JPH07142222A - 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト - Google Patents
低損失Mn−Zn系ソフトフェライトInfo
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- JPH07142222A JPH07142222A JP5286632A JP28663293A JPH07142222A JP H07142222 A JPH07142222 A JP H07142222A JP 5286632 A JP5286632 A JP 5286632A JP 28663293 A JP28663293 A JP 28663293A JP H07142222 A JPH07142222 A JP H07142222A
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
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- Power Engineering (AREA)
- Compounds Of Iron (AREA)
- Magnetic Ceramics (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】
【構成】 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、MnO :33〜40 mol
%及びZnO :6〜14 mol%からなる基本成分に加えて、
SiO2:0.005 〜0.040 wt%、CaO :0.02〜0.20wt%、酸
化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、酸化チタン:0.03〜0.40
wt%及び酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt%を含有する低
損失Mn−Zn系ソフトフェライト。 【効果】 スイッチング電源周波数が100kHz程度の高周
波電源用トランスのコアとして、高磁場下での損失が従
来の材料と比較して格段に小さい低損失Mn−Zn系ソフト
フェライトである。
%及びZnO :6〜14 mol%からなる基本成分に加えて、
SiO2:0.005 〜0.040 wt%、CaO :0.02〜0.20wt%、酸
化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、酸化チタン:0.03〜0.40
wt%及び酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt%を含有する低
損失Mn−Zn系ソフトフェライト。 【効果】 スイッチング電源周波数が100kHz程度の高周
波電源用トランスのコアとして、高磁場下での損失が従
来の材料と比較して格段に小さい低損失Mn−Zn系ソフト
フェライトである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スイッチング電源用
トランス等の使途に供して好適な、電力損失の少ないMn
−Zn系ソフトフェライトを提案しようとするものであ
る。
トランス等の使途に供して好適な、電力損失の少ないMn
−Zn系ソフトフェライトを提案しようとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】Mn−Zn系ソフトフェライトは、各種通信
機器、電源等におけるコイル、トランス材料として広く
用いられていて、近年ではOA機器の普及に伴い、100k
Hz程度の高周波領域で動作するスイッチング電源のトラ
ンス材料としても利用されるようになった。
機器、電源等におけるコイル、トランス材料として広く
用いられていて、近年ではOA機器の普及に伴い、100k
Hz程度の高周波領域で動作するスイッチング電源のトラ
ンス材料としても利用されるようになった。
【0003】このようなトランス材料として使用される
Mn−Zn系フェライトに要求される特性としては、高飽和
磁束密度、高透磁率及び低損失などの種々の特性が挙げ
られ、なかでもスイッチング電源用トランスに関して
は、高磁場下にて低損失であることが特に重要とされ
る。このため、Mn−Zn系ソフトフェライトにおいては従
来から種々の微量添加物を含有させることによって高磁
場下での損失改善が試みられ、その結果、100kHz、200
mTでの鉄損値として300 〜400 mW/cm3といったレベルの
特性が実現されている。かかる技術に関しては、例えば
特開昭58-15037号公報ではNb2O5 の添加により、また、
特開昭60-132301 号公報ではNb2O5 、CaO 、SiO2、V
2O5、ZrO2、Al2O3 、SnO2、CuO 及びCoO 等の添加によ
り、それぞれ損失の改善を図っている。
Mn−Zn系フェライトに要求される特性としては、高飽和
磁束密度、高透磁率及び低損失などの種々の特性が挙げ
られ、なかでもスイッチング電源用トランスに関して
は、高磁場下にて低損失であることが特に重要とされ
る。このため、Mn−Zn系ソフトフェライトにおいては従
来から種々の微量添加物を含有させることによって高磁
場下での損失改善が試みられ、その結果、100kHz、200
