JP3872631B2 - 原稿読み取り開始タイミングの検知機能を兼ね備えた原稿検知センサ - Google Patents

原稿読み取り開始タイミングの検知機能を兼ね備えた原稿検知センサ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリなどの電子写真装置に取り付けられている自動原稿送り装置に設けられる原稿検知センサに関するものであり、より詳細には、原稿読み取りの開始タイミングの検知機能を兼ね備えた原稿検知センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やファクシミリなどの電子写真装置においては、原稿を画像露光領域に搬送し、この領域で原稿に光照射による画像露光(原稿の読み込み)を行い、この情報を基に画像形成が行われる。最近の電子写真装置には、一般に、原稿を画像露光領域に搬送するための自動原稿送り装置が画像露光面(通常、機台上面に位置している)上に設けられている。
このような自動原稿送り装置においては、原稿を挿入するための給紙口や原稿の読み込み(画像露光)終了後の原稿を排出するための排紙口を供えていると共に、原稿の給紙口への挿入を検知する原稿検知センサが設けられている。即ち、原稿の挿入が原稿検知センサによって検知されると、装置内に設けられている給紙ローラや排紙ローラ等の搬送ローラが自動的に駆動し、給紙口から画像露光域を通って排紙口へと原稿の送りが行われるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像露光領域を通過する原稿に対しては、この領域に設けられている光学系によって光照射することにより、原稿の読み込みが行われるため、原稿検知センサによる原稿の挿入(原稿セット)を検知すると共に、原稿の搬送を検知し、上記光学系による光照射のタイミング、即ち、原稿の読み込みのタイミングを検知することが必要である。
従来の自動原稿送り装置には、上述した原稿検知センサとは別個に、原稿の読み込みのタイミングを検知するためのセンサが設けられている。従って、装置内に2個のセンサが設けられているため、装置の構造が複雑となったり、コスト高になったりするという問題があった。
【0004】
従って本発明の目的は、複写機やファクシミリなどの電子写真装置の自動原稿送り装置に設けられ、原稿読み取り開始タイミングの検知機能を兼ね備えた原稿検知センサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、自動原稿送り装置の給紙口近傍に揺動自在に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータと一体に旋回可能に保持された遮光板と、該遮光板を挟むようにして互いに対向して配置された発光素子及び受光素子とから成り、
前記遮光板には、第1の透孔と第2の透孔とが並置されており、
前記第1の透孔を介して前記発光素子から受光素子に光ビームが照射されることにより、給紙口内への原稿の挿入が検知され、
前記第2の透孔を介して前記発光素子から受光素子に光ビームが照射されることにより、画像露光の開始のタイミングが検知されることを特徴とする電子写真用原稿検知センサが提供される。
【0006】
本発明の原稿検知センサは、給紙口からの原稿の挿入に連動するアクチュエータに、該アクチュエータと一体に動作する遮光板が設けられており、この遮光板には、2つの透孔(第1の透孔及び第2の透孔)が並置されている。この遮光板は、レーザビーム等の光ビームを照射する発光素子と、この光ビームを受ける受光素子との間に挟まれるようにして配置されており、この光ビームが、これらの透孔を通過し、受光素子が光ビームを受けることにより、原稿検知及び原稿読み取りのタイミングの検知がなされるものである。
即ち、原稿がセットされ、給紙口から原稿が挿入されると、アクチュエータが旋回し、発光素子からの光ビームが第1の透孔を通過して受光素子に到達する。従って、受光素子により原稿の挿入が検知され、装置内の給紙ローラ等の搬送ローラを駆動させる電気信号が発せられ、原稿の画像露光域への搬送が行われる。
原稿の搬送が開始されると、原稿の移動に伴ってアクチュエータが更に旋回するため、光ビームは一旦遮光板で遮断された後、第2の透孔を通過して再び受光素子に到達する。従って、第2の透孔を光ビームが通過したことにより、受光素子によって原稿の搬送が検知され、搬送された原稿が画像露光域を通過するタイミングで光学系が動作し、原稿の読み取り(画像露光)が行われるのである。
このように、本発明の原稿検知センサによれば、原稿の検知と共に、原稿読み取りのタイミングの検知も行うことができる。
【0007】
【発明の実施の態様】
以下、添付図面に示す具体例に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明の原稿検知センサを備えた原稿自動送り装置の概略を示す側断面図であり、図2は、図1に示されている原稿検知センサの正面断面図であり、図3乃至図5は、本発明の原稿検知センサの動作を説明するための要部側断面図である。
【0008】
