JPH1022113A - 低損失酸化物磁性材料の製造方法 - Google Patents
低損失酸化物磁性材料の製造方法Info
- Publication number
- JPH1022113A JPH1022113A JP8188380A JP18838096A JPH1022113A JP H1022113 A JPH1022113 A JP H1022113A JP 8188380 A JP8188380 A JP 8188380A JP 18838096 A JP18838096 A JP 18838096A JP H1022113 A JPH1022113 A JP H1022113A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- power loss
- loss
- magnetic material
- ferrite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Magnetic Ceramics (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Compounds Of Iron (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 低損失のMn−Znフェライトと、これを大
量生産が可能な比較的広い条件下で安定に供給できる製
造方法を提供する。 【解決手段】 Mn−Zn系フェライトを用いた低損失
酸化物磁性材料の製造方法において、その圧粉体を焼成
する際、1000℃から焼成保持温度までの昇温過程を
2〜21vol%(大気)の酸素濃度の雰囲気中で、8
0〜400℃/hrの速度で行うことを特徴とする低損
失酸化物磁性材料の製造方法、及び、この製造方法で作
製し、温度100℃において、周波数100kHz、磁
束密度200mTの条件で損失(パワーロス)の値が4
50kW/m3以下である低損失酸化物磁性材料。
量生産が可能な比較的広い条件下で安定に供給できる製
造方法を提供する。 【解決手段】 Mn−Zn系フェライトを用いた低損失
酸化物磁性材料の製造方法において、その圧粉体を焼成
する際、1000℃から焼成保持温度までの昇温過程を
2〜21vol%(大気)の酸素濃度の雰囲気中で、8
0〜400℃/hrの速度で行うことを特徴とする低損
失酸化物磁性材料の製造方法、及び、この製造方法で作
製し、温度100℃において、周波数100kHz、磁
束密度200mTの条件で損失(パワーロス)の値が4
50kW/m3以下である低損失酸化物磁性材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
等に搭載されるスピネル型Mn−Znフェライトを用い
た酸化物磁性材料と、その製造方法に関係し、特にその
焼成方法に関するものである。
等に搭載されるスピネル型Mn−Znフェライトを用い
た酸化物磁性材料と、その製造方法に関係し、特にその
焼成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Mn−Znフェライトを用いた酸化物磁
性材料は、多くのスイッチング電源のメイントランス、
平滑チョーク等に用いられ、その高性能化、特に低損失
化(パワーロスの低減化)により、小型化が可能となる
ため、特性向上のための組成、微量副成分、製造プロセ
スのあらゆる点よりこれまで研究、開発が進められてい
る。
性材料は、多くのスイッチング電源のメイントランス、
平滑チョーク等に用いられ、その高性能化、特に低損失
化(パワーロスの低減化)により、小型化が可能となる
ため、特性向上のための組成、微量副成分、製造プロセ
スのあらゆる点よりこれまで研究、開発が進められてい
る。
【0003】この中で、主成分組成に関しては、飽和磁
束密度、キュリー温度、パワーロスの温度特性のミニマ
ム温度、初透磁率等の特性により、ほぼ限定されてお
り、52〜54mol%Fe2O3、33〜40mol%
MnO、6〜15mol%ZnOの範囲で製造されるの
が一般である。又、微量副成分に関しては、数百〜数千
ppmのSiO2,CaOの他、V2O5,Nb2O5,Z
rO2,HfO2,TiO2,SnO2,Bi2O3等を数百
〜数千ppm添加する方法が一般である。これらの微量
副成分は、粒界に偏析して高電気抵抗の粒界層を形成
し、パワーロス中の渦電流損失を下げることを主目的と
して添加されるものが殆どである。又、TiO2,Sn
O2のように、スピネル相に固溶する化合物は、これら
化合物がスピネル相自身の電気抵抗を向上させ、上記と
同効果が得られるとされている。
束密度、キュリー温度、パワーロスの温度特性のミニマ
ム温度、初透磁率等の特性により、ほぼ限定されてお
り、52〜54mol%Fe2O3、33〜40mol%
MnO、6〜15mol%ZnOの範囲で製造されるの
が一般である。又、微量副成分に関しては、数百〜数千