mTでの鉄損値として300 〜400 mW/cm3といったレベルの
特性が実現されている。かかる技術に関しては、例えば
特開昭58-15037号公報ではNb2O5 の添加により、また、
特開昭60-132301 号公報ではNb2O5 、CaO 、SiO2、V
2O5、ZrO2、Al2O3 、SnO2、CuO 及びCoO 等の添加によ
り、それぞれ損失の改善を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでトランスの損
失は、ある程度のレベルまで抑制できばそれで十分であ
るというような特性ではなく、トランスの高性能化のた
め、より低損失であることが望まれているのであり、し
たがって、ソフトフェライトについてもさらなる損失低
減が要請されている。
失は、ある程度のレベルまで抑制できばそれで十分であ
るというような特性ではなく、トランスの高性能化のた
め、より低損失であることが望まれているのであり、し
たがって、ソフトフェライトについてもさらなる損失低
減が要請されている。
【0005】この発明は、現在スイッチング電源周波数
として使用されている100kHz以上の高周波帯域での鉄損
特性をさらに改善し、スイッチング電源用トランスとし
て使用した場合において、損失を大幅に低減することの
できるMn−Zn系ソフトフェライトを提案することを目的
とする。
として使用されている100kHz以上の高周波帯域での鉄損
特性をさらに改善し、スイッチング電源用トランスとし
て使用した場合において、損失を大幅に低減することの
できるMn−Zn系ソフトフェライトを提案することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化チタン:0.03〜0.40wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト(第1発明)である。 。
ライト(第1発明)である。 。
【0007】また、この発明は、 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化アンチモン:0.003 〜0.08wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト(第2発明)である。 。
ライト(第2発明)である。 。
【0008】さらにこの発明は、 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化チタン:0.03〜0.40wt%、 酸化アンチモン:0.003 〜0.08wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト(第3発明)である。
ライト(第3発明)である。
【0009】
【作用】まず、この発明において基本成分の割合を、上
記の範囲に限定した理由について述べる。 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、MnO :33〜40 mol%及びZnO
:6〜14 mol% スイッチング電源用トランスの動作温度は通常60〜70℃
であり、したがって、この温度範囲で電力損失が低く、
かつ室温から動作温度を超える80〜120 ℃程度までの温
度域にわたって、鉄損が負の温度依存性をもつことが望
ましい。この観点からFe2O3 、MnO 、ZnO の割合を検討
した結果、上記の範囲が得られたのである。
記の範囲に限定した理由について述べる。 Fe2O3 :52〜54.5 mol%、MnO :33〜40 mol%及びZnO
:6〜14 mol% スイッチング電源用トランスの動作温度は通常60〜70℃
であり、したがって、この温度範囲で電力損失が低く、
かつ室温から動作温度を超える80〜120 ℃程度までの温
度域にわたって、鉄損が負の温度依存性をもつことが望
ましい。この観点からFe2O3 、MnO 、ZnO の割合を検討
した結果、上記の範囲が得られたのである。
【0010】そしてこの発明では、上記の主要成分中
に、SiO2、CaO 、酸化ニオブ及び酸化ベリリウムを含有
させ、さらに酸化チタン及び酸化アンチモンの1種又は
2種を含有させることを特徴とする。これらの成分の含
有量の範囲は次のとおりである。
に、SiO2、CaO 、酸化ニオブ及び酸化ベリリウムを含有
させ、さらに酸化チタン及び酸化アンチモンの1種又は
2種を含有させることを特徴とする。これらの成分の含
有量の範囲は次のとおりである。
【0011】SiO2:0.005 〜0.040 wt% SiO2は、CaO との共存によって粒界の比抵抗を高め、渦
電流損の低減に有効に寄与するが、その含有量が0.005
wt%に満たないと添加効果に乏しく、一方0.040 wt%を
超えると逆に損失が大きくなるので、0.005 〜0.040 wt
%の範囲に限定した。
電流損の低減に有効に寄与するが、その含有量が0.005
wt%に満たないと添加効果に乏しく、一方0.040 wt%を
超えると逆に損失が大きくなるので、0.005 〜0.040 wt
%の範囲に限定した。
【0012】CaO :0.02〜0.20wt% CaO は、SiO2との共存下で効果的に粒界抵抗を高め、低
損失をもたらす有用成分であるが、その含有量が0.02wt
%に満たないと粒界抵抗の向上効果に乏しく、一方、0.
