JPH0723339B2 - 新規なジシクロヘキシル―3,4,3′,4′―テトラカルボン酸二無水物及びその製造法 - Google Patents

新規なジシクロヘキシル―3,4,3′,4′―テトラカルボン酸二無水物及びその製造法

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JPH0723339B2
JPH0723339B2 JP25404987A JP25404987A JPH0723339B2 JP H0723339 B2 JPH0723339 B2 JP H0723339B2 JP 25404987 A JP25404987 A JP 25404987A JP 25404987 A JP25404987 A JP 25404987A JP H0723339 B2 JPH0723339 B2 JP H0723339B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリイミド樹脂の原料として有用な脂環式テ
トラカルボン酸である新規なジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸二無水物及びその製造法に
関する。
(従来の技術) 従来、芳香族テトラカルボン酸を水素化反応させ、対応
する脂環式テトラカルボン酸を得る方法に関する報告は
非常に少なく、以下に示すピロメリット酸又はそのエス
テルに関するものだけである。
すなわち、ジャーナル オブ オーガニツク ケミスト
リー(J.Org.Chem.)・第28巻 1770頁(1963年)にはピ
ロメリツト酸又はピロメリツト酸テトラエチルエステル
をラネーニツケル触媒下に水素圧力3,000PSi(210kg/cm
2)、温度150℃、反応時間3日間で水素化し、対応する
シクロヘキサンテトラカルボン酸又はシクロヘキサンテ
トラカルボン酸テトラエチルエステルとする方法が示さ
れる。
他方、ジャーナル オブ オーガニツク ケミストリー
(J.Org.Chem.)・第31巻 3438頁(1966年)には、ピロ
メリツト酸水溶液をロジウム触媒存在下に水素圧力2.7
気圧、温度60℃、反応時間1時間で水素化し、対応する
脂環式テトラカルボン酸であるシクロヘキサンテトラカ
ルボン酸を得る方法が示される。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、ジャーナル オブ オーガニツク ケミ
ストリー 第31巻 3438頁(1966年)で述べられている
方法でシクロヘキサンテトラカルボン酸を合成し、これ
を無水酢酸を用いて脱水閉環させ、シクロヘキサンテト
ラカルボン酸二無水物を得た。この酸無水物と4,4′−
ジアミノジフェニルエーテルとを用いてN−メチルピロ
リドン溶媒下にポリアミド酸とし、次いでガラス板に流
延させ250℃1時間の加熱処理を行ってポリイミド化さ
せた。しかしながら、こうして得たポリイミドは非常に
もろく、塗膜はリン片状にぼろぼろに割れ、フイルムを
形成できなかった。
また、製造法に関して、本発明のジシクロヘキシル−3,
3′,4,4′−テトラカルボン酸を合成するに当り、ジャ
ーナル オブ オーガニツク ケミストリー 第31巻 3
438頁(1966年)で述べられている方法を検討した。す
なわち、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸
の水溶液をロジウム触媒存在下に水素反応を試みた。し
かしながら、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸は水に不溶であり、不均一系反応となるため水素圧
力を50kg/cm2とし、温度を150℃まで上げ反応条件を過
酷にしたが、水素の消費は見られず、反応は進行しなか
った。また、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸を水酸化カリウム溶液に溶解させ、ロジウム触媒を
用いて水素化反応を試みたが、反応は進行しなかつた。
さらに、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボ酸二
無水物を無水酢酸に溶解させて同様の水素化反応を試み
たがこれも反応は進行しなかった。
本発明は、芳香族テトラカルボン酸を水素化反応させて
得られる脂環式テトラカルボン酸において、耐熱性が高
く、透明性に優れるポリイミドを与えることができる新
規なジシクロヘキシル−3,3′,4,4′−テトラカルボン
酸二無水物及びこの製造法を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段) 第1の発明はジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
カルボン酸二無水物に関する。ジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸二無水物は次式〔I〕で表
わされる化合物である。
第2の発明は、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカル
ボン酸テトラメチルエステルをロジウム触媒を用いて水
素化反応させ、ついで後加水分解してジシクロヘキシル
−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸とし、ジシクロヘキ
シル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸を脱水閉環する
ことを特徴とするジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テ
トラカルボン酸二無水物の製造法に関する。
以下に、本発明について詳しく説明する。
ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラメ
チルエステルは融点が102〜103℃の白色結晶であるた
