JPH07233540A

JPH07233540A - 掘削土積込装置

Info

Publication number: JPH07233540A
Application number: JP2788394A
Authority: JP
Inventors: Masao Hirayama; 昌男平山; Ryuichi Toda; 隆一戸田
Original assignee: Kandenko Co Ltd; Sakai Heavy Industries Ltd
Current assignee: Kandenko Co Ltd; Sakai Heavy Industries Ltd
Priority date: 1994-02-25
Filing date: 1994-02-25
Publication date: 1995-09-05

Abstract

(57)【要約】【目的】運送用トラックにバックホー装置およびベルト
コンベア装置を架装させることにより、長距離の移動に
自走できるようにし、しかも、運転に特殊免許を必要と
せず、普通免許ないしは大型免許で作業ができる掘削土
積込装置を提供する。【構成】運送用トラック１のシャシ２上に架装台３を敷
設し、その上部の一側に、バックホー装置６を備えた掘
削機本体５の上部旋回体４を設置し、前記バックホー装
置６の側方にホッパ部９を設けると共に、ホッパ部９に
投入された土砂を前記トラック１の他側に搬出するよう
に、ホッパ部９に連繋させてベルトコンベア装置１０を
架設したことを特徴とする掘削土積込装置を構成した。
そして、この掘削土積込装置における運送用トラック
は、「普通自動車」であり、また、ホッパ部を上部旋回
体の近傍に位置させ、さらに、ベルトコンベア装置は、
搬送方向に対して左右及び／又は前後に所定の角度で揺
動可能とすると有効である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、運送用トラックにバッ
クホー装置およびベルトコンベア装置を架装した掘削土
積込装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】バックホー装置を備えた土木・建設作業
用の掘削機は、従来、そのバックホー装置が機体の上部
に搭載された旋回体に取付けられ、掘削機の機体車両の
隣り又は前後に配置した土砂運搬車に対し、バックホー
装置を旋回させながら、掘削・排土サイクルで作業を行
っている。しかし、このように掘削後バックホー装置を
旋回させて土砂を運搬車に積込む形態では、その旋回の
サイクルタイムが長くなって能率が悪く、また、道路上
で運搬車を機体車両に並列配置する場合はもちろん、前
後に配置する場合も旋回時にバケット部が隣りの走行車
線をよぎるため、隣り走行車線の車両の通行の障害とな
ることがしばしば発生する。また、狭い道路や住宅密集
地等の狭隘地作業では、バックホー装置の旋回が不可能
となるといった欠点がある。

【０００３】そこで、これらの欠点を解消するものとし
て、機体車両の前方又は後方に運搬車を配置し、機体車
両の前後一端のバックホー装置からその反対側の他端の
運搬車へ向けてベルトコンベア装置を架装し、ベルトコ
ンベア装置の一端においてバケットから土砂を投下する
だけで、以後ベルトコンベア装置により土砂を運搬車に
積込めるようにしたコンベア付掘削機が開発されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知のこの種の掘削機は、基本となる車両としてパワーシ
ョベルやフロントエンドローダを利用し、これにベルト
コンベア装置を付属させる形態となっているものが多
く、長距離の移動には原則として搬送用車両に掘削機本
体を積載して輸送する手段をとらざるを得ない。また、
同様の理由により、掘削機の運転席は、ベルトコンベア
装置の先端部に位置するホッパ部からかなり離れた後方
にあり、機体直近の下方やホッパ部の陰になる箇所等は
死角となり、視野が妨げられる欠点があった。さらに、
土砂を運ぶベルトコンベア装置は、掘削機の機体に固定
されているため、運搬車の位置が規制され、作業効率が
悪かった。

【０００５】一方、路上走行し得る掘削機の機体は、道
路運送車両法に定める大型又は小型の特殊自動車とな
り、自ずから走行速度にも限度があると共に、その運転
は、特殊免許を所持する作業者に限られるため、土木・
建設業における労働力不足、高齢化等が進むなかで、問
題となっているところである。

