JPH08325196A - 脂環式ポリカルボン酸及びその酸無水物の製造方法 - Google Patents
脂環式ポリカルボン酸及びその酸無水物の製造方法Info
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- JPH08325196A JPH08325196A JP15847195A JP15847195A JPH08325196A JP H08325196 A JPH08325196 A JP H08325196A JP 15847195 A JP15847195 A JP 15847195A JP 15847195 A JP15847195 A JP 15847195A JP H08325196 A JPH08325196 A JP H08325196A
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Abstract
法を提供する。 【構成】 脂環式ポリカルボン酸エステルを溶媒中で加
水分解して脂環式ポリカルボン酸を製造するに際し、当
該溶媒として120〜350℃の沸点(760mmHg)を
有し、当該脂環式ポリカルボン酸エステルの良溶媒であ
って、且つ脂環式ポリカルボン酸に対しては貧溶媒であ
る水溶性の非プロトン性極性溶媒を用いる。
Description
及びその酸無水物(以下「脂環式ポリカルボン酸類」と
総称する。)の製造方法に関する。当該脂環式ポリカル
ボン酸類は、いずれも溶剤可溶型のポリイミドなどの原
料として有用な素材である。
ては、芳香族ポリカルボン酸エステルを水素化触媒を用
いて水素化して脂環式ポリカルボン酸エステルを得、次
いで当該脂環式ポリカルボン酸エステルを加水分解して
目的とする脂環式ポリカルボン酸を得る方法並びに当該
脂環式ポリカルボン酸を更に脱水閉環して脂環式ポリカ
ルボン酸無水物を得る方法が知られている。
4'−テトラカルボン酸テトラメチルエステルをロジウム
触媒を用いて水素化してジシクロヘキシル−3,3',4,4'
−テトラカルボン酸テトラメチルエステルを得、次いで
酸又はアルカリの存在下、酸触媒の場合には酢酸溶媒中
で、アルカリ触媒の場合にはメタノール溶媒中で夫々リ
フラックス下に加水分解することにより目的とするジシ
クロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸を得、
又、更にジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカルボ
ン酸を脱水閉環してジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸二無水物を得ている(特開平1−961
47号)。
果、上記方法において、酸を触媒とし、酢酸を溶剤とす
る加水分解法では十分な反応速度が得られないことから
実用性に欠け、又、アルカリによる鹸化分解を行うと結
晶の中にアルカリ金属イオンが混入し、取り除くのが困
難である。このように、上記方法は、工業的に脂環式ポ
リカルボン酸類の製造方法としては、尚、改善の余地が
認められる。
カルボン酸類の新規有用な製造方法を提供することを目
的とする。
を達成すべく鋭意検討の結果、ジシクロヘキシル−3,
3',4,4'−テトラカルボン酸テトラエステルを加水分解
してジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸
を調製するに際し、酸触媒下、溶媒として特定の非プロ
トン性極性溶媒を適用することにより、従来より高い反
応温度を採用することができ、その結果、アルカリ金属
イオンの混入の恐れがなく、速やかに目的物を得ること
ができることを見いだした。
極性溶媒の効果は、単にジシクロヘキシル−3,3',4,4'
−テトラカルボン酸テトラエステルの加水分解のみなら
ず、種々の脂環式ポリカルボン酸エステルの加水分解に
おいても有効であることを見いだし、かかる知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
の製造方法は、一般式(1)で表される脂環式ポリカル
ボン酸エステルを溶媒中で加水分解して一般式(2)で
表される脂環式ポリカルボン酸を製造するに際し、当該
溶媒として120〜350℃の沸点(760mmHg)を有
し、当該脂環式ポリカルボン酸エステルの良溶媒であっ
て、且つ脂環式ポリカルボン酸に対しては貧溶媒である
水溶性の非プロトン性極性溶媒を用いる(以下「加水分
解工程」という。)ことを特徴とする。
脂環式ポリカルボン酸残基を示す。R1、R2は同一又は
異なって水素原子、アルキル基を示す。]
−CH(−CH3)−又は−C(−CH3)2−を表す。
R3、R4は同一又は異なって、水素原子又はアルキル基
を示す。但し、R1、R2、R3、R4のいずれか一つ以上
はアルキル基である。]
原子、メチル基又は基COOR9を表す。R9は水素原子
又はアルキル基を示す。但し、R1、R2、R9のいずれ
か一つ以上はアルキル基である。]
