている。上記吸引口9dにはチューブ23が接続されており、このチューブ23を介して吸引ポンプに接続されている。
上記キャップケース9aはスライダ9e上に保持されており、このスライダ9eは、一端を回動支点に支持されたアーム9fの他端に回動可能に支持されている。そして、キャリッジがホームポジション側へ移動することに伴って、アーム9fを介してキャッピング手段9も同方向へ移動し、これによって、キャップ部材9bは記録ヘッド20側に上昇して、記録ヘッド20のノズルプレート20bを封止するように作用する。また、キャリッジがホームポジションから印字領域側に移動した場合には、図示せぬバネ部材の作用によって、上記した動作とは逆にキャッピング手段9は記録ヘッド20の封止を解いて降下する。
キャッピング状態において、フラッシングされたインクに含まれる保湿剤(図には大きな丸として示している)は、インク吸収材9cに含浸された状態で保持される。この保湿剤は上記したようにキャッピング手段9の内部空間における水分を吸収する性質を有しており、このために特に記録ヘッド20におけるノズル開口におけるインク中の水分(図には小さな丸として示している)を吸収するように作用する。
このように、従来の記録装置においては、たとえキャッピング手段9によってノズル開口20cを封止しても、上記したようにフラッシングされたインク中の保湿剤が災いして、記録ヘッド20のノズル開口部分のインクの増粘をむしろ促進し、ノズル開口20cに目詰まりを起こして印字不良を発生させるという問題が生じている。
また、記録ヘッド20をキャッピング状態に保持するときに、上記したように印刷用インクをキャッピング手段9内にフラッシングしなかったとしても、インクの強制的な吸引排出処理を行うクリーニング操作によって、キャッピング手段9内のインク吸収材9cにインクが保持されてしまうため、インク吸収材9cに保持されたインク中の保湿剤が災いして、記録ヘッド20のノズル開口20c部分のインクの増粘を促進してしまう。
一方、キャッピング手段9内に吸収材9cを設けないと、フラッシング動作のときに噴射されたインクを確実に捕捉できず、インクの飛散による周囲の汚染やノズル面の汚染をまねく。また、クリーニングで吸引されたインクが保持されないため、キャップ解除の際にインクがこぼれたり飛散したりすることによる周囲の汚染やノズル面の汚染をまねく。このようなノズル面の汚染は、噴射特性の悪化にも繋がりかねない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、キャッピング手段9内に残存する印刷用インクに含まれる保湿剤によって生ずる記録ヘッド20のノズル開口20cにおけるインク中の水分蒸発を可及的に抑制し、印字不良の発生を効果的に低減することができる液体噴射装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射する噴射ヘッドと、上記噴射ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、上記液体を吸収保持する吸収体が存在する第1のキャップ領域と、上記第1のキャップ領域内部にあり、液体を吸収保持する吸収体が存在しない第2のキャップ領域とを有し、上記噴射ヘッドのノズル面を封止するキャッピング手段と、上記キャッピング手段による上記ノズル面のキャッピング動作を制御するキャッピング制御手段と、上記ノズルから上記液体を排出させることにより上記ノズルの噴射特性を回復するメンテナンス動作を制御するメンテナンス制御手段と、を備え、上記キャッピング制御手段は、上記メンテナンス動作のときには上記第1のキャップ領域を上記ノズル面の上記ノズルを含む第1領域と対面させ、かつ上記第2のキャップ領域を上記ノズル面の上記ノズルを含まない第2領域と対面させ、 装置本体を停止して放置状態に入るときには上記第2領域を上記第1のキャップ領域で封止し、かつ上記第1領域を上記第2のキャップ領域で封止するよう制御することを要旨とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射する噴射ヘッドと、上記噴射ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、上記噴射ヘッドのノズル面を封止するキャッピング手段と、上記キャッピング手段によるノズル面のキャッピング動作を制御するキャッピング制御手段と、上記ノズルから液体を排出させることによりノズルの噴射特性を回復するメンテナンス動作を制御するメンテナンス制御手段とを備え、上記キャッピング手段は、液体を吸収保持する吸収体が存在する第1のキャップ領域と、吸収体が存在しない第2のキャップ領域を有し、上記キャッピング制御手段は、メンテナンス動作のときには第1のキャップ領域をノズルと対面させ、装置本体を停止して放置状態に入るときには第2のキャップ領域をノズルと対面させるよう制御することを要旨とする。