ppmのSiO2,CaOの他、V2O5,Nb2O5,Z
rO2,HfO2,TiO2,SnO2,Bi2O3等を数百
〜数千ppm添加する方法が一般である。これらの微量
副成分は、粒界に偏析して高電気抵抗の粒界層を形成
し、パワーロス中の渦電流損失を下げることを主目的と
して添加されるものが殆どである。又、TiO2,Sn
O2のように、スピネル相に固溶する化合物は、これら
化合物がスピネル相自身の電気抵抗を向上させ、上記と
同効果が得られるとされている。
【0004】又、製造プロセスについては、一般に、各
酸化物原料粉末をボールミル、アトライター等で混合し
た後、混合粉を800〜1100℃での大気中で仮焼
し、得られた仮焼粉をボールミル、アトライター等で解
砕した後、ポリビニルアルコール等のバインダーを混合
し、スプレードライヤー等の噴霧熱乾燥装置で造粒した
後、成形し、バッチ炉、連続炉等で酸素濃度をコントロ
ールした雰囲気中で焼成する方法がとられている。
酸化物原料粉末をボールミル、アトライター等で混合し
た後、混合粉を800〜1100℃での大気中で仮焼
し、得られた仮焼粉をボールミル、アトライター等で解
砕した後、ポリビニルアルコール等のバインダーを混合
し、スプレードライヤー等の噴霧熱乾燥装置で造粒した
後、成形し、バッチ炉、連続炉等で酸素濃度をコントロ
ールした雰囲気中で焼成する方法がとられている。
【0005】Mn−Znフェライトの低損失化に関して
は、前述した微量副成分による高抵抗の粒界層形成によ
る渦電流損失の低下と共に、ヒステリシス損失を低下せ
しめることが極めて重要である。例えば、100kHz
時のパワーロス(損失)中、約1/2がヒステリシス損
失であり、渦電流損失と同時に重要な成分である。一般
に、ヒステリシス損失は、主成分組成の他に、焼結体組
織に強く依存し、均一、かつ、結晶粒径の比較的大きい
ものの方が小さくなる。又、均一な組織とすることで、
粒界層形成度合も同時に向上し、高電気抵抗化が容易と
なり、渦電流損失も著しく低減できる。逆に、組織が不
均一であると、例えば、異常粒成長を生じた場合には、
結晶粒内にポアや微量副成分が残留しており、磁壁の移
動を妨げるため、ヒステリシス損失が増大したり、粒界
の副成分の低下による高抵抗粒界層形成度合の低下によ
る渦電流損失の増大となる。
は、前述した微量副成分による高抵抗の粒界層形成によ
る渦電流損失の低下と共に、ヒステリシス損失を低下せ
しめることが極めて重要である。例えば、100kHz
時のパワーロス(損失)中、約1/2がヒステリシス損
失であり、渦電流損失と同時に重要な成分である。一般
に、ヒステリシス損失は、主成分組成の他に、焼結体組
織に強く依存し、均一、かつ、結晶粒径の比較的大きい
ものの方が小さくなる。又、均一な組織とすることで、
粒界層形成度合も同時に向上し、高電気抵抗化が容易と
なり、渦電流損失も著しく低減できる。逆に、組織が不
均一であると、例えば、異常粒成長を生じた場合には、
結晶粒内にポアや微量副成分が残留しており、磁壁の移
動を妨げるため、ヒステリシス損失が増大したり、粒界
の副成分の低下による高抵抗粒界層形成度合の低下によ
る渦電流損失の増大となる。
【0006】これらのことから、組織コントロールが高
特性化の必須の技術課題とされており、製造プロセス上
で、原料の選択、混合、予焼、解砕条件を制御すること
で、粉体物性を粒度分布が極力シャープとなるよう努力
されている。しかし、Mn−Znフェライトを製造する
場合、この粉体物性の制御のみでは、均一な組織で、か
つ低損失を有する材料は、製造できない。これは、Mn
−Znフェライトの焼成過程が、その酸素濃度と温度に
強く依存し、昇温〜冷却の細部にわたり精密にコントロ
ールしなければ、焼成体組織のコントロールができない
とされているためである。例えば、日本応用磁気学会誌
vol.3(1979)P.20に荒木らが述べているよ
うに、昇温部、保持部、冷却部の各段階を更に2〜3ブ
ロックに分割した温度と酸素濃度のコントロールを厳密
に行うことが不可欠とされている。このため、製造条件
に極めて敏感で、粉体物性、組成(特に微量副成分)の
変動があると、組織制御が困難となり、特性ばらつきが
大となるばかりか、磁気特性のレベルも劣化するという
問題を有していた。
特性化の必須の技術課題とされており、製造プロセス上
で、原料の選択、混合、予焼、解砕条件を制御すること
で、粉体物性を粒度分布が極力シャープとなるよう努力
されている。しかし、Mn−Znフェライトを製造する
場合、この粉体物性の制御のみでは、均一な組織で、か
つ低損失を有する材料は、製造できない。これは、Mn
−Znフェライトの焼成過程が、その酸素濃度と温度に
強く依存し、昇温〜冷却の細部にわたり精密にコントロ
ールしなければ、焼成体組織のコントロールができない
とされているためである。例えば、日本応用磁気学会誌
vol.3(1979)P.20に荒木らが述べているよ
うに、昇温部、保持部、冷却部の各段階を更に2〜3ブ
ロックに分割した温度と酸素濃度のコントロールを厳密