脂環式ポリカルボン酸残基を示す。]
水素原子、メチル基又はカルボキシル基を表す。]
ルとして、具体的には、ジシクロヘキシル−3,3',4,4'
−テトラカルボン酸アルキルエステル、ジシクロヘキシ
ルエーテル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸アルキルエ
ステル、ジシクロヘキシルケトン−3,3',4,4'−テトラ
カルボン酸アルキルエステル、ジシクロヘキシルメタン
−3,3',4,4'−テトラカルボン酸アルキルエステル、エ
チリデン−4,4'−ビス(1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸アルキル)、プロピリデン−4,4'−ビス(1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸アルキル)、ヘキサヒドロフ
タル酸アルキルエステル、シクロヘキサン−1,2,4−ト
リカルボン酸アルキルエステル、1,2,3,4−シクロヘキ
サンテトラカルボン酸アルキルエステル、1,2,4,5−シ
クロヘキサンテトラカルボン酸アルキルエステル、シク
ロヘキサンヘキサカルボン酸アルキルエステル、3−メ
チルヘキサヒドロフタル酸アルキルエステル、4−メチ
ルヘキサヒドロフタル酸アルキルエステル、3,4,5,6−
テトラメチルヘキサヒドロフタル酸アルキルエステル、
5−メチルシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸アル
キルエステル、6−メチルシクロヘキサン−1,2,4−トリ
カルボン酸アルキルエステル、3−メチルシクロヘキサ
ン−1,2,4−トリカルボン酸アルキルエステル、3−メチ
ルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸アルキ
ルエステル、3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2,4,5−
テトラカルボン酸アルキルエステルなどが例示される。
ルは、特に以下の方法により工業的に有利な条件下で調
製することができる。即ち、一般式(3)で表される芳
香族ポリカルボン酸又はその酸無水物(以下「芳香族ポ
リカルボン酸類」と総称する。)と脂肪族アルコールと
を無触媒下、好ましくは不活性ガス雰囲気下で加熱して
芳香族ポリカルボン酸エステルを得(以下「エステル化
工程」という。)、次いで水素化触媒及び脂肪族アルコ
ールの存在下に加熱する(以下「水素化工程」とい
う。)。
芳香族カルボン酸残基を示す。]
したとおりである。]
ン酸として、具体的には、ビフェニル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸、ビフェニルエーテル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3',4,4'−テトラ
カルボン酸、ビフェニルメタン−3,3',4,4'−テトラカ
ルボン酸、エチリデン−4,4'−ビス(1,2−ベンゼンジ
カルボン酸)、プロピリデン−4,4'−ビス(1,2−ベン
ゼンジカルボン酸)、フタル酸、1,2,4−ベンゼントリ
カルボン酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、1,
2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンヘキサカ
ルボン酸、3−メチルフタル酸、4−メチルフタル酸、3,
4,5,6−テトラメチルフタル酸、5−メチルベンゼン−1,
2,4−トリカルボン酸、6−メチルベンゼン−1,2,4−ト
リカルボン酸、3−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボ
ン酸、3−メチルベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン
酸、3,6−ジメチルベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン
酸などが例示される。
ン酸無水物としては、相当するポリカルボン酸の一無水
物、二無水物又は三無水物が挙げられる。
酸無水物、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物、3−
メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,
4,5,6−テトラメチルフタル酸無水物、5−メチルベンゼ
ン−1,2,4−トリカルボン酸無水物、6−メチルベンゼン
−1,2,4−トリカルボン酸無水物、3−メチルベンゼン−
1,2,4−トリカルボン酸無水物などが例示される。
ニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、ビフェ
ニルエーテル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水