20wt%を超えると逆に損失が大きくなるので0.02〜0.20
wt%の範囲で添加するものとした。
損失をもたらす有用成分であるが、その含有量が0.02wt
%に満たないと粒界抵抗の向上効果に乏しく、一方、0.
20wt%を超えると逆に損失が大きくなるので0.02〜0.20
wt%の範囲で添加するものとした。
【0013】酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt% 酸化ニオブ(主にNb2O5 )は、高周波領域での損失の低
減に有効に寄与する。酸化ニオブの添加によって損失が
改善される理由は、SiO2、CaO などと同様に粒界に析出
して粒界を高抵抗化するため、また異相が粒界にできる
ことで磁気的な悪影響を緩和させるためと考えられる。
しかしながら、この発明の他成分との組み合わせで含有
量が0.005 wt%に満たないとその効果に乏しく、一方0.
08wt%を超えて含有すると焼結時に異常粒成長を起こし
易くなるので、0.005 〜0.08wt%の範囲で添加するとし
た。
減に有効に寄与する。酸化ニオブの添加によって損失が
改善される理由は、SiO2、CaO などと同様に粒界に析出
して粒界を高抵抗化するため、また異相が粒界にできる
ことで磁気的な悪影響を緩和させるためと考えられる。
しかしながら、この発明の他成分との組み合わせで含有
量が0.005 wt%に満たないとその効果に乏しく、一方0.
08wt%を超えて含有すると焼結時に異常粒成長を起こし
易くなるので、0.005 〜0.08wt%の範囲で添加するとし
た。
【0014】酸化チタン:0.03〜0.40wt% 第1発明、第3発明においては、酸化チタンを所定量含
有させる。酸化チタン(主にTiO2)は、フェライトコア
焼成時の冷却過程での粒界の再酸化を促進してコアの比
抵抗を高め、高周波領域での損失を低減する効果がある
が、この発明の他成分との組み合わせで0.03wt%に満た
ないとその効果に乏しく、一方0.40wt%を超えて含有さ
れると逆に損失の増加を招くので、0.03〜0.40wt%の範
囲、より好ましくは0.10〜0.30wt%の範囲で添加するも
のとした。
有させる。酸化チタン(主にTiO2)は、フェライトコア
焼成時の冷却過程での粒界の再酸化を促進してコアの比
抵抗を高め、高周波領域での損失を低減する効果がある
が、この発明の他成分との組み合わせで0.03wt%に満た
ないとその効果に乏しく、一方0.40wt%を超えて含有さ
れると逆に損失の増加を招くので、0.03〜0.40wt%の範
囲、より好ましくは0.10〜0.30wt%の範囲で添加するも
のとした。
【0015】酸化アンチモン:0.003 〜0.08wt% 第2発明、第3発明においては、酸化アンチモンを含有
させる。酸化アンチモン(主にSb2O3 )をSiO2、CaO 及
びNb2O5 と複合して含有させることによって損失が改善
される。その理由は現時点ではまだ明確ではないが、粒
界に析出し、上述した酸化ニオブと同様な効果を与える
ものと考えられる。この効果はSiO2、CaO 及びNb2O5 と
の共存下で大きい。しかしながら、その含有量が0.003w
t %に満たないと効果に乏しく、一方0.08wt%を超えて
含有させると逆に損失の増加を招くので、0.003 〜0.08
wt%の範囲、より好ましくは0.01〜0.05wt%の範囲で添
加するものとした。
させる。酸化アンチモン(主にSb2O3 )をSiO2、CaO 及
びNb2O5 と複合して含有させることによって損失が改善
される。その理由は現時点ではまだ明確ではないが、粒
界に析出し、上述した酸化ニオブと同様な効果を与える
ものと考えられる。この効果はSiO2、CaO 及びNb2O5 と
の共存下で大きい。しかしながら、その含有量が0.003w
t %に満たないと効果に乏しく、一方0.08wt%を超えて
含有させると逆に損失の増加を招くので、0.003 〜0.08
wt%の範囲、より好ましくは0.01〜0.05wt%の範囲で添
加するものとした。
【0016】酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% 上記の添加物に加えて、この発明のフェライト材料にお
いては、酸化ベリリウムを、特にBeO の形で含有する。
この酸化物は、やはり損失低減効果を持つものであり、
その理由は現時点ではまだ明確ではないが、粒界に存在
して異常粒成長を抑制する作用があると考えられる。そ