図1において、複写機やファクシミリ等の電子写真装置の機台1の上面には、コンタクトガラスなどから成る画像露光面Aが形成されており、この画像露光面の下側には光学系(図示せず)が配置されており、光学系により画像露光面A上を通る原稿に光が照射されて画像露光が行われるようになっている。
【0009】
全体として5で示す原稿自動送り装置は、機枠10と、この機枠10に取り付けられた原稿トレイ11とから成っている。
機枠10は、機台1の上面に取り付けられた基板12上に保持されており、上記の画像露光面A上に配置されている。この基板12は、例えば複写機の原稿カバーのように、開閉可能に機台1に取り付けられていてもよいし、また、機台1に固定されていてもよい。
【0010】
機枠10の一方側端部には、給紙口15が形成され、その反対側端部には、排紙口16が形成されており、給紙口15と排紙口16との間の下方側端部が、機台1に形成されている画像露光面Aに向けて開放されている。
即ち、原稿トレイ上にセットされた原稿は、給紙口15から画像露光面A上を通って排紙口16から排出されるようになっている。尚、図示されていないが、排紙口16には、必要により排紙用トレイを取り付け、排紙された原稿を排紙トレイ上に保持することができる。
【0011】
図1から明らかな通り、機枠10の外部に位置する原稿トレイ11は、給紙口15に取り付けられていると共に、機枠10内の給紙口15の近傍には、上側給紙ガイド18a及び下側給紙ガイド18bが設けられており、排紙口16の近傍には、上側給紙ガイド19a及び下側給紙ガイド19bが設けられ、更に、画像露光面A上に位置する部分には、搬送ガイド20が設けられている。
即ち、原稿トレイ11上に保持された原稿は、これらのガイドに沿って給紙口15から画像露光面A上を通って排紙口16から排出されるようになっている。尚、画像露光面A上の搬送ガイド20は、バネ21によって下方に賦勢されており、搬送された原稿が画像露光面Aに密着し、精度よく画像露光が行われるようになっている。
【0012】
機枠10内において、給紙口15の近傍には、全体として30で示す本発明の原稿検知センサが設けられており、更に、その近傍には、一対の給紙ローラ31,31が設けられ、排紙口16の近傍には一対の排紙ローラ32,32が設けられている。尚、給紙ローラ31,31及び排紙ローラ32,32の内、それぞれ一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。
かかる自動原稿送り装置5おいては、本発明の原稿検知センサ30により、原稿の検知と原稿読み込みのタイミング検知との両方が行われる。即ち、原稿トレイ11に置かれた原稿が給紙口15に差し込まれると、原稿検知センサ30によって、原稿の先端が検知され、給紙ローラ31及び排紙ローラ32が動作し、これにより原稿が搬送される一方で、原稿の搬送が原稿検知センサ30により検知され、原稿が画像露光面Aを通過するタイミングで電子写真装置内の画像露光面下側に配置されている光学系(図示せず)の光照射が行われる。また、原稿の後端が原稿検知センサ30により検知され、これにより、一定のタイミングで、給紙ローラ31及び排紙ローラ32の動作が停止し、原稿の搬送が終了する。
尚、当然のことながら、駆動ローラである給紙ローラ31と排紙ローラ32とは、同じ周速度で回転するように設定されている。
【0013】
上述した原稿検知機能と原稿読み取りタイミング機能とを兼ね備えた本発明の原稿検知センサ30の正面断面図を示す図2を図1と共に参照して、この原稿検知センサ30は、揺動可能に保持されたアクチュエータ40と、アクチュエータ40と一体に揺動する遮光板41と、光発信装置42とから成っている。
【0014】
アクチュエータ40は、フレーム45に回動可能に保持された軸46に支持されていると共に、給紙口16の近傍の原稿搬送経路上に配置されており、原稿の移動に追随して旋回し、この旋回に伴って軸46が回動するようになっている。
【0015】
アクチュエータ40の支持回転軸46は、フレーム45を貫通して原稿の搬送経路外に延びており、この搬送経路外の部分に前記遮光板41が取り付けられている。即ち、この遮光板41は、アクチュエータ40の旋回と一体に旋回し得るようになっている。
また、遮光板41には、図1から明らかな通り、第1の透孔50と第2の透孔51とが並置されて形成されている。
【0016】
光発信装置42は、レーザビーム等の光ビームを照射する発光ダイオード等の発光素子53と、発光素子53から照射された光ビームを受ける受光素子54とを備えており、発光素子53と受光素子54との間に、上記の遮光板41が配置されている。
即ち、発光素子53から受光素子54に照射される光ビームの光路上に遮光板41が配置されており、遮光板41の回転角度によって、この光ビームが第1の透孔50及び第2の透孔51を透過するようになっている。
【0017】
上述した構造を有する本発明の原稿検知センサ30は、原稿のセット及び原稿の搬送に伴って、発光素子53からの光ビームが第1の透孔50或いは第2の透孔51を透過して受光素子が受けることにより、原稿セットの検知及び原稿の搬送を検知しての原稿読み取り開始のタイミングの検知が行われるものである。
以下の図3乃至図5により、このような検知プロセスを説明する。
【0018】