物、ベンゾフェノン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二
無水物、ビフェニルメタン−3,3',4,4'−テトラカルボ
ン酸二無水物、エチリデン−4,4'−ビス(1,2−ベンゼ
ンジカルボン酸無水物)、プロピリデン−4,4'−ビス
(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−ベン
ゼンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ベンゼンテ
トラカルボン酸二無水物、3−メチルベンゼン−1,2,4,5
−テトラカルボン酸二無水物、3,6−ジメチルベンゼン
−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物などが例示され
る。
ンヘキサカルボン酸三無水物などが例示される。
の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族アルコールが推奨
され、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、イソブタノール、アミル
アルコール、シクロヘキサノールなどが例示され、中で
もメタノール、エタノール、1−プロパノールが好まし
い。
テル化に必要な化学量論以上の量であり、且つエステル
化工程に続く水素化工程で芳香族ポリカルボン酸エステ
ルが溶解し得る量であれば特に限定されない。具体的に
は、芳香族ポリカルボン酸類に対し、1〜100倍当量
が例示され、特に2〜50倍当量が推奨される。
香族ポリカルボン酸と脂肪族アルコールとを一括して仕
込み、高温高圧下でエステル化を行う方法は、特別なエ
ステル化装置を必要とせず、エステル化反応をより効率
的に進める上で好ましい。
80℃が例示され、特に180〜230℃が推奨され
る。
り、触媒除去の必要はなく、芳香族エステルを単離する
必要がないため、同一反応器でエステル化、水素化の両
工程を行うことができるなどの利点が得られる。
ガスとしては、窒素、水素などが例示される。
示されるが、当該時間は、実用的な観点から適宜選択す
ることができる。即ち、本発明に係るエステル化工程
は、必ずしもエステル化を完了せしめる必要はなく、反
応生成物が完全エステル化物と部分エステル化物との混
合物の状態で次の水素化工程に供することが推奨され
る。より具体的には、0.5〜1時間が推奨される。
化触媒を仕込み、水素化反応を行う。
を調製するために通常使用される担体に、ルテニウム、
パラジウムなどの貴金属を担持してなる触媒が例示され
る。特に好ましいのは安価なルテニウム系触媒である。
シリカ、シリカアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ンなどが例示される。
0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%が推奨さ
れる。
化工程の形態に応じて粉末状、タブレット状など適宣選
択して使用される。
ン酸エステルの種類や用いる触媒の担持量によって適宜
選択できるものの、通常、芳香族ポリカルボン酸エステ
ルに対し、0.5〜20重量%が例示され、1〜5重量
%が推奨される。
用いた溶媒と同種の脂肪族アルコールをそのまま使用す
ることは、工程を簡略化する上で好ましい。
例示され、好ましくは20〜150kg/cm2Gである。水
素圧力が2kg/cm2G未満の場合には、反応時間が長くな
り、未反応の芳香族化合物が残りやすい傾向がある。一
方、水素圧力が200kg/cm2Gを越える場合には、反応
が急激に進み、反応温度の制御が行いにくくなる傾向に
あり、いずれも好ましくない。
が例示され、特に100〜150℃が推奨される。反応
温度が60℃未満の場合には反応時間が長くなり、未反
応の芳香族化合物が残りやすい傾向にある。一方、反応
温度が170℃を超えると、エステルのカルボニルが攻
撃を受け、副生成物が出来やすくなる傾向となる。
反応時間は0.5〜20時間程度で反応が完結する。反
応の進行状態及び終了に関しては、圧力計から消費水素
量を求めることで判断することができる。
テル化物を調製するためには長時間の反応が必要である
が、本発明の如く、エステル化工程とそれに続く水素化
工程とを共に脂肪族アルコールの存在下で行うことによ
り、上記部分エステル化物は、水素化と共に更なるエス
テル化が進行する結果、芳香族ポリカルボン酸類から脂
環式ポリカルボン酸への選択性が飛躍的に向上する。
回の水素化反応に繰り返し使用することが出来、触媒の
原単位を低減することができる。
水分解は、所定の極性溶媒と水及び触媒の酸を加え、加
熱し、必要に応じて水を滴下しながら生成する脂肪族ア
ルコールを水と共に留去しながら行う。
0℃、好ましくは150〜300℃の沸点(760mmH
g)を有し、当該脂環式ポリカルボン酸エステルの良溶
媒であって、且つ脂環式ポリカルボン酸に対しては貧溶
