JPH07226314A - 低損失酸化物磁性材料 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料

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JPH07226314A
JPH07226314A JP6037975A JP3797594A JPH07226314A JP H07226314 A JPH07226314 A JP H07226314A JP 6037975 A JP6037975 A JP 6037975A JP 3797594 A JP3797594 A JP 3797594A JP H07226314 A JPH07226314 A JP H07226314A
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JP
Japan
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tio
oxide
magnetic material
loss
weight
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Application number
JP6037975A
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Inventor
Hiroshi Oyanagi
浩 大柳
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力損失が小さい酸化物磁性材料を提供する
こと。 【構成】 主成分としてFe23、MnOおよびZnO
からなり、副成分としてSiO2、CaOを含有する低
損失酸化物磁性材料において、更に副成分として前記主
成分及び副成分の総重量に対してTiO2を0〜0.4
重量%(0を含まず)を含有し、また、TiO2をTi
2総含有量に対して70〜95重量%の範囲でスピネ
ル結晶格子中に固溶させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低損失酸化物磁性材料
に関し、更に詳しくは電源用トランス等に用いられるス
ピネル型Mn−Zn系フェライト磁性材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、Mn−Zn系フェライトは各種電
子機器等のコイル、トランスに多用されてきた。また、
これらの電子機器の電源は、その駆動周波数が200k
Hz程度以下のものが使用されてきた。
【0003】近年の各種電子機器の高性能化及び小型化
の進展は著しく、それに伴い電源用トランス等に用いら
れるMn−Zn系フェライトのより一層の高性能化、小
型化が望まれているところである。
【0004】電源装置の小型軽量化のためには、駆動周
波数の高周波化が有利であるので、そのための検討も各
方面で著しく、1MHz程度の電源も製品化されつつあ
るのが現状である。
【0005】ところが、従来のMn−Zn系フェライト
を1MHzのような高周波で使用した場合、フェライト
の電力損失による発熱が著しく、その機能を有効に果た
すことができないという欠点を有していた。それ故、メ
イントランスあるいは平滑チョークに用いられるMn−
Zn系フェライトのより一層の低損失化が望まれてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
Mn−Zn系フェライトの低損失化に応えるためになさ
れたもので、前記従来技術の欠点を除去し、100kH
z程度の低周波から1MHz付近の高周波数帯域におい
ても、電力損失が少なく、発熱を有効に抑えた低損失M
n−Zn系フェライト磁性材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、主成分
として酸化マンガン(MnO)、酸化亜鉛(ZnO)及
び酸化第二鉄(Fe23)からなり、副成分として酸化
ケイ素(SiO2)及び酸化カルシウム(CaO)を含
有する低損失酸化物磁性材料において、更に副成分とし
て、前記主成分及び前記副成分の総重量に対して酸化チ
タン(TiO2)を0〜0.4重量%(0は含まず)含
有することを特徴とする低損失酸化物磁性材料が得られ
る。
【0008】また、本発明によれば、前記の低損失酸化
物磁性材料において、スピネル結晶格子中に固溶した酸
化チタン(TiO2)がTiO2総含有量に対して70〜
95重量%の範囲であることを特徴とする低損失酸化物
磁性材料が得られる。
【0009】本発明におけるMn−Zn系フェライトで
ある酸化物磁性材料は、主成分としてMnOが15〜4
2モル%、ZnOが4〜30モル%及びFe23が残部
の組成が選択される。この範囲外であると透磁率、キュ
リー温度などの磁気特性に影響を及ぼす。
【0010】また、副成分としては、SiO2、CaO
及びTiO2を含有する。各成分の含有量は、SiO2
0〜0.05重量%(0を含まず)、CaOが0〜0.
1重量%(0を含まず)及びTiO2が0〜0.4重量
%(0を含まず)が好ましい。これらは電力損失を低減
する成分であるが、この範囲を越えると損失が上昇す
る。
【0011】また、TiO2をスピネル結晶格子中に、
TiO2総含有量に対して70〜95重量%の範囲で固
溶させることにより、電力損失を低減できる。
【0012】
【作用】一般的にTiO2は、フェライトの主成分と置
換してスピネル結晶格子中に固溶するとされているが、
従来の技術に於て、電力損失等の磁気特性に対して、そ
の固溶量の明確な限定は今だなされていない。
【0013】本発明者は種々の検討を行った結果、副成
分であるTiO2を、結晶格子中へ特定比率固溶せしめ
ることにより、前述した問題を解決し、より一層低損失
なMn−Zn系フェライトが得られることを発見したも
のである。
【0014】すなわち、TiO2をTiO2総含有量の7
0〜95重量%の範囲で、スピネル結晶格子中に固溶せ
しめることにより、電力損失特性が改善でき、Mn−Z
n系フェライトの高特性化を実現できるものである。
【0015】本発明において、副成分であるTiO
2を、結晶格子中へ特定比率固溶させることにより、電
力損失特性の向上が図れたのは、適度に酸素分圧を制御
した雰囲気下で焼成することで、TiO2を結晶格子中
へ特定比率固溶させることができ、焼結体のスピネル結
晶格子の比抵抗が向上し、主に渦電流損失が低下したた
めと思われる。また本発明においてTiO2量を制御す
ることにより透磁率が向上したのは粒界相とスピネル相
