JPH11199578A - 高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリテート)の製造方法 - Google Patents

高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリテート)の製造方法

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JPH11199578A
JPH11199578A JP10017727A JP1772798A JPH11199578A JP H11199578 A JPH11199578 A JP H11199578A JP 10017727 A JP10017727 A JP 10017727A JP 1772798 A JP1772798 A JP 1772798A JP H11199578 A JPH11199578 A JP H11199578A
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JP10017727A
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Tsuyoshi Ikeda
強志 池田
Hideki Goda
英樹 郷田
Shuji Yamada
修司 山田
Tomio Nobe
富夫 野辺
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New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に有利な条件での純度98重量%以上
の高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリテー
ト)の製造方法を提供する。 【構成】 本発明に係る高純度ヒドロキノンビス(アン
ヒドロトリメリテート)の製造方法は、ヒドロキノンの
低級アルカン酸エステル(1モル)と無水トリメリット
酸(2.5〜5モル)をエステル交換反応し、得られた
ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリテート)反応粗
物を(A)群及び(B)群からなる混合溶媒を用いて精
製することを特徴とする。 A)群:炭素数が6〜20の芳香族又は脂肪族の炭化水素
の1種若しくは2種以上 B)群:炭素数が1〜20のアミド系溶媒、ニトリル系
溶媒、スルホキシド系溶媒、スルフィド系溶媒の群から
選ばれる1種若しくは2種以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度ヒドロキノ
ンビス(アンヒドロトリメリテート)の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリ
テート)(以下「TMHQ」という)は、ポリイミド原
料として有用である。ポリイミド原料としてTMHQを
供給する場合、高分子量のポリイミドを得るためには、
TMHQの純度が98重量%以上であることが求められ
ている。
【0003】一方、TMHQを製造する方法としては以
下の方法が知られている。 (1)ベンゼンやトルエン等の溶媒中、無水トリメリッ
ト酸クロリドとフェノール類(或いはジオール類)との
反応による方法(特公昭43−5911号)。 (2)無水トリメリット酸とジオール類を200℃以上
に加熱することによる方法(特公昭45−29974
号)。 (3)無機化合物触媒の存在下、フェノール類の低級ア
ルカン酸エステルとトリメリット酸無水物とをエステル
交換する方法(特開平7−41472号)。
【0004】しかしながら、これらの製造法においては
純度98重量%以上の高純度TMHQは得られない。
又、(1)で示される方法では、高価で安全衛生面で問
題のある無水トリメリット酸クロリドを使用せねばなら
ず、工業的に問題が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
原料として有用な高純度TMHQを、工業的に有利な条
件にて製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定の反応条件
によるTMHQ粗物の合成、次いで特定混合溶媒を用い
た精製という一連の工程により所期の目的が達成される
ことを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0007】即ち、本発明に係る高純度TMHQの製造
方法は、一般式(1)
【化2】 (式中、R1、R2は同一又は異なって、炭素数1〜3の
アルキル基を表す)で表されるヒドロキノンの低級アル
カン酸エステルと無水トリメリット酸(以下「TMA」
という)をエステル交換反応するに際し、ヒドロキノン