媒である水溶性の非プロトン性極性溶媒である。これら
は沸点が高く水と共沸しないため、加水分解時の温度を
高くすることができ、短時間で加水分解をすることが可
能となる。
点285℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189
℃)、N−メチルピロリドン(沸点197〜202
℃)、ジメチルホルムアミド(沸点153℃)よりなる
群から選ばれる1種若しくは2種以上の溶媒が例示さ
れ、中でもスルホラン、ジメチルスルホキシド及びそれ
らの混合物が推奨される。
通常、脂環式ポリカルボン酸エステルに対して20〜2
00重量%、好ましくは50〜100重量%である。
下する水の量や生成する脂肪族アルコールと共に留出す
る水の量をコントロールし、系中の水の量を調整する。
水の量が多いと加水分解温度が下がり、速度が遅くなる
傾向がある。水の量が少ないと温度が高くなりすぎ、着
色などの原因となる。
℃で、好ましくは110℃〜140℃である。
の鉱酸や、p−トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸
などの有機酸を用いることができる。
脂環式ポリカルボン酸エステルに対し、5〜200重量
%、好ましくは10〜50重量%である。触媒の使用量
が少ないと加水分解速度が遅くなる傾向がある。又、使
用量が多いと、後の水洗による触媒除去の回数が増え、
効率が悪くなる。
2〜10時間で加水分解は完結する。
ン酸は、溶媒及び水に難溶であるので、析出する脂環式
ポリカルボン酸の結晶を濾過或いは遠心分離など従来公
知の方法により単離することができる。更に、本発明に
係る極性溶媒及び触媒は水に可溶であるので、結晶を水
洗することで効率よく除去される。
下、60〜100℃に加熱して乾燥させ、脂環式ポリカ
ルボン酸を得る。
環式ポリカルボン酸を脱水閉環する(以下「閉環工程」
という。)ことにより調製される。
閉環させ、相当する酸無水物とする方法としては、減圧
下に加熱する方法或いは無水酢酸に加熱溶解させ再結晶
させる方法がある。
〜100mmHgの減圧下で180〜220℃の加熱条件下
に1〜5時間保つことで無水物を得ることができる。
ボン酸1重量部に対して、通常、5〜20重量部、好ま
しくは8〜15重量部の無水酢酸を加え、1〜6時間リ
フラックスし、次いで熱時濾過した後、放冷することに
より、目的とする酸無水物の結晶を得ることができる。
て採用することにより、目的とする脂環式ポリカルボン
酸及びその無水物を従来の方法より簡単に得ることがで
きる。
水物は、金属塩を含まない高純度品であるため、従来の
耐熱性高分子や耐熱性可塑剤の分野は言うに及ばず、電
子材料など金属の混入を嫌う分野にも使用可能である。
る。尚、各実施例において、所定の芳香族ポリカルボン
酸類に対する脂肪族アルコールの当量倍数をZで表す。
−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物20g及びメ
タノール80g(Z=9.3)を仕込み、温度200℃
で30分間エステル化を行った。次いで、この溶液に活
性炭に5重量%ルテニウムを担持させた触媒1gを添加
し、水素圧力100kg/cm2G、温度130℃で水素化を
行った。反応時間3時間で水素の吸収が停止し、その時
の水素吸収量は理論水素吸収量の98.5%であった。
反応液中の活性炭担持ルテニウム触媒を濾別し、反応物
を紫外分光光度計(UV計)で分析したところ、ベンゼ
ン核の吸収はみられず、水素化反応は完結していること
を確認した。又、ガスクロマトグラフィー(GLC)に
よる分析の結果、ジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テト
ラカルボン酸テトラメチルエステルの純度は98.1%
であった。
4'−テトラカルボン酸テトラメチルエステルを滴下管、
留出デカンタ、温度計及び攪拌装置を備えた4つ口フラ
スコに移し、加温して脱溶媒を行った。次いで、スルホ
ラン30gを加えてジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸テトラメチルエステルを溶解させ、水3
0gと硫酸7gを加え、130℃に加温し加水分解を行
った。水を10g/hの速度で滴下し、留出する水中の
メタノールの量を分析し、加水分解反応を追跡した。加
水分解が進行するに従って結晶が析出する。留出するメ
タノールは反応3時間でみられなくなり、加水分解は完
結した。次いで、濾別して得た結晶を3回水洗した後、
圧力30mmHg、温度80℃で乾燥し、ジシクロヘキシル
−3,3',4,4'−テトラカルボン酸18.2gを得た。
コに上記で得られたジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸10gと無水酢酸120gとを仕込み、
150℃の油浴に入れ、1時間還流させた。
たところ、白色結晶が析出した。この結晶を濾別し、次
いで、圧力10mgHg、温度90℃で2時間乾燥して7.