本発明の第1の液体噴射装置は、主走査方向に並ぶ第1のキャップ領域と第2のキャップ領域を有し、メンテナンス動作のときには第1のキャップ領域をノズルと対面させ、装置本体を停止して放置状態に入るときには上記第1のキャップ領域とは噴射ヘッドとキャッピング手段の相対位置をずらせて第2のキャップ領域をノズルと対面させる。このように、メンテナンス動作のときと放置状態に入るときとでキャップ領域を異ならせるため、例えば、放置状態では吸収体なしとすることで、液体中の保湿剤がノズル開口部分の液体の水分を吸収することによる液体の増粘を確実に防止し、ノズル開口の目詰まりによる印字不良を未然に防ぐことができる。また、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域を主走査方向に並べたため、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域とでキャッピング手段の相対位置をずらせる動作が、装置に備え付けのキャリッジの移動制御で可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
本発明において、上記第1のキャップ領域には液体を吸収保持する吸収体が存在し、上記第2のキャップ領域には吸収体が存在しない場合には、メンテナンス動作のときは吸収体が存在するので、フラッシングで噴射された液滴を確実に捕捉して液体の飛散による周囲の汚染やノズル面の汚染を防止し、クリーニングで吸引したときも第1のキャップ領域内に吸引された液体が吸収体で保持されているため、キャップ解除の際に液体がこぼれたり飛散したりすることによる周囲の汚染やノズル面の汚染を防止する。また、放置状態では吸収体が存在しない第2のキャップ領域でノズル面が封止されるため、液体中の保湿剤がノズル開口部分の液体の水分を吸収することによる液体の増粘を確実に防止し、ノズル開口の目詰まりによる印字不良を未然に防ぐことができる。また、放置状態に入るときにキャッピング手段に向かって行うフラッシング噴射を省略することができ、不要な制御を省き、液体の無駄な消費も減らせる。
本発明において、上記キャッピング制御手段は、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域の間で、キャリッジの移動制御により噴射ヘッドとキャッピング手段の相対位置をずらせる場合には、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域とでキャッピング手段の相対位置をずらせる動作が、装置に備え付けのキャリッジの移動制御で可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
本発明において、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域は、キャップ開放状態においてノズル面と密着する密着縁部とノズル面との距離が等しくなるよう形成されている場合には、第1のキャップ領域と第2のキャップ領域とで、略同じキャッピング動作でキャッピングが可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
本発明の第2の液体噴射装置は、メンテナンス動作のときには液体を吸収保持する吸収体が存在する第1のキャップ領域をノズルと対面させ、装置本体を停止して放置状態に入るときには吸収体が存在しない第2のキャップ領域をノズルと対面させる。このため、メンテナンス動作のときは吸収体が存在するので、フラッシングで噴射された液滴を確実に捕捉して液体の飛散による周囲の汚染やノズル面の汚染を防止し、クリーニングで吸引したときも第1のキャップ領域内に吸引された液体が吸収体で保持されているため、キャップ解除の際に液体がこぼれたり飛散したりすることによる周囲の汚染やノズル面の汚染を防止する。また、放置状態では吸収体が存在しない第2のキャップ領域でノズル面が封止されるため、液体中の保湿剤がノズル開口部分の液体の水分を吸収することによる液体の増粘を確実に防止し、ノズル開口の目詰まりによる印字不良を未然に防ぐことができる。また、放置状態に入るときにキャッピング手段に向かって行うフラッシング噴射を省略することができ、不要な制御を省き、液体の無駄な消費も減らせる。
本発明において、上記第2のキャップ領域はノズル面との間に所定の空間を形成した状態でノズル面を封止するよう構成されるとともに、上記空間を大気開放する大気開放路が形成されている場合には、放置状態のノズルの乾燥は確実に防止しながら、キャッピング状態からキャップ部材を容易に外すことが可能となる。
本発明において、ノズル面とキャップ部材で形成される空間が、上記第1のキャップ領域の方が第2のキャップ領域よりも大きくなるよう設定されている場合には、第1のキャップ領域では、吸収体を収容する十分なスペースが確保可能となるほか、フラッシング動作において噴射された液体を確保するに十分な容量が確保できる。一方、第2のキャップ領域では、ノズルからの水分等の蒸発が速やかに飽和するため、放置状態におけるノズル近傍の液体の増粘をより確実に防止できる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
以下、本発明を採用したインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成を斜視図によって示したものである。