め、水素化反応を行わせるためには、溶媒に溶解させて
行わせる。用いる溶媒は、ビフェニル−3,4,3′,4′−
テトラカルボン酸テトラメチルエステルを溶解させ、水
素化反応時に副反応を生じない溶媒であればよく、その
ような溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチ
ルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、ノ
ルマルヘキサン、シクロヘキサンなどのパラフィン類等
の溶媒が挙げられる。
用いる溶媒の量は特に限定されるものではなく、ビフェ
ニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラメチルエ
ステルが反応条件で溶解し得る量で用いることができ
る。
次いで、水素化反応の触媒としては、金属ロジウム粉末
あるいは活性炭、アルミナ、ケイソウ土、シリカ等の担
体に担持させたロジウム触媒が挙げられる。触媒量は通
常ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラ
メチルエステルに対して、2〜50重量%用いるが、担体
に担持させたロジウム量によって変化する。
反応時の水素圧力は2〜100kg/cm2であり、好ましくは2
0〜50kg/cm2である。水素圧力が低い場合、反応時間が
長くなる傾向がある。一方、水素圧力が高い場合は、反
応が急激に進み反応温度の制御が行いにくくなる傾向が
ある。
反応温度は室温〜150℃であり、好ましくは50〜120℃で
ある。反応温度が低い場合は反応時間が長くなる傾向と
なる。一方、反応温度が150℃を越えると、エステルの
カルボニルが攻撃を受け、副生成物が出来やすくなる傾
向となる。
このような反応条件の場合、反応時間は30分〜20時間程
度で反応が完結する。反応の進行状態及び終了に関して
は、圧力計から消費水素量を求めることで判断すること
ができる。
反応が終了したならば、反応混合物から濾過操作で触媒
を除き、さらにエバポレーションで溶媒を除去してジシ
クロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラ
メチルエステルを得ることができる。
得られたジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカル
ボン酸テトラメチルエステルを加水分解してジシクロヘ
キシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸とするには、
常法に従って酸加水分解あるいはアルカリ加水分解その
後の酸析の操作によって行うことができる。
酸加水分解の場合、硫酸、塩酸等の鉱酸を触媒にして行
うが、ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステルは水に不溶のため、あらかじ
め酢酸に溶解させ、これに鉱酸触媒の入った水溶液を加
えて、加熱リフラックスさせ加水分解を行う。加水分解
後のジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン
酸は水に難溶のため、白色微粉末状結晶として析出する
ので濾過操作によってこれを得ることができる。
また、アルカリ加水分解では、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリを触媒にするが、この時ジシク
ロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラメ
チルエステルをメタノールに溶解させておき、これにア
ルカリ触媒の入った水溶液を加えて加熱リフラックスさ
せ加水分解を行う。
反応終了後は、ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テト
ラカルボン酸はアルカリ塩となって水溶液中に溶解して
いるので、これに塩酸、硫酸等の鉱酸を加えて酸析を行
い、白色微粉末状の結晶として得ることができる。
ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸を
脱水閉環させ二無水物とするには常法に従って減圧下加
熱する方法あるいは無水酢酸に加熱溶解させ再結晶させ
る方法がある。
減圧下加熱する方法では、30〜100mmHgの減圧下で180〜
220℃の加熱条件下に1〜5時間保つことで二無水物を
得ることができる。
無水酢酸による方法では、ジシクロヘキシル−3,4,3′,
4′−テトラカルボン酸1gに対して12gの無水酢酸を加
え、リフラックス1時間行い、熱濾過、放冷し結晶のジ
シクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無
水物を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1 (1)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステルの製造 電磁石による上下攪拌装置の付いた容量500mlオートク
レーブ(坂下化学機器(株)製 SE−50型 電磁上下攪
拌式オートクレーブ)にビフェニル−3,4,3′,4′−テ
トラカルボン酸テトラメチルエステル38.6g(0.100モ
ル)、テトラヒドロフラン193g及び活性炭に5重量%ロ
ジウムを担持させた触媒(日本エンゲルハルド社製)3.
86gを仕込み、水素圧力30kg/cm2、反応温度100℃で水素
化反応を行った。反応時間3.5時間で水素の消費が停止
し、その時の蓄圧器内の水素圧力の減少量から求めた消
費水素量は理論消費水素量(0.60モル)の98.7%であっ
た。
反応液中の活性炭担持ロジウム触媒を濾過操作により除
去したのち、エバポレーションで溶媒テトラヒドロフラ
ンを除去し、白色ワックス状のジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸テトラメチルエステルを36.