1gの結晶を得た。この結晶を原子吸光分析した結果、
Na、Feなどの金属の存在は認められなかった。
リカルボン酸無水物30g及びメタノール70g(Z=
4.7)を仕込み、温度220℃で1時間エステル化を
行った。この溶液に活性炭に5重量%ルテニウムを担持
させた触媒1gを添加し、水素圧力120kg/cm2G、温
度120℃で水素化を行った。反応時間2.5時間で水
素の吸収が停止し、その時の水素吸収量は理論水素吸収
量の99.1%であった。
別し、反応物をUV計で分析したところ、ベンゼン核の
吸収はみられず、水素化反応が完結していることを確認
した。又、GLCによる分析の結果、シクロヘキサン−
1,2,4−トリカルボン酸トリメチルエステルの純度は9
7.2%であった。
ヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸トリメチルエステル
の加水分解反応を行った。留出するメタノールは反応
2.5時間でみられなくなり、加水分解は完結した。次
いで、濾別して得た結晶を3回水洗し、圧力30mmHg、
温度80℃で乾燥を行い、シクロヘキサン−1,2,4−ト
リカルボン酸28.5gを得た。
コに上記で得られたシクロヘキサン−1,2,4−トリカル
ボン酸10gと無水酢酸100gとを仕込み、150℃
の油浴に入れ、1時間還流させた。
たところ、白色結晶が析出した。この結晶を濾別した
後、圧力10mmHg、温度90℃で2時間乾燥して8.2
gの結晶を得た。この結晶を原子吸光分析した結果、N
a、Feなどの金属の存在は認められなかった。
−1,2,4−トリカルボン酸無水物30g及びメタノール
70g(Z=4.7)を仕込み、温度220℃で1時間
エステル化を行った。この溶液に活性炭に5重量%のパ
ラジウムを担持させた触媒1gを添加し、水素圧力12
0kg/cm2G、温度120℃で水素化を行った。反応時間
4時間で水素の吸収が停止し、このときの水素吸収量は
理論水素吸収量の97.2%であった。反応液中の活性
炭担持パラジウム触媒を濾別し、反応物をUV計で分析
したところ、ベンゼン核の吸収はみられず、水素化反応
は完結していることを確認した。又、GLCによる分析
の結果、3−メチルシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボ
ン酸トリメチルエステルの純度は86.4%であった。
ホキシドを用いた以外は実施例1と同様にして3−メチ
ルシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸トリメチル
エステルの加水分解反応を行った。留出するメタノール
は反応5時間でみられなくなり、加水分解は完結した。
次いで、濾別して得た結晶を3回水洗し、圧力30mmH
g、温度80℃で乾燥を行い、3−メチルシクロヘキサン
−1,2,4−トリカルボン酸24.6gを得た。
コに上記で得られた3−メチルシクロヘキサン−1,2,4−
トリカルボン酸10gを仕込み、実施例2と同様の条件
で無水化した。得られた白色結晶を圧力10mmHg、温度
90℃で2時間乾燥した後、7.4gの結晶を得た。こ
の結晶を原子吸光分析した結果、Na、Feなどの金属
の存在は認められなかった。
−テトラカルボン酸二無水物25g及び1−プロパノー
ル75g(Z=2.7)を仕込み、温度220℃で1時
間エステル化を行った。この溶液に活性炭に5重量%の
ルテニウムを担持させた触媒0.5gを添加し、水素圧
力100kg/cm2G、温度130℃で水素化を行った。反
応時間2.5時間で水素の吸収が停止し、このときの水
素吸収量は理論水素吸収量の98.1%であった。反応
液中の活性炭担持ルテニウム触媒を濾別し、反応物をU
V計で分析したところ、ベンゼン核の吸収はみられず、
水素化反応は完結していることを確認した。又、GLC
による分析の結果、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラ
カルボン酸テトラプロピルエステルの純度は95.9%
であった。
ヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸テトラプロピル
エステルの加水分解反応を行った。留出する1−プロパ
ノールは反応3.5時間でみられなくなり、加水分解は
完結した。次いで、濾別して得た結晶を3回水洗し、圧
力30mmHg、温度80℃で乾燥を行い、シクロヘキサン
−1,2,4,5−テトラカルボン酸20.5gを得た。
コに上記で得られたシクロヘキサン−1,2,4,5−テトラ
カルボン酸10gを仕込み、実施例2と同様の条件で無
水化した。得られた白色結晶を圧力10mmHg、温度90
℃で2時間乾燥した後、6.9gの結晶を得た。この結
晶を原子吸光分析した結果、Na、Feなどの金属の存