図中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2の駆動により往復動するタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動される、後述する記録ヘッド20を主走査方向に往復移動させるように構成されている。
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側、すなわちキャリッジ1の下側面には、後述するインクジェット式の記録ヘッド20が搭載され、またその上方には上記記録ヘッド20にインクを供給するブラックインクカートリッジ7、およびカラーインクカートリッジ8が着脱可能に装填されている。
図中符号12は、印字領域外であるホームポジションに配置されて記録ヘッド20のノズル面を封止するキャッピング手段12であり、このキャッピング手段12の下方には、キャッピング手段12に対して負圧を与えるための負圧発生手段としての吸引ポンプ10が配置されている。
上記キャッピング手段12は、記録装置の休止期間中すなわち放置状態において記録ヘッド20のノズル形成面を封止してノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、フラッシング動作時のインク受けとして機能し、また上記吸引ポンプ10からの負圧を記録ヘッド20に作用させて、記録ヘッド20からインクを吸引排出させるクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
また、キャッピング手段12の印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性部材により短冊状に形成されたワイピング部材11が配置されており、必要に応じて記録ヘッド20のノズル形成面に摺接して、ノズル形成面に付着した紙粉などの塵埃や、インクなどを払拭して清掃することができるように構成されている。
図2は、キャリッジ1に搭載されて液体としてインクを噴射する記録ヘッド20と、その上部に装着されるインクカートリッジとを断面状態で示したものである。
記録ヘッド20を構成するヘッドケース20aの下側面には、記録ヘッド20のノズル形成面を構成するノズルプレート20bが配置されており、このノズルプレート20bには複数のノズル開口20cが形成されている。また、各ノズル開口20cに対応して圧電振動子によるアクチュエータ20dが、ヘッドケース20a内に配置されている。そして、ノズル開口20cとそのアクチュエータ20d部分から上部に向かってインク連絡流路20eがヘッドケース20a内に形成されている。
上記ヘッドケース20aの上面には、4本の中空状のインク供給針21が直立状態に配置されており、上記ヘッドケース20a内に形成された各インク連絡流路20eは、それぞれ各インク供給針21内のインク流路に連通されている。なお各インク供給針21の頂部にはインク導入孔21aが形成されており、インクカートリッジからのインクは、このインク導入孔21aを介してインク供給針21内に導入され、上記インク連絡流路20eを介して記録ヘッド20のノズル開口20cに供給されるように構成されている。なお、上記各インク供給針21とヘッドケース20aとの間のインク流路には、塵埃等を除去するためのフィルタ部材22がそれぞれ配置されている。
図における左端のインク供給針21は、ブラックインクを供給するためのものであり、このインク供給針21に向かって、その上部からブラックインクカートリッジ7が装着できるように構成されている。このブラックインクカートリッジ7は、その上部の大半がインク貯留室7aになされており、このインク貯留室7aには、多孔質部材7bが収納され、且つ多孔質部材7bにブラックインクが含浸された状態でインクが貯留されている。
またインク貯留室7aの下側部には開口部7cが形成され、この開口部7c内にはゴム製のシール部材7dが嵌め込まれている。そして、開口部7cの下端部にはフィルム部材7eが貼着されて、カートリッジの保管中において、内部のインク溶媒が揮散しないようにシールされている。
上記したブラックインクカートリッジ7を、上部から押し込むことにより、インク供給針21が上記フィルム部材7eを貫通し、ブラックインクカートリッジ7に装着された上記ゴム製のシール部材7dがインク供給針21の周囲に接合してブラックインクカートリッジ7は装填状態とされる。そして、インク供給針21の先端部に形成されたインク導出孔21aを介してブラックインクカートリッジ7から記録ヘッド20側にインクが供給されるようになされる。
一方、カラーインクカートリッジ8には、左から順にシアン、マゼンタ、イエローの各カラーインクを個別に収納するインク貯留室7aが形成されて、これらが一体に形成されており、それぞれの構成は上記したブラックインクカートリッジ7と同一であり、したがってそれぞれの構成の詳細な説明は省略する。
このカラーインクカートリッジ8においても、その上部から押し込むことにより、記録ヘッド20のヘッドケース20a上に樹立された残りの3本のインク供給針21によってそれぞれ装着状態となされ、各カラーインクが記録ヘッド20側に供給されるようになされる。
この記録装置では、上記記録ヘッド20のノズル面24がキャッピング手段12で封止されるようになっている。