87g(0.0925モル)得た。1H−NMR(日立製作所(株)製
日立R−250型核磁気共鳴スペクトロメーター)によ
る分析の結果、ベンゼ核水素及び炭素−炭素二重結合に
付いている水素は見出されず、水素化反応は完結してい
ることがわかった。
(2)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸の製造 冷却管を取付けた1リットル ナス形フラスコにジシク
ロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラメ
チルエステル29.9g(0.075モル)を入れ、これにメタノ
ール200gを加え均一溶液としたのち、10%水酸化ナトリ
ウム溶液200gを加え、100℃の油浴に入れ、リフラック
スを6時間行った。この後、エバポレーションによりメ
タノールを留去し、反応液量が140gになるまで濃縮し、
これに36%塩酸48mlを加え、pH1とした。pH4〜5で液は
白濁し、pH1では白色の微細な粉末が沈殿した。沈殿物
を濾過で取出し、このあと水洗、乾燥し17.8gの白色微
粉末状結晶のジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
カルボン酸を得た(0.052モル)。
この結晶の赤外吸収スペクトル(日立製作所(株)製
日立260−30型赤外分光光度計を用いKBr法で測定)を第
1図に示し、その1H−NMRスペクトルを第2図に示す。
第2図において2.50ppmの吸収は溶媒d6−ジメチルスル
ホキシドにもとづく吸収であり、3.35ppmの吸収は溶媒
に含まれている水による吸収である。これら2つを除い
た吸収において、11.95ppmのカルボキシル基プロトンに
もとづく吸収と、0.87〜3.00ppmのシクロヘキサン環プ
ロトンに基づく吸収の積分強度比は、前者:後者が29:1
32(=4:18.2)であり、理論値に一致した。
また、この結晶の融点は219〜222℃であり、元素分析の
結果、炭素56.24%、水素6.53%であり、この化合物の
計算値炭素56.13%、水素6.48%に一致した。
(3)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸二無水物の製造 冷却管を取付けた300mlナス形フラスコにジシクロヘキ
シル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸15.0g(0.044モ
ル)と無水酢酸180gとを仕込み、150℃の油浴に入れ、
1時間リフラックスさせた。
この後、熱時濾過を行い、濾液を放冷させたところ、白
色結晶が析出した。この結晶を濾過操作で取出し、圧力
30mmHg、温度100℃で2時間乾燥した後の結晶量は10.8g
(0.035モル)であった。
結晶の融点は231〜234℃であり、元素分析の結晶炭素6
2.59%、水素6.01%であり、理論値(式〔I〕の化合
物)の炭素62.74%、水素5.92%とよく一致した。
この結晶の赤外吸収スペクトルを第3図に示す。1 H−NMRスペクトルを第4図に示す。第4図において、1
0〜13ppmの低磁場におけるカルボン酸プロトンの吸収は
なく、無水物になっていることがわかる。
比較例1 実施例1で用いた500mlオートクレーブに、イオン交換
水250ml、ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸
20.0g及び実施例1で用いたロジウム触媒4.0gを仕込
み、水素圧力50kg/cm2、反応温度150℃とし5時間攪拌
を続けたが水素の消費は認められず、反応は進行しなか
った。
比較例2 ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水物3
0.0g(0.102モル)をイオン交換水350gと85%水酸化カ
リウム25.6g(0.387モル)との水溶液に加えリフラック
スさせ、均一溶液とした。このときの水溶液のpHは7.6
であった。
上記で得たビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン
酸カリウム塩の水溶液250g(ビフェニル−3,4,3′,4′
−テトラカルボン酸二無水物として18.5g)と実施例1
で用いたロジウム触媒1.85gを500mlオートクレーブに仕
込み、水素圧力35kg/cm2、反応温度130℃とし、5時間
攪拌を続けたが、水素の消費は認められず、反応は進行
しなかった。
比較例3 ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水物1
0.0gを250gの無水酢酸に加え、1時間加熱リフラックス
させたのち室温に放冷した。析出したビフェニル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸二無水物を濾過で除き、濾
液を全量実施例1で用いた500mlオートクレーブに仕込
んだ。析出したビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカル
ボン酸二無水物の量は乾燥後6.47gであり、オートクレ
ーブに仕込んだ量は3.53gとなった。オートクレーブ
に、実施例1で用いたロジウム触媒1.76gを仕込み、水
素圧力31kg/cm2、反応温度102℃で5時間攪拌を続けた
が、水素の消費は認められず、反応は進行しなかった。
応用例1 温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた200mlの
三つ口フラスコ4,4′−ジアミノジフェニルエーテル12.