在は認められなかった。
3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物20g及びメタノ
ール80g(Z=10.0)を仕込み、温度200℃で
30分エステル化を行った。この溶液にアルミナに5重
量%のルテニウムを担持させた触媒1gを添加し、水素
圧力100kg/cm2G、温度130℃で水素化を行った。
反応時間4時間で水素の吸収が停止し、その時の水素吸
収量は理論水素吸収量の102.5%であった。反応液
中のアルミナに担持したルテニウム触媒を濾別し、反応
物をUV計で分析を行ったところ、ベンゼン核の吸収は
みられず、水素化反応は完結していることを確認した。
GLCによる分析の結果、ジシクロヘキシルケトン−3,
3',4,4'−テトラカルボン酸テトラメチルエステルの純
度は88.7%であった。
ルホン酸を用いた以外は実施例1と同様にしてジシクロ
ヘキシルケトン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸テトラ
メチルエステルの加水分解反応を行った。留出するメタ
ノールは反応6時間でみられなくなり、加水分解は完結
した。次いで、濾別して得た結晶を3回水洗し、圧力3
0mmHg、温度80℃で乾燥を行い、ジシクロヘキシルケ
トン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸17.6gを得
た。
3,3',4,4'−テトラカルボン酸10gを実施例1と同様
の条件で無水化した。得られた白色結晶を圧力10mmH
g、温度90℃で2時間乾燥した後、7.6gの結晶を
得た。この結晶を原子吸光分析した結果、Na、Fe等
の金属の存在は認められなかった。
一の条件で水素化を実施した。その結果、反応時間7時
間で水素の吸収が停止し、その時の水素吸収量は理論水
素吸収量の68.9%であった。
過操作により除去し、UV計で分析を行ったところ、未
反応のベンゼン核の吸収が見られ、核水素化率は73.
5%であった。GLCによる分析の結果、ジシクロヘキ
シル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸テトラメチルエス
テルの純度は38.6%であった。
1と同様にしてエステル化し、次いで170℃で水素化
した。しかしながら、反応時間7時間でも水素の吸収が
全く見られず、水素化反応は進行しなかった。
で合成したジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカル
ボン酸テトラメチルエステル20g、水100g及び硫
酸20gを仕込み、20時間還流した。20時間後の加
水分解率を測定したところ、25.3%であった。
で合成したジシクロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカル
ボン酸テトラメチルエステル20g及び10%水酸化ナ
トリウム水溶液100gを仕込み、5時間還流した。冷
却後、36%塩酸を加えてpH1とした。析出した白色
微粉末を濾過により取り出し、50mlの水で3回水洗を
行い、乾燥して15.3gのジシクロヘキシル−3,3',
4,4'−テトラカルボン酸を得た。
Na金属が434ppm含まれていた。
144℃)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行
い、実施例1で合成したジシクロヘキシル−3,3',4,4'
−テトラカルボン酸テトラメチルエステルの加水分解を
行った。キシレンと水が共沸し、反応温度を98℃まで
しか上げることが出来なかった。留出するメタノールは
反応20時間でも見られており、加水分解は完結してい
なかった。
的に有利な条件下で脂環式ポリカルボン又はその酸無水
物を高純度、高収率で得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(1)で表される脂環式ポリカル
ボン酸エステルを溶媒中で加水分解して一般式(2)で
表される脂環式ポリカルボン酸を製造するに際し、当該
溶媒として120〜350℃の沸点(760mmHg)を有
し、当該脂環式ポリカルボン酸エステルの良溶媒であっ
て、且つ脂環式ポリカルボン酸に対しては貧溶媒である
水溶性の非プロトン性極性溶媒を用いることを特徴とす
る脂環式ポリカルボン酸の製造方法。 R1OOC−A−COOR2 (1) [式中、Aは一般式(a)又は一般式(b)で表される
脂環式ポリカルボン酸残基を示す。R1、R2は同一又は
異なって、水素原子又はアルキル基を示す。] 【化1】 [式中、Xは単結合、−CO−、−O−、−CH2−、
−CH(−CH3)−又は−C(−CH3)2−を表す。
R3、R4は同一又は異なって、水素原子又はアルキル基