上述したように、上記キャッピング手段12は、記録装置を停止して放置状態に入るときに記録ヘッド20のノズル面24を封止してノズル開口20cの乾燥を防止する。
また、上記キャッピング手段12は、ノズル開口20cからインクを排出させることによりノズル開口20cの噴射特性を回復するメンテナンス動作のときにも使用される。上記メンテナンスとしては、フラッシングとクリーニングが行われる。
そして、アクチュエータ20dを動作させてノズル開口20cから印刷とは無関係のインクを噴射するフラッシング動作時のときにインク受けとして機能する。このフラッシングは、キャッピング手段12はノズル面24と対面した位置に配置されるがノズル面24を封止しないで行われるのが一般的である。
また、キャッピング手段12でノズル面24を封止した状態で、上記吸引ポンプ10からの負圧をキャッピング手段12を介してノズル開口20cに作用させて、ノズル開口20cからインクを吸引排出させるクリーニングにおいても使用される。
図3は、上記キャッピング手段12を示す図である。
このキャッピング手段12は、ノズルプレート20bのノズル面24と同等程度の大きさに形成された上面に開放された浅箱状のキャップケース13に、ゴムやエラストマー等の弾性部材から形成されたキャップ部材14が収容されている。
上記キャップ部材14は、キャップ部材14の外周部を構成する環状の密着縁部15aに囲まれた第1キャップ領域15と、上記密着縁部15a内に形成された2つの環状の密着縁部16aに囲われた第2キャップ領域16とを備えて構成されている。上記第2キャップ領域16は、ノズル列に沿う方向に延びる略長円形状であり、密着縁部15a内に2つの長円状の密着縁部16aが形成されることにより、ノズル列方向に沿って伸びる2つの第1キャップ領域15と、同じくノズル列方向に沿って伸びる2つの第2キャップ領域16とが形成されている。
上記第1キャップ領域15と第2キャップ領域16とは、主走査方向に並んで配置されており、この例では第1キャップ領域15と第2キャップ領域16が交互に配置されている。上記第1キャップ領域15および第2キャップ領域16は、それぞれノズル面24に形成された近接する2列のノズル列に対応して設けられている。第1キャップ領域15および第2キャップ領域16とノズル列との位置関係は後述する。
上記第1キャップ領域15は、フラッシングやクリーニング等のメンテナンス動作の際に用いる領域であり、密着縁部15aで囲われたある程度深さのある空間内に、インクを吸収して保持する吸収体17が収容されている。上記吸収体17は、例えば、高分子材料からなる多孔質材から形成されたものを用いることができる。
上記第1キャップ領域15は、底部にノズル面24に密着縁部15aを密着させて封止した状態でインクを吸引するための吸引孔19が穿設され、この吸引孔19には吸引チューブ18が接続されている。
上記吸引チューブ18は、上記吸引ポンプ10に接続されており、この吸引ポンプ10の排出側は後述する廃インクタンク25に接続されている。吸引ポンプ10は、円弧状に配置したチューブをローラが順次押しつぶして負圧を発生させるいわゆるチューブポンプが用いられており、この動作によりキャッピング手段12の第1キャップ領域15の内部空間を負圧に吸引することができ、記録ヘッド20のノズル開口20cよりインクを吸引排出させるクリーニング動作が実行される。また吸引ポンプ10の停止中においては、キャッピング手段12の内部空間はポンプチューブを介して大気と連通した状態に保持される。
上記第2キャップ領域16は、メンテナンス動作の際に用いられるのではなく、装置を休止して放置状態に入るときにノズル面24を封止するための領域であり、密着縁部16aで囲われたある程度深さのある空間内に、上記吸収体17は存在しない。
上記第2キャップ領域16は、ノズル面24との間に所定の空間を形成した状態でノズル面24を封止するよう構成され、上記空間を大気開放する大気開放路29が形成されている。
この例では、上記大気開放路29は、第2キャップ領域16の底部において、キャップ部材14からキャップケース13まで貫通するように形成された大気開放孔26と、キャップケース13の底部において上記大気開放孔26と連通するように形成された溝27と、上記溝27を覆うように貼着されたフィルム28とから形成されている。
上記溝27の一端は大気開放孔26と連通し、他端はフィルム28に覆われていない凹部27aに連通している。これにより、大気開放孔26、溝27、凹部27aを介して第2キャップ領域16が大気と連通するようになっている。上記溝27は、深さと幅を極限まで小さくして流路断面積が可及的に小さくなるよう形成している。また、キャップケース13の底面において蛇行状に形成され、流路長さが可及的に大きくなるよう形成している。これにより、上記大気開放路29は、流路抵抗が極めて大きくなり、第2キャップ領域16内から外部への水蒸気の放散が可及的に小さくなるようになっている。
上記第1キャップ領域15と第2キャップ領域16は、ノズル面24にキャップ部材14の密着縁部15a,16aが密着した状態でノズル面24とキャップ部材14で形成される空間が、上記第1キャップ領域15の方が第2キャップ領域16よりも大きくなるよう設定されている。具体的には、第1キャップ領域15の深さが第2キャップ領域16の深さよりも深くなるように設定されている。また、平面視における面積においても、第1キャップ領域15の面積が2つの第2キャップ領域16を合わせた面積よりも大きくなるよう設定されている。
