JPH07237788A - 画像形成装置の用紙検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射型光センサを用いて、用紙搬送路内を通
過する用紙に対する検知手段を構成するに際して、普通
紙の他に、ＯＨＰシート等のような特殊な光の反射特性
を有するシート類、および、用紙類が検知装置に対して
傾斜した場合にも検知できるようにする。 【構成】 ２つの用紙搬送路７、８の合流部に検知装置
１０を配置して、用紙の検知を行う装置において、検知
装置１０の発光部材に対応させて光拡散部材１５を配置
し、発光部材から出力される照射光を拡散させる状態で
出力し、用紙に照射させるようにする。そして、拡散さ
れた照射光の一部を用紙類に反射させて、受光部材によ
り検知できるようにする。前記検知装置は、下用紙搬送
路８から検知部に入る用紙に対しても、照射光の一部が
反射されることになり、さらに、ＯＨＰシートのような
光り反射特性の異なる用紙類に対する検知を容易に行う
ことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真複写機等の画像
形成装置の用紙搬送路に配置し、搬送される用紙を検知
する用紙検知装置に関し、特に、用紙搬送路の合流部に
検知装置を配置する際に、検知装置の検知位置に対して
斜めに搬送される用紙に対しても、検知作用を正確に発
揮できるようにするとともに、光の反射特性が方向性を
持つ用紙類に対しても検知作用を正確に行い得るような
検知装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やレーザビームプリンタ
等のように、電子写真方式を用いる画像形成装置におい
ては、感光体ドラムに対してトナー画像を作成するため
の機構を配置している。そして、前記感光体ドラムに原
稿の画像の走査光を照射して、静電潜像を形成し、その
静電潜像に対して現像装置からトナーを供給して、トナ
ー画像として可視像化する機構を構成している。前記感
光体ドラムに形成されたトナー画像は、転写コロトロン
等の装置からの放電により用紙に転写され、トナー画像
を担持する用紙を定着装置を通して定着しコピーを排出
させる。前述したような画像形成装置においては、給紙
部に複数の給紙トレイ等の用紙収容手段を配置し、サイ
ズの異なる用紙類を給紙トレイに分けて収容しておくこ
とにより、原稿のサイズや、オペレータが選択した縮拡
率等に対応させて、任意の用紙を選択して送り出すこと
ができるようにしている。

【０００３】前述したような画像形成装置においては、
給紙部からの用紙搬送路に対して、手差しトレイからの
用紙搬送路を合流させ、１つの共通な用紙搬送路を通し
て感光体ドラムからの画像転写部に、用紙を送る機構を
設けている。例えば、実開昭６３−１２３５４２号公報
等に示される例においては、図４に示されるように、画
像形成装置１の感光体ドラム５に対応する用紙搬送路に
対して、給紙トレイ２からの下用紙搬送路８と、手差し
トレイ４からの上用紙搬送路７を合流させるように構成
している。そして、前記２つの用紙搬送路の合流部に１
個の検知装置１０を配置して、用紙搬送路７、８のそれ
ぞれから送られてくる用紙を検知する手段を構成してい
る。したがって、前述したようにして、用紙搬送路の合
流部に１つの検知装置を配置することにより、用紙検知
機構の構成を簡素化でき、画像形成装置に配置するセン
サ等の装置を少なくできるものとされる。

【０００４】前記画像形成装置１においては、給紙トレ
イ２の給紙部には用紙さばき装置を配置する給紙装置３
を設けて、用紙を１枚ずつさばきながら供給する手段を
設け、用紙搬送路内に配置する搬送ローラ装置により整
合ローラ６の位置まで送る。また、手差しトレイ４から
送り込む用紙は、上用紙搬送路７に設けた搬送ローラ装
置により整合ローラ６の位置まで送り込むようにして、
前記整合ローラ６の直前部に合流部を構成して、前記合
流部の下流部では、１つの共通な用紙搬送路を構成して
いる。前述したような用紙搬送路を合流させる機構を構
成する際に、整合ローラ６の部分を用紙整合装置として
構成し、用紙搬送路を介して送られてくる用紙を一時停
止させ、用紙の先端部の整合を行ってから、整合ローラ
６のニップ部に用紙を突入させ、整合ローラを感光体ド
ラム５の回転速度に同期させて駆動し、用紙を画像転写
部に向けて給紙する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述したように、用紙
搬送路の合流部に検知装置を配置する場合に、一般的に
は、前記検知装置を反射型光センサで構成し、用紙搬送
路を搬送される用紙に対して発光部材からの照射光を照
射し、用紙により反射された反射光を受光部材に受光さ
せることにより、用紙の検知を行う機構を構成してい
る。前記検知装置においては、例えば、上用紙搬送路７
から送り込まれる用紙Ｐに対しては、図５に示されるよ
うに、発光部材１１から出力される照射光Ｒａは、用紙
Ｐに反射されて、反射光Ｒｂとして受光部材１２に向け
て照射されるので、検知装置による検知作用を良好に発
揮させることができる。ところが、下用紙搬送路８から
合流部に送り込まれる用紙Ｐａは、検知装置の光路に対
して斜めに傾斜した状態にあるために、図６に示される
ように、用紙Ｐａに反射した光Ｒａは、受光部材１２に
受光されない状態が発生する。