に行うことが不可欠とされている。このため、製造条件
に極めて敏感で、粉体物性、組成(特に微量副成分)の
変動があると、組織制御が困難となり、特性ばらつきが
大となるばかりか、磁気特性のレベルも劣化するという
問題を有していた。
【0007】又、実際に大量処理を要求される連続炉に
ついては、厳密な温度と酸素濃度のコントロールは不可
能に近く、磁気特性の優れたMn−Znフェライトを得
ることが難しいという問題がある。
ついては、厳密な温度と酸素濃度のコントロールは不可
能に近く、磁気特性の優れたMn−Znフェライトを得
ることが難しいという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した問
題点を克服し、改善された低損失のMn−Znフェライ
トと、これを大量生産が可能な比較的広い条件下で安定
に供給できる製造方法を提供するものである。
題点を克服し、改善された低損失のMn−Znフェライ
トと、これを大量生産が可能な比較的広い条件下で安定
に供給できる製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題点を克服するため、種々の検討を行った結果、焼成過
程での特に昇温部の昇温速度を1000℃〜焼成保持温
度までの間で80〜400℃/時間とし、かつ、この間
の酸素濃度を2〜21vol%とすることで、100k
Hz、200mT、温度100℃でのパワーロスが45
0kW/m3以下の優れたMn−Znフェライト材が、
安定して容易に得られることを見い出したものである。
題点を克服するため、種々の検討を行った結果、焼成過
程での特に昇温部の昇温速度を1000℃〜焼成保持温
度までの間で80〜400℃/時間とし、かつ、この間
の酸素濃度を2〜21vol%とすることで、100k
Hz、200mT、温度100℃でのパワーロスが45
0kW/m3以下の優れたMn−Znフェライト材が、
安定して容易に得られることを見い出したものである。
【0010】即ち、本発明は、Mn−Zn系フェライト
を用いた低損失酸化物磁性材料の製造方法において、M
n−Zn系フェライトの圧粉体を焼成する際、1000
℃から焼成保持温度までの昇温過程を2〜21vol%
の酸素濃度の雰囲気中で、80〜400℃/hrの速度
で行うことを特徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方
法である。
を用いた低損失酸化物磁性材料の製造方法において、M
n−Zn系フェライトの圧粉体を焼成する際、1000
℃から焼成保持温度までの昇温過程を2〜21vol%
の酸素濃度の雰囲気中で、80〜400℃/hrの速度
で行うことを特徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方
法である。
【0011】又、本発明は、上記製造方法で作製され、
温度100℃において、周波数100kHz、磁束密度
200mTの条件で損失(パワーロス)の値が450k
W/m3以下であることを特徴とする低損失酸化物磁性
材料である。
温度100℃において、周波数100kHz、磁束密度
200mTの条件で損失(パワーロス)の値が450k
W/m3以下であることを特徴とする低損失酸化物磁性
材料である。
【0012】Mn−Znフェライトの組織制御として
は、その緻密化と粒成長過程を程よく昇温過程で進行さ
せ、粒成長を滑らかに行うことが必須である。特に、本
発明者らは、Mn−Znフェライトの緻密化過程、及び
粒成長過程を調査した結果、約1000℃付近より緻密
化が進行しており、更に粒成長も、この付近より顕著と
なってくることに注目した。
は、その緻密化と粒成長過程を程よく昇温過程で進行さ
せ、粒成長を滑らかに行うことが必須である。特に、本
発明者らは、Mn−Znフェライトの緻密化過程、及び
粒成長過程を調査した結果、約1000℃付近より緻密
化が進行しており、更に粒成長も、この付近より顕著と
なってくることに注目した。
【0013】又、粒成長速度は、一般に、温度が高いほ
ど大きくなるため、焼成保持温度での粒成長が著しい。
即ち、この時点でのスタート粒子径をいかに均一にして
おくかが、組織コントロールのかぎとなる。それ故、昇
温部での粒成長と緻密化を制御することで、均一な組織
を有することが可能となる。特に、緻密化の開始する1
000℃〜保持温度の間の昇温速度を80〜400℃/
時間とし、その雰囲気中の酸素濃度を2〜21vol%
とすることで、本発明の目的を達成できることを見い出
した。80℃以下では、焼成時間が著しく長時間とな
り、量産として不適なため、これ以上とする。又、40
0℃/時間を越えた領域では、粒成長制御が困難なた
め、400℃/時間以下とする。
ど大きくなるため、焼成保持温度での粒成長が著しい。
即ち、この時点でのスタート粒子径をいかに均一にして
おくかが、組織コントロールのかぎとなる。それ故、昇
温部での粒成長と緻密化を制御することで、均一な組織