を示す。但し、R1、R2、R3、R4のいずれか一つ以上
はアルキル基である。] 【化2】 [式中、R5、R6、R7、R8は同一又は異なって、水素
原子、メチル基又は基COOR9を表す。R9は水素原子
又はアルキル基を示す。但し、R1、R2、R9のいずれ
か一つ以上はアルキル基である。] HOOC−B−COOH (2) [式中、Bは一般式(c)又は一般式(d)で表される
脂環式ポリカルボン酸残基を示す。] 【化3】 [式中、Xは一般式(a)で記載したとおりである。] 【化4】 [式中、R10、R11、R12、R13は同一又は異なって、
水素原子、メチル基又はカルボキシル基を表す。] - 【請求項2】 一般式(3)で表される芳香族ポリカル
ボン酸又はその酸無水物と脂肪族アルコールとを無触媒
下に加熱して芳香族ポリカルボン酸エステルを得、次い
で貴金属系水素化触媒及び脂肪族アルコールの存在下に
加熱して核水素化して得た一般式(1)で表される脂環
式ポリカルボン酸エステルを請求項1に記載の極性溶媒
中で加水分解することを特徴とする脂環式ポリカルボン
酸の製造方法。 HOOC−D−COOH (3) [式中、Dは一般式(e)又は一般式(f)で表される
芳香族カルボン酸残基を示す。] 【化5】 [式中、Xは一般式(a)で記載したとおりである。] 【化6】 [式中、R10、R11、R12、R13は一般式(d)で記載
したとおりである。] - 【請求項3】 脂肪族アルコールが、炭素数1〜6の直
鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族アルコールである請求
項2に記載の脂環式ポリカルボン酸の製造方法。 - 【請求項4】 貴金属系水素化触媒が、ルテニウム系触
媒である請求項2又は請求項3に記載の脂環式ポリカル
ボン酸の製造方法。 - 【請求項5】 脂環式ポリカルボン酸エステルが、ジシ
クロヘキシル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸アルキル
エステル、ジシクロヘキシルエーテル−3,3',4,4'−テ
トラカルボン酸アルキルエステル、ジシクロヘキシルケ
トン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸アルキルエステ
ル、ジシクロヘキシルメタン−3,3',4,4'−テトラカル
ボン酸アルキルエステル、エチリデン−4,4'−ビス(1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸アルキル)、プロピリ
デン−4,4'−ビス(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
アルキル)、ヘキサヒドロフタル酸アルキルエステル、
シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸アルキルエス
テル、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸アル
キルエステル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボ
ン酸アルキルエステル、シクロヘキサンヘキサカルボン
酸アルキルエステル、3−メチルヘキサヒドロフタル酸
アルキルエステル、4−メチルヘキサヒドロフタル酸ア
ルキルエステル、3,4,5,6−テトラメチルヘキサヒドロ
フタル酸アルキルエステル、5−メチルシクロヘキサン
−1,2,4−トリカルボン酸アルキルエステル、6−メチル
シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸アルキルエス
テル、3−メチルシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン
酸アルキルエステル、3−メチルシクロヘキサン−1,2,
4,5−テトラカルボン酸アルキルエステル又は3,6−ジメ
チルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸アル
キルエステルである請求項1〜4のいずれかの請求項に
記載の脂環式ポリカルボン酸類の製造方法。 - 【請求項6】 極性溶媒が、スルホラン及び/又はジメ
チルスルホキシドである請求項1〜5のいずれかの請求
項に記載の脂環式ポリカルボン酸類の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの請求項に記載
の脂環式ポリカルボン酸を脱水閉環することを特徴とす
る脂環式ポリカルボン酸無水物の製造方法。
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