【０００６】本発明は、上記した従来のコンベア付掘削
機が有する改善すべき点を見直し、運送用トラックにバ
ックホー装置およびベルトコンベア装置を架装させるこ
とにより、長距離の移動に自走できるようにし、しか
も、運転には特殊免許を必要とせず、普通免許ないしは
大型免許で運転可能で且つ作業ができる掘削土積込装置
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、運送用トラックのシャシ上に架装台を
敷設し、その上部の一側に、バックホー装置を備えた掘
削機本体の上部旋回体を設置し、前記バックホー装置の
側方にホッパ部を設けると共に、ホッパ部に投入された
土砂を前記トラックの他側に搬出するように、ホッパ部
に連繋させてベルトコンベア装置を架設したことを特徴
とする掘削土積込装置を構成した。そして、この掘削土
積込装置における運送用トラックは、「普通自動車」で
あり、また、ホッパ部を上部旋回体の近傍に位置させ、
さらに、ベルトコンベア装置は、上部旋回体の旋回部の
下方の空間部に長手方向に架装すると共に、搬送方向に
対して左右及び／又は前後に所定の角度で揺動可能とす
る構成とした。

【０００８】

【作用】バックホー装置のバケットで掘削された土砂
は、ホッパ部に投入され、ベルトコンベア装置により一
側から他側に搬送されて、土砂運搬車に積込まれると共
に普通自動車並に長距離移動ができる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。図１は、本発明に係る掘削土積込装置の一例を示
す側面図であり、図２は、同じく平面図である。図１及
び図２において、符号１は運送用トラックで、具体的に
は、道路車両運送法施行規則で定める「普通自動車」つ
まり小型自動車，軽自動車，大型特殊自動車および小型
特殊自動車以外の自動車を指し、道路交通法施行規則に
定める大型自動車，普通自動車を含むものである。

【００１０】この運送用トラック１には、前側に、自走
する場合の運転席１ａが設けられており、また、シャシ
２上に架装台３を敷設してある。運送用トラック１の後
側におけるシャシ２の上部には、掘削機本体５の上部旋
回体４が設置される。上部旋回体４は、エンジン４ａを
内蔵し、旋回用油圧モータ４ｂを回転させることにより
360゜旋回可能となっている。掘削機本体５は、この上
部旋回体４と、先端にバケット７を有するバックホー装
置６と、上部旋回体４上に設けられバックホー装置６に
より掘削排土作業を行う運転席５ａとから構成される。

【００１１】バックホー装置６は、上部旋回体４にリヤ
ブーム６ａの基部が枢支され、そのリヤブーム６ａの先
にセンターブーム６ｂの一端が枢支され、さらにセンタ
ーブーム６ｂの他端にフロントブーム６ｃが枢支され
る。そして、フロントブーム６ｃにアーム８を装着し、
アーム８の先端にバケット７を枢支してある。バックホ
ー装置６自体の構成は、従来公知のもので、リヤ、セン
ター、フロントの各ブーム６ａ，６ｂ，６ｃは、油圧機
器により、全体として起伏自在で、かつ、リヤブーム６
ａに対するセンターブーム６ｂの左右方向の屈折回動お
よびセンターブーム６ｂに対するフロントブーム６ｃの
左右方向の屈折回動とによって二段に屈折し、これによ
って図２の実線と仮想線で示すように、アーム８および
バケット７を掘削機本体５と平行にオフセットできるよ
うになっている。なお、このようなオフセットタイプの
ほかに公知の作業機を架装台に対し左右に往復動でき
る、いわゆるスライド式を採用してもよい。

【００１２】バックホー装置６は、本発明の目的に照ら
し、近時注目されている極めて狭い幅で全旋回ができる
超小旋回性のミニ油圧ショベルが有効であり、また、オ
フセット量も車幅外まで掘削できるように大きくするこ
とにより、作業者は正面を向いたままで側溝掘りや壁ぎ
わの掘削を通常の作業感覚で行うことができ、最適であ
る。

【００１３】前記運送用トラック１の後側であって、バ
ックホー装置６の側方には、ホッパ部９が設けられ、バ
ックホー装置６により掘削された土砂がこのホッパ部９
に投入される。ホッパ部９の取付け位置は、上部旋回体
４の近傍、つまりトラック１の後端部寄りとし、掘削作
業時に作業者の視界を妨げることがないようにしてい
る。