上記第1キャップ領域15と第2のキャップ領域16は、各密着縁部15a,16aが略面一になるよう形成され、キャップ開放状態においてノズル面24と密着する密着縁部15a,16aとノズル面24との距離が等しくなるよう形成されている。
上記キャッピング手段12は、後述するキャップ昇降手段30により昇降するようになっており、このキャップ昇降手段30によって昇降されることにより、ノズル面24の封止状態と開放状態とを切換えるようになっている。
図4は、上記キャッピング手段9を昇降させるキャップ昇降手段30を説明する図である。
このキャップ昇降手段30は、円筒カム33と、円筒カム33に挿通されてカム作用によって昇降する昇降部材32とを備えて構成されている。上記昇降部材32の上面にキャッピング手段12が取り付けられ、昇降部材32の上下運動に伴って昇降し、その高さ位置が変更されるようになっている。
上記円筒カム33は、全体として円筒状に形成されて下端近傍の周縁にギヤ部36が形成されており、図示しない駆動モータにより、円筒の軸芯を中心として回転するようになっている。上記円筒カム33には、その周壁にカムスリット37が形成されている。上記カムスリット37は、この例では、水平方向に延びる上水平部37aと下水平部37bと各水平部を連通する傾斜部37cとから構成されている。上記円筒カム33には、略円柱状の昇降部材32が挿通される。上記昇降部材32の外周面には、カムスリット37に嵌合する嵌合突起38が突出形成されている。
上記キャップ昇降手段30は、図示しない駆動モータによって回転駆動されることにより円筒カム33の周壁が周方向に回転し、カムスリット37に嵌合された嵌合突起38がカムスリット37の傾斜部37cに沿って上下することにより、昇降するようになっている。このとき、上記嵌合突起38が、下水平部37bにあるときは昇降部材32が最も下がった状態であり、キャッピング手段12の高さ位置が低くなってキャップ部材14は開放状態となる。また、上記嵌合突起38が、上水平部37aにあるときは昇降部材32が最も上がった状態であり、キャッピング手段12の高さ位置が最も高くなり、ノズル面24がキャップ部材14で封止される。
図5は、上記した構成の記録装置に搭載された制御回路の例をブロック図で示したものである。
なお、すでに説明したキャリッジ1、キャリッジモータ2、タイミングベルト3、ブラックインクカートリッジ7,カラーインクカートリッジ8、キャッピング手段12、吸引ポンプ10、および記録ヘッド20については同一符号で示しており、したがってその説明は省略する。
符号40は印刷制御手段であり、この印刷制御手段40は記録装置のホストコンピュータからもたらされる印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段41において駆動信号を発生させて、記録ヘッド20からインクを吐出させるものである。また、印刷制御手段40よりキャリッジモータ制御手段42に対して制御信号を送り、キャリッジモータ2の駆動制御がなされるように構成されている。
上記ヘッド駆動手段41は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段43からのフラッシング指令信号を受けてメンテナンス動作としてのフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド20に出力するように構成されている。
符号44はクリーニング制御手段であり、メンテナンス動作としてのクリーニング(以下CLともいう)指令検知手段45、CL後経過時間検出手段46および累積キャップ開放時間検出手段47からの信号を受けて、ポンプ駆動手段48を制御して、吸引ポンプ10を駆動するように動作する。
すなわち、ヘッド駆動手段41およびクリーニング制御手段44は、ノズル開口20cからインクを排出させることによりノズル開口20cの噴射特性を回復するメンテナンス動作を制御するメンテナンス制御手段として機能する。
ここで、CL後経過時間検出手段46は、クリーニング制御手段44によりクリーニングが実行された直後にクリーニング制御手段44からクリーニング終了信号が送られ、クリーニング後の経過時間を計時するものである。また累積キャップ開放時間検出手段47は、印刷制御手段40により記録ヘッド20が印刷のためにキャッピング手段12から開放されていた時間の累積を計時するものであり、記録ヘッド20がキャッピング手段12から開放されると計時をスタートし、印字が終了し記録ヘッド20がキャッピングされると計時をストップする。
この累積キャップ開放時間検出手段47は、クリーニング制御手段44により、クリーニング動作が行われた場合、あるいは印刷動作が長時間継続した後にキャッピングする直前に印刷制御手段40からフラッシング指令が出され、フラッシングが実行された場合にリセットする。
