JP2015036364A - Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製法方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Fe2O3:54.0〜55.0mol%、ZnO:5.0〜10.0mol%、NiO:0.1〜0.2mol%および残部MnOを基本成分とし、前記基本成分に対し、SiO2:50〜500massppm、CaO:200〜2000massppm、Nb2O5:50〜500massppmおよびBeO:10〜100massppmの副成分を含有し、残部が不可避的不純物からなるMn-Zn-Ni系フェライトであって、前記不可避的不純物中、炭素の含有量を50massppm以下に抑制する。
【選択図】なし
Description
(1)Fe2O3:54.0〜55.0mol%、
ZnO:5.0〜10.0mol%、
NiO:0.1〜0.2mol%および
残部MnOを基本成分とし、
前記基本成分に対し、
SiO2:50〜500massppm、
CaO:200〜2000massppm、
Nb2O5:50〜500massppmおよび
BeO:10〜100massppm
の副成分を含有し、残部が不可避的不純物からなるMn-Zn-Ni系フェライトであって、
前記不可避的不純物中、炭素の含有量を50massppm以下に抑制したことを特徴とするMn-Zn-Ni系フェライト。
副成分としてのCaOは、炭素を含有しない形態のCa化合物として添加すると共に、
前記昇温に際し、400℃から焼成保持温度に達するまでの雰囲気中の酸素濃度を5体積%以上とすることを特徴とするMn-Zn-Ni系フェライトの製造方法。
各成分を上記範囲に制限する理由について、以下に具体的に説明する。
Fe2O3は、鉄損極小温度を150℃以上として、さらに150℃の飽和磁束密度を高く維持するために、54.0mol%以上とする必要がある。しかし、55.0mol%を超えると、室温付近の鉄損上昇が大きくなるため、上限を55.0mol%とする。好ましくは、54.0〜54.5mol%の範囲である。
軟磁性フェライトに求められる磁気特性としては、前述したように、飽和磁束密度が大きいこと、キュリー温度が高いこと、鉄損が小さいことおよび透磁率が高いこと、が挙げられる。このうち、飽和磁束密度およびキュリー温度は、基本成分であるMnO、ZnOおよびFe2O3の比でほぼ決定される。
まず、ZnOの量が比較的少ない領域においては、ZnO量が増加するのにともなって室温での飽和磁束密度が単調に増加するが、キュリー温度も低下する。150℃程度の高温域での飽和磁束密度を高く維持するには、キュリー温度を高くすることが重要である。従って、キュリー温度とのバランスでZnO量を決定する必要がある。すなわち、ZnO量が5.0mol%より少ないと、キュリー温度は高いが飽和磁束密度がまだ低く、鉄損値もかなり高く透磁率も低くなる。一方、ZnO量が10.0mol%より多いと、150℃における飽和磁束密度が380mT以下まで低下する。従って、150℃程度での飽和磁束密度を380mT以上に維持し、鉄損極小温度を150〜170℃にするには、ZnO量を5.0〜10.0mol%の範囲とする。より高い飽和磁束密度とキュリー点を得るためには、6.0〜9.0mol%の範囲とするのが好ましい。
鉄損極小温度を150℃以上として、さらに150℃の飽和磁束密度を高く維持するためにFe2O3およびZnOの組成を上記のとおりにした場合、鉄損値が他の組成域より増大することは避けられず、この鉄損値の増大を抑えるにはNiOを0.1〜0.2mol%の範囲で基本組成として加えると効果的であることを新たに見出した。すなわち、NiOはMn-Zn系フェライトのスピネル相を構成し、ZnおよびMn元素とともに磁気異方性に影響し、高い飽和磁束密度と低損失を実現するのに寄与する。この点につき種々検討したところ、上記のFe2O3およびZnO組成の下で効果を発揮するのは0.1mol%以上であり、鉄損極小温度を150〜170℃として低損失となるのは0.2mol%までであることから、NiOの範囲は0.1〜0.2mol%とする。好ましくは、0.15〜0.19mol%の範囲である。
CaO:200〜2000massppm
SiO2は、CaOとともに粒界を形成して粒界を高抵抗化し、鉄損の低減に寄与する。しかし、添加量が50massppm未満ではその寄与は小さく、また、500massppmを超えて含むと焼結時に異常粒成長を生じせしめて鉄損を大幅に増大させる。CaOも、SiO2と共存した場合に粒界抵抗を高めて低鉄損化に寄与するが、添加量が200massppmより少ないとその効果は小さく、また2000massppmより多くなると鉄損は逆に増大する。従って、SiO2ならびにCaOの添加量はSiO2:50〜500massppmおよびCaO:200〜2000massppmの範囲で添加するのが好ましい。より低損失を得るためには、SiO2:50〜300massppm、CaO:200〜1500massppmの範囲が好ましい。
Nb2O5は、SiO2およびCaOの共存下で、比抵抗の増大に有効に寄与するが、含有量が50massppmに満たないとその添加効果に乏しく、一方、500massppmを超えると逆に鉄損の増大を招く。従って、Nb2O5は50〜500massppmの範囲で添加する。より低損失を得るためには、50〜300massppmの範囲が好ましい。
BeOは、150℃以上の高温度域で低鉄損を安定して実現するために有効な成分である。BeOの添加が、最終焼結体の磁気特性に影響を及ぼす機構については、未だ明確に解明されたわけではないが、BeOは比抵抗が高く、低い比誘電率と誘電損失を有する酸化物のため、最終焼結体の特性、特に150℃以上の高温度側での鉄損に好影響を及ぼすものと考えられる。その添加量は10massppmより少ないと効果が得られず,また100massppmより多く添加すると、逆に異常粒成長を生じせしめて鉄損を大幅に増大させるため、BeO:10〜100massppmの範囲で添加する。
なお、酸素濃度を大気中での濃度を超える高濃度にすることはコスト面で大きな問題があることから、上限は大気中酸素濃度の21体積%とすることが好ましい。
ここで、表2のNo.2-1〜34は本発明に従う発明例を、表3のNo.2-35〜76は、本発明の比較例を示したものである。
Claims (3)
- Fe2O3:54.0〜55.0mol%、
ZnO:5.0〜10.0mol%、
NiO:0.1〜0.2mol%および
残部MnOを基本成分とし、
前記基本成分に対し、
SiO2:50〜500massppm、
CaO:200〜2000massppm、
Nb2O5:50〜500massppmおよび
BeO:10〜100massppm
の副成分を含有し、残部が不可避的不純物からなるMn-Zn-Ni系フェライトであって、
前記不可避的不純物中、炭素の含有量を50massppm以下に抑制したことを特徴とするMn-Zn-Ni系フェライト。 - 150℃および磁化力1200A/mにおける飽和磁束密度が380mT以上、最大磁束密度200mTおよび周波数100kHzにおける鉄損極小温度が150〜170℃、かつ160℃における鉄損が450kw/m3以下であることを特徴とする請求項1に記載のMn-Zn-Ni系フェライト。
- 基本成分組成に従って酸化物原料を秤量し、混合したのち仮焼し、ついで副成分を添加して混合し、さらに粉砕後成形して得た成形品を、昇温し、焼成保持温度で焼成することにより請求項1または2に記載のMn-Zn-Ni系フェライトを製造する方法において、
副成分としてのCaOは、炭素を含有しない形態のCa化合物として添加すると共に、
前記昇温に際し、400℃から焼成保持温度に達するまでの雰囲気中の酸素濃度を5体積%以上とすることを特徴とするMn-Zn-Ni系フェライトの製造方法。
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