の低級アルカン酸エステル1モルに対し、無水トリメリ
ット酸を2.3〜5.0モル反応させて、ヒドロキノン
ビス(アンヒドロトリメリテート)反応粗物を得、しか
る後、この反応粗物を(A)群及び(B)群からなる混
合溶媒を用いて精製することを特徴とする。 (A)群:炭素数が6〜20の芳香族又は脂肪族の炭化
水素の1種若しくは2種以上 (B)群:炭素数が1〜20のアミド系溶媒、ニトリル
系溶媒、スルホキシド系溶媒及びスルフィド系溶媒より
なる群から選ばれる1種若しくは2種以上
【0008】本発明に係る一般式(1)で表されるヒド
ロキノンの低級アルカン酸エステルとしては、ヒドロキ
ノンの酢酸エステル、プロピオン酸エステル及び酪酸エ
ステルが例示され、特に好ましくは酢酸エステルが挙げ
られる。
【0009】ヒドロキノンの低級アルカン酸エステル
は、通常のエステル化技術を用いて製造することができ
る。具体的な方法としては、無触媒下で、過剰のアルカ
ン酸無水物を用いてアルカン酸エステルとする方法や、
硫酸、p−トルエンスルホン酸等従来公知のエステル化
触媒の存在下に、ヒドロキノンとアルカン酸或いはアル
カン酸無水物とを反応させる方法(有機化学I、p18
1〜189、梅沢純夫著、丸善株式会社、1959年出
版等を参照)等が例示される。
【0010】本発明に係るヒドロキノンの低級アルカン
酸エステルとTMAとのエステル交換反応に於いて、ヒ
ドロキノンの低級アルカン酸エステル1モルに対するT
MAの仕込み量は2.3〜5.0モル、より好ましくは
2.6〜4.0モルが推奨される。TMAの仕込み量が
2.3モル未満であると反応中に反応粗物が反応系内で
固化する場合があり、攪拌不能及び反応系外への抜き出
しが困難になり、工業的製造では大きなリスクを伴う。
又、固化しない場合でも、副生成物として、ヒドロキノ
ンの低級アルカン酸エステルとTMAからなる重縮合高
分子量体が多くなり、以下の精製工程で目的とする純度
に達しなかったり、達したとしても精製回数を増やす必
要があり、極端な収率低下を生じる等、工業的に問題が
ある。一方、5.0モルを越える場合は反応粗物の純度
が低くなり、以下の精製工程で目的とする純度が得られ
なかったり、得られても精製回数を増やす必要があり、
収率が極端に低くなり好ましくない。
【0011】エステル交換反応は無触媒下でも、触媒存
在下でも行うことができ、適応される触媒としては、ゼ
オライト、ベントナイト、カオリン等のシリカ・アルミ
ナ系触媒、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアル
カリ金属塩類が例示され、TMHQの用途に応じて、適
宜、触媒の有無及びその種類を選択することができる。
例えば、TMHQを電子部品用のポリイミドとして使用
する場合は、無触媒反応によることが好ましい。
【0012】触媒の添加量としては、触媒の種類やエス
テル交換反応条件により適宜選択されるが、通常、0〜
10重量%、より好ましくは0〜5重量%が推奨され
る。
【0013】当該エステル交換反応は攪拌下で行われ、
反応温度としては、通常、150〜300℃、特に24
0〜280℃程度が奨励され、エステル交換反応中に生
成する低級アルカン酸を常圧または減圧下にて、逐次反
応系外に留去させることにより行う。
【0014】当該エステル交換反応をより有利に進める
には、反応時にキシレン、トルエン、アニソール等のエ
ントレーナーの使用、窒素ガス、炭酸ガス等の反応に不
活性なガスを通気させる方法が有効である。
【0015】反応圧力については、当該エステル交換反
応の後半に500〜20mmHgまで徐々に減圧するこ
とで、より反応を有効に進めることができる。
【0016】当該エステル交換反応に於いて留出させる
低級アルカン酸量は、理論量の90重量%以上が好まし
く、反応時間は反応条件により異なるが、通常1〜20
時間である。
【0017】本発明に係る精製は、上記方法により得ら
れたエステル交換反応生成物(以下「TMHQ反応粗
物」という)を目的の純度に上げるために、(A)群及
び(B)群からなる混合溶媒を用いて行う。
【0018】(A)群に係る溶媒としては、炭素数6〜
20の芳香族又は脂肪族の炭化水素が挙げられ、具体的
には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン等の脂肪族鎖状あるいは脂肪族環状炭化
水素が例示され、中でもキシレン、ヘキサンが推奨され
る。これら(A)群に属する溶媒はそれぞれ単独で又は
2種以上を適宜混合して用いられる。
【0019】一方、(B)群に係る溶媒としては、炭素
数が1〜20のアミド系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホ
キシド系溶媒及びスルフィド系溶媒が例示される。これ
ら(B)群に属する溶媒はそれぞれ単独で又は2種以上