結晶の組成及び酸化度の差によって生じる内部応力に起
因する磁気的な歪の影響をも低減することが可能となっ
たためと推定される。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係わる低損失酸化物磁性材料
の実施例について説明する。
【0017】
【実施例1】高純度のFe23、Mn34及びZnOの
原料粉末を、Fe23、MnO及びZnO換算でそれぞ
れ53モル%、37モル%及び10モル%となるように
秤量し、これらの粉末をボールミルにて混合した後、約
900℃で仮焼した。
【0018】次に、この仮焼粉末に、この粉末の総重量
に対して、0.02重量%のSiO2、0.05重量%
のCaO及び0〜0.55重量%の範囲で変化させたT
iO2を添加して、さらにボールミルにて混合解砕を行
った。次に得られた粉末にバインダーを混合した後、約
2ton/cm2で成形し、得られた成形体を焼成温度
1200〜1400℃、酸素分圧1〜10vol%の条
件で焼成した。得られた結果をTiO2含有量と、電力
損失(以下PBと称す)(at100℃,100kH
z,2000G)及び初透磁率(以下μiと称す)(a
t常温,100kHz)との関係として図1に示した。
図1より、TiO2の含有量が0〜0.4重量%(0を
除く)の時に優れた磁気特性の得られていることがわか
る。
【0019】
【実施例2】高純度のFe23、Mn34及びZnOの
原料粉末を、Fe23、MnO及びZnO換算でそれぞ
れ53モル%、37モル%及び10モル%となるよう秤
量し、これら粉末をボールミルにて混合した後、約90
0℃で仮焼した。
【0020】次にこの仮焼粉末にこの粉末の総重量に対
して0.02重量%のSiO2、0.05重量%のCa
O及び0.15重量%のTiO2を添加して、さらにボ
ールミルにて混合、解砕を行った。次に得られた粉末に
バインダーを混合した後、約2ton/cm2で成形
し、得られた成形体を、焼成温度1200〜1400
℃、酸素分圧1〜10vol%の条件で焼成した。結果
を図2に示す。
【0021】図2は、スピネル結晶格子中のTiO2
を変化させた時に得られた各試料のPB(at100
℃,100kHz,2000G)及びμi(at常温,
100kHz)値を示している。スピネル結晶格子中の
TiO2量は、化学的なエッチングにより粒界相を除去
したスピネル結晶格子中の含有量を、総含有量に対する
比率(重量%)で示した値である。
【0022】図2より、無添加と比較し、TiO2総含
有量の70〜95重量%の範囲でTiO2をスピネル結
晶格子中に固溶せしめた試料は、低い電力損失及び高い
透磁率の得られていることがわかる。
【0023】
【実施例3】高純度のFe23、Mn34及びZnOの
原料粉末をFe23、MnO及びZnO換算で53モル
%、39モル%、8モル%となるよう秤量し、これら粉
末をボールミルにて混合した後、約900℃で仮焼し
た。次に、この仮焼粉末にこの粉末の総重量に対して
0.03重量%のSiO2、0.10重量%のCaO、
及び0.20重量%のTiO2を添加して、更にボール
ミルで混合、解砕を行った。次に、得られた粉末にバイ
ンダーを混合した後、約2ton/cm2で成形し、得
られた成形体を焼成温度1200〜1400℃、酸素分
圧3vol%以下の条件で焼成した。得られた結果を図
3に示した。
【0024】図3は、スピネル結晶格子中のTiO2
を変化させた時に得られた各試料のPB(at60℃,
1MHz,500G)値を示している。
【0025】図3のスピネル結晶格子中のTiO2
は、実施例2と同様に化学的なエッチングにより粒界相
を除去したスピネル結晶格子中の含有量を、総含有量に
対する比率(重量%)で示した値である。
【0026】図3より、TiO2総含有量の70〜95
重量%の範囲で、TiO2をスピネル結晶格子中に固溶
せしめた試料は、低い電力損失の得られていることがわ
かる。
【0027】
【発明の効果】以上述べた如く、Mn−Zn系フェライ
トに於て、副成分であるTiO2を、0〜0.4重量%
(0を除く)の範囲で含有せしめ、またTiO2をスピ
ネル結晶格子中にTiO2総含有量の70〜95重量%
固溶せしめることにより、従来のMn−Zn系フェライ
トよりも優れた性能を示すMn−Zn系フェライトを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiO2含有量と、初透磁率及び電力損失との
関係を示す図。図1(a)はTiO2含有量と初透磁率
との関係を示す図。図1(b)はTiO2含有量と電力
損失との関係を示す図。
【図2】スピネル結晶格子中のTiO2量と、初透磁率
及び電力損失との関係を示す図。図2(a)はスピネル
結晶格子中のTiO2量と初透磁率との関係を示す図。
図2(b)はスピネル結晶格子中のTiO2量と電力損
失との関係を示す図。
【図3】スピネル結晶格子中のTiO2量と電力損失と
の関係を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として酸化マンガン(MnO),
    酸化亜鉛(ZnO)及び酸化第二鉄(Fe23)から成
    り、副成分として酸化ケイ素(SiO2)及び酸化カル
    シウム(CaO)を含有する低損失酸化物磁性材料に於
    て、更に副成分として前記主成分及び前記副成分の総重
    量に対して、酸化チタン(TiO2)を0〜0.4重量
    %(0は含まず)含有することを特徴とする低損失酸化
    物磁性材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の低損失酸化物磁性材料に
    於て、スピネル結晶格子中に固溶した酸化チタン(Ti
    2)がTiO2総含有量に対して70〜95重量%の範
    囲であることを特徴とする低損失酸化物磁性材料。
JP6037975A 1994-02-10 1994-02-10 低損失酸化物磁性材料 Pending JPH07226314A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105330281A (zh) * 2015-11-27 2016-02-17 全椒君鸿软磁材料有限公司 一种高磁导率软磁铁氧体磁芯材料的制备方法
JP2016113328A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 Tdk株式会社 フェライトコア、電子部品、および、電源装置

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