【００１４】なお、バックホー装置６のバケット７は、
標準タイプのものを示したが、図４に示すアーム８の先
端に第１バケット７ａ及び第２バケット７ｂを枢支した
開閉式バケットを使用すると、ホッパ部９への土砂投入
を容易にすることができる。即ち、第１バケット７ａに
は、その後端部に第１バケット用シリンダ２７を取付
け、第２バケット７ｂの後端部には、第２バケット用シ
リンダ２８を取付けてある。掘削時には、第２バケット
用シリンダ２８のロッドを伸張させて第１バケット７ａ
と第２バケット７ｂとを一体とし、第１バケット用シリ
ンダ２７を作動させて作業を行う。そして、ホッパ投入
時には、第１バケット７ａは作動させず、第２バケット
用シリンダ２８のロッドを縮退させて、図示のように第
２バケット７ｂを下方に開放させ、当該第２バケット７
ｂ内の土砂をホッパ部９（図１）内に投入させる。

【００１５】ホッパ部９には、これに連繋させてベルト
コンベア装置１０を運送用トラック１の後側から前側に
向けて架設している。ベルトコンベア装置１０は、一段
であっても多段であってもよいが、本実施例では、トラ
ック１の前端部よりも前方に延出できる延長ベルトコン
ベア装置１０ａを設け、ベルトコンベア装置１０の中央
部寄りと延長ベルトコンベア装置１０ａの前側とに取付
けたベルトコンベア用油圧モータ１１，１１′により、
ホッパ部９に投入された土砂をトラック１の前方に排出
するように構成している。延長ベルトコンベア装置１０
ａから排出された土砂は、運送用トラック１の前方に待
機している土砂運搬車２０の荷台に積み込まれる。

【００１６】さらに、本発明では、既製の運送用トラッ
クのシャシ及び既製の掘削積込機の上部旋回体を流用し
て構成するため、特にベルトコンベア装置１０の配設に
おいて、上部旋回体４の旋回部の下方に空間を確保し、
この空間部４ｃに長手方向にベルトコンベア装置１０を
架装した。これにより、作業者の作業時の視界性の向上
と構成のコンパクト化の向上を図っている。

【００１７】ベルトコンベア装置１０は、このベルトコ
ンベア装置１０と運送用トラック１との間に、左右の方
向及び上下の方向に介装したシリンダ装置１２及び１３
により、枢軸１５及び１６を支点として、ベルトコンベ
ア装置１０の搬送方向に対して左右に及び／又は上下
に、所定の角度で揺動可能である。運送用トラック１の
自走のための運転席１ａは、ベルトコンベア装置１０の
揺動運動と干渉することのないように、片側の席（いわ
ゆる助手席）側をＬ型に切除した構造となっている。ま
た、延長ベルトコンベア装置１０ａは、ベルトコンベア
装置１０に対して枢軸１７を支点として回動可能とさ
れ、トラック１の自走時は、両者間に介装したシリンダ
装置１４をロッドを伸張して、図１の実線に位置から仮
想線に示す位置に折り畳んで走行するものである。

【００１８】運送用トラック１の前側及び後端部には、
それぞれ１対のアウトリガー１８，１９が接地可能に取
付けられ、アウトリガー１８，１９を接地することで、
バックホー装置６の作業時に安定性を確保するととも
に、作業時の荷重を車体にかけないようにしている。

【００１９】図３は、本実施例の油圧駆動回路系統図で
ある。エンジン４ａの動力は、動力分配機３０におい
て、それぞれ分担が異なる３系統の油圧ポンプ３０ａ，
３０ｂ，３０ｃに分配される。第１の油圧ポンプ３０ａ
は、制御バルブ２０ａを介してベルトコンベア装置１０
のコンベア駆動用の油圧モータ１１，１１′を作動させ
る。

【００２０】第２の油圧ポンプ３０ｂは、さらに３系統
に分配され、第１の系統は、制御バルブ２０ｂを介して
ベルトコンベア装置１０を左右に揺動させるシリンダ装
置１２、同じく上下に揺動させるシリンダ装置１３及び
延長ベルトコンベア装置１０ａの折畳み用のシリンダ装
置１４を作動させる。第２の系統は、制御バルブ２０ｃ
を介して前部側及び後部側のアウトリガー１８，１９
（図１）を伸縮させるシリンダ装置２１，２２を作動さ
せる。第３の系統は、制御バルブ２０ｄを介して旋回用
油圧モータ４ｂを回転させ、上部旋回体４（図１）を旋
回させる。