014g(60ミリモル)及び反応溶媒としてN−メチル−2
−ピロリドン70.92gを入れ室温で攪拌溶解させた。
これに実施例1で合成したジシクロヘキシル−3,4,3′,
4′−テトラカルボン酸二無水物18.379g(60ミリモル)
を加え、室温で8時間攪拌を続けた。この間反応時間の
経過とともにポリアミド酸反応液の粘度は上昇してゆ
き、8時間攪拌を行った時の粘度は25℃で86ポアズに達
した。ついで、この反応液を80℃で約5時間加熱(クッ
キング)し粘度を15ポアズに調整した後、ガラス板上に
塗布して乾燥後、250℃で1時間熱処理してガラス板か
ら剥離したところ35μm厚さの透明性良好なポリイミド
のフィルムが得られた。次にこのフィルムを以下に示す
試験方法により評価した。結果を表1に示す。
試験方法 (1)熱分解温度 上記フィルム10mgを用い、熱点秤(デュポン社製910型D
SC)で空気気流中昇温速度5℃/minで測定し、5%重量
減少した温度を熱分解温度とした。
(2)透過率 分光光度計(日立製作所(株)製 日立200−20型ダブ
ルビーム分光光度計)を用いて、波長700nm、600nm及び
500nmにおける可視光透過率を測定した。
応用例2 4,4′−ジ(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン19.463g(45ミリモル)、ジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸二無水物13.784g(45ミリモ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン77.58gを用いて応用
例1と同様にしてポリアミド酸溶液およびポリイミドの
フイルムを作製し、応用例1と同様の評価を行った結果
を表1に併せて示す。
比較応用例1 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル8.010g(40ミリモ
ル)、ピロメリット酸二無水物8.725g(40ミリモル)、
N−メチル−2−ピロリドン94.83gを用いて応用例1と
同様にしてポリアミド酸溶液を得、350℃1時間熱処理
してポリイミドのフイルムを作製し、応用例1と同様の
評価を行った結果を表1に併せて示す。
比較応用例2 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル15.018g(75ミリモ
ル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物14.86
0g(75ミリモル)及びN−メチル−2−ピロリドン69.7
2gを用い応用例1と同様にしてポリアミド酸溶液及びポ
リイミドのフイルムを作成し、応用例1と同様の評価を
行った結果を表1に併せて示す。
比較応用例3 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Or
g.Chem.)・第31巻 3438頁(1966年)で述べられている
方法で、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸を
合成し、これを無水酢酸を用いて脱水閉環させ、1,2,4,
5−シクロヘキサンカルボン酸二無水物を得た。この酸
無水物15.692g(70ミリモル)と4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル14.017g(70ミリモル)及びN−メチル−
2−ピロリドン69.321gを用い、応用例1と同様にして
ポリアミド酸の溶液を作成した。次に、応用例1と同様
にしてポリアミド酸溶液をガラス板に塗布し、乾燥後25
0℃1時間の熱処理を行ったところ、塗膜はリン片状に
ぼろぼろに割れ、フイルムを形成出来なかった。
(発明の効果) 第1の発明に係る又は第2の発明によって得られるジシ
クロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水
物は、ポリイミド樹脂の原料として有用な新規化合物で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得たジシクロヘキシル−3,4,3′,
4′−テトラカルボン酸の赤外吸収スペクトル、第2図
は、実施例1で得たジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−
テトラカルボン酸の1H−NMRスペクトル、第3図は、実
施例1で得たジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
カルボン酸二無水物の赤外吸収スペクトル及び第4図
は、実施例1で得たジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−
テトラカルボン酸二無水物の1H−NMRスペクトルであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
    カルボン酸二無水物。
  2. 【請求項2】ビフェニル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
    ン酸テトラメチルエステルをロジウム触媒を用いて水素
    化反応させ、ついで加水分解してジシクロヘキシル−3,
    4,3′,4′−テトラカルボン酸とし、ジシクロヘキシル
    −3,4,3′,4′−テトラカルボン酸を脱水閉環すること
    を特徴とするジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
    カルボン酸二無水物の製造法。
JP25404987A 1987-10-08 1987-10-08 新規なジシクロヘキシル―3,4,3′,4′―テトラカルボン酸二無水物及びその製造法 Expired - Fee Related JPH0723339B2 (ja)

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