【０００６】前記用紙として一般の複写に用いられる用
紙類を用いた場合には、用紙の表面が光を乱反射する特
性を有しているものであるから、用紙が検知装置の光路
に対して若干傾斜している状態でも、センサによる検知
は可能である。しかしながら、ＯＨＰシート等のよう
に、光の反射特性が普通の複写紙とは異なるものが、複
写に使用される場合があり、また、表面に特殊なコーテ
ィングが行われた用紙類を使用することもある。そし
て、前記特殊なシートや用紙類は、光を乱反射せずに１
方向にのみ反射する性質を有するために、用紙類等が検
知装置の光路に対して斜めの状態にある場合には、検知
装置により正確に検知できないという問題が発生する。

【０００７】前述したような問題を解決するためには、
例えば、実公昭５９−１７０５４２号公報等に示される
ように、検知装置の傾斜角度を変更可能に構成すること
が提案されている。前記従来例では、検知装置の支持部
材の一方の端部をヒンジにより支持し、他方の端部に対
してソレノイドによる揺動機構を配置することにより、
用紙の突入角度に対応させて、検知作用を正確に行うこ
とができるものとされる。しかしながら、前記従来例の
ように、検知装置の検知角度を変更可能に構成する場合
には、用紙を案内する用紙搬送路の情報に応じて、検知
装置に対する検知角度を設定するものであり、ソレノイ
ド等の装置を別個に設けることにより、用紙搬送装置の
構成が複雑になるなどの問題が残る。

【０００８】また、普通紙と特殊なシート類等を判別す
るために、特開平２−５６３７５号公報等に示されるよ
うに、１つの発光部材に対して受光角度が異なる２つの
受光部材を配置しておき、用紙の種類による反射光の角
度に対応させて、検知作用を行い得るような装置が提案
されている。そして、前述したような構成の検知装置を
配置する場合には、用紙の種類等も判別できるために、
画像形成装置のプロセス装置の動作をその用紙の種類の
情報に応じて制御することができるものとなる。ところ
が、前記従来例に示されるような検知装置を用いる場合
に、受光部材を複数配置することが必要であるために、
検知装置の構成が大型になるという問題があり、さら
に、用紙が検知装置の光路に対して傾斜している状態で
は、正確な検知情報を得ることができないという問題が
ある。

【０００９】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の検知装
置の問題を解消するもので、検知装置の発光部材に対応
させて光拡散部材を配置し、光を散乱させる状態で用紙
類に向けて光を照射することにより、用紙の光の反射特
性が異なる場合でも、受光部材が反射光を正確に検知で
き、検知装置の構成を簡素化できるような装置を提供す
ることを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、共通の用紙搬
送路に対して複数の用紙搬送路を合流させて用紙を搬送
する機構を構成し、前記用紙搬送路の合流部に１つの検
知装置を配置して、用紙に対する検知を行う装置に関す
る。本発明においては、前記検知装置を反射型光センサ
により構成し、検知装置の発光部材に対応させて光拡散
部材を配置し、前記検知装置の発光部材から出力される
光を光拡散部材により拡散させる状態で用紙に照射し、
受光部材により検知する手段を構成している。また、本
発明においては、前記光拡散部材を検知装置のフレーム
に対して、発光部材に対応する位置に一体に設けるこ
と、および、前記光拡散部材をスリガラス板により構成
し、ガラス板の平面側を発光部材に対応させて位置決め
することも可能である。