を適宜混合して用いられる。
【0020】アミド系溶媒としてはN,N’−ジメチル
ホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミド、N,
N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が例示され
る。
【0021】ニトリル系溶媒としてはアセトニトリル、
エチルニトリル、プロピオンニトリル等が例示される。
【0022】スルホキシド系溶媒としてはジメチルスル
ホキシド、ジエチルスルホキシド等が例示される。
【0023】スルフィド系溶媒としてはメチルスルフィ
ド、エチルスルフィド、ジメチルスルフィド、ジエチル
スルフィド等が例示される。
【0024】これらB群の溶媒のうち、アミド系溶媒及
び/又はスルホキシド系が推奨され、特にN,N’−ジ
メチルアセトアミド及び/又はジメチルスルホキシドが
推奨される。
【0025】(A)群に属する溶媒と(B)群に属する
溶媒の好ましい組み合わせとしては、* キシレン
(A):N,N−ジメチルアセトアミド(B)、 * ヘキサン(A):N−ジメチルアセトアミド(B)
、 * キシレン(A):ジメチルスルホキシド(B)、 * ヘキサン(A):ジメチルスルホキシド(B) が例示できる
【0026】(A)群に属する溶媒と(B)群に属する
溶媒の混合重量比(A群の溶媒/B群の溶媒)は、通常
1/9〜9/1、好ましくは3/7〜9/1の範囲内で
適宜選択される。A群に属する溶媒の比率が高くなると
所定の高純度品が得られにくく、また当該比率が極端に
低い場合には精製物の収率が低下する。
【0027】混合溶媒の使用量として、好ましくは、T
MHQ反応粗物100重量部に対し、150〜1000
重量部が挙げられ、特に、200〜400重量部の範囲
内が推奨される。溶媒使用量が150重量部未満であれ
ば所定の高純度TMHQが得られにくく、1000重量
部を越えると収率が低下し、工業的な方法としては好ま
しくない。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係る具体的な製造方法を
以下に例示する。即ち、所定量のヒドロキノンの低級ア
ルカン酸エステルとTMAを、窒素ガス等の不活性ガス
雰囲気下、反応容器に仕込み、撹拌下、所定温度まで昇
温する。同温度で、常圧下、エステル交換反応を行い、
反応進行に伴い生成した低級アルカン酸を系外に留出さ
せる。低級アルカン酸の流出速度が低下した場合、50
0〜20mmHgまで徐々に系内を減圧することにより
強制的に低級アルカン酸を留去する。低級アルカン酸の
理論流出量の95%程度を反応終了の目安とする。次い
で、系内を常圧に戻し、反応液を所定温度まで冷却し、
TMHQ反応粗物を反応容器から抜き出す。
【0029】続いて、上記TMHQ反応粗物をブロック
状、より好ましくは粉末状に粉砕し、所定量の混合溶媒
と混合し100〜200℃程度に加熱し、溶解または懸
濁させる。次に系を40℃以下まで徐冷後、不溶成分を
濾別する。得られた濾別不溶分は前述の混合溶媒で洗浄
することが望ましい。次に濾別不溶分に残存する溶媒を
乾燥除去し、高純度TMHQを得る。操作は窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気下で行うことが安全上望ましい。
【0030】TMHQ反応粗物は10cm以下の粒径に
粗砕することが好ましく、より好ましくは当該粗砕物を
ハンマーミル、カッターミル、ピンミル等の粉砕機で3
mm以下の粒径に粉砕した後、所定の混合溶媒で精製す
ることが好ましく、粒径を小さくするほど、混合溶媒で
の処理時間を短縮でき、高純度のTMHQを得ることが
できる。
【0031】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。尚、各例における生成物の純度は高速液体クロマト
グラフィーにより測定した。
【0032】製造例1 攪拌機、温度計、冷却管付きデカンター及び窒素ガス導
入口の付いた1Lの四ッ口フラスコにヒドロキノン11
0.1g(1.0モル)及び無水酢酸306.3g
(3.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、130℃で2
時間反応させた。反応終了後、減圧下に過剰の無水酢酸
と生成した酢酸を留去しヒドロキノンジアセテート19
2.2g(収率99%)を得た。
【0033】実施例1 製造例1と同様の装置に製造例1で得たヒドロキノンジ
アセテート97.1g(0.5モル)及びTMA24
9.8g(1.3モル)を仕込み、250〜260℃ま
で昇温した。同温度で0.5時間常圧下で反応し、更に
0.5時間減圧下で反応した。次いで220℃まで冷却
後、液状反応生成物を系外に抜き出した。室温まで冷却
後の反応粗物はガラス状の固体で、TMHQ純度66.