してこの含有量は0.01〜0.1 wt%とする。0.01wt%未満
の含有量では効果が乏しく、0.1 wt%を超えて含有され
ると逆に損失の増加を招くので、0.01〜0.1 wt%の範
囲、より好ましくは0.03〜0.08wt%の範囲で添加するも
のとした。
いては、酸化ベリリウムを、特にBeO の形で含有する。
この酸化物は、やはり損失低減効果を持つものであり、
その理由は現時点ではまだ明確ではないが、粒界に存在
して異常粒成長を抑制する作用があると考えられる。そ
してこの含有量は0.01〜0.1 wt%とする。0.01wt%未満
の含有量では効果が乏しく、0.1 wt%を超えて含有され
ると逆に損失の増加を招くので、0.01〜0.1 wt%の範
囲、より好ましくは0.03〜0.08wt%の範囲で添加するも
のとした。
【0017】以上述べたとおり、100kHzに達する高周波
領域での損失の低減には比抵抗を高めることが非常に有
効なわけであるが、この発明では、SiO2、CaO の共存下
で酸化ニオブ、さらには酸化チタン及び/又は酸化アン
チモン並びに酸化ベリリウムを添加して粒界に均一に分
散させることにより、上記目的を達成したものである。
領域での損失の低減には比抵抗を高めることが非常に有
効なわけであるが、この発明では、SiO2、CaO の共存下
で酸化ニオブ、さらには酸化チタン及び/又は酸化アン
チモン並びに酸化ベリリウムを添加して粒界に均一に分
散させることにより、上記目的を達成したものである。
【0018】ここに、この発明に従うフェライトを製造
するには、常法に従って処理を施せばよい。すなわち、
フェライトの最終組成として酸化鉄をFe2O3 換算で52〜
54.5mol %、酸化マンガンをMnO 換算で33〜40 mol%、
酸化亜鉛をZnO 換算で6〜14mol%の割合で含有するよ
うに混合し、次いで微量成分としてSiO2を0.005 〜0.04
0 wt%、CaO を0.02〜0.20wt%、酸化ニオブ(Nb2O5 換
算)を0.005 〜0.08wt%と、さらには酸化チタン(TiO2
換算):0.03〜0.40wt%及び酸化アンチモン(Sb2O3 換
算)0.003 〜0.08wt%の1種又は2種と、これに酸化ベ
リリウム(BeO換算)を0.01〜0.1 wt%含有するように
したものを原料とする。ただし微量成分の添加時期は、
後述する仮焼の後であっても差し支えない。この原料粉
を800 ℃以上の温度で仮焼し、次いで微粉砕後、1250℃
以上の温度で酸素濃度を制御した窒素ガス中で焼成す
る。
するには、常法に従って処理を施せばよい。すなわち、
フェライトの最終組成として酸化鉄をFe2O3 換算で52〜
54.5mol %、酸化マンガンをMnO 換算で33〜40 mol%、
酸化亜鉛をZnO 換算で6〜14mol%の割合で含有するよ
うに混合し、次いで微量成分としてSiO2を0.005 〜0.04
0 wt%、CaO を0.02〜0.20wt%、酸化ニオブ(Nb2O5 換
算)を0.005 〜0.08wt%と、さらには酸化チタン(TiO2
換算):0.03〜0.40wt%及び酸化アンチモン(Sb2O3 換
算)0.003 〜0.08wt%の1種又は2種と、これに酸化ベ
リリウム(BeO換算)を0.01〜0.1 wt%含有するように
したものを原料とする。ただし微量成分の添加時期は、
後述する仮焼の後であっても差し支えない。この原料粉
を800 ℃以上の温度で仮焼し、次いで微粉砕後、1250℃
以上の温度で酸素濃度を制御した窒素ガス中で焼成す
る。
【0019】
(実施例1)最終組成としてFe2O3 :53.5 mol%、MnO
:34.5 mol%及びZnO :12 mol%になる基本組成の原
料を混合した後、大気中にて900 ℃、3時間の仮焼を施
した。この仮焼粉に対し、表1に示す最終組成になる割
合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb2O5 、TiO2及びBe
O を添加配合し、同時に湿式ボールミルで粉砕、混合し
た。次いでこの粉砕粉にバインダーとしてPVAを添加
して造粒した後、外径36mm、内径24mm、高さ12mmのリン
グ状試料に成形した後、酸素分圧を制御した窒素雰囲気
中で1320℃、3時間の焼成を行なった。かくして得られ
た焼結コアについて、周波数:100kHz、最大磁束密度:
0.2 T、温度80℃における鉄損値を交流BHループトレ
ーサにて測定した結果を表1に併記する。