原稿がセットされていない状態での原稿検知センサ30の側断面図を示す図3において、この状態ではアクチュエータ40は、自重により垂下しており、発光素子53から照射される光ビームXは、遮光板41によって遮断されており、受光素子54には到達しない。従って、給紙ローラ31等の搬送ローラは駆動せず、原稿の搬送動作が行われることはなく、また原稿読み取りのための光学系が動作することもない。
【0019】
原稿トレイ11に原稿(60で示す)がセットされ、給紙口15から原稿が挿入された時の原稿検知センサ30の側断面図を示す図4において、この状態では、原稿60の挿入に伴い、アクチュエータ40が原稿60にひきずられて旋回し、従って遮光板41も旋回することになる。
遮光板41の旋回に伴って、発光素子53から照射される光ビームXは、第1の透孔50を透過して、受光素子54に到達する。従って、受光素子54による制御スイッチはONとなり、受光素子54からの電気信号によって給紙ローラ31等の搬送ローラが動作し、原稿60の搬送が始まり、原稿60は、画像露光域Aを通って排紙口16へ搬送されるようになる。
【0020】
原稿60の搬送が開始された時の原稿検知センサ30の側断面図を示す図5において、給紙ローラ31の回転により原稿60が搬送経路内に進入すると、アクチュエータ40は、原稿60にひきずられて更に旋回する。この結果、発光素子53から照射される光ビームXは、一旦、第1の透孔50と第2の透孔51との間の遮光板41の板面で遮光された後、第2の透孔51を通って再び受光素子54に到達する。即ち、受光素子54による制御スイッチは、ON−OFF−ONの順で動作し、この動作により、原稿の搬送並びに原稿の読み込み開始のタイミングが検知され、受信素子54からの電気信号により、光学系による露光動作が開始されるのである。
【0021】
また、原稿60の後端が給紙ローラ31によって送られると、アクチュエータ40は、自重により元の垂下状態に復帰するため、遮光板41も旋回して元の状態に復帰する。即ち、発光素子53から照射される光ビームXは、再び遮光板41によって遮光され、受光素子54には到達せず、受光素子54による制御スイッチは、再び図3と同様、OFFとなり、給紙ローラ31等の搬送ローラや光学系の動作は停止した状態となる。
【0022】
【発明の効果】
このように本発明の原稿検知センサは、原稿のセットを検知し、給紙ローラ等の搬送ローラの駆動を開始させる原稿検知機能と共に、原稿の搬送を検知し、光学系による原稿読み取り(画像露光)動作を開始させる機能(原稿読み取り開始タイミング検知機能)を兼ね備えている。
従って、本発明によれば、原稿検知センサとは別個に原稿読み取り用センサを用いる必要がなく、本発明の原稿検知センサのみで、原稿の自動送り及び原稿読み取り動作を行うことが可能となり、このような原稿検知センサを備えた自動原稿送り装置は、2個のセンサを備えた装置と比較して、構造が簡単であり、且つコストの点でも有利である。
尚、添付図面に示す具体例では、本発明の原稿検知センサは、給紙口と排紙口が互いに反対側の端部に形成されている所謂ストレートパス型の自動原稿送り装置に取り付けられているが、この原稿検知センサは、給紙口と排紙口とが同じ側、例えば給紙口の下側に排紙口が形成されているようなタイプの自動原稿送り装置に取り付けることも、勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原稿検知センサを備えた原稿自動送り装置の概略を示す側断面図。
【図2】図1に示されている原稿検知センサの正面断面図。
【図3】原稿がセットされていない状態での図1の原稿検知センサの側断面図。
【図4】給紙口から原稿が挿入された時の図1の原稿検知センサの側断面図。
【図5】原稿の搬送が開始された時の図1の原稿検知センサの側断面図
【符号の説明】
1:原稿トレイ
5:原稿自動送り装置
11:原稿トレイ
15:給紙口
30:原稿検知センサ
31:給紙ローラ
32:排紙ローラ
40:アクチュエータ
41:遮光板
42:光発信装置
50:第1の透孔
51:第2の透孔
53:発光素子
54:受光素子
60:原稿
X:光ビーム

Claims (2)

  1. 自動原稿送り装置の給紙口近傍に揺動自在に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータと一体に旋回可能に保持された遮光板と、該遮光板を挟むようにして互いに対向して配置された発光素子及び受光素子とから成り、
    前記遮光板には、第1の透孔と第2の透孔とが並置されており、
    前記第1の透孔を介して前記発光素子から受光素子に光ビームが照射されることにより、給紙口内への原稿の挿入が検知され、
    前記第2の透孔を介して前記発光素子から受光素子に光ビームが照射されることにより、画像露光の開始のタイミングが検知されることを特徴とする電子写真用原稿検知センサ。
  2. 第1の透孔を介しての光ビームの照射による原稿の挿入検知によって、原稿の画像露光域上への搬送が開始されるように、前記受光素子から電気信号が発信される請求項1に記載の電子写真用原稿検知センサ。
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