上記フラッシング制御手段43は、印刷動作が開始される直前、または印刷動作が一定時間継続して印刷制御手段40からフラッシング指令が出力された場合、あるいは印刷動作が終了して記録ヘッド20がキャッピング手段12によって封止される直前、もしくはクリーニング制御手段44からの吸引終了信号が出力され、かつ後述するフラッシング保留タイマ49からのタイムアップ信号が出力している場合、または記録装置の動作電源が投入(オン)された時に動作する。
そして、印刷制御手段40からの指令によりキャリッジモータ制御手段42が動作してキャリッジ1に搭載された記録ヘッド20をフラッシング位置、すなわちキャッピング位置に移動させて、記録ヘッド20のノズル開口20cから所定回数にわたってインク滴を空吐出させることで、ノズル開口20cの目詰まりの防止や、目詰まりの解消を行う動作がなされる。
また、フラッシング保留タイマ49は、クリーニング工程が終了した段階で計時動作を開始し、クリーニング工程で記録ヘッド20のノズル開口近傍に生じた気泡が自然消滅するまでに相当する時間を計時した段階で、タイムアップするように構成されている。
符号50はケースの制御パネル等に設けられたクリーニング指令スイッチを示し、ユーザが印字かすれなどを認識した場合に、これをプッシュ操作することにより、上記CL指令検知手段45を動作させてマニュアルクリーニング操作が実行されるように構成されている。また、符号25は吸引ポンプ10の排出側に配置された廃インクタンクを示している。
また、符号51は上記キャップ昇降手段30を制御してキャッピング手段12の昇降制御を行うキャップ昇降制御手段51である。そして、上記キャップ昇降制御手段51とキャリッジモータ制御手段42とにより、キャッピング手段12によるノズル面24のキャッピング動作を制御するキャッピング制御手段として機能する。
そして、上記キャッピング制御手段としてのキャップ昇降制御手段51およびキャリッジモータ制御手段42は、メンテナンス動作としてのフラッシングおよびクリーニングの際はインクの吸収体17が存在する第1キャップ領域15をノズル開口20cに対面させ、装置本体を停止して放置状態に入るときには吸収体17が存在しない第2キャップ領域16をノズル開口20cに対面させるよう制御する。
図6および図7は、上記キャッピング手段12の作用を示す図である。
図6は、クリーニングの際に第1キャップ領域15をノズル開口20cに対面させてノズル面24を封止した状態を示す。
図7は、放置状態に入るときに第2キャップ領域16をノズル開口20cに対面させてノズル面24を封止した状態を示す。
図6に示すように、メンテナンス動作としてのクリーニング動作のときは、キャリッジモータ制御手段42により記録ヘッド20を、ノズル開口20cが第1キャップ領域15と対面する位置まで移動制御し、キャップ昇降制御手段51によりキャップ部材14の密着縁部15a,16aがノズル面24に密着するまでキャッピング手段12を上昇制御することにより、各ノズル開口20cを第1キャップ領域15で封止する。
この状態で、第2キャップ領域16は、ノズル面24のノズル開口20cが存在しない領域に対面している。
そして、吸引ポンプ10を駆動することにより、第1キャップ領域15の内部空間に負圧を与えて各ノズル開口20cからインクを吸引する。このとき、吸引孔19とノズル開口20cの間に吸収体17の層が存在することから、負圧が全てのノズル開口20cに均一に与えられて各ノズル開口20cを満遍なくクリーニングすることができる。
所定時間の吸引が終了すると、図示しない大気開放弁で第1キャップ領域15の内部空間を大気圧に戻して空吸引を行ったのち、キャップ昇降制御手段51によりキャッピング手段12を下降制御してキャップを開放する。このとき、第2キャップ領域16が大気開放路29を介して大気と連通していることから、キャップの開放がスムーズに行われる。
また、メンテナンス動作としてのフラッシング動作のときは、上記と同様にノズル開口20cを第1キャップ領域15と対面させる位置までキャリッジ1を移動制御し、キャップ昇降制御手段51はキャッピング手段12を上昇させない位置でフラッシングを行う。
図7に示すように、装置を休止して放置状態に入るときには、キャリッジモータ制御手段42により記録ヘッド20を、上記第1キャップ領域15のときとは記録ヘッド20とキャッピング手段12の相対位置をずらせ、ノズル開口20cが第2キャップ領域16と対面する位置まで移動制御し、キャップ昇降制御手段51によりキャップ部材14の密着縁部15a,16aがノズル面24に密着するまでキャッピング手段12を上昇制御することにより、各ノズル開口20cを第2キャップ領域16で封止する。
このように、キャッピング制御手段は、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16の間で、キャリッジ1の移動制御により記録ヘッド20とキャッピング手段12の相対位置をずらせる。
この状態で、第1キャップ領域15は、ノズル面24のノズル開口20cが存在しない領域に対面している。
このとき、第2キャップ領域16には吸収体17が存在しないことから、吸収体17に保持されたインクの保湿剤の影響によるノズル開口20c近傍のインクの増粘が防止される。そして、次回装置の電源をONにするときに、キャップ昇降制御手段51によりキャッピング手段12を下降制御し、キャップを開放する。このとき、第2キャップ領域16が大気開放路29を介して大気と連通していることから、キャップの開放がスムーズに行われる。