を有することが可能となる。特に、緻密化の開始する1
000℃〜保持温度の間の昇温速度を80〜400℃/
時間とし、その雰囲気中の酸素濃度を2〜21vol%
とすることで、本発明の目的を達成できることを見い出
した。80℃以下では、焼成時間が著しく長時間とな
り、量産として不適なため、これ以上とする。又、40
0℃/時間を越えた領域では、粒成長制御が困難なた
め、400℃/時間以下とする。
【0014】又、酸素濃度に関しては、比較的高い分圧
下の方が滑らかな粒成長をすることにより、好ましくは
5〜21vol%がよい。2vol%以下では、粒成長
速度、及び緻密化速度が速すぎるため、組織制御ができ
ず、これ以上とする必要がある。又、21vol%以
上、即ち大気中の酸素濃度以上でも、本発明と同様な効
果が得られるが、更に、酸素を導入する必要があり、工
業上、得策でないため、21vol%以下と限定する。
又、1000℃以下の昇温速度は、特に組織制御には大
きく関与しないため、脱バインダーを考慮した昇温速
度、酸素濃度であれば、特に限定されない。
下の方が滑らかな粒成長をすることにより、好ましくは
5〜21vol%がよい。2vol%以下では、粒成長
速度、及び緻密化速度が速すぎるため、組織制御ができ
ず、これ以上とする必要がある。又、21vol%以
上、即ち大気中の酸素濃度以上でも、本発明と同様な効
果が得られるが、更に、酸素を導入する必要があり、工
業上、得策でないため、21vol%以下と限定する。
又、1000℃以下の昇温速度は、特に組織制御には大
きく関与しないため、脱バインダーを考慮した昇温速
度、酸素濃度であれば、特に限定されない。
【0015】
【0016】(実施例1)高純度のFe2O3,Mn
3O4,ZnO各原料粉末を52.5mol%Fe2O3−
36MnO−11.5mol%ZnOとなるように秤量
し、湿式ボールミルで混合粉砕した。この時、副成分と
して、100ppmのSiO2,700ppmのCaC
O3,300ppmのNb2O5を同時に混合した。この
混合粉末を950℃×1時間の仮焼を行い、ボールミル
で湿式法により平均粒径2μm以下まで粉砕した。この
粉末にバインダーとしてポリビニルアルコールを加えて
造粒した後、2ton/cm2の圧力で、外径30m
m、内径18mm、厚さ5mmのトロイダルコアを成形
した。
3O4,ZnO各原料粉末を52.5mol%Fe2O3−
36MnO−11.5mol%ZnOとなるように秤量
し、湿式ボールミルで混合粉砕した。この時、副成分と
して、100ppmのSiO2,700ppmのCaC
O3,300ppmのNb2O5を同時に混合した。この
混合粉末を950℃×1時間の仮焼を行い、ボールミル
で湿式法により平均粒径2μm以下まで粉砕した。この
粉末にバインダーとしてポリビニルアルコールを加えて
造粒した後、2ton/cm2の圧力で、外径30m
m、内径18mm、厚さ5mmのトロイダルコアを成形
した。
【0017】本圧粉成形体を焼成保持温度1350℃保
持時の酸素濃度1〜6vol%とし、昇温速度を常温か
ら1000℃までは、300℃/時間とし、1000℃
から1350℃までを50℃/時間、80℃/時間、1
50℃/時間、250℃/時間、350℃/時間、40
0℃/時間、500℃/時間とし、昇温時の酸素濃度を
10vol%とした。
持時の酸素濃度1〜6vol%とし、昇温速度を常温か
ら1000℃までは、300℃/時間とし、1000℃
から1350℃までを50℃/時間、80℃/時間、1
50℃/時間、250℃/時間、350℃/時間、40
0℃/時間、500℃/時間とし、昇温時の酸素濃度を
10vol%とした。
【0018】図1に、昇温速度を変化させた時の、周波
数100kHz、磁束密度200mT、測定温度100
℃でのパワーロスを示す。昇温速度が400℃/時間を
越えた領域では、磁気特性が劣化しており、又、400
℃/時間以下の速度では、いずれも450kw/m3以
下の優れたパワーロスを示している。
数100kHz、磁束密度200mT、測定温度100
℃でのパワーロスを示す。昇温速度が400℃/時間を
越えた領域では、磁気特性が劣化しており、又、400
℃/時間以下の速度では、いずれも450kw/m3以
下の優れたパワーロスを示している。
【0019】(実施例2)実施例1で得られた圧粉成形
体を保持温度1350℃、保持時の酸素濃度を1〜6v
ol%とし、焼成温度1000℃から1350℃までを
300℃/時間の昇温速度とし、この間の酸素濃度を
0.5,1.5,3,5,10,21(大気),35vo
l%とした。
体を保持温度1350℃、保持時の酸素濃度を1〜6v
ol%とし、焼成温度1000℃から1350℃までを
300℃/時間の昇温速度とし、この間の酸素濃度を
0.5,1.5,3,5,10,21(大気),35vo
l%とした。
【0020】図2に、この酸素濃度を変化させた時の周
波数100kHz、磁束密度200mT、測定温度10
0℃での各試料のパワーロスを示す。1000℃から焼