:34.5 mol%及びZnO :12 mol%になる基本組成の原
料を混合した後、大気中にて900 ℃、3時間の仮焼を施
した。この仮焼粉に対し、表1に示す最終組成になる割
合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb2O5 、TiO2及びBe
O を添加配合し、同時に湿式ボールミルで粉砕、混合し
た。次いでこの粉砕粉にバインダーとしてPVAを添加
して造粒した後、外径36mm、内径24mm、高さ12mmのリン
グ状試料に成形した後、酸素分圧を制御した窒素雰囲気
中で1320℃、3時間の焼成を行なった。かくして得られ
た焼結コアについて、周波数:100kHz、最大磁束密度:
0.2 T、温度80℃における鉄損値を交流BHループトレ
ーサにて測定した結果を表1に併記する。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、この発明に従
い、副成分としてSiO2、CaO 、Nb2O5、TiO2及びBeO を
複合含有させたものはいずれも、300 mW/cm3を下回る低
い電力損失が達成されている。これに対し、この発明の
適正範囲から外れたものはいずれも損失の改善効果は少
なく、甚だしい場合には異常粒成長によって損失特性は
逆に劣化している。
い、副成分としてSiO2、CaO 、Nb2O5、TiO2及びBeO を
複合含有させたものはいずれも、300 mW/cm3を下回る低
い電力損失が達成されている。これに対し、この発明の
適正範囲から外れたものはいずれも損失の改善効果は少
なく、甚だしい場合には異常粒成長によって損失特性は
逆に劣化している。
【0022】(実施例2)最終組成としてFe2O3 :52.7
mol%、MnO :34.6 mol%及びZnO :12.7 mol%になる
基本組成の原料を混合した後、大気中にて900 ℃、3時
間の仮焼を施した。この仮焼粉に対し、表2に示す最終
組成になる割合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb
2O5 、Sb2O3 及びBeO を添加配合し、同時に湿式ボール
ミルで粉砕、混合した。次いでこの粉砕粉にバインダー
としてPVAを添加し、造粒した後、外径36mm、内径24
mm、高さ12mmのリング状試料に成形した後、酸素分圧を
制御した窒素雰囲気中で1320℃、3時間の焼成を行なっ
た。かくして得られた焼結コアについて、周波数:100k
Hz、最大磁束密度:0.2 T、温度80℃における鉄損値を
交流BHループトレーサにて測定した結果を表2に併記
する。
mol%、MnO :34.6 mol%及びZnO :12.7 mol%になる
基本組成の原料を混合した後、大気中にて900 ℃、3時
間の仮焼を施した。この仮焼粉に対し、表2に示す最終
組成になる割合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb
2O5 、Sb2O3 及びBeO を添加配合し、同時に湿式ボール
ミルで粉砕、混合した。次いでこの粉砕粉にバインダー
としてPVAを添加し、造粒した後、外径36mm、内径24
mm、高さ12mmのリング状試料に成形した後、酸素分圧を
制御した窒素雰囲気中で1320℃、3時間の焼成を行なっ
た。かくして得られた焼結コアについて、周波数:100k
Hz、最大磁束密度:0.2 T、温度80℃における鉄損値を
交流BHループトレーサにて測定した結果を表2に併記
する。
【0023】
【表2】
【0024】(実施例3)最終組成としてFe2O3 :53.0
mol%、MnO :34.5 mol%及びZnO :12.4 mol%になる
基本組成の原料を混合した後、大気中にて910 ℃、3時
間の仮焼を施した。この仮焼粉に対し、表3に示す最終
組成になる割合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb
2O5 、TiO2、Sb2O3 及びBeO を添加配合し、同時に湿式
ボールミルで粉砕、混合した。次いでこの粉砕粉にバイ
ンダーとしてPVAを添加し、造粒した後、外径36mm、
内径24mm、高さ12mmのリング状試料に成形した後、酸素
分圧を制御した窒素雰囲気中で1320℃、3時間の焼成を
行なった。かくして得られた焼結コアについて、周波
数:100kHz、最大磁束密度:0.2 T、温度80℃における
鉄損値を交流BHループトレーサにて測定した結果を表