9%、TMA含有率33.0%、重縮合高分子量体含有
率0.1%であり、収率は98.5%であった。
【0034】次いでこの反応粗物を小型粉砕機で粉砕
し、8メッシュ(タイラー)の篩いを通して粉末状反応
粗物を得た。この粉末状反応粗物200gとキシレン4
80g及びN,N’−ジメチルアセトアミド120gを
同様の装置に窒素ガス雰囲気下で仕込み、混合溶媒の還
流温度(140℃)で2時間攪拌した。次に40℃まで
冷却した後濾過し、得られた濾別結晶をキシレン80
g、N,N’−ジメチルアセトアミド20gの混合溶媒
で洗浄した。さらにこの濾別結晶を5mmHgの減圧
下、100℃の温度で10時間乾燥し、純度99.2%
、TMA含有率0.8%、融点274℃(文献値27
4℃)のTMHQを74g得た。精製収率(対反応粗
物)は37%であった。
【0035】実施例2 実施例1と同様の操作でTMHQ純度65.7%、TM
A含有率34.1%、重縮合高分子量体含有率0.2%
の反応粗物を得た。次いで同様の装置に粒径3〜5cm
のブロック状に粗砕したこの反応粗物200g、キシレ
ン480g及びN,N’−ジメチルアセトアミド120
gを窒素ガス雰囲気下に仕込み、混合溶媒の還流温度
(140℃)で系内が完全にスラリー状態になるまで攪
拌を行った。完全にスラリー化するのに要する時間は約
6時間であった。以下実施例1と同条件で冷却、濾過、
洗浄、乾燥を実施し、純度99.3%、TMA含有率
0.7%のTMHQを76g、精製収率(対反応粗物)
38%で得た。
【0036】実施例3 精製溶媒のうち、(A)群の溶媒としてキシレンをヘキ
サンに変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、純度
99.3%、TMA含有率0.7%のTMHQを70
g、精製収率(対反応粗物)35%で得た。
【0037】実施例4 精製溶媒のうち、(B)群の溶媒としてN,N’−ジメ
チルアセトアミドをジメチルスルホキシドに変えた以外
は実施例1と同様の操作を行い、純度99.0%、TM
A含有率1.0%のTMHQを74g、精製収率(対反
応粗物)37%で得た。
【0038】実施例5 精製溶媒のうち、キシレンの量を180g、N,N’−
ジメチルアセトアミドの量を420gに変えた以外は実
施例1と同様の操作を行い、純度99.8%、TMA含
有量0.2%のTMHQを60g、精製収率(対反応粗
物)30%で得た。
【0039】実施例6 精製溶媒のうち、キシレンの量を540g、N,N’−
ジメチルアセトアミドの量を60gに変えた以外は実施
例1と同様の操作を行い、純度98.2%、TMA含有
量1.8%のTMHQを80g、精製収率(対反応粗
物)40%で得た。
【0040】比較例1 製造例1と同様の装置に製造例1で得たヒドロキノンジ
アセテート97.1g(0.5モル)及びTMA19
2.1g(1.0モル)を仕込み、250〜260℃ま
で昇温した。同温度で0.5時間常圧下で反応し、更に
2.0時間減圧下で反応した。反応終了後、反応粗物を
冷却して系外へ抜き出そうとしたところ、約240℃で
系内で固化し、抜き出し困難となった。
【0041】次いで、反応粗物を強制的に抜き出すこと
により、TMHQ純度83.8%、TMA含有率9.8
%、重縮合高分子量体含有率6.4%のTMHQ粗物を
収率92%で得た。更に、実施例1と同様の粉砕、篩い
通し、精製を経てTMHQ純度95.1%、TMA含有
率0.7%、重縮合高分子量体含有率4.2%の精製物
を94g、精製収率(対反応粗物)47%で得た。
【0042】比較例2 製造例1と同様の装置に製造例1で得たヒドロキノンジ
アセテート97.1g(0.5モル)及びTMA57
6.3g(3.0モル)を仕込み、250〜260℃ま
で昇温した。同温度で0.5時間常圧下で反応し、更に
1.0時間減圧下で反応した。次いで200℃まで冷却
後、液状反応生成物を系外に抜き出した。室温まで冷却
後の反応粗物はガラス状の固体で、TMHQ純度は3
3.2%、TMA含有率66.8%であり、収率は9
8.6%であった。
【0043】次いで、実施例1と同様の粉砕、篩い通
し、精製を経てTMHQ純度94.3%、TMA含有率
5.7%の精製物を41g、精製収率(対反応粗物)2
0.5%で得た。
【0044】比較例3 実施例1と同様のエステル交換反応、粉砕、篩い通しで
TMHQ純度67.2%、TMA含有率32.6%、重
縮合高分子量体含有率0.2%の粉末状反応粗物を得
た。次いで同様の装置にこの粉末状反応粗物200g、
キシレン600gを窒素ガス雰囲気下に仕込み、キシレ
ン還流温度で1時間攪拌した。次に35℃まで冷却した
後濾過をし、得られた濾別結晶をキシレン100gで洗
浄した。
【0045】更に、この濾別結晶を5mmHgの減圧