このように、この例では、ノズル開口20cは4列のノズル列を形成しており、2列のノズル列が近接して1組のノズル群を構成し、少し間をあけてもう1組の2列のノズル列からなるノズル群が配置されている。そして、1つのノズル群を1つの第1キャップ領域15または第2キャップ領域16でキャップするようになっている。
さらに、2つのノズル群を2つの第1キャップ領域15でキャップしているときは、第2キャップ領域16は、2つのノズル群の間と、一方のノズル群の外側に配置される。また、2つのノズル群を2つの第2キャップ領域16でキャップしているときは、第1キャップ領域15は、2つのノズル群の間と、一方のノズル群の外側に配置される。
図8は、上記キャッピング手段12の第2例である。
この例は、第2キャップ領域16に設けられた大気開放孔26に大気開放チューブ52が接続され、上記大気開放チューブ52に弁53が設けられたものである。そして、キャップ部材14でノズル面24を封止した状態から、キャッピング手段12を下降させてキャップを開放するときに、上記弁53を開けて第2キャップ領域16内を大気開放し、キャップの解除を容易にするものである。また、放置状態においてノズル面24を第2キャップ領域16で封止するときには、上記弁53を閉じて第2キャップ領域16の封止性を高め、ノズル開口20c近傍のインクの増粘を防止する。それ以外は、上記第1例と同様であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の液体噴射装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、主走査方向に並ぶ第1キャップ領域15と第2キャップ領域16を有し、メンテナンス動作のときには第1キャップ領域15をノズル開口20cと対面させ、装置本体を停止して放置状態に入るときには上記第1キャップ領域とは記録ヘッド20とキャッピング手段12の相対位置をずらせて第2キャップ領域16をノズル開口20cと対面させる。このように、メンテナンス動作のときと放置状態に入るときとでキャップ領域を異ならせるため、例えば、放置状態では吸収体17なしとすることで、インク中の保湿剤がノズル開口20c部分のインクの水分を吸収することによるインクの増粘を確実に防止し、ノズル開口20cの目詰まりによる印字不良を未然に防ぐことができる。また、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16を主走査方向に並べたため、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16とでキャッピング手段12の相対位置をずらせる動作が、装置に備え付けのキャリッジ1の移動制御で可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
また、上記第1キャップ領域15にはインクを吸収保持する吸収体17が存在し、上記第2キャップ領域16には吸収体17が存在しないため、メンテナンス動作のときは吸収体17が存在するので、フラッシングで噴射されたインク滴を確実に捕捉してインクの飛散による周囲の汚染やノズル面24の汚染を防止し、クリーニングで吸引したときも第1キャップ領域15内に吸引されたインクが吸収体17で保持されているため、キャップ解除の際にインクがこぼれたり飛散したりすることによる周囲の汚染やノズル面24の汚染を防止する。また、放置状態では吸収体17が存在しない第2キャップ領域16でノズル面24が封止されるため、インク中の保湿剤がノズル開口20c部分のインクの水分を吸収することによるインクの増粘を確実に防止し、ノズル開口20cの目詰まりによる印字不良を未然に防ぐことができる。また、放置状態に入るときにキャッピング手段12に向かって行うフラッシング噴射を省略することができ、不要な制御を省き、液体の無駄な消費も減らせる。
また、上記キャッピング制御手段は、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16の間で、キャリッジ1の移動制御により記録ヘッド20とキャッピング手段12の相対位置をずらせるため、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16とでキャッピング手段12の相対位置をずらせる動作が、装置に備え付けのキャリッジ1の移動制御で可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
また、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16は、キャップ開放状態においてノズル面24と密着する密着縁部15a,16aとノズル面24との距離が等しくなるよう形成されているため、第1キャップ領域15と第2キャップ領域16とで、略同じキャッピング動作でキャッピングが可能となるため、装置的・処理的な無駄がなく効率的である。