【００１１】

【作用】本発明において、検知装置に発光部材と受光部
材を配置して、反射型光センサとして構成したものを用
いており、前記検知装置の発光部材に対応させてスリガ
ラス等のような光拡散部材を配置して、用紙類等に照射
する光を拡散させるようにしている。そして、用紙が検
知装置の発光部材と受光部材との間で光を正常に反射す
る位置を通る場合と、用紙が傾斜している場合のいずれ
の場合、および、普通紙等の複写に用いる用紙の他に、
特殊な光の反射特性を持つシート類等に対しても、検知
装置による用紙の検知の作用を良好な状態で発揮するこ
とが可能になる。したがって、本発明の検知装置では、
発光部材に対応させて光拡散部材を配置するのみで、用
紙搬送路の合流部等で用紙類に対する検知作用を正確に
発揮させることが可能であり、装置の構成を複雑にする
ことなしに、用紙検知の作用を行うことができる。

【００１２】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の用紙検知装置を説明する。図１に示される例
は、前記図４に示されるように、整合ローラ６の直前部
に、２つの用紙搬送路を合流させる部分を配置し、合流
部に検知装置１０を配置する場合を示している。前記整
合ローラ６の直前部に配置する合流部では、２つの用紙
搬送路７、８を共通の用紙搬送路に合流させ、用紙を整
合する作用を行ってから、感光体ドラムの画像転写部に
向けて給紙できるようにする機構を構成することができ
る。前記用紙搬送路の合流部に配置する検知装置１０
は、上用紙搬送路７の上ガイド板に対して開口９を設け
ておき、前記開口９を介して用紙に光を照射する手段を
構成する。

【００１３】また、前記検知装置１０においては、図２
に示されるように、発光部材１１の照射光Ｒａの照射部
に対応させて光拡散部材１５を配置しており、照射光Ｒ
ａを光拡散部材１５により拡散させて、用紙Ｐに照射す
る機構を構成している。前記光拡散部材１５としては、
例えば、スリガラス等のように、ガラス板の下側に位置
する面を細かい凹凸を有する面として構成し、発光部材
から照射された光を小さなプリズムのような機能を有す
る面を介して拡散させるようにする。また、本発明の光
拡散部材としては、スリガラスの他に、用紙に対応する
下面に小さな凹凸を設けたプラスチック製の透明な板部
材を使用することや、その他に、任意の光を拡散するこ
との可能な板部材やシート類等を用いることも可能であ
る。さらに、前記光拡散部材としては、透明な板状の部
材に対して、プラスチック製の半透明なテープ類等のよ
うに、微小な凹凸をシートの表面に設けたものを貼り付
けて用いることも可能である。そして、前記光を拡散す
る性質を有する板部材またはシート類を、検知装置の光
を照射する位置に対応させて、検知装置のフレームに一
体に設ける等の手段を適用することができる。

【００１４】さらに、前記光拡散部材を取り付ける位置
は、前記上用紙搬送路の上ガイド板に設けた開口部に配
置しておき、前記開口の発光部材に対応する位置で、照
射光を拡散させる状態で、用紙に照射させる手段を構成
することができる。なお、前記検知装置１０を構成する
発光部材１１は、光を出力する発光ダイオードのような
部材を用いるものであり、受光部材１２としては、光を
電気信号に変換して出力するフォトダイオード（光導電
素子）のような部材を用いることができる。また、前記
検知装置１０は、一般に使用されている光反射型の光セ
ンサをそのまま使用することが可能であるが、発光部材
の照射光光路に光拡散部材を配置する手段を用いている
ので、発光部材の照射光を一般の発光部材よりも強い光
を出力する部材で構成することや、受光部材の受光性能
を向上させる等の改良を施したもので構成する場合に
は、用紙の検知性能を良好に発揮させることが可能にな
る。

【００１５】そして、前記図２に示されるように、光に
１つの方向性を持たせない状態で用紙に照射することに
より、検知装置の発光部材と受光部材の２つの部材の傾
斜角度に対応させて、その光路に対して傾斜しない状態
で搬送される用紙Ｐに対しては、反射光の一部の光が受
光部材１２に検知される。したがって、前記図２に示さ
れるように、用紙Ｐが検知装置に対して角度を持たない
状態で通過する場合には、発光部材１１の照射光は、拡
散される状態で用紙に照射されるので、反射光の一部が
受光部材１２により検知されることになる。また、前記
図２のような用紙を検知する場合には、受光部材により
得られる反射光は、比較的少ない光量となるが、前述し
たように、発光部材の光量を強くすることや、受光部材
の検知性能を向上させることにより、用紙に対する検知
性能を良好に維持させることができる。