下、100℃の温度で10時間乾燥し、TMHQ純度8
4.6重量%、TMA含有率15.2%、重縮合高分子
量体含有率0.2%の精製物を158g、精製収率(対
反応粗物)79%で得た。
【0046】比較例4 精製溶媒として、N,N’−ジメチルアセトアミドを単
独で用いた以外は比較例3と同様の操作を行い、純度9
9.4%、TMA含有率0.6%のTMHQを29.6
g、精製収率(対反応粗物)14.8%で得た。
【0047】比較例5 精製溶媒として、ジメチルスルホキシドを単独で用いた
以外は比較例3と同様の操作を行い、TMHQ純度9
9.1%、TMA含有率0.9%で精製収率(対粗物)
15.1%の精製物30.2gを得た。
【0048】実施例1〜6のごとく、(A)群の炭化水
素系溶媒と、(B)群のアミド系溶媒、ニトリル系溶
媒、スルホキシド系溶媒又はスルフィド系溶媒とを併用
した混合溶媒を精製に用いることにより、純度98%以
上のTMHQが精製収率(対粗物)35%以上で得るこ
とができる。それに対し、溶媒を用いないで精製を行っ
た場合(比較例1及び2)ではTMHQの純度が最高9
5%程度であり、又、比較例3に見られるように(A)
群の炭化水素系溶媒単独で精製を行なった場合、TMH
Qの純度は85%程度といずれの場合も高純度のTMH
Qは得られない。一方、比較例4、5の場合は精製溶媒
が(B)群のアミド系溶媒、スルホキシド系溶媒である
が、TMHQの純度は99%以上と高純度であるのに対
し、精製収率が最高15%程度と非常に低い結果であ
る。従って、(A)群の炭化水素系溶媒と、(B)群の
アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒又
はスルフィド系溶媒とを併用した混合溶媒を精製に用い
ることにより純度及び精製収率の両方を満足するTMH
Qを得ることが可能となった。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るエステル交換反応から精製
に於ける一連の工程により、工業的に有利な条件で純度
98重量%以上の高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロ
トリメリテート)を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野辺 富夫 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は同一又は異なって、炭素数1〜3の
    アルキル基を表す。)で表されるヒドロキノンの低級ア
    ルカン酸エステルと無水トリメリット酸をエステル交換
    反応するに際し、ヒドロキノンの低級アルカン酸エステ
    ル1モルに対し、無水トリメリット酸を2.5〜5.0
    モル反応させて、ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメ
    リテート)反応粗物を得、しかる後、このヒドロキノン
    ビス(アンヒドロトリメリテート)反応粗物を(A)群
    及び(B)群からなる混合溶媒を用いて精製することを
    特徴とする高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメ
    リテート)の製造方法。 (A)群:炭素数が6〜20の芳香族又は脂肪族の炭化
    水素の1種若しくは2種以上 (B)群:炭素数が1〜20のアミド系溶媒、ニトリル
    系溶媒、スルホキシド系溶媒及びスルフィド系溶媒より
    なる群から選ばれる1種若しくは2種以上
  2. 【請求項2】 (A)群の溶媒がキシレン又はヘキサン
    である請求項1記載の高純度ヒドロキノンビス(アンヒ
    ドロトリメリテート)の製造方法。
  3. 【請求項3】 (B)群の溶媒がN,N’−ジメチルア
    セトアミド又はジメチルスルホキシドである請求項1又
    は請求項2に記載の高純度ヒドロキノンビス(アンヒド
    ロトリメリテート)の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)群及び(B)群の混合溶媒の重量
    比率が1/9〜9/1((A)群/(B)群)である請
    求項1〜3のいずれかの請求項に記載の高純度ヒドロキ
    ノンビス(アンヒドロトリメリテート)の製造方法。
JP10017727A 1998-01-14 1998-01-14 高純度ヒドロキノンビス(アンヒドロトリメリテート)の製造方法 Withdrawn JPH11199578A (ja)

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