3に併記する。
mol%、MnO :34.5 mol%及びZnO :12.4 mol%になる
基本組成の原料を混合した後、大気中にて910 ℃、3時
間の仮焼を施した。この仮焼粉に対し、表3に示す最終
組成になる割合でSiO2、CaO (CaCO3 で添加)、Nb
2O5 、TiO2、Sb2O3 及びBeO を添加配合し、同時に湿式
ボールミルで粉砕、混合した。次いでこの粉砕粉にバイ
ンダーとしてPVAを添加し、造粒した後、外径36mm、
内径24mm、高さ12mmのリング状試料に成形した後、酸素
分圧を制御した窒素雰囲気中で1320℃、3時間の焼成を
行なった。かくして得られた焼結コアについて、周波
数:100kHz、最大磁束密度:0.2 T、温度80℃における
鉄損値を交流BHループトレーサにて測定した結果を表
3に併記する。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、スイッチン
グ電源周波数が100kHz程度の高周波電源用トランスのコ
アとして、高磁場下での損失が従来の材料と比較して格
段に小さい低損失Mn−Zn系ソフトフェライトを得ること
ができる。
グ電源周波数が100kHz程度の高周波電源用トランスのコ
アとして、高磁場下での損失が従来の材料と比較して格
段に小さい低損失Mn−Zn系ソフトフェライトを得ること
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化チタン:0.03〜0.40wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト。 - 【請求項2】Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化アンチモン:0.003 〜0.08wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト。 - 【請求項3】Fe2O3 :52〜54.5 mol%、 MnO :33〜40 mol%及び ZnO :6〜14 mol% からなる基本成分に加えて、 SiO2:0.005 〜0.040 wt%、 CaO :0.02〜0.20wt%、 酸化ニオブ:0.005 〜0.08wt%、 酸化チタン:0.03〜0.40wt%、 酸化アンチモン:0.003 〜0.08wt%及び 酸化ベリリウム:0.01〜0.1 wt% を含有することを特徴とする低損失Mn−Zn系ソフトフェ
ライト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5286632A JPH07142222A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5286632A JPH07142222A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07142222A true JPH07142222A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=17706932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5286632A Pending JPH07142222A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 低損失Mn−Zn系ソフトフェライト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07142222A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104609869A (zh) * | 2015-01-23 | 2015-05-13 | 苏州天源磁业有限公司 | 一种软磁铁氧体成型用粘结剂溶液的制备方法 |
CN113277840A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-08-20 | 天通控股股份有限公司 | 一种高频高工作磁密低损耗锰锌铁氧体及其制备方法 |
-
1993
- 1993-11-16 JP JP5286632A patent/JPH07142222A/ja active Pending
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