【００２１】第３の油圧ポンプ３０ｃは、制御バルブ２
０ｅを介して図１に示すバックホー装置６のリヤ、セン
ター、フロントの各ブーム６ａ，６ｂ，６ｃを駆動する
シリンダ装置２３、アーム８を駆動するシリンダ装置２
４及びバケット７を操作するシリンダ装置２５を、それ
ぞれ作動させる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明した本発明に係る掘削土積込装
置によれば、下記するような効果がある。運送用トラッ
ク、中でも道路運送車両法に定める「普通自動車」に、
バックホー装置とベルトコンベア装置を架装したので、
長距離の移動に自走ができ、他の搬送用車両に積載して
輸送する必要がない。特に、運送用トラックが、車両総
重量 8,000KG未満で、かつ、最大積載量 5,000KG未満と
の制限内であれば、車両の長さ，幅，高さに関係なく、
道路交通法施行規則に定める「普通自動車」と認定され
ることから、本発明の掘削土積込装置は、道路交通法上
の普通自動車の免許のみで運転ができ且つ作業ができる
特長がある。また、たとえ最大積載量 5,000KG以上とな
った場合でも、土木・建設作業者にあっては少なからず
運転免許を取得している大型自動車の免許で運転がで
き、いずれにしても、大型又は小型の特殊自動車の運転
免許がなくても運転でき且つ作業ができる利点がある。

【００２３】また、従来、掘削機の運転席は、ベルトコ
ンベア装置の先端部に位置するホッパ部からかなり離れ
た後方にあり、機体直近の下方やホッパ部の陰になる箇
所等は死角となり、視野が妨げられる欠点があったが、
本発明では、ホッパ部を上部旋回体の近傍に位置させた
ので、このような欠点は解消された。さらに、本発明の
掘削土積込装置におけるベルトコンベア装置は、搬送方
向に対して左右に及び／又は上下に所定の角度で揺動可
能としているので、従来のように土砂運搬車の位置が規
制されることなく、自由にスイングでき、作業効率が良
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る掘削土積込装置の一例を示す側面
図である。

【図２】本発明に係る掘削土積込装置の一例を示す平面
図である。

【図３】本発明に係る掘削土積込装置における油圧駆動
回路系統図の一例を示す。

【図４】バックホー装置のバケットの他の実施態様を示
す側面図である。

【符号の説明】

１ …運送用トラック１ａ…運転席２ …シャシ３ …架装台４ …上部旋回体４ａ…エンジン５ …掘削機本体６ …バックホー装置６ａ…リヤブーム６ｂ…センターブーム６ｃ…フロントブーム７ …バケット８ …アーム９ …ホッパ部１０ …ベルトコンベア装置１０ａ…延長ベルトコンベア装置１１，１１′ …油圧モータ１２，１３，１４ …シリンダ装置１５，１６，１７ …枢軸１８，１９ …アウトリガー２０ …土砂運搬車２０ａ〜２０ｅ …制御バルブ３０ …動力分配機３０ａ…第１の油圧ポンプ３０ｂ…第２の油圧ポンプ３０ｃ…第３の油圧ポンプ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】運送用トラックのシャシ上に架装台を敷
設し、その上部の一側に、バックホー装置を備えた掘削
機本体の上部旋回体を設置し、前記バックホー装置の側
方にホッパ部を設けると共に、ホッパ部に投入された土
砂を前記トラックの他側に搬出するように、ホッパ部に
連繋させてベルトコンベア装置を架設したことを特徴と
する掘削土積込装置。
【請求項２】前記運送用トラックは、「普通自動車」
である請求項１に記載の掘削土積込装置。
【請求項３】ホッパ部を作業者の視野内の上部旋回体
の近傍に位置させた請求項１又は２に記載の掘削土積込
装置。
【請求項４】上部旋回体の旋回部の下方の空間部に、
ベルトコンベア装置を長手方向に架装した請求項１又は
２に記載の掘削土積込装置。
【請求項５】ベルトコンベア装置は、搬送方向に対し
て左右に及び／又は上下に所定の角度で揺動可能とした
請求項１〜４のいずれかに記載の掘削土積込装置。