成保持温度までの酸素濃度が2vol%以上では、45
0kW/m3以下の優れたパワーロスを示すことがわか
る。なお、パワーロスは、岩崎通信機製のST−823
2システムを用いて計測した。
波数100kHz、磁束密度200mT、測定温度10
0℃での各試料のパワーロスを示す。1000℃から焼
成保持温度までの酸素濃度が2vol%以上では、45
0kW/m3以下の優れたパワーロスを示すことがわか
る。なお、パワーロスは、岩崎通信機製のST−823
2システムを用いて計測した。
【0021】
【発明の効果】以上、述べた如く、Mn−Znフェライ
トを焼成する過程において、昇温部の1000℃から保
持温度までを酸素濃度2〜21vol%(大気)の雰囲
気下で80から〜400℃/時間の昇温速度により焼成
し、所定の保持、冷却を行うことで、周波数100kH
z、磁束密度200mT、測定温度100℃の損失(パ
ワーロス)が450kW/m3以下の優れたMn−Zn
フェライトを容易に、しかも、安定に製造できる。
トを焼成する過程において、昇温部の1000℃から保
持温度までを酸素濃度2〜21vol%(大気)の雰囲
気下で80から〜400℃/時間の昇温速度により焼成
し、所定の保持、冷却を行うことで、周波数100kH
z、磁束密度200mT、測定温度100℃の損失(パ
ワーロス)が450kW/m3以下の優れたMn−Zn
フェライトを容易に、しかも、安定に製造できる。
【0022】これは、焼成時の緻密化と粒成長の両者
が、最も焼成体の結晶組織形成に重要な範囲を滑らかに
進行させ、焼成保持部での最終的な組織形成の核となる
組織を形成できるためと思われる。
が、最も焼成体の結晶組織形成に重要な範囲を滑らかに
進行させ、焼成保持部での最終的な組織形成の核となる
組織を形成できるためと思われる。
【0023】又、本発明の実施例のように、均一昇温速
度、均一酸素濃度下での焼成条件にこだわる必要はな
く、本発明の範囲内の条件であれば、その変動があった
としても、同様な効果は得られるものである。
度、均一酸素濃度下での焼成条件にこだわる必要はな
く、本発明の範囲内の条件であれば、その変動があった
としても、同様な効果は得られるものである。
【図1】本発明の実施例1における昇温部の1000℃
から1350℃の昇温速度と損失の関係を示す図。
から1350℃の昇温速度と損失の関係を示す図。
【図2】本発明の実施例2における昇温部1000℃か
ら1350℃の酸素濃度とパワーロスの関係を示す図。
ら1350℃の酸素濃度とパワーロスの関係を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn−Zn系フェライトを用いた低損失
酸化物磁性材料の製造方法において、Mn−Zn系フェ
ライトの圧粉体を焼成する際、1000℃から焼成保持
温度までの昇温過程を2〜21vol%の酸素濃度の雰
囲気中で、80〜400℃/hrの速度で行うことを特
徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で作製され、温
度100℃において、周波数100kHz、磁束密度2
00mTの条件で損失(パワーロス)の値が450kW
/m3以下であることを特徴とする低損失酸化物磁性材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8188380A JPH1022113A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8188380A JPH1022113A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1022113A true JPH1022113A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=16222616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8188380A Pending JPH1022113A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1022113A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000031000A1 (fr) * | 1998-11-25 | 2000-06-02 | Tdk Corporation | Procede de production d'un tore magnetique de manganese-zinc et tore magnetique de manganese-zinc |
JP2014080344A (ja) * | 2012-10-18 | 2014-05-08 | Tdk Corp | フェライト焼結体 |
JP2015036364A (ja) * | 2013-08-16 | 2015-02-23 | Jfeケミカル株式会社 | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製法方法 |