【００１６】図３に示される例は、下用紙搬送路から用
紙が送られてくる場合等のように、用紙が検知装置に対
して傾斜した状態にあるものを検知する場合を示してい
る。前記図３に示されるように、検知装置の正常な光反
射経路に対して、用紙Ｐａが傾斜した状態にあっても、
光拡散部材１５により拡散された照射光Ｒａの一部が、
用紙Ｐａに反射されて、反射光Ｒｂの一部が受光部材１
２に検知される状態となる。したがって、前記図３に示
されるように、用紙が傾斜した状態で検知部にある場合
にも、用紙に対する検知作用を正確に行うことができ
る。

【００１７】また、前述したように構成した本発明の検
知装置を用いる場合には、一般の複写に使用される用紙
類の他に、光の反射特性の異なる用紙や、ＯＨＰシート
類等のような特殊な用紙類に対しても、検知装置による
検知作用を良好な状態で行うことが可能である。例え
ば、ＯＨＰシートのようなシート類では、光を透過する
性質があり、ある一定の角度で照射された光のみを反射
する性質がある。そのような光の反射特性を有するシー
ト類に対しては、光拡散部材を通して拡散された光を照
射することにより、シート類に反射された光を受光部材
により検知することにより、検知部を通過する特殊なシ
ート類に対する検知作用を発揮できるものとなる。

【００１８】なお、前述したような構成を有する検知装
置は、整合ローラの直前部に配置する用紙搬送路の合流
部に設けるのみでなく、画像形成装置の用紙搬送路の合
流部等で、用紙に対する検知を行う必要のある任意の部
分に対して適用が可能である。また、前記検知装置を構
成する発光部材と受光部材とは、従来より光センサ装置
として市販されている任意の部品を使用することが可能
であり、光拡散部材を構成する部材としても、光を拡散
する性質を有する任意の部材を用いることが可能であ
る。そして、前記光拡散部材を検知装置に対して配置す
るためには、検知装置のフレームに一体に組み込むこと
の他に、ガイド板等に対して光拡散部材を取り付けるこ
とが可能である。さらに、本発明の検知装置は、一般の
画像形成装置の用紙搬送路において、用紙類を検知する
ためにも使用することが可能であり、従来の反射型光セ
ンサと同様に、用紙の検知を行うことができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の画像形成装置の用紙検知装置
は、前述したような構成の光拡散部材を一体に組み合わ
せた検知装置を用いているのであるから、用紙搬送路の
任意の位置に配置することが可能であり、光の反射特性
の異なる任意のシート類や用紙等に対する検知の作用を
良好に発揮させることができる。また、本発明の検知装
置では、発光部材に対応させて光拡散部材を配置するの
みで、用紙等に対する検知作用を発揮させることがで
き、検知装置の構成を特に複雑にする等の問題は発生す
ることがない。そして、用紙が検知装置の発光部材と受
光部材との間で光を正常に反射する位置を通る場合と、
用紙が傾斜している場合のいずれの場合、および、普通
紙等の複写に用いる用紙の他に、特殊な光の反射特性を
持つシート類等に対しても、検知装置による用紙の検知
の作用を良好な状態で発揮することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の用紙搬送路に対して検知装置を配置
する例の説明図である。

【図２】 用紙と検知装置の関係を示す説明図である。

【図３】 用紙が傾斜した状態で検知する例の説明図で
ある。

【図４】 一般的な画像形成装置の構成を示す説明図で
ある。

【図５】 検知装置に対して正常な位置で検知される用
紙の状態を示す説明図である。

【図６】 用紙が傾斜した場合に検知不能な状態を示す
説明図である。

【符号の説明】

１ 画像形成装置、 ７ 上用紙搬送路、 ８
下用紙搬送路、１０ 検知装置、 １１ 発光部
材、 １２ 受光部材、１５ 光拡散部材。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 共通の用紙搬送路に対して複数の用紙搬
   送路を合流させて用紙を搬送する機構を構成し、 前記用紙搬送路の合流部に１つの検知装置を配置して、
   用紙に対する検知を行う装置において、 前記検知装置を反射型光センサにより構成し、検知装置
   の発光部材に対応させて光拡散部材を配置し、 前記検知装置の発光部材から出力される光を光拡散部材
   により拡散させる状態で用紙に照射し、受光部材により
   検知する手段を構成することを特徴とする画像形成装置
   の用紙検知装置。
2. 【請求項２】 前記光拡散部材を検知装置のフレームに
   対して、発光部材に対応する位置に一体に設けたことを
   特徴とする請求項１に記載の画像形成装置の用紙検知装
   置。
3. 【請求項３】 前記光拡散部材をスリガラス板により構
   成し、ガラス板の平面側を発光部材に対応させて位置決
   めすることを特徴とする請求項２に記載の画像形成装置
   の用紙検知装置。