また、上記第2キャップ領域16はノズル面24との間に所定の空間を形成した状態でノズル面24を封止するよう構成されるとともに、上記空間を大気開放する大気開放路29が形成されているため、放置状態のノズル開口20cの乾燥は確実に防止しながら、キャッピング状態からキャップ部材14を容易に外すことが可能となる。
また、ノズル面24とキャップ部材14で形成される空間が、上記第1キャップ領域15の方が第2キャップ領域16よりも大きくなるよう設定されているため、第1キャップ領域15では、吸収体17を収容する十分なスペースが確保可能となるほか、フラッシング動作において噴射されたインクを確保するに十分な容量が確保できる。一方、第2キャップ領域16では、ノズル開口20cからの水分等の蒸発が速やかに飽和するため、放置状態におけるノズル開口20c近傍の液体の増粘をより確実に防止できる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定するものではなく、以下のような変更例を包含する趣旨である。
上記各実施形態において、記録ヘッド20は、液体を噴射させる駆動素子である圧力発生素子として、圧電振動子を利用した液体噴射装置に適用することもできるし、発熱素子を利用したタイプの液体噴射装置に適用することもできる。
また、上述した制御方法をコンピュータ装置に実行させるプログラムを、記録媒体に記録して提供したり、通信ネットワークを介して提供したりすることもできる。
また、液体噴射装置の代表例としては、上述したような画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置があるが、本発明は、その他の液体噴射装置として、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等、各種の液体噴射装置に適用することができる。
本発明を適用したインクジェット式記録装置の基本構成を示す斜視図である。 記録ヘッドとインクカートリッジを示す断面図である。 キャッピング手段の一例を示す図である。 キャップ昇降装置の機構を説明する図である。 上記記録装置の制御回路の例を示したブロック図である。 キャッピング手段の作用を示す図である。 キャッピング手段の作用を示す図である。 キャッピング手段の第2例を示す図である。 従来の装置における問題点を説明する模式図である。
符号の説明
1 キャリッジ,2 キャリッジモータ,3 タイミングベルト,4 ガイド部材,5 プラテン,6 記録用紙,7 ブラックインクカートリッジ,7a インク貯留室,7b 多孔質部材,7c 開口部,7d シール部材,7e フィルム部材,8 カラーインクカートリッジ,9 キャッピング手段,9a キャップケース,9b キャップ部材,9c インク吸収材,9d 吸引口,9e スライダ,9f アーム,10 吸引ポンプ,11 ワイピング部材,12 キャッピング手段,13 キャップケース,14 キャップ部材,15 第1キャップ領域,15a 密着縁部,16 第2キャップ領域,16a 密着縁部,17 吸収体,18 吸引チューブ,19 吸引孔,20 記録ヘッド,20a ヘッドケース,20b ノズルプレート,20c ノズル開口,20d アクチュエータ,20e インク連絡流路,21 インク供給針,21a インク導入孔,22 フィルタ部材,23 チューブ,24 ノズル面,25 廃インクタンク,26 大気開放孔,27 溝,27a 凹部,28 フィルム,29 大気開放路,30 キャップ昇降手段,32 昇降部材,33 円筒カム,36 ギヤ部,37 カムスリット,37a 上水平部,37b 下水平部,37c 傾斜部,38 嵌合突起,40 印刷制御手段,41 ヘッド駆動手段,42 キャリッジモータ制御手段,43 フラッシング制御手段,44 クリーニング制御手段,45 CL指令検知手段,46 CL後経過時間検出手段,47 累積キャップ開放時間検出手段,48 ポンプ駆動手段,49 フラッシング保留タイマ,50 クリーニング指令スイッチ,51 キャップ昇降制御手段,52 大気開放チューブ,53 弁

Claims (1)

  1. ノズルから液体を噴射する噴射ヘッドと、
    上記噴射ヘッドを主走査方向に往復移動させるキャリッジと、
    上記液体を吸収保持する吸収体が存在する第1のキャップ領域と、上記第1のキャップ領域内部にあり、液体を吸収保持する吸収体が存在しない第2のキャップ領域とを有し、上記噴射ヘッドのノズル面を封止するキャッピング手段と、
    上記キャッピング手段による上記ノズル面のキャッピング動作を制御するキャッピング制御手段と、
    上記ノズルから上記液体を排出させることにより上記ノズルの噴射特性を回復するメンテナンス動作を制御するメンテナンス制御手段と、を備え
    記キャッピング制御手段は、
    上記メンテナンス動作のときには上記第1のキャップ領域を上記ノズル面の上記ノズルを含む第1領域と対面させ、かつ上記第2のキャップ領域を上記ノズル面の上記ノズルを含まない第2領域と対面させ、
    装置本体を停止して放置状態に入るときには上記第2領域を上記第1のキャップ領域で封止し、かつ上記第1領域を上記第2のキャップ領域で封止するよう制御することを特徴とする液体噴射装置。
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