JP2015036363A (ja) * | 2013-08-16 | 2015-02-23 | Jfeケミカル株式会社 | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製法方法 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP8188380A patent/JPH1022113A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000031000A1 (fr) * | 1998-11-25 | 2000-06-02 | Tdk Corporation | Procede de production d'un tore magnetique de manganese-zinc et tore magnetique de manganese-zinc |
US6309558B1 (en) | 1998-11-25 | 2001-10-30 | Tdk Corporation | Process of fabricating a manganese-zinc-ferrite core, and manganese zinc-base ferrite core |
KR100383394B1 (ko) * | 1998-11-25 | 2003-05-12 | 티디케이가부시기가이샤 | 망간아연계 페라이트코어의 제조방법 및 망간아연계 페라이트코어 |
JP2014080344A (ja) * | 2012-10-18 | 2014-05-08 | Tdk Corp | フェライト焼結体 |
JP2015036364A (ja) * | 2013-08-16 | 2015-02-23 | Jfeケミカル株式会社 | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製法方法 |
JP2015036363A (ja) * | 2013-08-16 | 2015-02-23 | Jfeケミカル株式会社 | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製法方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3108803B2 (ja) | Mn−Znフェライト | |
Liu et al. | MnZn power ferrite with high Bs and low core loss | |
JP2007070209A (ja) | MnZn系フェライトの製造方法 | |
JP3584438B2 (ja) | Mn−Znフェライトおよびその製造方法 | |
JP2008247675A (ja) | MnZn系フェライトの製造方法 | |
JP2917706B2 (ja) | 酸化物磁性体材料 | |
JP3607203B2 (ja) | MnZn系フェライトの製造方法、MnZn系フェライト、および電源用フェライトコア | |
JP3108804B2 (ja) | Mn−Znフェライト | |
JPH05335132A (ja) | 酸化物磁性体材料 | |
JP2001064076A (ja) | 磁性フェライト材料およびその製造方法 | |
JPH06310320A (ja) | 酸化物磁性体材料 | |
JP3597673B2 (ja) | フェライト材料 | |
JP3288113B2 (ja) | Mn−Znフェライト磁性材料 | |
JP2005330126A (ja) | MnZnフェライト及びその製造方法 | |
JPH1022113A (ja) | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 | |
JP2003068516A (ja) | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製造方法 | |
JP2855990B2 (ja) | 酸化物磁性体材料 | |
JP2016056051A (ja) | MnZn系フェライト、及びMnZn系フェライト大型コア | |
JP3790606B2 (ja) | Mn−Coフェライト材料 | |
WO2022070634A1 (ja) | MnZn系フェライト、及びその製造方法 | |
JP3597665B2 (ja) | Mn−Niフェライト材料 | |
JPH08148322A (ja) | 酸化物磁性体材料およびそれを使用するスイッチング電源 | |
CN114685153B (zh) | 宽温宽频MnZn功率铁氧体材料及制备方法 | |
JP3584437B2 (ja) | Mn−Znフェライトの製造方法 | |
JPH10270231A (ja) | Mn−Niフェライト材料 |